説明

脳卒中生存者を管理下で在宅ケア型リハビリテーションするためのシステム及び方法

心臓血管トレーニングを実行する可搬型の装置は、ユーザが特定の動作パターンを実行することを可能とするように構成された運動デバイスと、運動デバイスのユーザによって実行される仕事量の指標を提供するエルゴメータと、エルゴメータの示度に応じて指標をユーザに提供する警報システムと、を有し、警報システムが、運動デバイスを用いてユーザに実行される心肺運動テストの結果に基づいてエルゴメータの1以上の示度に応じて指標を提供するようにあらかじめプログラムされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、脳卒中または他の病気を患った後に人の心肺フィットネスを改善するための身体のリハビリテーションシステム及び方法に関し、より具体的には、リハビリテーションは、個別の心臓血管の能力及び必要性に調整されている。
【背景技術】
【0002】
世界中で何百万の人がさまざまな程度の脳卒中を患っている。脳卒中は、依然として米国において長期能力障害の主な原因となっている。脳卒中生存者の約40%は、少なくともある程度のADL(日常生活の行動)の補助を必要とし、脳卒中生存者の少なくとも半分は、少なくともある程度の補助を必要とする。脳卒中生存者の多くは、神経機能の低下に起因して半身不随のような長期間の影響を受ける。
【0003】
したがって、脳卒中生存者は、しばしば体力が減退され、ADLを実行することを制限するあまり動かない生活習慣をする傾向があり、心疾患を患う危険性に寄与する。心疾患と同様に、肉体的不活発は、脳卒中を再発することに関する浮上する危険ファクタとして機能する。証明されていることは、有酸素運動を実行することによる日常のカロリー消費が再発した脳卒中を患う危険性を強く減少させることである。脳卒中患者の70%より多くは、長期間のリハビリテーションプログラムを必要とする神経障害を患っている。脳卒中患者のための主なリハビリテーション目的は、
1.長期の無活動からの合併症を防止すること、
2.有酸素運動を増大させること、
3.脳卒中の再発及び心臓血管系イベントを低減すること、
である。
【0004】
これら目的は、長期的なリハビリテーションプログラムを用いることによってのみ達成される。推奨される1週間のエネルギー消費量は、約4200KJである。推奨されるトレーニング頻度は、連続的なまたは累積的な運動の継続期間が30分から60分で、1週間に3回から7回の間である。
【0005】
多くの場合において、脳卒中生存者は、生存者が能力のない状態でリハビリテーションセンターに行く煩雑さに起因して長期間の運動プログラムを存分に実行することに失敗する。このようなプログラムは、社会的及び経済的な理由に起因して大部分の患者にとってアクセス可能ではない。この問題への解決法は、訓練された医療関係者なく患者の在宅環境で長期的なリハビリテーションプログラムを実行することを必要とする。
【0006】
在宅型トレーニングプログラムは、2つの重要な条件、
1.運動を実行している間の患者への高い安全性レベル、
2.患者の自宅に位置する運動デバイス、
を必要とする。
【0007】
一般的な運動は、脳卒中生存者を含む大部分の人にとって高い安全性レベルで実行される通常の人間の機能である。しかしながら、脳卒中生存者は、運動を実行する際に高い危険性レベルにある。1つの問題は、平衡に関しており、脳卒中生存者は、転倒して負傷することを患う傾向がよりありがちである。第2の問題は、突然心臓死であり、これは、人が運動の実行中に負荷がかかりすぎると発生することがある。心疾患は、脳卒中生存者の最高で75%に発生すると報告されており、脳卒中を患う前に発生するかその後に現れる。したがって、脳卒中生存者のための運動プログラムは、転倒を防止し、人の心臓系に仕事過負荷を与えることを防止することが可能である必要がる。各個人は、仕事過負荷を防止するように観察された個別に設計されたプログラムを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
運動デバイスは、ユーザに対して設計された具体的なプログラムに従ってユーザが自宅で運動を実行することを可能とする。好ましくは、あつらえられ、可搬性があり、高価でないべきである。さらに、人間の大筋(large muscles)を利用してトレーニングプログラムの効率を最大化することが可能であり、さまざまな神経欠損または解剖学的制限を患う人が最小の危険性で運動デバイスの利益を受けることができることが可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態の一態様は、安全性レベルが高い在宅型運動トレーニングを補助する装置及び方法に関し、このため、幅広い範囲の脳卒中生存者に対してリハビリテーションプログラムへのアクセス性を提供する。装置は、エルゴメータ及び警報システムを有する運動デバイスを有する。運動デバイスは、ユーザによってまたは一人で搬送可能であり、それは、ユーザに関して心肺運動テストを実行するために、及びユーザの自宅でデバイスを用いて特定のユーザのために個別の運動プログラムを設計するために、医療センターに搬送される。
運動デバイスは、動作パターンの設計を可能とするように、かつ、トレーニングのために及び統合的な心肺運動テストを実行するために筋肉への負荷を変化させることをできるようにするように構成されている。状況に応じて、動作パターンは、例えば臀部及び骨盤の筋肉など大筋の強度を開発することを可能とする。本発明の例示的案形態において、装置は、車椅子に取り付け可能であり、車椅子に座っている個人が運動を実行できるようにするように構成されている。本発明の例示的な形態において、運動デバイスは、個人の別の四肢による他の部分の移動に応じて個人の四肢のいくつかを移動させる部分を有しており、例えば、個人は、健康な足を用いて運動を実行し、相互に損傷している足の運動を引き起こす。
【0010】
本発明のいくつかの形態において、運動プログラムは、車椅子が静止している間に実行される。あるいは、運動プログラムは、車椅子の動作を含んでもよい。
【0011】
エルゴメータ(ergometer)は、トレーニング中及び統合的な心肺テスト中において装置を用いた個人によって実行された作業量の指標を提供する。留意すべきことは、双方の場合において同一のエルゴメータを使用することである。エルゴメータの示度は、医療センターでプログラムを設計する段階中において及び自宅での運動トレーニング中において負荷を適切に決定するための基準として機能する。さらに、装置は、エルゴメータが所定量を超える仕事を測定した場合に指標をもたらす警報を有する。状況に応じて、警報は、所定量を超えた場合にユーザが運動を実行し続けることを装置が許可することを防止する。
【0012】
本発明の例示的な形態において、装置は、ユーザに、装置を使用している間に個人によってかけられる作業量に関する指標を提供する。状況に応じて、指標は、視覚または音声指標である。本発明のいくつかの形態において、ユーザは、装置の使用に関して異なるレベルの困難性を選択してもよく、例えば、困難なレベルにおいて、個人は、容易なレベルにおいてよりも短時間で同一の仕事量を実行する。警報は、運動を実行している間の安全性をユーザに提供する。
【0013】
本発明の例示的な形態において、ユーザは、自宅で装置を初期的に組み立てる。状況に応じて、理学療法士は、ユーザを訪問し、運動デバイスを用いて実行するためにユーザのための動作パターンを設計する。そして、ユーザは、ユーザの身体的健康を確認しユーザのためのフィットネスプログラムを設計する医療センターを訪問する。医療センターにおいて、ユーザの心肺フィットネスは、ユーザに対する安全な仕事負荷範囲を決定する統合的な心肺運動テストによって評価される。テスト中に、理学療法士によって設計された動作パターンのみを使用するが、運動デバイスに選択したさまざまな抵抗度を用いて使用する。
【0014】
本発明の例示的な形態において、医療センターは、ユーザの心肺状態とエルゴメータの示度との間の相互関係を測定する。医療センターは、理学療法士によって設計された動作パターンを用いて、ユーザのための運動プログラムを設計する。そして、医療センターは、ユーザが推奨ストレスレベルを超えたときに警告を受けるように装置をプログラムする。状況に応じて、一定レベルを超えて、装置は、ユーザが装置を用いて運動を実行し続けることを防止するようにプログラムされている。本発明のいくつかの形態において、重大性が増大する複数の警告レベルがあってもよい。
【0015】
テスト及び設計後、ユーザは、装置を自宅に搬送し、在宅自己行動型運動トレーニング(home self acting exercise training)を実行することを開始する。
【0016】
時間と共に上記処理を繰り返し、ユーザの進捗を評価してユーザの状態に適合するようにトレーニングプログラムを調節する。
【0017】
本発明のいくつかの形態において、装置は、通信ネットワーク(例えばインターネットなど)で医療センターに接続されており、そして、ユーザ及び/または装置を観察できる。状況に応じて、ユーザの仕事の進捗は、医療センターにリアルタイムで伝えられる。さらに、例えばホルター及びECGデータなどユーザの他の生理的パラメータは、通信接続で伝えられる。
【0018】
このため、本発明の例示的な形態にしたがって心臓血管トレーニングを実行する搬送可能な装置が提供され、当該装置は、ユーザが特定の動作パターンを実行することを可能とするように構成された運動デバイスと、運動デバイスのユーザによって実行される仕事量の指標を提供するエルゴメータと、エルゴメータの示度に応じた指標をユーザに提供する警報システムと、を有し、警報システムが、運動デバイスを用いてユーザに実行される心肺運動テストの結果に基づいてエルゴメータの1以上の示度に応じた指標を提供するようにあらかじめプログラムされている。
【0019】
本発明の例示的な形態において、運動デバイスは、車椅子に取り付けられて車椅子に座っている間に運動を実行する。状況に応じて、運動デバイスは、大腿及び骨盤の領域にある大筋によって作動されるように構成されている。本発明の例示的な形態において、運動デバイスは、ユーザの脚が相互動作を実行させるように構成されている。状況に応じて、警報システムは、ユーザによって実行される作業量に関連する連続的な示度を提供する。本発明の例示的な形態において、示度は、音声信号として提供される。状況に応じて、示度は、視覚信号として提供される。本発明の例示的な形態において、運動デバイスの抵抗レベルは、ユーザの能力に整合するよう調節される。状況に応じて、運動デバイスは、運動デバイスの各側で異なる抵抗レベルで修正される。本発明の例示的な形態において、心肺運動テストは、単一のセッション中にユーザによって許可される最大作業量を決定する。状況に応じて、警報システムは、信号を提供してユーザに運動を実行することを気付かせる。本発明の例示的な形態において、警報システムは、信号を提供してユーザに運動の実行を停止させることを知らせる。状況に応じて、警報システムは、信号を提供してユーザがあらかじめプログラムされた運動計画に従うことを補助する。本発明の例示的な形態において、警報システムは、ユーザが運動デバイスを用いて運動を実行し続けることを防止する。状況に応じて、運動デバイスは、車椅子が静止している間に使用されるように構成されている。本発明の例示的な形態において、運動デバイスは、ユーザが車椅子の動作を制御することをと可能とするように構成されている。状況に応じて、ユーザによって実行された運動から圧縮空気を生成するポンプをさらに備える。本発明の例示的な形態において、圧縮空気は、車椅子を移動させるために使用される。状況に応じて、動作パターンが、理学療法士の診察によって決定される。本発明の例示的な形態において、動作パターンは、ユーザの神経的または運動的欠陥に適合するように設計されている。
【0020】
本発明の例示的な形態したがって自宅を基点とした心臓血管運動トレーニングを実行する方法がさらに提供され、当該方法は、
一人で搬送可能な運動デバイスを組み立てる工程と、
運動デバイスのユーザによって実行される動作パターンを設計する工程と、
ユーザの身体状態及び設計した動作パターンに基づいて運動デバイスの構成要素の抵抗を調節する工程と、
運動デバイスを使用するためにユーザをトレーニングする工程と、
運動デバイスを使用しながらユーザの心肺能力をテストし、運動デバイスを使用している間のユーザの作業の指標を提供するエルゴメータの示度を観察する工程と、
テストに基づいてフィットネスプログラムを計画する工程と、
運動デバイスを使用している間にエルゴメータのさまざまな示度に応じた指標をユーザに提供するように運動デバイスの警報システムをプログラムする工程と、
を有する。
【0021】
本発明の例示的な形態において、運動デバイスは、車椅子に取り付けられるように構成されている。状況に応じて、方法は、ユーザが所定の運動速度を越える場合に、ユーザに警告する工程を有する。本発明の例示的な形態において、警報システムは、ユーザがエルゴメータからの示度に応じて運動デバイスを用いて運動を実行することを防止する。
【0022】
本願は、図面と併用される以下の詳細な説明から分かりかつより理解される。1を越える図面に示される同一の構造、構成要素または部分は、これらが示される全ての図において同一のまたは同様の参照符号が一般的に付されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するためのシステムを示す概略図である。
【図2A】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するためのシステムを使用する方法を示すフローダイアグラムである。
【図2B】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための方法の原理に関する詳細を示す表である。
【図3】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための装置であって車椅子に組み込まれた装置を示す概略側面図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための装置を示す概略側面図及び上面図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための装置を動作させる空気圧システムを示す概略図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための装置を動作させる切替システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行するための装置100を概略的に示す。装置100は、エルゴメータ120と警報システム130とに連結された運動デバイス110の使用に基づいている。装置100は、搬送可能であり、安全な自己型トレーニングするために自宅140において個人によって使用される。さらに、運動デバイス110を使用している間にユーザの評価を行うために及びユーザの状態に適合する運動プログラムを設計するために、ユーザによってまたは一人で搬送される。
【0025】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態において、リハビリテーション運動を実行するための装置100を使用する方法200のフローダイアグラムを示す。本発明の例示的な実施形態において、装置100は、脳卒中犠牲者の可搬性を提供する車椅子と、車椅子に取り付けられる機構と、から作られており、共に運動デバイス110としての機能性を提供する。状況に応じて、ユーザが特有の障害にかかわらず装置に対処できかつ他の必要な構成要素(例えば警報システム130及びエルゴメータ120)に連結される限り、例えばローイングマシン(rowing machine)または他のデバイスなど、他のタイプの運動デバイス110を用いてもよい。状況に応じて、椅子を有する運動デバイス110は、例えば自身で歩行可能な脳卒中犠牲者などのために使用される。運動デバイス110の一部として車椅子を使用することにより、ユーザが運動を実行するのに加えて日々の搬送のためにそれを使用するので、可搬性の強化がもたらされる。車椅子または椅子を運動デバイス110の一部として使用することは、転倒による筋骨格の負傷を防止するので、在宅トレーニングに有利である。
【0026】
図2Bは、本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーションを実行するための方法200の原理に関する詳細を示す表290である。
【0027】
第1段階において、装置100をユーザの車椅子に接続することによって組み立て、エルゴメータ120及び警報システム130に連結される運動デバイス110を形成する(符号210)。状況に応じて、技術者は、自宅にいるユーザを訪問し、装置100をユーザの車椅子に組み付ける、あるいはユーザは、医療センター150を訪問してそこで組み立てる。本発明のいくつかの実施形態において、運動デバイス110のために提供される部品は、具体的なモデルの車椅子に対して設計されている。状況に応じて、運動デバイス110に対して複数のバージョンの部品を製造し、市場のさまざまなモデルの車椅子に適合させ、同様に機能する運動デバイス110を形成してもよい。
【0028】
本発明の例示的な実施形態において、装置100を組み立てた後、理学療法士は、ユーザを診察し、ユーザの状態に基づいて動作パターンを設計する(符号220)。動作パターンは、運動デバイス110を用いて運動するときに及び医療センターでテストされる間にユーザために機能する。
【0029】
本発明の例示的な実施形態において、理学療法士は、自宅にいるユーザを訪問する。この段階において、装置100から運動デバイス110のみを使用し、エルゴメータ120及び警報システム130を必要としない。状況に応じて、動作パターンを設計することは、神経障害及び運動的欠損の評価と、ユーザによる運動を実行するために機能する動作ステレオタイプ(motion stereotype)の生成と、を含む。留意すべきことは、この方法に関する運動設計が、標準的なリハビリテーションプログラムに関する運動設計とは異なることである。この方法において、動作パターンは、ユーザのADLに関連して機能的である必要はない。動作パターンがADLの機能的能力について使用すると好ましいが、これは、必要な状況ではない。
【0030】
また、動作パターンが車椅子の動作を可能とすると好ましい。しかしながら、ユーザの神経欠陥のタイプがそれを可能とない場合、運動は、車椅子が静止しているときに実行されてもよい。
【0031】
状況に応じて、動作パターンは、以下の条件に適合するように生成される。
1.例えば臀部及び骨盤弓の筋肉野など大筋を利用すること。これら筋肉は、身体による酸素の使用を増大させる。
2.運動は、患者にとって快適であるべきである。
3.動作パターンは、少なくとも30分にわたるトレーニングを可能とする。
【0032】
上述のようにユーザの神経欠陥に適合する動作パターンの設計に適応させるため、運動デバイス110は、以下の事項を含む。
1.運動デバイス110を使用することにより、損傷した四肢の曲げ角度を、対応する関節(例えば、損傷していない他方の手または足)の角度を伸ばすことによって制御することがもたらされる。その結果、患者は、他人の補助なくかつ痛みの限界を超えることなく、患者の必要性にしたがって損傷した四肢の筋肉の痙攣状態を能動的にかつ独立して低減することが可能となる。
2.運動デバイス110を使用することにより、ユーザがユーザの脚の受動的/能動的な運動を実行することがもたらされる。
3.運動デバイス110を使用することにより、異なる負荷を各脚に独立してかけることが可能となる。
【0033】
本発明の例示的な実施形態において、理学療法士は、退院した後に、ユーザの自宅にいるユーザを訪問する。あるいは、理学療法士は、退院前に、病院にいるユーザを訪問してもよい。
【0034】
本発明の例示的な実施形態において、理学療法士は、例えばユーザの筋肉を確認し、どの筋肉が無傷であるか、どれが痙攣状態にあるか、及びどれが例えば痙縮などを防止するためにさらに使用することが必要であるかを判断することによって、神経障害を評価し、ユーザの欠陥を監視する。状況に応じて、理学療法士は、ユーザに対して動作パターンステレオタイプを生成し、ユーザの有酸素状態を改善するように運動デバイス110を何度も繰り返し実行する。
【0035】
本発明の例示的な実施形態において、理学療法士は、運動デバイス110のさまざまな部品の抵抗を調節し、例えば正常に機能しない四肢が健康な四肢よりも小さい抵抗で移動するように設定するなど、ユーザの必要性に基づいて抵抗を強くまたは弱くした状態で、これらは移動する。運動デバイス110のみを使用するこの段階中に、エルゴメータ120及び警報部130は、必要でない。本発明の例示的な実施形態において、ユーザに対して動作パターンを設計した後(符号220)、理学療法士は、動作パターンを実行しながら運動デバイス110を使用するようにユーザを訓練させる。
【0036】
いったん運動デバイス110を使用するようにユーザを訓練すると、ユーザは、ユーザに対してフィットネスプログラムを計画するために、心肺運動テストを受ける必要がある。フィットネスプログラムは、運動プログラムの頻度、継続期間及び強度を規定し、ユーザは、ユーザの医療状態の観点から実施することを必要とする。本発明の例示的な実施形態において、フィットネスプログラムを計画すること(符号230)は、静止した医療センターでのみ利用可能な器具を一般的に必要とするので、医療センター150で実行される。
【0037】
本発明の例示的な実施形態において、フィットネスプログラムを計画する間(符号230)、脳卒中犠牲者は、運動デバイス110を用いて運動を実行しながら、心肺フィットネスシステムに接続される。状況に応じて、心肺フィットネスシステムは、統合的な心肺運動テストを実行する一方で、システムは、脳卒中犠牲者の生理学的パラメータを観察し、これは、
1.酸素消費量(V’O)、
2.二酸化炭素排出量(V’CO)、
3.心拍数(HR)、
4.血圧(BP)、
と、状況に応じて、運動を実行している間に脳卒中犠牲者の生理学的状態に関する他のパラメータと、を含む。
【0038】
これらパラメータは、心筋、移動運動の筋肉及び血流への酸素の供給を決定することを可能とする。また、血流からCOを放出する速度を決定する。これらパラメータは、施術者がテストを実行しながらユーザの心肺フィットネスを評価することを可能とする。
【0039】
テスト段階中に、ユーザは、運動デバイス110を用いて運動を実行し、エルゴメータ120の示度を記録する。状況に応じて、テスト中に、ユーザは、さまざまな速度で運動を実行する必要があり、テストを実行する施術者は、フィットネスプログラムを計画し(符号230)、このプログラムは、例えば第1期間にわたって特有の速度で所望の動作パターンを実行し(符号220)、第2期間にわたって異なる速度で所望の動作パターンを実行する(符号220)ようにユーザに適合させる。テストに基づいて、ユーザに対する最適なかつ最大限許容される運動レベルを決定する。
【0040】
本発明の例示的な実施形態において、テスト手順は、各ユーザに対してあつらえて設計される。以下は、本発明の例示的な実施形態にしたがって処理される例示的な場合である。56歳の老人男性は、虚血性大脳梗塞に起因した右半身不随で医療センター150に入院している。彼の病歴には、1回の4年前の心筋梗塞が含まれる。男性の心臓状態に基づいて、医療施術者は、脳卒中リハビリテーションプログラムを実行する際の男性の安全性を心がける。施術者は、心臓血管運動テストを処方し、男性が運動プログラムを実行できるか判断し、プログラムの強度を判断する。
【0041】
テストは、運動デバイス110を用いて実行される。初期負荷は、10Wであり、2分ごとに仕事速度が10W増大する。施術者は、男性の許容限界まで運動継続期間をテストする。テスト中に、男性は、休憩中の及び運動期間中の呼吸ガス交換のブレスバイブレス(breath-by-breath)解析を提供し、その強度は、症状がテストを制限するまたは男性が最大レベルに達するまで、増加的に増大する。空気量、O消費量、CO排出量及び心拍数の情報を収集し、他の変数を算出するために使用する。患者の心電図及び血圧を同様にテスト中にわたって連続的に観察する。
【0042】
テストの終わりに、男性は、心肺苦痛の兆候なく意思による疲労を示す。
【0043】
結果:結果としての心拍数、血圧及びECGは、通常である。ECGは、テスト及びクールダウン中にリズム障害または虚血性の変化を示さない。テスト中の呼吸予備力(Breathing reserve:BR)、呼吸相当量(Breathing equivalent、EQO、EQCO)及び死腔換気(Dead space ventilation、VD/VT)は、通常である。
【0044】
達成した心拍数は、低くて130拍/分(激しい活動のレベルとしては非常に高いが、深刻な体調不良と一致する)。音圧感度は、テスト中及びテスト後で通常である。最大酸素摂取量(ピークVO)は、60ワットの仕事量で21ml/分/kgである。
【0045】
解説:結果は、男性がトレーニングプログラムに安全に参加できることを示している。しかしながら、実際に行ったテストは、彼の体力を減退させる。
【0046】
運動処方のガイド:最適な仕事負荷は、テスト中に達成する最大仕事量の50%であるべきである。この患者に対する最適な仕事負荷は、30ワットである。最大仕事負荷は、テスト中に達成する最大仕事量の70%であるべきである。この患者に対する最大仕事負荷は、45ワットである。すなわち、警報システムを修正するための範囲は、30ワットから45ワットまでであるべきである。
【0047】
留意すべきことは、運動デバイス110を用いてテストを実行し、トレーニングプログラムを同様に同一の運動デバイス110を用いて実行することである。さらに、使用する動作パターンは、テスト用及び運動プログラム用と同一である。
【0048】
エルゴメータ120は、実行される運動の利益を供述するユーザの能力を示すユーザの新陳代謝を直接には測定せず、これは、以下の理由による。
1.エルゴメータ120がデバイスを用いて実行される仕事量に比例する尺度を提供するが、仕事の一部がエルゴメータ120では測定可能でない熱または他の形態で消費される。
2.各人が、ユーザの生理的な状態に応じて運動の実行に対して異なる反応を示す。
【0049】
本発明の例示的な実施形態において、心肺運動テストは、運動に対するユーザの反応の全体的な補助を提供し、反応は、肺の、心臓血管の、造血の、神経心理学の、及び骨格筋のシステムを伴う。これらパラメータは、エルゴメータ120の示度と共に使用され、エルゴメータ120からの示度に応じて運動デバイス110を用いて運動を実行するときにユーザの状態を判断することを可能とする。
【0050】
テスト段階での発見事項に基づいて、訓練された施術者(例えば医者、看護士または医療技術者)は、その後、ユーザに指標を提供するように運動デバイス110の警報システム130をプログラムし(符号240)、例えばユーザが計画したフィットネスプログラムを正確に実行しているときに、及び、ユーザが必要な速度で実行しているときにまたはユーザが必要な速度を超えているときに、全体的に実行する運動においてユーザがどの状態にあるかをユーザに認識させる(符号230)。状況に応じて、ユーザが計画に従わない場合、またはユーザが異常速度に達する場合、警報システム130は、指標を提供し、ユーザは、気付いて、実行を修正する、及び/または速度を減少もしくは増大させる、及び/または行っている運動を中断する。
【0051】
本発明の例示的な実施形態において、警報システム130は、プログラム可能な回路であり、ユーザにフィードバックするために例えば視覚信号として及び/または音声信号として出力を提供するようにプログラムされている。状況に応じて、フィードバックは、口頭メッセージ、音楽、速度が異なる連続的なビープ音または他の音声信号であってもよい。同様に、視覚信号は、実際の数値、アナログ式の数字の指標、特定の速度での点滅光または他の視覚信号であってもよい。状況に応じて、フィードバックは、ユーザが計画したフィットネスプログラム及び/または所望の動作をやり遂げることを補助する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、警報システム130は、ユーザに対するものに加えてまたはそれに替えて運動デバイス110にフィードバックを提供し、例えばユーザが計画から逸脱しているまたはユーザの推奨速度を超えていることを警報システム130が検知すると、警報システム130は、例えば運動デバイス110をシャットダウンして例えば突然心臓死などユーザが負傷することを防止するように指示することによって、電気的ロックとして機能する。あるいは、警報システム130は、運動デバイス110がユーザの動作に対する抵抗を増大させ、ユーザが強制的に停止されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、警報部130は、運動デバイス110の使用の経過記録するようにプログラムされており、ユーザが周期的に運動を実行するように気付かせる。
【0053】
計画を準備して(符号230)警報システム130をプログラムした(符号240)後、ユーザを運動デバイス110と共に自宅に送り、自己ケア型リハビリテーション計画を実行させる(符号250)。本発明のいくつかの実施形態において、警報システム130は、ユーザの実行を経過記録し、施術者は、ユーザの進捗を再検討する。状況に応じて、方法200は、ユーザの進捗に基づいて必要に応じて繰り返される。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、警報システム130は、通信ネットワーク(例えばインターネット)で医療センター150に接続されており、医療センター150は、ユーザの進捗を経過記録する。本発明のいくつかの実施形態において、ユーザは、運動デバイス110を用いた運動を実行しながら、他の測定デバイスを装着して例えばホルターまたはECGデータを提供し、医療センター150は、エルゴメータ120からのデータに加えて追加の生理的データを受信する。状況に応じて、医療センター150からの権限のある職員のみは、警報システム130のプログラムを変更する。本発明のいくつかの実施形態において、プログラミングは、通信ネットワークで送信された命令によって変更され、ユーザの医者は、警報システム130のプログラムを変更するまたは修復するために医療センターに移動する必要がない。
【0055】
状況に応じて、装置100の利点は、以下のことを含む。
1.ユーザが、移動することなく、ユーザの自宅にいながらにして運動トレーニングプログラムを実行できること。
2.リハビリテーション運動計画を実行するためにユーザに対して人の補助を通常必要としないこと。
3.ユーザが、観察されかつフィードバックを自動的に受信し、予め指定した作業レベルで運動し、運動しすぎることを防止すること。
【0056】
一般的に、脳卒中犠牲者は、小筋(smaller muscles)の機能障害を患う。骨盤近位筋(pelvic proximal muscles)のような大筋は、一般的に機能障害にならない。さらに、小筋を運動させることは、大筋を運動させることに比べて、血液系への酸素の供給に与える影響が小さい傾向がある。本発明の例示的な実施形態において、大腿の骨盤近位筋(pelvic proximal muscle)は、運動デバイス110を用いた運動を実行するために使用されており、これは、大部分の脳卒中犠牲者がこれら筋肉を作動させることができ、かつ、これらがユーザの有酸素系を改善することに大きく寄与するためである。あるいはまたはさらに、後述するさまざまな機能的障害を有する脳卒中犠牲者に応じるように運動デバイス110を設計することによって、他の筋肉を使用してもよい。本発明の例示的な実施形態において、運動デバイス110を用いて運動を実行することは、筋肉の強度を増大させ、さまざまな問題を防止する。標準的なリハビリテーション手順を使用すると、主として4つの一般的な問題を対処する。
1.痙攣状態にある筋肉は、これらを運動させることによって軟化させる必要があり、病的な歩行モデル及び痙縮が発展することを防止する。
2.接合点の動作の強度が低い筋肉は、伸ばされる必要があり、痙縮が発展することを防止する。
3.痙縮が発展することは、関係する筋肉を使用するときに疼痛感を引き起こす。
4.病的な歩行モデル及び四肢の動作は、筋肉の使用及び運動をしないことに起因して維持される。
【0057】
本発明の例示的な実施形態において、上記問題は、運動デバイス110の設計において考慮される。
【0058】
図3は、本発明の例示的な実施形態における車椅子で実施されたリハビリテーション運動を実行する装置300を示す概略側面図である。本発明の例示的な実施形態において、装置300は、運動デバイス310、エルゴメータ320及び警報システム330を有する。状況に応じて、警報システム330は、図3に示すような別の筐体に替えてエルゴメータ320と共通の筐体内で実施されてもよい。本発明の例示的な実施形態において、運動デバイス310は、ユーザの大腿の下方に配置されかつストラップ345を用いてユーザの大腿にストラップ固定される2つの対照的なパッド340を有し、状況に応じて、パッド340は、(A視参照)相互に接続された2つのペダル342に接続され、ユーザが一方の大腿下腿を上昇させると、他方の大腿下腿は、下降し、逆もまた同様である。状況に応じて、相対的な動作は、ユーザの筋肉を制御することを補助し、脳卒中犠牲者に共通する病的な歩行モデルを維持しないようにユーザを再度トレーニングする。
【0059】
本発明の例示的な実施形態において、ポンプ325は、各パッド340の下方に位置付けられており、ユーザの大腿の相対動作は、ユーザが運動を実行しながら圧縮空気容器335を充填する。本発明のいくつかの実施形態において、各ポンプ325の抵抗は、例えばポンプの出口のサイズを拡大させてまたは減少させて各パッド340を移動させるために必要な力を制御することによって、調節される。このため、理学療法士は、運動デバイス310を使用するためにユーザを訓練するときに、パッド340の抵抗を調節する。本発明の例示的な実施形態において、エルゴメータ320は、パッド340を観察することによって、ユーザによって実行される仕事を記録する。状況に応じて、示度は、各ポンプ325の抵抗設定と共に更新され、これは、ユーザによって実行される仕事量を正確に記録し、例えばポンプ325を低い抵抗に設定している場合には、ポンプを高い抵抗に設定している場合よりもユーザが低い仕事を実行している。状況に応じて、各ポンプは、ユーザの身体能力に依存して異なる抵抗度で設定されてもよく、例えば、ユーザが一方の脚を制御できない場合には、ポンプの抵抗は、その脚に対して最小値に設定される。
【0060】
本発明の例示的な実施形態において、パッド340を上昇させる高さ及び上昇角度の最大値は、同様に、調節され、ユーザのサイズ及び状態に応じて動作スパンが大きくまたは小さくなることを可能とする。状況に応じて、エルゴメータ320は、特定のユーザに適合するためになされる調節を考慮してパッド340の動きを記録する。エルゴメータ320は、その測定値を警報システム330に提供する。本発明のいくつかの実施形態において、警報システム330は、ユーザによって実行される仕事量及び仕事速度に関する継続的な出力を提供する。状況に応じて、警報システム330は、これら値を伝えるために、視覚出力または音声出力を提供する。視覚出力部は、ディスプレイ(例えばLCDなど)または光の列(例えばLEDなど)を有し、音声出力部は、規則的なビープ音または他の音を形成することを含む。状況に応じて、ユーザが運動セッション中に許可された所定の仕事量または仕事速度を超える場合に、警報システム330は、大きい音の信号及び/または点滅光を発し、ユーザに警報する。本発明のいくつかの実施形態において、警報システム330は、例えば抵抗を増大させることによって、パッド340が移動することをエルゴメータ320が防止させるようにしてもよい。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、例えば電気的ポンプによって外部源から負荷がかかる圧縮空気の入物337は、ユーザの大腿/脚を移動させることを補助する。状況に応じて、入物337からの空気は、一方または双方のポンプ325に間欠的に提供され、ユーザが自身すなわち他方の脚を用いてユーザの大腿の筋肉を移動させることができない場合に、ユーザの脚の上昇を補助する。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、車椅子を固定したままで運動デバイス310を使用して運動を実行する。あるいはまたはさらに、運動デバイス310を使用して車椅子を移動させてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、ポンプ325によって容器335に提供される圧縮空気を使用し、運動を実行している間または運動を実行して容器335に負荷をかけた後に、車椅子を移動させている。
【0063】
図4は、本発明の例示的な実施形態においてリハビリテーション運動を実行する装置300を示す概略側面図及び概略上面図である。本発明の例示的な実施形態において、ユーザは、運動を実行しながら空気を容器335内に注ぎ込む。そして、圧縮空気を使用し、それぞれがロッド355を上下に押圧する1以上(例えば2つ)の作動シリンダ350を作動させる。ロッド355の上下動作は、ロッド355の動作を車椅子のメイン車輪370の前方及び/または後方の動作に変換する切替機構357に移送される。状況に応じて、前輪360は、それが前方または後方に移動するときに、車椅子を操縦するように機能する。本発明の例示的な実施形態において、ユーザは、操縦ロッド365を把持して前輪360の方向を制御する。あるいは、ユーザは、一般的な方法で、ユーザの手で直接メイン車輪370を把持することによって車椅子を移動させてもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態において、ユーザは、ユーザの手の上方にストラップ345を配置してこれらをユーザの手で把持し、ユーザの手を用いてユーザの脚を上昇及び下降させることを補助する。この選択肢により、特にユーザがユーザの脚のみを用いて運動を実行することに問題がある場合に、運動の実行における手の使用が可能となる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、操縦ロッド365のスイッチ367は、車椅子の速度及び動作方向(前方/後方)を制御するために設けられている。状況に応じて、同様に操縦ロッド365を使用して、例えば操縦ロッド365を押し込むことによって、緊急時に動作を中断する。
【0066】
図5は、本発明の例示的な実施形態におけるリハビリテーション運動を実行する装置300を動作させる空気圧システム500を概略的に示す。
【0067】
本発明の例示的な実施形態において、空気圧システム500は、ポンプ325から容器335への及び容器335からパワーシリンダ350への標準的な制御可能な移送システムを示す。空気圧システム500は、分配器505と、インバースバルブ510と、膨張弁515、カットオフバルブ520、速度制御バルブ525、二方切替弁530、安全弁535、消音機540及び従来から公知の他の構成要素を有する。
【0068】
図6は、本発明の例示的な実施形態においてリハビリテーション運動を実行するための装置300を動作させる機械的切替システム600を概略的示す。
【0069】
本発明の例示的な実施形態において、ロッド355が上昇または下降すると、ロッドは、アーム610及びアーム620を押圧し、一方は、時計回りで回転し、他方は、反時計回りで回転する。状況に応じて、切替機構357は、標準的なスイッチングギア及びクラッチシステムであってもよく、このスイッチングギア及びクラッチシステムは、アーム610及び620によって引き起こされる回転動作を捕捉可能であり、車椅子のメイン車輪370を操縦ロッド365にあるスイッチ367に応答してユーザによって所望の方向で旋回させる。
【0070】
理解すべきことは、上述した方法及び装置が、ステップを削除するまたは加えること、ステップの順番及び使用するデバイスのタイプを変更することを含むさまざまな方法で変化されてもよいことである。理解すべきことは、別の特徴を別の方法で組み合わせてもよいことである。特に、特有の実施形態で上述した特徴の全てが本発明の各実施形態で必要であるとは限らない。上記特徴のさらなる組合せは、同様に、本発明のいくつかの実施形態の範囲内と考えられる。
【0071】
当業者が理解することは、本発明が詳しく示しかつ上述したものに限定されないことである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲にのみ規定される。
【符号の説明】
【0072】
100,300 装置、110,310 運動デバイス、120,320 エルゴメータ、130,330 警報システム,警報部、140 自宅、150 医療センター、325 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓血管トレーニングを実行する可搬型の装置であって、
ユーザが特定の動作パターンを実行することを可能とするように構成された運動デバイスと、
前記運動デバイスのユーザによって実行される仕事量の指標を提供するエルゴメータと、
前記エルゴメータの示度に応じた指標をユーザに提供する警報システムと、
を備え、
前記警報システムが、前記運動デバイスを用いてユーザに実行される心肺運動テストの結果に基づいて前記エルゴメータの1以上の示度に応じた指標を提供するようにあらかじめプログラムされていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記運動デバイスが、車椅子に取り付けられて前記車椅子に座っている間に運動を実行することを可能とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記運動デバイスが、大腿及び骨盤の領域にある大筋によって作動されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記運動デバイスが、ユーザの脚が相互動作を実行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記警報システムが、ユーザによって実行される作業量に関連する連続的な示度を提供することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記示度が、音声信号として提供されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記示度が、視覚信号として提供されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記運動デバイスの抵抗レベルが、ユーザの能力に整合するよう調節されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記運動デバイスが、当該運動デバイスの各側で異なる抵抗レベルで修正されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記心肺運動テストが、単一のセッション中にユーザによって許可される最大作業量を決定することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記警報システムが、信号を提供してユーザに運動を実行することを気付かせることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記警報システムが、信号を提供してユーザに運動の実行を停止させることを知らせることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記警報システムが、信号を提供してユーザがあらかじめプログラムされた運動計画に従うことを補助することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記警報システムが、ユーザが前記運動デバイスを用いて運動を実行し続けることを防止することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記運動デバイスが、前記車椅子が静止している間に使用されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項16】
前記運動デバイスが、ユーザが前記車椅子の動作を制御することをと可能とするように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項17】
ユーザによって実行された運動から圧縮空気を生成するポンプをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記圧縮空気が、前記車椅子を移動させるために使用されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記動作パターンが、理学療法士の診察によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記動作パターンが、ユーザの神経的または運動的欠陥に適合するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
自宅を基点とした心臓血管運動トレーニングを実行する方法であって、
一人で搬送可能な運動デバイスを組み立てる工程と、
前記運動デバイスのユーザによって実行される動作パターンを設計する工程と、
ユーザの身体状態及び設計した前記動作パターンに基づいて前記運動デバイスの構成要素の抵抗を調節する工程と、
前記運動デバイスを使用するためにユーザをトレーニングする工程と、
前記運動デバイスを使用しながらユーザの心肺能力をテストし、前記運動デバイスを使用している間のユーザの作業の指標を提供するエルゴメータの示度を観察する工程と、
テストに基づいてフィットネスプログラムを計画する工程と、
前記運動デバイスを使用している間に前記エルゴメータのさまざまな示度に応じた指標をユーザに提供するように前記運動デバイスの警報システムをプログラムする工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記運動デバイスが、車椅子に取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ユーザが所定の運動速度を超える場合に警告する工程をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記警報システムが、前記エルゴメータからの示度に応じて、ユーザが前記運動デバイスを用いて運動を実行することを防止することを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−500819(P2013−500819A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523430(P2012−523430)
【出願日】平成22年8月1日(2010.8.1)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000619
【国際公開番号】WO2011/016024
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512029032)
【Fターム(参考)】