説明

膨張剤を含む、火災抑制装置および方法

コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する装置は、中空スリーブを形成する筺体と、該中空スリーブ内に収容されるように構成される柱とを含むことができる。該柱は、第1のチャンバと、第2のチャンバと、少なくとも1つの開口部と、バリアを貫通するように構成される貫通端部とを形成することができる。該第1のチャンバは、膨張剤を収容するように構成することができ、該第2のチャンバは、消火剤を収容するように構成することができる。該膨張剤の活性化後、該柱が該筺体から延在して、該貫通端部が、該コンテナに貫通することを可能にし、該消火剤が、該少なくとも1つの開口部を介して、該コンテナの内部に送達されることを可能にするように、該装置を構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年3月22日出願の、米国仮出願第60/784,448号の、35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を請求し、その開示は、参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、火災を抑制、および/または消火する装置、および方法に関する。特に、本開示は、コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
火災の位置によっては、火災を抑制、および/または消火することが困難な場合がある。例えば、消火剤を火災に利用することができるように、有効な消火剤を、コンテナの位置に送達することが困難な場合がある、および/または有効な消火剤を、コンテナの内部に送達することが困難な場合があるため、コンテナの内部内に関連する火災は、抑制、および/または消火することが困難な場合がある。
【0004】
火炎の位置の性質上、抑制、および/または消火することが困難な場合がある火炎の例は、貨物に関連する火炎を含む場合がある。例えば、一度貨物が、貨物航空機内に位置付けられると、貨物領域へのアクセスが制限される、または不可能である場合があるため、例えば、貨物航空機上の貨物火炎は、本質的に危険、および/または消火することが困難な場合がある。
【0005】
例えば、空輸産業は、コンテナおよびパレットを使用し、それらは、運送貨物を整理、および輸送するための「ユニットロードデバイス」、または「ULD」と総称的に呼ばれることがある。かかるコンテナは、例えば、アルミニウム、繊維ガラス、および/または他の適した材料など、様々な材料で構成されてもよい。貨物航空機に搭載される際、かかるコンテナは、運送貨物を同梱および拘束する。さらに、かかるコンテナは、例えば、航空機床の荷役システムに位置する、格納式ロックに係合するように構成される機能部を含んでもよく、それは、地上および飛行操作中、前後、横、および/または縦の望ましい拘束を提供することができる。
【0006】
貨物コンテナは、通常、2つの「棒」で搭載することができる(すなわち、2つのコンテナが、貨物航空機胴体など、貨物領域の幅に合わせて配置される)。広く使用される典型的なコンテナの例は、航空宇宙規格(National Aerospace Standard)3610に基づき、指定されている「AMJ」である。AMJは、例えば、航空機胴体の断面形状に沿うために、面取り、または湾曲してもよい、1つの側面上の上縁部を有する、略長方形のボックスを形成する。AMJは、約96インチ(約244cm)の幅で、約125インチ(約318cm)の長さの底面寸法、および約96インチの高さ寸法を有する(すなわち、非面取り/非湾曲側面上で)。他のコンテナは、当業者に既知であり、恐らく、24種の異なるサイズのコンテナが、一般に使用される。
【0007】
一度、貨物航空機胴体の貨物領域に搭載されると、最前のコンテナのみが、航空機搭乗員にとってアクセス可能となりうる。しかしながら、最前のコンテナでさえ、そこへの制限されたアクセスのみを可能にする場合がある。万一、前方のコンテナの後部にあるコンテナで、火炎が発生した場合、火炎に消火剤を手動で送達する実用的方法は、1つもないであろう。
【0008】
可能性がある1つの選択肢は、各コンテナ内に、固定式、自動作動の、ボトル式火災抑制装置を設置することであろう。高費用、高重量、および/またはメンテナンスを考慮すると、各コンテナ内に、かかる装置を設置することは、非実用的である場合がある。特に、空輸業者は、在庫に何千ものコンテナを、常に持っている可能性がある。さらに、時に「積み換え輸送」と呼ばれる、一般的な業界の方法によって、空輸業者は、コンテナを一時的に共有、および/または交換する。かかる方法は、例えば、空輸業者が、かかる装置を設置していない別の空輸業者から、コンテナを借りる場合に、貨物保護の欠如につながる恐れがある。
【0009】
可能性がある別の選択肢は、各コンテナ内に、火工ガス発生装置、またはカートリッジを設置することであろう。火工ガス発生装置は、コンテナの火災を抑制、および/または消火する、軽量かつ効果的な方法を提供することができる。しかしながら、各コンテナ内のかかる装置の設置は、いくつもの理由から、望ましくない可能性がある。例えば、これらの装置は、関連するコンテナの大きな数量を考慮に入れると、極めて高価である場合がある。さらに、貨物コンテナはしばしば、衝撃、振動、および/または極端な温度に、長時間さらされる可能性がある。かかる暴露は、例えば、推進剤の亀裂など、装置の損傷をもたらす可能性がある。かかる損傷は、かかる装置を、危険、および/または無効な状態にする可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらの理由、および他の理由から、上述の選択肢で、上記に概説された欠点の1つ以上を克服することができる、代替的方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一主題は、消火剤の手動利用が、非実用的である場合がある場所に位置する、コンテナに関連する、火災を抑制、および/または消火することに関する。本発明のさらなる主題は、コンテナ内に、消火装置を設置する必要がないコンテナに関連する、火災を抑制、および/または消火することに関する。本発明のさらに別の主題は、貨物領域内に位置するコンテナに関連する、火災を抑制、および/または消火することに関する。本発明のさらなる主題は、消火剤を、コンテナの内部に送達することによって、コンテナに関連する、火災を抑制、および/または消火することに関する。本発明のさらなる主題は、貨物領域内へのコンテナの移動に関連するプロセスを、過度に妨げない、コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火することに関する。
【0012】
本発明は、上述の主題の1つ以上を満たそうとすることが可能である。本発明は、上述の要望の1つ以上を除去することができるが、当然のことながら、本発明の一部の側面は、それらを必ずしも除去するとは限らない可能性がある。
【0013】
以下の説明では、特定の側面および実施形態が、明らかとなる。当然のことながら、本発明は、その最も広い意味で、これらの側面および実施形態の特性の、1つ以上を有することなく、実行することが可能である。当然のことながら、これらの側面および実施形態は、例示的であるに過ぎない。
【0014】
一側面では、ここで具体化、および広範に記載されるように、本発明は、コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する装置を含む。装置は、中空スリーブを形成する筺体、および中空スリーブ内に収容されるように構成される、柱を備えることができる。柱は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、少なくとも1つの開口部、およびバリアを貫通するように構成される、貫通端部を形成することができる。第1のチャンバは、膨張剤を収容するように構成することができ、第2のチャンバは、消火剤を収容するように構成することができる。膨張剤の活性化後、柱が筺体から延在して、貫通端部が、コンテナに貫通することを可能にし、消火剤が、少なくとも1つの開口部を介して、コンテナの内部に送達されることを可能にするように、装置を構成することができる。
【0015】
別の側面によると、貨物車両は、貨物車両に関連する、貨物コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火するように構成される、装置を含むことができる。装置は、貨物コンテナの近傍の、貨物車両内に取り付けられる筺体を含むことができる。筺体は、中空スリーブを形成することができる。装置は、中空スリーブ内に収容される柱を含むことができる。柱は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、少なくとも1つの開口部、およびバリアを貫通するように構成される、貫通端部を形成することができる。第1のチャンバは、膨張剤を収容するように構成することができ、第2のチャンバは、消火剤を収容するように構成することができる。膨張剤の活性化後、柱が筺体から延在して、貫通端部が、コンテナに貫通することを可能にし、消火剤が、少なくとも1つの開口部を介して、コンテナの内部に送達されることを可能にするように、装置を構成することができる。
【0016】
さらに別の側面によると、コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する方法は、筺体、筺体から延在するように構成される柱、膨張剤、および消火剤を備える、装置を提供するステップを含むことができる。該方法は、柱が筺体から延在するように、膨張剤を活性化するステップ、および消火剤を、コンテナの内部に送達させるステップを、さらに含むことができる。
【0017】
上記の構造的、および手順的配置に加えて、本発明は、以下に説明されるような、多くの他の配置を含むことが可能である。当然のことながら、先述の説明、および以下の説明の両方は、例示的であるに過ぎない。
【0018】
添付の図面は、本明細書の一部に組み込まれ、それを構成する。図面は、例示的な実施形態を図解し、説明と共に、本発明の一部の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。同一、または同様の部分を意味するために、図面および説明において、可能な限り、同一の参照番号が使用される。
【0020】
図1〜4に図示される、例示的な実施形態によると、火災を抑制、および/または消火する装置10は、アクチュエータ12を含む。装置10は、消火剤を手動で送達させることが、少なくとも多少、非実用的な状態である可能性がある領域で、提供することができる。例えば、かかる装置10は、作動され、消火剤をコンテナ(例えば、コンテナによって形成される内部)に送達することができるように、コンテナの近傍に位置付けることができる。例えば、例示的な実施形態による、1つ以上のかかる装置10は、航空機の貨物領域に位置する(例えば、積載される)、1つ以上の貨物コンテナの近傍に、設置することができる。かかる装置10は、例えば、トラック、列車、および船舶など、他の貨物車両での使用など、他の位置、および/または利用が考慮されるが、例えば、航空機のメインデッキ、および/または下部貨物室に位置することができる。
【0021】
図1に概略的に図示されるように、アクチュエータ12の例示的な実施形態は、主筺体14を備える。主筺体14は、一端部に端壁18、および反対側の端部に開口部20を有する、中空円筒16を形成することができる。中空円筒16は、隙間20に隣接する中空円筒16内に位置する、ガイド/ストップ22を備えることができる。ガイド/ストップ22は、例えば、固定器具24(例えば、止め輪)で、中空円筒16内に保持することができる。主筺体14は、装置10が、望ましい位置に取り付けられることを可能にするように構成される、1つ以上の取り付けラグ26を備えることができる。代替的あるいは付加的に、他の構造が、装置10の適切な取り付けを可能にするために、提供されてもよい。
【0022】
主筺体14の中空円筒16は、柱28を収容するように、構成することができる。図2に概略的に図示されるように、柱28の例示的な実施形態は、膨張チャンバ30、および消火剤チャンバ32を形成する。膨張チャンバ30は、例えば、膨張剤34(例えば、火工装薬)を収容するように構成され、消火剤チャンバ32は、消火剤36(例えば、消火用火工装薬)を収容するように構成される。膨張剤34、および/または消火剤36は、膨張剤カートリッジ38、および消火剤カートリッジ40内に、それぞれ含むことができる。消火剤36は、発火すると、火炎抑制剤を生成するように構成される、火工装薬を含むことができる。
【0023】
柱28は、バリア、例えば、コンテナの壁を貫通するように構成される、貫通端部42を形成することができる。また、柱28は、それらを介した消火剤の送達を可能にするように構成される、1つ以上の開口部44、および/またはバッフル46を含むことができる。例えば、柱28は、1つ以上の列のバッフル46を備えることができ、それは、柱28周囲に、少なくとも部分的に(例えば、全体に)延在する。
【0024】
貫通端部42の反対にある、柱28の端部48において、柱28は、柱28の内側または外側表面のいずれかに、ネジ部50を形成することができる。端部48は、ピストン端部キャップ52を収容するように構成することができ、それは、柱28のネジ部50に係合するように構成される、ネジ部54を備えることができる。ピストン端部キャップ52は、柱28の端部48を閉鎖、および密封するように構成される。
【0025】
図3A、および3Bに概略的に図示されるように、ピストン端部キャップ52の例示的な実施形態は、キャップ部56、および基部58を含む。キャップ部56は、基部58のネジ部62に係合するように構成される、ネジ部60を含むことができる。キャップ部56は、例えば、ネジ部60および62を介して、基部58上に取り付け、膨張剤34を、収容するように構成される筺体64を形成することができ、膨張剤34は、(例えば、膨張剤が、成形可能、および/または粘土のような材料である場合)例えば、材料の玉、または塊の形であってよい。
【0026】
柱28の端部48から、端部キャップ52を取り出すことによって、柱28の消火剤チャンバ32へアクセスすることができる。消火剤36は、カートリッジの形をとることができるが、柱28の消火剤チャンバ32に搭載することができる。一部の実施形態によると、消火剤チャンバ32、および膨張チャンバ30は、例えば、セパレータ66によって、互いに分離することができる。セパレータ66は、時限ヒューズ67を含むことができ、セパレータ66は、例えば、時限ヒューズ67が全て燃え、消火剤36を点火する時まで、膨張剤34の発火を介する、消火剤36の発火を遅延するように、構成することができる。セパレータ66は、消火剤36の上方(例えば、上部)に配置することができる。膨張剤34は、カートリッジの形をとることができるが、ピストン端部キャップ52の筺体64内に配置することができ、ピストン端部キャップ52は、柱28の端部48上に取り付けることができる。
【0027】
ピストン端部キャップ52のキャップ部56は、開口部68を形成することができ、点火用リード線70(例えば、電気マッチ、または爆竹などの、例えば、電気点火用リード線)は、ピストン端部キャップ52の筺体64に延在することができる。点火用リード線70は、膨張剤34に接触(例えば、貫通)することができる。一部の実施形態によると開口部68において、点火用リード線70の周囲に、密閉化合物が、存在することができる。例えば、密閉化合物は、開口部68における点火用リード線70の周囲に位置する、球状領域を満たすことができる。密閉化合物は、ベンテックス粘土、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、および/または耐熱シリコンゴム(RTV)の1つ以上を含むことができる。密閉化合物は、柱28が、バリア、例えば、コンテナの壁を貫通する力が十分にあるように、点火用リード線70が、膨張剤34を活性化した後、圧力損失を削減する、または実質的に防止するのに役立つことができる。
【0028】
ピストン端部キャップ52は、ピストン端部キャップ52のキャップ部56、および基部58の間の密封関係を提供するための、例えば、「O」リング密封部(例えば、高分子「O」リング密封部)などの、1つ以上の密封部72を備えることができる。一部の実施形態によると、1つ以上の密封部74(例えば、耐熱「O」リング密封部)は、セパレータ66、および柱28の内壁の間に提供することができる。さらに、動的密閉部76は、主筺体14、および柱28の間に提供することができる。例えば、動的密閉部76は、ピストン端部キャップ52のキャップ部56、および主筺体14の内側表面の間に、提供することができる。動的密閉部76は、キャップ部56の外周にある溝によって収容される、1つ以上(例えば、2つ)の、隙間を埋めるピストンリングを含むことができる。
【0029】
概略的に図示される例示的な実施形態によると、装置10は、主筺体14から柱28を取り出すことによって、操作のために準備することができる。ピストン端部キャップ52は、柱28から取り外すことができ、消火剤36は、消火剤チャンバ32に搭載することができる。ピストン端部キャップ52のキャップ部56は、取り外すことができ、膨張剤34は、基部58によって部分的に形成される筺体64に、搭載することができる。点火用リード線70は、例えば、主筺体14の端壁18によって形成される隙間78を介して、ピストン端部キャップ52のキャップ部56にある、開口部68に供給することができる。例えば、点火用リード線70の自由端部周囲に、膨張剤34を成形することによって、点火用リード線70は、膨張剤34に埋め込むことができ、点火用リード線70は、キャップ部56の開口部68を介して延在する。次に、キャップ部56は、基部58上に取り付けることができ、ピストン端部キャップ52の筺体64内に、膨張剤34を封入する。1つ以上の密封部72は、キャップ部56、および基部58の間に、実質的に完全な密封を提供することができる。一部の実施形態によると、密封部72は、装置10の使用に先立って、硬化することができる。
【0030】
ピストン端部キャップ52は、それぞれのネジ部54および50を介して、柱28上に取り付けることができる。その上に取り付けられるピストン端部キャップ52を有する、柱28の端部48は、主筺体14に挿入することができる。柱28が、主筺体14に挿入されると、点火用リード線70は、過度の長さの点火用リード線70が、ピストン端部キャップ52、および主筺体14の端壁18の間にたまることを防ぐために、主筺体14内の隙間78から、引き出すことができる。一度、柱28が、主筺体に完全に挿入されると、ガイド/ストップ22は、主筺体14に組み立てられ、固定器具24で、定位置に固定される。
【0031】
図4に概略的に図示されるように、装置10は、点火用リード線70に、電流を提供することによって、作動させることができ、それによって、膨張剤34に点火する。一度、膨張剤34が点火されると、膨張剤34は、キャップ部56内の開口部68を介して、主筺体14の中空円筒16の上部84と流体連通する、加圧ガス82を生成する。加圧ガスが、キャップ部56、および主筺体14の端壁18の間の、圧力を増加させると、柱28は、主筺体14の中空円筒16の隙間20に向かって押され、それは、次いで、例えば、コンテナの壁(例えば、装置10が、貨物領域内のコンテナの、上方に取り付けられる場合の、貨物コンテナの上面)を貫通するに十分な力で、柱28の貫通端部42を押す。ガイド/ストップ22、およびピストン端部キャップ52のキャップ部56は、キャップ部56が、ガイド/ストップ22に隣接し、柱28が、主筺体14から分離することを防ぐとき、柱28の移動が停止するように、構成される。膨張剤34は、例えば、膨張剤34の点火によって生成される圧力が、装置10の破裂圧力を超えないように、選択、および/または構成することができる。
【0032】
また、膨張剤34の点火は、セパレータ66における、時限ヒューズ67の活性化をもたらすことができる。一度、時限ヒューズ67が、消火剤チャンバ32にまで燃えると、消火剤36は点火され、それは、柱28の消火チャンバ32から、例えば、開口部44、および/またはバッフル46(消火剤36を冷却するのに役立つことができる)を介して、柱28の貫通端部42がすでに貫通している、コンテナの内部に出るガスを生成する。コンテナの内部に放出されるガスは、例えば、コンテナ内の火災の燃焼プロセスを覆って消し、および/または抑制することによって、コンテナの内部の火災を抑制、および/または消火することができる、ガス雲を形成するのに役立つことができる。
【0033】
一部の実施形態によると、装置10は、消火剤36を2回以上放出するように、構成することができる。例えば、装置10は、複数回、例えば、4から6回、消火剤36を放出するように、構成することができる。特に、装置10は、例えば、コンテナ内の火災が、例えば、約30分から約45分に及ぶ時間、抑制されるように、1回目に消火剤36を放出するように、構成することができる。その後、一部の実施形態による装置10は、例えば、一回目に放出された消火剤36の、効果の減少の結果として、再点火または再燃した、コンテナ内のいかなる火災も抑制するために、2回目に消火剤36を放出するように、構成することができる。装置10は、比較的一定であるか、または異なる間隔を置いて、消火剤36の放出を、何度も繰り返すように、構成することができる。例えば、装置10は、消火剤チャンバ32内に含まれる、複数回分の消火剤36(例えば、ペレット)を含むことができる。一回分の消火剤36の各々は、例えば、各回分の消火剤36を連続的に点火するように構成される電子ヒューズ、および/または化学ヒューズを介して、異なった時間に、互いに独立して、点火することができる。このような方法で、装置10の一部の実施形態は、長時間、例えば、最大約4時間まで、コンテナ内の火災を抑制するように、構成することができる。
【0034】
一部の実施形態によると、装置10は、遠隔操作で、および/または自動的に作動させることができる。例えば、図5に概略的に図示されるように、1つ以上の検知装置90は、航空機96の貨物領域94内の、貨物コンテナ92に関連する煙、熱、および/または火災91を検知するために、使用することができる。かかる検知装置90は、検知された煙、熱、および/または火災91を示す信号を、装置10に(例えば、点火用リード線70を点火し、次いで、次に装置10の柱28を作動させて、コンテナ92の壁を貫通し、コンテナ92の内部に、消火剤36を送達するように)信号を送信するコントローラ98に送信するように、構成することができる。代替的あるいは付加的に、検知装置90からの信号は、航空機搭乗員に対する、検知された煙、熱、および/または火災91の表示をもたらすことができ、航空機搭乗員は、装置10に信号を送信するシステムを、手動で作動させることができ、それは、装置10を作動させる。
【0035】
装置10の例示的な実施形態が、航空機との関連で記載されてきたが、装置10の使用は、航空機に限定されない。例えば、装置10は、消火剤の手動での利用を非実用的にする可能性がある位置で、および/またはバリアの反対側で、火災に遭遇する可能性がある他の環境においての使用を考慮に入れている。
【0036】
また、本願は、添付書類を含み、それは、任意的機能の、一部の例示的な側面、および実施例を説明する。
【0037】
本願に記載される構造、および方法に、様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかとなろう。したがって、当然のことながら、本発明は、本明細書において考察される主題に限定されない。むしろ、本発明は、修正および変化を含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】火災を抑制、および/または消火する装置の、例示的な実施形態の、略部分断面図である。
【図2】図1に図示される例示的な実施形態の一部の、略部分分解図である。
【図3A】図1に図示される例示的な実施形態の一部の、略部分断面図である。
【図3B】図3Aに図示される部分の、略部分分解図である。
【図4】図4は、作動中の、図1に図示される例示的な実施形態の、部分略断面図である。
【図5】例示的な車両内に位置する、図1に図示される例示的な実施形態の、略部分切り取り図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する装置であって、
中空スリーブを形成する筺体と、
前記中空スリーブ内に収容されるように構成される柱であって、第1のチャンバと、第2のチャンバと、少なくとも1つの開口部と、バリアを貫通するように構成される貫通端部とを形成する柱と、を備え、
前記第1のチャンバは、膨張剤を収容するように構成され、前記第2のチャンバは、消火剤を収容するように構成され、
前記装置は、前記膨張剤の活性化後、前記柱が前記筺体から延在して、前記貫通端部が、前記コンテナを貫通することを可能にし、前記消火剤が、前記少なくとも1つの開口部を介して、前記コンテナの内部に送達されることを可能にするように、構成される、
装置。
【請求項2】
前記膨張剤は、火工装薬を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記消火剤は、消火用火工装薬を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記膨張剤を活性化するように構成される、点火用リード線をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記膨張剤の活性化後、前記消火剤を活性化するように構成される、時限ヒューズをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記消火剤を複数回活性化するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
貨物車両であって、
前記貨物車両に関連する、貨物コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火するように構成される装置を備え、
前記装置は、
貨物コンテナの近傍の前記貨物車両内に取り付けられる筺体であって、中空スリーブを形成する筺体と、
前記中空スリーブ内に収容される柱であって、第1のチャンバ、第2のチャンバ、少なくとも1つの開口部、およびバリアを貫通するように構成される、貫通端部を形成する柱とを備え、
前記第1のチャンバは、膨張剤を収容するように構成され、前記第2のチャンバは、消火剤を収容するように構成され、
前記装置は、前記膨張剤の活性化後、前記柱が前記筺体から延在し、前記貫通端部が、前記コンテナを貫通することを可能にし、前記消火剤が、前記少なくとも1つの開口部を介して、前記コンテナの内部に送達されることを可能にするように、構成される、
貨物車両。
【請求項8】
前記貨物車両は、航空機、トラック、列車、および船舶の1つを含む、請求項7に記載の貨物車両。
【請求項9】
複数の貨物コンテナを収容するように構成される、貨物領域をさらに含み、複数の前記装置は、前記貫通端部が、前記コンテナを貫通することを可能にするように、前記貨物領域内に取り付けられる、請求項7に記載の貨物車両。
【請求項10】
前記貨物領域は、貨物コンテナを所定位置に収容するように構成され、前記少なくとも1つの装置は、前記所定位置の1つの近傍に取り付けられる、請求項9に記載の貨物車両。
【請求項11】
前記少なくとも1つの装置は、前記所定位置の上方に取り付けられる、請求項10に記載の貨物車両。
【請求項12】
コンテナに関連する火災を抑制、および/または消火する方法であって、
筺体と、
前記筺体から延在するように構成される柱と、
膨張剤と、
消火剤と、
を備える装置を提供するステップと、
前記柱が、前記筺体から延在するように、前記膨張剤を活性化するステップと、
前記消火剤を、前記コンテナの内部に送達するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記消火剤を、前記コンテナの内部に送達するステップは、前記柱を介して、前記コンテナを貫通するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記消火剤を、前記コンテナの内部に送達するステップは、複数回繰り返される、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−530034(P2009−530034A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501528(P2009−501528)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/006981
【国際公開番号】WO2007/111897
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(503260295)フェデラル エクスプレス コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】