説明

臨床分析目的用の液状分析サンプルの採取

少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの一定量を採取する方法であって、該液状分析サンプルは、ほとんどが表面または表面近傍で処理される望ましくない汚染物質を含み、a)少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルを提供する工程、b)再使用可能なピペット採取針を含む第1ピペット採取器を提供する工程、c)該第1ピペット採取器によって、望ましくない汚染物質を含む表面領域から液状サンプルの一部を吸引し、かつその一部を廃棄する工程、d)該第1の再使用可能な針を、洗浄液体で洗浄する工程、e)第2の再使用可能なピペット採取針または使い捨て可能なピペット採取チップを有するピペット採取器を含む第2ピペット採取器を提供する工程、f)該第2ピペット採取器によって一定量の液状分析サンプルを吸引する工程、g)分析用の該一定量の分析サンプルを放出する工程、h)該第2の再使用可能な針を、洗浄液で洗浄し、または該ピペット採取器の使い捨てチップを処分する工程を含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の序文に従った、少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの採取方法に関するものである。特に、本発明は、サンプル上またはサンプル近辺でかなりの程度まで処理される適用妨害化合物を、主としてリチウム・ヘパリンチューブから除去することならびに種々の臨床化学検体の分析に関するものであり、また少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの採取用分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム・ヘパリン血漿チューブなどの血漿チューブ中に設けられる血液サンプルのテストは、たとえば、勿論受け入れがたいことであるが、乳酸脱水素酵素の測定において重複したエラーが観察されるという不利な点を抱えている。
【0003】
該エラーの理由は、細胞の凝集の存在、内部のチューブの壁用の被覆とし使用されるポリプロピレンオキサイドのシリコン系の界面活性剤の存在、患者からの血液採取のために静脈切開装置で使用されるシリコンオイル、血小板の形成、分離ゲルの残存を避けるための添加剤などでありうる。さらに、それらの除去を容易にするために、またたとえば、真空になったチューブの内側の低圧を維持するために、チューブの止め具を、潤滑剤を用いて塗布することもできる。界面活性剤は、多くの免疫学的検定の共通の成分でもある。非特異性吸収を減少させまたは注意を促し、または反応の安定性を向上させるためにまたは、固相の表面を改質し、その疎水性を低減し、またそれにより免疫学的検定領域における界面活性剤の非共有結合された抗体含有の損失を最小にするために、界面活性剤が使用される。Na、K、LDH(乳酸脱水素酵素)、ALP(アルカリホスファターゼ)、Caおよび総タンパク質などの検体は、特に、報告された欠点の影響を受ける。観察される該エラーは、
1.検体(とくに、低量のサンプル、代表的には、2〜5μlのサンプルによる吸収テストで観察される)の誤った回収に導くことになる吸引された余りにも低量またはあまりにも高い量のサンプル量。
2.種々の装置部品(ピペット採取針、ISE混合塔など)における繊維素および/または「シリコンオイル」の堆積。
【0004】
結果として、サンプルを生理食塩水中に希釈し、その後再びサンプリングすることによる反復エラーを最小限にするための前希釈工程を伴う改良された方法が、非特許文献1中に提示されている。この方法は、一次抽出中で吸引されたマイクロ凝血塊を再吸収する危険を減少させる。しかし、たとえ反復読み取りが期待された限度内であるとしても、マイクロ凝血塊の結果としての実際の一次抽出の場合に不正確さに対する可能性は、除去されない。さらに、必要とされる血漿材料の量は高くなり、一時間当たりのテスト結果で表わされるシステムの処理能力はダウンする。
【0005】
さらに、血清サンプルが実質的に反復エラーを減少させる可能性があり、反復読み取り間の差は、臨床的には重要ではないと考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】臨床化学50巻、12号、2004年、2391−92頁
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、分析工程のための労力と手間暇を低く妥当なレベルに保持しながら、測定結果を向上させ、かつ、たとえば血漿サンプルなどの液状分析化学サンプルの分析における反復エラーのリスクを減少させることである。
【0008】
請求項1の表現による方法が提案される。
【0009】
本発明の解決課題は、少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの第1有効量の採取に先立って、少なくとも1つの第1部分を事前に採取することにあり、この第1サンプルは、別個に処理されるように液状分析サンプルの真下または離れて、表面領域から事前に採取される。第1部分を事前に採取後、ピペット採取針などの異なった吸引器を用いて有効量の採取が行われる。特に、該発明方法は、
a)少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルを提供する工程と、
b)再使用可能なピペット採取針を含む第1ピペット採取器を提供する工程と、
c)該第1ピペット採取器によって、望ましくない汚染物質を含む表面領域から液状サンプルの一部を吸引し、かつその一部を廃棄する工程と、
d)該第1の再使用可能な針を洗浄液体で洗浄する工程と、
e)第2の再使用可能なピペット採取針または使い捨て可能なピペット採取チップを含む第2ピペット採取器を提供する工程と、
f)該第2ピペット採取器によって一定量の液状分析サンプルを吸引する工程と、
g)分析用の該一定量の分析サンプルを放出する工程と、
h)該第2再使用可能な針を、洗浄液で洗浄し、または該ピペット採取器の使い捨てチップを処分する工程とからなる。
【0010】
すなわち、第1の通常の量の液状分析サンプルをピペット採取する前に、第1の再使用可能なピペット採取針を含む第1ピペット採取器を用いて、液状分析サンプルの真下または離れて、定められた部分がサンプル表面から事前に採取される。この第1部分は事前に放出され、後に分析目的には使用されない。これはいわゆる「ダミーピペット採取」と呼ばれ、たとえば廃液容器中に放出される。勿論、事前に第1量を除去するための針の深さは、分析と干渉する可能性があり、上部領域、すなわち分析されるサンプルの表面近くに典型的に存在する成分または元素の存在に依存している。これらの干渉成分または元素は汚染物質と呼ばれている。これらの汚染物質の例は、細胞の凝集物、シリコンオイル、鉱油、潤滑剤などの液滴または懸濁液、血小板の形成を防止するための添加剤、界面活性剤、フィブリン塊である。
【0011】
このいわゆる「ダミーピペット採取」後、第2の再使用可能なピペット採取針または使い捨て可能なピペット採取チップを含む第2ピペット採取器を用いることにより、液状分析サンプルの有効量採取が行われる。採取される量は、事前の第1部分採取の間に吸引される量よりも典型的には小さい。分析目的に採取される典型的な量は、10μl未満であり、好ましくは2〜5μlである。
【0012】
本発明内においては、分析されるサンプルを汚染物質から分離するための分離試薬をまったく添加しない。本発明による液状分析サンプルは、少なくとも1つの重要な検体を含む分析体液、典型的には血液の液状成分である。液状分析サンプルの例として、赤血球などの血液の非液状または微粒子状成分から分離された血漿が挙げられる。該血液サンプルの非液状または微粒子状成分は、たとえば、沈降後または遠心分離後では、まだサンプルチューブ中で底に存在していてもよい。
【0013】
本発明によると、重要な検体は臨床化学テストの典型的な検体であり、それらは均一に液状分析サンプル中に分配される。このことは、ピペット採取時および分析されるときに、液状分析サンプルは、典型的には、少なくともほとんどが液状の単相または単層からなっている。重要な検体の例として、Na、K、LDH、ALP、Ca、総タンパク質などが挙げられる。
【0014】
ピペット採取を比較的不正確に行ってもよく、またサンプル表面からの正確な距離で行わなくてもよい(それは非常に狭い明確な層中であることを意味する)ため、ピペット採取手段を容易に行い、かつ自動化できる。結果として、本発明による分析方法は、容易かつ信頼できる結果を確保するにもかかわらず、自動化が可能である。
【0015】
該方法をさらに最適化するために、サンプル量を採取する前に、まず一定量の洗浄液、たとえば水を、再使用可能なピペット採取針中に挿入することが提案される。まず一定量の洗浄液を該針中に挿入することにより、サンプル量を放出するときまたは放出した後、以前のサンプルの痕跡を洗い落とし、該針を次回の使用の前に消毒する。勿論このことは、次のたとえば血漿チューブにおいて、事前に第1部分を採取するために同一の第1ピペット採取器を使用するときには、次のサンプルを汚染しないために、非常に重要である。有効量の液状分析サンプルがピペット採取器などの第2装置により採取され、該有効量は事前の第1部分の量より少ない。この有効量は、ここでは、重要な各検体の同定のための分析目的に用いることができる。そのような分析方法は、先行技術でよく知られており、またこの段階で記載されるものではない。好ましくは、再使用可能な針も、洗浄液体を用いて外側から洗浄し、またこのために、洗浄装置を設けることが好ましい。
【0016】
吸引された部分またはサンプル量から洗浄液体を分離するために、一定量の分離相も、再使用可能な針中に導入することが好ましい。このことが、汚染および/または洗浄液体を用いた液状分析サンプルの希釈を避けるために役立つ。好ましくは、この分離相は空気栓である。
【0017】
さらに、該方法の具現化は、従属請求項中に定義されるものとする。
【0018】
さらに、少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの採取用分析装置は、請求項11の記載により提案される。この分析装置は、たとえば、リチウム・ヘパリン血漿チューブからサンプル量を採取するための装置であってもよい。
【0019】
発明で提示された分析装置は、液状分析サンプルの事前の第1部分および液状分析サンプルの第2有効量または少なくとも2つのサンプル採取またはピペット採取器、そのうち1つのピペット採取器は、事前の第1部分を採取するために使用され、かつ次のプロセス工程で分析的に定量される有効分析量を採取するための第2サンプル装置などの少なくとも2つの異なる種類の採取を行うように意図された少なくとも1つのサンプル採取器またはピペット採取器を含んでいる。
【0020】
さらに、該装置は、ピペット採取針を外側からも洗浄するための洗浄装置を含むことが、提案されている。
【0021】
特に、本発明によると、少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの採取用分析装置が提案されており、該液状分析サンプルは、ほとんどが表面または近辺で処理される望ましくない汚染物質を含んでいる。該装置は、再使用可能なピペット採取針を含み、該針は、放出される予定の望ましくない汚染物質を含む液状サンプル量を、表面領域から吸引するために、洗浄可能である第1ピペット採取器を含み、またさらに、第2再使用可能なピペット採取針または使い捨て可能なピペット採取チップを含み、該針は、分析される分析サンプル量を吸引するために、洗浄可能である第2ピペット採取器を含む。
【0022】
既に上記したように、ピペット採取針を洗浄するために、いずれかのサンプルを採取する前に、一定量の洗浄液体をまず導入することが可能である。このことは、一定量の洗浄液体を、たとえばその再使用可能な針中に挿入するための洗浄装置内で行うことができる。追加または代替として、該洗浄装置内で外側から該針を洗浄することも可能である。
【0023】
該分析装置は、処理されるべき1つのまたは複数の液状分析サンプルの配置を行うためのチューブ状の容器を含んでいてもよい。さらに、複数のチューブ状の試薬容器を受け取るための棚を配置することが提案されている。
【0024】
さらに、液状分析サンプルと分析用試薬を混合するために、該分析装置にキュベットを配置することが可能である。
【0025】
該発明装置のさらに好ましい実施態様は、従属請求項中に開示されている。
【0026】
該方法および装置の可能な実施例を示している添付の図面を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるサンプル採取手段の可能なレイアウトを、概略的にまた段階的に示している。
【図2】本発明によるサンプル採取手段のさらなる可能なレイアウトを、概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
まず第1に、ピペット採取針3を含むピペット採取器1は、サンプルチューブ5のカバー6を経由して、液状分析サンプル7中に挿入される。液状分析サンプル7内では、少なくとも1つの重要な検体9が均一に分配される。分析サンプル7の表面8の領域においては、汚染物質11が存在する。ピペット採取器1の針3内には、洗浄液体13が配置される。
【0029】
第1工程A)においては、汚染物質11を含む第1部分が、針チップ4を経由して、針3中に吸引される。第1部分を挿入しながら、空気栓15が、洗浄液体13と第1プレサンプル部分との間に生じる。
【0030】
続く工程B)においては、ピペット採取器1は、サンプルチューブ5から除去されまた廃水容器21に移送され、そこでは汚染物質11を含む第1部分が洗浄液体13と共に処理される。すなわち、工程B)の間の同じ時間において、第1プレサンプル部分は処理され、採取針3は洗浄液体により清浄化される。
【0031】
続く工程C)においては、第2ピペット採取器2が、トップカバー6を経由して、サンプルチューブ5内に配置された液状分析サンプル7中に挿入される。ピペット採取器2の採取針23内では、再び洗浄液体33が配置される。
【0032】
次の工程D)においては、第2サンプル量37が針チップ24を経由して採取針23中に吸引される。
【0033】
次の工程E)においては、ピペット採取器2が、分析用キュベット39に移送され、そこで第2サンプル量37が分析目的のために処理される。
【0034】
続く工程F)においては、ピペット採取器2がさらに廃水容器41に向けて移送され、そこで採取針23が洗浄液体33を処理することにより消毒される。該採取針23と共にピペット採取器が消毒され、さらなる量採取工程に対して再使用できることになる。
【0035】
たとえば、Li−ヘパリン血漿チューブを用いて分析される液状分析サンプル用サンプルカセットシステムであるホフマン・ラ・ロッシュ社のCOBAS INTEGRA 800診断装置を用いて、上述の方法を実行できる。勿論、この装置は単なる例であって、また先行記載も、業界で公知の、たとえば日立(診断化学分析器として)またはベクトン−ディッキンソン(血液採取器の製造業者として)製の他の装置に関係してくる。
【0036】
第1通常サンプル量のピペット採取工程の前に、挿入された血漿サンプルチューブから例として挙げたカセット装置中へ、たとえば100μlなどの定められた第1部分を1回のみ先立って採取するものとする。勿論、あらかじめ採取されるサンプル部分は、血漿サンプルチューブ内の全体積に依存している。第1プレサンプル部分の採取後、サンプルチューブからピペット採取器を除去し、またたとえば洗浄装置として洗浄器に配置する。従来通りに、ピペット採取プロセスを実行して、説明したように一定量の洗浄水をピペット採取針中に含ませ、その結果、あらかじめ採取されたサンプルを廃水容器中に処理し、また同じプロセス工程において、ピペット採取針の内部をあらかじめ採取されたサンプル上に配置されている洗浄液体で洗浄する。さらに、該針を洗浄塔内で洗浄し、次の血漿チューブにおけるさらなる事前採取工程に対する用意をする。
【0037】
第2のピペット採取針を用いて、分析される液状分析サンプルの有効量を、サンプルチューブから採取する。該サンプル量は、典型的には、事前採取されたサンプルの量よりも少ない。血液血漿サンプルなどの生化学分析目的用のサンプル量は、2〜10μlの間の範囲であり、典型的には、2〜5μlである。潜在的汚染物質のほとんどが除去されるという事実により、有効に採取された液状分析サンプル内では分析結果に影響を与える汚染物質がほとんどゼロかまたは無視可能な量で存在することが期待できる。すなわち、いわゆる反復エラーは、上記したように、発明で提案した2工程ピペット採取プロセスを用いることにより、もはや生じないことが期待できる。
【0038】
分析サンプル量の採取後、それは当業界で公知の分析プロセスを実行するために各分析装置中に挿入されるものとし、この段階では詳細には記載しないものとする。
【0039】
勿論、チューブの種類、チューブ体積および実行される分析のタイプによっては、あらかじめ事前採取された第1部分の量、針のチップの深さが、第2工程で採取される有効量の体積と同様に変化する。
【0040】
図2においては、第2ピペット採取器において、使い捨てピペット採取針またはピペット採取チップ43が配置されているという差異を有する発明プロセスの非常に類似したレイアウトを、概略的にかつ段階的に、再び記載する。すなわち、工程A)および工程B)は、図1中の各工程と等価である。工程C)においては、工程D)で採取される液状サンプル量37のさらなる採取のために、新しいピペット採取チップ43を配置しなければならない。
【0041】
次の工程E)においては、ピペット採取器2が再び分析用キュベット39に移送され、そこで第2サンプル量37が処理される。続く工程F)においては、針43が単に廃棄され、またサンプル量のさらなる採取用にはそれ以上使用されないので、針43の洗浄は不要である。
【0042】
勿論、ピペット採取器1の場合も同じことが可能であるし、そこでは使い捨てピペット採取針も使用できる。
【0043】
有効な採取プロセスの後に、たとえば、他のテスト用にさらに有効なサンプルを採取してもよい。さらなる採取を行ってもよい。
【0044】
各記載のみならず図1および図2は、本発明をさらに説明するための例を示し、また記載しているだけである。本発明は勿論、図面および各記載にまったく限定されるものではなく、また本発明は勿論、図面の記載に対する基準である上述のロッシュ社の装置にまったく限定されるものでもない。記載した2つのサンプル採取装置の替わりに、唯1つのサンプル採取装置を配置することももちろん可能であり、該装置は、分析目的に実際の量の採取のみならず、あらかじめ事前の採取も行うことが出来るように設計されている。さらに、分析目的のために、たとえば血液サンプルを提供するために、異なった種類のチューブまたは容器を使用してもよい。第1サンプル部分採取は、たとえば、程度の差はあるが、表面層から直接に行ってもよく、表面層の真下で行ってもよく、または望ましくない妨害成分および元素が、分析されるサンプル内に存在する領域の範囲によっては、表面層から離れたところで行ってもよい。
【0045】
さらに、本発明は、図面および実施例に関して記載された分析サンプルに限定されるものではなく、分析目的に採取される液状分析サンプルの如何なるものにも使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルの一定量を採取する方法であって、前記液状分析サンプルは、ほとんどが表面または表面近傍で処理される望ましくない汚染物質を含み、前記方法は、
a)少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルを提供する工程と、
b)再使用可能なピペット採取針を含む第1ピペット採取器を提供する工程と、
c)前記第1ピペット採取器によって、望ましくない汚染物質を含む表面領域から液状サンプルの一部を吸引し、かつその一部を廃棄する工程と、
d)前記第1の再使用可能な針を、洗浄液体で洗浄する工程と、
e)第2の再使用可能なピペット採取針または使い捨て可能なピペット採取チップを有するピペット採取器を含む第2ピペット採取器を提供する工程と、
f)前記第2ピペット採取器によって一定量の液状分析サンプルを吸引する工程と、
g)分析用の前記一定量の分析サンプルを放出する工程と、
h)前記第2の再使用可能な針を洗浄液で洗浄し、または前記ピペット採取器の使い捨てチップを処分する工程とからなることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記液状分析サンプルが、液状の単相または単層からなっていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの検体が、前記液状分析サンプル中に均一に分配されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
一定量の液状サンプルを吸引する前に、前記再使用可能な針を洗浄する工程が、一定量の洗浄液体を再使用可能な針中に挿入する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記再使用可能な針を洗浄する工程が、前記吸引された量の液状分析サンプルから前記洗浄液体を分離するために、一定量の分離相を再使用可能な針中に挿入する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記分離相が空気栓であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記再使用可能な針を洗浄する工程が、前記吸引された液状サンプル量を放出した後、液状サンプルによって占められている前記針の一部を経由して、前記挿入された量の洗浄液体を通過させ、かつ排出することにより行われることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記再使用可能な針を洗浄する工程が、洗浄液体を用いて前記再使用可能な針を外側から洗浄する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記液状サンプルが体液であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの重要な検体が臨床化学検体であることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの重要な検体を含む液状分析サンプルを採取する分析装置であって、
前記液状分析サンプルは、ほとんどが表面または表面近傍で処理される望ましくない汚染物質を含み、前記分析装置は、
−廃棄される望ましくない汚染物質を含む一定量の液状プローブを、表面領域から吸引するために、再使用可能で洗浄可能なピペット採取針を含む第1ピペット採取器と、
−分析される前記プローブから一定量の分析サンプルを吸引するために、第2の再使用可能で洗浄可能なピペット採取針または使い捨てピペット採取チップを含む第2ピペット採取器とからなることを特徴とする分析装置。
【請求項12】
前記液状分析サンプルが、液状の単相または単層からなっていることを特徴とする請求項11記載の分析装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの検体が、前記液状分析サンプル中に均一に分配されることを特徴とする請求項11または12記載の分析装置。
【請求項14】
一定量の洗浄液体を再使用可能な針中に挿入するため、および/または前記針を外部から洗浄するための洗浄装置をさらに含むことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項15】
処理される1つまたは複数の液状分析サンプルを含むチューブ状容器をさらに含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項16】
試薬容器を受け取るための棚をさらに含むことを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項17】
液状分析サンプルと分析用試薬とを混合するためのキュベットをさらに含むことを特徴とする請求項16記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−515911(P2010−515911A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545199(P2009−545199)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050394
【国際公開番号】WO2008/087138
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】