脱穀装置
【課題】従来の脱穀装置は、二番処理室を後方側に延長して、その延長部分で、排塵処理室から漏下した未処理物を再処理する構成ではあるが、扱室とは隔離されており、扱室からの未処理物を再処理して、揺動棚上に排塵する構成にはなっておらず、三番飛散を減少することはできない課題があった。
【解決手段】この発明は、扱室と排塵処理室とから漏下した未処理物を受け継いで、再度、処理しながら前方側に送る処理室を構成し、該処理室の排塵口を、前部位置に開口して設け、前記処理室で再処理した排塵物を、前記排塵口から選別室の上部位置に装備した揺動選別棚の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置としている。
【解決手段】この発明は、扱室と排塵処理室とから漏下した未処理物を受け継いで、再度、処理しながら前方側に送る処理室を構成し、該処理室の排塵口を、前部位置に開口して設け、前記処理室で再処理した排塵物を、前記排塵口から選別室の上部位置に装備した揺動選別棚の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扱室、及び排塵処理室から漏下した未処理物を、再処理する処理室を設け、該処理室の排塵口を、選別室の揺動選別棚の選別開始位置に開口して構成した脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の脱穀装置は、脱粒処理を効果的に行いながら効率よく処理して、機外への飛散等で失われる穀粒の損失を少なくして、穀粒の回収率を向上するために各種の構成が採用されている。例えば、本件の出願前に特許出願公開されている公開特許公報、特開2005−110688号(特許文献1参照)は、明細書、及び図面に、扱室から排塵物を受け継いで処理する排塵処理室が装備されている。更に、二番処理室は、二番螺旋から二番揚穀筒で揚穀された二番還元物を、再処理する二番処理胴を後方の前記排塵処理室の下方にまで延長して構成している。そして、該公開技術は、前記排塵処理室から漏下してきた未処理物を、前記後方に延長した二番処理胴で処理しながら前方に移送する構成となっている。
【0003】
このように、従来から、脱穀装置は、供給された穀稈から脱穀した穀粒、例えば、枝梗付着粒等の細い藁枝に付いている稲粒までも、単粒に達するまで重複して脱粒処理を繰り返し、穀粒の回収率を高めて、三番飛散等による機外損失を減らす技術手段を追及することが要請されている。
【特許文献1】特開2005−110688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の脱穀装置は、上記した特許文献1に見られるように、排塵処理室から漏下した未処理物を、後方側に延長した二番処理胴で処理したり、延長した二番処理胴螺旋で二番処理室側に移送する構成になっており、漏下物を再度脱粒処理する技術構成になっていることが理解できる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている二番処理室は、後方側に延長した部分で排塵処理室から漏下した未処理物を受け継いで再処理する構成であって、扱室とは隔離された構成になっている。したがって、特許文献1に示されている従来技術は、扱室から漏下した未処理物の一部を再処理しながら、揺動選別棚の選別開始部位まで移送して排塵し、充分な選別を行うことはできず、三番飛散による損失を減少できない課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、機体(1)内に設けた選別室(2)の上方に、扱室(3)と、排塵処理室(4)と、処理室(5)とを前後方向に配置した脱穀装置(6)であって、機体(1)の前部側に位置する前記扱室(3)の終端部に、受継供給口(7)を連通した排塵処理室(4)を、機体(1)の後部側に延長して設け、該排塵処理室(4)の下方に配置した前記処理室(5)を、機体(1)の前部側まで延長して、前端部に排塵口(8)を開口して設け、該処理室(5)は、前記排塵処理室(4)と扱室(3)とから漏下した未処理物を受け継いで前方に送りながら再処理する構成とし、前記処理室(5)の排塵口(8)は、前記選別室(2)の上部位置に装備した揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置であって、扱室(3)より低い位置で排塵処理室(4)の下方に配置している処理室(5)は、扱室(3)と排塵処理室(4)とから漏下してくる未処理物を再処理しながら前部側に移送して、排塵口(8)から揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵するから、再度の脱粒処理を繰り返しながら、揺動選別棚(9)の最初から長い工程上で選別作用を受けて充分に選別することができる。
【0007】
したがって、請求項1に記載した発明は、三番飛散等による機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できるものとなった。
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記排塵処理室(4)は、前記扱室(3)に連通した受継供給口(7)を始端部として機体(1)の後部側に延長して後端部位に排塵口(10)を開口して設け、該排塵口(10)は、下側の排塵物落下通路(10a)によって、排塵物を選別室(2)の後部に排塵する構成とし、前記処理室(5)は、前記排塵口(10)、及び排塵物落下通路(10a)より前側の位置から機体(1)の前部側に延長して構成した請求項1記載の脱穀装置であって、機外飛散による損失を少なくして穀粒の回収率を高めたものでありながら、処理室(5)が排塵処理室(4)の排塵口(10)から排塵物落下通路(10a)を落下する排塵物の邪魔をすることなく、排塵作用が確実にできるものとなっている。
【0008】
つぎに、請求項3に記載した発明は、前記処理室(5)に内装軸架した処理胴(5a)は、その外周面に、単体で不連続に形成した各処理歯(11)を配列して取り付けて構成した請求項1、又は2記載の脱穀装置であって、請求項1、及び2に記載した発明と同様の作用を奏するものでありながら、その上に加えて、各処理歯(11)は、送り機能を少なくして、脱粒処理作用を大きくしているから、処理室(5)の滞留時間が比較的長くなって枝梗付着粒を適確に脱粒処理して穀粒の回収率を向上できる利点がある。
【発明の効果】
【0009】
まず、請求項1の発明は、扱室(3)より低い位置で、しかも、排塵処理室(4)の下方から前部側に配置している処理室(5)は、扱室(3)と排塵処理室(4)との両方から漏下してくる未処理物を受け継いで、再処理しながら前部側に移送して、排塵口(8)から揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵するから、脱粒処理を繰り返しながら前側に移送して、揺動選別棚(9)の選別開始位置から選別作用を受けることによって、長い選別工程がとれ、充分に選別することができる特徴がある。
【0010】
そして、請求項1の発明は、再度の脱粒処理に加えて、充分な揺動選別と選別風による選別作用とを行うことで、脱粒と選別とが適確に行われ、三番飛散を最小にできて機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できる優れた特徴を有する。
【0011】
そして、請求項2に記載した発明は、機外飛散による損失を少なくして穀粒の回収率を高めたものでありながら、処理室(5)が排塵処理室(4)の排塵口(10)から排塵物落下通路(10a)を落下する排塵物の邪魔をすることなく、適確に排塵作用ができる特徴がある。
【0012】
そして、請求項3に記載した発明は、請求項1、及び2に記載した発明の機能、特徴を有するものでありながら、螺旋処理歯などに比較して処理室(4)内での滞留時間を長くできて、枝梗付着粒等を充分に脱粒処理して穀粒の回収率を向上できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
脱穀装置6は、図1、及び図2に示すように、機体1を前部側板1aと後部側板1bとで囲んで構成して、前後方向に沿わせて、下部に選別室2を装備し、その上方に、扱室3、排塵処理室4、処理室5を設けて脱穀、選別ができる構成としている。
【0014】
そして、扱室3は、従来から周知の構成であるから図示を省略したが、前部側板1a側に穀稈供給口が開口され、扱室後側板13に後方への排藁口を開口し、その間を扱ぎ口で連続させ、外側には、図示しないフィードチエンを設けて穀稈の株元を挟持して穂先側を扱室3の内部に挿入して搬送する構成としている。そして、扱室3は、扱胴3aを軸装して設け、上記の如く室内に挿入されて搬送される穀稈の穂部に作用して脱穀を行う構成としている。
【0015】
そして、扱室3は、図2に示すように、前記扱胴3aの外周を囲むように、下方と後方側とには選別網14を張設して脱粒物が室外に漏下できる構成となっている。
つぎに、排塵処理室4は、図面から解るように、前記扱室3と同じ方向(平面視で平行状態)に向けて装置し、始端部に受継供給口7を開口して前記扱室3の終端部分に連通し、終端部分を前記した機体1の後部側板1bまで延長した構成としている。そして、排塵処理室4は、図面に示すように、排塵処理胴4aを内装して軸架し、前記受継供給口7から受け継いだ扱室3の排塵物(未処理物)を再度脱粒処理し、漏下できる処理物は、下方の後述する処理室5、選別室2に落下し、なおも、脱粒処理を続けながら後方に移送する構成としている。そして、排塵処理室4は、後部側板1bの手前側に排塵口10を開口して設け、これに排塵物落下通路10aを接続して設け、排塵物を選別室2の後部(後述する揺動選別棚9のストローラック18の上方)に排塵する構成としている。
【0016】
つぎに、処理室5は、図面に示すように、前記排塵処理室4の下方に、前後方向に向けて配置し、始端部を前記後部側板1bから排塵物落下通路10aを隔てた位置として、終端部が前記扱室3側の前部側板1aに達する位置まで延長して配置した構成としている。そして、処理室5は、内部に処理胴5aを軸架して設け、前記排塵処理室4と扱室3との両方の室3,4から選別網14を漏下した未処理物が流入できる構成とし、これらの未処理物を再度脱粒処理する構成としている。この場合、処理室5は、図1に示すように、前部側板1aに接近した位置に終端部の排塵口8を開口して設け、前部まで処理を続けながら移送してきた排塵物を、揺動選別棚9の始端部分で選別開始位置に落下して供給する構成としている。この場合は、処理室5の受網12は、無孔とし樋状に形成して受け継いだ未処理物を排塵口8まで移送しながら脱粒処理する構成としている。
【0017】
そして、処理胴5aは、図1、及び図2に示すように、その外周面に、単体で、螺旋処理歯の如く連続しておらず、不連続で送り機能の低い構成にした処理歯11を配列して取り付けた構成としている。
【0018】
つぎに、選別室2の構成の概略を説明する。
まず、選別室2は、図1、及び図2に示すように、上側に揺動選別棚9が揺動自由に設けられ、選別方向に向かって始端部側から、移送棚16、チャフシーブ17、ストローラック18の順に配置した構成としている。そして、移送棚16は、主として扱室3の下方に配置され、チャフシーブ17は、扱室3の終端部分と排塵処理室4との接続した受継供給口7の近辺から後方位置に配置して設けられ、ストローラック18は、選別室2後部にある横断流ファン19の下方位置から排塵処理室4の排塵口10の下方位置まで延長して設けた構成となっている。
【0019】
そして、揺動選別棚9の下方には、選別方向の上手側から、圧風唐箕20、一番移送螺旋21、二番移送螺旋22の順に配置した構成としている。そして、二番揚穀装置23は、図1に示すように、前記二番移送螺旋22の終端部位から前記処理室5の扱室3側に連通開口させて二番物を、処理室5の後部に還元する構成としている。
【0020】
以上述べたように、実施例に係る脱穀装置6は、排塵処理室4の下側で、扱室3より低い位置に配置した処理室5が、排塵処理室4から漏下した未処理物と、扱室3の選別網14から漏下した未処理物の一部とを受け継いで再度脱粒処理しながら、前部側に送って揺動選別棚9の始端部、選別開始位置に落下するものである。したがって、処理室5は、未処理物を、再度、充分に脱粒処理することが可能であり、加えて、選別室2の上手側にある排塵口8から、選別開始位置に排塵して落下、供給し、揺動選別と、圧風唐箕20からの選別風による風選とを行うことができるのである。
【0021】
このような作用によって、実施例に係る脱穀装置6は、従来、多く発生していた三番飛散などの穀粒の機外損失を大幅に低減できて、穀粒の回収率が著しく向上した特徴がある。
【0022】
そして、処理室5は、処理歯11を不連続に形成したことにより、室内に未処理物の滞留時間が長くなって処理作用が行われ、脱粒が促進される効果がある。そして、処理室5は、既に説明したとおり、排塵処理室4の排塵口10、及び排塵物落下通路10aを遮らないように、後部側板1bから前側に離して配置して構成したから、排塵障害がなく、円滑な排塵ができる特徴もある。
【0023】
更に、実施例の処理室5は、図1、及び2に示し、実施例で説明したように、受網12を全て無孔に形成して樋状に構成しているから、再度脱粒処理する未処理物を漏下せず、室内の滞留時間を長くできるから、処理が確実に行えて、穀粒の回収率をより高くすることができる特徴がある。
【0024】
そして、脱穀装置6は、図3に示す実施例の場合、側面視で、処理室5を、扱室中側板25を中心にして前部と後部とに受網12を分けて、前部を有孔受網12aとし、後部を無孔受網12bに構成した。したがって、処理室5は、後部の無孔受網12bの部分では漏下がなく、脱粒が促進されて枝梗付着粒が大幅に少なくなって、前部の有孔受網12aに達すると、選別室2への漏下が行われて過剰な脱粒、脱っぷ(籾の殻がはがれる現象)が減少する利点がある。
【0025】
つぎに、脱穀装置6は、図4に示す実施例の場合、処理室5に内装軸架している処理胴5aの処理歯11を、既に図1に基づいて説明した不連続にした処理歯11と、螺旋状の連続処理歯26とに分けて構成している。すなわち、具体的に述べると、処理胴5aは、図4に示すように、側面視で、扱室中側板25を基準にして、前部側に不連続の処理歯11を配置して取り付け、後部側に連続した搬送螺旋状の連続処理歯26を取り付けて構成している。
【0026】
この場合、処理室5の受網12は、全て無孔受網12bに構成している。
このように、処理胴5aは、連続処理歯26と不連続処理歯11とから構成すると、連続処理歯26の部分が比較的安価に製作できる利点があり、排塵処理室4からの漏下量が多くても送り作用が働き、処理物が詰まる等のおそれもなく、脱粒処理が促進される特徴があり、そのため、実施例の場合、機外飛散による損失も少なくなって、穀粒の回収率が向上する利点がある。そして、更に、述べれば、これらの排塵物は、選別室2の始端部分にある排塵口8から揺動選別棚9の選別開始位置に落下供給できるから、充分な選別工程が取れて、三番飛散が減少する。
【0027】
つぎに、図5に示す実施例は、上記図4の実施例において、受網12を、有孔受網12aと無孔受網12bとに分けて構成したものである。すなわち、受網12は、図5に示すように、扱室中側板25を境にして前部と後部とに分割して、図3の実施例で説明したように、前部を有孔受網12aとし、後部を無孔受網12bに構成した。
【0028】
このように構成することによって、実施例は、処理胴5aの生産においてコストダウンが図れる(連続処理歯26が処理胴5aへの取付工数がかからない。)と共に、無孔受網12bの部分で脱粒処理と移送とが行われ、前部に達すると、有孔受網12aのために、脱っぷを少なくできる特徴がある。
【0029】
つぎに、図6、及び図7に示す実施例は、既に説明した図1、及び図2の処理室5の構成において、側面視で、扱室中側板25と扱室後側板13との間に後部排塵口30を開口して構成している。したがって、実施例の場合、処理室5は、図6に示すように、処理歯を全て不連続処理歯11とし、前後の受網12を無孔受網12bとして、更に、上記説明の通り、前部の排塵口8に加えて、後部排塵口30を設けた構成としている。
【0030】
このように構成した実施例は、脱穀処理作業の過程で、排塵処理装置4から処理室5に漏下した未処理物と、扱室3の選別網14から処理室5内に漏下してきた未処理物とがそれぞれ別々に混じり合うことなく、適確に脱粒処理作用を受ける利点があり、後部排塵口30と前部の排塵口8とから別々に揺動選別棚9上に供給されて効果的に選別される。
【0031】
そして、実施例の場合、それぞれ漏下した未処理物は、不連続の処理歯11の効果や無孔受網12bの効果も加わって、枝梗付着粒が減少して三番飛散が少なくなる特徴がある。
【0032】
なお、図6の構成で、前部の処理室5の受網12を有孔受網12aに取替えれば、処理の過程で選別室2に漏下できるから、前部の処理室5における脱ぷを少なくする効果がある。
【0033】
つぎに、図8に示す実施例について説明する。
この実施例の場合、処理室5は、既に図6の実施例で説明したように、前部の排塵口8と後部排塵口30との2つの排塵口8,30を開口して、扱室3側の前部の処理物と、排塵処理室4側の後部の処理物とを混ぜ合わさないで別に脱粒処理して、別に排塵する構成としている。そして、処理室5は、図8の実施例の場合、図面から解るように、後部の排塵処理室4からの漏下物を受ける処理胴5aに搬送機能を備えた連続処理歯26を設けて、前側への搬送機能を備えながら脱粒処理する構成としている。
【0034】
したがって、処理室5は、排塵処理室4から漏下して供給された未処理物が排塵口30側への搬送力も加わって処理速度が加速され、効果的に脱粒処理されるものとなった。この実施例は、排塵処理室4側の未処理物が多い場合でも、詰まる等の弊害がなくなり、処理スピードが促進される特徴がある。
【0035】
そして、処理室5は、図8に示すように、受網12を全て無孔受網12bに構成すると、処理歯11、及び連続処理歯26の作用が効果的に働いて、脱粒処理が促進され、枝梗付着粒がよく脱粒され三番飛散の減少に繋がる利点がある。
【0036】
そして、処理室5は、図8の実施例において、扱室3側の前部処理室5の無孔受網12bに代えて、有孔受網12aを取り付けると、有孔受網12aの長所が存分に生かされて選別室2への漏下が行われ、脱っぷが減り、適確に処理が進むものとなる。
【0037】
つぎに、図9に示す実施例は、前部側の処理室5に連続処理歯26を取り付けた処理胴5aを軸架し、後部側の処理胴5aには不連続の処理歯11を取り付けている。この実施例は、既に説明した各実施例と同様に、処理室5には、前部の排塵口8と後部排塵口30とを別々に構成し、両方の処理物、排塵物が混ざり合わない構成としている。
【0038】
以上の構成によって、処理室5は、藁屑の多い排塵処理室4から漏下、供給される未処理物と、藁屑が比較的少ない扱室3からの漏下物とが別々に処理され、排塵される点については、既に説明した実施例と同様に効果が大きい。
【0039】
それに加えて、実施例は、図9に示すように、扱室3側の処理室5に、連続処理歯26を有する処理胴5aを設けたから、この部分で搬送力の伴う処理が行われて、脱ぷが少なくなるために、種籾を取るための稲を脱穀するのに適する脱穀装置となる特徴がある。
【0040】
そして、実施例は、図9に示すように、前部と後部との処理室5の受網12を無孔受網12bとして、脱粒処理中に選別室2への漏下ができない構成にして、脱粒作用の促進を図って、三番飛散を少なくするものとしたが、前部、すなわち、扱室3側の受網12を有孔受網12aに構成する場合もある。
【0041】
このように構成すると、実施例に係る脱穀装置6は、それぞれの特徴を充分に発揮できる構成となり、特に、扱室3から前部の処理室5に漏下した未処理物の脱ぷが減って、種籾用の脱穀装置に適するものとなる。
【0042】
つぎに、図10、及び図11に示す実施例について説明する。
まず、本件に係る実施例は、図面に示すように、処理室5に内装軸架している処理胴5aには、搬送機能を備えた螺旋状の連続処理歯26を設けて構成している。この場合、処理室5は、既に説明した図1の構成に示す処理歯11の全てを、上記連続処理歯26で構成した実施例であって、他の構成は、同一としている。
【0043】
このように構成した実施例は、処理室5において、連続処理歯26が有する特有の機能が発揮されて、脱粒処理作用がスピードアップされて行われ、その処理が充分に行われる構成でありながら、脱っぷが減少するものとなる。したがって、実施例の脱穀装置6は、機外への三番飛散が減少して損失が少なくなって、処理室5の処理効率の良い装置を提供することができる。
【0044】
そして、処理室5は、図10、及び図11に示すように、受網12の全面を無孔受網12bで構成すると、事後の清掃性がよく、種籾用脱穀機に適する特徴がある。
つぎに、処理室5の受網12は、図12に示すように、側面視で、扱室中側板25を境にして、前部側を有孔受網12aに構成し、後部側の受網12を無孔受網12bに構成している。したがって、前部側の処理室5は、扱室3の選別網14から漏下する未処理物と、後部側から送られてくる未処理物と、二番揚穀装置23によって還元される二番物などが合流して未処理物の量が多くなるが、これらを連続処理歯26と有孔受網12aの共同作用によって高能率で処理し、選別室2に漏下しながら脱っぷを減少して、処理量に対応して効率的に処理する特徴がある。
【0045】
つぎに、図13に正面視で示す実施例の排塵処理室4は、下方の選別室2との間にカバー31を設けて、漏下物の全てを処理室5に供給して、選別室2には落さず、穀粒の回収効率を高めんと構成したものである。この場合、排塵処理室4から下側の処理室5に漏下した未処理物は、処理胴5aで脱粒処理作用を受けながら、前側に開口している排塵口8まで移送されて、選別室2の始端部の選別開始位置に落下、供給されて長い工程の選別作用を受けることができる。
【0046】
したがって、この実施例は、従来のように、排塵処理室4から漏下して直接、選別室2に供給されていたもののように、選別距離が短い構成に比較して、穀粒の回収率が大幅に向上し、三番飛散を減少した特徴がある。
【0047】
つぎに、図14に示す実施例について説明する。
この場合、実施例は、図面に示すように、排塵処理室4の後部に開口した下向きの排塵口10を、機体1の後部側板1bより外側に開口した構成としている。
【0048】
そして、実施例の排塵口10は、図14に示すように、側面視で横断流ファン19の排塵口36の側部で若干上側に開口し、排塵物を排塵処理胴4aの後部に設けた掻出羽根37で排出する構成としている。
【0049】
このように構成した実施例は、図14からも解るように、排塵処理室4の排塵口10から排出された排塵物が選別室2を避けて機外に排塵されるから、選別室2の排塵処理の負担が、大幅に軽減でき、選別室2内部の穀粒回収率を向上することができる特徴がある。
【0050】
そして、上記構成において、処理胴5aは、図14に示すように、不連続に形成した処理歯11を設けているから、処理室5に供給された未処理物を適確に処理して、枝梗付着粒を充分に単粒化して選別室2に排塵することができる。
【0051】
そして、図14に示す実施例の場合、処理室5は、図面から解るように、前記排塵処理室4の排塵口10を、後部側板1bの外側に開口したから、後部側板1bの内側まで長く延長した構成とすることが可能となった。したがって、処理室5は、上側にある排塵処理室4から漏下する未処理物を機体1の後部側板1bの位置まで、ほとんどを回収して再度、脱粒処理ができる優れた特徴がある。
【0052】
つぎに、図15に示した実施例は、上記した図14の実施例において、処理室5から選別室2に通じる排塵口8,30を複数個開口した構成としている。この場合、実施例は、前部の排塵口8と後部排塵口30との2つを設けているが、後部排塵口30は、図15の側面視に示すように、扱室中側板25と扱室後側板13との間に開口して構成している。
【0053】
したがって、処理室5は、図15、及び図16に示すように、前部側が扱室3から漏下した未処理物と二番揚穀装置23が揚穀する二番還元物とを処理し、後部側が排塵処理室4から漏下した未処理物を受け継いで再処理することができる特徴がある。しかも、両排塵口8,30から下方の選別室2に排塵される排塵物は、それぞれ精一杯の長い選別工程が確保できて、充分な選別で穀粒の回収率を向上する利点もある。
【0054】
そして、前記した後部排塵口30は、図15に示すように、揺動選別棚9上に装備しているチャフシーブ17の選別を開始する始端部分に排塵できる関係位置に構成している。したがって、実施例の場合、処理室5は、排塵処理室4から漏下して再処理した排塵物を、チャフシーブ17の始端部上に供給して選別を開始できるから、前側の余分な送り工程がなく、効率的に選別されるものとなっている。
【0055】
そして、前部側の処理室5は、図15に示すように、後部排塵口30のすぐ前側に、仕切板40を設けて独立した室に構成している。
このように、実施例は、後部排塵口30と前記仕切板40とによって、処理室を完全に前部側と後部側とに分けて構成し、前部は扱室3の漏下物と二番還元物との専用として処理し、後部を排塵処理室4からの漏下物専用としたものである。
【0056】
そして、前後二つの処理室5は、それぞれ選別工程が最大の長い工程の選別が確保できる部位に二つの排塵口8,30を開口し、選別効果を向上して穀粒の回収率を上げ、三番飛散を減少して機外飛散による損失を最小に抑えた特徴がある。
【0057】
つぎに、図17に示す実施例は、既に説明した図14の実施例において、処理胴5aの不連続の処理歯11を連続処理歯26に代えた構成にしている。
このように構成した実施例は、上側の排塵処理室4の排塵口10を後部側板1bの外側に開口して、その分だけ処理室5を後部側板1bの内側まで延長して排塵処理室4から多量の漏下物を受け継いでも、連続処理歯26の処理速度が上がるから処理が加速されて停滞はなく、効率よく脱粒処理される特徴がある。
【0058】
そして、連続処理歯26は、既に説明しているように、処理中に脱っぷの発生を減少する利点があり、排塵口8側への移送がスピードアップされて停滞の少ない処理ができる。
つぎに、図18に示す実施例は、上記した図17に示す実施例において、処理胴5aの前部に不連続の処理歯11を設け、処理胴5aの後部に連続処理歯26を設けて構成している。そして、該処理胴5aの連続処理歯26と不連続処理歯11とは、図18に示すように、扱室中側板25、乃至は受継供給口7の近傍を境にして、前側を不連続処理歯11とし、後側を連続処理歯26に構成している。
【0059】
このように、処理室5は、処理胴5aに連続処理歯26と不連続処理歯11とを設けると、図4の実施例でも説明したが、連続処理歯26の部分が比較的安価に製作できる利点があり、排塵処理室4からの漏下量が多くても送り作用が働き、処理物が詰まる等のおそれもなく、脱粒処理が促進される特徴があり、そのため、実施例の場合、機外飛散による損失も少なくなって、穀粒の回収率が向上する利点がある。
【0060】
以上、本件出願に係る各実施例の個々について説明してきたが、本件出願の主要な発明は、まず、請求項1の発明であって、扱室3より低い位置で、しかも、排塵処理室4の下方から前部側に配置している処理室5は、扱室3と排塵処理室4との両方から漏下してくる未処理物を受け継いで、再処理しながら前部側に移送して、排塵口8から揺動選別棚9の選別開始位置に排塵する実施態様であって、脱粒処理を繰り返しながら前側に移送して、揺動選別棚9の選別開始位置から選別作用を受けることによって、充分に選別することができるものである。
【0061】
そして、この実施例は、処理室5における再度の脱粒処理に加えて、充分な揺動選別と選別風による選別作用とを行うことで、脱粒と選別とが適確に行われ、三番飛散を最小にできて機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できる優れたものとなっている。
【0062】
つぎに、請求項2の発明は、上記実施例の作用、効果を奏するものでありながら、その上に加えて、処理室5が排塵処理室4の排塵口10から排塵物落下通路10aを避けた位置から設けて、排塵処理室4から落下する排塵物の邪魔をすることなく、選別室2への排塵が円滑にできる点にある。
【0063】
そして、請求項3の発明は、不連続にした処理歯11の処理胴5aに関し、螺旋状の連続処理歯26などに比較して処理室(4)内での滞留時間を長くできて、枝梗付着粒等を充分に脱粒処理できるから、穀粒の回収率を向上できるものとなっている。
【0064】
なお、各実施例で説明した連続処理歯26は、不連続処理歯11にはない特徴があり、それぞれ長所を生かした使用をすれば有効である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】脱穀装置の側断面図
【図2】脱穀装置の正断面図
【図3】脱穀装置の側断面図
【図4】脱穀装置の側断面図
【図5】脱穀装置の側断面図
【図6】脱穀装置の側断面図
【図7】脱穀装置の正断面図
【図8】脱穀装置の側断面図
【図9】脱穀装置の側断面図
【図10】脱穀装置の側断面図
【図11】脱穀装置の正断面図
【図12】脱穀装置の側断面図
【図13】脱穀装置の正断面図
【図14】脱穀装置の側断面図
【図15】脱穀装置の側断面図
【図16】脱穀装置の正断面図
【図17】脱穀装置の側断面図
【図18】脱穀装置の正断面図。
【符号の説明】
【0066】
1 機体 1a 前部側板
1b 後部側板、 2 選別室
3 扱室 3a 扱胴
4 排塵処理室 4a 排塵処理胴
5 処理室 5a 処理胴
6 脱穀装置 7 受継供給口
8 排塵口 9 揺動選別棚
10 排塵口 10a 排塵物落下通路。
【技術分野】
【0001】
この発明は、扱室、及び排塵処理室から漏下した未処理物を、再処理する処理室を設け、該処理室の排塵口を、選別室の揺動選別棚の選別開始位置に開口して構成した脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の脱穀装置は、脱粒処理を効果的に行いながら効率よく処理して、機外への飛散等で失われる穀粒の損失を少なくして、穀粒の回収率を向上するために各種の構成が採用されている。例えば、本件の出願前に特許出願公開されている公開特許公報、特開2005−110688号(特許文献1参照)は、明細書、及び図面に、扱室から排塵物を受け継いで処理する排塵処理室が装備されている。更に、二番処理室は、二番螺旋から二番揚穀筒で揚穀された二番還元物を、再処理する二番処理胴を後方の前記排塵処理室の下方にまで延長して構成している。そして、該公開技術は、前記排塵処理室から漏下してきた未処理物を、前記後方に延長した二番処理胴で処理しながら前方に移送する構成となっている。
【0003】
このように、従来から、脱穀装置は、供給された穀稈から脱穀した穀粒、例えば、枝梗付着粒等の細い藁枝に付いている稲粒までも、単粒に達するまで重複して脱粒処理を繰り返し、穀粒の回収率を高めて、三番飛散等による機外損失を減らす技術手段を追及することが要請されている。
【特許文献1】特開2005−110688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の脱穀装置は、上記した特許文献1に見られるように、排塵処理室から漏下した未処理物を、後方側に延長した二番処理胴で処理したり、延長した二番処理胴螺旋で二番処理室側に移送する構成になっており、漏下物を再度脱粒処理する技術構成になっていることが理解できる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている二番処理室は、後方側に延長した部分で排塵処理室から漏下した未処理物を受け継いで再処理する構成であって、扱室とは隔離された構成になっている。したがって、特許文献1に示されている従来技術は、扱室から漏下した未処理物の一部を再処理しながら、揺動選別棚の選別開始部位まで移送して排塵し、充分な選別を行うことはできず、三番飛散による損失を減少できない課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、機体(1)内に設けた選別室(2)の上方に、扱室(3)と、排塵処理室(4)と、処理室(5)とを前後方向に配置した脱穀装置(6)であって、機体(1)の前部側に位置する前記扱室(3)の終端部に、受継供給口(7)を連通した排塵処理室(4)を、機体(1)の後部側に延長して設け、該排塵処理室(4)の下方に配置した前記処理室(5)を、機体(1)の前部側まで延長して、前端部に排塵口(8)を開口して設け、該処理室(5)は、前記排塵処理室(4)と扱室(3)とから漏下した未処理物を受け継いで前方に送りながら再処理する構成とし、前記処理室(5)の排塵口(8)は、前記選別室(2)の上部位置に装備した揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置であって、扱室(3)より低い位置で排塵処理室(4)の下方に配置している処理室(5)は、扱室(3)と排塵処理室(4)とから漏下してくる未処理物を再処理しながら前部側に移送して、排塵口(8)から揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵するから、再度の脱粒処理を繰り返しながら、揺動選別棚(9)の最初から長い工程上で選別作用を受けて充分に選別することができる。
【0007】
したがって、請求項1に記載した発明は、三番飛散等による機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できるものとなった。
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記排塵処理室(4)は、前記扱室(3)に連通した受継供給口(7)を始端部として機体(1)の後部側に延長して後端部位に排塵口(10)を開口して設け、該排塵口(10)は、下側の排塵物落下通路(10a)によって、排塵物を選別室(2)の後部に排塵する構成とし、前記処理室(5)は、前記排塵口(10)、及び排塵物落下通路(10a)より前側の位置から機体(1)の前部側に延長して構成した請求項1記載の脱穀装置であって、機外飛散による損失を少なくして穀粒の回収率を高めたものでありながら、処理室(5)が排塵処理室(4)の排塵口(10)から排塵物落下通路(10a)を落下する排塵物の邪魔をすることなく、排塵作用が確実にできるものとなっている。
【0008】
つぎに、請求項3に記載した発明は、前記処理室(5)に内装軸架した処理胴(5a)は、その外周面に、単体で不連続に形成した各処理歯(11)を配列して取り付けて構成した請求項1、又は2記載の脱穀装置であって、請求項1、及び2に記載した発明と同様の作用を奏するものでありながら、その上に加えて、各処理歯(11)は、送り機能を少なくして、脱粒処理作用を大きくしているから、処理室(5)の滞留時間が比較的長くなって枝梗付着粒を適確に脱粒処理して穀粒の回収率を向上できる利点がある。
【発明の効果】
【0009】
まず、請求項1の発明は、扱室(3)より低い位置で、しかも、排塵処理室(4)の下方から前部側に配置している処理室(5)は、扱室(3)と排塵処理室(4)との両方から漏下してくる未処理物を受け継いで、再処理しながら前部側に移送して、排塵口(8)から揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵するから、脱粒処理を繰り返しながら前側に移送して、揺動選別棚(9)の選別開始位置から選別作用を受けることによって、長い選別工程がとれ、充分に選別することができる特徴がある。
【0010】
そして、請求項1の発明は、再度の脱粒処理に加えて、充分な揺動選別と選別風による選別作用とを行うことで、脱粒と選別とが適確に行われ、三番飛散を最小にできて機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できる優れた特徴を有する。
【0011】
そして、請求項2に記載した発明は、機外飛散による損失を少なくして穀粒の回収率を高めたものでありながら、処理室(5)が排塵処理室(4)の排塵口(10)から排塵物落下通路(10a)を落下する排塵物の邪魔をすることなく、適確に排塵作用ができる特徴がある。
【0012】
そして、請求項3に記載した発明は、請求項1、及び2に記載した発明の機能、特徴を有するものでありながら、螺旋処理歯などに比較して処理室(4)内での滞留時間を長くできて、枝梗付着粒等を充分に脱粒処理して穀粒の回収率を向上できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
脱穀装置6は、図1、及び図2に示すように、機体1を前部側板1aと後部側板1bとで囲んで構成して、前後方向に沿わせて、下部に選別室2を装備し、その上方に、扱室3、排塵処理室4、処理室5を設けて脱穀、選別ができる構成としている。
【0014】
そして、扱室3は、従来から周知の構成であるから図示を省略したが、前部側板1a側に穀稈供給口が開口され、扱室後側板13に後方への排藁口を開口し、その間を扱ぎ口で連続させ、外側には、図示しないフィードチエンを設けて穀稈の株元を挟持して穂先側を扱室3の内部に挿入して搬送する構成としている。そして、扱室3は、扱胴3aを軸装して設け、上記の如く室内に挿入されて搬送される穀稈の穂部に作用して脱穀を行う構成としている。
【0015】
そして、扱室3は、図2に示すように、前記扱胴3aの外周を囲むように、下方と後方側とには選別網14を張設して脱粒物が室外に漏下できる構成となっている。
つぎに、排塵処理室4は、図面から解るように、前記扱室3と同じ方向(平面視で平行状態)に向けて装置し、始端部に受継供給口7を開口して前記扱室3の終端部分に連通し、終端部分を前記した機体1の後部側板1bまで延長した構成としている。そして、排塵処理室4は、図面に示すように、排塵処理胴4aを内装して軸架し、前記受継供給口7から受け継いだ扱室3の排塵物(未処理物)を再度脱粒処理し、漏下できる処理物は、下方の後述する処理室5、選別室2に落下し、なおも、脱粒処理を続けながら後方に移送する構成としている。そして、排塵処理室4は、後部側板1bの手前側に排塵口10を開口して設け、これに排塵物落下通路10aを接続して設け、排塵物を選別室2の後部(後述する揺動選別棚9のストローラック18の上方)に排塵する構成としている。
【0016】
つぎに、処理室5は、図面に示すように、前記排塵処理室4の下方に、前後方向に向けて配置し、始端部を前記後部側板1bから排塵物落下通路10aを隔てた位置として、終端部が前記扱室3側の前部側板1aに達する位置まで延長して配置した構成としている。そして、処理室5は、内部に処理胴5aを軸架して設け、前記排塵処理室4と扱室3との両方の室3,4から選別網14を漏下した未処理物が流入できる構成とし、これらの未処理物を再度脱粒処理する構成としている。この場合、処理室5は、図1に示すように、前部側板1aに接近した位置に終端部の排塵口8を開口して設け、前部まで処理を続けながら移送してきた排塵物を、揺動選別棚9の始端部分で選別開始位置に落下して供給する構成としている。この場合は、処理室5の受網12は、無孔とし樋状に形成して受け継いだ未処理物を排塵口8まで移送しながら脱粒処理する構成としている。
【0017】
そして、処理胴5aは、図1、及び図2に示すように、その外周面に、単体で、螺旋処理歯の如く連続しておらず、不連続で送り機能の低い構成にした処理歯11を配列して取り付けた構成としている。
【0018】
つぎに、選別室2の構成の概略を説明する。
まず、選別室2は、図1、及び図2に示すように、上側に揺動選別棚9が揺動自由に設けられ、選別方向に向かって始端部側から、移送棚16、チャフシーブ17、ストローラック18の順に配置した構成としている。そして、移送棚16は、主として扱室3の下方に配置され、チャフシーブ17は、扱室3の終端部分と排塵処理室4との接続した受継供給口7の近辺から後方位置に配置して設けられ、ストローラック18は、選別室2後部にある横断流ファン19の下方位置から排塵処理室4の排塵口10の下方位置まで延長して設けた構成となっている。
【0019】
そして、揺動選別棚9の下方には、選別方向の上手側から、圧風唐箕20、一番移送螺旋21、二番移送螺旋22の順に配置した構成としている。そして、二番揚穀装置23は、図1に示すように、前記二番移送螺旋22の終端部位から前記処理室5の扱室3側に連通開口させて二番物を、処理室5の後部に還元する構成としている。
【0020】
以上述べたように、実施例に係る脱穀装置6は、排塵処理室4の下側で、扱室3より低い位置に配置した処理室5が、排塵処理室4から漏下した未処理物と、扱室3の選別網14から漏下した未処理物の一部とを受け継いで再度脱粒処理しながら、前部側に送って揺動選別棚9の始端部、選別開始位置に落下するものである。したがって、処理室5は、未処理物を、再度、充分に脱粒処理することが可能であり、加えて、選別室2の上手側にある排塵口8から、選別開始位置に排塵して落下、供給し、揺動選別と、圧風唐箕20からの選別風による風選とを行うことができるのである。
【0021】
このような作用によって、実施例に係る脱穀装置6は、従来、多く発生していた三番飛散などの穀粒の機外損失を大幅に低減できて、穀粒の回収率が著しく向上した特徴がある。
【0022】
そして、処理室5は、処理歯11を不連続に形成したことにより、室内に未処理物の滞留時間が長くなって処理作用が行われ、脱粒が促進される効果がある。そして、処理室5は、既に説明したとおり、排塵処理室4の排塵口10、及び排塵物落下通路10aを遮らないように、後部側板1bから前側に離して配置して構成したから、排塵障害がなく、円滑な排塵ができる特徴もある。
【0023】
更に、実施例の処理室5は、図1、及び2に示し、実施例で説明したように、受網12を全て無孔に形成して樋状に構成しているから、再度脱粒処理する未処理物を漏下せず、室内の滞留時間を長くできるから、処理が確実に行えて、穀粒の回収率をより高くすることができる特徴がある。
【0024】
そして、脱穀装置6は、図3に示す実施例の場合、側面視で、処理室5を、扱室中側板25を中心にして前部と後部とに受網12を分けて、前部を有孔受網12aとし、後部を無孔受網12bに構成した。したがって、処理室5は、後部の無孔受網12bの部分では漏下がなく、脱粒が促進されて枝梗付着粒が大幅に少なくなって、前部の有孔受網12aに達すると、選別室2への漏下が行われて過剰な脱粒、脱っぷ(籾の殻がはがれる現象)が減少する利点がある。
【0025】
つぎに、脱穀装置6は、図4に示す実施例の場合、処理室5に内装軸架している処理胴5aの処理歯11を、既に図1に基づいて説明した不連続にした処理歯11と、螺旋状の連続処理歯26とに分けて構成している。すなわち、具体的に述べると、処理胴5aは、図4に示すように、側面視で、扱室中側板25を基準にして、前部側に不連続の処理歯11を配置して取り付け、後部側に連続した搬送螺旋状の連続処理歯26を取り付けて構成している。
【0026】
この場合、処理室5の受網12は、全て無孔受網12bに構成している。
このように、処理胴5aは、連続処理歯26と不連続処理歯11とから構成すると、連続処理歯26の部分が比較的安価に製作できる利点があり、排塵処理室4からの漏下量が多くても送り作用が働き、処理物が詰まる等のおそれもなく、脱粒処理が促進される特徴があり、そのため、実施例の場合、機外飛散による損失も少なくなって、穀粒の回収率が向上する利点がある。そして、更に、述べれば、これらの排塵物は、選別室2の始端部分にある排塵口8から揺動選別棚9の選別開始位置に落下供給できるから、充分な選別工程が取れて、三番飛散が減少する。
【0027】
つぎに、図5に示す実施例は、上記図4の実施例において、受網12を、有孔受網12aと無孔受網12bとに分けて構成したものである。すなわち、受網12は、図5に示すように、扱室中側板25を境にして前部と後部とに分割して、図3の実施例で説明したように、前部を有孔受網12aとし、後部を無孔受網12bに構成した。
【0028】
このように構成することによって、実施例は、処理胴5aの生産においてコストダウンが図れる(連続処理歯26が処理胴5aへの取付工数がかからない。)と共に、無孔受網12bの部分で脱粒処理と移送とが行われ、前部に達すると、有孔受網12aのために、脱っぷを少なくできる特徴がある。
【0029】
つぎに、図6、及び図7に示す実施例は、既に説明した図1、及び図2の処理室5の構成において、側面視で、扱室中側板25と扱室後側板13との間に後部排塵口30を開口して構成している。したがって、実施例の場合、処理室5は、図6に示すように、処理歯を全て不連続処理歯11とし、前後の受網12を無孔受網12bとして、更に、上記説明の通り、前部の排塵口8に加えて、後部排塵口30を設けた構成としている。
【0030】
このように構成した実施例は、脱穀処理作業の過程で、排塵処理装置4から処理室5に漏下した未処理物と、扱室3の選別網14から処理室5内に漏下してきた未処理物とがそれぞれ別々に混じり合うことなく、適確に脱粒処理作用を受ける利点があり、後部排塵口30と前部の排塵口8とから別々に揺動選別棚9上に供給されて効果的に選別される。
【0031】
そして、実施例の場合、それぞれ漏下した未処理物は、不連続の処理歯11の効果や無孔受網12bの効果も加わって、枝梗付着粒が減少して三番飛散が少なくなる特徴がある。
【0032】
なお、図6の構成で、前部の処理室5の受網12を有孔受網12aに取替えれば、処理の過程で選別室2に漏下できるから、前部の処理室5における脱ぷを少なくする効果がある。
【0033】
つぎに、図8に示す実施例について説明する。
この実施例の場合、処理室5は、既に図6の実施例で説明したように、前部の排塵口8と後部排塵口30との2つの排塵口8,30を開口して、扱室3側の前部の処理物と、排塵処理室4側の後部の処理物とを混ぜ合わさないで別に脱粒処理して、別に排塵する構成としている。そして、処理室5は、図8の実施例の場合、図面から解るように、後部の排塵処理室4からの漏下物を受ける処理胴5aに搬送機能を備えた連続処理歯26を設けて、前側への搬送機能を備えながら脱粒処理する構成としている。
【0034】
したがって、処理室5は、排塵処理室4から漏下して供給された未処理物が排塵口30側への搬送力も加わって処理速度が加速され、効果的に脱粒処理されるものとなった。この実施例は、排塵処理室4側の未処理物が多い場合でも、詰まる等の弊害がなくなり、処理スピードが促進される特徴がある。
【0035】
そして、処理室5は、図8に示すように、受網12を全て無孔受網12bに構成すると、処理歯11、及び連続処理歯26の作用が効果的に働いて、脱粒処理が促進され、枝梗付着粒がよく脱粒され三番飛散の減少に繋がる利点がある。
【0036】
そして、処理室5は、図8の実施例において、扱室3側の前部処理室5の無孔受網12bに代えて、有孔受網12aを取り付けると、有孔受網12aの長所が存分に生かされて選別室2への漏下が行われ、脱っぷが減り、適確に処理が進むものとなる。
【0037】
つぎに、図9に示す実施例は、前部側の処理室5に連続処理歯26を取り付けた処理胴5aを軸架し、後部側の処理胴5aには不連続の処理歯11を取り付けている。この実施例は、既に説明した各実施例と同様に、処理室5には、前部の排塵口8と後部排塵口30とを別々に構成し、両方の処理物、排塵物が混ざり合わない構成としている。
【0038】
以上の構成によって、処理室5は、藁屑の多い排塵処理室4から漏下、供給される未処理物と、藁屑が比較的少ない扱室3からの漏下物とが別々に処理され、排塵される点については、既に説明した実施例と同様に効果が大きい。
【0039】
それに加えて、実施例は、図9に示すように、扱室3側の処理室5に、連続処理歯26を有する処理胴5aを設けたから、この部分で搬送力の伴う処理が行われて、脱ぷが少なくなるために、種籾を取るための稲を脱穀するのに適する脱穀装置となる特徴がある。
【0040】
そして、実施例は、図9に示すように、前部と後部との処理室5の受網12を無孔受網12bとして、脱粒処理中に選別室2への漏下ができない構成にして、脱粒作用の促進を図って、三番飛散を少なくするものとしたが、前部、すなわち、扱室3側の受網12を有孔受網12aに構成する場合もある。
【0041】
このように構成すると、実施例に係る脱穀装置6は、それぞれの特徴を充分に発揮できる構成となり、特に、扱室3から前部の処理室5に漏下した未処理物の脱ぷが減って、種籾用の脱穀装置に適するものとなる。
【0042】
つぎに、図10、及び図11に示す実施例について説明する。
まず、本件に係る実施例は、図面に示すように、処理室5に内装軸架している処理胴5aには、搬送機能を備えた螺旋状の連続処理歯26を設けて構成している。この場合、処理室5は、既に説明した図1の構成に示す処理歯11の全てを、上記連続処理歯26で構成した実施例であって、他の構成は、同一としている。
【0043】
このように構成した実施例は、処理室5において、連続処理歯26が有する特有の機能が発揮されて、脱粒処理作用がスピードアップされて行われ、その処理が充分に行われる構成でありながら、脱っぷが減少するものとなる。したがって、実施例の脱穀装置6は、機外への三番飛散が減少して損失が少なくなって、処理室5の処理効率の良い装置を提供することができる。
【0044】
そして、処理室5は、図10、及び図11に示すように、受網12の全面を無孔受網12bで構成すると、事後の清掃性がよく、種籾用脱穀機に適する特徴がある。
つぎに、処理室5の受網12は、図12に示すように、側面視で、扱室中側板25を境にして、前部側を有孔受網12aに構成し、後部側の受網12を無孔受網12bに構成している。したがって、前部側の処理室5は、扱室3の選別網14から漏下する未処理物と、後部側から送られてくる未処理物と、二番揚穀装置23によって還元される二番物などが合流して未処理物の量が多くなるが、これらを連続処理歯26と有孔受網12aの共同作用によって高能率で処理し、選別室2に漏下しながら脱っぷを減少して、処理量に対応して効率的に処理する特徴がある。
【0045】
つぎに、図13に正面視で示す実施例の排塵処理室4は、下方の選別室2との間にカバー31を設けて、漏下物の全てを処理室5に供給して、選別室2には落さず、穀粒の回収効率を高めんと構成したものである。この場合、排塵処理室4から下側の処理室5に漏下した未処理物は、処理胴5aで脱粒処理作用を受けながら、前側に開口している排塵口8まで移送されて、選別室2の始端部の選別開始位置に落下、供給されて長い工程の選別作用を受けることができる。
【0046】
したがって、この実施例は、従来のように、排塵処理室4から漏下して直接、選別室2に供給されていたもののように、選別距離が短い構成に比較して、穀粒の回収率が大幅に向上し、三番飛散を減少した特徴がある。
【0047】
つぎに、図14に示す実施例について説明する。
この場合、実施例は、図面に示すように、排塵処理室4の後部に開口した下向きの排塵口10を、機体1の後部側板1bより外側に開口した構成としている。
【0048】
そして、実施例の排塵口10は、図14に示すように、側面視で横断流ファン19の排塵口36の側部で若干上側に開口し、排塵物を排塵処理胴4aの後部に設けた掻出羽根37で排出する構成としている。
【0049】
このように構成した実施例は、図14からも解るように、排塵処理室4の排塵口10から排出された排塵物が選別室2を避けて機外に排塵されるから、選別室2の排塵処理の負担が、大幅に軽減でき、選別室2内部の穀粒回収率を向上することができる特徴がある。
【0050】
そして、上記構成において、処理胴5aは、図14に示すように、不連続に形成した処理歯11を設けているから、処理室5に供給された未処理物を適確に処理して、枝梗付着粒を充分に単粒化して選別室2に排塵することができる。
【0051】
そして、図14に示す実施例の場合、処理室5は、図面から解るように、前記排塵処理室4の排塵口10を、後部側板1bの外側に開口したから、後部側板1bの内側まで長く延長した構成とすることが可能となった。したがって、処理室5は、上側にある排塵処理室4から漏下する未処理物を機体1の後部側板1bの位置まで、ほとんどを回収して再度、脱粒処理ができる優れた特徴がある。
【0052】
つぎに、図15に示した実施例は、上記した図14の実施例において、処理室5から選別室2に通じる排塵口8,30を複数個開口した構成としている。この場合、実施例は、前部の排塵口8と後部排塵口30との2つを設けているが、後部排塵口30は、図15の側面視に示すように、扱室中側板25と扱室後側板13との間に開口して構成している。
【0053】
したがって、処理室5は、図15、及び図16に示すように、前部側が扱室3から漏下した未処理物と二番揚穀装置23が揚穀する二番還元物とを処理し、後部側が排塵処理室4から漏下した未処理物を受け継いで再処理することができる特徴がある。しかも、両排塵口8,30から下方の選別室2に排塵される排塵物は、それぞれ精一杯の長い選別工程が確保できて、充分な選別で穀粒の回収率を向上する利点もある。
【0054】
そして、前記した後部排塵口30は、図15に示すように、揺動選別棚9上に装備しているチャフシーブ17の選別を開始する始端部分に排塵できる関係位置に構成している。したがって、実施例の場合、処理室5は、排塵処理室4から漏下して再処理した排塵物を、チャフシーブ17の始端部上に供給して選別を開始できるから、前側の余分な送り工程がなく、効率的に選別されるものとなっている。
【0055】
そして、前部側の処理室5は、図15に示すように、後部排塵口30のすぐ前側に、仕切板40を設けて独立した室に構成している。
このように、実施例は、後部排塵口30と前記仕切板40とによって、処理室を完全に前部側と後部側とに分けて構成し、前部は扱室3の漏下物と二番還元物との専用として処理し、後部を排塵処理室4からの漏下物専用としたものである。
【0056】
そして、前後二つの処理室5は、それぞれ選別工程が最大の長い工程の選別が確保できる部位に二つの排塵口8,30を開口し、選別効果を向上して穀粒の回収率を上げ、三番飛散を減少して機外飛散による損失を最小に抑えた特徴がある。
【0057】
つぎに、図17に示す実施例は、既に説明した図14の実施例において、処理胴5aの不連続の処理歯11を連続処理歯26に代えた構成にしている。
このように構成した実施例は、上側の排塵処理室4の排塵口10を後部側板1bの外側に開口して、その分だけ処理室5を後部側板1bの内側まで延長して排塵処理室4から多量の漏下物を受け継いでも、連続処理歯26の処理速度が上がるから処理が加速されて停滞はなく、効率よく脱粒処理される特徴がある。
【0058】
そして、連続処理歯26は、既に説明しているように、処理中に脱っぷの発生を減少する利点があり、排塵口8側への移送がスピードアップされて停滞の少ない処理ができる。
つぎに、図18に示す実施例は、上記した図17に示す実施例において、処理胴5aの前部に不連続の処理歯11を設け、処理胴5aの後部に連続処理歯26を設けて構成している。そして、該処理胴5aの連続処理歯26と不連続処理歯11とは、図18に示すように、扱室中側板25、乃至は受継供給口7の近傍を境にして、前側を不連続処理歯11とし、後側を連続処理歯26に構成している。
【0059】
このように、処理室5は、処理胴5aに連続処理歯26と不連続処理歯11とを設けると、図4の実施例でも説明したが、連続処理歯26の部分が比較的安価に製作できる利点があり、排塵処理室4からの漏下量が多くても送り作用が働き、処理物が詰まる等のおそれもなく、脱粒処理が促進される特徴があり、そのため、実施例の場合、機外飛散による損失も少なくなって、穀粒の回収率が向上する利点がある。
【0060】
以上、本件出願に係る各実施例の個々について説明してきたが、本件出願の主要な発明は、まず、請求項1の発明であって、扱室3より低い位置で、しかも、排塵処理室4の下方から前部側に配置している処理室5は、扱室3と排塵処理室4との両方から漏下してくる未処理物を受け継いで、再処理しながら前部側に移送して、排塵口8から揺動選別棚9の選別開始位置に排塵する実施態様であって、脱粒処理を繰り返しながら前側に移送して、揺動選別棚9の選別開始位置から選別作用を受けることによって、充分に選別することができるものである。
【0061】
そして、この実施例は、処理室5における再度の脱粒処理に加えて、充分な揺動選別と選別風による選別作用とを行うことで、脱粒と選別とが適確に行われ、三番飛散を最小にできて機外損失を大幅に少なくして、穀粒の回収率を向上できる優れたものとなっている。
【0062】
つぎに、請求項2の発明は、上記実施例の作用、効果を奏するものでありながら、その上に加えて、処理室5が排塵処理室4の排塵口10から排塵物落下通路10aを避けた位置から設けて、排塵処理室4から落下する排塵物の邪魔をすることなく、選別室2への排塵が円滑にできる点にある。
【0063】
そして、請求項3の発明は、不連続にした処理歯11の処理胴5aに関し、螺旋状の連続処理歯26などに比較して処理室(4)内での滞留時間を長くできて、枝梗付着粒等を充分に脱粒処理できるから、穀粒の回収率を向上できるものとなっている。
【0064】
なお、各実施例で説明した連続処理歯26は、不連続処理歯11にはない特徴があり、それぞれ長所を生かした使用をすれば有効である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】脱穀装置の側断面図
【図2】脱穀装置の正断面図
【図3】脱穀装置の側断面図
【図4】脱穀装置の側断面図
【図5】脱穀装置の側断面図
【図6】脱穀装置の側断面図
【図7】脱穀装置の正断面図
【図8】脱穀装置の側断面図
【図9】脱穀装置の側断面図
【図10】脱穀装置の側断面図
【図11】脱穀装置の正断面図
【図12】脱穀装置の側断面図
【図13】脱穀装置の正断面図
【図14】脱穀装置の側断面図
【図15】脱穀装置の側断面図
【図16】脱穀装置の正断面図
【図17】脱穀装置の側断面図
【図18】脱穀装置の正断面図。
【符号の説明】
【0066】
1 機体 1a 前部側板
1b 後部側板、 2 選別室
3 扱室 3a 扱胴
4 排塵処理室 4a 排塵処理胴
5 処理室 5a 処理胴
6 脱穀装置 7 受継供給口
8 排塵口 9 揺動選別棚
10 排塵口 10a 排塵物落下通路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(1)内に設けた選別室(2)の上方に、扱室(3)と、排塵処理室(4)と、処理室(5)とを前後方向に配置した脱穀装置(6)であって、機体(1)の前部側に位置する前記扱室(3)の終端部に、受継供給口(7)を連通した排塵処理室(4)を、機体(1)の後部側に延長して設け、該排塵処理室(4)の下方に配置した前記処理室(5)を、機体(1)の前部側まで延長して、前端部に排塵口(8)を開口して設け、該処理室(5)は、前記排塵処理室(4)と扱室(3)とから漏下した未処理物を受け継いで前方に送りながら再処理する構成とし、前記処理室(5)の排塵口(8)は、前記選別室(2)の上部位置に装備した揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置。
【請求項2】
前記排塵処理室(4)は、前記扱室(3)に連通した受継供給口(7)を始端部として機体(1)の後部側に延長して後端部位に排塵口(10)を開口して設け、該排塵口(10)は、下側の排塵物落下通路(10a)によって、排塵物を選別室(2)の後部に排塵する構成とし、前記処理室(5)は、前記排塵口(10)、及び排塵物落下通路(10a)より前側の位置から機体(1)の前部側に延長して構成した請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記処理室(5)に内装軸架した処理胴(5a)は、その外周面に、単体で不連続に形成した各処理歯(11)を配列して取り付けて構成した請求項1、又は2記載の脱穀装置。
【請求項1】
機体(1)内に設けた選別室(2)の上方に、扱室(3)と、排塵処理室(4)と、処理室(5)とを前後方向に配置した脱穀装置(6)であって、機体(1)の前部側に位置する前記扱室(3)の終端部に、受継供給口(7)を連通した排塵処理室(4)を、機体(1)の後部側に延長して設け、該排塵処理室(4)の下方に配置した前記処理室(5)を、機体(1)の前部側まで延長して、前端部に排塵口(8)を開口して設け、該処理室(5)は、前記排塵処理室(4)と扱室(3)とから漏下した未処理物を受け継いで前方に送りながら再処理する構成とし、前記処理室(5)の排塵口(8)は、前記選別室(2)の上部位置に装備した揺動選別棚(9)の選別開始位置に排塵する構成とした脱穀装置。
【請求項2】
前記排塵処理室(4)は、前記扱室(3)に連通した受継供給口(7)を始端部として機体(1)の後部側に延長して後端部位に排塵口(10)を開口して設け、該排塵口(10)は、下側の排塵物落下通路(10a)によって、排塵物を選別室(2)の後部に排塵する構成とし、前記処理室(5)は、前記排塵口(10)、及び排塵物落下通路(10a)より前側の位置から機体(1)の前部側に延長して構成した請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記処理室(5)に内装軸架した処理胴(5a)は、その外周面に、単体で不連続に形成した各処理歯(11)を配列して取り付けて構成した請求項1、又は2記載の脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−143425(P2007−143425A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338918(P2005−338918)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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