説明

脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法

【課題】魚介類、野菜類、肉類、その他の食品の鮮度保持材として使用することができる脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法に関するものである。
【解決手段】ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、常温で前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法に関し、特に魚介類の鮮度保持材として使用するに適し、また野菜類、肉類、あるいはその他の食品の鮮度保持材としても使用することができる脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特に魚介類の鮮度保持材として使用されている氷は、単に水道水、あるいは天然水を製氷機で製氷した氷を魚介類上に載置するか、あるいは容器内の水中に魚介類を浸漬すると共に、該水中に氷を投入して使用している。しかしながら、これら氷には、脱臭性・抗菌性および防カビ性の機能は全く備わっていない。
【0003】
一方、脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法につき、過去の特許文献を遡及検索しても、1件の特許文献をも発見することができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の水道水、あるいは天然水を製氷機で製氷した氷は、脱臭性・抗菌性および防カビ性の機能は全く備わっていないので、これを魚介類、野菜類、肉類、あるいはその他の食品に使用しても、単に冷却して鮮度保持を図るのみで、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止すると共に、アンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、更にカビの発生を阻止することができず、充分な鮮度保持を図ることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、従来の氷と同様冷却して、魚介類、野菜類、肉類、あるいはその他の食品の鮮度保持を図ると共に、アンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、且つ、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止し、更にカビの発生を阻止することができる脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、常温で前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、且つ該CaとMgを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記CaとMgを溶出させた蒸留水を原液として製氷するという方法、
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、常温で前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、且つ該CaとMgを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記CaとMgを溶出させた蒸留水を原液として製氷するという方法、
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、常温で前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、且つ該Caを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記Caを溶出させた蒸留水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、常温で前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、且つ該Caを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記Caを溶出させた蒸留水を原液として製氷するという方法、
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷するという方法、
のいずれかを採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
本発明請求項1〜6の発明によれば、本発明製造方法の素材となるドロマイト岩石の焼成工程において、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下としているため、該ドロマイト岩石中に含有するCaとMgとが複合化されて、該CaとMgの結合力が強くなって活性化され、その結果、酸化力が高まって、該酸化力、および前記CaとMgからの電磁波により、アンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、且つ、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止し、更にカビの発生を阻止することができるという作用を有する焼成ドロマイト粉末、または粗砕焼成ドロマイト岩石を水中に投入し、前記CaとMgとが溶出した水を原液として製氷した氷を使用しているので、前記氷中のCaとMgの酸化力と電磁波の作用により、魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品のアンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、且つ、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止し、更にカビの発生を阻止することができるという優れた効果を奏することができる。
【0008】
本発明請求項7〜12の発明によれば、本発明製造方法の素材となる貝殻を高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウム中に含有するCaが活性化され、その結果、酸化力が高まって、該酸化力、および前記Caからの電磁波により、アンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、且つ、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止し、更にカビの発生を阻止することができるという作用を有する貝殻焼成カルシウム粉末、または租砕貝殻焼成カルシウムを水中に投入し、前記Caが溶出した水を原液として製氷した氷を使用しているので、前記氷中のCaの酸化力と電磁波の作用により、魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品のアンモニアや硫化水素等の臭気の発生を阻止し、且つ、大腸菌やブドウ状球菌等の一般生菌の発生・増殖を阻止し、更にカビの発生を阻止することができるという優れた効果を奏することができる。
【実施例1】
【0009】
本発明製造方法の実施例1は、人体にとって絶対に安全な素材であるドロマイト岩石を使用した魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品の鮮度保持材として使用するに適した脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法である。
【0010】
一般に、ドロマイト岩石は、苦灰岩(白雲石)〈CaMg(CO〉、アンケル石〈CaFe(CO〉、クトナホラ石〈CaMn(CO〉を総称したものである。前記いずれの岩石もCa、Mg、Fe、Mnを主成分として含み、これら主成分に基づく特性を有している。そして、一般にドロマイト岩石といえば、苦灰岩を指すが、その他のアンケル石およびクトナホラ石も、その化学的特性はほぼ同一であるので、前記苦灰岩、アンケル石およびクトナホラ石をすべてまとめて「ドロマイト岩石」と略称して、以下に説明する。
【0011】
前記ドロマイト岩石は粉末状とすることにより、例えば、肥料、塗壁材、煉瓦等、種々の用途に使用されている。厚生労働省が認可した食品添加物として一般に使用されているドロマイト岩石の焼成粉末化プロセスは、ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度700〜950℃で焼成し、そして、前記焼成して得られた粗砕ドロマイトを高圧の水を噴射して水砕して細砕し、更に該細砕したドロマイト粉末をふるい分けて、所定粒径のドロマイト粉末とするのである。
【0012】
すなわち、前記従来のドロマイト岩石の焼成粉末化プロセスにおいては、水砕処理を施すことが特徴である。一般的に、鉱物に含有する水分量は約7重量%で、この水分は自由水と結晶水とより成っている。そして、前記ドロマイト岩石の焼成時に、自由水の大多数は蒸発してしまい、前記焼成後のドロマイト岩石中の水含有量は1重量%以下となる。
【0013】
前記一般に使用されているドロマイト岩石の焼成粉末化プロセスにおいて、ドロマイト岩石を加熱温度700〜800℃で焼成すると、MgCO分が分解して二酸化炭素(CO)を放出し、主に炭酸カルシウム(CaCO)と酸化マグネシウム(MgO)の焼成物となり、更に焼成温度900〜950℃で焼成すると、炭酸カルシウム(CaCO)が分解して二酸化炭素(CO)を放出し、主に酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)の焼成物となる特性を有している。
【0014】
本発明製造方法においては、ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を使用する。すなわち、本発明製造方法においては、前記焼成されたドロマイト岩石は、従来焼成粉末化プロセスに使用されているような水砕処理をすることなく、前記高温で焼成した後、破砕機により破砕し、その後に該破砕した焼成ドロマイト粉末をふるい分けて、所定粒径の焼成ドロマイト粉末を選択して使用する。
【0015】
前記従来のように、粗砕したドロマイト岩石を焼成した後、水砕処理で破砕すると、該水砕処理前の水分量1重量%が、10重量%以上に増加してしまい、その分焼成ドロマイト岩石による作用、効能が低下して活性化を図ることができない。
【0016】
前記焼成工程において、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下の焼成ドロマイト粉末とすることにより、焼成ドロマイト粉末を活性化することができるのである。
【0017】
本発明製造方法においては、前記含有水分約1重量%以下の焼成ドロマイト粉末を、特に限定する必要はないが、好ましくは、本発明製造方法で使用するに適した500μm以下の粉末に粉砕して使用する。前記本発明製造方法で使用する焼成ドロマイト粉末は、前記したようにCaO、MgOの化学的特性を保持している。そして、前記500μm以下に粉砕された焼成ドロマイト粉末の化学特性の測定結果を表1に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
表1の測定結果から、750〜1,130℃で焼成して得られた前記焼成ドロマイト粉末は、脱臭率が酸系で97.0、アルカリ系で98.0%、抗菌率が球菌および桿菌系ともに98.0%で、極めて高い脱臭性および抗菌性を有することが立証できた。また、前記焼成ドロマイト粉末は、防カビ抵抗がJIS Z2911による評価数値のうち、最高の3で、防カビ性をも有することが立証できた。なお、前記脱臭率は、ガス検知法により測定し、また抗菌率は、ハローテストにより測定した。
【0020】
前記焼成ドロマイト粉末の脱臭および抗菌のメカニズムは、前記焼成工程において、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下としているため、該焼成ドロマイト粉末中に含有するCaとMgとが複合化されて、該CaとMgの結合力が強くなって活性化され、その結果、酸化力が高まって、その酸化力、および前記CaとMgからの電磁波により、高い脱臭性および抗菌性を保持すると共に、高い防カビ性をも有するのである。
【0021】
すなわち、アンモニアおよび硫化水素等に対する脱臭メカニズムは、物理的吸着または化学的吸着等の一般的作用ではなく、複合化されたCaとMgの酸化力および電磁波による分解作用である。そのため、飽和状態にならないので、脱臭力を半恒久的に有すると共に、毒性をも有していない。
【0022】
また、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌に対する抗菌メカニズムは、前記大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌の果皮(壁)は陰イオンであって、そのため中性域(pH7.0〜7.5)でしか生息が不可能であるが、前記複合化されたCaとMgの酸化力および電磁波によって陽イオンを発生するので、陰イオンである菌体(壁)が、前記陽イオンによって破壊されると同時に、菌体蛋白質が変性して呼吸困難となり死滅するのである。更に、前記陽イオンによってカビの増殖を阻止し、防カビの機能をも果たすことができるのである。
【0023】
本発明製造方法は、前記特性を有する焼成して得られたドロマイト粉末を、水との接触面積を大とすべく、特に限定する必要はないが、好ましくは、500μm以下、特に好ましくは50〜300μm程度の粉末になるよう粉砕し、そして、前記50〜300μmになるよう粉砕したドロマイト粉末を水槽内の水中に投入する。投入する焼成ドロマイト粉末の量は、特に限定する必要はないが、好ましくは、水100重量%に対して、10〜70重量%、特に好ましくは、20〜50重量%とすることが推奨される。
【0024】
前記水中に投入された焼成ドロマイト粉末からは、CaとMgのミネラル分が溶出してくる。そして、本発明製造方法においては、前記CaとMgが水中に溶出した溶出液を原液として製氷する。
【0025】
なお、テストの結果、前記水100重量%中に、50〜300μmの焼成ドロマイト粉末35重量%を投入すると、水温が常温(25℃)の場合、3〜5分程度で、1l中に0.2〜0.4mgのCaとMgが溶出し、そのpHは8.3〜11.5の弱アルカリ性から強アルカリ性を呈することを確認した。そして、前記原液(pH9.0)の化学特性の測定結果を表2に示す。
【0026】
【表2】

【0027】
前記表2の測定結果から、前記原液は脱臭率が酸系で99.3%、アルカリ系で99.5%、抗菌率が球菌系で99.5%、桿菌系で99.4%と、極めて高い脱臭率および抗菌率を有することが立証できた。更に、防カビ抵抗も3で、最高値を示していることを立証できた。原液の脱臭率および抗菌率が、ドロマイト粉末のそれより高いのは、CaとMgが水中に溶出して水溶液となっているためである。なお、前記脱臭率は、ガス検知法により測定し、抗菌率は、ハローテストにより測定した。
【0028】
水中に焼成ドロマイト粉末を投入して常温でCaとMgを溶出させるのではなく、前記水を加熱し、溶出したCaとMgを含有する水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収したものを、本発明製造方法の原液とすることもできる。更に、前記のように、沸騰させることなく、沸点より低い温度で、前記水を単に加熱してCaとMgを溶出させてもよい。これら沸騰または加熱すると、前記常温の場合に比べて、CaとMgの溶出速度が速くなるだけで、CaとMgの水中への溶出量およびpHに変化はない。
【0029】
そして、前記特性を有する原液を、汎用の製氷機を用いて製氷する。前記原液を製氷するに当っては、鮮度を保持する対象となる魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品の種類によって、pHを調整した原液を用いて製氷する。特に限定する必要はないが、好ましくは、一般に、pHは、8.5〜9.0程度の弱アルカリ性の原液を用いることが推奨される。前記pHの調整は、蒸留水またはアスコルビン酸ナトリウム等を使用してpHを下げることができる。
【0030】
本発明製造方法の実施例1により製造された氷(以下、「本発明氷」という)と、汎用氷とを用いて鮮度保持のテストをした結果を表3に示す。なお、テスト条件は、魚介類の場合は、氷を直接魚介類上に載置して比較し、野菜類および肉類の場合は、ポリエチレンのシートで包装された野菜類および肉類の上に載置して比較した。また、テストに使用した本発明氷のpHは、8.5であった。
【0031】
【表3】

【0032】
また、本発明氷と、汎用氷を使用して対象物を限定して、6、7、8月の夏季に鮮度保持のテストをした結果を表4に示す。なお、テスト条件およびpHは表3の場合と同一である。
【0033】
【表4】

【0034】
すなわち、本発明氷は、汎用氷に比べて、3〜5倍程度長期に亘って、鮮度保持が可能であることを立証することができた。また、目視による観察でも、本発明氷を使用すると、前記期間中は食品に変色を認めることができなかった。
【0035】
そして、本発明氷による脱臭・抗菌および防カビのメカニズムは、本発明氷を、例えば魚介類上に載置するか、あるいは容器内の水中に魚介類を浸漬すると共に、該水中に本発明氷を投入して使用すると、本発明氷の解氷時に、本発明氷中の複合化されたCaとMgの酸化力および電磁波によって、アンモニアや硫化水素が分解されて脱臭すると共に、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌も前記酸化力によって死滅して抗菌され、更に、前記酸化力によってカビの増殖が阻止され、魚介類の鮮度保持を図ることができるのである。
【0036】
また、野菜類や肉類を、ポリエチレン等のシートで包装し、該包装したシート上に本発明氷を載置、あるいは該氷で全体を被覆しても、前記魚介類と同様のメカニズムにより、脱臭、抗菌すると共に、防カビを図り、野菜類や肉類の鮮度を保持することができるのである。
【実施例2】
【0037】
本発明製造方法の実施例2は、前記実施例1と同様に、人体にとって絶対に安全な素材であるドロマイト岩石を使用する。実施例1がドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を破砕機によりドロマイト粉末に破砕したものを使用しているが、実施例2は、前記焼成ドロマイト岩石を破砕機により破砕することなく、粗砕されたままの粗砕焼成ドロマイト岩石を使用する。
【0038】
すなわち、本発明製造方法の実施例2は、ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を水槽内の水中に投入する。投入する 焼成ドロマイト岩石の量は、前記実施例1と同様に、特に限定する必要はないが、好ましくは、水100重量%に対して、10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%とすることが推奨される。
【0039】
そして、実施例2は、前記粗砕焼成ドロマイト岩石を使用しているため、実施例1の焼成ドロマイト粉末に比べて表面積が小さいので、CaとMgの溶出に時間がかかるという以外は、実施例2の作用および効果は、実施例1と同一であるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0040】
本発明製造方法の実施例3は、人体にとって絶対に安全な素材である貝殻焼成カルシウムを使用した魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品の鮮度保持材として使用するに適した脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法である。
【0041】
本発明製造方法で使用する貝殻焼成カルシウムは、ホッキ貝、ホタテ貝等の貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成し、且つ該焼成して得られた焼成カルシウムを破砕機により破砕し、その後に該破砕した貝殻焼成カルシウム粉末をふるい分けて、所定粒径の貝殻焼成カルシウム粉末を使用する。
【0042】
貝殻焼成カルシウムは、粉末にしたものが厚生労働省より食品添加物として認可され、多くの商品が市販されている。そして現在、前記貝殻焼成カルシウムは、水で溶かし、その中に野菜、果物を入れ、3〜5分間漬け置きして洗浄・除菌したり、あるいは該貝殻焼成カルシウムの2%溶液を、魚や肉にスプレーすることにより除菌したりして使用している。
【0043】
本発明製造方法の実施例3においては、前記既に市販されている貝殻焼成カルシウム粉末を、特に限定する必要はないが、好ましくは、本発明製造方法で使用するに適した500μm以下の粉末に粉砕して使用する。そして、前記500μm以下に粉砕された貝殻焼成カルシウム粉末の化学特性の測定結果を表5に示す。
【0044】
【表5】

【0045】
表5の測定結果から、700〜1,150℃で焼成して得られた貝殻焼成カルシウム粉末は、脱臭率が酸系で96.0、アルカリ系で97.0%、抗菌率が球菌および桿菌系ともに97.0%で、極めて高い脱臭性および抗菌性を有することが立証できた。また、前記焼成ドロマイト粉末は、防カビ抵抗がJIS Z2911による評価数値のうち、最高の3で、防カビ性をも有することが立証できた。なお、前記脱臭率は、ガス検知法により測定し、また抗菌率は、ハローテストにより測定した。
【0046】
前記貝殻焼成カルシウム粉末の脱臭および抗菌のメカニズムは、前記貝殻の焼成工程において、貝殻焼成カルシウム粉末中に含有するCaが活性化され、その結果、酸化力が高まって、その酸化力、および前記Caからの電磁波により、高い脱臭性および抗菌性を保持すると共に、高い防カビ性をも有するのである。
【0047】
すなわち、アンモニアおよび硫化水素等に対する脱臭メカニズムは、物理的吸着または化学的吸着等の一般的作用ではなく、Caの酸化力および電磁波による分解作用である。そのため、飽和状態にならないので、脱臭力を半恒久的に有すると共に、毒性をも有していない。
【0048】
また、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌に対する抗菌メカニズムは、前記大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌の果皮(壁)は陰イオンであって、そのため中性域(pH7.0〜7.5)でしか生息が不可能であるが、前記Caの酸化力および電磁波によって陽イオンを発生するので、陰イオンである菌体(壁)が、前記陽イオンによって破壊されると同時に、菌体蛋白質が変性して呼吸困難となり死滅するのである。更に、前記陽イオンによってカビの増殖を阻止し、防カビの機能をも果たすことができるのである。
【0049】
本発明製造方法の実施例3は、前記特性を有する貝殻焼成カルシウム粉末を、水との接触面積を大とすべく、特に限定する必要はないが、好ましくは、500μm以下、特に好ましくは50〜300μm程度の粉末になるよう粉砕し、そして、前記50〜300μmになるよう粉砕した貝殻焼成カルシウム粉末を水槽内の水中に投入する。投入する貝殻焼成カルシウム粉末の量は、特に限定する必要はないが、好ましくは、水100重量%に対して、10〜70重量%と、特に好ましくは、20〜50重量%とすることが推奨される。
【0050】
前記水中に投入された貝殻焼成カルシウム粉末からは、Caのミネラル分が溶出してくる。そして、本発明製造方法においては、前記Caが水中に溶出した溶出液を原液として製氷する。
【0051】
なお、テストの結果、前記水100重量%中に50〜300μmの貝殻焼成カルシウム粉末35重量%を投入すると、水温が常温(25℃)の場合、3〜5分程度で、1l中に0.3〜0.5mgのCaが溶出し、そのpHは8.5〜11.0の弱アルカリ性から強アルカリ性を呈することを確認した。そして、前記原液(pH9.0)の化学特性の測定結果を表6に示す。
【0052】
【表6】

【0053】
前記表6の測定結果から、前記原液は脱臭率が酸系で98.2%、アルカリ系で98.4%、抗菌率が球菌系で98.4%、桿菌系で98.3%と、極めて高い脱臭率および抗菌率を有することが立証できた。更に、防カビ抵抗も3で、最高値を示していることを立証できた。原液の脱臭率および抗菌率が、貝殻焼成カルシウム粉末のそれより高いのは、Caが水中に溶出して水溶液となっているためである。なお、前記脱臭率は、ガス検知法により測定し、抗菌率は、ハローテストにより測定した。
【0054】
水中に貝殻焼成カルシウム粉末を投入して常温でCaを溶出させるのではなく、前記水を加熱し、溶出したCaを含有する水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収したものを、本発明製造方法の原液とすることもできる。更に、前記のように、沸騰させることなく、沸点より低い温度で、前記水を単に加熱してCaを溶出させてもよい。これら沸騰または加熱すると、前記常温の場合に比べて、Caの溶出速度が速くなるだけで、Caの水中への溶出量およびpHに変化はない。
【0055】
そして、前記特性を有する原液を、前記実施例1と同様に、汎用の製氷機を用いて製氷する。前記原液を製氷するに当っては、鮮度を保持する対象となる魚介類の外、野菜類、肉類、あるいはその他の食品の種類によって、pHを調整した原液を用いて製氷する。特に限定する必要はないが、好ましくは、一般に、pHは、8.5〜9.0程度の弱アルカリ性の原液を用いることが推奨される。前記pHの調整は、蒸留水またはアスコルビン酸ナトリウム等を使用してpHを下げることができる。
【0056】
本発明製造方法の実施例3により製造された氷(以下、「本発明氷」という)と、汎用氷とを用いて鮮度保持のテストをした結果を表7に示す。なお、テスト条件は、魚介類の場合は、氷を直接魚介類上に載置して比較し、野菜類および肉類の場合は、ポリエチレンのシートで包装された野菜類および肉類の上に載置して比較した。また、テストに使用した本発明氷のpHは、8.5であった。
【0057】
【表7】

【0058】
また、本発明氷と、汎用氷を使用して対象物を限定して、6、7、8月の夏季に鮮度保持のテストをした結果を表8に示す。なお、テスト条件およびpHは表7の場合と同一である。
【0059】
【表8】

【0060】
すなわち、本発明氷は、汎用氷に比べて、2〜4倍程度長期に亘って、鮮度保持が可能であることを立証することができた。また、目視による観察でも、本発明氷を使用すると、前記期間中は食品に変色を認めることができなかった。
【0061】
そして、本発明氷による脱臭・抗菌および防カビのメカニズムは、本発明氷を、例えば魚介類上に載置するか、あるいは容器内の水中に魚介類を浸漬すると共に、該水中に本発明氷を投入して使用すると、本発明氷の解氷時に、本発明氷中のCaの酸化力および電磁波によって、アンモニアや硫化水素が分解されて脱臭すると共に、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌も前記酸化力によって死滅して抗菌され、更に、前記酸化力によってカビの増殖が阻止され、魚介類の鮮度保持を図ることができるのである。
【0062】
また、野菜類や肉類を、ポリエチレン等のシートで包装し、該包装したシート上に本発明氷を載置、あるいは該氷で全体を被覆しても、前記魚介類と同様のメカニズムにより、脱臭、抗菌すると共に、防カビを図り、野菜類や肉類の鮮度を保持することができるのである。
【実施例4】
【0063】
本発明製造方法の実施例4は、前記実施例3と同様に、人体にとって絶対に安全な素材である貝殻焼成カルシウムを使用する。実施例3が貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕したものを使用しているが、実施例4は、前記貝殻焼成カルシウムを破砕機により破砕することなく、粗砕されたままの粗砕貝殻焼成カルシウムを使用する。
【0064】
すなわち、本発明製造方法の実施例2は、貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを水槽内の水中に投入する。投入する粗砕貝殻焼成カルシウムの量は、前記実施例3と同様に、特に限定する必要はないが、好ましくは、水100重量%に対して、10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%とすることが推奨される。
【0065】
そして、実施例4は、前記粗砕貝殻焼成カルシウムを使用しているため、実施例3の焼成カルシウム粉末に比べて表面積が小さいので、Caの溶出に時間がかかるという以外は、実施例4の作用および効果は、実施例3と同一であるので、説明を省略する。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、常温で前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項2】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、且つ該CaとMgを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記CaとMgを溶出させた蒸留水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項3】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、破砕機によりドロマイト粉末に破砕し、且つ該ドロマイト粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項4】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、常温で前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項5】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、且つ該CaとMgを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記CaとMgを溶出させた蒸留水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項6】
ドロマイト岩石を粗砕した後、加熱温度750〜1,150℃程度の高温で焼成して、自由水を蒸発させて、結晶水のみの含有水分約1重量%以下とした焼成ドロマイト岩石を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記ドロマイト粉末からCaとMgを前記水中に溶出させ、然る後、前記CaとMgを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項7】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、常温で前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項8】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、且つ該Caを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記Caを溶出させた蒸留水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項9】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた貝殻焼成カルシウムを、破砕機により貝殻焼成カルシウム粉末に破砕し、且つ該貝殻焼成カルシウム粉末を、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記貝殻焼成カルシウム粉末からCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項10】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、常温で前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項11】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、前記水を加熱して、前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、且つ該Caを溶出させた水を沸騰させて、蒸気とした後、これを液化して蒸留水として回収し、然る後、前記Caを溶出させた蒸留水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。
【請求項12】
貝殻を粗砕した後、加熱温度700〜1,150℃程度の高温で焼成して得られた粗砕貝殻焼成カルシウムを、水槽の水中に投入し、前記水を沸点以下の温度で加熱して、前記粗砕貝殻焼成カルシウムからCaを前記水中に溶出させ、然る後、前記Caを溶出させた水を原液として製氷することを特徴とする脱臭性・抗菌性および防カビ性を有する氷の製造方法。






【公開番号】特開2009−60815(P2009−60815A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229936(P2007−229936)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(592011262)
【出願人】(507298245)
【出願人】(506398807)株式会社メドラス (4)
【出願人】(507299390)
【出願人】(507298267)
【Fターム(参考)】