説明

膜濾過装置及び膜濾過装置の運転方法

【課題】プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、センサに電力を供給可能とする膜濾過装置を提供すること。
【解決手段】 濾過膜で濾過対象物を濾過することにより透過物を生成する膜エレメントを備えた膜濾過装置であって、膜エレメントを収容する耐圧容器と、膜濾過装置内を流れる液体の性状を検知するセンサと、発電を行う発電部と、一次電池とを備え、センサ、発電部、及び、一次電池が耐圧容器内に設けられている膜濾過装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜濾過装置及び膜濾過装置の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、濾過膜で濾過対象物を濾過することにより透過物を生成する膜エレメント(以下、単に「膜エレメント」という。)を一直線上に複数配置するとともに、隣接する膜エレメントの上記中心管同士を連結部で連結することにより構成される膜濾過装置が知られている。このようにして連結された複数の膜エレメントは、例えば樹脂により形成された外筒内に収容され、1本の膜濾過装置として取り扱われる。
【0003】
この種の膜濾過装置は、一般的に、排水や海水などの原水(原液)を濾過して、浄化された透過水(透過液)を得るために用いられる。特に大型のプラントなどでは、多数本の膜濾過装置がトレーンと呼ばれるラックで保持されることにより、トレーンごとに処理特性(圧力、透過水の水質及び水量など)の管理が行われている。
【0004】
しかしながら、上記のようにトレーンごとに処理特性の管理を行う場合には、トレーンにより保持されている多数本の膜濾過装置のうち、一部の膜濾過装置における膜エレメント又は連結部にのみ不具合がある場合に、その不具合箇所を特定することが困難であり、当該特定作業に多大な労力かかるという問題があった。
【0005】
また、上記のように複数の膜エレメントを備えた膜濾過装置がトレーンにより多数本保持された構成では、トレーンにおける各膜濾過装置の位置、又は、各膜濾過装置内における各膜エレメントの位置に応じて、分離膜の汚染具合及び当該分離膜により原液が濾過される際の負荷が異なる。そのため、膜エレメントを交換する際には、新しい膜エレメントと、まだ使用可能な膜エレメントを適宜に組み合わせて外筒内に収容することにより、最終的にトレーン全体で最適な処理性能を発揮できるように、各膜エレメントの配置及び組み合わせの最適化を行っている。しかしながら、現状では、使用期間のみに基づいて最適化を行っているため、十分に最適化が行われているとは言えない。
【0006】
さらに、膜エレメントの洗浄や交換といったメンテナンスを行うか否かの判断は、トレーンごとの処理特性に基づいて行われるため、膜エレメントによっては、その位置や使用期間によりメンテナンスが必ずしも適切に行われているとは言えない場合がある。すなわち、場合によっては、いずれかの膜エレメントがメンテナンスを行うには手遅れの状態となっていたり、又は、必要以上に早い段階でメンテナンスが行われていたりする場合があった。
【0007】
上記のような問題に対し、センサなどを外筒内に配置し、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、無線タグを用いてセンサに電力を供給する構成や、バッテリからセンサに電力を供給する構成などが開示されている。上記バッテリは充電可能であり、無線タグを用いて充電を行うことも可能である。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、無線タグに外部から電力を供給するための設備を各外筒の至近距離に設置する必要があるため、コスト面及びスペース面での不都合が多いといった問題があった。
【0009】
そこで、従来、外筒内を流れる液体の流圧を利用して自己発電を行い、センサに電力を供給する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2009−508665号公報
【特許文献2】特開2009−166034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、外筒内を液体が流れていない場合、すなわち、プラントが稼働していない状況においては、自己発電することができない。そのため、特許文献2に記載の方法では、計画停止や、薬品浸漬洗浄等によりプラントが稼働していない状況において何らかの薬品により分離膜が破損したり、高塩分濃度の水が存在した状態で運転が停止してしまい、正浸透現象により膜が剥離等した場合、自己発電により得られた電力がセンサの作動可能となるまでの間は、トラブルを発見することができないという点で改善の余地があった。
【0012】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、センサに電力を供給可能とする膜濾過装置、及び、膜濾過装置の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 濾過膜で濾過対象物を濾過することにより透過物を生成する膜エレメントを備えた膜濾過装置であって、
前記膜エレメントを収容する耐圧容器と、
前記膜濾過装置内を流れる液体の性状を検知するセンサと、
発電を行う発電部と、
一次電池とを備え、
前記センサ、前記前記発電部、及び、前記一次電池が前記耐圧容器内に設けられていることを特徴とする膜濾過装置。
【0014】
(1)の発明によれば、一次電池を備えているため、自己発電できない状況下においても、センサに電力を供給することができる。その結果、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。特に、装置立ち上げ時においては、自己発電のみによる電力では、センサの駆動が困難な場合が多いが、(1)の発明では、一次電池を備えているため、装置の立ち上げ時からセンサを駆動させることができる。その結果、トラブルの発生し易い起動初期の段階での不具合を早期に発見することが可能となる。また、自己発電による電力供給量が充分な連続運転時においては、一次電池ではなく、自己発電による電力を用いることで、センサを駆動することができ、一次電池の電力消費量を減少させることができる。このように、(1)の発明によれば、一次電池の交換頻度を減らすことができるとともに、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の膜濾過装置であって、
前記耐圧容器内に、前記発電部で得られた電力を蓄電する二次電池を備えることを特徴とする。
【0016】
(2)の発明によれば、発電部で得られた電力を蓄電する二次電池を備えているため、何らかの原因で自己発電の出力が低下した場合であっても、二次電池に蓄電された電力を用いてセンサを駆動することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)の膜濾過装置であって、
前記発電部は、前記膜濾過装置内を流れる液体の流圧により回転する回転体を備え、前記回転体の回転に基づいて発電を行うことを特徴とする。
【0018】
(3)の発明によれば、膜濾過装置内を液体が流れているときに、回転体が液体の流圧により回転し、その回転に基づいて発電部で発電が行われる。従って、回転体を利用して、効率よく発電を行うことができる。
【0019】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1の膜濾過装置であって、
前記膜エレメントに対して着脱可能な取付部材を備え、
前記センサ、前記発電部、及び、前記一次電池が、前記取付部材に設けられていることを特徴とする。
【0020】
(4)の発明によれば、センサ、発電部、及び、一次電池が、膜エレメントに対して着脱可能な取付部材に設けられているため、膜エレメントを交換する場合であっても、取付部材を新しいスパイラル型膜エレメントに付け替えることにより、センサを再利用することができる。
【0021】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(1)の膜濾過装置の運転方法であって、
一次電池の電力によりセンサを駆動する段階(a)と、
発電部により得られる電力が第1の特定値以上となった場合に、前記一次電池の電力による前記センサの駆動を、前記発電部により得られた電力による駆動に切り換える段階(b)と
を含むことを特徴とする。
【0022】
(5)の発明によれば、一次電池の電力によりセンサを駆動するため、自己発電できない状況下においても、センサに電力を供給することができる。その結果、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。特に、装置立ち上げ時においては、自己発電のみによる電力では、センサの駆動が困難な場合が多いが、(5)の発明では、一次電池の電力によりセンサを駆動するため、装置の立ち上げ時からセンサを駆動させることができる。その結果、トラブルの発生し易い起動初期の段階での不具合を早期に発見することが可能となる。また発電部により得られる電力が第1の特定値(例えば、センサの駆動に必要な電力に相当する値)以上となった場合に、一次電池の電力によるセンサの駆動を、発電部により得られた電力による駆動に切り換えるため、自己発電による電力供給量が充分な連続運転時においては、一次電池ではなく、自己発電による電力を用いることで、センサを駆動することができ、一次電池の電力消費量を減少させることができる。このように、(5)の発明によれば、一次電池の交換頻度を減らすことができるとともに、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(2)の膜濾過装置の運転方法であって、
一次電池の電力によりセンサを駆動する段階(a)と、
前記二次電池の電圧が第2の特定値以上となった場合に、前記一次電池の電力による前記センサの駆動を前記二次電池の電力による駆動に切り換える段階(c)と
を含むことを特徴とする。
【0024】
(6)の発明によれば、一次電池の電力によりセンサを駆動するため、自己発電できない状況下においても、センサに電力を供給することができる。その結果、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。特に、装置立ち上げ時においては、自己発電のみによる電力では、センサの駆動が困難な場合が多いが、(6)の発明では、一次電池の電力によりセンサを駆動するため、装置の立ち上げ時からセンサを駆動させることができる。その結果、トラブルの発生し易い起動初期の段階での不具合を早期に発見することが可能となる。また二次電池の電圧が第2の特定値以上となった場合に、一次電池の電力によるセンサの駆動を二次電池の電力による駆動に切り換えるため、自己発電による電力供給量が充分な連続運転時においては、一次電池ではなく、自己発電により蓄えられた二次電池の電力を用いることで、センサを駆動することができ、一次電池の電力消費量を減少させることができる。このように、(6)の発明によれば、一次電池の交換頻度を減らすことができるとともに、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することが可能となる。また、二次電池の電圧が第2の特定値以上となった場合に、一次電池の電力によるセンサの駆動を二次電池の電力による駆動に切り換えるため、二次電池に蓄えられた電力によりセンサを安定して駆動させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、センサに電力を供給可能とする膜濾過装置、及び、膜濾過装置の運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る膜濾過装置を模式的に示す概略断面図である。
【図2】図1に示したスパイラル型膜エレメントの内部構成を示す斜視図である。
【図3A】図1に示したエレメント接続部材の構成を示す概略斜視図である。
【図3B】図3Aに示したエレメント接続部材の正面図である。
【図3C】図3Aに示したエレメント接続部材の部分拡大透視図である。
【図4】図1に示した膜濾過装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した膜濾過装置において実行される切換処理を示すフローチャートである。
【図6】他の実施形態に係る膜濾過装置において実行される切換処理を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態に係るエレメント接続部材の構成を示す概略斜視図である。
【図8】他の実施形態に係るエレメント接続部材の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る膜濾過装置を模式的に示す概略断面図である。また、図2は、図1に示したスパイラル型膜エレメントの内部構成を示す斜視図である。膜濾過装置50は、スパイラル型膜エレメント10(以下、単に「膜エレメント10」という。)を耐圧容器40内に一直線上に複数配置することにより構成されている。
【0028】
耐圧容器40は、樹脂製の筒体であり、例えばFRP(Fiberglass Reinforced Plastics)により形成される。耐圧容器40の一端部には、排水や海水などの原水(原液)が流入する原水流入口48が形成されており、原水流入口48から流入する原水が複数の膜エレメント10で濾過されることにより、浄化された透過水(透過液)と、濾過後の原水である濃縮水(濃縮液)とが得られる。耐圧容器40の他端部には、透過水が流出する透過水流出口46と、濃縮水が流出する濃縮水流出口44とが形成されている。
【0029】
図2に示すように、膜エレメント10は、分離膜12と供給側流路材18と透過側流路材14とが積層された状態で中心管20の周囲にスパイラル状に巻回されることにより形成されたRO(Reverse Osmosis:逆浸透)膜エレメントである。
【0030】
より具体的には、樹脂製の網状部材からなる矩形形状の透過側流路材14の両面に、同一の矩形形状からなる分離膜12が重ね合わせられるとともに、その3辺が接着されることにより、1辺に開口部を有する袋状の膜部材16が形成される。そして、この膜部材16の開口部が中心管20の外周面に取り付けられ、樹脂製の網状部材からなる供給側流路材18とともに中心管20の周囲に巻回されることにより、上記膜エレメント10が形成される。上記分離膜12は、例えば不織布層上に多孔性支持体及びスキン層(緻密層)が順次に積層されることにより形成される。
【0031】
上記のようにして形成された膜エレメント10の一端側から原水を供給すると、原水スペーサとして機能する供給側流路材18により形成された原水流路を介して、膜エレメント10内を原水が通過する。その際、原水が分離膜12により濾過され、原水から濾過された透過水が、透過水スペーサとして機能する透過側流路材14により形成された透過水流路内に浸透する。
【0032】
その後、透過水流路内に浸透した透過水が、当該透過水流路を通って中心管20側に流れ、中心管20の外周面に形成された複数の通水孔(図示せず)から中心管20内に導かれる。これにより、膜エレメント10の他端側から、中心管20を介して透過水が流出するとともに、供給側流路材18により形成された原水流路を介して濃縮水が流出することとなる。
【0033】
図1に示すように、耐圧容器40内に収容されている複数の膜エレメント10は、隣接する膜エレメント10の中心管20同士がエレメント接続部材42で連結されている。したがって、原水流入口48から流入した原水は、当該原水流入口48側の膜エレメント10から順に原水流路内に流れ込み、各膜エレメント10で原水から濾過された透過水が、エレメント接続部材42により接続された1本の中心管20を介して透過水流出口46から流出する。一方、各膜エレメント10の原水流路を通過することにより透過水が濾過されて濃縮された濃縮水は、濃縮水流出口44から流出する。エレメント接続部材42としては、ABS、塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル等の樹脂製や、ステンレス等の金属製のものを用いることができるが、センサを取り付ける際の加工のしやすさや、着脱の容易性の観点から、樹脂製が好ましい。エレメント接続部材42は、本発明の取付部材に相当する。
【0034】
図3Aは、エレメント接続部材の構成を示す概略斜視図であり、図3Bは、その正面図である。また、図3Cは、図3Aに示したエレメント接続部材の部分拡大透視図である。エレメント接続部材42は、その外周面が膜エレメント10の外周面に対応する形状を有しており、エレメント接続部材42の外周面は、耐圧容器40の内周面に近接して対向している。
【0035】
エレメント接続部材42には、エレメント接続部材42には、基板53及びセンサ(流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34及び汚染検知センサ35、圧力センサ39)(図4参照)が取り付けられている。基板53及びセンサは、高圧水中環境下での損傷防止の観点から、保護構造を有することが好ましい。保護構造としては、金属製の耐圧容器に封入する構造や、樹脂により包埋する構造が挙げられるが、小容量で耐圧性を持たせることができる点で、樹脂により包埋する構造が好ましい。前記保護構造に用いる樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ナイロン6(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリサルホン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリルサルフォン(PAS)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。さらに、強度向上の観点から、これらの樹脂にガラス繊維や炭素繊維、充填剤を添加してもよい。
【0036】
また、エレメント接続部材42には、正面視で中央に通水管24が形成されるとともに、通水管24よりも外側(図3B中、通水管24よりも下側)に正面視で円形の開口54が設けられている。また、エレメント接続部材42には、開口54とは別に、三日月状の開口55が正面視で通水管24の左右に設けられている。通水管24は、膜エレメント10の中心管20同士を接続可能であり、その内部に透過水を流通させることが可能である。開口54及び開口55は、エレメント接続部材42内を流れる濃縮水を流通させることが可能である。
【0037】
開口54には、エレメント接続部材42内を流れる濃縮水の流圧により回転する回転体としての羽根車21が設けられている。ただし、上記回転体は、羽根車21に限らず、各種形状のものを採用することができる。
【0038】
開口54内には、その中心軸線に沿って主軸22が配置されており、当該主軸22の両端部がインターコネクタ42の両端部において保持部23により保持されている。保持部23は、インターコネクタ42の中心軸線に対して放射状に延びる複数本の棒材からなり、これらの棒材間の空間を介して、濃縮水が流通する。
【0039】
羽根車21は、それぞれの先端部が開口54の内周面に近接する位置まで延びる複数枚の羽根21aを有している。したがって、開口54を介してエレメント接続部材42内に流入した濃縮水が、羽根車21の羽根21aに接触しながらエレメント接続部材42内を流通し、当該エレメント接続部材42の他端部から流出することにより、羽根21aに作用する濃縮水の流圧によって羽根車21が回転するようになっている。
【0040】
羽根車21の周囲には、金属線が巻回されることによりコイル25が形成されている。また、羽根車21の各羽根21aの先端部には、磁石(図示せず)が取り付けられている。このような構成により、羽根車21が回転すると、コイル25の周囲で上記磁石により形成される磁界が変化し、いわゆる電磁誘導によってコイル25に誘導電流が流れるようになっている。すなわち、羽根車21に取り付けられた磁石及びコイル25は、羽根車21の回転に基づいて発電を行う発電部26を構成している。
【0041】
このような構成によれば、エレメント接続部材42内を濃縮水が流れているときに、羽根車21の回転に基づいて発電部26で発電を行うことができる。したがって、羽根車21を利用して、効率よく発電を行うことができる。
【0042】
図4は、図1に示した膜濾過装置50の電気的構成を示すブロック図である。この膜濾過装置50は、上記コイル25の他に、AC/DCコンバータ30、二次電池31、一次電池51、切換回路52、流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34、汚染検知センサ35、圧力センサ39、通信部36及びRFIDタグ37などを備えている。
【0043】
膜濾過装置50に備えられた上記各部のうち、AC/DCコンバータ30、二次電池31、一次電池51、切換回路52、流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34、汚染検知センサ35、圧力センサ39、通信部36は、膜濾過装置50に取り付けられた基板53に実装されている。基板53には、その他、電源供給や無線通信を制御するICチップ、タイミングデバイスとしての水晶振動子が実装されていてもよい。膜濾過装置50は、基板53に実装された流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34及び汚染検知センサ35を用いて、エレメント接続部材42内を通過する透過水の性状を検知することができる。このような構成によれば、センサの端子が汚れにくく、検知精度の安定を保つことができる。また、原水のように安定しにくい水質を検知する必要がないため、センサの感度を必要な範囲に限定することができる。また、膜を透過した直後における膜エレメント10毎の水質を検知することができるので、膜エレメント10毎の膜の異常や性能を確認することができる。また、センサのみに異常が生じた場合でも、高価な膜エレメント10ごと交換する必要がなく、取り替えが安価かつ容易である。一方、RFIDタグ37は、膜エレメント10の外周面を形成する膜部材16に取り付けられている。ただし、このような構成に限らず、AC/DCコンバータ30、二次電池31、一次電池51、切換回路52及び通信部36などが、膜濾過装置50におけるエレメント接続部材42以外の部分、例えば膜エレメント10の中心管20又は耐圧容器40などに取り付けられた構成であってもよい。
【0044】
また、流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34、汚染検知センサ35及び圧力センサ39などの各種センサのうちの少なくとも一つ又は発電部26が、膜濾過装置50におけるエレメント接続部材42以外の部分、例えば膜エレメント10の中心管20又は耐圧容器40などに取り付けられた構成であってもよい。さらに、RFIDタグ37が、膜エレメント10における膜部材16以外の部分、例えば中心管20などに取り付けられた構成であってもよい。
【0045】
コイル25に発生する誘導電流は、AC/DCコンバータ30により交流(AC)電流から直流(DC)電流に変換され、二次電池31に供給される。二次電池31に蓄積された電力は、当該膜濾過装置50に備えられた流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34及び汚染検知センサ35といった各種センサの他、通信部36などの他の電気部品にも供給される。二次電池は、電荷を蓄積するデバイスであり、例えば、バッテリー(蓄電池)やコンデンサを挙げることができる。前記バッテリーとしては、例えば、リチウムイオンバッテリー、リチウムイオンポリマーバッテリー、ニッケル・水素バッテリー、ニッケル・カドミウムバッテリー、ニッケル・鉄バッテリー、ニッケル・亜鉛バッテリー、酸化銀・亜鉛蓄電池等が挙げられる。前記コンデンサとしては、セラミックコンデンサ、プラスチックフィルムコンデンサ、マイカコンデンサ、電界コンデンサ、タンタルコンデンサ、電気二重層コンデンサ等が挙げられる。なかでも、化学反応を伴わないコンデンサが好ましく、コンデンサのなかでも、静電容量が大きい電気二重層コンデンサがより好ましい。
【0046】
切換回路52は、二次電池31の電圧に応じて、電力の供給元を、一次電池51、又は、二次電池31に切り換える機能を有する。一次電池としては、マンガン電池、アルカリ電池、酸化銀電池、リチウム電池等が挙げられ、市販のものを用いることができる。なかでも、コスト面、寿命、安全性の観点から、アルカリ電池が好ましい。一次電池の形状としては、円筒形、ボタン形、コイン形、平形、角形等が挙げられる。一次電池は、耐圧容器40内(例えば、エレメント接続部材42)に設置することから、容積が小さいことが好ましい。また、各種センサ等への供給電圧の安定性の観点かちは、円筒形であることが好ましい。必要とする電圧は、膜濾過装置の構成に応じて異なるが、一般的に、1.2V以上であり、安定動作の観点から、1.8V以上であることが好ましい。従って、必要に応じて、複数の一次電池を直列に接続して用いてもよい。また、必要以上の電力量は、漏電等の原因となるため、膜濾過装置の構成に応じて異なるが、一般的に、3.5V以下であることが好ましい。上記他の電気部品には、例えばGPS(Global Positioning System)などの位置検知部が含まれていてもよい。なお、二次電池31に蓄積された電力は、電極などにより構成される電力出力部から、外部に出力することができるようになっていてもよい。
【0047】
流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34及び汚染検知センサ35は、それぞれエレメント接続部材42内を流れる透過水の性状を検知するセンサであり、エレメント接続部材42の内側に設けられている。
【0048】
流量センサ32は、通水管24内を流れる透過水の流量を検知するセンサであり、例えば、通水管24内に羽根車(例えば、開口54に設けられた羽根車21と同様の羽根車)を設け、当該羽根車が透過水の流圧で回転することにより、その回転数に基づいて流量を検出する構成とすることができる。
【0049】
電導度センサ33は、通水管24内を流れる透過水の電導度を検知するセンサである。温度センサ34は、通水管24内を流れる透過水の温度を検知するセンサであり、例えば熱電対により構成することができる。汚染検知センサ35は、通水管24内を流れる透過水の汚染状態を検知するセンサである。圧力センサ39は、エレメント接続部材42の外側に設けられ、エレメント接続部材42の外側を流れる原水の圧力を検知するセンサであり、例えば圧電素子や歪みゲージなどにより構成することができる。ただし、エレメント接続部材42などの取付部材に取り付けられるセンサは、上記センサに限定されるものではなく、膜濾過装置50内を流れる液体の性状を検知するセンサであれば、その特性に応じて、公知の物理センサ、化学センサ、スマートセンサ(情報処理機能付きセンサ)などの区別なく用いることができる。なお、エレメント接続部材42などの取付部材に取り付けられるセンサにより検知される液体の性状としては、例えば流量、圧力、電導度、温度、汚染状況(イオン濃度など)などを挙げることができる。
【0050】
通信部36は、アンテナ36aを有しており、流量センサ32、電導度センサ33、温度センサ34、汚染検知センサ35及び圧力センサ39などの各種センサからの検知信号を通信装置38へ無線送信する無線送信部を構成している。通信部36のアンテナ36aは、例えばエレメント接続部材42に金属線を巻回することにより形成することができる。
【0051】
RFIDタグ37は、データを記憶可能な記憶媒体を備え、電波を用いた非接触通信により、通信装置38との間でデータを送受信することができる無線タグである。このRFIDタグ37は、蓄電部を有するアクティブ型のものであってもよいし、蓄電部を有しておらず、通信装置38からの電波に基づいて電磁誘導を生じることにより電力を得るようなパッシブ型のものであってもよい。
【0052】
RFIDタグ37には、当該RFIDタグ37が取り付けられている膜エレメント10に関するデータを記憶することができる。このRFIDタグ37に記憶されるデータとしては、膜エレメント10の位置情報、膜エレメント10の製造履歴、膜エレメント10の性能データ、又は、膜エレメント10のロードマップデータなどが挙げられる。
【0053】
次に、膜濾過装置において実行される切換処理について説明する。図5は、膜濾過装置において実行される切換処理Aを示すフローチャートである。まず、膜濾過装置50に電源が投入されると、各種センサや、通信部36等は、一次電池51の電力により駆動される(ステップS10)。
【0054】
次に、切換回路52は、二次電池31の電圧が1.2V以上(第2の特定値以上)であるか否かを判断する(ステップS11)。ステップS11において、二次電池31の電圧が1.2V以上ではないと判断した場合、処理をステップS11に戻す。一方、二次電池31の電圧が1.2V以上であると判断した場合、切換回路52は、一次電池51の電力による各種センサや、通信部36等の駆動を、二次電池31の電力による駆動に切り換える(ステップS12)。
【0055】
ステップS12の処理の後、切換回路52は、二次電池31の電圧が1.2未満であるか否かを判断する(ステップS13)。ステップS13において、二次電池31の電圧が1.2V未満ではないと判断した場合、処理をステップS13に戻す。一方、二次電池31の電圧が1.2V未満であると判断した場合、切換回路52は、二次電池31の電力による各種センサや、通信部36等の駆動を、一次電池51の電力による駆動に切り換える(ステップS14)。その後、処理をステップS11に戻す。
【0056】
このように、膜濾過装置50によれば、一次電池51の電力により各種センサや、通信部36等を駆動するため、自己発電できない状況下においても、センサ等に電力を供給することができる。その結果、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメント10の状態をリアルタイムで検知することが可能となる。特に、装置立ち上げ時においては、自己発電のみによる電力では、センサ等の駆動が困難な場合が多いが、膜濾過装置50では、一次電池51の電力によりセンサ等を駆動するため、装置の立ち上げ時からセンサ等を駆動させることができる。その結果、トラブルの発生し易い起動初期の段階での不具合を早期に発見することが可能となる。また二次電池31の電圧が第2の特定値以上(本実施形態では、1.2V以上)となった場合に、一次電池51の電力によるセンサ等の駆動を二次電池31の電力による駆動に切り換えるため、自己発電による電力供給量が充分な連続運転時においては、一次電池51ではなく、自己発電により蓄えられた二次電池31の電力を用いることで、センサ等を駆動することができ、一次電池の電力消費量を減少させることができる。このように、膜濾過装置50によれば、一次電池51の交換頻度を減らすことができるとともに、プラントが稼働していない場合等の種々の状況下においても、各膜エレメント10の状態をリアルタイムで検知することが可能となる。また、二次電池31の電圧が第2の特定値以上となった場合に、一次電池51の電力によるセンサ等の駆動を二次電池31の電力による駆動に切り換えるため、二次電池31に蓄えられた電力によりセンサ等を安定して駆動させることができる。
【0057】
上述した実施形態では、膜濾過装置50が二次電池31を備えている場合について説明した。しかしながら、本発明における膜濾過装置は、二次電池を備えていなくともよい。以下、膜濾過装置が二次電池を備えていない場合について説明する。なお、以下で説明する二次電池を備えていない構成の膜濾過装置は、二次電池を備えていない点、及び、膜濾過装置において実行される切換処理以外は、上述した膜濾過装置50と同様であるから、膜濾過装置において実行される切換処理以外の説明は省略する。また、共通する構成については同一の符号を用いて説明する。
【0058】
図6は、他の実施形態に係る膜濾過装置において実行される切換処理Bを示すフローチャートである。まず、膜濾過装置50に電源が投入されると、各種センサや、通信部36等は、一次電池51の電力により駆動される(ステップS20)。
【0059】
次に、切換回路52は、発電部26により得られる電圧が1.2V以上(第1の特定値以上)であるか否かを判断する(ステップS21)。ステップS21において、発電部26により得られる電圧が1.2V以上ではないと判断した場合、処理をステップS21に戻す。一方、発電部26により得られる電圧が1.2V以上であると判断した場合、切換回路52は、一次電池51の電力による各種センサや、通信部36等の駆動を、発電部26により得られる電力による駆動に切り換える(ステップS22)。
【0060】
ステップS22の処理の後、切換回路52は、発電部26により得られる電圧が1.2未満であるか否かを判断する(ステップS23)。ステップS23において、発電部26により得られる電圧が1.2V未満ではないと判断した場合、処理をステップS23に戻す。一方、発電部26により得られる電圧が1.2V未満であると判断した場合、切換回路52は、発電部26の電力による各種センサや、通信部36等の駆動を、一次電池51の電力による駆動に切り換える(ステップS24)。その後、処理をステップS21に戻す。
【0061】
このように、他の実施形態に係る膜濾過装置50によれば、発電部26により得られる電力が第1の特定値以上となった場合に、一次電池51の電力によるセンサ等の駆動を、発電部26により得られた電力による駆動に切り換えるため、自己発電による電力供給量が充分な連続運転時においては、一次電池51ではなく、自己発電による電力を用いることで、センサ等を駆動することができ、一次電池51の電力消費量を減少させることができる。
【0062】
図3A、図3Bを用いて説明したエレメント接続部材42では、三日月状の開口55が2つ設けられている場合について説明した。しかしながら、開口54(回転体が設けられている開口)以外に設けられる、濃縮水を流通させるための開口の形状や個数は、特に限定されない。以下、図7、図8を用いて、エレメント接続部材の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、エレメント接続部材42と同一の構成については同一の符号を用いるとともに、その説明については省略することとする。
【0063】
図7は、他の実施形態に係るエレメント接続部材の構成を示す概略斜視図である。図7に示すように、エレメント接続部材142には、開口54とは別に、扇形の開口155が通水管24を取り囲むように3つ設けられている。
【0064】
図8は、他の実施形態に係るエレメント接続部材の構成を示す正面図である。図8に示すように、エレメント接続部材242は、通水管24と通水管24から外側に放射状に伸びる3つの棒材256とを有している。棒材256の1つには、開口54と、羽根車21とが設けられている。このように、本発明において、エレメント接続部材は、エレメント接続部材42、142のように、外周に円形枠を有していなくともよい。
【0065】
上述した実施形態では、本発明の第1の特定値、及び、第2の特定値が、1.2Vである場合について説明した。しかしながら、本発明における第1の特定値、及び、第2の特定値は、この例に限定されず、例えば、センサの駆動に必要な電力や、膜濾過装置の構成等に応じて適宜設定可能である。
【0066】
上述した実施形態では、切換回路52により電力の供給元を切り換える場合について説明したが、本発明において、切り換える段階(b)、及び、切り換える段階(c)を含む各切り換える段階は、切換回路により切り換える構成に限定されず、例えば、CPU等を備える制御装置による制御により切り換える構成であってもよい。
【0067】
上述した実施形態では、本発明の膜エレメントがROエレメントである場合について説明した。しかしながら、本発明における膜エレメントはこの例に限定されず、その分離対象に応じて、精密濾過膜(MF膜)エレメント、限外濾過膜(UF膜)エレメント、ナノ濾過膜(NF膜)エレメント等であってもよい。
【0068】
上述した実施形態では、本発明の発電部が、回転体を流体により回転させ、電磁誘導により発電を行う構成である場合について説明した。しかしながら、本発明の発電部はこの例に限定されず、回転体を流体により回転させ、その動力により発電を行う構成、圧電素子の圧電効果により発電する構成、光が透過可能な透明の耐圧容器内を採用し、太陽光により発電を行う構成等であってもよい。
【0069】
(実施例1)
膜エレメント間に実装可能な、樹脂成形体で構成される基板を準備した。この基板に、単四電池アルカリ電池(一次電池)を2本直列接続したもの、透過水の電気電導度測定用の電極、原水(濃縮水)の圧力検知用の圧電素子、無線通信用のZigBeeチップ、電源管理や各センサの制御を行うマイクロコンピュータ、各センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換するA−Dコンバーター、タイミングデバイスとしての水晶振動子を実装した。さらに、5.5MPaの水圧で供給される流水環境下で0.5mWh以上の電力供給が可能なタービン式発電素子を接続した。上記電気部品が実装された基板をエポキシ樹脂で全周封止し、上記電気部品に耐水圧特性を付与した。次に、全周封止された基板とタービン式発電素子とを、図3A〜図3Cを用いて説明したように、エレメント接続部材に取り付け、エレメント接続部材と膜エレメントとを接続し、これを耐圧容器に装填した。この耐圧容器に海水を5.5MPaの圧力で供給し、造水処理を行った。造水処理は、30日間行った。ただし、30日間のうち、1時間の停止を1回行った。電気電導度測定は、稼働後10時間までは、1時間に1回行った。その後は、24時間に1回行った。なお、電気電導度測定1回の所要時間は、10秒であった。なお、この基板を用いて測定を行うには、最低0.5mWhの電力を必要とする。その結果、稼働前の初期測定や運転停止時も含め、測定値は30日間安定した値となった。
【0070】
(実施例2)
タービン式発電素子を0.09mWhのものにし、これに蓄電素子として1.53Fの大容量電気二重層コンデンサを接続した以外は、実施例1と同様にして造水処理を行った。
その結果、実施例1と同様、稼働前の初期測定や運転停止時も含め、測定値は30日間安定した値となった。
【符号の説明】
【0071】
10 スパイラル型膜エレメント
12 分離膜
20 中心管
21 羽根車
24 通水管
25 コイル
26 発電部
30 AC/DCコンバータ
31 二次電池
32 流量センサ
33 電導度センサ
34 温度センサ
35 汚染検知センサ
36 通信部
37 RFIDタグ
38 通信装置
39 圧力センサ
40 耐圧容器
42、142、242 エレメント接続部材
50 膜濾過装置
51 一次電池
52 切換回路
53 基板
54 開口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過膜で濾過対象物を濾過することにより透過物を生成する膜エレメントを備えた膜濾過装置であって、
前記膜エレメントを収容する耐圧容器と、
前記膜濾過装置内を流れる液体の性状を検知するセンサと、
発電を行う発電部と、
一次電池とを備え、
前記センサ、前記前記発電部、及び、前記一次電池が前記耐圧容器内に設けられていることを特徴とする膜濾過装置。
【請求項2】
前記耐圧容器内に、前記発電部で得られた電力を蓄電する二次電池を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜濾過装置。
【請求項3】
前記発電部は、前記膜濾過装置内を流れる液体の流圧により回転する回転体を備え、前記回転体の回転に基づいて発電を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の膜濾過装置。
【請求項4】
前記膜エレメントに対して着脱可能な取付部材を備え、
前記センサ、前記発電部、及び、前記一次電池が、前記取付部材に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の膜濾過装置。
【請求項5】
請求項1記載の膜濾過装置の運転方法であって、
一次電池の電力によりセンサを駆動する段階(a)と、
発電部により得られる電力が第1の特定値以上となった場合に、前記一次電池の電力による前記センサの駆動を、前記発電部により得られた電力による駆動に切り換える段階(b)と
を含むことを特徴とする膜濾過装置の運転方法。
【請求項6】
請求項2記載の膜濾過装置の運転方法であって、
一次電池の電力によりセンサを駆動する段階(a)と、
前記二次電池の電圧が第2の特定値以上となった場合に、前記一次電池の電力による前記センサの駆動を前記二次電池の電力による駆動に切り換える段階(c)と
を含むことを特徴とする膜濾過装置の運転方法。




【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−143662(P2012−143662A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1372(P2011−1372)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】