脱穀装置におけるチャフシーブ構造
【課題】本発明は、チャフシーブを最小間隔に設定した全閉状態であっても良好に選別できる脱穀装置のチャフシーブ構造を提供することを目的とする。
【解決手段】選別板53の下部に、選別板53の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部53aを形成するとともに、選別板53の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って選別板53の板面に対して下方側に膨出する膨出部53dを形成してある。
【解決手段】選別板53の下部に、選別板53の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部53aを形成するとともに、選別板53の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って選別板53の板面に対して下方側に膨出する膨出部53dを形成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインやハーベスターに搭載される脱穀装置におけるチャフシーブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されてチャフシーブの開度が設定されるように構成したものが知られている。
【0003】
特許文献1の図2、図3に示されているように、選別板の下端に選別面に対して略直角に前方に向けた折り曲げ部を備えている。そして、選別板の選別面及びその裏面はフラットに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−262138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
選別面の選別板がフラットであると、チャフシーブが全開又は全開に近い状態(選別板が起立した状態)にあるときには、選別面に沿って落下する選別処理物は折り曲げ部まで落下し、ここで初めてチャフシーブの揺動によって選別処理物が揺動選別されることとなるが、この位置から選別処理物を揺動させても十分な風選別が行い難い場合がある。
【0006】
そこで、図11の参考例に示すように、選別板の上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板の板面に対して上方に膨出する膨出部を形成することが考えられる。このようにすると、選別板に落下してきた選別処理物は、先に上方の膨出部で落下を抑制されて揺動選別が行われ易くなる。
【0007】
しかし、特許文献1のものも図11の参考例に示すものも、下部の折り曲げ部及び中間の膨出部を含む選別板の選別面に直交する方向の厚さが薄いので、チャフシーブを隣接する選別板どうしの前側の選別板と後側の選別板の下部の折り曲げ部との間が所定の最小間隔となる閉状態に設定すると、図11(b)に示すように選別板の選別面が大きく倒伏されて水平に近い状態となる。選別板の選別面が水平に近づくと選別処理物が湿り勝ちである場合には選別処理物が落下し難くなり、選別不良が生じ易くなる。
【0008】
本発明は、チャフシーブを最小間隔に設定した全閉状態であっても良好に選別できる脱穀装置のチャフシーブ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔第1発明の構成〕
第1発明は、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、前記チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、前記複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、前記複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、前記支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造において、
前記選別板の下部に、当該選別板の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部を形成するとともに、前記選別板の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って当該選別板の板面に対して下方側に膨出する膨出部を形成してある。
【0010】
〔第1発明の作用〕
第1発明によれば、チャフシーブを開状態にしたときは、選別処理物が通過する隣接する前側の選別板の膨出部の裏面と後側の選別板の前面位置との隙間は比較的広く、又、チャフシーブを開状態にしたときは選別板が比較的急傾斜に立ち上がっているので、選別処理物が隣接する選別板間を通過しやすい状態にある。
【0011】
すなわち、第1発明によれば、選別板の前面に形成される選別面に対して、膨出部を後方に膨出させているので、選別板が膨出部を後方に膨出させた分だけ、選別板の選別面に直交する方向の厚さを厚くすることができ、これにより、チャフシーブを隣接する選別板どうしの前側の選別板の裏面と後側の選別板の下部の折り曲げ部との間の隙間が所定の最小間隔となる全閉状態に設定しても、選別板の選別面が大きく倒伏されない。
【0012】
〔第1発明の効果〕
第1発明によれば、選別板の選別面の傾斜角が比較的大きい状態でチャフシーブの全閉状態を出現できるので、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブの全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができるに至った。
【0013】
〔第2発明の構成〕
第2発明は、第1発明の構成において、前記チャフシーブを隣接する選別板の間隔が最小間隔となる全閉状態に設定したときに、前記選別板の上下中間部に形成した膨出部の裏面と、その後方に隣接する選別板の下部に形成した上方に屈曲する折り曲げ部の上端縁とが対向して、隣接する前側の前記膨出部の裏面と後側の前記折り曲げ部との間に所定の間隙を形成してある。
【0014】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によれば、膨出部と折り曲げ部との上下2段で選別処理物に落下抵抗を与えることができるとともに、前側の選別板の膨出部と後方に隣接する選別板の折り曲げ部とが対向して隣接することで、チャフシーブを全閉状態にしたときの前側の選別板の膨出部と後側の選別板の折り曲げ部で選別処理物に落下抵抗を与え、両者の協働でチャフシーブが全閉状態での選別を良好に行うことができる。
【0015】
又、チャフシーブを全閉状態にしたときに、選別板の折り曲げ部と膨出部とによって選別板の選別面に直交する方向の厚さを厚くすることができるとともに、前側の選別板の膨出部の裏面と後側の選別板の折り曲げ部とで最小間隔を確実に設定することができるので、チャフシーブを全閉状態にしたときに選別板の選別面の傾斜角が比較的大きく保つことができる。したがって、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブの全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】脱穀装置の概略縦断側面図である。
【図2】脱穀装置の部分正面図である。
【図3】扱室前方の部分縦断側面図である。
【図4】受網の展開図である。
【図5】チャフシーブの開状態を示す一部破断側面図である。
【図6】チャフシーブの全閉状態を示す一部破断側面図である。
【図7】チャフシーブの選別板の左半部と操作部材と脱穀装置の左側壁を示す一部縦断正面図である。
【図8】チャフシーブの選別板の左半部を示す一部縦断正面図である。
【図9】チャフシーブと操作具の組付け図である。
【図10】(a)はチャフシーブの開状態を示す一部縦断側面図、(b)はチャフシーブの全閉状態を示す一部縦断側面図である。
【図11】(a)は参考例のチャフシーブの開状態を示す一部縦断側面図、(b)は同参考例のチャフシーブの全閉状態を示す一部縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はコンバインに搭載される脱穀装置1の縦断側面図、図2は脱穀装置の部分正面図、図3は扱室前方の部分縦断側面図を示す。この脱穀装置1では脱穀部2、選別部3、回収部4の夫々を上部、中間部、下部に配置して構成されている。
【0018】
前記脱穀部2は扱室5内に前後向き姿勢の支軸6と一体回転自在に支持された扱胴7と、この扱胴7の下側に沿って配置した受網8とを備えると共に、扱室5の側面にフィードチェーン9と挟持レール10とで成る挟持搬送機構11を備えて構成されている。
選別部3は揺動選別装置12と、この揺動選別装置12に選別風を送る唐箕13とで構成され、揺動選別装置12は受網8から漏下した処理物を前部位置の波状に成形されたグレンパン14で受け止めると共に、揺動によって後方に移送しながらチャフシーブ15で粗選別を行った後、グレンシーブ16で穀粒だけを選別して漏下させ、更に、長藁はストローラック17によって脱穀装置外に送り出すものとなっている。
又、回収部4は揺動選別装置12のグレンシーブ16で選別された穀粒を回収する一番スクリュー18と、グレンシーブ16の後端から放出された、あるいは、ストローラック17から漏下した二番物を回収する二番スクリュー19とを備えて構成され、一番スクリュー18で回収された穀粒は穀粒貯留部(図示せず)に送られ、二番スクリュー19で回収された藁や枝付きの穀粒等の処理物は還元装置20によって揺動選別装置12の前部に戻されるようになっている。尚、脱穀装置1の後部には装置内の塵埃を吸引して排出する排塵ファン21を備えている。
【0019】
図1、図2に示すように、前記扱室5は穀稈供給口26側の壁となる前壁22と、送塵口27側の壁となる後壁23と、扱き口28側の壁となる左側壁24と、これらの上部を覆う位置に配置される天井壁25とを備えて構成されると共に、扱胴7の支軸6は前壁22と後壁23とに架設され、前壁22には穀稈供給口26が形成され、後壁23には送塵口27が形成され、左側壁24には穀稈供給口26と送塵口27とに連なる扱き口28が形成されている。又、左側壁24のうち、扱き口28の上部近くの部分を含む上方箇所の左側壁部分を上唇板24aと称し、扱き口28の下部近くの部分を含む下方箇所を下唇板24bと称し、上唇板24aの外面に対して挟持レール10が支持され、下唇板24bの外壁に対してフィードチェーン9が支持されている。
【0020】
図2、図3に示す前記前壁22の前方には脱穀装置1のフロントカバー29が設けられている。前壁22の前方に位置する扱胴7の支軸6には駆動プーリ30が配設されており、この駆動プーリ30はフロントカバー29で覆われている。
フロントカバー29にはゴム製のハンプ31がハンプ押さえ板32で押え付けられて、ネジ33で固定されて吊設されている。フロントカバー29の上部は、カバー取付け用ブラケット34に固定したピン35等を介して、前壁22に連設されたカバー支持板36に着脱自在に連結されている。
【0021】
前記フロントカバー29は、図3に示すように、ハンプ31の固定部の下方部分に多段に第1折曲げカバー部分29a、第2折曲げカバー部分29b及び水平となる第3折曲げカバー部分29cを形成してある。フィードチェーン9で挟持搬送されてきた刈取り穀稈が穀稈供給口26に搬送されてくるとハンプ31が、二点鎖線で示すように、第1〜第3折り曲げカバー部分29a,29b,29cに沿って折り曲がるが、折り曲げの段数を多くすることによって隣接する第1〜第3折り曲げカバー部分29a,29b,29cによる屈曲角度を小さくすることができ、ハンプ31の屈曲による破損を抑制することができる。
【0022】
前記送塵口27の後方に駆動回転自在に設けた処理回転体37を備えてある。この処理回転体37は、扱室5から排出された脱穀排ワラに掻き出し爪37aを作用させて、脱穀排ワラにささり込んでいる穀粒を掻き出す。
【0023】
前記扱室2の後方には脱穀された排ワラを斜め後方に搬送する排ワラ搬送装置38と排ワラ搬送装置38で搬送された排ワラを処理する排ワラ処理装置39を備えている。排ワラ搬送装置38は、フィードチェーン9から脱穀排ワラを受け継ぎ、受け継いだ脱穀排ワラを横倒れ姿勢で穂先側を脱穀機体のフィードチェーン9とは反対側の横壁側に寄せながら脱穀機体後方側に搬送し、脱穀機体の後部に位置する排ワラ搬出口40から脱穀機体の外部に搬出して排ワラ処理装置39のカッタケース41の上に落下させる。
【0024】
前記排ワラ処理装置39は、カッタケース41の上部に設けた排ワラ受入れ口42と、この排ワラ受入れ口42を開閉する揺動開閉自在な蓋板43と、カッタケース41の内部に駆動自在に設けた一対の回転カッター44,44とを備えている。
【0025】
つまり、前記排ワラ処理装置39は、蓋板43が上昇開放操作されると、排ワラ搬送装置38から落下した脱穀排ワラを排ワラ受け入れ口42からカッタケース41の内部に落下させ、カッタケース41に入った脱穀排ワラを回動する一対の回転カッター44,44によって稈身方向に細断し、細断ワラをカッタケース41の下部から脱穀機体1の後方に落下させる。蓋板43が閉じられると、排ワラ搬送装置38から落下した脱穀排ワラを蓋板43の上に落下させて長ワラのままで蓋板43からカッタケース41の後方に落下させる。
【0026】
図4は、前記受網8の展開図である。図1、図3、図4に示すように、受網8は扱室5の前端側と後端側とに設けた支持レール45に扱胴周方向に並べて支持された二つの分割受網8a,8aによって構成されている。受網8の前領域Fは、二つの分割受網8a,8aの前部8afによって構成されている。受網8の前領域Fよりも後側部の後領域Rは、二つの分割受網8a,8aの後部8arによって構成されている。
【0027】
前記各分割受網8aは、受網8の前後方向(扱胴回転軸芯方向)に並んだ複数本の横桟46と、受網8の横方向(扱胴周方向)に並んだ複数本の線材47と、分割受網8aの両横端部に位置した受網8の前後向きの枠体48とを備えて構成してある。各横桟46は扱胴周面に沿った円弧形の帯板で、各線材47は丸棒材によって構成してある。
【0028】
前記各分割受網8aの線材47の横方向の配列ピッチは同一の配列ピッチになっている。各分割受網8aの横桟46の前後方向の配列ピッチについては、次に説明するように、前領域Fの方が後領域Rよりも概して広い配列ピッチに設定されている。
【0029】
前記各分割受網8aには、図4に示すように、前領域Fにおける隣接する横桟46の配列ピッチとして、第1配列ピッチP1、第2配列ピッチP2、第3配列ピッチP3、第4配列ピッチP4、第5配列ピッチP5、第6配列ピッチP6を備え、後領域Rにおける隣接する横桟46の配列ピッチとして、第7配列ピッチP7を備えている。第1〜第7配列ピッチP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7の長さ関係は、「第1配列ピッチP1<第7配列ピッチP7<第6配列ピッチP6<第5配列ピッチP5<第4配列ピッチP4<第2配列ピッチP2<第3配列ピッチP3」という関係になっている。すなわち、前領域Fの第1配列ピッチP1以外は、後領域Rの第7配列ピッチP7よりも前領域Fの第2〜第6配列ピッチP2〜P6の方が広幅に形成されており、前領域Fの前端側2つの第1配列ピッチP1の目合い49以外の第2〜第6配列ピッチP2〜P6の五列に並んだ目合い50は、後領域Rに位置する目合い51よりも大きい面積を有した大目合いになっている。
【0030】
つまり、前記受網8は、前領域Fの小目合い49による横桟46の小配列ピッチによって優れた受網強度を前領域Fに有し、この前領域Fにおいて着粒量が多い状態にある穀稈を脱穀処理して脱穀粒を大目合い51によって受網8から迅速に選別部3に落下させ、後領域Rにおいて着粒量が少なくなった状態の穀稈を脱穀処理して前領域Fの大目合い50よりも面積が小さい目合い51によって塵埃を受網8から落下しにくくしながら脱穀粒を受網8から選別部3に落下させる。
【0031】
図5〜図9に示すように、前記揺動選別装置12は、シーブケース52の左右の側板52aに、チャフシーブ15が取り付けられている。チャフシーブ15の開度を調節する構造は以下のように構成されている。チャフシーブ15は、前後方向に略水平に設けられており、多数の選別板53が所定間隔を隔てて前後に並列配備して構成されている。
【0032】
前記選別板53は、操作具58に連結された中央の選別板53Aと、これ以外の前後の選別板53Bとからなる。中央の選別板53Aは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げ部53aを形成した板材53bと、板材53bの上端部に固設した丸棒からなる支軸57と、板材53bの下端部の左右に、挿脱自在な支軸を兼ねる操作軸55と、板材53bの左右に配置され、支軸57を固定するとともに操作軸55を保持する保持板53c及び板材53bの左右の端部に固定した補強板53jとで構成されている。補強板53jの左右の外側位置における操作軸55と支軸57とに亘って保持リンク53hが設けられている。
【0033】
前記前後の選別板53Bは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げ部53aを形成した板材53bと、板材53bの左右端部に配置したU字状の丸棒で形成した上の支軸57aと下の支軸55aと、これを保持する保持板53gとを備えている。支軸55a,57aは、板材53bと保持板53gとの間で固定されている。選別板53Bの上縁は略全幅に亘って波形に形成されており、上下中間部は幅方向略全幅の広幅に亘って選別板53Bの板材53bの板面に対して下方(後方)側に膨出させた補強用の膨出部53dを形成してある。折り曲げ部53aの上面と、板材53bの前面が凹入した膨出部53dの下端内面53eは、選別処理物が選別板53Bを流下してきたときに、選別処理物を一旦受け止めて、揺動風選別を受けて、軽い鞘や茎葉が風選別されるので、補強材としての機能と選別精度を向上させる機能とを備えている。
【0034】
前記中央の選別板53Aについては、支軸57をチャフシーブ取付枠69に形成した孔に挿通し、操作軸55を保持リンク53hと支持枠54の孔に挿通することにより、選別板53A、保持リンク53h、支持枠54及びチャフシーブ取付枠69等が組み付けられる。前記前後の選別板53Bについては、各支軸57aをチャフシーブ取付枠69に形成した孔に挿通して、支軸57aに割ピン70を止着してチャフシーブ取付枠69に対する抜け止めを施し、支軸55aを支持枠54の孔に挿通して、支軸55aに割ピン71を止着して支持枠54の抜け止めを施すことにより、選別板53B、支持枠54及びチャフシーブ取付枠69等が組み付けられる。
【0035】
図7〜図9に示すように、前記チャフシーブ取付枠69の複数箇所に、孔72を穿設し、チャフシーブ取付枠69の内側の孔72周りにナット73を固定してある。チャフシーブ15を左右側板52a,52aの間に位置させた状態で、ボルト75をシーブケース52の側板52aに形成した孔74に通してナット73に螺合してチャフシーブ15をシーブケース52に固定する。
【0036】
前記シーブケース52に取り付けられた選別板53A,53Bは、支持枠54を前方又は後方に移動させると、これに連動して複数の選別板53A,53Bの角度が変更されるようになっている。つまり、支持枠54を前方に移動させると各選別板53A,53Bの角度が緩くなってチャフシーブ15の開度が小さくなり、逆に、支持枠54を後方に移動させると各選別板53A,53Bの板面が下向きの急角度になってチャフシーブ15の開度が大きくなるのである。
【0037】
前記中央の選別板53Aは、チャフシーブ15の開度を変更する操作具58に連係されている。即ち、図9に示すように、操作具58には、支軸を兼ねる操作軸55が固定されている。操作軸55は、シーブケース52の左側板52aに形成された円弧状の長孔56を通して、支持枠54の孔、保持リンク53hの孔及び補強板53jの孔から中央の選別板53A(保持板53c)の下部に形成された穴53fに挿通されている。中央の選別板53Aの上端部の支軸57は、チャフシーブ取付枠69に支持されているだけで、支軸57は操作具58には取り付けられておらず、左側板52aの孔76と同心上に左側板52aに支持されている。即ち、シーブケース52の左側板52aに、孔76を穿設し、図7、図9に示すように、左側板52aの内側の孔76周りに、軸心を支軸57の軸心(横軸心)aと一致または略一致させた状態でナット77を固定してある。操作軸55を穴53fに挿通した状態での操作軸55の軸心cと支軸57の軸心aとの間の距離に等しい又は略等しい距離だけ操作軸55の軸心cから上方に隔てた操作具58の上部の位置に孔78を穿設し、この孔78に鍔付きリング79を嵌合させ、リング孔80を通してボルト81をナット77に螺合して操作具58を取り付ける。操作具58の上部に設けた孔78は、これに嵌合する鍔付きリング79の外径よりも大きく形成してあり、これによって、操作軸55を選別板53Aの穴53fに挿通してナット77にボルト81を挿通したときの製作・取付誤差を許容するようにしてある。
【0038】
図5に示すように、前記操作具58には上部の孔78の軸心aの同心円上に、円周方向に沿って等間隔に11個の孔66を形成してある。前記シーブケース52の左側板52aには、操作具58を固定するための2個の円形の孔59が形成され、孔59の中心とナットの中心が一致する状態で左側板52aの内側面にナット59aが固定されている。上側のナット77の中心とナット59aの中心との距離が、操作具58の上部の孔78の中心と下部の前記孔66の中心との間の距離に等しく、且つ、11個の孔66における隣接する孔66間のピッチの5倍のピッチ間距離だけ隔てた位置に、2個のナット59aが設けられている。
【0039】
前記操作具58を固定する場合、操作具58が前方に揺動された位置ほど、チャフシーブ15の開度が小さくなる方向に設定され、逆に、操作具58が後方に揺動されるほど、チャフシーブ15の開度が大きくなる方向に設定される。図6はチャフシーブの全閉状態を示し、図5は開状態(半開状態)を示す。前記操作具58を固定するときは、11個の孔66のうちの、5ピッチ(5個の孔)を隔てた2個の孔66に位置決め用固定部材としての2本のボルト60を挿通して、各ボルト60を左側壁52aに形成した孔59に通してナット59aに螺合することで操作具58が固定される。
【0040】
図5〜図7に示すように、前記選別部3の左側壁63には、操作具58の外側部に対応する位置に開口61が形成されており、この開口61が着脱自在な開閉蓋62で閉塞されている。チャフシーブ15の開度を変更するときは、開閉蓋62を外して、操作具58を揺動操作してボルト止め固定する孔59の位置を変更することによって、チャフシーブ15の開度を変更する。
【0041】
尚、前記シーブケース52の左右の側板52aの上端部には、シーブケース52の側板52aと選別部3の側板63との間から処理物が落下するのを防止するために、ゴム製のハンプ67をボルト68で止着してある。
【0042】
図10(a)は、チャフシーブ15を開状態としたときの詳細な図を示す一部縦断側面図で、チャフシーブ15が開状態のときは、選別処理物が通過する隣接する前側の選別板53Bの背面位置(膨出部53dの裏面)と後側の選別板53Bの前面位置(折り曲げ部53aの前端位置)との距離(処理物通過幅)S1は比較的広く、又、チャフシーブ15が開状態のときは選別板53Bが比較的急傾斜に立ち上がっているので、選別処理物が隣接する選別板53B,53B間を通過しやすい。
【0043】
図11は、本発明の実施の形態と対比するための参考図である。図11の参考例は選別板53Bの膨出方向が本発明の実施の形態の構造と逆であり、図11のものは、選別板53Bの上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板53Bの板材53bの板面に対して上方に膨出する膨出部53kを形成してある。この場合、図11(a)に示すチャフシーブ15の開状態では、隣接する前側の選別板53Bの背面位置(板材53bの裏面)と後側の選別板53Bの前面位置(折り曲げ部53aの前端位置)との距離(処理物通過幅)S1は比較的広く確保することができる。
【0044】
図11の参考例のものでは、膨出部53kが前側に膨出されているので、下部の折り曲げ部53a及び中間の膨出部53kを含む選別板53Bの選別面に直交する方向の厚さが薄くなるので、図11(b)に示すように、前側の選別板53Bの裏面と後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aとの間の隙間が所定の最小間隔S0となる全閉状態に設定すると、選別板53Bの選別面が大きく倒伏されて選別面(板材53bの前面)が水平に近い状態となる。このように選別板53Bの選別面が水平に近づくと脱穀処理物が湿り勝ちである場合には選別処理物が落下し難くなり、選別不良が生じ易くなる。
【0045】
これに対して、本発明の実施の形態では、図10に示すように、膨出部53dを選別面に対して下方(後方)に膨出させているので、下部の折り曲げ部53a及び中間の膨出部53dを含む選別板53Bの選別面に直交する方向の厚さが、図11に示す参考図に示すものよりも膨出部53dを下方(後方)に膨出させた分だけ厚くなる。これにより、図10(b)に示すように、前側の選別板53Bの裏面と後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aとの間の隙間が所定の最小間隔S0となる全閉状態に設定しても、選別板53Bの選別面が図11(b)のように大きく倒伏されない。この図10(b)に示す全閉状態において、前側の選別板53Bの膨出部53dの裏面と、後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aの上端縁とが対向している。
【0046】
すなわち、図10(b)と図11(b)において、最小間隔S0を同一になるまで選別板53Bを傾斜させた場合、図10(b)に示す選別板53Bの傾斜は、図11(b)の選別板53Bの傾斜姿勢に比べて、板材53bの裏面から膨出部53dを下方(後方)に膨出させた分だけ手前の傾斜状態で最小間隔S0となるから、図10に示すチャフシーブ15は、図11に示す選別板53Bの選別面の傾斜角が大きい状態でチャフシーブ15が全閉状態となる(最小間隔S0)。従って、図10に示す本発明の実施の形態では、チャフシーブ15が全閉状態となっても選別板53Bの選別面の傾斜角が比較的大きい状態を確保できるので、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブ15の全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができる。
【0047】
〔別実施の形態〕
(1)主たる実施の形態では、一つの選別板53に対して膨出部53dを一箇所だけ設けたが、膨出部53dを上下に離れた状態で2箇所以上設けてもよい。又、一つの選別板53に対して膨出部53dを複数箇所設けた場合、全ての膨出部53dを選別板53の裏面側に膨出させてもよいし、選別板53の板面に対して前側と後側の両方向に膨出するように設けてもよい。
【0048】
(2)主たる実施の形態では、選別板53の上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板53の板面に対して下方(後方)に膨出する膨出部53dを形成したが、前記膨出部53dを選別板53の幅方向全幅に亘って形成してもよい。
【0049】
(3)主たる実施の形態では、操作具58に11個の孔66を形成したが、図9に示す孔59とナット59aを等間隔で11個設けて、操作具58に孔59のピッチの5倍のピッチ間距離を隔てて2個の孔66を形成してもよい。又、上記実施の形態では、操作具58は6種類の角度変更を行うことができるが、選別板53の全開から全閉の範囲で適宜角度変更できる数を増減させてもよい。更に、固定用のボルト60を2本としたが、1本としてもよい(この場合、上記の例では、11個の孔66又は59は6個となる)。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、ハーベスターや普通型コンバインの脱穀装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 脱穀装置
3 選別部
5 扱室
8 受網
15 チャフシーブ
52 シーブケース
53 選別板
53a 折り曲げ部
53d 膨出部
54 支持枠
a 横軸心
S0 最小間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインやハーベスターに搭載される脱穀装置におけるチャフシーブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されてチャフシーブの開度が設定されるように構成したものが知られている。
【0003】
特許文献1の図2、図3に示されているように、選別板の下端に選別面に対して略直角に前方に向けた折り曲げ部を備えている。そして、選別板の選別面及びその裏面はフラットに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−262138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
選別面の選別板がフラットであると、チャフシーブが全開又は全開に近い状態(選別板が起立した状態)にあるときには、選別面に沿って落下する選別処理物は折り曲げ部まで落下し、ここで初めてチャフシーブの揺動によって選別処理物が揺動選別されることとなるが、この位置から選別処理物を揺動させても十分な風選別が行い難い場合がある。
【0006】
そこで、図11の参考例に示すように、選別板の上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板の板面に対して上方に膨出する膨出部を形成することが考えられる。このようにすると、選別板に落下してきた選別処理物は、先に上方の膨出部で落下を抑制されて揺動選別が行われ易くなる。
【0007】
しかし、特許文献1のものも図11の参考例に示すものも、下部の折り曲げ部及び中間の膨出部を含む選別板の選別面に直交する方向の厚さが薄いので、チャフシーブを隣接する選別板どうしの前側の選別板と後側の選別板の下部の折り曲げ部との間が所定の最小間隔となる閉状態に設定すると、図11(b)に示すように選別板の選別面が大きく倒伏されて水平に近い状態となる。選別板の選別面が水平に近づくと選別処理物が湿り勝ちである場合には選別処理物が落下し難くなり、選別不良が生じ易くなる。
【0008】
本発明は、チャフシーブを最小間隔に設定した全閉状態であっても良好に選別できる脱穀装置のチャフシーブ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔第1発明の構成〕
第1発明は、脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、前記チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、前記複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、前記複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、前記支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造において、
前記選別板の下部に、当該選別板の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部を形成するとともに、前記選別板の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って当該選別板の板面に対して下方側に膨出する膨出部を形成してある。
【0010】
〔第1発明の作用〕
第1発明によれば、チャフシーブを開状態にしたときは、選別処理物が通過する隣接する前側の選別板の膨出部の裏面と後側の選別板の前面位置との隙間は比較的広く、又、チャフシーブを開状態にしたときは選別板が比較的急傾斜に立ち上がっているので、選別処理物が隣接する選別板間を通過しやすい状態にある。
【0011】
すなわち、第1発明によれば、選別板の前面に形成される選別面に対して、膨出部を後方に膨出させているので、選別板が膨出部を後方に膨出させた分だけ、選別板の選別面に直交する方向の厚さを厚くすることができ、これにより、チャフシーブを隣接する選別板どうしの前側の選別板の裏面と後側の選別板の下部の折り曲げ部との間の隙間が所定の最小間隔となる全閉状態に設定しても、選別板の選別面が大きく倒伏されない。
【0012】
〔第1発明の効果〕
第1発明によれば、選別板の選別面の傾斜角が比較的大きい状態でチャフシーブの全閉状態を出現できるので、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブの全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができるに至った。
【0013】
〔第2発明の構成〕
第2発明は、第1発明の構成において、前記チャフシーブを隣接する選別板の間隔が最小間隔となる全閉状態に設定したときに、前記選別板の上下中間部に形成した膨出部の裏面と、その後方に隣接する選別板の下部に形成した上方に屈曲する折り曲げ部の上端縁とが対向して、隣接する前側の前記膨出部の裏面と後側の前記折り曲げ部との間に所定の間隙を形成してある。
【0014】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によれば、膨出部と折り曲げ部との上下2段で選別処理物に落下抵抗を与えることができるとともに、前側の選別板の膨出部と後方に隣接する選別板の折り曲げ部とが対向して隣接することで、チャフシーブを全閉状態にしたときの前側の選別板の膨出部と後側の選別板の折り曲げ部で選別処理物に落下抵抗を与え、両者の協働でチャフシーブが全閉状態での選別を良好に行うことができる。
【0015】
又、チャフシーブを全閉状態にしたときに、選別板の折り曲げ部と膨出部とによって選別板の選別面に直交する方向の厚さを厚くすることができるとともに、前側の選別板の膨出部の裏面と後側の選別板の折り曲げ部とで最小間隔を確実に設定することができるので、チャフシーブを全閉状態にしたときに選別板の選別面の傾斜角が比較的大きく保つことができる。したがって、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブの全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】脱穀装置の概略縦断側面図である。
【図2】脱穀装置の部分正面図である。
【図3】扱室前方の部分縦断側面図である。
【図4】受網の展開図である。
【図5】チャフシーブの開状態を示す一部破断側面図である。
【図6】チャフシーブの全閉状態を示す一部破断側面図である。
【図7】チャフシーブの選別板の左半部と操作部材と脱穀装置の左側壁を示す一部縦断正面図である。
【図8】チャフシーブの選別板の左半部を示す一部縦断正面図である。
【図9】チャフシーブと操作具の組付け図である。
【図10】(a)はチャフシーブの開状態を示す一部縦断側面図、(b)はチャフシーブの全閉状態を示す一部縦断側面図である。
【図11】(a)は参考例のチャフシーブの開状態を示す一部縦断側面図、(b)は同参考例のチャフシーブの全閉状態を示す一部縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はコンバインに搭載される脱穀装置1の縦断側面図、図2は脱穀装置の部分正面図、図3は扱室前方の部分縦断側面図を示す。この脱穀装置1では脱穀部2、選別部3、回収部4の夫々を上部、中間部、下部に配置して構成されている。
【0018】
前記脱穀部2は扱室5内に前後向き姿勢の支軸6と一体回転自在に支持された扱胴7と、この扱胴7の下側に沿って配置した受網8とを備えると共に、扱室5の側面にフィードチェーン9と挟持レール10とで成る挟持搬送機構11を備えて構成されている。
選別部3は揺動選別装置12と、この揺動選別装置12に選別風を送る唐箕13とで構成され、揺動選別装置12は受網8から漏下した処理物を前部位置の波状に成形されたグレンパン14で受け止めると共に、揺動によって後方に移送しながらチャフシーブ15で粗選別を行った後、グレンシーブ16で穀粒だけを選別して漏下させ、更に、長藁はストローラック17によって脱穀装置外に送り出すものとなっている。
又、回収部4は揺動選別装置12のグレンシーブ16で選別された穀粒を回収する一番スクリュー18と、グレンシーブ16の後端から放出された、あるいは、ストローラック17から漏下した二番物を回収する二番スクリュー19とを備えて構成され、一番スクリュー18で回収された穀粒は穀粒貯留部(図示せず)に送られ、二番スクリュー19で回収された藁や枝付きの穀粒等の処理物は還元装置20によって揺動選別装置12の前部に戻されるようになっている。尚、脱穀装置1の後部には装置内の塵埃を吸引して排出する排塵ファン21を備えている。
【0019】
図1、図2に示すように、前記扱室5は穀稈供給口26側の壁となる前壁22と、送塵口27側の壁となる後壁23と、扱き口28側の壁となる左側壁24と、これらの上部を覆う位置に配置される天井壁25とを備えて構成されると共に、扱胴7の支軸6は前壁22と後壁23とに架設され、前壁22には穀稈供給口26が形成され、後壁23には送塵口27が形成され、左側壁24には穀稈供給口26と送塵口27とに連なる扱き口28が形成されている。又、左側壁24のうち、扱き口28の上部近くの部分を含む上方箇所の左側壁部分を上唇板24aと称し、扱き口28の下部近くの部分を含む下方箇所を下唇板24bと称し、上唇板24aの外面に対して挟持レール10が支持され、下唇板24bの外壁に対してフィードチェーン9が支持されている。
【0020】
図2、図3に示す前記前壁22の前方には脱穀装置1のフロントカバー29が設けられている。前壁22の前方に位置する扱胴7の支軸6には駆動プーリ30が配設されており、この駆動プーリ30はフロントカバー29で覆われている。
フロントカバー29にはゴム製のハンプ31がハンプ押さえ板32で押え付けられて、ネジ33で固定されて吊設されている。フロントカバー29の上部は、カバー取付け用ブラケット34に固定したピン35等を介して、前壁22に連設されたカバー支持板36に着脱自在に連結されている。
【0021】
前記フロントカバー29は、図3に示すように、ハンプ31の固定部の下方部分に多段に第1折曲げカバー部分29a、第2折曲げカバー部分29b及び水平となる第3折曲げカバー部分29cを形成してある。フィードチェーン9で挟持搬送されてきた刈取り穀稈が穀稈供給口26に搬送されてくるとハンプ31が、二点鎖線で示すように、第1〜第3折り曲げカバー部分29a,29b,29cに沿って折り曲がるが、折り曲げの段数を多くすることによって隣接する第1〜第3折り曲げカバー部分29a,29b,29cによる屈曲角度を小さくすることができ、ハンプ31の屈曲による破損を抑制することができる。
【0022】
前記送塵口27の後方に駆動回転自在に設けた処理回転体37を備えてある。この処理回転体37は、扱室5から排出された脱穀排ワラに掻き出し爪37aを作用させて、脱穀排ワラにささり込んでいる穀粒を掻き出す。
【0023】
前記扱室2の後方には脱穀された排ワラを斜め後方に搬送する排ワラ搬送装置38と排ワラ搬送装置38で搬送された排ワラを処理する排ワラ処理装置39を備えている。排ワラ搬送装置38は、フィードチェーン9から脱穀排ワラを受け継ぎ、受け継いだ脱穀排ワラを横倒れ姿勢で穂先側を脱穀機体のフィードチェーン9とは反対側の横壁側に寄せながら脱穀機体後方側に搬送し、脱穀機体の後部に位置する排ワラ搬出口40から脱穀機体の外部に搬出して排ワラ処理装置39のカッタケース41の上に落下させる。
【0024】
前記排ワラ処理装置39は、カッタケース41の上部に設けた排ワラ受入れ口42と、この排ワラ受入れ口42を開閉する揺動開閉自在な蓋板43と、カッタケース41の内部に駆動自在に設けた一対の回転カッター44,44とを備えている。
【0025】
つまり、前記排ワラ処理装置39は、蓋板43が上昇開放操作されると、排ワラ搬送装置38から落下した脱穀排ワラを排ワラ受け入れ口42からカッタケース41の内部に落下させ、カッタケース41に入った脱穀排ワラを回動する一対の回転カッター44,44によって稈身方向に細断し、細断ワラをカッタケース41の下部から脱穀機体1の後方に落下させる。蓋板43が閉じられると、排ワラ搬送装置38から落下した脱穀排ワラを蓋板43の上に落下させて長ワラのままで蓋板43からカッタケース41の後方に落下させる。
【0026】
図4は、前記受網8の展開図である。図1、図3、図4に示すように、受網8は扱室5の前端側と後端側とに設けた支持レール45に扱胴周方向に並べて支持された二つの分割受網8a,8aによって構成されている。受網8の前領域Fは、二つの分割受網8a,8aの前部8afによって構成されている。受網8の前領域Fよりも後側部の後領域Rは、二つの分割受網8a,8aの後部8arによって構成されている。
【0027】
前記各分割受網8aは、受網8の前後方向(扱胴回転軸芯方向)に並んだ複数本の横桟46と、受網8の横方向(扱胴周方向)に並んだ複数本の線材47と、分割受網8aの両横端部に位置した受網8の前後向きの枠体48とを備えて構成してある。各横桟46は扱胴周面に沿った円弧形の帯板で、各線材47は丸棒材によって構成してある。
【0028】
前記各分割受網8aの線材47の横方向の配列ピッチは同一の配列ピッチになっている。各分割受網8aの横桟46の前後方向の配列ピッチについては、次に説明するように、前領域Fの方が後領域Rよりも概して広い配列ピッチに設定されている。
【0029】
前記各分割受網8aには、図4に示すように、前領域Fにおける隣接する横桟46の配列ピッチとして、第1配列ピッチP1、第2配列ピッチP2、第3配列ピッチP3、第4配列ピッチP4、第5配列ピッチP5、第6配列ピッチP6を備え、後領域Rにおける隣接する横桟46の配列ピッチとして、第7配列ピッチP7を備えている。第1〜第7配列ピッチP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7の長さ関係は、「第1配列ピッチP1<第7配列ピッチP7<第6配列ピッチP6<第5配列ピッチP5<第4配列ピッチP4<第2配列ピッチP2<第3配列ピッチP3」という関係になっている。すなわち、前領域Fの第1配列ピッチP1以外は、後領域Rの第7配列ピッチP7よりも前領域Fの第2〜第6配列ピッチP2〜P6の方が広幅に形成されており、前領域Fの前端側2つの第1配列ピッチP1の目合い49以外の第2〜第6配列ピッチP2〜P6の五列に並んだ目合い50は、後領域Rに位置する目合い51よりも大きい面積を有した大目合いになっている。
【0030】
つまり、前記受網8は、前領域Fの小目合い49による横桟46の小配列ピッチによって優れた受網強度を前領域Fに有し、この前領域Fにおいて着粒量が多い状態にある穀稈を脱穀処理して脱穀粒を大目合い51によって受網8から迅速に選別部3に落下させ、後領域Rにおいて着粒量が少なくなった状態の穀稈を脱穀処理して前領域Fの大目合い50よりも面積が小さい目合い51によって塵埃を受網8から落下しにくくしながら脱穀粒を受網8から選別部3に落下させる。
【0031】
図5〜図9に示すように、前記揺動選別装置12は、シーブケース52の左右の側板52aに、チャフシーブ15が取り付けられている。チャフシーブ15の開度を調節する構造は以下のように構成されている。チャフシーブ15は、前後方向に略水平に設けられており、多数の選別板53が所定間隔を隔てて前後に並列配備して構成されている。
【0032】
前記選別板53は、操作具58に連結された中央の選別板53Aと、これ以外の前後の選別板53Bとからなる。中央の選別板53Aは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げ部53aを形成した板材53bと、板材53bの上端部に固設した丸棒からなる支軸57と、板材53bの下端部の左右に、挿脱自在な支軸を兼ねる操作軸55と、板材53bの左右に配置され、支軸57を固定するとともに操作軸55を保持する保持板53c及び板材53bの左右の端部に固定した補強板53jとで構成されている。補強板53jの左右の外側位置における操作軸55と支軸57とに亘って保持リンク53hが設けられている。
【0033】
前記前後の選別板53Bは、下端部に流下してきた選別処理物を受け止める補強を兼ねた折り曲げ部53aを形成した板材53bと、板材53bの左右端部に配置したU字状の丸棒で形成した上の支軸57aと下の支軸55aと、これを保持する保持板53gとを備えている。支軸55a,57aは、板材53bと保持板53gとの間で固定されている。選別板53Bの上縁は略全幅に亘って波形に形成されており、上下中間部は幅方向略全幅の広幅に亘って選別板53Bの板材53bの板面に対して下方(後方)側に膨出させた補強用の膨出部53dを形成してある。折り曲げ部53aの上面と、板材53bの前面が凹入した膨出部53dの下端内面53eは、選別処理物が選別板53Bを流下してきたときに、選別処理物を一旦受け止めて、揺動風選別を受けて、軽い鞘や茎葉が風選別されるので、補強材としての機能と選別精度を向上させる機能とを備えている。
【0034】
前記中央の選別板53Aについては、支軸57をチャフシーブ取付枠69に形成した孔に挿通し、操作軸55を保持リンク53hと支持枠54の孔に挿通することにより、選別板53A、保持リンク53h、支持枠54及びチャフシーブ取付枠69等が組み付けられる。前記前後の選別板53Bについては、各支軸57aをチャフシーブ取付枠69に形成した孔に挿通して、支軸57aに割ピン70を止着してチャフシーブ取付枠69に対する抜け止めを施し、支軸55aを支持枠54の孔に挿通して、支軸55aに割ピン71を止着して支持枠54の抜け止めを施すことにより、選別板53B、支持枠54及びチャフシーブ取付枠69等が組み付けられる。
【0035】
図7〜図9に示すように、前記チャフシーブ取付枠69の複数箇所に、孔72を穿設し、チャフシーブ取付枠69の内側の孔72周りにナット73を固定してある。チャフシーブ15を左右側板52a,52aの間に位置させた状態で、ボルト75をシーブケース52の側板52aに形成した孔74に通してナット73に螺合してチャフシーブ15をシーブケース52に固定する。
【0036】
前記シーブケース52に取り付けられた選別板53A,53Bは、支持枠54を前方又は後方に移動させると、これに連動して複数の選別板53A,53Bの角度が変更されるようになっている。つまり、支持枠54を前方に移動させると各選別板53A,53Bの角度が緩くなってチャフシーブ15の開度が小さくなり、逆に、支持枠54を後方に移動させると各選別板53A,53Bの板面が下向きの急角度になってチャフシーブ15の開度が大きくなるのである。
【0037】
前記中央の選別板53Aは、チャフシーブ15の開度を変更する操作具58に連係されている。即ち、図9に示すように、操作具58には、支軸を兼ねる操作軸55が固定されている。操作軸55は、シーブケース52の左側板52aに形成された円弧状の長孔56を通して、支持枠54の孔、保持リンク53hの孔及び補強板53jの孔から中央の選別板53A(保持板53c)の下部に形成された穴53fに挿通されている。中央の選別板53Aの上端部の支軸57は、チャフシーブ取付枠69に支持されているだけで、支軸57は操作具58には取り付けられておらず、左側板52aの孔76と同心上に左側板52aに支持されている。即ち、シーブケース52の左側板52aに、孔76を穿設し、図7、図9に示すように、左側板52aの内側の孔76周りに、軸心を支軸57の軸心(横軸心)aと一致または略一致させた状態でナット77を固定してある。操作軸55を穴53fに挿通した状態での操作軸55の軸心cと支軸57の軸心aとの間の距離に等しい又は略等しい距離だけ操作軸55の軸心cから上方に隔てた操作具58の上部の位置に孔78を穿設し、この孔78に鍔付きリング79を嵌合させ、リング孔80を通してボルト81をナット77に螺合して操作具58を取り付ける。操作具58の上部に設けた孔78は、これに嵌合する鍔付きリング79の外径よりも大きく形成してあり、これによって、操作軸55を選別板53Aの穴53fに挿通してナット77にボルト81を挿通したときの製作・取付誤差を許容するようにしてある。
【0038】
図5に示すように、前記操作具58には上部の孔78の軸心aの同心円上に、円周方向に沿って等間隔に11個の孔66を形成してある。前記シーブケース52の左側板52aには、操作具58を固定するための2個の円形の孔59が形成され、孔59の中心とナットの中心が一致する状態で左側板52aの内側面にナット59aが固定されている。上側のナット77の中心とナット59aの中心との距離が、操作具58の上部の孔78の中心と下部の前記孔66の中心との間の距離に等しく、且つ、11個の孔66における隣接する孔66間のピッチの5倍のピッチ間距離だけ隔てた位置に、2個のナット59aが設けられている。
【0039】
前記操作具58を固定する場合、操作具58が前方に揺動された位置ほど、チャフシーブ15の開度が小さくなる方向に設定され、逆に、操作具58が後方に揺動されるほど、チャフシーブ15の開度が大きくなる方向に設定される。図6はチャフシーブの全閉状態を示し、図5は開状態(半開状態)を示す。前記操作具58を固定するときは、11個の孔66のうちの、5ピッチ(5個の孔)を隔てた2個の孔66に位置決め用固定部材としての2本のボルト60を挿通して、各ボルト60を左側壁52aに形成した孔59に通してナット59aに螺合することで操作具58が固定される。
【0040】
図5〜図7に示すように、前記選別部3の左側壁63には、操作具58の外側部に対応する位置に開口61が形成されており、この開口61が着脱自在な開閉蓋62で閉塞されている。チャフシーブ15の開度を変更するときは、開閉蓋62を外して、操作具58を揺動操作してボルト止め固定する孔59の位置を変更することによって、チャフシーブ15の開度を変更する。
【0041】
尚、前記シーブケース52の左右の側板52aの上端部には、シーブケース52の側板52aと選別部3の側板63との間から処理物が落下するのを防止するために、ゴム製のハンプ67をボルト68で止着してある。
【0042】
図10(a)は、チャフシーブ15を開状態としたときの詳細な図を示す一部縦断側面図で、チャフシーブ15が開状態のときは、選別処理物が通過する隣接する前側の選別板53Bの背面位置(膨出部53dの裏面)と後側の選別板53Bの前面位置(折り曲げ部53aの前端位置)との距離(処理物通過幅)S1は比較的広く、又、チャフシーブ15が開状態のときは選別板53Bが比較的急傾斜に立ち上がっているので、選別処理物が隣接する選別板53B,53B間を通過しやすい。
【0043】
図11は、本発明の実施の形態と対比するための参考図である。図11の参考例は選別板53Bの膨出方向が本発明の実施の形態の構造と逆であり、図11のものは、選別板53Bの上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板53Bの板材53bの板面に対して上方に膨出する膨出部53kを形成してある。この場合、図11(a)に示すチャフシーブ15の開状態では、隣接する前側の選別板53Bの背面位置(板材53bの裏面)と後側の選別板53Bの前面位置(折り曲げ部53aの前端位置)との距離(処理物通過幅)S1は比較的広く確保することができる。
【0044】
図11の参考例のものでは、膨出部53kが前側に膨出されているので、下部の折り曲げ部53a及び中間の膨出部53kを含む選別板53Bの選別面に直交する方向の厚さが薄くなるので、図11(b)に示すように、前側の選別板53Bの裏面と後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aとの間の隙間が所定の最小間隔S0となる全閉状態に設定すると、選別板53Bの選別面が大きく倒伏されて選別面(板材53bの前面)が水平に近い状態となる。このように選別板53Bの選別面が水平に近づくと脱穀処理物が湿り勝ちである場合には選別処理物が落下し難くなり、選別不良が生じ易くなる。
【0045】
これに対して、本発明の実施の形態では、図10に示すように、膨出部53dを選別面に対して下方(後方)に膨出させているので、下部の折り曲げ部53a及び中間の膨出部53dを含む選別板53Bの選別面に直交する方向の厚さが、図11に示す参考図に示すものよりも膨出部53dを下方(後方)に膨出させた分だけ厚くなる。これにより、図10(b)に示すように、前側の選別板53Bの裏面と後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aとの間の隙間が所定の最小間隔S0となる全閉状態に設定しても、選別板53Bの選別面が図11(b)のように大きく倒伏されない。この図10(b)に示す全閉状態において、前側の選別板53Bの膨出部53dの裏面と、後側の選別板53Bの下部の折り曲げ部53aの上端縁とが対向している。
【0046】
すなわち、図10(b)と図11(b)において、最小間隔S0を同一になるまで選別板53Bを傾斜させた場合、図10(b)に示す選別板53Bの傾斜は、図11(b)の選別板53Bの傾斜姿勢に比べて、板材53bの裏面から膨出部53dを下方(後方)に膨出させた分だけ手前の傾斜状態で最小間隔S0となるから、図10に示すチャフシーブ15は、図11に示す選別板53Bの選別面の傾斜角が大きい状態でチャフシーブ15が全閉状態となる(最小間隔S0)。従って、図10に示す本発明の実施の形態では、チャフシーブ15が全閉状態となっても選別板53Bの選別面の傾斜角が比較的大きい状態を確保できるので、選別処理物が多少湿り勝ちであっても選別処理物を良好に落下させることができ、チャフシーブ15の全範囲の開閉状態において良好な選別処理を行うことができる。
【0047】
〔別実施の形態〕
(1)主たる実施の形態では、一つの選別板53に対して膨出部53dを一箇所だけ設けたが、膨出部53dを上下に離れた状態で2箇所以上設けてもよい。又、一つの選別板53に対して膨出部53dを複数箇所設けた場合、全ての膨出部53dを選別板53の裏面側に膨出させてもよいし、選別板53の板面に対して前側と後側の両方向に膨出するように設けてもよい。
【0048】
(2)主たる実施の形態では、選別板53の上下中間部に、幅方向広幅に亘って選別板53の板面に対して下方(後方)に膨出する膨出部53dを形成したが、前記膨出部53dを選別板53の幅方向全幅に亘って形成してもよい。
【0049】
(3)主たる実施の形態では、操作具58に11個の孔66を形成したが、図9に示す孔59とナット59aを等間隔で11個設けて、操作具58に孔59のピッチの5倍のピッチ間距離を隔てて2個の孔66を形成してもよい。又、上記実施の形態では、操作具58は6種類の角度変更を行うことができるが、選別板53の全開から全閉の範囲で適宜角度変更できる数を増減させてもよい。更に、固定用のボルト60を2本としたが、1本としてもよい(この場合、上記の例では、11個の孔66又は59は6個となる)。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、ハーベスターや普通型コンバインの脱穀装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 脱穀装置
3 選別部
5 扱室
8 受網
15 チャフシーブ
52 シーブケース
53 選別板
53a 折り曲げ部
53d 膨出部
54 支持枠
a 横軸心
S0 最小間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、前記チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、前記複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、前記複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、前記支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造において、
前記選別板の下部に、当該選別板の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部を形成するとともに、前記選別板の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って当該選別板の板面に対して下方側に膨出する膨出部を形成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造。
【請求項2】
前記チャフシーブを隣接する選別板の間隔が最小間隔となる全閉状態に設定したときに、前記選別板の上下中間部に形成した膨出部の裏面と、その後方に隣接する選別板の下部に形成した上方に屈曲する折り曲げ部の上端縁とが対向して、隣接する前側の前記膨出部の裏面と後側の前記折り曲げ部との間に所定の間隙を形成してある請求項1記載の脱穀装置におけるチャフシーブ構造。
【請求項1】
脱穀装置の扱室の下方に位置する選別部に、受網から落下した脱穀処理物を選別するチャフシーブを備えたシーブケースを前後揺動自在に設けるとともに、前記チャフシーブを、複数の選別板が所定ピッチで前後に並列配備され、前記複数の選別板が横軸心周りに揺動自在に支持され、前記複数の選別板に亘って前後に長い支持枠が接続され、前記支持枠の前後移動に連動して複数の選別板の角度が変更されて前記チャフシーブの開度が設定されるように構成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造において、
前記選別板の下部に、当該選別板の板面に対して上方に屈曲する折り曲げ部を形成するとともに、前記選別板の上下中間部に、幅方向全幅又は幅方向広幅に亘って当該選別板の板面に対して下方側に膨出する膨出部を形成してある脱穀装置におけるチャフシーブ構造。
【請求項2】
前記チャフシーブを隣接する選別板の間隔が最小間隔となる全閉状態に設定したときに、前記選別板の上下中間部に形成した膨出部の裏面と、その後方に隣接する選別板の下部に形成した上方に屈曲する折り曲げ部の上端縁とが対向して、隣接する前側の前記膨出部の裏面と後側の前記折り曲げ部との間に所定の間隙を形成してある請求項1記載の脱穀装置におけるチャフシーブ構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−87516(P2011−87516A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243599(P2009−243599)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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