説明

腐敗性廃棄物の高速醗酵処理システム。

【課題】一次醗酵処理手段によって、腐敗性廃棄物を湿潤した荒い粒子状の中間処理物とし、醗酵槽内での醗酵を容易化する。醗酵槽内の中間処理物中に含まれる水分量を制御することで、醗酵の進行度合いに応じた適切な醗酵を行い、全体として腐敗性廃棄物を効率良く短時間のうちに醗酵させる、
【解決手段】
腐敗性廃棄物Gを中間処理物Mとする一次醗酵処理手段Iでは、ピットに配置された空
気供給管の周りの空き空間に、噴出孔に侵入不能な粒径を有する無機質系の充填材を、所定の要領で充填する。中間処理物を醗酵させる最終醗酵処理手段IIでは、醗酵槽を
カバー体にて覆い、中間処理物表面との間に水蒸気の拡散防止空間を形成する。醗酵槽本体両側に拡散防止空間と連通する排気ダクトを連設し、水蒸気を吸引させる。カバー体両側に取付けたチェーンを切返し装置のスプロケットに噛合させて、切返し装置をカバー体の内側に潜り込ませた状態で稼働させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐敗性廃棄物を短時間で確実に醗酵処理するための処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
醗酵槽内で腐敗性廃棄物を短時間のうちに醗酵処理するには、腐敗性廃棄物に十分な空気を供給するとともに水分量を適量に調節して、好気性微生物を効率良く増殖させる必要がある。槽内に供給する空気に関しては、一般的には、図8に示すように、醗酵棟内に設置した醗酵槽Aに被処理Bを収容し、例えば掻き揚げ部材付きのコンベア式切返し装置Cを醗酵槽Aの投入端Dから排出端Eにかけて長手方向に往復走行させ、切返しを行いながら被処理物と空気との接触を図るようにしている。醗酵槽内の被処理物Bは、移動に伴い、醗酵前期、醗酵中期、及び醗酵後期の処理物となり、最終的に醗酵産物として取出される。
【0003】
しかし、醗酵槽に投入される廃棄物は、その種類によって成分や含水率、粘性などの物性その他の性状が大きく異なる。また、同じ種類の腐敗性廃棄物であっても、季節や採集場所によって性状が相違する。例えば、下水汚泥や特殊な食品残渣のように粘性の高い腐敗性廃棄物の場合、醗酵が進行していない初期段階のものをコンベア式切返し手段の掻き揚げ部材によって掻き揚げようとしても容易でなく、場合によっては掻き揚げ部材に大きな負荷がかかり、破損する。したがって、切返しによって醗酵槽内の腐敗性廃棄物を十分に空気と接触させるためには、腐敗性廃棄物を醗酵槽に投入する前に予め醗酵に適した性状、に調整するのが望ましい。
【0004】
特許文献1には、醗酵槽に投入する前に、植物性スラッジと必要に応じてスラッジ焼却灰や凝集材を腐敗性廃棄物に混入する前処理を行って、腐敗性廃棄物を一旦、保形性調整廃棄物とする技術が開示されている。
【0005】
一方、醗酵槽内での被処理物の水分調整は、専ら、醗酵熱による水蒸気の蒸散に頼らざるを得ない。醗酵槽は上部開口が開放されているため、醗酵に伴って発生する水蒸気は、そのまま醗酵棟内に自然放散される。こうした自然放散は、水蒸気の蒸散量が醗酵棟内の大気環境によって大きく左右されることから、実際には、各醗酵過程における被処理物の水分調整は容易でない。
【0006】
例えば、醗酵槽内の被処理物表面は常温の大気と常時接触しているため、冬場のように温度が低い場合には、水蒸気の一部が被処理物表面に結露して被処理物表面を内部とは異なる湿潤状態にする。この結果、水蒸気の放散が妨げられ、品温と水蒸気蒸散量の低下から醗酵を遅らせる要因となる。また、醗酵槽内の被処理物から放散される水蒸気は、醗酵棟内で拡散し、骨組材や構造材の表面だけでなく隙間に入り込んで結露し、建物の耐久性を損なうという副次的な弊害をも生じさせる。
【0007】
冬場における水蒸気蒸散量の低下を防止する一つの手段として、化石燃料やヒータなどを用いて腐敗性廃棄物を外部的に加熱あるいは加温することが考えられる。特許文献2には、比較的小型の醗酵槽ではあるが、醗酵槽に外部光熱源を採り入れるための採光手段を設ける一方、醗酵槽内部にこの採光手段から採り入れられた熱を蓄熱するための蓄熱手段(蓄熱媒体等)を設けるようにした醗酵促進装置が提案されている。
【特許文献1】特公平8−744号公報
【特許文献2】特許公開2005−263563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の「混入される植物性スラッジ」は、「例えば製紙工場などからでる植物性汚泥を脱水したもので、急速醗酵が可能なように水分や溶分を調整し、醗酵槽の中に入れられるようにしたものである」(上記公報5欄39行から42行)。植物性スラッジは、「有機性成分を吸着する性質があるうえ、繊維質でもあるので、保形効果が大きく、含水率が98%以上の汚泥でも効率良く凝集させる」(同公報6欄34行から38行)。また「バクテリア菌等の土壌微生物を繁殖させる媒体として優れ(る)」(同公報6欄37行から38行)とも記載されている。更に、スラッジ焼却灰を必要に応じて混入するのは、「悪臭の強い場合の脱臭のためと、肥料として土壌改良効果が期待できるからである」(同公報6欄41行から42行)。また、凝集剤は、「含水率が特に多いときや水溶性蛋白等が多いときなどこれら有機成分を更に効率良く凝集させるため」(同公報6欄43行から45行)に混入される。
【0009】
これらの記載を総合するに、特許文献1記載の技術は、基本的には、醗酵槽への投入に先立って各種凝集材を添加することにより、腐敗性廃棄物を保形可能な程度の水分量に調整するという水分調整技術の一種と考えられる。凝集材を添加することによって、腐敗性廃棄物中の含有水分量が変わるわけではない。凝集材の添加量分だけ容積重が増えることから、含有水分率が低下するに過ぎない。
【0010】
また、特許文献1記載の技術は、たとえ醗酵に要する時間を短縮できたとしても、上記した容積重の増加によって単位時間当たりの腐敗性廃棄物自体の処理量は減る可能性がある。従って、特許文献1記載の技術によっては、処理すべき腐敗性廃棄物全体の醗酵時間を短縮できるとは必ずしも言えない。
【0011】
特許文献2記載の技術は、水蒸気の蒸散量や醗酵熱を維持するために熱源を醗酵槽外もしくは醗酵槽内に配設する技術であり、設備に費用がかかるばかりでなく比較的頻繁なメンテナンスも必要となり、しかもランニングコストが嵩む。また、水蒸気や臭気は、醗酵槽上部の広い開口から一旦放散されると、醗酵棟内空間の全域に拡散する。このため、醗酵棟内空間の一領域に換気通路や臭気捕集フードを配設し、吸引手段によって吸引したとしても、捕集できない水蒸気や臭気が残り、これらが徐々に醗酵棟内空間に蓄積され、醗酵棟内空間に充満することになる。いったん、醗酵棟内に充満した水蒸気や臭気は、ますます捕集が困難となる。捕集にあたり、吸引力を高めるため大容量の吸引手段を用いるとしても、水蒸気の蒸散量を制御するには至らないばかりでなく、依然として捕集しきれない水蒸気や臭気が多く残りがちで、電気代などのランニングコストも嵩むことになる。また、こうした加温の技術は、醗酵槽内の腐敗性廃棄物を適切かつ迅速に醗酵させることを保証するものではない。
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、醗酵槽に投入される前の積層された腐敗性廃棄物に醗酵に供する空気を的確に供給して有効な前醗酵を迅速に行い、次段回の醗酵槽内での醗酵を容易ならしめると共に、醗酵槽内の中間処理物から発生する水蒸気や臭気を醗酵槽外に拡散させることなく発生直後に捕集し、しかも中間処理物中に含まれる水分量の調整を行うことによって、醗酵の進行度合いに応じた適切な醗酵を行い、全体として腐敗性廃棄物を効率良く短時間のうちに醗酵させる、腐敗性廃棄物の高速醗酵処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明システムは、床面に堆積した腐敗性廃棄物を醗酵させて中間処理物とする一次処理手段と、この一次処理手段によって生成された中間処理物を醗酵槽内で最終醗酵させる最終処理手段とから成る。
【0014】
一次処理手段は、処理ヤードの床面に掘削されたピットと、圧送空気の供給源に連通されるとともに表面に醗酵処理用の空気を噴出する多数の噴出孔が形成され上記ピット内に配置された空気供給管と、上記噴出孔に侵入不能な粒径を有するとともに噴出孔から噴出された圧送空気がピット外に通過可能な程度の密度で噴出孔が隠れるようにして空気供給管の周りのピット内空間部に充填された無機質系の充填材と、上記ピットの上部開口を覆う格子状の蓋板とを備える。そして、一次処理手段は、蓋板上に堆積した腐敗性廃棄物に空気供給管から空気を送り込んで腐敗性廃棄物を湿潤した荒い粒子状の中間処理物とする。
【0015】
一方、最終処理手段は、一次処理手段によって生成された中間処理物を収容する醗酵槽と、この醗酵槽の投入端から排出端にかけて走行し、中間処理物の切返しを行いながら中間処理物を順次排出端側に移動させる切返し装置とを備える。
【0016】
醗酵槽は、切返し装置を走行させるための軌道と、中間処理物が収容された醗酵槽本体の上部開口を覆うカバー体であって中間処理物の表面との間に醗酵熱によって中間処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成するとともに両側端部にチエーンが取付けられたカバー体と、醗酵槽本体の片側に長手方向に沿って一体に形成された排気路と、醗酵槽本体の他方の片側に長手方向に沿って一体に形成された吸気路とを備えており、前記排気路と前記吸気路は拡散防止空間と連通しており、拡散防止空間内の水蒸気を含んだ空気を連通路から排気路を介して外部に排出する吸引手段とを備える。また、切返し装置は、前後部の左右上下四隅部にスプロケットを備える。
【0017】
そして、スプロケットをカバー体の上記チェーンに噛合させることにより、切返し装置がカバー体内に潜り込んだ状態で上記軌道上を走行することにより、カバー体によって覆われた醗酵槽本体内の中間処理物の切返しを行うとともに発酵に伴って拡散防止空間に生じる水蒸気を排気路より排出させながら、醗酵槽本体内の中間処理物を発酵させる、ものである。
【0018】
前記一次処理手段は、供給管が配置されたピット内に無機質系の充填材を所定の要領で予め充填した点に特徴がある。この充填材は、非分解性もしくは難分解性で比較的軽量な無機質系資材が選択される。例えば、ゼオライト、砂利、籾殻、活性炭などであるが、これらに限定されるものではない。また、これらの充填材は、一種もしくは複数種を組合わせて用いることもできる。充填材は、無機質系であるために、腐敗性廃棄物とは異なり、微生物による分解が不能もしくは著しく困難で、変形や変質を起こし難い。これらの資材は、いずれも供給管の噴出孔から内部には入り難い粒径のものが用いられる。さらに、充填材は、ピット内の空き空間に圧送空気がピット外に通過可能な程度の密度に充填されている。充填材自体が異形状をしているために、互いの接触状態においてかなりの空隙部を有し、圧密状態になるのを避けて空気流路を確保するように形成されている。
【0019】
供給管は、従来のものと同様なものを利用できるが、表層部をメッシュ材によって被覆したものを用いるようにしても良い。
【0020】
中間処理物は、湿潤した荒い粒子状を形成する。概ね水分50%前後であり、泥状や塊状の状態を脱した状態のものである。
【0021】
最終処理手段における醗酵槽は、上部開口のうち、中間処理物の投入口近傍を除く部分が全てカバー体によって覆われる。これにより、醗酵槽内に堆積された中間処理物の表面とカバー体裏面との間には、醗酵熱によって中間処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間が形成される。そして、水蒸気をこの拡散防止空間および排気路を通じて醗酵槽外部に排出させる。ここで拡散防止空間から捕集、排出される水蒸気は、臭気成分をも含む。
【0022】
拡散防止空間内の水蒸気は、例えば、醗酵槽片側壁上部に形成された排気路を通じて吸引され、醗酵槽外部に排出される。また、この吸引によって発酵槽の他方の片側に形成された吸気路を通じて空気が拡散防止空間に導入される。吸気路ないし排気路は醗酵槽本体の長さ方向に沿って連続もしくは不連続に形成されており、拡散防止空間の水蒸気の捕集量が醗酵槽の長さ方向において調整される。さらに吸気路および排気路の両方または何れかには部分的な閉塞手段を設け、醗酵度合いに応じて閉塞手段の閉塞度合いを調整することにより、醗酵槽内の当該部分の水蒸気の吸引量を調整することもできる。
【0023】
切返し装置は、醗酵槽の天端部に敷設したレール上を走行することにより、醗酵槽の上部開口端に沿って醗酵槽の長手方向に往復動する。切返し装置の前後部の左右上下四隅部に設けられたスプロケットは、カバー体の両側端部に取付けられたチェーンと噛合することで、切返し装置がカバー体内に潜り込んだ状態で走行するのを可能にする。
【0024】
カバー体は、柔軟なシート材であるのが望ましいが、醗酵槽の上部開口をほぼ水平に覆う基本位置と、チェーンが切返し装置のスプロケットに噛合されることにより部分的に上方に盛り上がる位置との間で変位可能なものであれば、その素材あるいは構造の如何を問うものではない。例えば、所要幅の剛性シート材を醗酵槽の長さ方向に多数連設するようにしたものであっても良い。また、カバー体は、幅方向のずれを規制するため、前後端に長さ方向に引張する何等かの手段を講じるようにしても良い。
【0025】
前記最終処理手段の排気路は醗酵槽本体側壁上部の一方の側に長手方向に沿って一体に形成されたダクト状の通路であり、吸気路は醗酵槽本体側壁上部の他方の側に長手方向に沿って一体に形成されたダクト状の通路であり、これらは連通路を介して拡散防止空間と連通している構成を採用すると良い。さらに前記排気路および吸気路の何れかまたは両方には、その長手方向を部分的に閉塞する手段を設けると良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、次の効果を奏する。
床面に堆積した腐敗性廃棄物を醗酵させて中間処理物とする一次処理手段では、醗酵用空気の供給管をピット内に収納し、ピット内の空き空間に無機質系の充填材を所定の要領で予め充填してあることから、供給管上方に位置する腐敗性廃棄物は、充填材に遮られて供給管との直接接触はおろか、ピット内にも侵入することができない。一方、供給管からの空気は、充填材間に形成される入り組んだ隙間を通ることにより、多数方向に分散してピットの上部開口面積の全ての領域から蓋体をすり抜けて腐敗性廃棄物の堆積層内に侵入する。
【0027】
このため、供給管の噴出孔が目詰まりを起こすことがないばかりでなく、一つの噴出孔からも醗酵用空気の多数の流れを生み出すことができ、ピット全体を空気の噴出孔として活用できる。この結果、腐敗性廃棄物を迅速に、湿潤した荒い粒子状の中間処理物とすることができる。
【0028】
醗酵槽内での中間処理物の醗酵を行う最終発酵手段では、醗酵槽の上部開口をカバー体によって覆うとともに切返し装置をこのカバー体の内部に潜り込むようにして走行させることにより、中間処理物表面上方に、中間処理物より発生する臭気成分を含む水蒸気の拡散防止空間を形成し、この拡散防止空間と連通する醗酵槽本体片側の吸気路および他方の側壁の排気路を介して上記水蒸気を含む空気を外部に排出させるようにしたので、水蒸気や臭気を醗酵棟内空間に放散させるがことない。しかも、水蒸気は、発生直後に拡散防止空間より外部に排出されるので、効率良く捕集させることができる。
【0029】
拡散防止空間の水蒸気や臭気は滞留する間もなく外部に排出され、しかも醗酵熱の輻射熱によって暖められた空間になることから、水蒸気が中間処理物表面で結露し難くなり、中間処理物表面あるいはカバー体裏面にも結露を生じ難い。
【0030】
水蒸気は、発生するかたわら拡散防止空間から素早く醗酵槽外に導かれ、醗酵熱も処理槽から逃げにくくなるので、醗酵を阻害する外的要因が少なくなり、醗酵処理の短縮化を図ることができる。また、拡散防止空間への吸引力を調整することにより、中間処理物表面の乾燥度合いを調整でき、醗酵処理の適正化に貢献できる。更に、排気路と拡散防止空間との連通路を部分的に閉塞可能とすることにより、上記吸引量の調整とあいまって醗酵度合いに応じた水分調整が可能となり、より適切な醗酵処理を行うことができる。
【0031】
醗酵棟内の広い空間に拡散した水蒸気や臭気を捕集するのとは異なり、狭い拡散防止空間から水蒸気や臭気を捕集するので、従来ほどに大容量の吸引手段を使用する必要がなくなり、プラント全体の製造費用及びランニングコストの低減に貢献できる。また、醗酵槽に機構部材を設置するものでもないから、メンテナンスも必要最小限で済む。
【0032】
醗酵棟内に水蒸気が拡散することがないので、結露による醗酵棟の耐久性を損なう要因を取り除き、建物の耐用年数を一般の建物と同等に維持できる。
【0033】
カバー体の両側端に取付けたチェーンを切返し装置の前後部の左右両側に設けたスプロケットに噛合させるようにしてあるので、カバー本体を幅方向にずらすことなく切返し装置をカバー体の内側に潜り込むようにして確実に走行させることができ、醗酵槽の外部に切返し装置を設けながらもカバー本体による拡散防止空間の形成に支障を生じさせることがない。
【0034】
カバー本体は、チェーンとスプロケットとの噛合関係によって、醗酵槽の上部開口をほぼ水平に覆う基本位置から切返し装置の上方に盛り上がる位置へと部分的に変位するだけであるから、柔軟なシート材、あるいは多少の剛性を有するシート片を多数連設した部材などによって比較的容易に製作することができる。
【0035】
一次処理手段によって湿潤な荒い粒子状の中間処理物になっているので、切返し装置による中間処理物への空気接触を十分に行うことができ、上記した水分コントロールと相俟って中間処理物を迅速に良好な醗酵産物とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を、図1から図7を参照しつつ詳説する。図1は、本発明の一実施形態に係る醗酵処理システムの概念構成図である。
本システムは、処理ヤードの床面に堆積した腐敗性廃棄物Gを醗酵させて中間処理物Mとする一次処理手段Iと、この一次処理手段Iによって生成された中間処理物Mを醗酵
槽内で醗酵産物に変性させる最終処理手段IIとから構成されている。
【0037】
図中符合1は醗酵棟内の腐敗性廃棄物Gの処理ヤード堆積領域となる床面であり、複数の分割された領域にそれぞれ同じもしくは異なる腐敗性廃棄物G,G´が堆積されている。両領域は同じ構造を有する。廃棄物Gは、例えば水分が65%以下に予め調整されており、堆積領域において一次処理としての予備醗酵が行われる。
【0038】
符号3は床面に掘られたピット(図2の拡大図参照)であり、その内部に空気供給管4が敷設されている。ピット3は、一定間隔をおいて複数列設けられている。この空気供給管4には、その長さ方向及び周方向に所定の間隔をおいて多数の空気噴出孔5が穿設されている。図2の供給管では、周方向に3箇所の空気噴出孔5aから5cが形成されている。供給管4の表層はメッシュ地の被覆層8によって覆われ、後述する充填材6との接触による破損を防止している。空気供給管4の基端部は、図1に見られるように、高圧空気供給源2に接続されている。
【0039】
空気供給管4は、その周囲には空き空間7が形成されるようにピット内に配置されている。この空き空間7は、粒状のゼオライトから成る充填材6によって充たされている。各ゼオライト6は、空気噴出孔5の径よりも大径もしくは噴出孔内に侵入不能な大きさを持ち、互いの接触表面になるべく隙間が生じるような密度で空間内に充填されている。さらに充填材6は、各噴出孔5が隠れるように供給管4の外側を覆っている。
【0040】
符合9は、ピット3の開口部を覆う蓋体で、格子状の板材よって形成されている。蓋体9は、所要長さのものが多数直列に配置されている。格子の開口径や大きさは別段制限されるものではない。
【0041】
なお、一次処理手段Iにおいては、中間処理物は、望ましくは固相と液相と気相の三
相分布が、例えば、固相20%前後、液相40%前後、気相40%前後で、物性が湿潤した粒子状になるように調整される。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態に係る醗酵装置の概略構成図である。
図中、符合11は、長さ80m、幅3m、深さ2mの細長い直方体形状をした一般的なコンクリート製醗酵槽で、内部に中間処理物Mが収容され、底部から強制的に空気が中間処理物内に送られて中間処理物Mの醗酵を行う。12は、中間処理物Mが収容される醗酵槽の本体部、12aは醗酵槽本体2の開放された上部開口、13は、醗酵槽11の天端に沿って敷設した左右一対のレールである。
【0043】
符号14は、上記レール13に案内されて醗酵槽11の長手方向に走行する切返し装置であり、下部に設けられたバケット付きのコンベア15によって前方の中間処理物Mを掻き揚げ、これを後方に落下させることで、ゆっくりとした速度で走行しつつ中間処理物Mの切返しを行う。
【0044】
切返し装置14には、それぞれ前面部と後面部の上下左右四隅に、スプロケット16a〜16d,17a〜17dが回動自在に取付けられている。下部のスプロケット16a,16b,17a,17bには、背後に押し付けローラ18,19が対を成すように同様に回動自在に取付けられている。これらのスプロケット16,17は、切返し装置14の走行動作に同期して駆動し、切返し装置14の進行方向に対して時計方向に回転する。
【0045】
符号20は、醗酵槽本体12の上部開口12aを覆うカバー体であり、ビニールシートなどの柔軟なシート材によって、醗酵槽11の投入口12bよりやや離れた位置から醗酵槽本体12の排出口12cにかけての上部開口12のほぼ全域(幅方向及び長さ方向の全体)を覆う大きさに形成されている。シート材は、所定ピッチごとに撓み性を有する柔軟な素材から成る横架フレームによって補強されていても良い。
【0046】
カバー体20は、全体を一枚のシート材によって形成しても良いが、所要長さのカバー片を醗酵槽の長手方向にキャタピラ状に多数連設したものであっても良い。カバー体20には、その両側端部にこれに沿うようにしてチェーン21が取付けられている。左右一対のチェーン21は、切返し装置14の前記したスプロケット16,17と噛合する幅に位置している。また、カバー体20の前後方向両端部は、醗酵槽11の天端に、カバー体20が長さ方向にある程度のゆとりを持つようにして固定されている。常時、長さ方向に引張するようなテンションをかけるようにしてあっても良い。
【0047】
符号22は拡散防止空間であり、固定されたカバー体4と、醗酵槽本体内に堆積する中間処理物Mとの間に形成されており、水蒸気を含む空気である(図6と図7参照)。拡散防止空間22の醗酵槽投入側に位置する前方端はカバー体20によって閉じられており、一方、排出側に位置する後方端は開放されている。拡散防止空間22の容積は、醗酵槽本体12への中間処理物Mの投入量に応じて定めれば良い。
【0048】
醗酵槽本体12の長手方向に沿って、拡散防止空間22の片側には吸気路27が形成されており、他方の片側には排気路23が形成されている。吸気路27および排気路23はおのおの連通路24を通じて拡散防止空間22に連通している。連通路24は比較的に狭い通路であり、醗酵槽本体2の長手方向に沿って連続的にあるいは不連続的に形成されている。
【0049】
図示する例では、吸気路27および排気路23は醗酵槽本体2と一体にコンクリート製によって形成されている。吸気路27および排気路23は塩化ビニールによって形成しても良い。 排気路23は基端部側が連結ダクト25(図1参照)に接続さており、醗酵棟外に引き出された連結ダクト25は吸引ユニット26(図1参照)に接続されている。
【0050】
上記装置の使用状態を説明する。
先ず、一次処理手段Iにおいて、高圧空気供給源2から各供給管4に空気が送られると
、空気は供給管4の噴出孔5より勢い良く噴出される。噴出された空気は、供給管4の周囲が充填材6によって覆われているとはいえ、充填材間にはかなりの隙間Sがあるので、この隙間Sを通って流れる(図2参照)。
【0051】
隙間Sは、幾通りも枝分かれするようにして空き空間内に発生しているので、噴出空気は多数の気流路を形成しながら、解放された上方へと向かい、蓋体9の格子開口を潜り抜けて、蓋体上に堆積された腐敗性廃棄物Gの堆積層内へと侵入する。進入した空気は、腐敗性廃棄物Gの醗酵に必要な空気源となる。
【0052】
堆積層底部の腐敗性廃棄物Gは、ピット内の空き空間7がすでに充填材6によって充たされているので空き空間内に落下進入することはできず、蓋体9の格子枠開口を通してピット内の充填材層の上部表面と接触する。この充填材層の上部表面には上記した多数の気流路が開口し、その径や大きさは多種多様で、小さな径のものほど流速が速まるため、腐敗性廃棄物Gの粒子がこれらの全てを閉塞することはない。
【0053】
また、腐敗性廃棄物Gの粒子は、充填材層に遮られて供給管4と直接接触することがないので、供給管4の噴出孔5、特に上向きの噴出孔5aから腐敗性廃棄物Gの粒子が入り込むおそれは全くない。このため、長期間使用しても、供給管内部には閉塞因子が溜まることもない。
【0054】
ピット3の空き空間内の充填材6は、ゼオライトによって構成されているので、廃棄物Gから生じる臭気を部分的に吸着し、悪臭発生を抑制する機能を持つ。充填材6は、無機質系資材なので頻繁に取り替える必要はなく、長期間使用することができる。
【0055】
このようにして醗酵処理された腐敗性廃棄物Gは、湿潤した荒い粒子状の中間処理物Mとなって、醗酵槽などの最終醗酵処理手段IIに移送される。
【0056】
最終醗酵処理手段IIでは、醗酵槽本体12に中間処理物Mを投入し、所定量になった
ところで切返し装置14を稼働させる。切返し装置14は、当初、カバー体20の始端方向から後退させてカバー体内に潜り込ませてある。すなわち、カバー体始端両側のチェーン21を先ず切返し装置後部の下部スプロケット17a,17bに噛合させ、次いで後部の上部スプロケット17c,17dから切返し装置14の屋根を跨いで前部の上部スプロケット16c,16dを経て下部スプロケット16a,16bへと順次受け継がせることによって、切返し装置14の前方部と屋根部及び後方部は、カバー体20が覆った状態になる。この状態で、醗酵槽本体12は、中間処理物Mの投入口近傍と排出口近傍を除き、その上部開口12aがカバー体20及び切返し装置14の底部によって覆われる。
【0057】
切返し装置14は、カバー体20を醗酵槽本体12の上部開口12aを塞ぐ位置から一端持ち上げて再度上記塞ぐ位置に復帰させて醗酵槽11の長手方向を進退動するが、この動作によってカバー体20が幅方向にずれてしまうことはない。切返し装置14がレール23に沿って移動すること、カバー体20が切返し装置14の下部スプロケット16a,16b,17a,17bに案内されて醗酵槽天端表面に復帰すること、及びチェーン21の内側に平行レール13,13が敷設されてチェーン21の幅方向のずれを抑止するからである。
【0058】
切返し装置14は、醗酵槽本体内の中間処理物Mの堆積量が少ない稼働初期には、前進と後退を小刻みに繰り返し、徐々に醗酵槽本体内の中間処理物Mの量を増やすとともに醗酵を進めてゆく。この点は従来の切返し装置を持つ醗酵槽においても同様である。ただ、本発明装置にあっては、醗酵槽本体12がカバー体20によって覆われ、切返し装置14がカバー体内に潜り込んだ状態で切返しを行う点が異なる。そして、中間処理物Mは、従来は醗酵槽本体内を排出口方向に移動する間にゆっくりとかつ醗酵度合いを考慮することなく処理されるが、本発明装置では、下記するように急速で適切な醗酵が行われる。
【0059】
本発明装置にあっては、図6と図7に見られるように、カバー体20によって覆われた拡散防止空間22とその周囲の環境構造が、醗酵に大きな影響を与える。醗酵槽本体12の上部開口12aがカバー体20(もしくはカバー体20及び切返し装置底部)によって覆われることから、醗酵槽本体内に堆積する中間処理物Mとカバー体下面との間に拡散防止空間22が形成される。この拡散防止空間22は、上部開口12aのうち、圧倒的に広い面積の上方部が完全に閉ざされる一方、投入側に位置する前方端はカバー体20によって閉じられており、一方、排出側に位置する後方端は開放されている。
【0060】
そして、吸引ユニット26が稼動されると、この拡散防止空間22は、排気路23と連通路24を介して吸引力を受ける。この吸引力によって吸気路27および連通路24を通じて空気が拡散防止空間22に導入され、醗酵槽の吸気路から排気路に向かう強い流れが形成される。中間処理物Mの醗酵熱によって蒸散し始めた水蒸気は、上方のカバー体20によって外方への蒸散が阻止されるのは勿論のこととして、拡散防止空間22を流れる強い空気流に乗ってそのまま連通路24を通って排気路23に吸い込まれ、外部に排出されることになる。
【0061】
発生した水蒸気が、ほとんど拡散防止空間22に滞留することなく、素早く排気路23に導かれることから、中間処理物Mの表面は乾燥し、更なる水蒸気の発生を促す。中間処理物Mの堆積層内部は、上記空気流によって冷やされるわけではないから、従来通りの高温状態を保持している。
【0062】
吸引ユニット26の吸引量を適宜調整することにより、単位時間当たりの水蒸気の捕集量を変化させることができることから、中間処理物Mに含まれる水分調整が可能となる。これにより、醗酵の進行度合いによる適切な水分量への調整が可能となる。また、吸引量を少なくして空気流を弱くすると、中間処理物Mの醗酵熱による輻射熱が拡散防止空間22に溜まり、カバー体20を暖めるので、水蒸気がカバー体裏面に結露することはない。
【0063】
切返し装置14が稼動しているときにも、水蒸気の吸引を行って構わない。水蒸気(臭気を含む)は、醗酵槽外にほとんど漏れ出すことがないので、醗酵棟の内部空間の環境を汚したり、悪影響を生じさせたりすることはない。
排気路23の連通路24には、これを長さ方向に部分的に閉塞する遮蔽板を開閉自在に取付けるようにしても良い。また、拡散防止空間22の両端の解放部分にはフィルタを取付けることもできる。醗酵が進み、中間処理物中に含まれる水分量が少なくなった箇所などでは、水蒸気の蒸散も少なくする必要がある。こうしたときに、上記遮蔽板を閉じて当該箇所の中間処理物表面の極度の乾燥を抑える。蒸散された水蒸気は、前後の解放された連通路24から排気ダクト23に吸引される。
【0064】
中間処理物Mの水分量を醗酵度合いに応じて調整すること、および無理のない切返しが常時行われることから、中間処理物は、迅速かつ確実に醗酵が促進される。醗酵を完了した被処理物は、例えば、液相が10体積%〜30体積%前後、固相が10体積%〜20体積%前後、気相が50体積%〜70体積%前後の三相分布を示し、物理的性状として含水量35重量%前後の乾燥した粒子状の醗酵産物となる。醗酵槽本体の排出口に至った醗酵産物は、適宜の手段により、醗酵槽本体から除去され、所定の場所に移送される。
【0065】
なお、上記実施形態の装置において、一次処理手段における空気供給手段を醗酵槽本体底部の散気管に適用することも可能である。本発明装置に用いられるカバー体は、長さ方向に分離、結合可能な複数なパーツによって構成されるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る高速醗酵システムの概念構成図。
【図2】図1のシステムの一次醗酵処理手段に用いられる供給管部分の断面図。
【図3】図1のシステムの最終醗酵処理手段の概略を示し、切返し装置が醗酵槽本体の投入口近傍に位置する状態を示す構成図。
【図4】図1のシステムの最終醗酵処理手段の概略を示し、切返し装置が醗酵槽本体の排出口側に移動した状態を示す構成図。
【図5】最終醗酵処理手段に用いられる切返し装置とカバー体との関係を示す概略構成図。
【図6】図3の醗酵槽の縦断面図であり、切返し装置の方向から見た図。
【図7】図3の醗酵槽の縦断面図であり、切返し装置のない方向を見た図。
【図8】従来の醗酵装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0067】
1−床面、2−高圧空気供給源、3−ピット、4−空気供給管、5(5a〜5d)−噴出孔、6−充填材、7−空き空間、8−被覆層、9−蓋体、11−醗酵槽、12−醗酵槽本体、12a−醗酵槽本体の上部開口、12b−投入口、12c−排出口、13−レール、14−切返し装置、16,17−スプロケット、20−カバー体、21−チェーン、22−拡散防止空間、23−排気路、24−連通路、27−吸気路、
I−一次醗酵処理手段、II−最終醗酵処理手段、
G−腐敗性廃棄物、M−中間処理物、A−醗酵槽、B−被処理物、C−切返し装置、D−投入端、E−排出端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に堆積した腐敗性廃棄物を醗酵させて中間処理物とする一次処理手段と、この一次処理手段によって生成された中間処理物を醗酵槽内で最終醗酵させる最終処理手段とから成り、
上記一次処理手段は;
処理ヤードの床面に掘削されたピットと、圧送空気の供給源に連通されるとともに表面に醗酵処理用の空気を噴出する多数の噴出孔が形成され上記ピット内に配置された空気供給管と、上記噴出孔に侵入不能な粒径を有するとともに噴出孔から噴出された圧送空気がピット外に通過可能な程度の密度で噴出孔が隠れるようにして空気供給管の周りのピット内空間部に充填された無機質系の充填材と、上記ピットの上部開口を覆う格子状の蓋板とを備え、
蓋板上に堆積した腐敗性廃棄物に空気供給管から空気を送り込んで腐敗性廃棄物を湿潤した荒い粒子状の中間処理物とし、
上記最終処理手段は;
上記一次処理手段によって生成された中間処理物を収容する醗酵槽と、この醗酵槽の投入端から排出端にかけて走行し、中間処理物の切返しを行いながら中間処理物を順次排出端側に移動させる切返し装置とを備え、
上記醗酵槽は、切返し装置を走行させるための軌道と、中間処理物が収容された醗酵槽本体の上部開口を覆うカバー体であって中間処理物の表面との間に醗酵熱によって中間処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成するとともに両側端部にチエーンが取付けられたカバー体と、醗酵槽本体の片側に長手方向に沿って一体に形成された排気路と、醗酵槽本体の他方の片側に長手方向に沿って一体に形成された吸気路とを備えており、前記排気路と前記吸気路は拡散防止空間と連通しており、これらの吸気路および排出路を通じて拡散防止空間内の水蒸気を含んだ空気を外部に排出する吸引手段とを備え、
上記切返し装置は、前後部の左右上下四隅部にスプロケットを備え、
スプロケットをカバー体の上記チェーンに噛合させることにより、切返し装置がカバー体内に潜り込んだ状態で上記軌道上を走行することにより、カバー体によって覆われた醗酵槽本体内の中間処理物の切返しを行うとともに発酵に伴って拡散防止空間に生じる水蒸気を排気路より排出させながら、醗酵槽本体内の中間処理物を発酵させる、ことを特徴とする高速醗酵処理システム。
【請求項2】
前記一次処理手段に用いられる充填材が、籾殻、ゼオライト、もしくは砂利のいずれか一つまたはその組み合わせである、請求項1記載の高速醗酵処理システム。
【請求項3】
前記中間処理物が、水分50%前後で、泥状や塊状の状態を脱した状態にある、請求項1記載の高速発酵処理システム。
【請求項4】
前記最終処理手段に用いられるカバー体が、柔軟なシート材よりなる請求項1記載の高速醗酵処理システム。
【請求項5】
前記最終処理手段の排気路は醗酵槽本体側壁上部の一方の側に長手方向に沿って一体に形成されたダクト状の通路であり、吸気路は醗酵槽本体側壁上部の他方の側に長手方向に沿って一体に形成されたダクト状の通路であり、これらは連通路を介して拡散防止空間と連通している請求項1記載の高速醗酵処理システム。
【請求項6】
前記排気路および吸気路の何れかまたは両方には、その長手方向を部分的に閉塞する手段が設けられている請求項5記載の高速醗酵処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−106860(P2009−106860A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281933(P2007−281933)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(302061738)株式会社セイグ (5)
【Fターム(参考)】