膨張式容器
膨張式容器は、一般に、内部空洞を有するフレキシブルハウジングと、ハウジングと機能的に結合しているフレキシブルバルブとを含み、第1の力がハウジングに加わり、第2の力がバルブに加わるか、またはバルブが別の容器などの外部の物体に取付けられると、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引するために、ハウジングとバルブはそれぞれ形状が変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年3月12日付で出願された米国特許仮出願番号第60/661,314号明細書からの優先権を主張し、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、膨張式容器、より詳細には、このような容器を膨張および封止するのに機械装置を必要としない、自己膨張式および自己封止式の容器に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、膨張式容器は、品物をクッションに包み、包んだ品物を輸送用カートンに入れることによって、または輸送用カートンの中に、輸送される商品とともに1つまたは複数の膨張した容器を単に置くことによって、商品を梱包するためのクッションとして用いられる。クッションは、クッションがなければ運搬中に梱包された商品に完全に伝達される衝撃を吸収することによって、梱包された商品を保護し、また、商品の損傷の可能性をさらに低減するために、梱包された商品のカートン内での動きを制限する。
【0004】
膨張式容器を形成するための多種多様な機械が利用可能である。このような機械は、一般的に、柔軟材料(例えば熱可塑性フィルム)のウェブから始まり、梱包場所で容器を膨らませ、封止する。ウェブは、膨張プロセスの前または最中に、それぞれの容器に分離される。すなわち、各容器は、梱包場所に配達される前にウェブに形成されるか、または梱包場所で、膨張および封止プロセスの一部として、機械によって形成される。機械は、空気または他の流体で各容器を膨張させ、その後容器内に流体を封止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あらゆる機械類と同様に、このような「膨張−封止」機械は、機械の作動を正しく維持するために、資本的経費を伴い、頻繁にメンテナンスしなければならない。これらの欠点は、大規模な梱包作業では許容できるが、例えば小企業または家庭といった小規模の梱包環境では、大きな不利益となる可能性がある。
【0006】
したがって、当分野では、膨張−封止機械を必要とせずに、膨張した梱包用クッションを製造できる膨張式容器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの必要性は、本発明によって満たされる。本発明の一態様では、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つ形状が変化するよう適応されたハウジングと、
b)ハウジングと機能的に結合しているフレキシブルバルブであって、バルブは、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備える膨張式容器であって、
第1の力がハウジングに加わり、第2の力がバルブに加わると、ハウジングとバルブとはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器を設けることと、
b)フレキシブルハウジングの形状を変えるために、フレキシブルハウジングに第1の力を加えることと、
c)フレキシブルバルブの形状を変えるために、フレキシブルバルブに第2の力を加え、それによって、ハウジングとバルブとは、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引することと、
を備える、容器を膨張させる方法に関する。
【0009】
本発明の別の態様は、複数の接続された膨張式容器であって、各容器は上述の容器であり、ハウジングを、複数の接続された膨張式容器の別の膨張式容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタをさらに含む、複数の接続された膨張式容器に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器と、
b)容器を取付ける支持構造体と、
を備える膨張式容器システムに関する。
【0011】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器を設けることと、
b)容器が支持構造体上で動くことができるように、容器を支持構造体上に取付けることと、
c)フレキシブルハウジングの形状を変えるために、フレキシブルハウジングに第1の力を加えるように、支持構造体上の容器を動かすことと、
d)フレキシブルバルブの形状を変えるために、フレキシブルバルブに第2の力を加え、それによって、ハウジングとバルブは、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引することと、
を備える、容器を膨張させる方法に関する。
【0012】
本発明による代替の膨張式容器は、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジングに取付けられたフレキシブルバルブであって、バルブは、ハウジングの外にある物体にさらに取付けられ、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備え、
バルブが外側の物体に取付けられ、力がハウジングに加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する。
【0013】
本発明の関連した別の態様は、複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジングに取付けられたフレキシブルバルブであって、バルブは、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
c)フレキシブルバルブを、複数の接続された膨張式容器の別の膨張式容器のフレキシブルバルブに取付ける少なくとも1つのコネクタと、
を備え、
力がハウジングに加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する、複数の接続された膨張式容器に関する。
【0014】
有利には、このような容器は、容器を膨張させ、封止するために、どのような機械装置も必要としない。代わりに、容器は自己膨張および自己封止し、一般に安価で、最小限の保管場所を必要とする柔軟材料で構成されている。
【0015】
本発明のこれらおよび他の態様、ならびに特徴は、以下の説明と添付の図面を参照することにより詳細に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1から図28の全体を参照すると、本発明の一態様は、
a)内部空洞(83、145)を有するフレキシブルハウジング(18、143)であって、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジング(18、143)に機能的に結合されたフレキシブルバルブ(63、120)であって、バルブは、
(1)内部空洞(83、145)と、
(2)容器(12、135)が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備える膨張式容器(12、135)であって、
第1の力(85、157)がハウジング(18、143)に加わり、第2の力(87)がバルブ(63、120)に加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞(83、145)内に流体を吸引する、膨張式容器(12、135)に関する。
【0017】
本明細書で用いられる通り、用語の「柔軟な」は、加えられた力の作用に応じて、損傷を与えずに、様々な確定したおよび不確定な形状に変化し、加えられた力が取り除かれるとほぼもとの形状に戻る能力を有する物体のことを指す。
【0018】
いくつかの実施形態においては、フレキシブルハウジング(18、143)は、ペアの並置の膜パネル(60/62;144/146)を備えてもよく、ハウジングの形状変化は、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動、例えば一方のパネルが他方のパネルから離れて移動すること、または両方が相互に離れて移動することを備える。
【0019】
同様に、フレキシブルバルブ(63、120)は、ペアの並置の膜パネル(64/66;148/150)を備えてもよい。バルブの形状変化は、パネル間でチャネル(例えば、81)を形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える。
【0020】
本発明による膨張式容器の一実施形態が図1に示されている。より具体的には、図1は、複数の膨張式容器12と支持構造体14とを備える膨張式容器システム10を示している。ここに図示されている実施形態においては、膨張式容器12は、膨張していない梱包クッション20、膨張していない梱包クッション24のスタック、および膨張している梱包クッション26を含む、梱包クッションとして使用するように適応されている。これらクッションのすべては同一の構造で、膨張の状態のみが異なる。各梱包クッションは2つのバルブ開口70a、70bを有し(図27参照のこと)、これらを通って、空気が、自己封止式のフレキシブルバルブを通り梱包クッション内へ流れ込むことができる。これについては、直ぐ後に、より詳細に説明する。バルブ開口70a、70bの近くで、案内トラック28または他の支持構造体が、前側アイレット76a−76bおよび後側アイレット72a−72bをそれぞれ貫通する。
【0021】
さらに、各クッションは、コネクタ(例えばコネクタ82)によって、隣接のクッションに接続されることができる。コネクタ82は、コネクタ穿孔86で穴を開けられてもよい。コネクタ82が穿孔86で引き裂かれると、完全に膨張した梱包クッション(図示せず)が分離され得、切り離されたコネクタ84が、補強パッチ80に固定されて残る。補強パッチ80自体は、梱包クッションの第1のハウジングパネル60に固定されている。
【0022】
フレキシブルハウジング18とフレキシブルバルブ63とを含んだ膨張式クッションの各構成要素は、一般に、本明細書で説明する通り、流体を収容できる任意の柔軟材料、例えばポリエチレンホモポリマーまたは共重合体、ポリプロピレンホモポリマーまたは共重合体などの種々の熱可塑性材料を備えることができる。適切な熱可塑性高分子の非限定的な例示として、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレンホモポリマーや、例えばイオノマ、EVA、EMA、不均一(チーグラー・ナッタ触媒)エチレン/α−オレフィン共重合体および均一(メタロセン単座触媒)エチレン/α−オレフィン共重合体などのポリエチレン共重合体がある。エチレン/α−オレフィン共重合体は、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、メチルペンテンなどのC3からC20αオレフィンから選ばれる1つまたは複数のコモノマーを含むエチレンの共重合体である。この共重合体では、ポリマー分子は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、および超低密度ポリエチレン(ULDPE)を含む、比較的数の少ない側鎖分岐を有する長鎖を備える。例えばポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレン共重合体(例えばプロピレン/エチレン共重合体)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネートなどの種々の他の物質も適している。膜は、単層または多層であってもよく、成分重合体(複数可)を溶融し、それらを1つまたは複数の平らなもしくは環状の金型に押し出しまたは同時押し出しすることによる任意の知られている共押し出しプロセスで形成されることができる。耐久性、向上したガスバリヤ機能性などの様々な追加的な特徴を与えるために、例えば、多層の複合材料を使用してもよい。
【0023】
図2は、本発明による梱包クッションの分解組立斜視図を示している。この図は、梱包クッションの全構成要素の相対的な配置を示している。図3は、組立後の膨張した梱包クッション16の簡略化された斜視図を示している。これらの2つの図面は、併せて見ると、第1のハウジングパネル60と第2のハウジングパネル62とがともに、各膨張式容器12に対してフレキシブルハウジング18を備えることができることを示している。
【0024】
図2および図4に示されているように、膨張式容器12は、フレキシブルバルブ63も含み、フレキシブルバルブ63は、第1のバルブパネル66と第2のバルブパネル64とから形成され、容器12のフレキシブルハウジング18内に全体的または部分的に収容されることができる。
【0025】
膨張式容器12が梱包クッションとして用いられる場合、クッションのフレキシブルハウジング18の外面は、典型的には、輸送される物品と直接接触し、したがって、かなり過酷な扱いを受ける可能性がある。これに反して、フレキシブルバルブ63は、一般に、クッションのフレキシブルハウジング18内でほぼ完全に保護され、この結果、このように損傷を与える外部影響から保護されている。このため、クッションのフレキシブルハウジング18は、フレキシブルバルブ63に用いられる材料よりも厚い材料から構成される。例えばクッションのフレキシブルハウジングが破裂する可能性を低減するために、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62はそれぞれ、厚さが約0.5ミル〜約10ミル(例えば、約1ミル〜約8ミル、約2ミル〜約6ミル、約2ミル〜約4ミルなど)の範囲にあるポリオレフィン膜から構成される。この実施形態では、フレキシブルバルブ63は大きな損傷を受けにくいため、バルブの第1および第2パネルは、厚さが、例えば約0.25ミル〜約5ミル(例えば、約0.5ミル〜約4ミル、約0.75ミル〜約3ミル、約1ミル〜約2ミルなど)の範囲にある、より薄いポリオレフィン膜から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブルバルブ63により薄い材料を用いると、より厚い材料で一般に可能であるよりも、空気の漏れが少ない、より効果的な封止体を形成できる。
【0026】
再度図2を参照すると、膨張式容器12に組み込み可能な追加の構成要素には、第1の補強パッチ80と、第2の補強パッチ78と、前部アイレットタブ74a、74bと、コネクタ82とが含まれる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は、容器が膨張している間に生じるいずれかの応力の集中点になることがある。したがって、これらの構成要素は、一般に、フレキシブルハウジング18に用いられる材料相当の厚さの材料から作られる。必要ならば、これらの構成要素のいくつかの耐性は、補強材料でできた追加の層によって向上させることもできる。例えば前部アイレットタブ74a、74bの耐性は、前部アイレット76a、76bの周辺に追加材料を接着、熱封止、あるいは付着することによって、向上させることができる。後部アイレット72a、72bも同様に補強できる。
【0027】
当然ながら、各構成要素の材料選択は、最終的には、梱包クッションを扱う包装作業の需要による。例えば、クッションの再利用に関心がない場合は、前部および後部アイレットは補強する必要がない。さらに、本発明の梱包クッションのメーカーは、各構成要素を同じストック材料から切断することを望む場合もある。例えば、メーカーは、どのクッション構成要素に対しても3ミルのポリエチレンを使用することを望むこともある。このような変更は、クッションの機能性に対する影響が極小さいと予想されるため、材料は、製造コストとクッションの性能の両方を考慮して選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、膨張式容器12の各構成要素は、当分野ではよく知られているように、回転ダイカッタなどの切断機器を利用することによって、何枚ものストック材料から切断できる。例えば切断機は、バルブオリフィス68と第1バルブパネル66とを同時に切断するように容易に設計されることができる。同様に、後部アイレット72a、72bおよび前部アイレット76a、76bは、それぞれ、第2ハウジングパネル62と、前部アイレットタブ74a、74bと同時に切断可能である。コネクタ82内に形成された穿孔86は、製造プロセスの切断段階の直後または前に形成されてもよい。ダイカッタが当分野で用いられることが多いが、例えば線状ポリエチレンなどの平らな材料を様々な形状に切断する、他の多くの方法が、結果として得られる梱包クッションにほとんどまたは全く影響を与えずに利用可能であることが理解されるべきである。
【0029】
図2を参照すると、インクの4つの領域、すなわち、外側の耐熱被膜88a、88b、および内側の耐熱被膜90a、90bが、第2バルブパネル64と対向する第1バルブパネル66の側に印刷され得る。このようなインク被膜の目的は、熱封止プロセス中に3つ以上の材料層を通して熱を伝達することによって起こる、構成要素の望ましくない接合を防ぐためである。梱包クッションのこの特定の実施形態においては、インク被膜は、フレキシブルバルブ63で画定される通路が、偶発的に永久に閉鎖されるのを防ぐ。インク被膜はまた、バルブ開口70a、70b(図1参照のこと)を確実に開いた状態に維持する。熱封止可能な材料でできた2つの部品が、誤ってともに接合されるのを防ぐこの技術は、当業者にはよく知られている。
【0030】
図4Aから図9Bは、膨張式容器の構成要素を組み合わせて一体に結合し、本発明による完成した膨張していない梱包クッションを形成する順序および方法を、まとめて示している。図4Aおよび図4Bはともに、第1の組立ステップを示している。図5Aおよび図5Bは、第1ステップとは別に、およびそれと同時に実施できる組立ステップを教示している。図6Aおよび図6Bは、同様に、第1ステップとは別に、およびそれと同時に実施できる組立ステップを教示している。図7Aおよび図7Bは、第2の組立ステップを教示し、このステップは、図5Aおよび図5Bで教示された組立ステップの後に続く(図5Aおよび5Bのアセンブリの上に構築されるため)。図8Aおよび図8Bは、図4A、図4B、図6Aおよび図6Bで示された組立ステップが完成した後に実施できるが、図7Aおよび図7Bで示された組立ステップとは別におよびそれと平行して実施が可能な別の「第2の」組立ステップを教示している。図9Aおよび図9Bは、個々の梱包クッションを形成するのに用いられる、第3の最終組立ステップを教示している。各組立ステップが、以下の段落で、より詳細に説明される。
【0031】
図4Aは、フレキシブルバルブ63の分解組立斜視図であり、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66の相互の配置を示している。さらに、図4Aは、前部アイレットタブ74a、74bの相対的な配置を、別の図示した部分とともに示している。関連した図4Bは、図4Aの部品が一体に溶接された、組立後の斜視図を示している。さらに、図4Bは、各前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の熱封止接合部92a、92bの位置を示している。また、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間の熱封止接合部92c、92dも示されている。熱封止接合部は、封止可能な材料(例えばポリエチレン)に、当業者によく知られている方法で熱を加えることによって形成できる。前部アイレットタブ74a、74bは、前部アイレット76a、76bと第1バルブパネル66とが交わらないように配置されている。さらに、熱封止接合部92a、92bは、各前部アイレットタブ74a、74bと封止されていない第1バルブパネル66との間で、数センチメートルの重なり領域を残すように、形成されることが好ましい。言い換えると、前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の熱封止接合部は、好ましくは、第1バルブパネル66の端部まで延びてはいない。むしろ、接合部92a、92bは、端部が膨張しやすいように、端部から数センチメートル短くして止めてもよい。
【0032】
図4Bからも明らかなように、第2バルブパネル64は、第1バルブパネル66に中心合わせされる。図4Bはまた、熱封止接合部92c、92dを、第2バルブパネル64の最も長い端部全体に沿って形成できることを示している。さらに、内側の耐熱被膜90a、90bは、接合部と被膜が交わらずに、十分に、熱封止接合部92c、92d間にあり得る。
【0033】
図5Aおよび図5Bは合わせて、第1ハウジングパネル60と第1補強パッチ80の相互の配置を示している。パッチ80をパネル60に接着するために用いられ得る熱封止接合部94の位置が図5Bに示されている。中心線96がまた、第1ハウジングパネル60の長辺と垂直に、パネル60の2つの短辺から等距離に引かれている。中心線96を表示したのは、第1補強パッチ80が、わずかに中心からずれて第1ハウジングパネル60に取付けられ得ることを示すことが意図されている。第1補強パッチ80をずらせて配置する理由は、図7Bの説明からより明らかとなると思われるため、簡単に説明する。
【0034】
図6Aおよび図6Bはともに、第2ハウジングパネル62と第2補強パッチ78の相互の配置を示している。図中、パッチ78は、熱封止接合部98または他の接着手段によってハウジングパネル62に取付けられている。熱封止接合部98の位置は図6Bにも描かれている。中心線100もまた、第2ハウジングパネル62の長辺と垂直に、パネル62の2つの最も離れた点から等距離に引かれている。中心線100の表示は、先に説明した通りに、第2補強パッチ78が、わずかに中心からずれているが、図5Bにおける第1補強パッチ80の第1ハウジングパネルとは反対方向にずれて第2ハウジングパネル62に取付けられ得ることを示すのを容易にするはずである。再度、このような配置を選択した理由は、別の図、すなわち図10Aおよび図10Bの説明から明らかとなろう。
【0035】
図7Aおよび図7Bは合わせて、結合された第1ハウジングパネル60と第1補強パッチ80とコネクタ82の相対的な配置を示している。第1補強パッチ80は、組立のこの段階では第1ハウジングパネル60にすでに取付けられ、コネクタ82と第1ハウジングパネル60との間に位置している。したがって、図7Bの図から、熱封止接合部102によって、例えば、コネクタ82から第1補強パッチ80を通して熱を加えることによって、コネクタ82を第1補強パッチ80に付着できることが分かる。いくつかの実施形態では、コネクタ82は、各クッションの中心線96で、隣接する梱包クッションに張力を加えることができる。このため、図7Bで説明した熱封止接合部102は、好都合には、中心線96の片側にあるが、中心線96と面一であってもよい(例えば、図10参照のこと)。
【0036】
図8Aおよび図8Bは合わせて、図4Aおよび図4Bで説明した、結合されたフレキシブルバルブ63および前部アイレットタブ74a、74bと、図6Aおよび図6Bで説明した、結合された第2ハウジングパネル62および第2補強パッチ78との相対的な配置を示している。図示された各構成要素の相対的な配置の例示的な説明は、以下の通りである。すなわち、第2補強パッチ78に続いて、第2ハウジングパネル62、続いて、まとめて第2バルブパネル64および前部アイレットタブ74a、74b、続いて、最後に、第1バルブパネル66がある。構成要素の相対的な配置は、図2を参照することによって理解することもできる。図8Bは、図示された構成要素のうちのいくつかの間の熱封止接合部の位置を示している。特に、熱封止接合部104a、104b、104c、および104dが第2ハウジングパネル62を第1バルブパネル66に接合し、熱封止接合部104e、104fが第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル64に接合する。熱封止接合部104b、104cは、熱封止接合部104fの終点と交差し、同様に、熱封止接合部104a、104dは、熱封止接合部104eの終点と交差する。図示された構成要素の相対的な配置を考慮すると、図8Bは、内側の耐熱被膜90a、90bによって、熱封止接合部104e、104fの形成からの熱の伝達が、第1バルブパネル66に達しないことが示されている。言い換えると、内側の耐熱被膜90a、90bは、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間にあるため、熱封止接合部104e、104fを形成するのに用いられる熱は、第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル64に接合することのみに有効に作用する。したがって、第2バルブパネル64は、熱封止接合部104e、104fの列に沿って第1バルブパネル66に接合されない。いくつかの実施形態においては、このような望ましくない熱封止接合部を防ぐことは、フレキシブルバルブ63を機能させるのに必要であり得る。
【0037】
図8Bに示された熱封止接合部104a−104fの間の角度は、梱包クッション内で大きなバルブ開口70a、70bを形成する(図27参照)だけでなく、クッションの膨張性を高めることが可能なガセット構造を形成し得る。すなわち、バルブ開口は、クッションにガセット構造を与えることによって、別の役割を果たし得る。この増大した膨張性は、膨張能力の向上に変えることができる。
【0038】
図9Aおよび図9Bはともに、図8Aおよび図8Bで説明したサブアセンブリと、図7Aおよび図7Bで説明したサブアセンブリの相対的な配置を示している。各構成要素の相対的な配置は、以下の通りである。すなわち、図8Aおよび図8Bで教示されたサブアセンブリに続いて第1ハウジングパネル60が、続いて第1補強パッチ80が、続いてコネクタ82がある。図9Bは、図示された構成要素のうちのいくつかの間の熱封止接合部の位置を示している。特に、熱封止接合部106a、106bは、例えば、第1ハウジングパネル60からの熱を第1バルブパネル66に加える封止装置によって、第1ハウジングパネル60を第1バルブパネル66に接合できる。外側の耐熱被膜88a、88bは、第1バルブパネル66と、両方の前部アイレットタブ74a、74bと第2ハウジングパネル62の間にあるため、熱封止接合部106a、106bを形成する熱封止動作によって、望ましくない結合とはならない。特に、外側の耐熱被膜88a、88bは、第1バルブパネル66と前部アイレットタブ74a、74bとが、熱封止接合部106a、106bの列に沿って、望ましくなく接合されるのを防ぐ。耐熱被膜88a、88bはまた、第1バルブパネル66と第2ハウジングパネル62とが、熱封止接合部106a、106bの列に沿って、望ましくなく接合されるのも防ぐ。図9Bはまた、熱封止接合部106c、106dも示している。これらは、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とを接合する。これらの熱封止接合部106c、106dは、好ましくは、それぞれ、熱封止接合部106a、106bと交差している。
【0039】
膨張式容器12の組立ステップの概要は以下のように要約できる。すなわち、第1に、フレキシブルバルブ63となるサブアセンブリが形成され、前部アイレットタブがこのフレキシブルバルブ63に取付けられる。容器の上と第1ハウジングパネルの特定の領域を補強するために、平行して別のプロセスを実行してもよい。次に、コネクタが、補強された第1ハウジングパネルに付着される。最後に、第1および第2ハウジングパネル60、62が覆われ、特定の熱封止パターンで、フレキシブルバルブ63に取付けられる。この要約は、明らかにやや大雑把であり、先に詳述した組立ステップで強調された特定の重要点は含まれていない。このように一般化したのは、上述した実施形態の詳細事項が、単に、限定するものではなく例示であることを意味しているという事実に注意を向けるためである。例えば、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とが、四辺で一体に封止される場合、それらはフレキシブルハウジング18を形成する。あるいは、フレキシブルハウジングは、中心線に沿って折り畳まれ、次に3つの開いた辺に沿って熱封止または接着されたシートから形成できる。適切な材料の扁平チューブのストックを、膨張式容器のフレキシブルハウジングを形成するのに使用できる。この場合、まず、フレキシブルバルブ63がチューブの開放端のうちの一方に挿入され、次に、チューブの開放端が封止して閉じられる。その他の可能な代替案は多くあり、例えば熱封止技術を用いるのではなく、接着剤層を用いて構成要素を接合することなどである。言うまでもなく、多数の他の接着方法をまた代用してもよい。好ましい実施形態では特定の用語が適用されてきたが、それらは、一般的な記載目的で用いられているだけであって、限定する目的ではないことが理解されるべきである。
【0040】
個々の梱包クッションの組立が完了した後、これら一連の組立後の個々の梱包クッションは、図10Aに示された手順で、相互に接続されることができる。組み立てられたクッションはそれぞれ、第1補強パッチ80に取付けられたコネクタ82を有してもよい。第1補強パッチ80自体は、第1ハウジングパネル60に取付けられている。組立後の膨張していない梱包クッション20は、第2ハウジングパネル62が上を向いた状態で、適切な作業空間、コンベアなどの上に平らに配置できる。コネクタ82が、膨張していない梱包クッション20の第2ハウジングパネル62と対向する状態で、別の組立後の膨張していない梱包クッション22を、その中心線96に沿って、完全にまたは部分的に折り畳んで、梱包クッション20上に配置できる。次に、折り畳まれて、まだ膨張していない梱包クッション22のコネクタ82は、平らでまだ膨張していない梱包クッション20の第2補強パッチ78と位置合わせされる。必要ならば、位置合わせにより第2補強パッチ78のマージンを小さくすることによって、図示されている通り、コネクタ82を重ねることによって妨げられない状態に維持できる。次に、コネクタ82は、熱封止接合部108によって、第2補強パッチ78に接合され得る。熱封止接合部108は、図示されている通り、中心線100まで延びてもよい。次に、膨張していない梱包クッション22を広げて、膨張していない梱包クッション20の上に平らに置くことができる。その後、このプロセスを、別の梱包クッションで繰り返すことができる。このように、任意の数の梱包クッションを、各中心軸に沿って相互に接続することができる。図10Bは、コネクタ82によって接続された3つのクッションを示している。複数のクッションを相互に接続して一体化したこれらの構成要素を強調するために、図10Aおよび図10Bは両方とも簡略化されている。
【0041】
接続手順の後、接続された梱包クッションをスタック状に配置でき、それによって各クッション間のコネクタ82を折り畳み、並べて積み重ねることができるようにする。使用中、第2補強パッチ78は2つの目的を果たし得る。1つ目は、クッションが案内トラック28(図1で図示)に沿って引張られると、第2ハウジングパネル62に加わる力をコネクタ82で分散することによって、中心線100で破裂する可能性を低減することである。2つ目は、熱封止接合部108が形成されている間に、他の構成要素が誤って接合されるのを防ぐことである。2番目の目的に関して、第2補強パッチ78は、接合部108に応じて封止作業からの熱の伝達が、他のクッション構成要素に届かないよう作用し得る。この目的は、組立の初期の段階中の耐熱インク被膜88a、88b、90a、90bの目的と類似している。実際、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とが、十分に厚くて強い材料でできている場合、クッションのフレキシブルハウジング18の破裂を防ぐのに補強パッチ78も80も必要としない。しかし、補強パッチがこのような状況で利用されない場合は、図10Aで説明したクッションの接続手順中に構成要素が意図せずに接合されるのを防ぐために、有利には、耐熱インクでできた別のパッチを、第2ハウジングパネル62の内側に面する辺に印刷してもよい。言うまでもなく、第2ハウジングパネル62の表面にコネクタ82を取付けるために、他の接合方法を用いることもできる。例えば、コネクタ82は接着剤で第2ハウジングパネル62に接着可能である。このような接合手順では、熱は必要としないため、熱遮断機構の必要もなくなる。
【0042】
特定の構造の膨張式容器(例えば梱包クッション)について説明してきたが、本発明は、このような特定の設計の容器に限定されないことが理解されるべきである。上述のように、本発明の上述の実施形態は、構成要素を接合する全般的に好ましい方法として、熱封止を勧めている。この理由は、この方法が、一部には、熱封止が、当分野において、製造および確立を簡単に実現できるからである。しかし、すでに説明した通り、接着剤の塗布などの他の接合方法もまた有効な代替案である。バルブオリフィス68の大きさもしくは形状、または第1バルブパネル66もしくは第2ハウジングパネル62の特定の形状など、他の明らかな変更が、本発明の基本的な機能を変えずに実施可能である。別の例として、梱包クッションのフレキシブルハウジング18は、使用可能な膨張式梱包クッションの形で、必ずしも矩形でなくてもよい。したがって、本明細書の特定の内容は、特許請求される基本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0043】
次に、図11から図12を参照して、支持構造体14の適切な実施形態を説明する。実施形態は、図示の通り、案内トラック28を含んでもよい。案内トラック28は、上述の膨張式容器12を保持し、膨張させるために使用でき、図1で示されている通り、膨張式容器システム10を形成する。このようなシステムでは、容器12は、支持構造体14に可動および/または着脱可能に取付けされてもよい。本実施形態では、案内トラック28は、ボックス42または他の容器に固定されてもよい(図11Aを参照のこと。ボックス42は、明確にすべく透視で示されている)。図示のように、案内トラック28は、ボックス補強部46に取付けできる。ボックス補強部46自体は、ボックス42の内部に固定されている。ワイヤタイ、ステープルまたはプラスチッククランプなどの適切な留め具を、案内トラック28をボックス42内のボックス補強部46に取付けるために用いることができる。これらの留め具の配置が図11Aに示されている。図11では、案内トラック留め具が、参照符号48で示されている。図示の通り、案内トラック28は、案内トラックアーム30a、30bおよび案内トラック背部32を含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、支持構造体14は、その上の容器12の移動(例えば、支持構造体からの容器の除去)によって、フレキシブルバルブ63に「第2の力」が加えられて、フレキシブルバルブ63の形状が変化するように形成できる。例えば図11Bに示される通り、案内トラック28のアーム30a、30bの形状は、アーム30a、30b間の分離距離が変化するようにされてもよい。図示された実施例においては、アーム30a、30bが案内トラック背部32と交差する点で、アーム30a、30b間の距離が最小になる。基準線34と基準線38との間では、距離は最大になるまで徐々に増える。基準線38とアーム30a、30bの開放端との間では、分離距離は、およそ最小になるまで減少する。したがって、容器が基準線38に近付くにつれて、案内トラック28のアームが分岐し、それによって、バルブ63に引張りまたは「第2の力」が加わる。次に、基準線38とアーム30a、30bの開放端との間で、容器がトラックに沿って遠くに移動するにつれて、アームが集まり、それによって、バルブに加わる第2の力が小さくなる。
【0045】
アーム30a、30b間の距離とそれが変化する挙動とは、以下に説明するように、梱包クッションが膨張する程度と容易さを決定する。しかし、案内トラック背部32の形状は、特に機能的に重要ではなく、クッションの膨張の質に直接影響を与えない。
【0046】
案内トラック28は、案内トラック28に要求される特性の許容範囲がかなり広いため、様々な材料から作ることができる。いくつかの実施形態においては、案内トラック28は、望ましくは、過度に柔軟な材料から形成されない。一般に、種々のプラスチック(例えば、ABSなどのスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなど)、金属(例えば硬化鋼)、またはその他の様々な材料が、適切な剛性を与える。好ましい実施形態では、案内トラック28は、鋼などの適切な材料でできたロッドを、上述の形状に曲げることによって構成されている。言うまでもなく、一例として、射出成形などの他の形成方法を利用してもよい。さらに、本実施形態の案内トラック28は、円筒形の「ロッド」から形成されているが、角柱「ロッド」または任意の他の押し出し多角形形状も同様に用いることができる。材料コストを削減するために、案内トラック28は、例えば押し出された「十字」または「I字」型など、特定の延長断面を備えた形状を用いて、作ることもできる。また、中空のパイプであれば、「強度対必要材料」比が向上するであろう。
【0047】
ボックス42は、その主な目的が、案内トラック28に取付面を与えると同時に、クッションと案内トラック28とを収容することであるため、本実施形態では、特定の固有構造ではない。したがって、ボックス42は、ボール紙、プラスチックまたは任意の他の適切な材料で作ることができる。同様に、ボックス補強部46は、例えばボール紙またはプラスチックなど、任意の適切な材料で作ることができ、任意の数の表面接着剤または留め具を用いて、ボックス42の背部内面に固定できる。ボックス補強部46の主たる目的は、確実に、案内トラック留め具48が、ボックス42の背面を裂かないようにし、また、確実に、案内トラック28をボックス42内にしっかりと取付けることである。
【0048】
必要に応じて、ボックス42内の開口44を、例えば、剥離カバーまたは穿孔したボックスの面などでカバーしてもよい。使用者が、梱包クッションを膨張し始めることを選択すると、カバーまたは穿孔した面が引き離され得、開口44が現れる。
【0049】
案内トラック28とボックス補強部46とボックス42を一体に組み立てる1つの可能な方法は、ボックス42が「広げられた」平らな状態の間に、全構成要素を組み立てることである。次に、ボックス補強部46を、ボックス42の適切な面に取付けることができ、その後、案内トラック28を、接合後のボックス補強部46およびボックス42に留めることができる。次に、ボックス42を、ボックス42の適切な端部を接合して、ボックス42の最終的な角柱形状に折り畳むことができる。
【0050】
図1は、ボックスの開口44が、膨張中または膨張後の梱包クッションの通路を収容するような寸法であることを示している。図1はまた、案内トラックアーム30a、30bが、膨張式容器12の前部アイレット76a、76bと後続アイレット72a、72bとを通って送られる方法を示している。このステップは、種々の方法で達成可能であるが、1つの可能性は、先に説明した通り、案内トラック28がボックス42の適切な内面に取付けられた後に、接続後の膨張していない接続された梱包クッションのスタック24を、案内トラックアーム30a、30b上に送り出すことである。このステップは、ボックス42が、その最終形状(例えば角柱)に折り畳まれる前に達成することができる。別のオプションは、案内トラック28がボックス42に取付けられる前に、梱包クッションのスタック24をアーム30a、30bの上に送り出すことである。このオプションは、言い換えると、案内トラック28をボックス42の適切な内面に取付ける前に、案内トラック28にクッションを装填することを含む。
【0051】
膨張式容器12は、容器が支持構造体に取付けられる手段としてアイレット72、76とともに示されているが、他の取付装置を使用して、容器を支持構造体のアームに移動可能に取付けてもよい(例えば、フック、ループなど)。
【0052】
案内トラック28と梱包クッションのスタック24の組立においてさらに考慮されることは、トラックが収容可能なクッションの数である。大部分の実施形態では、図11Bに図示される通り、梱包クッションのスタック24の高さは、案内トラック背部32と基準線34との間の距離を超えないことが望ましい。したがって、案内トラック28が収容可能な梱包クッションの好ましい最大数は、ここで説明した距離にほぼ等しい高さまで積み上げることができるクッションの数に依存する。
【0053】
案内トラック28の寸法に対する梱包クッションの幅に関して、案内トラックアーム30a、30bと案内トラック背部32との2つの交差点間の距離は、各後続アイレット72a、72bの中心間の距離とほぼ等しくてもよい。このように、膨張していない梱包クッションのスタック24は、案内トラック背部32と基準線34との間の領域において、クッションのアイレットと案内トラックアーム30a、30bとの間の張力が最小で、案内トラック28上に支持できる。アーム30a、30b間の最大分離距離は、図11Bにおいて、基準線38に位置している。この距離は、一部、案内トラック28に対して選択される材料、トラックの断面幾何形状およびアーム30a、30bの長さに依存する。これらの要因は合わさり、構造特性、より具体的にはアーム30a、30bの剛性を決定するため、これらの要因はまた、容器がアーム30a、30bに沿って引張られるとき、フレキシブルバルブ63に加わる横方向の力、すなわち「第2の力」も左右する。一般的に、アーム30a、30b間の最大距離は、典型的には、アーム30a、30bの剛性が減少するのにつれて増える。その他に、基準線38で梱包クッションに加わる横方向の力が、フレキシブルバルブ63を開くには十分でない場合もある。しかし、アーム間の最大分離距離と最小分離距離の比(すなわち、基準線34での距離に対する基準線38での距離の比)は、大きすぎてはならない。大きすぎると、クッションがその長さに沿って引張られ、膨張されると、案内トラックは、大きくはね返ることがある。したがって、全体的な案内トラックの幾何形状とトラックの剛性との可能な組み合わせは多数見られるが、制限がないわけではない。
【0054】
ここに示されている実施形態においては、梱包クッションのスタック24を備える膨張式容器12は、図1に示されている通り、開口44と対向する第1ハウジングパネル60を有する。しかし、これは、単に1つの可能な構造であって、数多くの他の構造が可能であることが理解されるべきである。さらに、梱包クッションの詳細な説明の場合と同様に、特定の用語が、支持構造体14の説明で用いられているが、このような詳細は、本発明の限定と取られるべきではない。
【0055】
いくつかの実施形態では、複数の膨張式容器12を順次膨張させることができる。図1を参照すると、使用者45は、まず、膨張式容器(例えば梱包クッション)12を取り出す。こうするために、使用者は、開口44を塞いでいる、何らかのカバーまたは穿孔したボール紙面を取り除く。次に、使用者は、ボックスの開口44内に手を差し入れ、それ自体が前部梱包クッションに接続されている、分離されたコネクタ84を掴む。次に、使用者は、図1で示された方向に分離されたコネクタ84を引張り、それによって、前部梱包クッションを案内トラックアーム30a、30bに沿って移動させる。この動作を開始した直後に、前部クッションは、図11Bに示された基準線34に到達する。先行の移動クッションが基準線34と交差すると、案内トラック28の分岐したアームが、クッションに横方向で外向きの張力を加え始める。この時点で、使用者は、案内トラック28とクッションとの間で大きくなった張力が原因で生じる付随の阻止力を克服するために、わずかに大きな力でクッションを引張る。図11Bの基準線38によって示されたアーム30a、30bの最大距離間隔の平面と交差する前に、フレキシブルバルブ63は開き、クッションが膨張し始める。前部アイレット76a、76bも、後部アイレット72a、72bからそれぞれ分離し始める。さらに、フレキシブルバルブ63が開き、膨張が始まると、第1ハウジングパネル60が、第2ハウジングパネル62から引き離される。
【0056】
前部クッションが膨張し始めた直後に、先行の膨張中の梱包クッション26と、まだ膨張していない梱包クッション20との間のコネクタ82が十分に広げられる。コネクタ82は、その真ん中部分が接続されたクッションの第1および第2ハウジングパネルと垂直になるまで広がる。この特定の動作段階に関する寸描については図1を参照されたい。膨張中の梱包クッション26が、案内トラックアーム30a、30bに沿って、ボックスの開口44から出て移動し続けると、十分に広げられたコネクタ82は、トラックアーム30a、30bに沿って、まだ膨張していない梱包クッション20を引張り始める。まだ膨張していない梱包クッション20が基準線34に到達し、アーム30a、30bが分岐し始めている場合、クッション20の直ぐ前のクッション26と同じようにクッション20も膨張し始める。膨張プロセスは、案内トラック28の長さに沿って引張られる連続したクッションそれぞれに対して同じように続く。
【0057】
前部梱包クッション26が、ボックスの開口44から引き出され、案内トラック28から外れると、使用者は、2つのオプションを提示される。クッション26が案内トラック28の全長にわたり引張られた後に、クッション26はその最大膨張まで展開する。したがって、使用者は、前部クッション26と後続のクッション20とを接合するコネクタ82を、その穿孔86に沿って裂くことを選択できる。その結果、前部クッション26は、案内トラック28上で支持されている、残りの部分的に膨張した梱包クッションとまだ膨張していない梱包クッションから分離される。そして、この先行の膨張後の梱包クッションを、様々な包装容量で使用することができる。あるいは、使用者は、コネクタ82をそのままにして、完全に膨張した前部梱包クッション26を引張り続けることを選択することもできる。その結果、連続したクッションが、案内トラック28に沿って引張られ、それぞれが順次に膨張する。このように、極めて多数のクッションが、中断することなく膨張することができる。所望の数のクッションが膨張すると、使用者は、膨張したクッションを、案内トラック28上に残っているまだ膨張していないクッションから分離することができる。そうするために、使用者は、一連の膨張後の梱包クッションの最後に接合しているコネクタを、案内トラック28上に残っている前部クッションから、案内トラックの穿孔に沿って分離しなければならない。
【0058】
いくつかの実施形態では、所望の膨張度は、クッションの全容積容量の100%ではなく、約60%〜80%の間のいずれかである。部分的に膨張したクッションは、数多くの最終用途において好まれる。これは、主に、部分的に膨張したクッションは、可鍛性があり、パッケージ内の様々な隙間に合うように成形することができるからである。しかし、完全に膨張したクッションは、相対的に硬く、したがって変形しにくい。さらに、部分的に膨張した梱包クッションは、完全に膨張したクッションよりも、変化する大気圧で破裂しにくい。この特徴は、例えば、膨張したクッションで埋められたパッケージを空輸する際に重要となる。しかし、本発明の別の実施形態では、例えば約70%〜100%の間といった、より完全に膨張する度合いが求められる。
【0059】
本発明の動作のさらなる詳細は、ボックス42およびボックスの内容物の移動、すなわち固定されていない特質に関係する。例えば、ボックス42が平らで滑らかな机の面上に置かれている場合、案内トラック28に沿ってクッションを引張ると、おそらく、ボックス42とその内容物も使用者の方へ引張られるであろう。この前方にスライドする移動は、ボックス42の上に手を置き、ボックス42の前方への力にわずかに抵抗することによって、打ち消すことができる。そして、ボックス42を静止位置で保ちながら、使用者の空いた手で、案内トラック28に沿ってクッションを簡単に引張ることができる。本発明の片手の操作は、この好ましい実施形態をわずかに変更することによって達成可能である。これらの変更の大部分は、ボックス42を静止物体(例えばテーブルまたは棚)に効果的に「固定する」か、または案内トラックを垂直に向けなおすことである。このような変更については以下で説明する。
【0060】
フレキシブルバルブ63の開放を決定する構造と、対応する膨張式容器の後続の膨張とが、図12Aおよび図12Bに図示されている。図12Aは、2つのクッション20、26の簡略化された上面図であり、クッション20は膨張しておらず、クッション26は膨張中で、案内トラック28に沿って引張られている。ハウジング18とバルブ63とがそれぞれ、周囲環境からバルブ63を通してハウジング18の内部空洞83内に流体を吸引するように形状変化するために、第1の力がフレキシブルハウジング18に加わり、第2の力がフレキシブルバルブ63に加わると、膨張が生じる。
【0061】
図12Aで前方を指している矢印85は、ハウジング18に加り得る「第1の力」を表している。第1の力は、図示されている通り、梱包作業者または他の使用者が膨張式容器12(例えばクッション26)を引張ると生じ得る。2つの横向きの矢印87a、bは、「第2の力」、すなわち、図示されている通り、ペアの反対方向の第2の力を表している。第2の力が発生するのは、フレキシブルバルブ63に加わる。これは、前部アイレットタブ74a、74b、したがってタブが取付けられるバルブ63が、容器を案内トラック28の分岐アーム上を引張ることから生じる力によって伸びるとき、すなわち、アーム36a、b上の容器12の移動がフレキシブルバルブ63に第2の力を加えて、フレキシブルバルブ63の形状を変えるとき、である。結果として生じた張力87a、bは、バルブ63のバルブパネルのうちの一方の上で、例えば、本実施形態におけるように、その長さに沿って、加えられる。それによって、バルブオリフィス68が、図示のように、形状を変化させ、すぼまった形、すなわち「魚の口」の形に開く。さらに、バルブ63、例えばその第1バルブパネル66に第2の張力87a、bを加えることによって、内部にオリフィス68を備えた第1バルブパネルは、非平面的な3次元の形状を取る。それによって、第1および第2バルブパネル66、64の間にチャネル81が形成され、チャネル81を通って、流体(例えば、空気)が周囲環境から流れることができる。同時に、チャネル81と開放バルブオリフィス68とによって、ハウジング18の内部空洞83と周囲環境、すなわち、容器12が位置する環境の間で流体連絡することができる。
【0062】
フレキシブルバルブ63が開いているとき、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62に作用する第1の力85はこれらパネルを分離する。第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62が分離すると、内部空洞83の内部容積が大きくなる。この容積の増加によって、容器が位置する周囲環境の圧力(例えば大気圧)に対して圧力が低くなり、容器の膨張が開始される。すなわち、ハウジングパネル60、62が分離することと、その結果空洞83の容積が増加することが原因で生じる、内部空洞83内の減圧によって、周囲環境から流体を吸引する駆動力が与えられる。
【0063】
したがって、第1の力85によって、内部空洞83と周囲環境との間に圧力差が生じる。この圧力差によって、周囲環境の流体が、フレキシブルバルブ63に対して流体力を加える。しかし、フレキシブルバルブ63に第2の力87が加わっても、バルブは開かず、周囲の流体の力が流体を空洞83内に押し込めることを可能にする。したがって、理解されるように、第2の力87は、周囲の流体力から独立であり、空洞と周囲環境の間の圧力差(第1の力85がハウジングに加わったためにフレキシブルハウジング18の形状が変化したことよって生じる)によって、周囲の流体を空洞83内に押し込めることを可能にするバルブの形状変化を生じるために、バルブ63に加えられなければならない。このように、フレキシブルハウジング18と、フレキシブルバルブ63と、第1の力85と、第2の力87aおよび/またはbとはすべて、第1の力85によってハウジング空洞内に相対的に負圧を形成し、同時に、第2の力87によってバルブ63を開放することによって、流体を内部ハウジング空洞83に吸引するために、協働して相互作用する。従来の膨張式容器/クッションとは対照的に、流体をハウジング内に送り込むように正圧を形成するために、どのような膨張および封止機械も必要としない。代わりに、流体をハウジング内に吸引するために、すなわち、大気圧によって流体をバルブ63を介して内部空洞83に押し込み可能にするために、ハウジング18内で負圧が形成される。
【0064】
いくつかの実施形態については、膨張した容器12をガセット設計で形成することによって、第1および第2ハウジングパネル60、62の分離を促進できる。より具体的には、図12Bおよび図27に示されたバルブ開口70a、70bは、容器にガセット構造を与えるという別の目的を果たすように形成することができる。このようなガセット容器は、ガセット構造でない場合よりも拡張に対して自由度がある。このような自由度は、膨張のより大きな可能性に相当する。ガセット構造の開口を有するバルブのこのような構成の1つが図8Bに示されている(および上記で説明されている)。
【0065】
フレキシブルバルブ63を開き、および梱包クッションの膨張を促進するために協働する力のより詳細な表示は、膨張中の容器26に関連して、図12Bの概略図で示されている。フレキシブルバルブ63を開く横方向で外向きの「第2の」力87a、bは、このような力を力「a」、「c」と区別するために、図12Bでは、方向矢印「b」、「d」を付けて表記されている。これらの力もまた、以下に説明するように、フレキシブルバルブ63に加えることができる。上に述べた通り、第1バルブパネルを一時的に変形させるために、第2の力87a、bを第1バルブパネル66に加えることができる。これにより、第1バルブパネル66は、湾曲し、第2バルブパネル64から分離され、この作用が、それらの間、すなわち第1および第2バルブパネル66、64の間にフレキシブルバルブ63の開口をチャネル81として形成する。図示されている通り、チャネル81は、バルブ開口70a、bの間に延び、バルブ開口70a、bと連絡して、バルブオリフィス68とも流体連絡する。オリフィスが開いて、チャネル81を通してフレキシブルハウジング18の内部空洞18と周囲環境との間で流体連絡を可能にするように、第2の力87a、bを受けると、バルブオリフィス68も変形し、例えば、すぼまった形になる。
【0066】
「a」、「c」と付された力は、第2の力87a、bの方向「b」、「d」とほぼ平行な方向で加えられ、第2ハウジングパネル/第2バルブパネル62、64のアイレット72a、bと案内トラック28との間の相互作用によって生じ得る。クッション26が案内トラック28の分岐アームに沿って引張られると、前部アイレット76a、76bは、それら自体を後部アイレット72a、72bから遠ざける傾向にある。この分離は、フレキシブルバルブ63、特にバルブ開口70a、70bの完全な開放を容易にする。このアイレットの分離、およびその結果の付着構成要素の分離の発生は、案内トラック28の分岐アームに沿った移動に対するクッションの抵抗に関連する。前部アイレット76a、76bは、膨張式容器上のわずかに異なる位置によって、後部アイレット72a、72bが受けるのとはわずかに異なる引張りを受ける。トラック28に沿った容器の移動の間にアイレットの分離を発生するのは、移動(引張り)に対する抵抗のこのわずかな差にある。引張りにおけるこの差は、前部アイレット76a、bが、フレキシブルハウジング18に対して、後部アイレット72a、bとは異なる横方向の空間を有するように容器を構成することによって、大きくできる。例えば、前部アイレット76a、bは、後部アイレット72a、bのわずかに外側にあってもよい。
【0067】
前部アイレットタブ74a、74bは、図4Bに示される通り、熱封止接合部92a、92bで第1バルブパネル66に接合することができる。好ましくは、前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の重なり領域全体が一体に結合されるのではなく、代わりに、図4Bに示された通り、重なり領域の一部のみが一体に結合されている。このことによって、クッションの展開とそれに対応する膨張において、自由度を大きくできる。
【0068】
フレキシブルバルブ63が開いた後、クッションは、例えば、クッションの一種の幾何学的操作の結果、膨張し始めることができる。図12Bでは、第1ハウジングパネル60に加わる第1の力85は、矢印「f」で表記され、この力の方向を表している。例えば、使用者がクッションを引張ると、使用者によって与えられる第1の力85は、各クッションを案内トラック28に沿って移動させるように作用する。第1の力85は、コネクタ82または分離したコネクタ84を介して、クッションの第1ハウジングパネル60に伝達される。第1ハウジングパネル60、したがってフレキシブルハウジング18全体を第1の力85でこのように操作することによって、膨張式容器内の圧力低下をもたらす。容器が位置する周囲環境が海抜ゼロにおける空気である場合、外部の空気圧は、約1atmであり、これは容器内で低下した空気圧よりも高い。容器の開かれたフレキシブルバルブ63によって、図12Bの点線91で示されているように、圧力平衡に達するまで、フレキシブルバルブ63を通って空気が容器内に流入すると、この圧力差は必然的にゼロになる。それによって、容器は膨張する。
【0069】
したがって、図示した実施形態においては、第1の力85は、第1の方向、すなわち方向「f」で加えられ、一方、第2の力87aおよび/またはbは、第2の方向、すなわち示されているように、ペアの反対向きの第2の方向「b」、「d」で加えられ得る。ここで、第1の方向「f」は、第2の方向「b」、「d」とは異なる。例えば、第1および第2の方向85、87は、図示されているように、相互にほぼ垂直であってもよい。
【0070】
随意に反対方向に加えられることができる力89は、この力の方向を示す表示「e」で示されている。この力は、第1の力85の方向「f」とは反対であってもよい。力89は、コネクタ82によって案内トラック28に沿って引張られている次の梱包クッションによって加えられる重量または引張りによって生じ得る。コネクタ82は、図12Aで示されている通り、前部梱包クッションの第2ハウジングパネル62を、後続の梱包クッションの第1ハウジングパネル60と接続する。しかし、本発明による膨張式容器は、第1の力85のみ加えられ、力89が加えられない場合に、同程度か、またはほぼ同程度まで膨張するので、力89は随意である。
【0071】
図27は、バルブ開口70aから見た(反対側のバルブ開口70bから見ても同じである)容器12の膨張を示す。第1の力85が、例えばプルタブ84により手動でフレキシブルハウジング18に加えられると、ハウジングは図にように変形する。同時に、第2の力が、例えば支持構造体14(簡単化のために示されていない)によってフレキシブルバルブ63に加えられると、バルブは同様に変形し、図のように、バルブ開口70a、bを開いた位置にする。結果的に、周囲環境からの流体91、例えば空気が、図のように、バルブ開口70a、b内に吸入され、この結果、図のように、流体はバルブ63を通って流れ、バルブオリフィス68を通りフレキシブルハウジング18に入り、このようなハウジングを膨張させる。
【0072】
先行の膨張しているクッションの前部および後部アイレットが、アーム30aと30bの間の、図11Bの基準線38で示される最大分離平面に交差すると、フレキシブルバルブ63を開く力は減少し始める。後部アイレット72aおよび72bならびに前部アイレット76aおよび76bは相互に急速に近付く。フレキシブルバルブ63に作用する横方向の力がなくなると、第2バルブパネル64および第1バルブパネル66は、自然に合わさるように元に戻る傾向があり、この結果、チャネル81およびバルブオリフィス68を閉じた位置に戻すことにより、フレキシブルバルブ63を閉じる。梱包クッション内の流体の圧力は、第2バルブパネル64および第1バルブパネル66が合わさるようにするのを支援し、これにより、クッションの封止を強化する。この結果、膨張したクッションは案内トラック28によって作用を受けることがなくなり、クッションは封止される。クッションの表面に作用するいずれかの追加の外部圧力は、クッションの内部圧力を増加させるだけであり、したがって、この追加圧力は、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間の圧力を増加させ、最終的に、流体漏れに対するさらに緊密な封止を生成する。
【0073】
したがって、いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブ63は、第2の力(例えばバルブ63に対する第2の力87aおよび/または87b)を加えることなく、内部空洞83と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する。例えば膨張式容器内の内部圧力の作用で生じる、結果としての自己封止は、十分でなく、少量の取り外し可能/再封止可能な接着物質、例えばグリセリン、鉱物油、再配置可能接着などを、第1および第2バルブパネル66、64の間に、例えばそれらのバルブパネルの片面または両方の対向面上に配置して、膨張後の自己封止を確実にすることができる。このような接着コーティングにより、第2の、例えば横方向の力の作用によりフレキシブルバルブの開放を可能するが、膨張後の第2バルブパネル64の第1バルブパネル66への結合を確実にする。このような技術は、低圧力条件でのより永久的な封止の形成に有用であり得る。しかし、本発明の、大部分ではないが多くの実施形態/最終用途では、このような取り外し可能な接着の使用は必ずしも必要でない。
【0074】
いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブは、膨張式容器が第2の力、例えば第2の力87aおよび/または87bの印加時に置かれている周囲環境と流体連絡する2つ以上の開口を含むことができる。例えば、このように説明されるフレキシブルバルブ63は、2つのバルブとして効果的に作用するように見ることができる。この理由は、フレキシブルバルブ63は2つのバルブ開口70aおよび70b(図1および27を参照)と、開口からバルブオリフィス68までの2つの対応するバルブ通路(すなわち、第1と第2バルブパネル66、64の間のチャネル81により提供される)とを含み、膨張式容器12に組み込まれた余剰部が存在するからである。これは、例えば、チャネル81がはり付いたり、またはバルブオリフィス68の片側が閉じたままであるような場合に、好都合であり得る。例えば、チャネル81の反対側に第2バルブの通路を有することにより、容器の正しい膨張が可能になる。
【0075】
有利には、本発明による膨張式容器は上記の通り全体を柔軟材料、例えば、上述の熱可塑性膜材料で形成されてもよい。実際、容器は全体を、ポリエチレンホモポリマーまたは共重合体などの単一材料で形成できる。これらの容器の構成要素は構造が平坦(2次元)および単純であり、膨張が流体の強制的注入から、あるいはフォームコアまたは剛性/半剛性構造体の拡大から生じるのでなく、膨張は柔軟な自己開放、自己封止バルブ構造体とフレキシブルハウジングとの間の円滑で連続的な相互作用から生じる。場合によっては、支持構造体、例えば、案内トラック28などの案内トラックを使用してもよいが、支持構造体は膨張の必要がない(以下を参照)。
【0076】
1つまたは複数の膨張式容器の膨張の後に、膨張式容器は様々な梱包容量で使用できる。膨張および封止機械類を用いて形成される梱包クッションが空隙充填材として使用されるのと同一方法で、本発明による膨張した容器もまた梱包クッションとして利用できる。このようなクッションは、輸送されるいずれかの品物とともに輸送用カートンの内部に単に置かれ得る。このとき、クッションは品物と輸送用カートンの内壁との間のいずれかの空隙を充填するように作用する。このように使用されるとき、クッションは梱包された品物のカートン内部での移動を制限し、これにより、輸送中の品物の損傷の可能性を低減させる。さらに、流体充填クッションもまた、クッションがなければ全体が品物に伝達されるであろうあらゆる衝撃を吸収することにより、梱包された品物を保護するように作用し得る。
【0077】
使用後、膨張した容器、例えばクッションは、廃棄、再使用、または再生利用されてもよい。使用済の梱包容器を廃棄するとき、容器を破壊するか、またはフレキシブルバルブ63を通して各容器から空気を抜くことにより容器の容積を大幅に減少できる。例えばペンあるいは案内トラックアーム30aまたは30bの端部などの細長い物体がバルブ開口70aまたは70bのいずれかの内部に挿入される場合、フレキシブルバルブ63により生成された封止を一時的に破壊できる。この作用により梱包容器からの空気の放出が生じ、これにより容器を収縮させる。あるいは、膨張した梱包容器は案内トラックアーム30aおよび30b上を後方に戻すことができる。膨張の間において協働してフレキシブルバルブ63を開く、同一の横方向の力は、同様に、収縮のためにフレキシブルバルブ63を再度開くことができる。このようにしてバルブが再度開されると、梱包容器は、第1ハウジングパネル60および第2ハウジングパネル62を合わさるように押し付けることにより、平坦にすることができる。梱包容器の将来の再使用を望む場合、容器は、これらの「バルブを開く」方法のいずれかによって収縮させることができ、次に、必要をされるまで保管できる。梱包作業者がこれらの収縮した容器を再膨張させることを望む場合、作業者は容器を案内トラック28上で元に戻し、それら容器を、最初に膨張させたのと同一方法で再膨張させることができる。あるいは、作業者は手動で、バルブ開口70aまたは70bのいずれかに空気を吹き込み、これにより、より一般的な方法で容器を膨張させる。さらに、本発明の梱包容器は、低密度ポリエチレンなどの単一材料で形成してもよく、再生利用は別の実行可能なオプションである。
【0078】
先の説明では本発明の一実施形態の構造および動作を教示している。様々な代替形態が、例えば、フレキシブルバルブ、支持構造体、およびフレキシブルハウジングの設計に関して存在する。
【0079】
例えば、図13Aおよび図13Bは、参照符号63’により表されているフレキシブルバルブの代替の実施形態を示す。この実施形態においては、図4Aおよび図4Bにおいて符号64で表記された第2バルブパネルが変更されている。図13Aでは、この代替の実施形態において符号110により表記された第2バルブパネルの代替形状は、第2バルブパネル110の主「幹部」113からの4つの細い「分岐部」111を含む。したがって、代替の第2バルブパネル110は、第1バルブパネル66に、両方のバルブパネル重なった周辺の大部分に沿って結合されてもよい。図13Bに示される2つの熱封止接合部114aおよび114bはこの結合の一部を達成する。この代替のフレキシブルバルブが、図8Bで示される通り、第2ハウジングパネル62に接合されるとき、熱封止接合部104a−104dは第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル110の「分岐部」111に沿って代替のフレキシブルバルブに接着し、この接合部自体は第1バルブパネル66に付着される。この方法では、結果としてのクッションは縮小傾向を有し、使用中の流体漏れを発生させる可能性がある。
【0080】
フレキシブルバルブの別の代替の実施形態が図14Aおよび図14Bに示されており、参照符号63’’で表されている。この実施形態においては、第1バルブパネルのバルブオリフィス116は、図4Aに示された実施形態のバルブオリフィス68より小さい。さらに、第2バルブオリフィス118はこの代替の実施形態の第2バルブパネル内に形成される。この代替の実施形態は、バルブオリフィスが特定寸法でなくてもよいことを実証している。また、対応する封止能力の損失を伴うことなく、第2バルブパネルに追加の穴を形成できる。いくつかの例では、第1および第2バルブパネルの両方に形成された穴を有するバルブは、膨張式容器12の内部83に大きな空気量が流入することを可能にする。
【0081】
フレキシブルバルブに関する別の変形形態は、バルブオリフィスの形状の変更を含む。実際、様々な円形、楕円形および多角形形状の穴を、図示された実施形態のダイヤモンド形のバルブ穴に置き換えできる。
【0082】
フレキシブルバルブのさらに別の代替の実施形態が図15A、15B、15Cおよび15Dに示されている。この実施形態では、代替の第2バルブパネル122は第1バルブパネル66の全体外形形状と同様である。第2バルブパネル122はまた、図15Aに示される通り、それの内面に取付けられた前部アイレット77aおよび77bに組み込まれた前部アイレット75aおよび75bを有する。第2バルブパネル122は、2つの熱封止接合部124aおよび124bにより第1バルブパネル66に接合できる。このような接合手順から形成される代替のフレキシブルバルブは、次に、代替の第2ハウジングパネル126および第1ハウジングパネル60を含むことができる、膨張式容器の主ハウジング内に組み込まれる(図15C)。これに関しては、熱封止接合部130a−130dを用いて、第1バルブパネル66を第1ハウジングパネル60に接合し、およびまた、第2ハウジングパネル126の2つの長辺端部を第1ハウジングパネル60に接合することができる(図15D)。これらの熱封止接合部は第1ハウジングパネル60から第2ハウジングパネル126まで適用できる。同様に、熱封止接合部128a−128dを用いて、第2ハウジングパネル126を第2バルブパネル122および第1ハウジングパネル60の両方に接合できる。この一連の熱封止接合部は、第2ハウジングパネル126から第1ハウジングパネル60まで適用できる。これらの一連の熱封止接合部の両方は上部周辺および第1ハウジングパネルに沿ってほぼ同一経路を取り、本質的には相互に重なり得る。
【0083】
この実施形態は、代替の第2バルブパネル122が第1バルブパネル66とほぼ同一である理由から(および、実際に、大きな設計変更なく完全に同一で製造できる)、製造面において有利である。したがって、構成要素の変更がほとんど必要でなくなる。
【0084】
案内トラックおよびボックスアセンブリの多くの変形形態が可能であり、その1つが図16Aに示されている。この実施形態においては、案内トラックは簡単化され、適切な支持体、例えば壁面またはボックスに着脱可能に取付けできる、案内トラックアームだけを含む(図示の通り)。図において、これらの着脱可能な案内トラックアームは36aおよび36bで表記されている。アーム36aおよび36bが取り外され、別のどの構成要素にも接続されないとき、これらアームは膨張していない梱包クッションのスタックのアイレットを通して送り出すことができる。これは、図16Aではボックス補強部46の最近傍にある、アームの直線部分上にクッションのスタックを送り出すことにより、最も容易に達成される。次に、着脱可能なアーム36aおよび36bはボックス42内、または例えば壁面上に組み込むことができる。
【0085】
着脱可能なアーム36aおよび36bの直線部分上に梱包クッションを装填した後、アームをボックス42の背面に接続できる。関連する接続機構は、図16Bに詳細に示される。ベースプレート50aおよび50bが、案内トラック固定具56を用いてボックス補強部46およびボックス42の背面の両方に結合される。これらの案内トラック固定具56は様々な実施形態であってもよく、例えばナットおよびボルト、リベットなどでもよい。固定具56は、ベースプレート穴52を通りナットまたはピンなどで固定される。ベースプレートは、取付けられた案内トラック安定具54aおよび54bを含むことができる。安定具54aおよび54bは、ベースプレート50aおよび50bを着脱可能な案内トラックアーム36aおよび36bに確実に接続するのに役立つ。図16Bの詳細な部分に示される通り、着脱可能な案内トラックアームの1つが案内トラック安定具内に挿入された後、固定ペグ58を用いてアームを安定具内にロックする。
【0086】
支持構造体14の形態および規模の様々な代替の実施形態もまた可能である。例えば、図17Aは図1に示された実施形態を表し、この実施形態では、ボックス42は、図1に示す水平位置でなく垂直位置の方向である。この代替の位置により、梱包クッションをボックス42の上側方向および外側方向に引張ることができる。これは、水平向きのボックス42に必要とされるデスクスペースに悩む梱包作業者にとっては重要なオプションである可能性がある。
【0087】
本発明の規模はまた、様々な梱包の必要性に適合するために拡大することができる。図17Bは本発明の拡大版を示す。この拡大版では、支持構造体は上述のボックス内部で囲まれても、また内部に取付けられてもいない。代わりに、支持構造体は自立の支持構造体14’を備えてもよく、この構造体はベース131、直立スタンド132、および直立スタンドから、例えば図のように垂直方向に延びるペアの案内トラックアーム133を備えてもよい。この自立構造体14’は台の上面に置くことができ、あるいは十分に縦長である場合、床面に直接置くことができる。使用者は上述と同様な方法で、案内トラックアーム133に沿って容器12を引っ張り出すことができる。図示されている通り、容器12を下方に引張り、容器を膨張させることができる。
【0088】
別の変形形態としては、図17Cに示される支持構造体14’’は、台の上面またはデスクの端部に配置するように設計される(模型で示されている)。この構造体14’’は、台の上面、デスク、または他のこのような物体の縁部または端部に係合する、支持ブラケット134により所定の位置に保持されてもよい。この同一実施形態はまた、棚、ドアなどに掛けられてもよく、図17Bの通り、下方に垂直方向に向けて作動されてもよい。図17Bに示される支持構造体14’におけるのと同様に、この変形形態はまた、構造体14’’に沿って容器12を引張る前方への作用が、構造体を台の上面またはデスクに固定する支持ブラケット134により妨げられるとき、片手で作動することもできる。
【0089】
本発明の別の代替の実施形態が図18に示されている。図1と同様に、図18は、複数の代替の膨張式容器135および支持構造体137を備える膨張式容器システム141を示す。膨張式容器12と同様に、膨張式容器135は、フレキシブルハウジング(143)およびフレキシブルバルブ(120)を含み、膨張式容器12に関連して上に述べたのと同一の一般原理に従って作動される。したがって、容器135は、ハウジング135に第1の力を加え、バルブ120に第2の力を加えることにより、ハウジングおよびバルブのそれぞれが形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通してハウジングの内部空洞145内に流体を吸引することで、膨張し得る。
【0090】
図1に関連して述べた実施形態におけるのと同様に、膨張式容器135はまた、梱包クッションとしての使用に適応でき、膨張していない梱包クッション139、膨張していない梱包クッションのスタック136、および膨張している梱包クッション138の形体を取ることができ、それらのすべては構造が同一で、それらの膨張状態のみが異なる。
【0091】
容器のこの実施形態では、120で表されるフレキシブルバルブは全体に、アイレット121a−dと一体化され(図19を参照)、先に述べた実施形態におけるようなアイレットタブの必要をなくしている。図示の通り、アイレット12a、cは「前部」アイレットと称され得、これは、容器135が支持構造体137に沿って引張られたときに、「後部」アイレット121b、dに先行するからである。
【0092】
フレキシブルバルブ120は第1バルブパネル150および第2バルブパネル148を備える。バルブ120は同一原理によって機能する。すなわち、上述の実施形態のフレキシブルバルブと同様に、横方向の力(すなわち、「第2」の力)を加えることで開く。したがって、好ましくは、バルブ120はさらに、実質的に自己封止バルブ、すなわち、容器135が膨張した後に封止するバルブである。いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブ120は図示の通り、矩形形状であってもよい。これは製造面から有利であって、例えば、バルブの製造中における、バルブを構成する熱可塑性膜の切断廃棄物を最小にできることである。さらに、フレキシブルバルブ120が一体化したアイレット121a−dを含むことができるため、組立、配置、および上述の実施形態のアイレットタブの熱接合を含む製造工程をなくすることができる。
【0093】
この実施形態においては、異なる支持構造体137が使用されてもよい。詳細には、支持構造体137は、図示された案内トラック140の形体を取ることができる。案内トラック140は、上述の実施形態の2つのアームでなく、4つの案内トラックアーム142a−142dを含むことができる。したがって、膨張式容器135は各容器のフレキシブルハウジング143内の中央穴156a、bを含むことができる(図24から図25も参照)。案内トラックアーム142aおよび142bはフレキシブルバルブ120の組み込まれたアイレット121a−dを通して送り出される。案内トラックアーム142cおよび142dはフレキシブルハウジング143内の中央穴156a、156bを通して送り出すことができる。追加の案内トラックアームおよび穴、すなわち、アーム142c、dおよび中央穴156a、bを用いることは、膨張中の容器、例えば大きい寸法の容器に対する追加の安定性を提供するために、いくつかの実施形態においては有利であり得る。
【0094】
膨張式容器12におけるのと同様に、容器135は、容器を、支持構造体上で移動できるように、支持構造体137に取付けることにより、膨張させることができる。このとき、容器135を支持構造体137上で移動することにより、例えば、図18に示されるように容器を引張ることにより、フレキシブルハウジング143に第1の力を加えてハウジングの形状を変化させ、フレキシブルバルブ120に第2の力を加えてバルブの形状を変化させることにより、例えば、フレキシブルバルブの両端を支持構造体の分岐した案内トラックアーム142a、bに付着することにより、容器が支持構造体に沿って移動するとき、バルブに張力を加えるため、膨張は効果的にできる。この方法では、フレキシブルハウジング143は形状変化し、例えば膨張し、内部空洞145内に周囲より低い圧力を生成する。同時に、フレキシブルバルブ120は形状が変化し、周囲環境と内部空洞との間の流体連絡をもたらす。結果的に、ハウジングおよびバルブは協働して、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する。
【0095】
この実施形態においては、膨張式容器135は相互に接続されない。代わりに、各容器は補強パッチ80および個々の、すなわち接続されないプルタブ152を備え得る。したがって、理解されるように、本発明による、および本明細書に述べる実施形態のいずれかによる膨張式容器は、意図する最終用途に適合するために、必要に応じて、接続されてもよく、あるいは容器と容器を非接続に設計されてもよい。例えば、大きい容積の容器の用途、例えば企業の郵便室における使用に対しては、容器は接続されるのが有利である。この理由は、すなわち、膨張しつつある/膨張した容器の「ストリング」を支持構造体から離すように引張ることにより、複数の容器を膨張する速度を高めることができるからである。他の用途では、例えば家庭用では、同時の1つの容器の膨張はより一般的であって、この場合には、容器は接続されていないことがより適切である。
【0096】
図19は、図18に示される実施形態の単一の膨張式容器135の分解組立斜視図を示す(随意の中央穴156a、bは省略)。この図は容器の構成要素の相対的配置を示す。
【0097】
図20Aから図23Bはまとめて、膨張式容器135の構成要素を組立、および一体に接合して完全な膨張していない容器135を形成する順番および方法を示す。
【0098】
図20Aおよび図20Bは合わせて、第1組立ステップを示しており、このステップでは、第2バルブパネル148および第1バルブパネル150(バルブオリフィス154を有する)は、それらパネル長辺の部分に沿って2つのほぼ平行の熱封止接合部158a、bにより接合され得る。アイレット121a−dは、パネルに適切な寸法の穴を切るかまたは打抜くことにより、バルブパネル148および150に組み込まれてもよい。穴は、円形、楕円形、または図示されたような丸みのある矩形であってもよく、あるいは必要に応じて、任意の他の幾何形状または非幾何/ランダム形状であってもよい。アイレット121a−dは、非補強であっても、あるいは、最終用途に適合するために、希望または必要に応じて、例えば穴の直ぐ周囲の膜の熱生成焼灼により補強してもよい。
【0099】
図示される通り、好ましくは、熱封止158a、bは第1および第2バルブパネル150、148の端部161a−dにまで延びない。このようにすれば、図28に示される通り、バルブフラップ163a−dを形成できる。
【0100】
また図示される通り、第2バルブパネル148は第1バルブパネル150よりわずかに短くし、これにより、「前部」アイレット121a、cが「後部」アイレット121b、dのわずかに外側になるようにすることができる。上述の通り、2つのバルブ構成要素間のこの長さの差により、前部アイレット121a、c(したがって、第1バルブパネル150の端部161a、c)が、トラックアーム142aおよび142bに沿って後部アイレット121b、d(したがって、第2バルブパネル148の端部161b、d)のわずかに前方に移動する。この空間は、図28に示される通り、バルブフラップ163a、bを相互に分離させ(バルブ開口155aに対し)、およびバルブフラップ163c、dを相互に分離させる(バルブ開口155bに対し)ことによって、バルブ開口155a、bにおけるフレキシブルバルブ120の開放を容易にする。
【0101】
図21Aおよび図21Bは合わせて、上述の第1ステップと平行に実行できる第2組立ステップを教示している。別の実施形態において説明されるステップと同様に、この製造ステップには、必要に応じて、第1ハウジングパネル144の補強パッチ80の接合を含む。さらに、その後、補強パッチにプルタブ152を接合してもよい。熱封止接合部160は必要な固定を実現できる。言うまでもなく、熱封止の代わりに接着剤を使用することも可能である。さらに、本明細書の別の箇所に述べた通り、補強パッチ80は必ずしも必要でなく、代わりに、例えば長期間の耐久性または反復使用を必要としない場合は、プルタブ152を第1ハウジングパネル144に直接接合してもよい。
【0102】
図22Aおよび図22Bは合わせて、図21Bを参照して説明されたステップの実行に続き得る、第3組立ステップを教示している。このステップは第1ハウジングパネル144の2つの反対方向端部151a、bの縁部を折り曲げることを含む。このステップに先立ち、またはこれに続き、粘着または接着材料(例えばUV硬化接着剤)の2つのリボン162a、bを、図示される通り(図22B)、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部に貼り付けできる。
【0103】
図23Aおよび図23Bは合わせて、すべての構成要素が組み込まれている最終組立ステップを示している。図20Bで説明されたフレキシブルバルブ120は、第2ハウジングパネル146と第1ハウジングパネル144との間に配置される。第2ハウジングパネル146は場合によっては、端部153a、bにおいて接着剤の2つのリボン164a、bで覆われてよい。これらリボン164a、bは、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部に貼り付けられる接着剤リボン162a、bに位置合わせされ得る。次に、これら構成要素は圧縮および硬化ステーションに送られ、そこで、接着剤リボン162a、162b、164a、および164bが活性化され、第1ハウジングパネル144の端部151a、bを第2ハウジングパネル146の端部152a、bに接合される。さらに接着剤リボン164a、bは第2ハウジングパネル146を第2バルブパネル148に接合する。同様に、接着剤リボン162a、bは第1ハウジングパネル144の折り曲げられた縁部151a、bの中心部分を第1バルブパネル150に接合する。
【0104】
図22Bで示される、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部は、いくつかの実施形態においては、有利であり得る。このような折り曲げは、ガセット状の形状を提供し、膨張式容器135の膨張の間において、第1ハウジングパネル144および第2ハウジングパネル146を相互に分離するように引張り、これにより、膨張中の流体取り込みに利用可能な容器の内部容積を増加させることができる。
【0105】
ハウジングパネル144、146の残りの2つの接合されていない端部は、例えば熱封止接合部166aおよび166bによって接合できる。あるいは、第2ハウジングパネル146および/または第1ハウジングパネル144は、このような端部を追加の接着剤リボンで覆い、図示される通り、封止166a、bを形成できる。このようにして、第2ハウジングパネル146の残りの2つの端部は、上述と同じ接着剤圧縮および硬化ステップで第1ハウジングパネル144の端部に接着でき、すなわち、フレキシブルバルブ120をハウジングパネル144、146に接合できる。好ましくは、このようなステップのすべては、フレキシブルバルブ120により提供されるチャネルを通してのみ接続される、周囲環境から分離および封止される膨張式容器内部で生じる。
【0106】
図28は、バルブ開口155aの側から見た(反対側のバルブ開口155bからの斜視図も同一である)、膨張式容器135を膨張させる方法の図を提供する。第1の力157が、例えばプルタブ152により手動でフレキシブルハウジング143に加えられると、図のように、ハウジングの形状が変化する。同時に、第2の力が、例えば支持構造体137(簡単化のために示されていない)によってフレキシブルバルブ120に加えられると、バルブは同様に変形し、バルブ開口155a、bを開いた位置にする。図示される通り、バルブフラップ163a、bが分離していることにより、バルブ開口155aが開いた位置にあるときに、バルブ開口155aの露出を容易にし得る。同様に、バルブフラップ163c、dが分離していることにより、バルブ開口155bが開いた位置にあるときに、バルブ開口155bの露出を容易にし得る。結果的に、周囲環境からの流体159、例えば空気が図示されたようにバルブ開口155a、b内に吸引され、次に、バルブ120を通って流れてフレキシブルハウジング143の内部空洞145に流入し、図示の通り、このようなハウジングを膨張させる。
【0107】
図24は膨張式容器135の組立に続く随意の製造ステップを示し、2つの中央穴156aおよび156bが、第2ハウジングパネル146および第1ハウジングパネル144を同時に貫通している。このとき、穴156aおよび156bは、それぞれ熱封止接合部168aおよび168bで囲まれ得、これにより、膨張式容器の流体保持特性を維持する。このような中央穴156a、bは、例えば支持構造体137(図18)などの「4−アーム」支持構造体を用いるときに、含むことができる。
【0108】
図25は膨張式容器の組立に続く別の随意の製造ステップを示す。このステップでは、中央穴156a、bの形成に加えて、膨張式容器のコーナーが切除され、熱封止接合部170aおよび170bにより封止されている。このとき、ほぼ六角形の膨張式容器135’が結果として得られ、この形状は、切除されたコーナーのない膨張式容器とほぼ同一量の空気を保持するにもかかわらず、最終用途において大きく膨張する利点を有する。この外観の利点を有することは、例えば販売促進、エンドユーザの好みなどに応じて、望ましいこともある。
【0109】
図1に示される実施形態に関して上に述べた通り、本発明による膨張式容器は事前切断膜から製造することもできる。
【0110】
あるいは、膨張式容器は、各容器の構成要素に対応する様々な幅のウェブを使用して、連続的または半連続的に組み立できる。ウェブは組立、切断され、その後、最終ステップとして、所望の膨張式容器構造に封止され得る。図26はこのプロセスを概略的に示す。
【0111】
詳細には、図26は、図18から図25に示される膨張式容器135を製造する製造プロセスの概要図である。巻き戻される各マンドレル180、182、184、および186は、膜の連続ウェブ190、192、194、および196をそれぞれ含む。膜の各ウェブは膨張式容器135の特定の構成要素に対応する。図示されたプロセスでは、ウェブ190は第2ハウジングパネル146に対応し、ウェブ192は第2バルブパネル148に対応し、ウェブ194は第1バルブパネル150に対応し、ウェブ196は折り曲げられていない第1ハウジングパネル144に対応する。さらに、巻き戻されるマンドレル188は、プルタブ152に相当する相対的に薄い膜のウェブ197を含むことができる。
【0112】
図示される通り、フレキシブルバルブ120(図20Bに示される)は、別個の、例えば平行したサブプロセスで組み立てされてもよい。詳細には、ウェブ192(第2バルブパネル148を形成する)はパンチカッターステーション206を通して導かれ、このステーションにおいて、アイレット121bおよび121dを、例えば、ウェブの両方の長手方向端部における一連の平行穴として、ウェブ192内に形成してもよい。同様に、ウェブ194(第1バルブパネル150を形成する)はパンチカッターステーション208を通して導かれ、このステーションにおいて、アイレット121aおよび121cを、例えば、ウェブの両方の長手方向端部における一連の平行穴として、ウェブ194内に形成してもよい。必要に応じて、ステーション206および208において、アイレット121a−dを焼灼または補強してもよい。
【0113】
ステーション206、208から出た後、それぞれのウェブ192、194はニップローラ210により合流され、その後、封止ステーション212において、一連の横方向で平行な熱封止部158a、b(図20B)により一体に接合される。結果としてのウェブ200は、事実上、複数の平行な接続されたフレキシブルバルブ120となる。次に、ウェブ200は「切断および配置」ステーション214に導かれ、そこで、ウェブ200から個々のフレキシブルバルブ120に切断し、図示される通り、例えばウェブ198の上にそれらを位置決めすることができる。
【0114】
別個の、例えば平行なステップにおいて、接着または粘着ストリップ162a、bは、ウェブ196の下側(折り曲げられていない第1ハウジングパネル144に対応する)に、接着または粘着貼付機216によってウェブ(端部151a、bに対応する。図23を参照)の両方の長手方向端部に沿って貼り付けできる。同様に、プルタブ152は、切断機/貼付機218によって、ウェブ197から切断され、例えば熱封止によって、ウェブ196の下側に貼り付けできる。次に、端部折曲げ機220によって端部151a、bを折り曲げ、これにより、折り曲げられたウェブ198を形成できる。図22から図23に示される通り、好ましくは、端部151a、bは、接着または粘着ストリップ162a、bが、ウェブ200上のフレキシブルバルブ120およびウェブ190上の第2ハウジングパネル146と対向関係になるように、折り曲げられる。
【0115】
「切断および配置」ステーション214において、フレキシブルバルブ120はウェブ200から切断され、折り曲げられたウェブ198上に置かれる。貼付機228によって長手方向端部153a、bに貼り付けられた接着または粘着ストリップ164a、bのペアを有するウェブ190は、次に、ニップローラ222によりウェブ198上のフレキシブルバルブ120と合流される。次に、組み合わされたウェブ224は硬化および/または熱封止モジュール226に送られ得、図23Aおよび図23Bに示される組立ステップを完了して、接続された、組立された膨張式容器のウェブ202が形成される。その後、ウェブ202を切断ステーション230で横方向に切断し、個々の膨張式容器135を形成できる。この膨張式容器135は、次に、スタック204内に入れられ得る。スタック204などの容器135のスタックは、次に、図18に示される支持構造体137などの支持構造体上に装填できる。
【0116】
必要に応じて、追加の打抜き/切断ステーションを、例えばニップローラ222の下流に設けて、ウェブ190/198を貫通して中央穴156a、bを形成してもよい。
【0117】
膜のウェブを連続的に熱封止するなどの、代替の組立技術もまた、本発明の容器の製造に利用してもよい。例えば熱封止技術を適用して、折り曲げられたウェブ198にウェブ194を融着することもできる。次に、ウェブ192をウェブ194に融着し、図20Bに示される通り、折り曲げられたウェブ198に融着された、フレキシブルバルブ120を形成できる。次に、ウェブ190をウェブ192およびウェブ198に同時にまたは連続的に融着できる。それぞれのウェブが相互に融着される位置は、図20Bに示された熱封止接合部158a、bの位置および図23Aに示された接着部162a、bの位置と同様であってもよい。必要とするかまたは望む場合は、膜のそれぞれのウェブの特定領域を耐熱インクでコーティングして、例えば望ましくない封止を防止できる。
【0118】
支持構造体、例えば支持構造体14または137は、先に述べた通り、各種の異なる材料を用いて、様々な幾何形状に生成できる。支持構造体はまた、外方向の「第2の」力がフレキシブルバルブに加えられる限り、上述の説明で意味するよりも大幅に短くまたは長く作ってもよい。さらに、支持構造体は均一な厚みである必要はない。例えば、支持構造体自体に作られる小さい変形、または「隆起」は受け入れることができ、このような変形は、トラックに沿った特定の位置における膨張式容器の進行を制限するのに役立ち得、これにより、容器の長い時間での膨張を可能にする。これらの変形の位置を決めて、移動容器のフレキシブルバルブを早目に開放することもできる。先に述べた通り、これは、容器の長い時間での膨張を可能にするのに役立つ。また、上述の支持構造体は、分岐し、その後集合するトラックアームを含むが、これは機能的に不可欠のものではない。実際、トラックアームは後続の集合なく分岐してもよい。トラックアームに変形が加えられる場合、または支持構造体が均一な厚みでない場合、または支持構造体がその全長に沿って容器に横方向の力を加える場合、トラックアームは分岐または集合する必要は全くない。支持構造体のアームはまた、複数の集合部および分岐部を有するように設計できる。さらに、支持構造体14は2つのアームを備え、支持構造体137は4つのアームを備えるが、支持構造体において使用される膨張式容器の特定の構造に応じて、異なる数のアームを用いてもよい。
【0119】
本発明の別の代替の実施形態は図29に示されており、図には膨張式容器232が示されている。上述の実施形態と同様に、膨張式容器232は一般に、内部空洞236を有するフレキシブルハウジング234を含み、ハウジング234は少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されている。膨張式容器232はまた、フレキシブルバルブ238を含む。
【0120】
本発明の上述の実施形態に関連して説明した膨張式容器と異なり、容器232は、膨張を達成するための、案内トラックまたは他の支持構造体を使用しない。代わりに、フレキシブルバルブ238はフレキシブルハウジング234に付着され、ハウジング234の外部の物体240、例えば図示された平坦表面にさらに付着されるように適応される。物体240に関しては、例えば接着結合、機械的結合、熱溶着、圧縮保持などによって、フレキシブルバルブ238をその物体に付着できること以外に、厳格な要件はない。外部物体240の適切な例には、デスク、テーブル、または壁;木、金属、紙(例えば、ファイバボードまたは波形ボード)またはプラスチックから作られた各種の平坦または非平坦な表面;ブラケット、フレーム、または他の取付装置を含む。
【0121】
いくつかの実施形態においては、図示される通り、フレキシブルバルブ238が、実質的に固体されている外部物体240に付着するように適応され得る。これは、容器/バルブが支持構造体に移動可能に取付けられている、上述の実施形態、例えば膨張式容器12、135と対照的である。
【0122】
別の実施形態においては、フレキシブルハウジング234に加えられる力242が所定値より大きいとき、フレキシブルバルブ238は外部物体240から取り外されてもよい。このようにすれば、最終の膨張式容器は使用するために取り外すことができる。このような着脱性を実現する1つの方法が図29に示されており、この方法では、フレキシブルバルブ238は、例えば、図のような各タブと外部物体240との間の結合部246により外部物体240に付着されるように適応された2つのタブ244a、bの少なくとも1つを含んでもよい。結合部246は、例えば接着結合、機械的結合、熱溶着、圧縮保持などであってもよい。タブ244a、bはまた、フレキシブルバルブ238に着脱可能に固定され、これにより、フレキシブルハウジング234に加えられる力242が所定の値を超えると、各タブの少なくとも一部がバルブから取り外されるようにすることができる。これは、例えば、各タブとバルブ238との間に線状の弱い部分248a、bを設けることにより、達成できる。図示される通り、このような線状の弱い部分248a、bは、例えば、タブ244a、bとフレキシブルバルブ238との交差部に、穿孔線を備えてもよい。
【0123】
このようにすると、バルブおよびタブを形成する材料、ならびに線状の弱い部分248a、bの特性、例えば穿孔の寸法および間隔に応じて、引張り力、すなわち、力242が個々の穿孔を分離している領域における、タブ/バルブを構成している材料の引張強さおよび/または引裂強さを超えると、このような線状の弱い部分248a、bが引き裂かれる。
【0124】
上述の実施形態におけるのと同様に、フレキシブルバルブ238は、少なくとも1つの形状変化を受けて、内部空洞236と上記容器が置かれている周囲環境、例えば空気との間に流体連絡を可能にするように適応されている。このようにすると、フレキシブルバルブ238が平坦な物体240などの外部物体に取付けられ、例えばプルタブ250によって手動でフレキシブルハウジング234に力242が加えられると、フレキシブルハウジング234およびフレキシブルバルブ238はそれぞれ、形状変化を受けて、バルブ238を通して周囲環境から流体252を内部空洞236内に吸引する。
【0125】
より詳細には、力242が、例えばプルタブ250によって手動でフレキシブルハウジング234に加えられると、図のように、ハウジングの形状が変化する。同時に、フレキシブルバルブ238がフレキシブルハウジング234および外部物体240に、例えばタブ244a、bにより付着されるため、力242がハウジングに加えられると、バルブの形状もまた変化する。これにより、図示される通り、バルブ開口254a、bは開放位置になり、この結果、周囲環境から流体252、例えば空気をバルブ開口254a、b内に吸引する。このとき、流体252はバルブ238を通って流れ、例えばバルブオリフィス256を通りフレキシブルハウジング234の内部空洞236に流入し、図示される通り、このようなハウジングを膨張させる。
【0126】
フレキシブルバルブ238はペアの並置膜(バルブ)パネルを備えてもよい。フレキシブルバルブ238は、例えば図20Aおよび20Bに関連して上に述べたフレキシブルバルブ120の構造と同様の構造であってもよいが、1)熱封止接合部158a、bがバルブの全長に延びることにより、バルブフラップ163a−dが形成されない、2)アイレット121a−dは必要としない、3)タブ244a、bおよび穿孔線248a、bが第2バルブパネル148の端部161b、dに追加される、ことを除く。また、第1および第2バルブパネルは同一長さであってもよい。フレキシブルハウジング234は上述のフレキシブルハウジング143と同一であってもよく、すなわち、フレキシブルハウジング143へのフレキシブルバルブ120の取付けと同様にハウジング234に付着されたフレキシブルバルブ238を有する、ペアの並置の膜(ハウジング)パネルなどを備えてもよい。
【0127】
次に図30を参照すると、複数の、例えばスタックの膨張式容器232が相互に接続され、ボックス260または他の適切な収容体の内部に配置され得る。スタック258の一番下の膨張式容器262のタブ244a、bは、例えば上述の接着剤または熱接着によって、ボックス260の底面264に接合できる。このように、底面264は、図29に示されるような、一番下の容器262の「外部物体」として役立ち得る。図示される配列において、タブが、例えばすべてのクッション232のそれぞれのタブ244aおよび244bに位置合わせされるように、クッション232を積み重ねることにより、容器232は、例えば接着結合または熱溶着によって、タブ244a、bにより隣接容器に付着させることができる。すなわち、タブ244a、bはコネクタとして機能して、接続された膨張式容器のスタック258内の1つの膨張式容器のフレキシブルバルブ238を別の膨張式容器のフレキシブルバルブ238に取付けることができる。
【0128】
すなわち、スタック258内の一番下の容器262および一番上の容器268を除いて、他のすべての容器266は、その容器のタブ244a、bにより、スタック258内の容器の直ぐ上および直ぐ下の容器に接合され得る。このように、各容器266は、(1)スタック内の容器の直ぐ上の容器のタブ244aと、(2)スタック内の容器の直ぐ下の容器のタブ244aとに接合されるそれぞれのタブ244aを有し得る。同様に、各容器266は、(1)スタック内の直ぐ上の容器のタブ244bと、(2)スタック内の直ぐ下の容器のタブ244bとに接合される、その容器自体のタブ244bを有し得る。一番下の容器262については、その容器のタブ244a、bは上述の底面264と、スタック内のその容器262の直ぐ上の容器のそれぞれのタブ244a、bとに付着される。同様に、一番上の容器268のタブ244a、bは、スタック内のその容器の直ぐ下の容器の対応するタブ244a、bだけに接合される。一番下の容器262を除いて、すなわち、スタック内の他の容器266および268のすべてについては、スタック内のその容器262の直ぐ下の容器が、フレキシブルバルブ238を付着させる「外部物体」になる。
【0129】
全部のタブ244aおよび全部のタブ244bの付着は、図示される容器を積み重ねた後、整列されたタブ244aの各列および整列されたタブ244bの各列に熱を加えて、隣接タブの間を熱溶着することにより、単一ステップで達成され得る。あるいは、各容器のタブは別の容器のタブに連続的に接着、例えば一度に1つの容器に接着または粘着することができる。この手順はまた、各容器のタブの上面および下面領域に接着剤を塗布および活性化することにより効果的に達成できる。最終組立ステップには、一番下の容器262のバルブタブ244a、bをボックス260の底面264に接着することを含む。
【0130】
使用においては、使用者はボックス260の上部に手を入れ(例えば、トップカバー(図示なし)を取り外して)、一番上の容器268のプルタブ250を掴み、力242を加える。一番上の容器268のフレキシブルバルブ238はスタック内のその容器の下の容器のバルブに、例えばタブ244a、bによって付着されているため、力242はフレキシブルハウジング234およびフレキシブルバルブ238の両方の形状を変化させて、フレキシブルバルブ238が開き、上述の通り、周囲流体がバルブを通して容器内に吸引される。膨張後、使用者は、フレキシブルバルブ238からのバルブタブ244a、bの接続を穿孔線248a、bに沿って切断することにより、この膨張した容器268を膨張していない容器266および262のスタックから分離することができる。これは様々な方法で達成でき、その方法の1つは、単に膨張した容器をボックス260に対して斜めに引張り、穿孔線248a、bで「引き裂く」ことである。
【0131】
有利には、本明細書で述べる膨張式容器および膨張機構を用いて、高価な膨張機構を使用する必要のない、信頼性の高い、軽量、小型および環境にやさしい梱包空隙充填システムを提供できる。本発明は、1つには柔軟な容器の膨張のための外部の加圧空気源の必要を無くすることにより、このような望ましい特性の一部を達成する。関連の従来技術におけるこの基本的な利点は、保護梱包に直接関連する技術を除いて、工業分野に悪影響を有する。少数のこのような工業分野には、浮上分離装置(floatation devices)および空気サンプリング装置を製造する工業を含む。
【0132】
例えば、本発明の原理および構造に基づく膨張式浮上分離装置は、浮上分離装置が本明細書で述べる膨張式容器の自然で簡単な拡張であるとき、当業者によって容易に製造可能である。このような浮上分離装置は、多数の同時に膨張される容器ならびに全体寸法の増加した膨張式容器を必要とする。しかし、このような代替品は、本明細書で述べる膨張式容器および膨張機構の教示および基本構造において、完全に見出される。この装置は、いかだの安全ベスト、オイル漏れ封入隔壁などであるとき、電源などのパワー源を必要とせずに即座に膨張させることができる。電気の供給が無い緊急事態においては、このような装置の利点は明瞭に現れる。さらに、本明細書に含まれる教示を、おもちゃのいかだなどに適用することにより、それらおもちゃがボックスから引っ張り出されるときに、このような装置の部分的膨張方法を提供する。
【0133】
本発明の膨張技術を組み込んだ自己膨張マットレスおよび枕は、同様に製造できる。先の膨張式浮上分離装置におけるのと同様に、本発明に基づく自己膨張ベッドは、膨張のために電気または肺活量を必要としない。代わりに、案内トラックに沿って引張られると完全または部分的に膨張し(消費者には便利)、この案内トラックは、ベッドが詰められているボックスの内壁に容易に取付けできる。
【0134】
本発明の最終用途の別の例は、空気サンプリング装置である。この用途で述べられる膨張式容器は、空気などの周囲流体を直接内部に吸入する。その後、空気は自己封止のフレキシブルバルブにより所与の容器内に封入される。これらの膨張式容器は本質的に、空気サンプルを、空気サンプリングポンプと同様に、容器の封入部内に吸引する。さらに、膨張式容器が空気サンプリング容器として使用される場合、この容器は、空気を空気ポンプを通すことなく、直接空気をサンプリングする明瞭な利点を有する。したがって、サンプリングされた空気は、ポンプを通過した場合に生じる汚染を受けない。同様に、膨張式容器はまた、水などの他の流体のサンプル収集に使用できる。
【0135】
本明細書に述べる新規のフレキシブルバルブはまた、他の装置にも適用できる。大部分の自己封止バルブを開くには、ロッドなどの別の物体をバルブ内に配置して、バルブ壁を強制的に開く必要がある。しかし、本発明によるフレキシブルバルブは、横方向の力を加えて開くことができる。膨張式外囲容器またはクッションなどの再使用が望まれる装置では、フレキシブルバルブの変形形態を組み込んで、外囲容器を容易に収縮させることができる。バルブの一端を容器の内面に固定し、その後、使用者がバルブを引張ると、バルブ構造に横方向の力が作用する。したがって、バルブ穴を含むバルブ面が変形して曲がり、バルブが開き、収縮する。同様の利用方法はフォイル自己封止バルーンなどの多くの他の膨張式容器に用いることができる。
【0136】
膨張式容器システムの本明細書における説明は多くの特定性を含むが、これらは、本発明の範囲を限定する解釈されるべきではなく、単に、本発明のここでの好ましい実施形態のいくつかの説明を提供するものである。例えば、容器は必ずしも相互に接続される必要はない。容器はまた、厳密に垂直または水平に矩形のスタックに配置される必要はない。代わりに、容器は垂直渦巻き形スタック、傾斜スタック、円形に巻かれたスタック、または任意の数の他も変形形状に配置されてもよい。
【0137】
2つのバルブ開口が上述の実施形態には示されているが、膨張式容器の適切な膨張および作動には1つのバルブ開口で十分である。また、提示された膨張式容器は一般に、膨張式容器を支持構造体に連結する4つの「アイレット」を含むが、容器に適正な膨張を可能にするには、容器の片面の2つのアイレットで十分である。さらに、必要に応じて、アイレットを補強してもよい。しかし、容器の反復的な再使用を目的としない場合は、このオプションは必要ないと思われる。さらに、前部アイレット76aおよび76bは、必ずしも個別のアイレットタブ74aおよび74b上に形成される必要はない。フレキシブルバルブはバルブ構造体に直接形成されたアイレットを有し、これにより、例えば図18から図26に関して上で述べた通り、アイレットタブ構成要素を削除できる。
【0138】
容器自体は、様々な幾何形状、例えば正方形、長方形、楕円形、または任意の他の数の多角形であってもよい。追加のガセット形状は、容器構造に組み込むことができ(拡張可能な接合部としても知られている)、製造の複雑性およびコストの増加する可能性を代償にするが、ガセットは大容量の容器を可能にする。本発明による自己膨張式梱包外囲容器はまた、容易に製作でき、このような梱包外囲容器は3つの端部に沿って接合される2つの容器から製作でき、これにより、品物を挿入して保護できる、開口を有する「容器内の容器」を効果的に形成できる。
【0139】
また、膨張していない容器/クッションを梱包容器に最初に組み込み、その後膨張させることもできる。この場合、梱包容器も封止され得、その後、支持構造体が詰め込まれた膨張していない容器のアイレットにアクセスできる限り、梱包される容器を膨張させる。容器の寸法はまた大幅に大きくすることができ、この場合、容器はダンネージバッグと呼ばれ得る。言うまでもなく、支持構造体もまた、対応して寸法の増加を必要とする。
【0140】
さらに、説明全体を通して、全体を柔軟材料で構成された膨張式容器の利点を説明してきた。しかし、剛体のアイレット補強または剛体コネクタなどの容器への剛体付加物を形成することも確かにできる。また、単一柔軟材料で構成された膨張式容器を詳細に説明してきたが、様々な複合材料で置き換えることもできる。上述の通り、必要に応じて、剛体構成要素を追加することもできる。
【0141】
例の説明から明らかな通り、膨張式容器の膨張する範囲は、必要に応じて、いくつかの構成要素の幾何形状を変更することにより、増加または減少することができる。例えば、コネクタ82の形状を変更することにより、接続された容器の膨張に影響を与えることができる。前部アイレットタブの配置、支持構造体の幾何形状、ならびにフレキシブルバルブの幅および形状などの他の変更も容器の膨張に影響を与えることができるが、この変更箇所のリストはすべてを網羅していない。
【0142】
さらに、本出願における説明は、複雑な機械装置を必要としない膨張式容器システムの利点を推奨してきたが、必要に応じて、膨張式容器を支持構造体に沿って自動的に引張る、回転または往復機械装置を利用することも可能である。機械装置を利用する場合、このような機械装置は容器の手動による引張りと膨張を単に置き換えるだけであるが、このプロセスも本発明の範囲内に完全に包含される。
【0143】
本発明の好ましい実施形態のこれまでの記述は、例示または説明の目的で提示されている。これは、本発明を網羅するものでも、または本発明を開示された通りの形態に限定することを意図するものでもない。本発明の修正および変更は、上述の教示に照らして可能であり、または本発明の実施から得ることもできる。
【0144】
図4Aから図9Bは、好ましくは、膨張式容器の種々の構成要素の組立および結合において実施される個々のステップを、まとめて示している。これらの図についてのより具体的な説明は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】支持構造体上に置かれた、複数の接続された膨張式容器の斜視図である。この図は、さらに、膨張状態における膨張式容器を示すことによって、本発明の操作方法も示す。
【図2】本発明の膨張式容器の分解組立斜視図であって、膨張式容器のすべての構成要素の相対的な配置を示す。
【図3】膨張式容器が膨張した後の、膨張式容器の簡略化した斜視図である。
【図4A】膨張式容器のフレキシブルバルブと前部アイレットタブとを備える構成要素の分解組立斜視図である。
【図4B】図4Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図5A】膨張式容器の第1ハウジングパネルと第1補強パッチの分解組立斜視図である。
【図5B】図5Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図6A】膨張式容器の第2ハウジングパネルと第2補強パッチの分解組立斜視図である。
【図6B】図6Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図7A】固定された補強パッチと、膨張式容器のコネクタとを備えた第1ハウジングパネルの分解組立斜視図である。
【図7B】図7Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図8A】図4Bに示されたフレキシブルバルブと、膨張式容器の固定された補強パッチを備えた第2ハウジングパネルの分解組立斜視図である。
【図8B】図8Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図9A】図7Bおよび図8Bで示されたサブアセンブリの分解組立斜視図である。
【図9B】図9Aに示されたサブアセンブリが折り畳まれた斜視図であり、サブアセンブリ間の熱封止接合部の位置を示す。
【図10A】本発明の膨張していない複数の膨張式容器の斜視図であって、完全に組み立てられた個々の膨張式容器を相互に接続できる方法を示す。
【図10B】複数のコネクタによって相互に接続される、膨張していない複数の膨張式容器の斜視図である。
【図11A】案内トラックの好ましい実施形態の斜視図であって、ボックスの内部に案内トラックを固定できる1つの方法を示す。
【図11B】図11Aに描かれた案内トラックの上面図である。
【図12A】1つは膨張していない、1つは膨張する間の2つの膨張式容器および案内トラックの簡略化された上面図である。概略図はさらに、膨張式容器が案内トラックに沿って引張られると、横向きの力によって本発明のバルブを開ける方法を示す。
【図12B】横向きの力を合わせて膨張式容器のバルブを開ける方法を示した、さらに簡略化された概略図である。このような横向きの力は、追加の外部からの外向きの力とともに、膨張式容器を膨張させる。
【図13A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図13B】図13Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図14A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの別の代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図14B】図14Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図15A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの別の代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図15B】図15Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図15C】図15Aおよび図15Bで示された代替のフレキシブルバルブを、第1ハウジングパネルおよび代替の第2ハウジングパネルと組み合わせた分解組立斜視図である。
【図15D】図15Cで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図16A】案内トラックの代替実施形態の斜視図である。案内トラックの代替実施形態をボックスの内部に固定する方法もまた示されている。
【図16B】図16Aの点線の円内に含まれる領域の拡大部分詳細図である。
【図17A】本発明の好ましい実施形態の代替の機能方向の斜視図である。
【図17B】本発明の膨張式容器保持構造と、膨張式容器膨張機構の代替実施形態の斜視図である。
【図17C】本発明の膨張式容器保持構造と、膨張式容器膨張機構の代替実施形態の斜視図である。
【図18】本発明の代替実施形態、すなわち、本発明の代替支持構造体上に置かれた、複数の別個の未接続の膨張式容器の斜視図である。
【図19】本発明の膨張式容器の代替実施形態の分解組立斜視図であり、膨張式容器のすべての構成要素の相対的な配置を示す。
【図20A】本発明の代替実施形態のバルブ組立体の分解組立斜視図である。
【図20B】図20Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図21A】本発明の膨張式容器の代替実施形態の、底部ハウジング、底部補強パッチおよび引張タブの分解組立斜視図である。
【図21B】図21Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図22A】図21Bのアセンブリの斜視図である。
【図22B】接着剤が塗布され、端部が折り畳まれている、図22Aのアセンブリの斜視図である。
【図23A】上部ハウジングと、図20Bのバルブアセンブリと、本発明の膨張式容器の代替実施形態の図22Bの底部ハウジングアセンブリの分解組立斜視図である。
【図23B】図23Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置、ならびに接着被膜領域に沿った部分の接合を示す。
【図24】穿孔された中央穴と絶縁熱封止接合部とを備えた、完全に組み立てられた図23Bの膨張式容器の斜視図である。
【図25】穿孔された中央穴と絶縁熱封止接合部と縁取りされたクッション端部とを備え、完全に組み立てられた図23Bの容器の斜視図である。
【図26】図18から図25で示された容器を形成するための組立プロセスの概略図である。
【図27】周囲環境からの流体が、フレキシブルバルブにおけるバルブ開口を通って容器に入る、図1で示された膨張式容器の側面図である。
【図28】周囲環境からの流体が、フレキシブルバルブにおけるバルブ開口を通って容器に入る、図18で示された膨張式容器の側面図である。
【図29】本発明による代替膨張式容器の斜視図である。
【図30】図29に示した代替膨張式容器のスタックの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年3月12日付で出願された米国特許仮出願番号第60/661,314号明細書からの優先権を主張し、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、膨張式容器、より詳細には、このような容器を膨張および封止するのに機械装置を必要としない、自己膨張式および自己封止式の容器に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、膨張式容器は、品物をクッションに包み、包んだ品物を輸送用カートンに入れることによって、または輸送用カートンの中に、輸送される商品とともに1つまたは複数の膨張した容器を単に置くことによって、商品を梱包するためのクッションとして用いられる。クッションは、クッションがなければ運搬中に梱包された商品に完全に伝達される衝撃を吸収することによって、梱包された商品を保護し、また、商品の損傷の可能性をさらに低減するために、梱包された商品のカートン内での動きを制限する。
【0004】
膨張式容器を形成するための多種多様な機械が利用可能である。このような機械は、一般的に、柔軟材料(例えば熱可塑性フィルム)のウェブから始まり、梱包場所で容器を膨らませ、封止する。ウェブは、膨張プロセスの前または最中に、それぞれの容器に分離される。すなわち、各容器は、梱包場所に配達される前にウェブに形成されるか、または梱包場所で、膨張および封止プロセスの一部として、機械によって形成される。機械は、空気または他の流体で各容器を膨張させ、その後容器内に流体を封止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あらゆる機械類と同様に、このような「膨張−封止」機械は、機械の作動を正しく維持するために、資本的経費を伴い、頻繁にメンテナンスしなければならない。これらの欠点は、大規模な梱包作業では許容できるが、例えば小企業または家庭といった小規模の梱包環境では、大きな不利益となる可能性がある。
【0006】
したがって、当分野では、膨張−封止機械を必要とせずに、膨張した梱包用クッションを製造できる膨張式容器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの必要性は、本発明によって満たされる。本発明の一態様では、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つ形状が変化するよう適応されたハウジングと、
b)ハウジングと機能的に結合しているフレキシブルバルブであって、バルブは、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備える膨張式容器であって、
第1の力がハウジングに加わり、第2の力がバルブに加わると、ハウジングとバルブとはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器を設けることと、
b)フレキシブルハウジングの形状を変えるために、フレキシブルハウジングに第1の力を加えることと、
c)フレキシブルバルブの形状を変えるために、フレキシブルバルブに第2の力を加え、それによって、ハウジングとバルブとは、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引することと、
を備える、容器を膨張させる方法に関する。
【0009】
本発明の別の態様は、複数の接続された膨張式容器であって、各容器は上述の容器であり、ハウジングを、複数の接続された膨張式容器の別の膨張式容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタをさらに含む、複数の接続された膨張式容器に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器と、
b)容器を取付ける支持構造体と、
を備える膨張式容器システムに関する。
【0011】
本発明の別の態様は、
a)上述の膨張式容器を設けることと、
b)容器が支持構造体上で動くことができるように、容器を支持構造体上に取付けることと、
c)フレキシブルハウジングの形状を変えるために、フレキシブルハウジングに第1の力を加えるように、支持構造体上の容器を動かすことと、
d)フレキシブルバルブの形状を変えるために、フレキシブルバルブに第2の力を加え、それによって、ハウジングとバルブは、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引することと、
を備える、容器を膨張させる方法に関する。
【0012】
本発明による代替の膨張式容器は、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジングに取付けられたフレキシブルバルブであって、バルブは、ハウジングの外にある物体にさらに取付けられ、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備え、
バルブが外側の物体に取付けられ、力がハウジングに加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する。
【0013】
本発明の関連した別の態様は、複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有するフレキシブルハウジングであって、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジングに取付けられたフレキシブルバルブであって、バルブは、
(1)内部空洞と、
(2)容器が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
c)フレキシブルバルブを、複数の接続された膨張式容器の別の膨張式容器のフレキシブルバルブに取付ける少なくとも1つのコネクタと、
を備え、
力がハウジングに加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する、複数の接続された膨張式容器に関する。
【0014】
有利には、このような容器は、容器を膨張させ、封止するために、どのような機械装置も必要としない。代わりに、容器は自己膨張および自己封止し、一般に安価で、最小限の保管場所を必要とする柔軟材料で構成されている。
【0015】
本発明のこれらおよび他の態様、ならびに特徴は、以下の説明と添付の図面を参照することにより詳細に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1から図28の全体を参照すると、本発明の一態様は、
a)内部空洞(83、145)を有するフレキシブルハウジング(18、143)であって、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたハウジングと、
b)ハウジング(18、143)に機能的に結合されたフレキシブルバルブ(63、120)であって、バルブは、
(1)内部空洞(83、145)と、
(2)容器(12、135)が位置する周囲環境と、
の間で流体連絡するために、少なくとも1つ形状変化を受けるように適応されたバルブと、
を備える膨張式容器(12、135)であって、
第1の力(85、157)がハウジング(18、143)に加わり、第2の力(87)がバルブ(63、120)に加わると、ハウジングとバルブはそれぞれ形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通して内部空洞(83、145)内に流体を吸引する、膨張式容器(12、135)に関する。
【0017】
本明細書で用いられる通り、用語の「柔軟な」は、加えられた力の作用に応じて、損傷を与えずに、様々な確定したおよび不確定な形状に変化し、加えられた力が取り除かれるとほぼもとの形状に戻る能力を有する物体のことを指す。
【0018】
いくつかの実施形態においては、フレキシブルハウジング(18、143)は、ペアの並置の膜パネル(60/62;144/146)を備えてもよく、ハウジングの形状変化は、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動、例えば一方のパネルが他方のパネルから離れて移動すること、または両方が相互に離れて移動することを備える。
【0019】
同様に、フレキシブルバルブ(63、120)は、ペアの並置の膜パネル(64/66;148/150)を備えてもよい。バルブの形状変化は、パネル間でチャネル(例えば、81)を形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える。
【0020】
本発明による膨張式容器の一実施形態が図1に示されている。より具体的には、図1は、複数の膨張式容器12と支持構造体14とを備える膨張式容器システム10を示している。ここに図示されている実施形態においては、膨張式容器12は、膨張していない梱包クッション20、膨張していない梱包クッション24のスタック、および膨張している梱包クッション26を含む、梱包クッションとして使用するように適応されている。これらクッションのすべては同一の構造で、膨張の状態のみが異なる。各梱包クッションは2つのバルブ開口70a、70bを有し(図27参照のこと)、これらを通って、空気が、自己封止式のフレキシブルバルブを通り梱包クッション内へ流れ込むことができる。これについては、直ぐ後に、より詳細に説明する。バルブ開口70a、70bの近くで、案内トラック28または他の支持構造体が、前側アイレット76a−76bおよび後側アイレット72a−72bをそれぞれ貫通する。
【0021】
さらに、各クッションは、コネクタ(例えばコネクタ82)によって、隣接のクッションに接続されることができる。コネクタ82は、コネクタ穿孔86で穴を開けられてもよい。コネクタ82が穿孔86で引き裂かれると、完全に膨張した梱包クッション(図示せず)が分離され得、切り離されたコネクタ84が、補強パッチ80に固定されて残る。補強パッチ80自体は、梱包クッションの第1のハウジングパネル60に固定されている。
【0022】
フレキシブルハウジング18とフレキシブルバルブ63とを含んだ膨張式クッションの各構成要素は、一般に、本明細書で説明する通り、流体を収容できる任意の柔軟材料、例えばポリエチレンホモポリマーまたは共重合体、ポリプロピレンホモポリマーまたは共重合体などの種々の熱可塑性材料を備えることができる。適切な熱可塑性高分子の非限定的な例示として、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレンホモポリマーや、例えばイオノマ、EVA、EMA、不均一(チーグラー・ナッタ触媒)エチレン/α−オレフィン共重合体および均一(メタロセン単座触媒)エチレン/α−オレフィン共重合体などのポリエチレン共重合体がある。エチレン/α−オレフィン共重合体は、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、メチルペンテンなどのC3からC20αオレフィンから選ばれる1つまたは複数のコモノマーを含むエチレンの共重合体である。この共重合体では、ポリマー分子は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、および超低密度ポリエチレン(ULDPE)を含む、比較的数の少ない側鎖分岐を有する長鎖を備える。例えばポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレン共重合体(例えばプロピレン/エチレン共重合体)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネートなどの種々の他の物質も適している。膜は、単層または多層であってもよく、成分重合体(複数可)を溶融し、それらを1つまたは複数の平らなもしくは環状の金型に押し出しまたは同時押し出しすることによる任意の知られている共押し出しプロセスで形成されることができる。耐久性、向上したガスバリヤ機能性などの様々な追加的な特徴を与えるために、例えば、多層の複合材料を使用してもよい。
【0023】
図2は、本発明による梱包クッションの分解組立斜視図を示している。この図は、梱包クッションの全構成要素の相対的な配置を示している。図3は、組立後の膨張した梱包クッション16の簡略化された斜視図を示している。これらの2つの図面は、併せて見ると、第1のハウジングパネル60と第2のハウジングパネル62とがともに、各膨張式容器12に対してフレキシブルハウジング18を備えることができることを示している。
【0024】
図2および図4に示されているように、膨張式容器12は、フレキシブルバルブ63も含み、フレキシブルバルブ63は、第1のバルブパネル66と第2のバルブパネル64とから形成され、容器12のフレキシブルハウジング18内に全体的または部分的に収容されることができる。
【0025】
膨張式容器12が梱包クッションとして用いられる場合、クッションのフレキシブルハウジング18の外面は、典型的には、輸送される物品と直接接触し、したがって、かなり過酷な扱いを受ける可能性がある。これに反して、フレキシブルバルブ63は、一般に、クッションのフレキシブルハウジング18内でほぼ完全に保護され、この結果、このように損傷を与える外部影響から保護されている。このため、クッションのフレキシブルハウジング18は、フレキシブルバルブ63に用いられる材料よりも厚い材料から構成される。例えばクッションのフレキシブルハウジングが破裂する可能性を低減するために、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62はそれぞれ、厚さが約0.5ミル〜約10ミル(例えば、約1ミル〜約8ミル、約2ミル〜約6ミル、約2ミル〜約4ミルなど)の範囲にあるポリオレフィン膜から構成される。この実施形態では、フレキシブルバルブ63は大きな損傷を受けにくいため、バルブの第1および第2パネルは、厚さが、例えば約0.25ミル〜約5ミル(例えば、約0.5ミル〜約4ミル、約0.75ミル〜約3ミル、約1ミル〜約2ミルなど)の範囲にある、より薄いポリオレフィン膜から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブルバルブ63により薄い材料を用いると、より厚い材料で一般に可能であるよりも、空気の漏れが少ない、より効果的な封止体を形成できる。
【0026】
再度図2を参照すると、膨張式容器12に組み込み可能な追加の構成要素には、第1の補強パッチ80と、第2の補強パッチ78と、前部アイレットタブ74a、74bと、コネクタ82とが含まれる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は、容器が膨張している間に生じるいずれかの応力の集中点になることがある。したがって、これらの構成要素は、一般に、フレキシブルハウジング18に用いられる材料相当の厚さの材料から作られる。必要ならば、これらの構成要素のいくつかの耐性は、補強材料でできた追加の層によって向上させることもできる。例えば前部アイレットタブ74a、74bの耐性は、前部アイレット76a、76bの周辺に追加材料を接着、熱封止、あるいは付着することによって、向上させることができる。後部アイレット72a、72bも同様に補強できる。
【0027】
当然ながら、各構成要素の材料選択は、最終的には、梱包クッションを扱う包装作業の需要による。例えば、クッションの再利用に関心がない場合は、前部および後部アイレットは補強する必要がない。さらに、本発明の梱包クッションのメーカーは、各構成要素を同じストック材料から切断することを望む場合もある。例えば、メーカーは、どのクッション構成要素に対しても3ミルのポリエチレンを使用することを望むこともある。このような変更は、クッションの機能性に対する影響が極小さいと予想されるため、材料は、製造コストとクッションの性能の両方を考慮して選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、膨張式容器12の各構成要素は、当分野ではよく知られているように、回転ダイカッタなどの切断機器を利用することによって、何枚ものストック材料から切断できる。例えば切断機は、バルブオリフィス68と第1バルブパネル66とを同時に切断するように容易に設計されることができる。同様に、後部アイレット72a、72bおよび前部アイレット76a、76bは、それぞれ、第2ハウジングパネル62と、前部アイレットタブ74a、74bと同時に切断可能である。コネクタ82内に形成された穿孔86は、製造プロセスの切断段階の直後または前に形成されてもよい。ダイカッタが当分野で用いられることが多いが、例えば線状ポリエチレンなどの平らな材料を様々な形状に切断する、他の多くの方法が、結果として得られる梱包クッションにほとんどまたは全く影響を与えずに利用可能であることが理解されるべきである。
【0029】
図2を参照すると、インクの4つの領域、すなわち、外側の耐熱被膜88a、88b、および内側の耐熱被膜90a、90bが、第2バルブパネル64と対向する第1バルブパネル66の側に印刷され得る。このようなインク被膜の目的は、熱封止プロセス中に3つ以上の材料層を通して熱を伝達することによって起こる、構成要素の望ましくない接合を防ぐためである。梱包クッションのこの特定の実施形態においては、インク被膜は、フレキシブルバルブ63で画定される通路が、偶発的に永久に閉鎖されるのを防ぐ。インク被膜はまた、バルブ開口70a、70b(図1参照のこと)を確実に開いた状態に維持する。熱封止可能な材料でできた2つの部品が、誤ってともに接合されるのを防ぐこの技術は、当業者にはよく知られている。
【0030】
図4Aから図9Bは、膨張式容器の構成要素を組み合わせて一体に結合し、本発明による完成した膨張していない梱包クッションを形成する順序および方法を、まとめて示している。図4Aおよび図4Bはともに、第1の組立ステップを示している。図5Aおよび図5Bは、第1ステップとは別に、およびそれと同時に実施できる組立ステップを教示している。図6Aおよび図6Bは、同様に、第1ステップとは別に、およびそれと同時に実施できる組立ステップを教示している。図7Aおよび図7Bは、第2の組立ステップを教示し、このステップは、図5Aおよび図5Bで教示された組立ステップの後に続く(図5Aおよび5Bのアセンブリの上に構築されるため)。図8Aおよび図8Bは、図4A、図4B、図6Aおよび図6Bで示された組立ステップが完成した後に実施できるが、図7Aおよび図7Bで示された組立ステップとは別におよびそれと平行して実施が可能な別の「第2の」組立ステップを教示している。図9Aおよび図9Bは、個々の梱包クッションを形成するのに用いられる、第3の最終組立ステップを教示している。各組立ステップが、以下の段落で、より詳細に説明される。
【0031】
図4Aは、フレキシブルバルブ63の分解組立斜視図であり、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66の相互の配置を示している。さらに、図4Aは、前部アイレットタブ74a、74bの相対的な配置を、別の図示した部分とともに示している。関連した図4Bは、図4Aの部品が一体に溶接された、組立後の斜視図を示している。さらに、図4Bは、各前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の熱封止接合部92a、92bの位置を示している。また、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間の熱封止接合部92c、92dも示されている。熱封止接合部は、封止可能な材料(例えばポリエチレン)に、当業者によく知られている方法で熱を加えることによって形成できる。前部アイレットタブ74a、74bは、前部アイレット76a、76bと第1バルブパネル66とが交わらないように配置されている。さらに、熱封止接合部92a、92bは、各前部アイレットタブ74a、74bと封止されていない第1バルブパネル66との間で、数センチメートルの重なり領域を残すように、形成されることが好ましい。言い換えると、前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の熱封止接合部は、好ましくは、第1バルブパネル66の端部まで延びてはいない。むしろ、接合部92a、92bは、端部が膨張しやすいように、端部から数センチメートル短くして止めてもよい。
【0032】
図4Bからも明らかなように、第2バルブパネル64は、第1バルブパネル66に中心合わせされる。図4Bはまた、熱封止接合部92c、92dを、第2バルブパネル64の最も長い端部全体に沿って形成できることを示している。さらに、内側の耐熱被膜90a、90bは、接合部と被膜が交わらずに、十分に、熱封止接合部92c、92d間にあり得る。
【0033】
図5Aおよび図5Bは合わせて、第1ハウジングパネル60と第1補強パッチ80の相互の配置を示している。パッチ80をパネル60に接着するために用いられ得る熱封止接合部94の位置が図5Bに示されている。中心線96がまた、第1ハウジングパネル60の長辺と垂直に、パネル60の2つの短辺から等距離に引かれている。中心線96を表示したのは、第1補強パッチ80が、わずかに中心からずれて第1ハウジングパネル60に取付けられ得ることを示すことが意図されている。第1補強パッチ80をずらせて配置する理由は、図7Bの説明からより明らかとなると思われるため、簡単に説明する。
【0034】
図6Aおよび図6Bはともに、第2ハウジングパネル62と第2補強パッチ78の相互の配置を示している。図中、パッチ78は、熱封止接合部98または他の接着手段によってハウジングパネル62に取付けられている。熱封止接合部98の位置は図6Bにも描かれている。中心線100もまた、第2ハウジングパネル62の長辺と垂直に、パネル62の2つの最も離れた点から等距離に引かれている。中心線100の表示は、先に説明した通りに、第2補強パッチ78が、わずかに中心からずれているが、図5Bにおける第1補強パッチ80の第1ハウジングパネルとは反対方向にずれて第2ハウジングパネル62に取付けられ得ることを示すのを容易にするはずである。再度、このような配置を選択した理由は、別の図、すなわち図10Aおよび図10Bの説明から明らかとなろう。
【0035】
図7Aおよび図7Bは合わせて、結合された第1ハウジングパネル60と第1補強パッチ80とコネクタ82の相対的な配置を示している。第1補強パッチ80は、組立のこの段階では第1ハウジングパネル60にすでに取付けられ、コネクタ82と第1ハウジングパネル60との間に位置している。したがって、図7Bの図から、熱封止接合部102によって、例えば、コネクタ82から第1補強パッチ80を通して熱を加えることによって、コネクタ82を第1補強パッチ80に付着できることが分かる。いくつかの実施形態では、コネクタ82は、各クッションの中心線96で、隣接する梱包クッションに張力を加えることができる。このため、図7Bで説明した熱封止接合部102は、好都合には、中心線96の片側にあるが、中心線96と面一であってもよい(例えば、図10参照のこと)。
【0036】
図8Aおよび図8Bは合わせて、図4Aおよび図4Bで説明した、結合されたフレキシブルバルブ63および前部アイレットタブ74a、74bと、図6Aおよび図6Bで説明した、結合された第2ハウジングパネル62および第2補強パッチ78との相対的な配置を示している。図示された各構成要素の相対的な配置の例示的な説明は、以下の通りである。すなわち、第2補強パッチ78に続いて、第2ハウジングパネル62、続いて、まとめて第2バルブパネル64および前部アイレットタブ74a、74b、続いて、最後に、第1バルブパネル66がある。構成要素の相対的な配置は、図2を参照することによって理解することもできる。図8Bは、図示された構成要素のうちのいくつかの間の熱封止接合部の位置を示している。特に、熱封止接合部104a、104b、104c、および104dが第2ハウジングパネル62を第1バルブパネル66に接合し、熱封止接合部104e、104fが第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル64に接合する。熱封止接合部104b、104cは、熱封止接合部104fの終点と交差し、同様に、熱封止接合部104a、104dは、熱封止接合部104eの終点と交差する。図示された構成要素の相対的な配置を考慮すると、図8Bは、内側の耐熱被膜90a、90bによって、熱封止接合部104e、104fの形成からの熱の伝達が、第1バルブパネル66に達しないことが示されている。言い換えると、内側の耐熱被膜90a、90bは、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間にあるため、熱封止接合部104e、104fを形成するのに用いられる熱は、第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル64に接合することのみに有効に作用する。したがって、第2バルブパネル64は、熱封止接合部104e、104fの列に沿って第1バルブパネル66に接合されない。いくつかの実施形態においては、このような望ましくない熱封止接合部を防ぐことは、フレキシブルバルブ63を機能させるのに必要であり得る。
【0037】
図8Bに示された熱封止接合部104a−104fの間の角度は、梱包クッション内で大きなバルブ開口70a、70bを形成する(図27参照)だけでなく、クッションの膨張性を高めることが可能なガセット構造を形成し得る。すなわち、バルブ開口は、クッションにガセット構造を与えることによって、別の役割を果たし得る。この増大した膨張性は、膨張能力の向上に変えることができる。
【0038】
図9Aおよび図9Bはともに、図8Aおよび図8Bで説明したサブアセンブリと、図7Aおよび図7Bで説明したサブアセンブリの相対的な配置を示している。各構成要素の相対的な配置は、以下の通りである。すなわち、図8Aおよび図8Bで教示されたサブアセンブリに続いて第1ハウジングパネル60が、続いて第1補強パッチ80が、続いてコネクタ82がある。図9Bは、図示された構成要素のうちのいくつかの間の熱封止接合部の位置を示している。特に、熱封止接合部106a、106bは、例えば、第1ハウジングパネル60からの熱を第1バルブパネル66に加える封止装置によって、第1ハウジングパネル60を第1バルブパネル66に接合できる。外側の耐熱被膜88a、88bは、第1バルブパネル66と、両方の前部アイレットタブ74a、74bと第2ハウジングパネル62の間にあるため、熱封止接合部106a、106bを形成する熱封止動作によって、望ましくない結合とはならない。特に、外側の耐熱被膜88a、88bは、第1バルブパネル66と前部アイレットタブ74a、74bとが、熱封止接合部106a、106bの列に沿って、望ましくなく接合されるのを防ぐ。耐熱被膜88a、88bはまた、第1バルブパネル66と第2ハウジングパネル62とが、熱封止接合部106a、106bの列に沿って、望ましくなく接合されるのも防ぐ。図9Bはまた、熱封止接合部106c、106dも示している。これらは、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とを接合する。これらの熱封止接合部106c、106dは、好ましくは、それぞれ、熱封止接合部106a、106bと交差している。
【0039】
膨張式容器12の組立ステップの概要は以下のように要約できる。すなわち、第1に、フレキシブルバルブ63となるサブアセンブリが形成され、前部アイレットタブがこのフレキシブルバルブ63に取付けられる。容器の上と第1ハウジングパネルの特定の領域を補強するために、平行して別のプロセスを実行してもよい。次に、コネクタが、補強された第1ハウジングパネルに付着される。最後に、第1および第2ハウジングパネル60、62が覆われ、特定の熱封止パターンで、フレキシブルバルブ63に取付けられる。この要約は、明らかにやや大雑把であり、先に詳述した組立ステップで強調された特定の重要点は含まれていない。このように一般化したのは、上述した実施形態の詳細事項が、単に、限定するものではなく例示であることを意味しているという事実に注意を向けるためである。例えば、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とが、四辺で一体に封止される場合、それらはフレキシブルハウジング18を形成する。あるいは、フレキシブルハウジングは、中心線に沿って折り畳まれ、次に3つの開いた辺に沿って熱封止または接着されたシートから形成できる。適切な材料の扁平チューブのストックを、膨張式容器のフレキシブルハウジングを形成するのに使用できる。この場合、まず、フレキシブルバルブ63がチューブの開放端のうちの一方に挿入され、次に、チューブの開放端が封止して閉じられる。その他の可能な代替案は多くあり、例えば熱封止技術を用いるのではなく、接着剤層を用いて構成要素を接合することなどである。言うまでもなく、多数の他の接着方法をまた代用してもよい。好ましい実施形態では特定の用語が適用されてきたが、それらは、一般的な記載目的で用いられているだけであって、限定する目的ではないことが理解されるべきである。
【0040】
個々の梱包クッションの組立が完了した後、これら一連の組立後の個々の梱包クッションは、図10Aに示された手順で、相互に接続されることができる。組み立てられたクッションはそれぞれ、第1補強パッチ80に取付けられたコネクタ82を有してもよい。第1補強パッチ80自体は、第1ハウジングパネル60に取付けられている。組立後の膨張していない梱包クッション20は、第2ハウジングパネル62が上を向いた状態で、適切な作業空間、コンベアなどの上に平らに配置できる。コネクタ82が、膨張していない梱包クッション20の第2ハウジングパネル62と対向する状態で、別の組立後の膨張していない梱包クッション22を、その中心線96に沿って、完全にまたは部分的に折り畳んで、梱包クッション20上に配置できる。次に、折り畳まれて、まだ膨張していない梱包クッション22のコネクタ82は、平らでまだ膨張していない梱包クッション20の第2補強パッチ78と位置合わせされる。必要ならば、位置合わせにより第2補強パッチ78のマージンを小さくすることによって、図示されている通り、コネクタ82を重ねることによって妨げられない状態に維持できる。次に、コネクタ82は、熱封止接合部108によって、第2補強パッチ78に接合され得る。熱封止接合部108は、図示されている通り、中心線100まで延びてもよい。次に、膨張していない梱包クッション22を広げて、膨張していない梱包クッション20の上に平らに置くことができる。その後、このプロセスを、別の梱包クッションで繰り返すことができる。このように、任意の数の梱包クッションを、各中心軸に沿って相互に接続することができる。図10Bは、コネクタ82によって接続された3つのクッションを示している。複数のクッションを相互に接続して一体化したこれらの構成要素を強調するために、図10Aおよび図10Bは両方とも簡略化されている。
【0041】
接続手順の後、接続された梱包クッションをスタック状に配置でき、それによって各クッション間のコネクタ82を折り畳み、並べて積み重ねることができるようにする。使用中、第2補強パッチ78は2つの目的を果たし得る。1つ目は、クッションが案内トラック28(図1で図示)に沿って引張られると、第2ハウジングパネル62に加わる力をコネクタ82で分散することによって、中心線100で破裂する可能性を低減することである。2つ目は、熱封止接合部108が形成されている間に、他の構成要素が誤って接合されるのを防ぐことである。2番目の目的に関して、第2補強パッチ78は、接合部108に応じて封止作業からの熱の伝達が、他のクッション構成要素に届かないよう作用し得る。この目的は、組立の初期の段階中の耐熱インク被膜88a、88b、90a、90bの目的と類似している。実際、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62とが、十分に厚くて強い材料でできている場合、クッションのフレキシブルハウジング18の破裂を防ぐのに補強パッチ78も80も必要としない。しかし、補強パッチがこのような状況で利用されない場合は、図10Aで説明したクッションの接続手順中に構成要素が意図せずに接合されるのを防ぐために、有利には、耐熱インクでできた別のパッチを、第2ハウジングパネル62の内側に面する辺に印刷してもよい。言うまでもなく、第2ハウジングパネル62の表面にコネクタ82を取付けるために、他の接合方法を用いることもできる。例えば、コネクタ82は接着剤で第2ハウジングパネル62に接着可能である。このような接合手順では、熱は必要としないため、熱遮断機構の必要もなくなる。
【0042】
特定の構造の膨張式容器(例えば梱包クッション)について説明してきたが、本発明は、このような特定の設計の容器に限定されないことが理解されるべきである。上述のように、本発明の上述の実施形態は、構成要素を接合する全般的に好ましい方法として、熱封止を勧めている。この理由は、この方法が、一部には、熱封止が、当分野において、製造および確立を簡単に実現できるからである。しかし、すでに説明した通り、接着剤の塗布などの他の接合方法もまた有効な代替案である。バルブオリフィス68の大きさもしくは形状、または第1バルブパネル66もしくは第2ハウジングパネル62の特定の形状など、他の明らかな変更が、本発明の基本的な機能を変えずに実施可能である。別の例として、梱包クッションのフレキシブルハウジング18は、使用可能な膨張式梱包クッションの形で、必ずしも矩形でなくてもよい。したがって、本明細書の特定の内容は、特許請求される基本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0043】
次に、図11から図12を参照して、支持構造体14の適切な実施形態を説明する。実施形態は、図示の通り、案内トラック28を含んでもよい。案内トラック28は、上述の膨張式容器12を保持し、膨張させるために使用でき、図1で示されている通り、膨張式容器システム10を形成する。このようなシステムでは、容器12は、支持構造体14に可動および/または着脱可能に取付けされてもよい。本実施形態では、案内トラック28は、ボックス42または他の容器に固定されてもよい(図11Aを参照のこと。ボックス42は、明確にすべく透視で示されている)。図示のように、案内トラック28は、ボックス補強部46に取付けできる。ボックス補強部46自体は、ボックス42の内部に固定されている。ワイヤタイ、ステープルまたはプラスチッククランプなどの適切な留め具を、案内トラック28をボックス42内のボックス補強部46に取付けるために用いることができる。これらの留め具の配置が図11Aに示されている。図11では、案内トラック留め具が、参照符号48で示されている。図示の通り、案内トラック28は、案内トラックアーム30a、30bおよび案内トラック背部32を含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、支持構造体14は、その上の容器12の移動(例えば、支持構造体からの容器の除去)によって、フレキシブルバルブ63に「第2の力」が加えられて、フレキシブルバルブ63の形状が変化するように形成できる。例えば図11Bに示される通り、案内トラック28のアーム30a、30bの形状は、アーム30a、30b間の分離距離が変化するようにされてもよい。図示された実施例においては、アーム30a、30bが案内トラック背部32と交差する点で、アーム30a、30b間の距離が最小になる。基準線34と基準線38との間では、距離は最大になるまで徐々に増える。基準線38とアーム30a、30bの開放端との間では、分離距離は、およそ最小になるまで減少する。したがって、容器が基準線38に近付くにつれて、案内トラック28のアームが分岐し、それによって、バルブ63に引張りまたは「第2の力」が加わる。次に、基準線38とアーム30a、30bの開放端との間で、容器がトラックに沿って遠くに移動するにつれて、アームが集まり、それによって、バルブに加わる第2の力が小さくなる。
【0045】
アーム30a、30b間の距離とそれが変化する挙動とは、以下に説明するように、梱包クッションが膨張する程度と容易さを決定する。しかし、案内トラック背部32の形状は、特に機能的に重要ではなく、クッションの膨張の質に直接影響を与えない。
【0046】
案内トラック28は、案内トラック28に要求される特性の許容範囲がかなり広いため、様々な材料から作ることができる。いくつかの実施形態においては、案内トラック28は、望ましくは、過度に柔軟な材料から形成されない。一般に、種々のプラスチック(例えば、ABSなどのスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなど)、金属(例えば硬化鋼)、またはその他の様々な材料が、適切な剛性を与える。好ましい実施形態では、案内トラック28は、鋼などの適切な材料でできたロッドを、上述の形状に曲げることによって構成されている。言うまでもなく、一例として、射出成形などの他の形成方法を利用してもよい。さらに、本実施形態の案内トラック28は、円筒形の「ロッド」から形成されているが、角柱「ロッド」または任意の他の押し出し多角形形状も同様に用いることができる。材料コストを削減するために、案内トラック28は、例えば押し出された「十字」または「I字」型など、特定の延長断面を備えた形状を用いて、作ることもできる。また、中空のパイプであれば、「強度対必要材料」比が向上するであろう。
【0047】
ボックス42は、その主な目的が、案内トラック28に取付面を与えると同時に、クッションと案内トラック28とを収容することであるため、本実施形態では、特定の固有構造ではない。したがって、ボックス42は、ボール紙、プラスチックまたは任意の他の適切な材料で作ることができる。同様に、ボックス補強部46は、例えばボール紙またはプラスチックなど、任意の適切な材料で作ることができ、任意の数の表面接着剤または留め具を用いて、ボックス42の背部内面に固定できる。ボックス補強部46の主たる目的は、確実に、案内トラック留め具48が、ボックス42の背面を裂かないようにし、また、確実に、案内トラック28をボックス42内にしっかりと取付けることである。
【0048】
必要に応じて、ボックス42内の開口44を、例えば、剥離カバーまたは穿孔したボックスの面などでカバーしてもよい。使用者が、梱包クッションを膨張し始めることを選択すると、カバーまたは穿孔した面が引き離され得、開口44が現れる。
【0049】
案内トラック28とボックス補強部46とボックス42を一体に組み立てる1つの可能な方法は、ボックス42が「広げられた」平らな状態の間に、全構成要素を組み立てることである。次に、ボックス補強部46を、ボックス42の適切な面に取付けることができ、その後、案内トラック28を、接合後のボックス補強部46およびボックス42に留めることができる。次に、ボックス42を、ボックス42の適切な端部を接合して、ボックス42の最終的な角柱形状に折り畳むことができる。
【0050】
図1は、ボックスの開口44が、膨張中または膨張後の梱包クッションの通路を収容するような寸法であることを示している。図1はまた、案内トラックアーム30a、30bが、膨張式容器12の前部アイレット76a、76bと後続アイレット72a、72bとを通って送られる方法を示している。このステップは、種々の方法で達成可能であるが、1つの可能性は、先に説明した通り、案内トラック28がボックス42の適切な内面に取付けられた後に、接続後の膨張していない接続された梱包クッションのスタック24を、案内トラックアーム30a、30b上に送り出すことである。このステップは、ボックス42が、その最終形状(例えば角柱)に折り畳まれる前に達成することができる。別のオプションは、案内トラック28がボックス42に取付けられる前に、梱包クッションのスタック24をアーム30a、30bの上に送り出すことである。このオプションは、言い換えると、案内トラック28をボックス42の適切な内面に取付ける前に、案内トラック28にクッションを装填することを含む。
【0051】
膨張式容器12は、容器が支持構造体に取付けられる手段としてアイレット72、76とともに示されているが、他の取付装置を使用して、容器を支持構造体のアームに移動可能に取付けてもよい(例えば、フック、ループなど)。
【0052】
案内トラック28と梱包クッションのスタック24の組立においてさらに考慮されることは、トラックが収容可能なクッションの数である。大部分の実施形態では、図11Bに図示される通り、梱包クッションのスタック24の高さは、案内トラック背部32と基準線34との間の距離を超えないことが望ましい。したがって、案内トラック28が収容可能な梱包クッションの好ましい最大数は、ここで説明した距離にほぼ等しい高さまで積み上げることができるクッションの数に依存する。
【0053】
案内トラック28の寸法に対する梱包クッションの幅に関して、案内トラックアーム30a、30bと案内トラック背部32との2つの交差点間の距離は、各後続アイレット72a、72bの中心間の距離とほぼ等しくてもよい。このように、膨張していない梱包クッションのスタック24は、案内トラック背部32と基準線34との間の領域において、クッションのアイレットと案内トラックアーム30a、30bとの間の張力が最小で、案内トラック28上に支持できる。アーム30a、30b間の最大分離距離は、図11Bにおいて、基準線38に位置している。この距離は、一部、案内トラック28に対して選択される材料、トラックの断面幾何形状およびアーム30a、30bの長さに依存する。これらの要因は合わさり、構造特性、より具体的にはアーム30a、30bの剛性を決定するため、これらの要因はまた、容器がアーム30a、30bに沿って引張られるとき、フレキシブルバルブ63に加わる横方向の力、すなわち「第2の力」も左右する。一般的に、アーム30a、30b間の最大距離は、典型的には、アーム30a、30bの剛性が減少するのにつれて増える。その他に、基準線38で梱包クッションに加わる横方向の力が、フレキシブルバルブ63を開くには十分でない場合もある。しかし、アーム間の最大分離距離と最小分離距離の比(すなわち、基準線34での距離に対する基準線38での距離の比)は、大きすぎてはならない。大きすぎると、クッションがその長さに沿って引張られ、膨張されると、案内トラックは、大きくはね返ることがある。したがって、全体的な案内トラックの幾何形状とトラックの剛性との可能な組み合わせは多数見られるが、制限がないわけではない。
【0054】
ここに示されている実施形態においては、梱包クッションのスタック24を備える膨張式容器12は、図1に示されている通り、開口44と対向する第1ハウジングパネル60を有する。しかし、これは、単に1つの可能な構造であって、数多くの他の構造が可能であることが理解されるべきである。さらに、梱包クッションの詳細な説明の場合と同様に、特定の用語が、支持構造体14の説明で用いられているが、このような詳細は、本発明の限定と取られるべきではない。
【0055】
いくつかの実施形態では、複数の膨張式容器12を順次膨張させることができる。図1を参照すると、使用者45は、まず、膨張式容器(例えば梱包クッション)12を取り出す。こうするために、使用者は、開口44を塞いでいる、何らかのカバーまたは穿孔したボール紙面を取り除く。次に、使用者は、ボックスの開口44内に手を差し入れ、それ自体が前部梱包クッションに接続されている、分離されたコネクタ84を掴む。次に、使用者は、図1で示された方向に分離されたコネクタ84を引張り、それによって、前部梱包クッションを案内トラックアーム30a、30bに沿って移動させる。この動作を開始した直後に、前部クッションは、図11Bに示された基準線34に到達する。先行の移動クッションが基準線34と交差すると、案内トラック28の分岐したアームが、クッションに横方向で外向きの張力を加え始める。この時点で、使用者は、案内トラック28とクッションとの間で大きくなった張力が原因で生じる付随の阻止力を克服するために、わずかに大きな力でクッションを引張る。図11Bの基準線38によって示されたアーム30a、30bの最大距離間隔の平面と交差する前に、フレキシブルバルブ63は開き、クッションが膨張し始める。前部アイレット76a、76bも、後部アイレット72a、72bからそれぞれ分離し始める。さらに、フレキシブルバルブ63が開き、膨張が始まると、第1ハウジングパネル60が、第2ハウジングパネル62から引き離される。
【0056】
前部クッションが膨張し始めた直後に、先行の膨張中の梱包クッション26と、まだ膨張していない梱包クッション20との間のコネクタ82が十分に広げられる。コネクタ82は、その真ん中部分が接続されたクッションの第1および第2ハウジングパネルと垂直になるまで広がる。この特定の動作段階に関する寸描については図1を参照されたい。膨張中の梱包クッション26が、案内トラックアーム30a、30bに沿って、ボックスの開口44から出て移動し続けると、十分に広げられたコネクタ82は、トラックアーム30a、30bに沿って、まだ膨張していない梱包クッション20を引張り始める。まだ膨張していない梱包クッション20が基準線34に到達し、アーム30a、30bが分岐し始めている場合、クッション20の直ぐ前のクッション26と同じようにクッション20も膨張し始める。膨張プロセスは、案内トラック28の長さに沿って引張られる連続したクッションそれぞれに対して同じように続く。
【0057】
前部梱包クッション26が、ボックスの開口44から引き出され、案内トラック28から外れると、使用者は、2つのオプションを提示される。クッション26が案内トラック28の全長にわたり引張られた後に、クッション26はその最大膨張まで展開する。したがって、使用者は、前部クッション26と後続のクッション20とを接合するコネクタ82を、その穿孔86に沿って裂くことを選択できる。その結果、前部クッション26は、案内トラック28上で支持されている、残りの部分的に膨張した梱包クッションとまだ膨張していない梱包クッションから分離される。そして、この先行の膨張後の梱包クッションを、様々な包装容量で使用することができる。あるいは、使用者は、コネクタ82をそのままにして、完全に膨張した前部梱包クッション26を引張り続けることを選択することもできる。その結果、連続したクッションが、案内トラック28に沿って引張られ、それぞれが順次に膨張する。このように、極めて多数のクッションが、中断することなく膨張することができる。所望の数のクッションが膨張すると、使用者は、膨張したクッションを、案内トラック28上に残っているまだ膨張していないクッションから分離することができる。そうするために、使用者は、一連の膨張後の梱包クッションの最後に接合しているコネクタを、案内トラック28上に残っている前部クッションから、案内トラックの穿孔に沿って分離しなければならない。
【0058】
いくつかの実施形態では、所望の膨張度は、クッションの全容積容量の100%ではなく、約60%〜80%の間のいずれかである。部分的に膨張したクッションは、数多くの最終用途において好まれる。これは、主に、部分的に膨張したクッションは、可鍛性があり、パッケージ内の様々な隙間に合うように成形することができるからである。しかし、完全に膨張したクッションは、相対的に硬く、したがって変形しにくい。さらに、部分的に膨張した梱包クッションは、完全に膨張したクッションよりも、変化する大気圧で破裂しにくい。この特徴は、例えば、膨張したクッションで埋められたパッケージを空輸する際に重要となる。しかし、本発明の別の実施形態では、例えば約70%〜100%の間といった、より完全に膨張する度合いが求められる。
【0059】
本発明の動作のさらなる詳細は、ボックス42およびボックスの内容物の移動、すなわち固定されていない特質に関係する。例えば、ボックス42が平らで滑らかな机の面上に置かれている場合、案内トラック28に沿ってクッションを引張ると、おそらく、ボックス42とその内容物も使用者の方へ引張られるであろう。この前方にスライドする移動は、ボックス42の上に手を置き、ボックス42の前方への力にわずかに抵抗することによって、打ち消すことができる。そして、ボックス42を静止位置で保ちながら、使用者の空いた手で、案内トラック28に沿ってクッションを簡単に引張ることができる。本発明の片手の操作は、この好ましい実施形態をわずかに変更することによって達成可能である。これらの変更の大部分は、ボックス42を静止物体(例えばテーブルまたは棚)に効果的に「固定する」か、または案内トラックを垂直に向けなおすことである。このような変更については以下で説明する。
【0060】
フレキシブルバルブ63の開放を決定する構造と、対応する膨張式容器の後続の膨張とが、図12Aおよび図12Bに図示されている。図12Aは、2つのクッション20、26の簡略化された上面図であり、クッション20は膨張しておらず、クッション26は膨張中で、案内トラック28に沿って引張られている。ハウジング18とバルブ63とがそれぞれ、周囲環境からバルブ63を通してハウジング18の内部空洞83内に流体を吸引するように形状変化するために、第1の力がフレキシブルハウジング18に加わり、第2の力がフレキシブルバルブ63に加わると、膨張が生じる。
【0061】
図12Aで前方を指している矢印85は、ハウジング18に加り得る「第1の力」を表している。第1の力は、図示されている通り、梱包作業者または他の使用者が膨張式容器12(例えばクッション26)を引張ると生じ得る。2つの横向きの矢印87a、bは、「第2の力」、すなわち、図示されている通り、ペアの反対方向の第2の力を表している。第2の力が発生するのは、フレキシブルバルブ63に加わる。これは、前部アイレットタブ74a、74b、したがってタブが取付けられるバルブ63が、容器を案内トラック28の分岐アーム上を引張ることから生じる力によって伸びるとき、すなわち、アーム36a、b上の容器12の移動がフレキシブルバルブ63に第2の力を加えて、フレキシブルバルブ63の形状を変えるとき、である。結果として生じた張力87a、bは、バルブ63のバルブパネルのうちの一方の上で、例えば、本実施形態におけるように、その長さに沿って、加えられる。それによって、バルブオリフィス68が、図示のように、形状を変化させ、すぼまった形、すなわち「魚の口」の形に開く。さらに、バルブ63、例えばその第1バルブパネル66に第2の張力87a、bを加えることによって、内部にオリフィス68を備えた第1バルブパネルは、非平面的な3次元の形状を取る。それによって、第1および第2バルブパネル66、64の間にチャネル81が形成され、チャネル81を通って、流体(例えば、空気)が周囲環境から流れることができる。同時に、チャネル81と開放バルブオリフィス68とによって、ハウジング18の内部空洞83と周囲環境、すなわち、容器12が位置する環境の間で流体連絡することができる。
【0062】
フレキシブルバルブ63が開いているとき、第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62に作用する第1の力85はこれらパネルを分離する。第1ハウジングパネル60と第2ハウジングパネル62が分離すると、内部空洞83の内部容積が大きくなる。この容積の増加によって、容器が位置する周囲環境の圧力(例えば大気圧)に対して圧力が低くなり、容器の膨張が開始される。すなわち、ハウジングパネル60、62が分離することと、その結果空洞83の容積が増加することが原因で生じる、内部空洞83内の減圧によって、周囲環境から流体を吸引する駆動力が与えられる。
【0063】
したがって、第1の力85によって、内部空洞83と周囲環境との間に圧力差が生じる。この圧力差によって、周囲環境の流体が、フレキシブルバルブ63に対して流体力を加える。しかし、フレキシブルバルブ63に第2の力87が加わっても、バルブは開かず、周囲の流体の力が流体を空洞83内に押し込めることを可能にする。したがって、理解されるように、第2の力87は、周囲の流体力から独立であり、空洞と周囲環境の間の圧力差(第1の力85がハウジングに加わったためにフレキシブルハウジング18の形状が変化したことよって生じる)によって、周囲の流体を空洞83内に押し込めることを可能にするバルブの形状変化を生じるために、バルブ63に加えられなければならない。このように、フレキシブルハウジング18と、フレキシブルバルブ63と、第1の力85と、第2の力87aおよび/またはbとはすべて、第1の力85によってハウジング空洞内に相対的に負圧を形成し、同時に、第2の力87によってバルブ63を開放することによって、流体を内部ハウジング空洞83に吸引するために、協働して相互作用する。従来の膨張式容器/クッションとは対照的に、流体をハウジング内に送り込むように正圧を形成するために、どのような膨張および封止機械も必要としない。代わりに、流体をハウジング内に吸引するために、すなわち、大気圧によって流体をバルブ63を介して内部空洞83に押し込み可能にするために、ハウジング18内で負圧が形成される。
【0064】
いくつかの実施形態については、膨張した容器12をガセット設計で形成することによって、第1および第2ハウジングパネル60、62の分離を促進できる。より具体的には、図12Bおよび図27に示されたバルブ開口70a、70bは、容器にガセット構造を与えるという別の目的を果たすように形成することができる。このようなガセット容器は、ガセット構造でない場合よりも拡張に対して自由度がある。このような自由度は、膨張のより大きな可能性に相当する。ガセット構造の開口を有するバルブのこのような構成の1つが図8Bに示されている(および上記で説明されている)。
【0065】
フレキシブルバルブ63を開き、および梱包クッションの膨張を促進するために協働する力のより詳細な表示は、膨張中の容器26に関連して、図12Bの概略図で示されている。フレキシブルバルブ63を開く横方向で外向きの「第2の」力87a、bは、このような力を力「a」、「c」と区別するために、図12Bでは、方向矢印「b」、「d」を付けて表記されている。これらの力もまた、以下に説明するように、フレキシブルバルブ63に加えることができる。上に述べた通り、第1バルブパネルを一時的に変形させるために、第2の力87a、bを第1バルブパネル66に加えることができる。これにより、第1バルブパネル66は、湾曲し、第2バルブパネル64から分離され、この作用が、それらの間、すなわち第1および第2バルブパネル66、64の間にフレキシブルバルブ63の開口をチャネル81として形成する。図示されている通り、チャネル81は、バルブ開口70a、bの間に延び、バルブ開口70a、bと連絡して、バルブオリフィス68とも流体連絡する。オリフィスが開いて、チャネル81を通してフレキシブルハウジング18の内部空洞18と周囲環境との間で流体連絡を可能にするように、第2の力87a、bを受けると、バルブオリフィス68も変形し、例えば、すぼまった形になる。
【0066】
「a」、「c」と付された力は、第2の力87a、bの方向「b」、「d」とほぼ平行な方向で加えられ、第2ハウジングパネル/第2バルブパネル62、64のアイレット72a、bと案内トラック28との間の相互作用によって生じ得る。クッション26が案内トラック28の分岐アームに沿って引張られると、前部アイレット76a、76bは、それら自体を後部アイレット72a、72bから遠ざける傾向にある。この分離は、フレキシブルバルブ63、特にバルブ開口70a、70bの完全な開放を容易にする。このアイレットの分離、およびその結果の付着構成要素の分離の発生は、案内トラック28の分岐アームに沿った移動に対するクッションの抵抗に関連する。前部アイレット76a、76bは、膨張式容器上のわずかに異なる位置によって、後部アイレット72a、72bが受けるのとはわずかに異なる引張りを受ける。トラック28に沿った容器の移動の間にアイレットの分離を発生するのは、移動(引張り)に対する抵抗のこのわずかな差にある。引張りにおけるこの差は、前部アイレット76a、bが、フレキシブルハウジング18に対して、後部アイレット72a、bとは異なる横方向の空間を有するように容器を構成することによって、大きくできる。例えば、前部アイレット76a、bは、後部アイレット72a、bのわずかに外側にあってもよい。
【0067】
前部アイレットタブ74a、74bは、図4Bに示される通り、熱封止接合部92a、92bで第1バルブパネル66に接合することができる。好ましくは、前部アイレットタブ74a、74bと第1バルブパネル66との間の重なり領域全体が一体に結合されるのではなく、代わりに、図4Bに示された通り、重なり領域の一部のみが一体に結合されている。このことによって、クッションの展開とそれに対応する膨張において、自由度を大きくできる。
【0068】
フレキシブルバルブ63が開いた後、クッションは、例えば、クッションの一種の幾何学的操作の結果、膨張し始めることができる。図12Bでは、第1ハウジングパネル60に加わる第1の力85は、矢印「f」で表記され、この力の方向を表している。例えば、使用者がクッションを引張ると、使用者によって与えられる第1の力85は、各クッションを案内トラック28に沿って移動させるように作用する。第1の力85は、コネクタ82または分離したコネクタ84を介して、クッションの第1ハウジングパネル60に伝達される。第1ハウジングパネル60、したがってフレキシブルハウジング18全体を第1の力85でこのように操作することによって、膨張式容器内の圧力低下をもたらす。容器が位置する周囲環境が海抜ゼロにおける空気である場合、外部の空気圧は、約1atmであり、これは容器内で低下した空気圧よりも高い。容器の開かれたフレキシブルバルブ63によって、図12Bの点線91で示されているように、圧力平衡に達するまで、フレキシブルバルブ63を通って空気が容器内に流入すると、この圧力差は必然的にゼロになる。それによって、容器は膨張する。
【0069】
したがって、図示した実施形態においては、第1の力85は、第1の方向、すなわち方向「f」で加えられ、一方、第2の力87aおよび/またはbは、第2の方向、すなわち示されているように、ペアの反対向きの第2の方向「b」、「d」で加えられ得る。ここで、第1の方向「f」は、第2の方向「b」、「d」とは異なる。例えば、第1および第2の方向85、87は、図示されているように、相互にほぼ垂直であってもよい。
【0070】
随意に反対方向に加えられることができる力89は、この力の方向を示す表示「e」で示されている。この力は、第1の力85の方向「f」とは反対であってもよい。力89は、コネクタ82によって案内トラック28に沿って引張られている次の梱包クッションによって加えられる重量または引張りによって生じ得る。コネクタ82は、図12Aで示されている通り、前部梱包クッションの第2ハウジングパネル62を、後続の梱包クッションの第1ハウジングパネル60と接続する。しかし、本発明による膨張式容器は、第1の力85のみ加えられ、力89が加えられない場合に、同程度か、またはほぼ同程度まで膨張するので、力89は随意である。
【0071】
図27は、バルブ開口70aから見た(反対側のバルブ開口70bから見ても同じである)容器12の膨張を示す。第1の力85が、例えばプルタブ84により手動でフレキシブルハウジング18に加えられると、ハウジングは図にように変形する。同時に、第2の力が、例えば支持構造体14(簡単化のために示されていない)によってフレキシブルバルブ63に加えられると、バルブは同様に変形し、図のように、バルブ開口70a、bを開いた位置にする。結果的に、周囲環境からの流体91、例えば空気が、図のように、バルブ開口70a、b内に吸入され、この結果、図のように、流体はバルブ63を通って流れ、バルブオリフィス68を通りフレキシブルハウジング18に入り、このようなハウジングを膨張させる。
【0072】
先行の膨張しているクッションの前部および後部アイレットが、アーム30aと30bの間の、図11Bの基準線38で示される最大分離平面に交差すると、フレキシブルバルブ63を開く力は減少し始める。後部アイレット72aおよび72bならびに前部アイレット76aおよび76bは相互に急速に近付く。フレキシブルバルブ63に作用する横方向の力がなくなると、第2バルブパネル64および第1バルブパネル66は、自然に合わさるように元に戻る傾向があり、この結果、チャネル81およびバルブオリフィス68を閉じた位置に戻すことにより、フレキシブルバルブ63を閉じる。梱包クッション内の流体の圧力は、第2バルブパネル64および第1バルブパネル66が合わさるようにするのを支援し、これにより、クッションの封止を強化する。この結果、膨張したクッションは案内トラック28によって作用を受けることがなくなり、クッションは封止される。クッションの表面に作用するいずれかの追加の外部圧力は、クッションの内部圧力を増加させるだけであり、したがって、この追加圧力は、第2バルブパネル64と第1バルブパネル66との間の圧力を増加させ、最終的に、流体漏れに対するさらに緊密な封止を生成する。
【0073】
したがって、いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブ63は、第2の力(例えばバルブ63に対する第2の力87aおよび/または87b)を加えることなく、内部空洞83と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する。例えば膨張式容器内の内部圧力の作用で生じる、結果としての自己封止は、十分でなく、少量の取り外し可能/再封止可能な接着物質、例えばグリセリン、鉱物油、再配置可能接着などを、第1および第2バルブパネル66、64の間に、例えばそれらのバルブパネルの片面または両方の対向面上に配置して、膨張後の自己封止を確実にすることができる。このような接着コーティングにより、第2の、例えば横方向の力の作用によりフレキシブルバルブの開放を可能するが、膨張後の第2バルブパネル64の第1バルブパネル66への結合を確実にする。このような技術は、低圧力条件でのより永久的な封止の形成に有用であり得る。しかし、本発明の、大部分ではないが多くの実施形態/最終用途では、このような取り外し可能な接着の使用は必ずしも必要でない。
【0074】
いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブは、膨張式容器が第2の力、例えば第2の力87aおよび/または87bの印加時に置かれている周囲環境と流体連絡する2つ以上の開口を含むことができる。例えば、このように説明されるフレキシブルバルブ63は、2つのバルブとして効果的に作用するように見ることができる。この理由は、フレキシブルバルブ63は2つのバルブ開口70aおよび70b(図1および27を参照)と、開口からバルブオリフィス68までの2つの対応するバルブ通路(すなわち、第1と第2バルブパネル66、64の間のチャネル81により提供される)とを含み、膨張式容器12に組み込まれた余剰部が存在するからである。これは、例えば、チャネル81がはり付いたり、またはバルブオリフィス68の片側が閉じたままであるような場合に、好都合であり得る。例えば、チャネル81の反対側に第2バルブの通路を有することにより、容器の正しい膨張が可能になる。
【0075】
有利には、本発明による膨張式容器は上記の通り全体を柔軟材料、例えば、上述の熱可塑性膜材料で形成されてもよい。実際、容器は全体を、ポリエチレンホモポリマーまたは共重合体などの単一材料で形成できる。これらの容器の構成要素は構造が平坦(2次元)および単純であり、膨張が流体の強制的注入から、あるいはフォームコアまたは剛性/半剛性構造体の拡大から生じるのでなく、膨張は柔軟な自己開放、自己封止バルブ構造体とフレキシブルハウジングとの間の円滑で連続的な相互作用から生じる。場合によっては、支持構造体、例えば、案内トラック28などの案内トラックを使用してもよいが、支持構造体は膨張の必要がない(以下を参照)。
【0076】
1つまたは複数の膨張式容器の膨張の後に、膨張式容器は様々な梱包容量で使用できる。膨張および封止機械類を用いて形成される梱包クッションが空隙充填材として使用されるのと同一方法で、本発明による膨張した容器もまた梱包クッションとして利用できる。このようなクッションは、輸送されるいずれかの品物とともに輸送用カートンの内部に単に置かれ得る。このとき、クッションは品物と輸送用カートンの内壁との間のいずれかの空隙を充填するように作用する。このように使用されるとき、クッションは梱包された品物のカートン内部での移動を制限し、これにより、輸送中の品物の損傷の可能性を低減させる。さらに、流体充填クッションもまた、クッションがなければ全体が品物に伝達されるであろうあらゆる衝撃を吸収することにより、梱包された品物を保護するように作用し得る。
【0077】
使用後、膨張した容器、例えばクッションは、廃棄、再使用、または再生利用されてもよい。使用済の梱包容器を廃棄するとき、容器を破壊するか、またはフレキシブルバルブ63を通して各容器から空気を抜くことにより容器の容積を大幅に減少できる。例えばペンあるいは案内トラックアーム30aまたは30bの端部などの細長い物体がバルブ開口70aまたは70bのいずれかの内部に挿入される場合、フレキシブルバルブ63により生成された封止を一時的に破壊できる。この作用により梱包容器からの空気の放出が生じ、これにより容器を収縮させる。あるいは、膨張した梱包容器は案内トラックアーム30aおよび30b上を後方に戻すことができる。膨張の間において協働してフレキシブルバルブ63を開く、同一の横方向の力は、同様に、収縮のためにフレキシブルバルブ63を再度開くことができる。このようにしてバルブが再度開されると、梱包容器は、第1ハウジングパネル60および第2ハウジングパネル62を合わさるように押し付けることにより、平坦にすることができる。梱包容器の将来の再使用を望む場合、容器は、これらの「バルブを開く」方法のいずれかによって収縮させることができ、次に、必要をされるまで保管できる。梱包作業者がこれらの収縮した容器を再膨張させることを望む場合、作業者は容器を案内トラック28上で元に戻し、それら容器を、最初に膨張させたのと同一方法で再膨張させることができる。あるいは、作業者は手動で、バルブ開口70aまたは70bのいずれかに空気を吹き込み、これにより、より一般的な方法で容器を膨張させる。さらに、本発明の梱包容器は、低密度ポリエチレンなどの単一材料で形成してもよく、再生利用は別の実行可能なオプションである。
【0078】
先の説明では本発明の一実施形態の構造および動作を教示している。様々な代替形態が、例えば、フレキシブルバルブ、支持構造体、およびフレキシブルハウジングの設計に関して存在する。
【0079】
例えば、図13Aおよび図13Bは、参照符号63’により表されているフレキシブルバルブの代替の実施形態を示す。この実施形態においては、図4Aおよび図4Bにおいて符号64で表記された第2バルブパネルが変更されている。図13Aでは、この代替の実施形態において符号110により表記された第2バルブパネルの代替形状は、第2バルブパネル110の主「幹部」113からの4つの細い「分岐部」111を含む。したがって、代替の第2バルブパネル110は、第1バルブパネル66に、両方のバルブパネル重なった周辺の大部分に沿って結合されてもよい。図13Bに示される2つの熱封止接合部114aおよび114bはこの結合の一部を達成する。この代替のフレキシブルバルブが、図8Bで示される通り、第2ハウジングパネル62に接合されるとき、熱封止接合部104a−104dは第2ハウジングパネル62を第2バルブパネル110の「分岐部」111に沿って代替のフレキシブルバルブに接着し、この接合部自体は第1バルブパネル66に付着される。この方法では、結果としてのクッションは縮小傾向を有し、使用中の流体漏れを発生させる可能性がある。
【0080】
フレキシブルバルブの別の代替の実施形態が図14Aおよび図14Bに示されており、参照符号63’’で表されている。この実施形態においては、第1バルブパネルのバルブオリフィス116は、図4Aに示された実施形態のバルブオリフィス68より小さい。さらに、第2バルブオリフィス118はこの代替の実施形態の第2バルブパネル内に形成される。この代替の実施形態は、バルブオリフィスが特定寸法でなくてもよいことを実証している。また、対応する封止能力の損失を伴うことなく、第2バルブパネルに追加の穴を形成できる。いくつかの例では、第1および第2バルブパネルの両方に形成された穴を有するバルブは、膨張式容器12の内部83に大きな空気量が流入することを可能にする。
【0081】
フレキシブルバルブに関する別の変形形態は、バルブオリフィスの形状の変更を含む。実際、様々な円形、楕円形および多角形形状の穴を、図示された実施形態のダイヤモンド形のバルブ穴に置き換えできる。
【0082】
フレキシブルバルブのさらに別の代替の実施形態が図15A、15B、15Cおよび15Dに示されている。この実施形態では、代替の第2バルブパネル122は第1バルブパネル66の全体外形形状と同様である。第2バルブパネル122はまた、図15Aに示される通り、それの内面に取付けられた前部アイレット77aおよび77bに組み込まれた前部アイレット75aおよび75bを有する。第2バルブパネル122は、2つの熱封止接合部124aおよび124bにより第1バルブパネル66に接合できる。このような接合手順から形成される代替のフレキシブルバルブは、次に、代替の第2ハウジングパネル126および第1ハウジングパネル60を含むことができる、膨張式容器の主ハウジング内に組み込まれる(図15C)。これに関しては、熱封止接合部130a−130dを用いて、第1バルブパネル66を第1ハウジングパネル60に接合し、およびまた、第2ハウジングパネル126の2つの長辺端部を第1ハウジングパネル60に接合することができる(図15D)。これらの熱封止接合部は第1ハウジングパネル60から第2ハウジングパネル126まで適用できる。同様に、熱封止接合部128a−128dを用いて、第2ハウジングパネル126を第2バルブパネル122および第1ハウジングパネル60の両方に接合できる。この一連の熱封止接合部は、第2ハウジングパネル126から第1ハウジングパネル60まで適用できる。これらの一連の熱封止接合部の両方は上部周辺および第1ハウジングパネルに沿ってほぼ同一経路を取り、本質的には相互に重なり得る。
【0083】
この実施形態は、代替の第2バルブパネル122が第1バルブパネル66とほぼ同一である理由から(および、実際に、大きな設計変更なく完全に同一で製造できる)、製造面において有利である。したがって、構成要素の変更がほとんど必要でなくなる。
【0084】
案内トラックおよびボックスアセンブリの多くの変形形態が可能であり、その1つが図16Aに示されている。この実施形態においては、案内トラックは簡単化され、適切な支持体、例えば壁面またはボックスに着脱可能に取付けできる、案内トラックアームだけを含む(図示の通り)。図において、これらの着脱可能な案内トラックアームは36aおよび36bで表記されている。アーム36aおよび36bが取り外され、別のどの構成要素にも接続されないとき、これらアームは膨張していない梱包クッションのスタックのアイレットを通して送り出すことができる。これは、図16Aではボックス補強部46の最近傍にある、アームの直線部分上にクッションのスタックを送り出すことにより、最も容易に達成される。次に、着脱可能なアーム36aおよび36bはボックス42内、または例えば壁面上に組み込むことができる。
【0085】
着脱可能なアーム36aおよび36bの直線部分上に梱包クッションを装填した後、アームをボックス42の背面に接続できる。関連する接続機構は、図16Bに詳細に示される。ベースプレート50aおよび50bが、案内トラック固定具56を用いてボックス補強部46およびボックス42の背面の両方に結合される。これらの案内トラック固定具56は様々な実施形態であってもよく、例えばナットおよびボルト、リベットなどでもよい。固定具56は、ベースプレート穴52を通りナットまたはピンなどで固定される。ベースプレートは、取付けられた案内トラック安定具54aおよび54bを含むことができる。安定具54aおよび54bは、ベースプレート50aおよび50bを着脱可能な案内トラックアーム36aおよび36bに確実に接続するのに役立つ。図16Bの詳細な部分に示される通り、着脱可能な案内トラックアームの1つが案内トラック安定具内に挿入された後、固定ペグ58を用いてアームを安定具内にロックする。
【0086】
支持構造体14の形態および規模の様々な代替の実施形態もまた可能である。例えば、図17Aは図1に示された実施形態を表し、この実施形態では、ボックス42は、図1に示す水平位置でなく垂直位置の方向である。この代替の位置により、梱包クッションをボックス42の上側方向および外側方向に引張ることができる。これは、水平向きのボックス42に必要とされるデスクスペースに悩む梱包作業者にとっては重要なオプションである可能性がある。
【0087】
本発明の規模はまた、様々な梱包の必要性に適合するために拡大することができる。図17Bは本発明の拡大版を示す。この拡大版では、支持構造体は上述のボックス内部で囲まれても、また内部に取付けられてもいない。代わりに、支持構造体は自立の支持構造体14’を備えてもよく、この構造体はベース131、直立スタンド132、および直立スタンドから、例えば図のように垂直方向に延びるペアの案内トラックアーム133を備えてもよい。この自立構造体14’は台の上面に置くことができ、あるいは十分に縦長である場合、床面に直接置くことができる。使用者は上述と同様な方法で、案内トラックアーム133に沿って容器12を引っ張り出すことができる。図示されている通り、容器12を下方に引張り、容器を膨張させることができる。
【0088】
別の変形形態としては、図17Cに示される支持構造体14’’は、台の上面またはデスクの端部に配置するように設計される(模型で示されている)。この構造体14’’は、台の上面、デスク、または他のこのような物体の縁部または端部に係合する、支持ブラケット134により所定の位置に保持されてもよい。この同一実施形態はまた、棚、ドアなどに掛けられてもよく、図17Bの通り、下方に垂直方向に向けて作動されてもよい。図17Bに示される支持構造体14’におけるのと同様に、この変形形態はまた、構造体14’’に沿って容器12を引張る前方への作用が、構造体を台の上面またはデスクに固定する支持ブラケット134により妨げられるとき、片手で作動することもできる。
【0089】
本発明の別の代替の実施形態が図18に示されている。図1と同様に、図18は、複数の代替の膨張式容器135および支持構造体137を備える膨張式容器システム141を示す。膨張式容器12と同様に、膨張式容器135は、フレキシブルハウジング(143)およびフレキシブルバルブ(120)を含み、膨張式容器12に関連して上に述べたのと同一の一般原理に従って作動される。したがって、容器135は、ハウジング135に第1の力を加え、バルブ120に第2の力を加えることにより、ハウジングおよびバルブのそれぞれが形状変化を受けて、周囲環境からバルブを通してハウジングの内部空洞145内に流体を吸引することで、膨張し得る。
【0090】
図1に関連して述べた実施形態におけるのと同様に、膨張式容器135はまた、梱包クッションとしての使用に適応でき、膨張していない梱包クッション139、膨張していない梱包クッションのスタック136、および膨張している梱包クッション138の形体を取ることができ、それらのすべては構造が同一で、それらの膨張状態のみが異なる。
【0091】
容器のこの実施形態では、120で表されるフレキシブルバルブは全体に、アイレット121a−dと一体化され(図19を参照)、先に述べた実施形態におけるようなアイレットタブの必要をなくしている。図示の通り、アイレット12a、cは「前部」アイレットと称され得、これは、容器135が支持構造体137に沿って引張られたときに、「後部」アイレット121b、dに先行するからである。
【0092】
フレキシブルバルブ120は第1バルブパネル150および第2バルブパネル148を備える。バルブ120は同一原理によって機能する。すなわち、上述の実施形態のフレキシブルバルブと同様に、横方向の力(すなわち、「第2」の力)を加えることで開く。したがって、好ましくは、バルブ120はさらに、実質的に自己封止バルブ、すなわち、容器135が膨張した後に封止するバルブである。いくつかの実施形態においては、フレキシブルバルブ120は図示の通り、矩形形状であってもよい。これは製造面から有利であって、例えば、バルブの製造中における、バルブを構成する熱可塑性膜の切断廃棄物を最小にできることである。さらに、フレキシブルバルブ120が一体化したアイレット121a−dを含むことができるため、組立、配置、および上述の実施形態のアイレットタブの熱接合を含む製造工程をなくすることができる。
【0093】
この実施形態においては、異なる支持構造体137が使用されてもよい。詳細には、支持構造体137は、図示された案内トラック140の形体を取ることができる。案内トラック140は、上述の実施形態の2つのアームでなく、4つの案内トラックアーム142a−142dを含むことができる。したがって、膨張式容器135は各容器のフレキシブルハウジング143内の中央穴156a、bを含むことができる(図24から図25も参照)。案内トラックアーム142aおよび142bはフレキシブルバルブ120の組み込まれたアイレット121a−dを通して送り出される。案内トラックアーム142cおよび142dはフレキシブルハウジング143内の中央穴156a、156bを通して送り出すことができる。追加の案内トラックアームおよび穴、すなわち、アーム142c、dおよび中央穴156a、bを用いることは、膨張中の容器、例えば大きい寸法の容器に対する追加の安定性を提供するために、いくつかの実施形態においては有利であり得る。
【0094】
膨張式容器12におけるのと同様に、容器135は、容器を、支持構造体上で移動できるように、支持構造体137に取付けることにより、膨張させることができる。このとき、容器135を支持構造体137上で移動することにより、例えば、図18に示されるように容器を引張ることにより、フレキシブルハウジング143に第1の力を加えてハウジングの形状を変化させ、フレキシブルバルブ120に第2の力を加えてバルブの形状を変化させることにより、例えば、フレキシブルバルブの両端を支持構造体の分岐した案内トラックアーム142a、bに付着することにより、容器が支持構造体に沿って移動するとき、バルブに張力を加えるため、膨張は効果的にできる。この方法では、フレキシブルハウジング143は形状変化し、例えば膨張し、内部空洞145内に周囲より低い圧力を生成する。同時に、フレキシブルバルブ120は形状が変化し、周囲環境と内部空洞との間の流体連絡をもたらす。結果的に、ハウジングおよびバルブは協働して、周囲環境からバルブを通して内部空洞内に流体を吸引する。
【0095】
この実施形態においては、膨張式容器135は相互に接続されない。代わりに、各容器は補強パッチ80および個々の、すなわち接続されないプルタブ152を備え得る。したがって、理解されるように、本発明による、および本明細書に述べる実施形態のいずれかによる膨張式容器は、意図する最終用途に適合するために、必要に応じて、接続されてもよく、あるいは容器と容器を非接続に設計されてもよい。例えば、大きい容積の容器の用途、例えば企業の郵便室における使用に対しては、容器は接続されるのが有利である。この理由は、すなわち、膨張しつつある/膨張した容器の「ストリング」を支持構造体から離すように引張ることにより、複数の容器を膨張する速度を高めることができるからである。他の用途では、例えば家庭用では、同時の1つの容器の膨張はより一般的であって、この場合には、容器は接続されていないことがより適切である。
【0096】
図19は、図18に示される実施形態の単一の膨張式容器135の分解組立斜視図を示す(随意の中央穴156a、bは省略)。この図は容器の構成要素の相対的配置を示す。
【0097】
図20Aから図23Bはまとめて、膨張式容器135の構成要素を組立、および一体に接合して完全な膨張していない容器135を形成する順番および方法を示す。
【0098】
図20Aおよび図20Bは合わせて、第1組立ステップを示しており、このステップでは、第2バルブパネル148および第1バルブパネル150(バルブオリフィス154を有する)は、それらパネル長辺の部分に沿って2つのほぼ平行の熱封止接合部158a、bにより接合され得る。アイレット121a−dは、パネルに適切な寸法の穴を切るかまたは打抜くことにより、バルブパネル148および150に組み込まれてもよい。穴は、円形、楕円形、または図示されたような丸みのある矩形であってもよく、あるいは必要に応じて、任意の他の幾何形状または非幾何/ランダム形状であってもよい。アイレット121a−dは、非補強であっても、あるいは、最終用途に適合するために、希望または必要に応じて、例えば穴の直ぐ周囲の膜の熱生成焼灼により補強してもよい。
【0099】
図示される通り、好ましくは、熱封止158a、bは第1および第2バルブパネル150、148の端部161a−dにまで延びない。このようにすれば、図28に示される通り、バルブフラップ163a−dを形成できる。
【0100】
また図示される通り、第2バルブパネル148は第1バルブパネル150よりわずかに短くし、これにより、「前部」アイレット121a、cが「後部」アイレット121b、dのわずかに外側になるようにすることができる。上述の通り、2つのバルブ構成要素間のこの長さの差により、前部アイレット121a、c(したがって、第1バルブパネル150の端部161a、c)が、トラックアーム142aおよび142bに沿って後部アイレット121b、d(したがって、第2バルブパネル148の端部161b、d)のわずかに前方に移動する。この空間は、図28に示される通り、バルブフラップ163a、bを相互に分離させ(バルブ開口155aに対し)、およびバルブフラップ163c、dを相互に分離させる(バルブ開口155bに対し)ことによって、バルブ開口155a、bにおけるフレキシブルバルブ120の開放を容易にする。
【0101】
図21Aおよび図21Bは合わせて、上述の第1ステップと平行に実行できる第2組立ステップを教示している。別の実施形態において説明されるステップと同様に、この製造ステップには、必要に応じて、第1ハウジングパネル144の補強パッチ80の接合を含む。さらに、その後、補強パッチにプルタブ152を接合してもよい。熱封止接合部160は必要な固定を実現できる。言うまでもなく、熱封止の代わりに接着剤を使用することも可能である。さらに、本明細書の別の箇所に述べた通り、補強パッチ80は必ずしも必要でなく、代わりに、例えば長期間の耐久性または反復使用を必要としない場合は、プルタブ152を第1ハウジングパネル144に直接接合してもよい。
【0102】
図22Aおよび図22Bは合わせて、図21Bを参照して説明されたステップの実行に続き得る、第3組立ステップを教示している。このステップは第1ハウジングパネル144の2つの反対方向端部151a、bの縁部を折り曲げることを含む。このステップに先立ち、またはこれに続き、粘着または接着材料(例えばUV硬化接着剤)の2つのリボン162a、bを、図示される通り(図22B)、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部に貼り付けできる。
【0103】
図23Aおよび図23Bは合わせて、すべての構成要素が組み込まれている最終組立ステップを示している。図20Bで説明されたフレキシブルバルブ120は、第2ハウジングパネル146と第1ハウジングパネル144との間に配置される。第2ハウジングパネル146は場合によっては、端部153a、bにおいて接着剤の2つのリボン164a、bで覆われてよい。これらリボン164a、bは、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部に貼り付けられる接着剤リボン162a、bに位置合わせされ得る。次に、これら構成要素は圧縮および硬化ステーションに送られ、そこで、接着剤リボン162a、162b、164a、および164bが活性化され、第1ハウジングパネル144の端部151a、bを第2ハウジングパネル146の端部152a、bに接合される。さらに接着剤リボン164a、bは第2ハウジングパネル146を第2バルブパネル148に接合する。同様に、接着剤リボン162a、bは第1ハウジングパネル144の折り曲げられた縁部151a、bの中心部分を第1バルブパネル150に接合する。
【0104】
図22Bで示される、第1ハウジングパネル144の端部151a、bにおいて折り曲げられた縁部は、いくつかの実施形態においては、有利であり得る。このような折り曲げは、ガセット状の形状を提供し、膨張式容器135の膨張の間において、第1ハウジングパネル144および第2ハウジングパネル146を相互に分離するように引張り、これにより、膨張中の流体取り込みに利用可能な容器の内部容積を増加させることができる。
【0105】
ハウジングパネル144、146の残りの2つの接合されていない端部は、例えば熱封止接合部166aおよび166bによって接合できる。あるいは、第2ハウジングパネル146および/または第1ハウジングパネル144は、このような端部を追加の接着剤リボンで覆い、図示される通り、封止166a、bを形成できる。このようにして、第2ハウジングパネル146の残りの2つの端部は、上述と同じ接着剤圧縮および硬化ステップで第1ハウジングパネル144の端部に接着でき、すなわち、フレキシブルバルブ120をハウジングパネル144、146に接合できる。好ましくは、このようなステップのすべては、フレキシブルバルブ120により提供されるチャネルを通してのみ接続される、周囲環境から分離および封止される膨張式容器内部で生じる。
【0106】
図28は、バルブ開口155aの側から見た(反対側のバルブ開口155bからの斜視図も同一である)、膨張式容器135を膨張させる方法の図を提供する。第1の力157が、例えばプルタブ152により手動でフレキシブルハウジング143に加えられると、図のように、ハウジングの形状が変化する。同時に、第2の力が、例えば支持構造体137(簡単化のために示されていない)によってフレキシブルバルブ120に加えられると、バルブは同様に変形し、バルブ開口155a、bを開いた位置にする。図示される通り、バルブフラップ163a、bが分離していることにより、バルブ開口155aが開いた位置にあるときに、バルブ開口155aの露出を容易にし得る。同様に、バルブフラップ163c、dが分離していることにより、バルブ開口155bが開いた位置にあるときに、バルブ開口155bの露出を容易にし得る。結果的に、周囲環境からの流体159、例えば空気が図示されたようにバルブ開口155a、b内に吸引され、次に、バルブ120を通って流れてフレキシブルハウジング143の内部空洞145に流入し、図示の通り、このようなハウジングを膨張させる。
【0107】
図24は膨張式容器135の組立に続く随意の製造ステップを示し、2つの中央穴156aおよび156bが、第2ハウジングパネル146および第1ハウジングパネル144を同時に貫通している。このとき、穴156aおよび156bは、それぞれ熱封止接合部168aおよび168bで囲まれ得、これにより、膨張式容器の流体保持特性を維持する。このような中央穴156a、bは、例えば支持構造体137(図18)などの「4−アーム」支持構造体を用いるときに、含むことができる。
【0108】
図25は膨張式容器の組立に続く別の随意の製造ステップを示す。このステップでは、中央穴156a、bの形成に加えて、膨張式容器のコーナーが切除され、熱封止接合部170aおよび170bにより封止されている。このとき、ほぼ六角形の膨張式容器135’が結果として得られ、この形状は、切除されたコーナーのない膨張式容器とほぼ同一量の空気を保持するにもかかわらず、最終用途において大きく膨張する利点を有する。この外観の利点を有することは、例えば販売促進、エンドユーザの好みなどに応じて、望ましいこともある。
【0109】
図1に示される実施形態に関して上に述べた通り、本発明による膨張式容器は事前切断膜から製造することもできる。
【0110】
あるいは、膨張式容器は、各容器の構成要素に対応する様々な幅のウェブを使用して、連続的または半連続的に組み立できる。ウェブは組立、切断され、その後、最終ステップとして、所望の膨張式容器構造に封止され得る。図26はこのプロセスを概略的に示す。
【0111】
詳細には、図26は、図18から図25に示される膨張式容器135を製造する製造プロセスの概要図である。巻き戻される各マンドレル180、182、184、および186は、膜の連続ウェブ190、192、194、および196をそれぞれ含む。膜の各ウェブは膨張式容器135の特定の構成要素に対応する。図示されたプロセスでは、ウェブ190は第2ハウジングパネル146に対応し、ウェブ192は第2バルブパネル148に対応し、ウェブ194は第1バルブパネル150に対応し、ウェブ196は折り曲げられていない第1ハウジングパネル144に対応する。さらに、巻き戻されるマンドレル188は、プルタブ152に相当する相対的に薄い膜のウェブ197を含むことができる。
【0112】
図示される通り、フレキシブルバルブ120(図20Bに示される)は、別個の、例えば平行したサブプロセスで組み立てされてもよい。詳細には、ウェブ192(第2バルブパネル148を形成する)はパンチカッターステーション206を通して導かれ、このステーションにおいて、アイレット121bおよび121dを、例えば、ウェブの両方の長手方向端部における一連の平行穴として、ウェブ192内に形成してもよい。同様に、ウェブ194(第1バルブパネル150を形成する)はパンチカッターステーション208を通して導かれ、このステーションにおいて、アイレット121aおよび121cを、例えば、ウェブの両方の長手方向端部における一連の平行穴として、ウェブ194内に形成してもよい。必要に応じて、ステーション206および208において、アイレット121a−dを焼灼または補強してもよい。
【0113】
ステーション206、208から出た後、それぞれのウェブ192、194はニップローラ210により合流され、その後、封止ステーション212において、一連の横方向で平行な熱封止部158a、b(図20B)により一体に接合される。結果としてのウェブ200は、事実上、複数の平行な接続されたフレキシブルバルブ120となる。次に、ウェブ200は「切断および配置」ステーション214に導かれ、そこで、ウェブ200から個々のフレキシブルバルブ120に切断し、図示される通り、例えばウェブ198の上にそれらを位置決めすることができる。
【0114】
別個の、例えば平行なステップにおいて、接着または粘着ストリップ162a、bは、ウェブ196の下側(折り曲げられていない第1ハウジングパネル144に対応する)に、接着または粘着貼付機216によってウェブ(端部151a、bに対応する。図23を参照)の両方の長手方向端部に沿って貼り付けできる。同様に、プルタブ152は、切断機/貼付機218によって、ウェブ197から切断され、例えば熱封止によって、ウェブ196の下側に貼り付けできる。次に、端部折曲げ機220によって端部151a、bを折り曲げ、これにより、折り曲げられたウェブ198を形成できる。図22から図23に示される通り、好ましくは、端部151a、bは、接着または粘着ストリップ162a、bが、ウェブ200上のフレキシブルバルブ120およびウェブ190上の第2ハウジングパネル146と対向関係になるように、折り曲げられる。
【0115】
「切断および配置」ステーション214において、フレキシブルバルブ120はウェブ200から切断され、折り曲げられたウェブ198上に置かれる。貼付機228によって長手方向端部153a、bに貼り付けられた接着または粘着ストリップ164a、bのペアを有するウェブ190は、次に、ニップローラ222によりウェブ198上のフレキシブルバルブ120と合流される。次に、組み合わされたウェブ224は硬化および/または熱封止モジュール226に送られ得、図23Aおよび図23Bに示される組立ステップを完了して、接続された、組立された膨張式容器のウェブ202が形成される。その後、ウェブ202を切断ステーション230で横方向に切断し、個々の膨張式容器135を形成できる。この膨張式容器135は、次に、スタック204内に入れられ得る。スタック204などの容器135のスタックは、次に、図18に示される支持構造体137などの支持構造体上に装填できる。
【0116】
必要に応じて、追加の打抜き/切断ステーションを、例えばニップローラ222の下流に設けて、ウェブ190/198を貫通して中央穴156a、bを形成してもよい。
【0117】
膜のウェブを連続的に熱封止するなどの、代替の組立技術もまた、本発明の容器の製造に利用してもよい。例えば熱封止技術を適用して、折り曲げられたウェブ198にウェブ194を融着することもできる。次に、ウェブ192をウェブ194に融着し、図20Bに示される通り、折り曲げられたウェブ198に融着された、フレキシブルバルブ120を形成できる。次に、ウェブ190をウェブ192およびウェブ198に同時にまたは連続的に融着できる。それぞれのウェブが相互に融着される位置は、図20Bに示された熱封止接合部158a、bの位置および図23Aに示された接着部162a、bの位置と同様であってもよい。必要とするかまたは望む場合は、膜のそれぞれのウェブの特定領域を耐熱インクでコーティングして、例えば望ましくない封止を防止できる。
【0118】
支持構造体、例えば支持構造体14または137は、先に述べた通り、各種の異なる材料を用いて、様々な幾何形状に生成できる。支持構造体はまた、外方向の「第2の」力がフレキシブルバルブに加えられる限り、上述の説明で意味するよりも大幅に短くまたは長く作ってもよい。さらに、支持構造体は均一な厚みである必要はない。例えば、支持構造体自体に作られる小さい変形、または「隆起」は受け入れることができ、このような変形は、トラックに沿った特定の位置における膨張式容器の進行を制限するのに役立ち得、これにより、容器の長い時間での膨張を可能にする。これらの変形の位置を決めて、移動容器のフレキシブルバルブを早目に開放することもできる。先に述べた通り、これは、容器の長い時間での膨張を可能にするのに役立つ。また、上述の支持構造体は、分岐し、その後集合するトラックアームを含むが、これは機能的に不可欠のものではない。実際、トラックアームは後続の集合なく分岐してもよい。トラックアームに変形が加えられる場合、または支持構造体が均一な厚みでない場合、または支持構造体がその全長に沿って容器に横方向の力を加える場合、トラックアームは分岐または集合する必要は全くない。支持構造体のアームはまた、複数の集合部および分岐部を有するように設計できる。さらに、支持構造体14は2つのアームを備え、支持構造体137は4つのアームを備えるが、支持構造体において使用される膨張式容器の特定の構造に応じて、異なる数のアームを用いてもよい。
【0119】
本発明の別の代替の実施形態は図29に示されており、図には膨張式容器232が示されている。上述の実施形態と同様に、膨張式容器232は一般に、内部空洞236を有するフレキシブルハウジング234を含み、ハウジング234は少なくとも1つの形状変化を受けるように適応されている。膨張式容器232はまた、フレキシブルバルブ238を含む。
【0120】
本発明の上述の実施形態に関連して説明した膨張式容器と異なり、容器232は、膨張を達成するための、案内トラックまたは他の支持構造体を使用しない。代わりに、フレキシブルバルブ238はフレキシブルハウジング234に付着され、ハウジング234の外部の物体240、例えば図示された平坦表面にさらに付着されるように適応される。物体240に関しては、例えば接着結合、機械的結合、熱溶着、圧縮保持などによって、フレキシブルバルブ238をその物体に付着できること以外に、厳格な要件はない。外部物体240の適切な例には、デスク、テーブル、または壁;木、金属、紙(例えば、ファイバボードまたは波形ボード)またはプラスチックから作られた各種の平坦または非平坦な表面;ブラケット、フレーム、または他の取付装置を含む。
【0121】
いくつかの実施形態においては、図示される通り、フレキシブルバルブ238が、実質的に固体されている外部物体240に付着するように適応され得る。これは、容器/バルブが支持構造体に移動可能に取付けられている、上述の実施形態、例えば膨張式容器12、135と対照的である。
【0122】
別の実施形態においては、フレキシブルハウジング234に加えられる力242が所定値より大きいとき、フレキシブルバルブ238は外部物体240から取り外されてもよい。このようにすれば、最終の膨張式容器は使用するために取り外すことができる。このような着脱性を実現する1つの方法が図29に示されており、この方法では、フレキシブルバルブ238は、例えば、図のような各タブと外部物体240との間の結合部246により外部物体240に付着されるように適応された2つのタブ244a、bの少なくとも1つを含んでもよい。結合部246は、例えば接着結合、機械的結合、熱溶着、圧縮保持などであってもよい。タブ244a、bはまた、フレキシブルバルブ238に着脱可能に固定され、これにより、フレキシブルハウジング234に加えられる力242が所定の値を超えると、各タブの少なくとも一部がバルブから取り外されるようにすることができる。これは、例えば、各タブとバルブ238との間に線状の弱い部分248a、bを設けることにより、達成できる。図示される通り、このような線状の弱い部分248a、bは、例えば、タブ244a、bとフレキシブルバルブ238との交差部に、穿孔線を備えてもよい。
【0123】
このようにすると、バルブおよびタブを形成する材料、ならびに線状の弱い部分248a、bの特性、例えば穿孔の寸法および間隔に応じて、引張り力、すなわち、力242が個々の穿孔を分離している領域における、タブ/バルブを構成している材料の引張強さおよび/または引裂強さを超えると、このような線状の弱い部分248a、bが引き裂かれる。
【0124】
上述の実施形態におけるのと同様に、フレキシブルバルブ238は、少なくとも1つの形状変化を受けて、内部空洞236と上記容器が置かれている周囲環境、例えば空気との間に流体連絡を可能にするように適応されている。このようにすると、フレキシブルバルブ238が平坦な物体240などの外部物体に取付けられ、例えばプルタブ250によって手動でフレキシブルハウジング234に力242が加えられると、フレキシブルハウジング234およびフレキシブルバルブ238はそれぞれ、形状変化を受けて、バルブ238を通して周囲環境から流体252を内部空洞236内に吸引する。
【0125】
より詳細には、力242が、例えばプルタブ250によって手動でフレキシブルハウジング234に加えられると、図のように、ハウジングの形状が変化する。同時に、フレキシブルバルブ238がフレキシブルハウジング234および外部物体240に、例えばタブ244a、bにより付着されるため、力242がハウジングに加えられると、バルブの形状もまた変化する。これにより、図示される通り、バルブ開口254a、bは開放位置になり、この結果、周囲環境から流体252、例えば空気をバルブ開口254a、b内に吸引する。このとき、流体252はバルブ238を通って流れ、例えばバルブオリフィス256を通りフレキシブルハウジング234の内部空洞236に流入し、図示される通り、このようなハウジングを膨張させる。
【0126】
フレキシブルバルブ238はペアの並置膜(バルブ)パネルを備えてもよい。フレキシブルバルブ238は、例えば図20Aおよび20Bに関連して上に述べたフレキシブルバルブ120の構造と同様の構造であってもよいが、1)熱封止接合部158a、bがバルブの全長に延びることにより、バルブフラップ163a−dが形成されない、2)アイレット121a−dは必要としない、3)タブ244a、bおよび穿孔線248a、bが第2バルブパネル148の端部161b、dに追加される、ことを除く。また、第1および第2バルブパネルは同一長さであってもよい。フレキシブルハウジング234は上述のフレキシブルハウジング143と同一であってもよく、すなわち、フレキシブルハウジング143へのフレキシブルバルブ120の取付けと同様にハウジング234に付着されたフレキシブルバルブ238を有する、ペアの並置の膜(ハウジング)パネルなどを備えてもよい。
【0127】
次に図30を参照すると、複数の、例えばスタックの膨張式容器232が相互に接続され、ボックス260または他の適切な収容体の内部に配置され得る。スタック258の一番下の膨張式容器262のタブ244a、bは、例えば上述の接着剤または熱接着によって、ボックス260の底面264に接合できる。このように、底面264は、図29に示されるような、一番下の容器262の「外部物体」として役立ち得る。図示される配列において、タブが、例えばすべてのクッション232のそれぞれのタブ244aおよび244bに位置合わせされるように、クッション232を積み重ねることにより、容器232は、例えば接着結合または熱溶着によって、タブ244a、bにより隣接容器に付着させることができる。すなわち、タブ244a、bはコネクタとして機能して、接続された膨張式容器のスタック258内の1つの膨張式容器のフレキシブルバルブ238を別の膨張式容器のフレキシブルバルブ238に取付けることができる。
【0128】
すなわち、スタック258内の一番下の容器262および一番上の容器268を除いて、他のすべての容器266は、その容器のタブ244a、bにより、スタック258内の容器の直ぐ上および直ぐ下の容器に接合され得る。このように、各容器266は、(1)スタック内の容器の直ぐ上の容器のタブ244aと、(2)スタック内の容器の直ぐ下の容器のタブ244aとに接合されるそれぞれのタブ244aを有し得る。同様に、各容器266は、(1)スタック内の直ぐ上の容器のタブ244bと、(2)スタック内の直ぐ下の容器のタブ244bとに接合される、その容器自体のタブ244bを有し得る。一番下の容器262については、その容器のタブ244a、bは上述の底面264と、スタック内のその容器262の直ぐ上の容器のそれぞれのタブ244a、bとに付着される。同様に、一番上の容器268のタブ244a、bは、スタック内のその容器の直ぐ下の容器の対応するタブ244a、bだけに接合される。一番下の容器262を除いて、すなわち、スタック内の他の容器266および268のすべてについては、スタック内のその容器262の直ぐ下の容器が、フレキシブルバルブ238を付着させる「外部物体」になる。
【0129】
全部のタブ244aおよび全部のタブ244bの付着は、図示される容器を積み重ねた後、整列されたタブ244aの各列および整列されたタブ244bの各列に熱を加えて、隣接タブの間を熱溶着することにより、単一ステップで達成され得る。あるいは、各容器のタブは別の容器のタブに連続的に接着、例えば一度に1つの容器に接着または粘着することができる。この手順はまた、各容器のタブの上面および下面領域に接着剤を塗布および活性化することにより効果的に達成できる。最終組立ステップには、一番下の容器262のバルブタブ244a、bをボックス260の底面264に接着することを含む。
【0130】
使用においては、使用者はボックス260の上部に手を入れ(例えば、トップカバー(図示なし)を取り外して)、一番上の容器268のプルタブ250を掴み、力242を加える。一番上の容器268のフレキシブルバルブ238はスタック内のその容器の下の容器のバルブに、例えばタブ244a、bによって付着されているため、力242はフレキシブルハウジング234およびフレキシブルバルブ238の両方の形状を変化させて、フレキシブルバルブ238が開き、上述の通り、周囲流体がバルブを通して容器内に吸引される。膨張後、使用者は、フレキシブルバルブ238からのバルブタブ244a、bの接続を穿孔線248a、bに沿って切断することにより、この膨張した容器268を膨張していない容器266および262のスタックから分離することができる。これは様々な方法で達成でき、その方法の1つは、単に膨張した容器をボックス260に対して斜めに引張り、穿孔線248a、bで「引き裂く」ことである。
【0131】
有利には、本明細書で述べる膨張式容器および膨張機構を用いて、高価な膨張機構を使用する必要のない、信頼性の高い、軽量、小型および環境にやさしい梱包空隙充填システムを提供できる。本発明は、1つには柔軟な容器の膨張のための外部の加圧空気源の必要を無くすることにより、このような望ましい特性の一部を達成する。関連の従来技術におけるこの基本的な利点は、保護梱包に直接関連する技術を除いて、工業分野に悪影響を有する。少数のこのような工業分野には、浮上分離装置(floatation devices)および空気サンプリング装置を製造する工業を含む。
【0132】
例えば、本発明の原理および構造に基づく膨張式浮上分離装置は、浮上分離装置が本明細書で述べる膨張式容器の自然で簡単な拡張であるとき、当業者によって容易に製造可能である。このような浮上分離装置は、多数の同時に膨張される容器ならびに全体寸法の増加した膨張式容器を必要とする。しかし、このような代替品は、本明細書で述べる膨張式容器および膨張機構の教示および基本構造において、完全に見出される。この装置は、いかだの安全ベスト、オイル漏れ封入隔壁などであるとき、電源などのパワー源を必要とせずに即座に膨張させることができる。電気の供給が無い緊急事態においては、このような装置の利点は明瞭に現れる。さらに、本明細書に含まれる教示を、おもちゃのいかだなどに適用することにより、それらおもちゃがボックスから引っ張り出されるときに、このような装置の部分的膨張方法を提供する。
【0133】
本発明の膨張技術を組み込んだ自己膨張マットレスおよび枕は、同様に製造できる。先の膨張式浮上分離装置におけるのと同様に、本発明に基づく自己膨張ベッドは、膨張のために電気または肺活量を必要としない。代わりに、案内トラックに沿って引張られると完全または部分的に膨張し(消費者には便利)、この案内トラックは、ベッドが詰められているボックスの内壁に容易に取付けできる。
【0134】
本発明の最終用途の別の例は、空気サンプリング装置である。この用途で述べられる膨張式容器は、空気などの周囲流体を直接内部に吸入する。その後、空気は自己封止のフレキシブルバルブにより所与の容器内に封入される。これらの膨張式容器は本質的に、空気サンプルを、空気サンプリングポンプと同様に、容器の封入部内に吸引する。さらに、膨張式容器が空気サンプリング容器として使用される場合、この容器は、空気を空気ポンプを通すことなく、直接空気をサンプリングする明瞭な利点を有する。したがって、サンプリングされた空気は、ポンプを通過した場合に生じる汚染を受けない。同様に、膨張式容器はまた、水などの他の流体のサンプル収集に使用できる。
【0135】
本明細書に述べる新規のフレキシブルバルブはまた、他の装置にも適用できる。大部分の自己封止バルブを開くには、ロッドなどの別の物体をバルブ内に配置して、バルブ壁を強制的に開く必要がある。しかし、本発明によるフレキシブルバルブは、横方向の力を加えて開くことができる。膨張式外囲容器またはクッションなどの再使用が望まれる装置では、フレキシブルバルブの変形形態を組み込んで、外囲容器を容易に収縮させることができる。バルブの一端を容器の内面に固定し、その後、使用者がバルブを引張ると、バルブ構造に横方向の力が作用する。したがって、バルブ穴を含むバルブ面が変形して曲がり、バルブが開き、収縮する。同様の利用方法はフォイル自己封止バルーンなどの多くの他の膨張式容器に用いることができる。
【0136】
膨張式容器システムの本明細書における説明は多くの特定性を含むが、これらは、本発明の範囲を限定する解釈されるべきではなく、単に、本発明のここでの好ましい実施形態のいくつかの説明を提供するものである。例えば、容器は必ずしも相互に接続される必要はない。容器はまた、厳密に垂直または水平に矩形のスタックに配置される必要はない。代わりに、容器は垂直渦巻き形スタック、傾斜スタック、円形に巻かれたスタック、または任意の数の他も変形形状に配置されてもよい。
【0137】
2つのバルブ開口が上述の実施形態には示されているが、膨張式容器の適切な膨張および作動には1つのバルブ開口で十分である。また、提示された膨張式容器は一般に、膨張式容器を支持構造体に連結する4つの「アイレット」を含むが、容器に適正な膨張を可能にするには、容器の片面の2つのアイレットで十分である。さらに、必要に応じて、アイレットを補強してもよい。しかし、容器の反復的な再使用を目的としない場合は、このオプションは必要ないと思われる。さらに、前部アイレット76aおよび76bは、必ずしも個別のアイレットタブ74aおよび74b上に形成される必要はない。フレキシブルバルブはバルブ構造体に直接形成されたアイレットを有し、これにより、例えば図18から図26に関して上で述べた通り、アイレットタブ構成要素を削除できる。
【0138】
容器自体は、様々な幾何形状、例えば正方形、長方形、楕円形、または任意の他の数の多角形であってもよい。追加のガセット形状は、容器構造に組み込むことができ(拡張可能な接合部としても知られている)、製造の複雑性およびコストの増加する可能性を代償にするが、ガセットは大容量の容器を可能にする。本発明による自己膨張式梱包外囲容器はまた、容易に製作でき、このような梱包外囲容器は3つの端部に沿って接合される2つの容器から製作でき、これにより、品物を挿入して保護できる、開口を有する「容器内の容器」を効果的に形成できる。
【0139】
また、膨張していない容器/クッションを梱包容器に最初に組み込み、その後膨張させることもできる。この場合、梱包容器も封止され得、その後、支持構造体が詰め込まれた膨張していない容器のアイレットにアクセスできる限り、梱包される容器を膨張させる。容器の寸法はまた大幅に大きくすることができ、この場合、容器はダンネージバッグと呼ばれ得る。言うまでもなく、支持構造体もまた、対応して寸法の増加を必要とする。
【0140】
さらに、説明全体を通して、全体を柔軟材料で構成された膨張式容器の利点を説明してきた。しかし、剛体のアイレット補強または剛体コネクタなどの容器への剛体付加物を形成することも確かにできる。また、単一柔軟材料で構成された膨張式容器を詳細に説明してきたが、様々な複合材料で置き換えることもできる。上述の通り、必要に応じて、剛体構成要素を追加することもできる。
【0141】
例の説明から明らかな通り、膨張式容器の膨張する範囲は、必要に応じて、いくつかの構成要素の幾何形状を変更することにより、増加または減少することができる。例えば、コネクタ82の形状を変更することにより、接続された容器の膨張に影響を与えることができる。前部アイレットタブの配置、支持構造体の幾何形状、ならびにフレキシブルバルブの幅および形状などの他の変更も容器の膨張に影響を与えることができるが、この変更箇所のリストはすべてを網羅していない。
【0142】
さらに、本出願における説明は、複雑な機械装置を必要としない膨張式容器システムの利点を推奨してきたが、必要に応じて、膨張式容器を支持構造体に沿って自動的に引張る、回転または往復機械装置を利用することも可能である。機械装置を利用する場合、このような機械装置は容器の手動による引張りと膨張を単に置き換えるだけであるが、このプロセスも本発明の範囲内に完全に包含される。
【0143】
本発明の好ましい実施形態のこれまでの記述は、例示または説明の目的で提示されている。これは、本発明を網羅するものでも、または本発明を開示された通りの形態に限定することを意図するものでもない。本発明の修正および変更は、上述の教示に照らして可能であり、または本発明の実施から得ることもできる。
【0144】
図4Aから図9Bは、好ましくは、膨張式容器の種々の構成要素の組立および結合において実施される個々のステップを、まとめて示している。これらの図についてのより具体的な説明は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】支持構造体上に置かれた、複数の接続された膨張式容器の斜視図である。この図は、さらに、膨張状態における膨張式容器を示すことによって、本発明の操作方法も示す。
【図2】本発明の膨張式容器の分解組立斜視図であって、膨張式容器のすべての構成要素の相対的な配置を示す。
【図3】膨張式容器が膨張した後の、膨張式容器の簡略化した斜視図である。
【図4A】膨張式容器のフレキシブルバルブと前部アイレットタブとを備える構成要素の分解組立斜視図である。
【図4B】図4Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図5A】膨張式容器の第1ハウジングパネルと第1補強パッチの分解組立斜視図である。
【図5B】図5Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図6A】膨張式容器の第2ハウジングパネルと第2補強パッチの分解組立斜視図である。
【図6B】図6Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図7A】固定された補強パッチと、膨張式容器のコネクタとを備えた第1ハウジングパネルの分解組立斜視図である。
【図7B】図7Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図8A】図4Bに示されたフレキシブルバルブと、膨張式容器の固定された補強パッチを備えた第2ハウジングパネルの分解組立斜視図である。
【図8B】図8Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図9A】図7Bおよび図8Bで示されたサブアセンブリの分解組立斜視図である。
【図9B】図9Aに示されたサブアセンブリが折り畳まれた斜視図であり、サブアセンブリ間の熱封止接合部の位置を示す。
【図10A】本発明の膨張していない複数の膨張式容器の斜視図であって、完全に組み立てられた個々の膨張式容器を相互に接続できる方法を示す。
【図10B】複数のコネクタによって相互に接続される、膨張していない複数の膨張式容器の斜視図である。
【図11A】案内トラックの好ましい実施形態の斜視図であって、ボックスの内部に案内トラックを固定できる1つの方法を示す。
【図11B】図11Aに描かれた案内トラックの上面図である。
【図12A】1つは膨張していない、1つは膨張する間の2つの膨張式容器および案内トラックの簡略化された上面図である。概略図はさらに、膨張式容器が案内トラックに沿って引張られると、横向きの力によって本発明のバルブを開ける方法を示す。
【図12B】横向きの力を合わせて膨張式容器のバルブを開ける方法を示した、さらに簡略化された概略図である。このような横向きの力は、追加の外部からの外向きの力とともに、膨張式容器を膨張させる。
【図13A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図13B】図13Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図14A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの別の代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図14B】図14Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図15A】図4Aおよび図4Bで説明したフレキシブルバルブの別の代替実施形態の分解組立斜視図である。
【図15B】図15Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図15C】図15Aおよび図15Bで示された代替のフレキシブルバルブを、第1ハウジングパネルおよび代替の第2ハウジングパネルと組み合わせた分解組立斜視図である。
【図15D】図15Cで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図16A】案内トラックの代替実施形態の斜視図である。案内トラックの代替実施形態をボックスの内部に固定する方法もまた示されている。
【図16B】図16Aの点線の円内に含まれる領域の拡大部分詳細図である。
【図17A】本発明の好ましい実施形態の代替の機能方向の斜視図である。
【図17B】本発明の膨張式容器保持構造と、膨張式容器膨張機構の代替実施形態の斜視図である。
【図17C】本発明の膨張式容器保持構造と、膨張式容器膨張機構の代替実施形態の斜視図である。
【図18】本発明の代替実施形態、すなわち、本発明の代替支持構造体上に置かれた、複数の別個の未接続の膨張式容器の斜視図である。
【図19】本発明の膨張式容器の代替実施形態の分解組立斜視図であり、膨張式容器のすべての構成要素の相対的な配置を示す。
【図20A】本発明の代替実施形態のバルブ組立体の分解組立斜視図である。
【図20B】図20Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図21A】本発明の膨張式容器の代替実施形態の、底部ハウジング、底部補強パッチおよび引張タブの分解組立斜視図である。
【図21B】図21Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置を示す。
【図22A】図21Bのアセンブリの斜視図である。
【図22B】接着剤が塗布され、端部が折り畳まれている、図22Aのアセンブリの斜視図である。
【図23A】上部ハウジングと、図20Bのバルブアセンブリと、本発明の膨張式容器の代替実施形態の図22Bの底部ハウジングアセンブリの分解組立斜視図である。
【図23B】図23Aで示された構成要素が折り畳まれた斜視図であり、構成要素間の熱封止接合部の位置、ならびに接着被膜領域に沿った部分の接合を示す。
【図24】穿孔された中央穴と絶縁熱封止接合部とを備えた、完全に組み立てられた図23Bの膨張式容器の斜視図である。
【図25】穿孔された中央穴と絶縁熱封止接合部と縁取りされたクッション端部とを備え、完全に組み立てられた図23Bの容器の斜視図である。
【図26】図18から図25で示された容器を形成するための組立プロセスの概略図である。
【図27】周囲環境からの流体が、フレキシブルバルブにおけるバルブ開口を通って容器に入る、図1で示された膨張式容器の側面図である。
【図28】周囲環境からの流体が、フレキシブルバルブにおけるバルブ開口を通って容器に入る、図18で示された膨張式容器の側面図である。
【図29】本発明による代替膨張式容器の斜視図である。
【図30】図29に示した代替膨張式容器のスタックの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張式容器であって、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに機能的に結合されたフレキシブルバルブであって、前記バルブは少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通って前記内部空洞に流体を吸引する、膨張式容器。
【請求項2】
前記フレキシブルハウジングがペアの並置膜パネルを備える、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項3】
前記ハウジングの前記形状変化が一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項2に記載の膨張式容器。
【請求項4】
前記フレキシブルバルブがペアの並置膜パネルを備える、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項5】
前記バルブの前記形状変化が、前記パネル間にチャネルを形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項6】
前記第2の力が前記膜パネルの少なくとも1つに加えられる引張り力を備えるとき、前記バルブが前記形状変化を受けるように適応されている、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項7】
前記フレキシブルバルブの前記膜パネルの少なくとも1つが、パネル内にオリフィスを有し、
前記バルブに前記第2の力が加えられると、前記オリフィスは開放位置になる、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項8】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに前記第2の力が加えられると、周囲環境と流体連絡する少なくとも2つの開口を有する、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項9】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項10】
前記ハウジングを1つまたは複数の他の容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタをさらに含む、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項11】
複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引し、
さらに、各容器は、
c)前記ハウジングを、前記複数の接続された膨張式容器内の別の膨張式容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタを備える、複数の接続された膨張式容器。
【請求項12】
前記コネクタが、個々の容器が前記複数の接続された膨張式容器から分離されるように、分離可能である、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項13】
前記コネクタが分離後にタブを残すように適応されており、
前記タブが、前記第1の力を前記ハウジングに加えるために、手で掴むように適応されている、請求項12に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項14】
前記容器が、前記ハウジングに加えられる前記第1の力が前記容器により伝達され、隣接容器のハウジング上に加わるように配置されている、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項15】
前記容器がその上に配置される支持構造体をさらに備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項16】
前記容器が前記支持構造体上に取り外し可能に取付けられ、
前記支持構造体の形状が、この構造体からの容器の取り外しにより、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるような形状である、請求項15に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項17】
前記フレキシブルハウジングがペアの並置膜パネルを備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項18】
前記ハウジングの前記形状変化が一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項17に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項19】
前記フレキシブルバルブがペアの並置膜パネルを備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項20】
前記バルブの前記形状変化が、前記パネル間にチャネルを形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項21】
前記第2の力が前記膜パネルの少なくとも1つに加えられる引張り力を備えるとき、前記バルブが前記形状変化を受けるように適応されている、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項22】
前記フレキシブルバルブの前記膜パネルの少なくとも1つが、パネル内にオリフィスを有し、
前記バルブに前記第2の力が加えられると、前記オリフィスは開放位置になる、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項23】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに前記第2の力が加えられると、周囲環境と流体連絡する少なくとも2つの開口を有する、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項24】
前記フレキシブルバルブは、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項25】
a)膨張式容器であって、この容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器と、
b)その上に前記容器が取付けられる支持構造体と、
を備える、膨張式容器システム。
【請求項26】
前記膨張式容器が前記支持構造体に移動可能に取付けられ、
前記フレキシブルバルブが、前記支持構造体上の前記容器の移動により、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるように、前記支持構造体に取付けられている、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項27】
前記膨張式容器が前記支持構造体に移動可能に取付けられ、
前記支持構造体が、それに沿って前記容器が移動する少なくとも1つのアームを備え、
前記容器が、前記容器を前記アームに移動可能な取付けを提供する取付けデバイスを有する、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項28】
前記支持構造体が、それに沿って前記容器が移動する第2アームを少なくとも備え、
前記容器が、前記容器を両方のアームに移動可能に取付けるような第2取付けデバイスを少なくとも有する、請求項27に記載の膨張式容器システム。
【請求項29】
前記フレキシブルバルブが、アーム上の前記容器の移動により、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるように、前記支持構造体のアームに取付けられている、請求項28に記載の膨張式容器システム。
【請求項30】
前記支持構造体は前記容器がそれに沿って移動するトラックを形成し、
前記支持構造体のアームが、前記容器が前記トラックに沿って移動するに伴い分岐し、これにより、前記バルブに前記第2に力を加える、請求項29に記載の膨張式容器システム。
【請求項31】
前記支持構造体のアームが、前記容器が前記トラックに沿ってさらに移動するに伴い集合し、これにより、前記バルブに加わる前記第2に力を減少させる、請求項30に記載の膨張式容器システム。
【請求項32】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項31に記載の膨張式容器システム。
【請求項33】
複数の膨張式容器が前記支持構造体上に取付けられている、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項34】
前記容器が一体に接続されている、請求項33に記載の膨張式容器システム。
【請求項35】
前記容器が接続されていない、請求項33に記載の膨張式容器システム。
【請求項36】
容器を膨張させる方法であって、
a)膨張式容器を設けるステップであって、前記容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブとを備える、ステップと、
b)前記フレキシブルハウジングに第1の力を加えて、ハウジングの形状を変化させるステップと、
c)前記フレキシブルバルブに第2の力を加えてバルブの形状を変化させ、これにより、前記ハウジングおよび前記バルブは、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引するステップと、を備える容器を膨張させる方法。
【請求項37】
前記第1の力が、前記内部空洞と周囲環境との間に圧力差を生成し、前記圧力差により、周囲環境中の流体が前記バルブに流体力を加え、
前記第2の力が前記流体力と独立である、請求項36に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項38】
容器を膨張させる方法であって、
a)膨張式容器を設けるステップであって、前記容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブとを備える、ステップと、
b)前記容器が支持持構造体上を移動できるように、前記容器を支持構造体上に取付けるステップと、
c)前記容器を前記支持構造体上を移動させて、前記フレキシブルハウジング上に第1の力を加えることによりハウジングの形状を変化させるステップと、
d)前記フレキシブルバルブに第2の力を加えてバルブの形状を変化させ、これにより、前記ハウジングおよび前記バルブは、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引するステップと、を備える容器を膨張させる方法。
【請求項39】
前記第1の力が第1方向に加えられ、
前記第2の力が第2方向に加えられ、
前記第1方向が前記第2方向と異なる、請求項38に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項40】
前記第1方向と前記第2方向とが、相互にほぼ垂直である、請求項39に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項41】
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに取付けられ、前記ハウジングの外部の物体にさらに取付けられ、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備える膨張式容器であって、
前記バルブは外部物体に取付けられ、力が前記ハウジングに加わり、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器。
【請求項42】
前記フレキシブルバルブが実質的に固定の外部物体に取付けられるように適応されている、請求項41に記載の膨張式容器。
【請求項43】
前記フレキシブルバルブは、前記ハウジングに加えられた力が所定の値を超えると、外部物体から取り外されるように適応されている、請求項41に記載の膨張式容器。
【請求項44】
前記フレキシブルバルブが、外部物体に付着するように適応された少なくとも1つのタブを備え、
前記タブが前記バルブに着脱可能に付着され、これにより、前記ハウジングに加えられる力が前記所定の値を超えると、前記タブの少なくとも一部が前記バルブから取り外される、請求項43に記載の膨張式容器。
【請求項45】
複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに取付けられ、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、
c)前記フレキシブルバルブを、前記複数の接続された膨張式容器内の別の膨張式容器のフレキシブルバルブに取付ける少なくとも1つのコネクタと、を備え、
前記ハウジングに力が加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、複数の接続された膨張式容器。
【請求項46】
前記少なくとも1つのコネクタが、前記フレキシブルバルブに着脱可能に付着されたタブを備え、前記タブは前記複数の接続された膨張式容器のうちの別の膨張式容器の対応するタブにさらに取付けられ、これにより、前記ハウジングに加えられる力が所定の値を超えると、前記タブの少なくとも一部が前記バルブから取り外される、請求項45に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項1】
膨張式容器であって、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに機能的に結合されたフレキシブルバルブであって、前記バルブは少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通って前記内部空洞に流体を吸引する、膨張式容器。
【請求項2】
前記フレキシブルハウジングがペアの並置膜パネルを備える、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項3】
前記ハウジングの前記形状変化が一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項2に記載の膨張式容器。
【請求項4】
前記フレキシブルバルブがペアの並置膜パネルを備える、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項5】
前記バルブの前記形状変化が、前記パネル間にチャネルを形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項6】
前記第2の力が前記膜パネルの少なくとも1つに加えられる引張り力を備えるとき、前記バルブが前記形状変化を受けるように適応されている、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項7】
前記フレキシブルバルブの前記膜パネルの少なくとも1つが、パネル内にオリフィスを有し、
前記バルブに前記第2の力が加えられると、前記オリフィスは開放位置になる、請求項4に記載の膨張式容器。
【請求項8】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに前記第2の力が加えられると、周囲環境と流体連絡する少なくとも2つの開口を有する、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項9】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項10】
前記ハウジングを1つまたは複数の他の容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタをさらに含む、請求項1に記載の膨張式容器。
【請求項11】
複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引し、
さらに、各容器は、
c)前記ハウジングを、前記複数の接続された膨張式容器内の別の膨張式容器のハウジングに取付ける少なくとも1つのコネクタを備える、複数の接続された膨張式容器。
【請求項12】
前記コネクタが、個々の容器が前記複数の接続された膨張式容器から分離されるように、分離可能である、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項13】
前記コネクタが分離後にタブを残すように適応されており、
前記タブが、前記第1の力を前記ハウジングに加えるために、手で掴むように適応されている、請求項12に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項14】
前記容器が、前記ハウジングに加えられる前記第1の力が前記容器により伝達され、隣接容器のハウジング上に加わるように配置されている、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項15】
前記容器がその上に配置される支持構造体をさらに備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項16】
前記容器が前記支持構造体上に取り外し可能に取付けられ、
前記支持構造体の形状が、この構造体からの容器の取り外しにより、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるような形状である、請求項15に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項17】
前記フレキシブルハウジングがペアの並置膜パネルを備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項18】
前記ハウジングの前記形状変化が一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項17に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項19】
前記フレキシブルバルブがペアの並置膜パネルを備える、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項20】
前記バルブの前記形状変化が、前記パネル間にチャネルを形成するために、一方の膜パネルの他方の膜パネルに対する移動を備える、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項21】
前記第2の力が前記膜パネルの少なくとも1つに加えられる引張り力を備えるとき、前記バルブが前記形状変化を受けるように適応されている、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項22】
前記フレキシブルバルブの前記膜パネルの少なくとも1つが、パネル内にオリフィスを有し、
前記バルブに前記第2の力が加えられると、前記オリフィスは開放位置になる、請求項19に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項23】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに前記第2の力が加えられると、周囲環境と流体連絡する少なくとも2つの開口を有する、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項24】
前記フレキシブルバルブは、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項11に記載の複数の接続された膨張式容器。
【請求項25】
a)膨張式容器であって、この容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備え、
第1の力が前記ハウジングに加わり、第2の力が前記バルブに加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器と、
b)その上に前記容器が取付けられる支持構造体と、
を備える、膨張式容器システム。
【請求項26】
前記膨張式容器が前記支持構造体に移動可能に取付けられ、
前記フレキシブルバルブが、前記支持構造体上の前記容器の移動により、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるように、前記支持構造体に取付けられている、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項27】
前記膨張式容器が前記支持構造体に移動可能に取付けられ、
前記支持構造体が、それに沿って前記容器が移動する少なくとも1つのアームを備え、
前記容器が、前記容器を前記アームに移動可能な取付けを提供する取付けデバイスを有する、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項28】
前記支持構造体が、それに沿って前記容器が移動する第2アームを少なくとも備え、
前記容器が、前記容器を両方のアームに移動可能に取付けるような第2取付けデバイスを少なくとも有する、請求項27に記載の膨張式容器システム。
【請求項29】
前記フレキシブルバルブが、アーム上の前記容器の移動により、前記バルブ上に前記第2の力を加えて、バルブの形状を変化させるように、前記支持構造体のアームに取付けられている、請求項28に記載の膨張式容器システム。
【請求項30】
前記支持構造体は前記容器がそれに沿って移動するトラックを形成し、
前記支持構造体のアームが、前記容器が前記トラックに沿って移動するに伴い分岐し、これにより、前記バルブに前記第2に力を加える、請求項29に記載の膨張式容器システム。
【請求項31】
前記支持構造体のアームが、前記容器が前記トラックに沿ってさらに移動するに伴い集合し、これにより、前記バルブに加わる前記第2に力を減少させる、請求項30に記載の膨張式容器システム。
【請求項32】
前記フレキシブルバルブが、前記バルブに加えられる前記第2の力がなくなると、前記内部空洞と周囲環境との間の流体連絡を実質的に阻止する、請求項31に記載の膨張式容器システム。
【請求項33】
複数の膨張式容器が前記支持構造体上に取付けられている、請求項25に記載の膨張式容器システム。
【請求項34】
前記容器が一体に接続されている、請求項33に記載の膨張式容器システム。
【請求項35】
前記容器が接続されていない、請求項33に記載の膨張式容器システム。
【請求項36】
容器を膨張させる方法であって、
a)膨張式容器を設けるステップであって、前記容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブとを備える、ステップと、
b)前記フレキシブルハウジングに第1の力を加えて、ハウジングの形状を変化させるステップと、
c)前記フレキシブルバルブに第2の力を加えてバルブの形状を変化させ、これにより、前記ハウジングおよび前記バルブは、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引するステップと、を備える容器を膨張させる方法。
【請求項37】
前記第1の力が、前記内部空洞と周囲環境との間に圧力差を生成し、前記圧力差により、周囲環境中の流体が前記バルブに流体力を加え、
前記第2の力が前記流体力と独立である、請求項36に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項38】
容器を膨張させる方法であって、
a)膨張式容器を設けるステップであって、前記容器は、
1)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
2)前記ハウジングに機能的に結合され、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(a)前記内部空洞と、
(b)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブとを備える、ステップと、
b)前記容器が支持持構造体上を移動できるように、前記容器を支持構造体上に取付けるステップと、
c)前記容器を前記支持構造体上を移動させて、前記フレキシブルハウジング上に第1の力を加えることによりハウジングの形状を変化させるステップと、
d)前記フレキシブルバルブに第2の力を加えてバルブの形状を変化させ、これにより、前記ハウジングおよび前記バルブは、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引するステップと、を備える容器を膨張させる方法。
【請求項39】
前記第1の力が第1方向に加えられ、
前記第2の力が第2方向に加えられ、
前記第1方向が前記第2方向と異なる、請求項38に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項40】
前記第1方向と前記第2方向とが、相互にほぼ垂直である、請求項39に記載の容器を膨張させる方法。
【請求項41】
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに取付けられ、前記ハウジングの外部の物体にさらに取付けられ、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、を備える膨張式容器であって、
前記バルブは外部物体に取付けられ、力が前記ハウジングに加わり、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、膨張式容器。
【請求項42】
前記フレキシブルバルブが実質的に固定の外部物体に取付けられるように適応されている、請求項41に記載の膨張式容器。
【請求項43】
前記フレキシブルバルブは、前記ハウジングに加えられた力が所定の値を超えると、外部物体から取り外されるように適応されている、請求項41に記載の膨張式容器。
【請求項44】
前記フレキシブルバルブが、外部物体に付着するように適応された少なくとも1つのタブを備え、
前記タブが前記バルブに着脱可能に付着され、これにより、前記ハウジングに加えられる力が前記所定の値を超えると、前記タブの少なくとも一部が前記バルブから取り外される、請求項43に記載の膨張式容器。
【請求項45】
複数の接続された膨張式容器であって、各容器は、
a)内部空洞を有する、少なくとも1つの形状変化を受けるように適応された、フレキシブルハウジングと、
b)前記ハウジングに取付けられ、少なくとも1つの形状変化を受けることにより、
(1)前記内部空洞と、
(2)前記容器が置かれている周囲環境と、の間の流体連絡を可能にするように適応された、フレキシブルバルブと、
c)前記フレキシブルバルブを、前記複数の接続された膨張式容器内の別の膨張式容器のフレキシブルバルブに取付ける少なくとも1つのコネクタと、を備え、
前記ハウジングに力が加わると、前記ハウジングと前記バルブとはそれぞれ形状変化を受けることにより、周囲環境から前記バルブを通して前記内部空洞内に流体を吸引する、複数の接続された膨張式容器。
【請求項46】
前記少なくとも1つのコネクタが、前記フレキシブルバルブに着脱可能に付着されたタブを備え、前記タブは前記複数の接続された膨張式容器のうちの別の膨張式容器の対応するタブにさらに取付けられ、これにより、前記ハウジングに加えられる力が所定の値を超えると、前記タブの少なくとも一部が前記バルブから取り外される、請求項45に記載の複数の接続された膨張式容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2008−532863(P2008−532863A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501043(P2008−501043)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/008980
【国際公開番号】WO2006/099346
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(591114386)シールド エア コーポレーション(ユーエス) (4)
【氏名又は名称原語表記】SEALED AIR CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/008980
【国際公開番号】WO2006/099346
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(591114386)シールド エア コーポレーション(ユーエス) (4)
【氏名又は名称原語表記】SEALED AIR CORPORATION
【Fターム(参考)】
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