脱穀機の揺動選別装置
【課題】選別棚の篩選別処理を効果的に行わせ、選別性能の向上を図る。
【解決手段】扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置する。
【解決手段】扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1にも開示されているように、扱室の後側板より後方で扱胴受網の延長線上後方位置には、藁屑などの排塵処理物を受け入れて篩い分け処理する篩分装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−16200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湿潤度の高い作物を脱穀するほど、藁屑も多量に発生し、篩選別処理に負担がかかり、従来の篩分装置によるだけでは充分な処理が期待できないものであった。
本発明による課題は、扱室後方に設けられる篩選別棚と、揺動選別棚の上部に設けられる篩選別棚と、揺動選別棚の後方部位に設けられる篩選別棚との組み合わせによって篩分選別処理を効果的に行わせ、選別性能の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、前記揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置したことを特徴とする脱穀装置とした。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)の後上り傾斜角度よりも前記第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度を大きく設定し、該第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度よりも前記第3篩選別棚(14)の後上り傾斜角度を大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置とした。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)の終端部を、吸塵ファン(21)の吸引口前端部に近接させるか、又は吸塵ファン(21)の吸引口前端部よりも後方まで延出させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱穀装置とした。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)は、該第1篩選別棚(7)の前部に備えた左右方向の支持軸(24)を支点として後部側が上下に回動する構成とし、該第1篩選別棚(7)を上下に揺動させる駆動手段(26)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の脱穀装置とした。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右方向に交互に配置して構成したことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、第1篩選別棚(7)上で処理される被選別物は、穀粒に加えて粗大な藁屑を多量に含むものであるが、第1篩選別棚(7)上の藁屑のうち、この第1篩選別棚(7)の終端部よりも手前で下方に落下しない粗大な藁屑は、この第1篩選別棚(7)の終端部から、第2篩選別棚(13)、第3篩選別棚(14)へと順次引継がれ、揺動選別棚(10)の後方部位に落下するため、揺動選別棚(10)における第1篩選別棚(7)よりも前側の部位から後方へ移送される穀粒を多く含む被処理物に藁屑が混入し難く、選別精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)から第2篩選別棚(13)、第3篩選別棚(14)への後傾角度が次第に大きくなるよう設定してあるので、藁屑に選別風が当たる時間を長くでき、選別精度をさらに向上させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)の終端部が吸塵ファン(21)に向けて延出されているので、第1篩選別棚(7)より上方に浮遊する細かな塵埃等は、吸塵ファン(21)によって速やかに吸塵され、吸塵選別性能の向上を図ることができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明による効果を奏するものでありながら、第一篩選別棚(7)が上下に揺動することで、この第一篩選別棚(7)上の被処理物に含まれる小さな藁屑を浮遊させ、選別風による選別効果を高めることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右交互に設けてあるので、塊状になった被処理物を解きほぐすことができ、選別効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】脱穀機の要部の側断面図
【図2】同上要部の縦断背面図
【図3】第1篩選別棚の平面図
【図4】脱穀機の要部の側断面図
【図5】同上要部の縦断背面図
【図6】同上別実施例の縦断背面図
【図7】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図8】同上要部の縦断背面図
【図9】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図10】同上要部の縦断背面図
【図11】同上別実施例の縦断背面図
【図12】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図13】同上要部の縦断背面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、脱穀機の側断面図を示すものであり、次のような構成になっている。
すなわち、脱穀機1は、脱穀フィードチエン2により株元を挟持しながら搬送される穀稈の穂先部を扱室3内で駆動回転する扱胴4により脱穀処理するよう構成している。扱室3の下半周部に受網5が張設され、扱室3の終端には排藁排出口6が開口されている。前記受網5の終端側端部には排塵口8が設けられている。
【0017】
扱室3の後方には排藁排出口6からの処理物を受け入れて篩い選別する第1篩選別棚としてストローフィン7が設けられている。
扱室3の下方には、脱穀処理後の処理物を受け入れて揺動移送しながら篩い選別する揺動選別棚10が前後方向揺動可能に架設されている。この揺動選別棚10は、選別方向上手側から移送棚11、チャフシ−ブ12、チャフシーブ12の上方に配置されて前記第1篩選別棚7からの処理物を受け入れて処理する第2篩選別棚(ジャンプラック)13、前記チャフシーブ12の終端に続く第3篩い選別棚としてストロ−ラック14の順に配置し、且つ、前記チャフシ−ブ12の下方にグレンシ−ブ15、1番戻し棚16、2番戻し棚17を配置して設けた構成としている。
【0018】
また、揺動選別棚10の下方には選別方向の上手側から順に、唐箕18と、1番移送螺旋19、2番移送螺旋20と、その上方に吸塵フアン21を設けて排塵選別室を構成している。
【0019】
ストローフィン(第1篩選別棚)7とジャンプラック(第2篩選別棚)13、ジャンプラック(第2篩選別棚)13とストローラック(第3篩選別棚)14とは夫々前後にオーバラップさせて設けた構成としている。また、ストローフィン7の後上がり傾斜角θ1と、ジャンプラック13の傾斜角θ2と、ストローラック14の傾斜角θ3とは、前側から順次後上りの後傾角度が大(θ1<θ2<θ3)となるよう設定している。
【0020】
前記ストローフィン7、ジャンプラック13、ストローラック14は、左右方向に複数配置した複数の篩部材7a…,13a…,14a…からなり、各篩部材を平面視で直線状に並置してあり、しかも、図1例では作用上面をラック状に形成している。なお、篩い部材7aは薄い板バネで構成し、機体の振動により左右方向にも揺れるようにしておくと分離効果を更に高めることができる。
【0021】
第1篩選別棚7は、この終端側部を前記吸塵ファン21の前端部近く若しくはこれより後方まで延出することによって、上方に浮遊する塵稈などを吸塵し易くしている。第1篩選別棚7の終端部はチャフシーブ12終端の上方に位置させている。
【0022】
また、第1篩選別棚7は、前方部位の左右方向の支持軸24を支点として後方部位が上下に揺動変位すべく構成し、適宜の駆動手段によって第1篩選別棚7を強制的に揺動駆動させるべく連動構成している。つまり、揺動アーム25の往復揺動、ロッド(駆動手段)26の往復動によってストローフィン7が支持軸24回りに上下動するようになっている。なお、この揺動駆動源については、近くの吸塵ファン21や、1番移送ラセン19、2番移送螺旋20等任意の個所から動力伝達を得ることができる。
【0023】
なお、上記支持軸24は機体の左側より取外すことができるようになっている。また、支持軸24の上方には、扱室側より後方下方に向けて傾斜する藁屑引っ掛り防止用シャフトカバー31が設けられている。シャフトカバー31はフィン7aの揺動上限位置を規制するストッパの役目を果たしている。
【0024】
更に、第1篩選別棚7は、図3に示すように、上下に揺動する可動篩部材7aと機枠に固定した支持部材27に固定の固定篩部材7bとを左右交互に設けることによって、藁屑の拡散分離効果をより高めることができる。なお、固定篩部材7bは可動篩部材7aの上下動範囲内中間位置に設定しておくことが望ましい。
【0025】
次に、図4及び図5に示す実施例について説明すると、第1篩選別棚7の篩い部材(フィン)7aを回動可能な支持軸24に固定し、支持軸24と機枠28との間にはトルクスプリング29を設け、フィン7aが機体振動にて上下動するように構成している、そして、フィン7aは丸棒で構成すると共に、終端部先端を上向きに折り曲げた構成としている。尚、丸棒フィンの構成として、図6例のように、直線フィンa1と曲げフィンa2を交互に設けるようにしても良い。また、フィン7aは、弾性材で構成し、機体振動によって左右にも上下にも揺れるように構成しておくと分離効果が更に高まる。
【0026】
また、図4例では、フィン7aの上下動範囲外において該フィンの上下動幅を規制する規制部材30が設けられている。
図7、図8例は、第1篩選別棚7を網体7Nで構成し、支持軸24を支点として上下動する構成としている。
【0027】
図9、図10例では、第1篩選別棚7のフィン7aを板バネで構成し、扱室後側板9に上下垂直状に取り付けて機体の振動で左右に揺れるように構成している。また、図11例では、フィン7aを板バネで構成すると共に、これを左右横向きに取り付けて上下方向の揺れが生じるように構成している。
【0028】
また、図12、図13例は、第1篩選別棚7のフィン7aが圧縮スプリング33を介して前後方向に揺動可能に構成され、機体の振動によって前後に揺動する構成としている。また、この篩選別棚7は揺動選別棚10の振動を相殺するように振動する構成としている。なお、フィン7aの揺動方向は前傾の斜め上方とすることで、藁屑の拡散を促進することができる。前記圧縮スプリン33の上方には藁屑の引っ掛りを防止するスプリングカバー34が設けられている。
【符号の説明】
【0029】
3 扱室
6 排藁排出口
7 第1篩選別棚
7a 可動篩部材フィン
7b 固定篩部材
10 揺動選別棚
13 第2篩選別棚
14 第3篩選別棚
18 唐箕
21 吸塵ファン
24 支持軸
26 駆動手段(ロッド)
【技術分野】
【0001】
この発明は、脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1にも開示されているように、扱室の後側板より後方で扱胴受網の延長線上後方位置には、藁屑などの排塵処理物を受け入れて篩い分け処理する篩分装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−16200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湿潤度の高い作物を脱穀するほど、藁屑も多量に発生し、篩選別処理に負担がかかり、従来の篩分装置によるだけでは充分な処理が期待できないものであった。
本発明による課題は、扱室後方に設けられる篩選別棚と、揺動選別棚の上部に設けられる篩選別棚と、揺動選別棚の後方部位に設けられる篩選別棚との組み合わせによって篩分選別処理を効果的に行わせ、選別性能の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、前記揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置したことを特徴とする脱穀装置とした。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)の後上り傾斜角度よりも前記第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度を大きく設定し、該第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度よりも前記第3篩選別棚(14)の後上り傾斜角度を大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置とした。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)の終端部を、吸塵ファン(21)の吸引口前端部に近接させるか、又は吸塵ファン(21)の吸引口前端部よりも後方まで延出させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱穀装置とした。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)は、該第1篩選別棚(7)の前部に備えた左右方向の支持軸(24)を支点として後部側が上下に回動する構成とし、該第1篩選別棚(7)を上下に揺動させる駆動手段(26)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の脱穀装置とした。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右方向に交互に配置して構成したことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、第1篩選別棚(7)上で処理される被選別物は、穀粒に加えて粗大な藁屑を多量に含むものであるが、第1篩選別棚(7)上の藁屑のうち、この第1篩選別棚(7)の終端部よりも手前で下方に落下しない粗大な藁屑は、この第1篩選別棚(7)の終端部から、第2篩選別棚(13)、第3篩選別棚(14)へと順次引継がれ、揺動選別棚(10)の後方部位に落下するため、揺動選別棚(10)における第1篩選別棚(7)よりも前側の部位から後方へ移送される穀粒を多く含む被処理物に藁屑が混入し難く、選別精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)から第2篩選別棚(13)、第3篩選別棚(14)への後傾角度が次第に大きくなるよう設定してあるので、藁屑に選別風が当たる時間を長くでき、選別精度をさらに向上させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)の終端部が吸塵ファン(21)に向けて延出されているので、第1篩選別棚(7)より上方に浮遊する細かな塵埃等は、吸塵ファン(21)によって速やかに吸塵され、吸塵選別性能の向上を図ることができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明による効果を奏するものでありながら、第一篩選別棚(7)が上下に揺動することで、この第一篩選別棚(7)上の被処理物に含まれる小さな藁屑を浮遊させ、選別風による選別効果を高めることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果を奏するものでありながら、第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右交互に設けてあるので、塊状になった被処理物を解きほぐすことができ、選別効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】脱穀機の要部の側断面図
【図2】同上要部の縦断背面図
【図3】第1篩選別棚の平面図
【図4】脱穀機の要部の側断面図
【図5】同上要部の縦断背面図
【図6】同上別実施例の縦断背面図
【図7】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図8】同上要部の縦断背面図
【図9】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図10】同上要部の縦断背面図
【図11】同上別実施例の縦断背面図
【図12】脱穀機の別実施例要部の側断面図
【図13】同上要部の縦断背面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、脱穀機の側断面図を示すものであり、次のような構成になっている。
すなわち、脱穀機1は、脱穀フィードチエン2により株元を挟持しながら搬送される穀稈の穂先部を扱室3内で駆動回転する扱胴4により脱穀処理するよう構成している。扱室3の下半周部に受網5が張設され、扱室3の終端には排藁排出口6が開口されている。前記受網5の終端側端部には排塵口8が設けられている。
【0017】
扱室3の後方には排藁排出口6からの処理物を受け入れて篩い選別する第1篩選別棚としてストローフィン7が設けられている。
扱室3の下方には、脱穀処理後の処理物を受け入れて揺動移送しながら篩い選別する揺動選別棚10が前後方向揺動可能に架設されている。この揺動選別棚10は、選別方向上手側から移送棚11、チャフシ−ブ12、チャフシーブ12の上方に配置されて前記第1篩選別棚7からの処理物を受け入れて処理する第2篩選別棚(ジャンプラック)13、前記チャフシーブ12の終端に続く第3篩い選別棚としてストロ−ラック14の順に配置し、且つ、前記チャフシ−ブ12の下方にグレンシ−ブ15、1番戻し棚16、2番戻し棚17を配置して設けた構成としている。
【0018】
また、揺動選別棚10の下方には選別方向の上手側から順に、唐箕18と、1番移送螺旋19、2番移送螺旋20と、その上方に吸塵フアン21を設けて排塵選別室を構成している。
【0019】
ストローフィン(第1篩選別棚)7とジャンプラック(第2篩選別棚)13、ジャンプラック(第2篩選別棚)13とストローラック(第3篩選別棚)14とは夫々前後にオーバラップさせて設けた構成としている。また、ストローフィン7の後上がり傾斜角θ1と、ジャンプラック13の傾斜角θ2と、ストローラック14の傾斜角θ3とは、前側から順次後上りの後傾角度が大(θ1<θ2<θ3)となるよう設定している。
【0020】
前記ストローフィン7、ジャンプラック13、ストローラック14は、左右方向に複数配置した複数の篩部材7a…,13a…,14a…からなり、各篩部材を平面視で直線状に並置してあり、しかも、図1例では作用上面をラック状に形成している。なお、篩い部材7aは薄い板バネで構成し、機体の振動により左右方向にも揺れるようにしておくと分離効果を更に高めることができる。
【0021】
第1篩選別棚7は、この終端側部を前記吸塵ファン21の前端部近く若しくはこれより後方まで延出することによって、上方に浮遊する塵稈などを吸塵し易くしている。第1篩選別棚7の終端部はチャフシーブ12終端の上方に位置させている。
【0022】
また、第1篩選別棚7は、前方部位の左右方向の支持軸24を支点として後方部位が上下に揺動変位すべく構成し、適宜の駆動手段によって第1篩選別棚7を強制的に揺動駆動させるべく連動構成している。つまり、揺動アーム25の往復揺動、ロッド(駆動手段)26の往復動によってストローフィン7が支持軸24回りに上下動するようになっている。なお、この揺動駆動源については、近くの吸塵ファン21や、1番移送ラセン19、2番移送螺旋20等任意の個所から動力伝達を得ることができる。
【0023】
なお、上記支持軸24は機体の左側より取外すことができるようになっている。また、支持軸24の上方には、扱室側より後方下方に向けて傾斜する藁屑引っ掛り防止用シャフトカバー31が設けられている。シャフトカバー31はフィン7aの揺動上限位置を規制するストッパの役目を果たしている。
【0024】
更に、第1篩選別棚7は、図3に示すように、上下に揺動する可動篩部材7aと機枠に固定した支持部材27に固定の固定篩部材7bとを左右交互に設けることによって、藁屑の拡散分離効果をより高めることができる。なお、固定篩部材7bは可動篩部材7aの上下動範囲内中間位置に設定しておくことが望ましい。
【0025】
次に、図4及び図5に示す実施例について説明すると、第1篩選別棚7の篩い部材(フィン)7aを回動可能な支持軸24に固定し、支持軸24と機枠28との間にはトルクスプリング29を設け、フィン7aが機体振動にて上下動するように構成している、そして、フィン7aは丸棒で構成すると共に、終端部先端を上向きに折り曲げた構成としている。尚、丸棒フィンの構成として、図6例のように、直線フィンa1と曲げフィンa2を交互に設けるようにしても良い。また、フィン7aは、弾性材で構成し、機体振動によって左右にも上下にも揺れるように構成しておくと分離効果が更に高まる。
【0026】
また、図4例では、フィン7aの上下動範囲外において該フィンの上下動幅を規制する規制部材30が設けられている。
図7、図8例は、第1篩選別棚7を網体7Nで構成し、支持軸24を支点として上下動する構成としている。
【0027】
図9、図10例では、第1篩選別棚7のフィン7aを板バネで構成し、扱室後側板9に上下垂直状に取り付けて機体の振動で左右に揺れるように構成している。また、図11例では、フィン7aを板バネで構成すると共に、これを左右横向きに取り付けて上下方向の揺れが生じるように構成している。
【0028】
また、図12、図13例は、第1篩選別棚7のフィン7aが圧縮スプリング33を介して前後方向に揺動可能に構成され、機体の振動によって前後に揺動する構成としている。また、この篩選別棚7は揺動選別棚10の振動を相殺するように振動する構成としている。なお、フィン7aの揺動方向は前傾の斜め上方とすることで、藁屑の拡散を促進することができる。前記圧縮スプリン33の上方には藁屑の引っ掛りを防止するスプリングカバー34が設けられている。
【符号の説明】
【0029】
3 扱室
6 排藁排出口
7 第1篩選別棚
7a 可動篩部材フィン
7b 固定篩部材
10 揺動選別棚
13 第2篩選別棚
14 第3篩選別棚
18 唐箕
21 吸塵ファン
24 支持軸
26 駆動手段(ロッド)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、前記揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記第1篩選別棚(7)の後上り傾斜角度よりも前記第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度を大きく設定し、該第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度よりも前記第3篩選別棚(14)の後上り傾斜角度を大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記第1篩選別棚(7)の終端部を、吸塵ファン(21)の吸引口前端部に近接させるか、又は吸塵ファン(21)の吸引口前端部よりも後方まで延出させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱穀装置。
【請求項4】
前記第1篩選別棚(7)は、該第1篩選別棚(7)の前部に備えた左右方向の支持軸(24)を支点として後部側が上下に回動する構成とし、該第1篩選別棚(7)を上下に揺動させる駆動手段(26)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の脱穀装置。
【請求項5】
前記第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右方向に交互に配置して構成したことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置。
【請求項1】
扱室(3)からの脱穀処理物を受け入れて揺動選別する揺動選別棚(10)の前部下方に唐箕(18)を設け、揺動選別棚(10)の後部上方には吸塵ファン(21)を設け、扱室(3)後端に形成した排藁排出口(6)部から第1篩選別棚(7)を後方へ延出し、前記揺動選別棚(10)の上部であって、第1篩選別棚(7)よりも下方の部位に第2篩選別棚(13)を設けると共に、揺動選別棚(10)の後方部位には第3篩選別棚(14)を設け、第1篩選別棚(7)の後部と第2篩選別棚(13)の前部とを上下にオーバーラップさせて配置し、第2篩選別棚(13)の後部と第3篩選別棚(14)の前部とを上下にオーバラップさせて配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記第1篩選別棚(7)の後上り傾斜角度よりも前記第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度を大きく設定し、該第2篩選別棚(13)の後上り傾斜角度よりも前記第3篩選別棚(14)の後上り傾斜角度を大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記第1篩選別棚(7)の終端部を、吸塵ファン(21)の吸引口前端部に近接させるか、又は吸塵ファン(21)の吸引口前端部よりも後方まで延出させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱穀装置。
【請求項4】
前記第1篩選別棚(7)は、該第1篩選別棚(7)の前部に備えた左右方向の支持軸(24)を支点として後部側が上下に回動する構成とし、該第1篩選別棚(7)を上下に揺動させる駆動手段(26)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の脱穀装置。
【請求項5】
前記第1篩選別棚(7)は、上下に揺動する可動篩部材(7a)と固定篩部材(7b)とを左右方向に交互に配置して構成したことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−231714(P2012−231714A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101580(P2011−101580)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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