説明

自動アナライザで使用される臨床溶液の保管および供給システム

自動臨床アナライザに対する多数の溶液の保管、供給を提供するようになっている流体取り扱いシステムであって、3つの異なった瓶状容器を有し、各瓶状容器が、口状開口部を有する折り畳み可能なプラスチック・金属・プラスチック・パウチと、口状開口部内でシールされるべき取付具と、取付具内のセパタムと、セパタムを取付具内にシールする開口金属バンドまたはキャップとを含む流体取り扱いシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本出願は、2005年11月23日に出願された仮出願第60/739,899号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、患者の生物学的流体サンプル、たとえば、尿、血清、血漿、脳脊髄液などを自動的に処理できる臨床アナライザで用いるための溶液供給システムに関する。特に、本発明は、適切な導入を保証する特徴を有する多数の溶液保管・供給容器を有する自動臨床アナライザのための流体取り扱いシステムを提供する。
【背景技術】
【0003】
患者の感染部、体液または膿瘍部から採取したサンプルの分析によって患者の診断および治療に関連した種々タイプの検査を実施することができる。これらの評価分析には、典型的には、患者サンプルを収容しているバイアルを装填している自動アナライザを必要とする。アナライザは、サンプルをバイアルから抽出し、特殊な反応キュベットまたはチューブ内の種々の試薬と混合する。しばしば、サンプルは、分析の前にインキュベーションまたは他の処理を受ける。サンプル・試薬組み合わせと相互作用する検査用放射線ビームを使用して、たとえば濁度読み取り、蛍光読み取り、吸収読み取りなどの分析測定がしばしば実施される。これらの測定でエンドポイント値またはレート値を確定し、この値から周知のキャリブレーション技術を使用して被検物質の量を決定できる。
【0004】
高度な分析オプションの数を増やして患者サンプルを評価するための検査技術を向上させるという観点から臨床サンプル分析は絶えずより効果的であることが必要である。蛍光化合物および化学発光化合物のような発光化合物は、光を発するという能力のためにアッセイ分野では広く使用されている。ラテックス・ビーズやリポソームのような粒子もアッセイで利用されてきた。たとえば、均一系アッセイでは、抗体または抗原で標識したリポソームの水性相に酵素を捕捉することができる。結合した標識と結合していない標識とを分離する必要のない均一系イムノアッセイは、以前から小分子で説明されている。これらのアッセイとしては、酵素チャネリングイムノアッセイ、特に蛍光性エネルギー転移イムノアッセイ、酵素阻害物質イムノアッセイ、蛍光偏光イムノアッセイがある。
【0005】
利用できる分析検出技術のこの数から考えて、最新の臨床アナライザは、複数の検出ユニットを含むことができ、各検出ユニットが異なった測定を行ない、それ以外の検出ユニットのそれと種々の分析プロトコルを行うようになっている。分析検出器の多様性により、複数のタイプの検査を同じシステムで行うことができ、それによって、その特定の被検物質にとって最適であるアッセイによって被検物質を決定することができる公算を高める。たとえば、被検物質にとって高度に特異的であるアッセイを妥当な時間で達成し、コスト効率も良くなる。特に、アナライザは、反応受け器(reaction vessel)内の反応混合物の蛍光を検出するようになっている検出器ならびに光度計検出器または濁度計検出器ならびに比濁計検出器ならびにまた別の異なったタイプの検出器、たとえば、イオン選択電極(以下に「ISE」と呼ぶ)を内蔵することができる。明らかに、このような範囲の異なった分析検出器にとって必要な種々の異なった試薬を正確に供給することがアナライザ処理量を維持する重要な側面となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基本流体保管システムとISE流体保管システムとからなる基本流体保管システムを提供する。基本流体保管システムは、サンプル・プローブ・クリーナ、試薬プローブ・クリーナ、システム希釈液およびキュベット洗浄溶液を支持している。4つの消耗品を収納する個々のコンパートメントが設けられる。各コンパートメントは物理的にキー合わせされて間違った流体の導入を防いでいる。各消耗品は導入前にバーコードを付けられることになる。各コンパートメントに共通して、各消耗品のセプタムに穴をあけるための交換可能なプローブを備えたマニホルドが設けてある。次いで、流体をリザーバに重力送りする。これらのリザーバは、2つの位置レベル・センサによって制御される。流体の流れを可能にするフィルタ付き孔が設けてある。この孔は消耗品上方に位置していて、バルブが開いてしまう事象における漏出から保護する。流体が漏出しそうであること、または漏出していることを機器作動システムが操作者に警報を発することになる。流体は、チュービング・ハーネスを通してそれぞれの送り先に供給される。
【0007】
ISE流体保管システムは、ISE希釈消耗品、ISE標準A消耗品、ISE標準B消耗品およびISE塩橋消耗品を支持している。これら4つの消耗品を収納するようにコンパートメントが設けてある。標準Bおよび塩橋は同じコンパートメント内に収容されている。各コンパートメントは物理的にキー合わせされ、間違った流体の導入を防いでいる。各消耗品は導入前にバーコードを付けられることになる。各消耗品に共通して、各消耗品のセプタムに穴をあけるための交換可能なプローブがある。機器作動システムに設けた流体カウンタが、各消耗品で使用される流体の量を追跡し続けることになる。流体が漏出しそうであること、または漏出していることを機器作動システムが操作者に警報を発することになる。流体は、チュービング・ハーネスを通してそれぞれの送り先に供給される。
【0008】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行う以下の詳細な説明からより充分に理解して貰えよう。以下の添付図がある。
【0009】
図1は、本発明が有利に使用され得る自動アナライザの概略平面図である。
図2は、異なった瓶状の容器が、サンプル・試薬プローブ清掃溶液、第1、第2の希釈溶液、キュベット洗浄溶液、第1、第2の標準液および塩橋溶液の大量保管・供給を行っている、本発明の3つの異なった瓶状の容器の正面図である。
図3は、臨床アナライザ内に装着した図2の3つの異なった瓶状容器を示す図である。
図4は、サンプル・試薬プローブ清掃溶液およびキュベット洗浄溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
図4Aは、図4の瓶状容器の透視図である。
図5は、本発明において有用なキャップの平面図である。
図5Aは、図5のキャップの、A−A線に沿った断面図である。
図6は、本発明の瓶状容器の1つを受け入れるようにキー止めしたアナライザ・ブラケットの透視図である。
図7A〜Eは、図4の瓶状容器に有用ないくつかのキー・パターンを示す。
図8A〜Bは、図4の瓶状容器に有用な代案のキー・パターンを示す。
図9は、本発明の溶液パウチの分解透視図である。
図10、10A、10C、10Dは、図9のパウチと共に有用な取付具の正面図、断面図、透視図、頂面図である。
【0010】
図11Aは、塩橋溶液および第2標準溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
図11Bは、図11Aの瓶状容器で使用される図9の2つの溶液パウチの分解透視図である。
図11Cは、図11Aの瓶状容器を開いた状態で示す透視図である。
図12は、図11Cの瓶状容器を開いた状態で詳細に示す透視図である。
図13Aは、第1、第2の希釈溶液および第1標準溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
図13Bは、図13Aの瓶状容器で使用される図9の溶液パウチの分解透視図である。
図13Cは、図13Aの瓶状容器を開いた状態で示す透視図である。
図14は、図13Cの瓶状容器を開いた状態で詳細に示す透視図である。
図15A〜Gは、図13Aの瓶状容器で有用ないくつかのキー・パターンを示す。
図16は、さらに、図13Aの瓶状容器での、図15A〜Eのキー・パターンを示す。
図17、17Aは、さらに、図6のそれぞれ異なったキー止めされたブラケットの図2の2つの異なった瓶状容器を示す。
図18Aは、図7A〜Eの代案実施形態を示す。
図18Bは、図15A〜Gの代案実施形態を示す。
【0011】
図1は、ほぼ矩形のキュベット・ポート13を形成した外側キュベット環14とほぼ円形の受け器(vessel)ポート15を形成した内側キュベット環16とを支持している反応回転コンベヤ12を含む自動化学アナライザ10の要素を概略的に示している。キュベット・ポート13は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号09/949,132に開示されているような複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。反応キュベットは、在来の臨床およびイムノアッセイのアッセイのための種々の試薬およびサンプル液を収容している。一方、受け器ポート15は、超高感度発光イムノアッセイ専用の試薬を収容している複数の反応受け器18を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、対向方向に段階的に移動するように回転可能であり、この段階的移動は一定の停止時間によって分けてあり、この停止時間中に、回転コンベヤ12は静止状態に維持され、センサ、サンプル・試薬添加ステーション、サンプル・試薬プローブ洗浄ステーションなどのようなコンピュータ制御されるアッセイ操作装置19が、必要に応じて、キュベット17および反応受け器18内に収容されたアッセイ混合物に作用する。典型的な実施態様では、アナライザ10は、複数の検知器ユニット20a、20b、20cを含み、各検出ユニット20a、20b、20cは、異なった臨床分析測定を行ない、それ以外の検出ユニットとは異なった種々の分析プロトコルをたどるようになっている。サンプルおよび反応混合物は、それぞれの回転コンベヤ14、16内にある間にキュベット17、18において分析してもよいし、または、在来のキュベット移送機(図示せず)によって検出ユニット20a、20b、20c内に移動させてもよい。
【0012】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.によって販売されているDimension(R)臨床化学アナライザで使用され、コンピュータ・ベースの電気機械制御プログラミングの分野で当業者によって広く使われているような、機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてアナライザ作動コンピュータ21によって実行されるソフトウェアによって制御される。コンピュータ21は、アナライザ10内で種々の検知器ユニット20a、20b、20cによって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムを実行する。
【0013】
図1でわかるように、双方向装入・送出サンプル流体チューブ移送システム22は、サンプル流体チューブ24のような、開いているかまたは閉じているサンプル流体容器を収容しているサンプル流体チューブ・ラック23を、入力レーンの第1端にあるラック入力装填位置から入力レーンの第2端まで白矢印25で示すように移送する機構を含む。サンプル・チューブ24に収容された検体液は、その上に取り付けられたバーコード記号を在来のバーコードリーダを用いて読み取ることによって識別され、項目の中でも特に患者の身元、行なおうとする検査、サンプル・アリコートをアナライザ10内に保持すべきかどうか、その場合にどのくらいの期間保持するかという諸点を決定する。また、サンプル・チューブ・ラック23上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数の在来のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ24およびサンプル・チューブ・ラック23の位置を確認、制御、追跡することもよく行われている。
【0014】
在来の液体サンプル採取プローブ26が白矢印29で示すサンプル出力レーン近くに設けてあり、これは、必要なアッセイを行なうのに、およびアナライザ10で保持すべきサンプル流体アリコートを周囲の保管チャンバ33内で与えるのに、必要なサンプル流体の量に依存して、サンプル流体チューブ24からサンプル流体のアリコート部分を吸引し、サンプル流体のアリコート部分(単数または複数)をアリコート受け器アレイ27の1つまたはそれ以上のウェルに分配するように作動可能である。サンプル流体がラック23上のすべてのサンプル流体チューブ24から吸引され、アリコート受け器アレイ保管・移送システム28内に保持されているアリコート受け器アレイ27に分配された後、液体サンプル採取プローブ26は、本発明の流体取り扱いシステムによって供給されるサンプル・プローブ洗浄溶液を使用してプローブ洗浄ステーション28内で洗浄される。ラック23は、矢印29で示す方向にアナライザ10から取り去られる。
【0015】
アリコート受け器移送システム28は、アリコート受け器アレイ保管・分配モジュール29を含み、このモジュールは、反応回転コンベヤ12近くに設けたサンプル吸引針プローブ30の下方にある多数のアリコート受け器アレイ・トラック内でアリコート受け器アレイ27を双方向に平行移動させるようになっている。サンプル吸引プローブ30は、コンピュータ21によって制御されて、本発明の流体取り扱いシステムによって供給される希釈液ステーション31からアッセイ希釈液を場合に応じて吸引し、検査前に制御量の希釈液を1つまたはそれ以上のキュベット17に分配する。サンプル吸引プローブ30は、さらにコンピュータ21によって制御されて、トラック内のサンプル採取位置に位置するアリコート受け器アレイ27内の個々のウェルから制御量のサンプルを吸引し、次いで、1つまたはそれ以上の被検物質についてアナライザ10で検査するために適切な量の吸引されたサンプルを1つまたはそれ以上のキュベット17、18に分配する分配位置にシャトル移動するようになっている。サンプルをキュベット17、18に分配することに続いて、プローブ30は、本発明の流体取り扱いシステムによって供給されるサンプル・プローブ洗浄溶液を用いてプローブ洗浄ステーション内で洗浄される。サンプルが反応キュベット17、18に分配された後、在来の移送手段が、必要に応じて、アリコート受け器アレイ移送システム27と周囲保管チャンバ33と廃棄処分領域(図示せず)との間でアリコート受け器アレイ27を動かす。
【0016】
温度制御された保管領域または保管サーバ34、35は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願第09/949132号に記載されている、複数の細長い多区画試薬カートリッジ36を格納し、このカートリッジには必要に応じて多数の異なったアッセイを行なうための試薬が収容されている。
【0017】
試薬吸引針プローブ37、38が、独立して装着してあり、サーバ34、35のそれぞれとキュベット回転コンベヤ14、16の間で平行移動可能となっている。吸引プローブ37、38は、試薬添加位置で特定のアッセイを行うのに必要な試薬を適切な試薬カートリッジ36のウェルから吸引するための従来の機構を含み、次いで、プローブ37、38をキュベット17、18に試薬を分配する分配位置にシャトル移動させ、次いで、本発明の流体取り扱いシステムによって供給される特殊な試薬プローブ洗浄溶液を使用して試薬プローブ洗浄ステーション39内で洗浄される。
【0018】
報告価値のある結果当たりのコストを減らす理由のためには、使用済みのキュベット17をキュベット洗浄ステーション40で洗浄し、ポート13内に置換え、続く反応アッセイに使用した後に再清浄するのが有利である。洗浄ステーション40は、多数の洗浄マニホルド、乾燥マニホルドおよび廃棄物マニホルドを含む。洗浄マニホルドは、洗浄プローブ41と流体連通しており、また、本発明の流体取り扱いシステムによって供給されるキュベット洗浄溶液源と流体連通している。
【0019】
アナライザ10の動作中、種々の試薬および/または清浄溶液は、米国特許第6,943,030号に記載されるような、多数のウェル内で所与のアッセイを行なうのに必要な試薬を収容している細長い多区画試薬容器内に供給される比較的微小な量とは対照的に、いわゆるバルク量で消費される可能性があるが、この各ウェルは、わずか3.4ミリリットルしか所与の試薬を収容せず、キャリブレーションバイアル容器は、アナライザ10内でよく知られたキャリブレーション・品質コントロール作業を行うのに使用されるキャリブレーション溶液と類似した量を収容する。
【0020】
特に、回転コンベヤ12近くに位置したイオン選択電子(ISE)検出器42の操作およびキャリブレーションでは、比較的大量の第1標準溶液および希釈液と、比較的少量の第2標準溶液およびいわゆる「塩橋」を必要とする。さらに、上述したように、アナライザ10の決まりきった操作においては、キュベット、試薬プローブ、サンプル・プローブを洗浄するために調剤された比較的大量の溶液とシステム希釈液が必要である。本発明の流体取り扱いシステムの目的は、ISE希釈液、第1、第2の標準溶液および塩橋の保管、供給を行うと共に、キュベット洗浄溶液、システム希釈液、サンプル・プローブ・クリーナおよび試薬プローブ・クリーナの保管、供給を提供することにある。製造コストをコントロールし、システム操作を簡略化するために、図2に示したような3つの異なった瓶状容器を設け、その場合、瓶状容器43は、キュベット洗浄溶液およびサンプル・試薬プローブ清浄溶液の大量保管・供給を提供する。二枚貝状の熱成形した容器44がISE第1標準A溶液およびISE希釈液溶液およびシステム希釈溶液の保管、供給を提供し、デュアルチャンバ式二枚貝状の熱成形された容器45がISE第2標準B溶液および塩橋の保管、供給を提供する。図3は、アナライザ10の正面パネル46内に好ましい配置で装着した3つの異なった瓶状容器43、44、45を示しており、瓶状容器43、44は後述する流体マニホルド47上方に位置しており、瓶状容器44、45は後述する単位置マニホルド48および2位置マニホルド49上方に位置している。瓶状容器43、44は、適切な溶液瓶をパネル46上の対応する位置に正確に位置させることを確保する一連の特徴を含み、これらは本発明の大量流体保管システムの主な特徴である。
【0021】
ISE標準A、B溶液およびISE希釈液は、制御量のNa+、K+、界面活性剤、保存剤および緩衝液を含み、塩橋は、制御量のK+、Cl-、界面活性剤および保存剤を含み、ISE希釈液は、制御量のNa+、Cl-、界面活性剤、保存剤および緩衝液を含み、システム希釈液は、制御量のリン酸緩衝食塩水および保存剤を含み、キュベット洗浄流体は、制御量の界面活性剤、保存剤および緩衝液を含み、試薬プローブ・クリーナは0.1N水酸化ナトリウムを含み、サンプル・プローブ・クリーナは、5%次亜塩素酸ナトリウムを含む。アナライザ10を適切に作動させるためには、システム希釈液、ISE第1標準A溶液およびISE希釈液溶液を収容している容器44が、それぞれ、「システム希釈液」、「ISE標準A」および「ISE希釈液」というマークを付けた位置にのみセットされることが重要である。さらに、キュベット洗浄溶液、サンプル・プローブ清掃溶液、試薬プローブ清掃溶液を収容している容器43が、それぞれ、「キュベット洗浄溶液」「サンプル・プローブ・クリーナ」および「試薬プローブ・クリーナ」というマークを付けた位置にのみセットされることが重要である。さらに、ISE第2標準溶液およびISE塩橋溶液を収容している容器45が、「ISE標準B」および「ISE塩橋」というマークを付けた位置にのみセットされることが重要である。しかしながら、上記したように、コスト抑制のためには、液体溶液容器が可能な限り類似した形状を有することが有利であり、したがって、予防措置を講じて適切な液体溶液容器が確実に適切な位置にセットされるようにしなければならない。
【0022】
瓶状容器43は、好ましくは、0.030インチの公称壁厚を有し、青白着色剤を入れた、0.941g/cc以上の密度の押出しブロー成形した高密度ポリエチレン製であり、アナライザ10のパネル46上に装填されているが、溶液を注入口バルブ51および低レベル、高レベルのセンサ62を備えたリザーバ50に、マニホルド47を通して重力送りすることによってサンプル・プローブ、試薬プローブ清浄溶液およびキュベット洗浄溶液の保管、供給を行うようになっている。容器43は、アナライザ10が稼働している間に補給されるようになっており、その間、マニホルド47、リザーバ50、弁51および低レベル、高レベルのセンサ52L、52Hがそれぞれ協働してサンプル・プローブ清浄ステーション、試薬プローブ清浄ステーションへの溶液の供給を維持する。操作に当たって、
・アナライザ操作コンピュータ21が、モニタされた消費量に基づいて、新しいサンプル・プローブまたは試薬プローブまたはキュベット洗浄溶液容器43を装填するよう操作者に促す。
・アナライザ操作コンピュータ21が消耗品注入口バルブ51を開く。
・アナライザ操作コンピュータ21は、低レベル・センサ52Lが5V状態(液体なし)から0V状態(液体あり)に変わる時間待機するのに1分間の遅れを与える。流体レベルが上昇せず、センサ52Lの状態を変化させない場合、エラー・メッセージが表示される。
・ひとたび1分間待機時間が完了したならば、第2タイマが起動する。高レベル・センサ52Hが5V(液体なし)から0V(液体あり)に変化するのに5分間待機時間がある。流体レベルが上昇せず、高レベル・センサの状態を変化させない場合、エラー・メッセージが表示され、注入口バルブを閉じる。
・流体が高レベル・センサ52Hを覆うと、センサ出力は0Vに切り替わる。
・アナライザ操作コンピュータ21は注入口バルブ51を閉じる。
・アナライザ操作コンピュータ21は主要サイクルを実行する。
・流体レベルは、アナライザ10によるアッセイ処理のために低下する。
・アナライザ操作コンピュータ21は、高レベル・センサを点検する前に60分間の遅れを与える。
・流体レベルが高レベル・センサをもはや覆っていないときには、センサ出力は5Vに切り替わる。
・アナライザ操作コンピュータ21は注入口バルブを開く。
・アナライザ操作コンピュータ21は、高レベル・センサ52Hが5V状態(液体なし)から0V状態(液体あり)に変わる時間待機するのに1分間の遅れを与える。流体レベルが上昇せず、高レベル・センサ52Hの状態を変化させない場合、メッセージが表示され、使用者に消耗品が空であり、交換しなければならないことを知らせる。典型的には、アッセイ処理に影響を及ぼす前に1日分の処理が流体リザーバで利用できる。
【0023】
瓶状容器43が、中空ボディ53、穿刺可能なセプタム54、開口放金属バンドまたはキャップ55およびねじ付きキャップ56を含むものとして、図4(正面図)および図4A(透視図)に示してある。ボディ53は、対向した側壁53Sで連結した対向した前壁53F、後壁53Bを含み、ボディ53は、また、使い勝手が良いくぼんだハンドル領域57と、上方部分53Uに設けた、対応するねじ付きキャップ56で閉じることのできるねじ付き開口部58とを有する。ボディ53の下方部分53Lは、取り付け用フィン60およびそこから垂下するパイプ状開口部61を備えた前方テーパ状部分59を有する。典型的な実施態様においては、フィン60には、いくつかのパターンのうちの1つのパターンでノッチが設けてあり、各パターンは、選定したサンプル・プローブ清浄溶液、試薬プローブ清浄溶液およびキュベット洗浄溶液にキー合わせしてある。パイプ状開口部61は、穿刺可能なセプタム54および開口キャップ55で閉ざされており、開口キャップ55は、そこから垂下する周側壁55Sを有する円形頂部55Tに形成した中央開口部55Cを有し(図5、5Aa)、中央開口部55Cは斜角を付けた内周壁55Bを有する。一対の位置合わせリッジ62が、ボディ53の下方部分53Lにおいてボディ53の側部63Sから外方に広がっており、位置合わせリッジ62は、セプタム54が針62Nで穿刺されるように(図6)アナライザ10の前面パネル26上の取り付けブラケット62M(図3にわかりやすいように破線に示してある)に形成した対応する溝62Gに嵌合するようなサイズとなっている。前壁53Fは、場合により、識別用色分けステッカ状ラベルを取り付けるのに適したわずかに高くなったパネル53Pを含み、このラベルはパネル26の色に合うように色分けしてあり、瓶状容器43を適切な取り付け用ブラケット62M内に正しく置けるように操作者を助ける。本発明の別の重要な特徴は、位置合わせリッジ62、フィン60およびパイプ状開口部61の、側部中心線CLと、ボディ53の前壁53F間での位置決めにある。図6は、さらに、閉部分(closed section)、開部分(open section)からなるパターンを有する合わせキー62Kを示しており、この合わせキーは、フィン60にノッチ状に設けた、多数の対応するキー合わせパターンのうちの1つとのみ一致する。各パターンは、後述するように、1つの選定した溶液にキー合わせしてある。容器43のこの特徴は、適切な瓶状容器43がアナライザ10上の適切なブラケット62P内に設置されたときにさらに確実に正しい向きとなるように作用する。もし操作者がアナライザ10上の適切な取り付けブラケットに適切な瓶状容器43を挿入しようと試みたが、容器43が「後ろ向き」すなわち前後が逆となっている場合、瓶状容器43の後壁53Bが、機械的な干渉のために、取り付けブラケット62P内に容器43をセットするには位置合わせリッジ62から大きすぎる距離突出することになる。
【0024】
上記したように、アナライザ10上の適切な取り付けブラケット62M内に設置したときに適切な瓶状容器43が確実に正しい向きとなるようにする際の、本発明の流体取り扱いシステムの重要な特徴は、各々のパターンが1つの選定溶液にキー合わせしてある3つまたは4つのノッチ状パターンのうちの1つにフィン60が係合するということであり、取り付けブラケット62Mが、その中に装着することができる瓶状容器43のみがはめ合いキー・パターン62Kに対応するパターンにノッチ係合するフィン60を有するように対応するキー合わせパターンに有するということにある。図7Aは、たとえば、取り外し可能な第1部分60Pと、それに隣接した取り外し可能な第2部分60PPと、この第2部分60PPに隣接した取り外し可能な第3部分60PPPと、この第3部分60PPPに隣接した取り外し可能な第4部分60PPPPとを含むフィン60を示している。図7B、7C、7D、7Eは、このキー合わせパターンの一実施態様を示しており、この実施態様は、たとえば、容器43のフィン60の第1部分60Pが除かれている第1パターン(図7B、たとえば、サンプル・プローブ・クリーナ溶液を収容している容器43用)と、フィン60の第1部分60Pに隣接した第2部分60PPが除かれており、第1部分60Pがそのまま残っている第2パターン(図7C、たとえば、キュベット洗浄溶液)と、フィン60の第2部分60PPに隣接した第3部分60PPPが除かれ、第1部分60Pおよび第2部分60PPがそのまま残っている第3パターン(図7D、たとえば、将来の臨床溶液用)と、フィン60の第3部分60PPPに隣接した第4部分60PPPPが除かれ、第1部分60Pおよび第2部分60PPおよび第3部分60PPPがそのまま残っている第4パターン(図7E、たとえば、試薬プローブ・クリーナ溶液用)とを含む。ライン60Lは、フィン60の両側面にある溝を表しており、この溝はフィン60に成形してあって第1部分60P、第2部分60PP、第3部分60PPPおよび第4部分60PPPPの取り除きを容易にしている。当業者にはわかるように、フィン60のために他のキー合わせパターンも選ぶことができるし、発明の範囲から逸脱することなく部分60P、60PP、60PPP、60PPPPの取り除きを変更することもできる。図示実施態様では、部分60P、60PP、60PPP、60PPPPのすべてが順次に除いてあるが、代替の実施態様においては、部分60P、60PP、60PPP、60PPPPのうちの選んだものを除いてもよく、これも本発明の範囲から逸脱することはない。
【0025】
たとえば、図8A、8Bに図示した実施態様においては、ここに示すキー合わせパターンは、たとえば、フィン60の第2部分60PPおよび第3部分60PPPのみが除かれた第1パターンと、第1部分60Pおよび第4部分60PPPPのみが除かれた第2パターンを含むことが示されている。
【0026】
本発明の流体取り扱いシステムの目的は、希釈液、標準溶液、塩橋、キュベット洗浄溶液およびプローブ・クリーナの保管と連続供給を提供することにある。種々の溶液の組成は充分に異なっており、劣化を受けやすいので、これらの溶液のうちの或るものは特殊なパウチ様のパウチに保管しなければならない。特に、ISEと関連したシステム希釈液および流体は、酸素透過性を最小限に抑えるために多層プラスチック、金属フォイルのパウチ(ナイロン、低密度ポリエチレン、アルミニウムフォイルなどの材料から作ってある)に保管すると最も良い。この理由のために、容器44、45は、図9に示すように特殊な折り畳み可能なプラスチック・金属・プラスチック・パウチ63内に収容され、容器44、45の開放二枚貝状容器本体部分内にセットされる溶液を保管するように設計してある。後に説明するように、容器44、45は、その中にパウチ63をセットするために開き、次いで閉じてシールしてパウチ63を保護し、アナライザ10上の適切な取り付けブラケット44Pまたは45P内にこのパウチ63を購入できるようにする。
【0027】
図9に示すように、パウチ63は、口状開口部63Mを有する折り畳み可能なプラスチック・金属フォイル・プラスチック・パウチ・ボディ63Bと、口状開口部63M内にシールするようになっている取付具64と、先に説明したセプタム54および開口金属バンドまたはキャップ55とを含む。取付具64は、図10および図10のA−A線に沿った断面図である図10Aに示すことができ、図10Cに示し、平面図である図10Dに示す取付具64の透視図で最も良くわかる中央孔64Rが貫くほぼ円筒形ボディ64Bを含むと共に、ボディ64Bの上部で外方に広がる多数の平行に隔たった溶接フォイルまたは溶接シーリング・フォイル64Sと、ボディ64Bの底部で外方へ広がっており、溝を形成した一対の着座用リッジ(seating ridge)64Rとを含む。上方セットのリッジ64Rは、取付具64を二枚貝状熱成形容器45内にシールするために設けてあり、下方セットのリッジ64Rは、キャップ55を用いてセプタム54を取付具64上へシールするために設けてある。溶接シーリング・フォイル64Sは外方に広がっており、シーリングフォイル64Sの対向する両端部のフィン64Fに向けてテーパ状になっており、ボディ63Bの口状開口部63M内での熱誘導シールの一体化を容易にしている。この理由のために、取付具64は、ガス拡散性要件を満たすために高密度ポリエチレン製であると好ましい。着座用リッジ64Rは、パウチ63の円筒形開放口63M内に係合するように設計してある。セプタム54が図9に示してあり、これはエラストマ・ゴム材料で形成してあり、取付具58Fの内部に嵌合するようなサイズとなっており、それによって、パウチ・ボディ58B内に収容された液体をシールし、滑らかな表面が外側に向き、清潔なカップ状表面がパウチ58内に向くように位置する。
【0028】
デュアルチャンバ式二枚貝状熱成形ポリスチレン容器45(図11A)は、図11Bに示すように一対のプラスチック・金属・プラスチック・パウチ63内に収容されたISE第2標準B溶液および塩橋溶液の保管、供給を行うために設けてあり、図11Cに示すように容器45の開放式二枚貝状の第1、第2のトレイ状部分65、66内に設置される。容器45は、パウチ63を中に置くために前記開放二枚貝状に熱成形されると好ましい。その後、容器45が閉ざされ、スポット溶接によってシールされ、パウチ53を保護すると共に、アナライザ10上の適切な取り付けブラケット44Pまたは45P内に前記パウチ63を導入することができるようにしてある。パウチ63は、口状開口部63M内にシールされる取付具64と、開口金属バンド(open meal band)またはキャップ55を使用して取付具にシールしたセプタム54と持つものとして説明してきた。図12は、容器45の多数の主な特徴を示している。この容器45は、対向する両端を可撓性直線ジョイント67で結合した一対の二枚貝状の、同じサイズの矩形の第1、第2のトレイ部65、66を包含し、第1トレイ部65および第2トレイ部66は、共に、開放くぼみ65R、66Rを有し、各くぼみ65R、66Rは、一対の膨らんだパウチ63の約半分を収容するようなサイズとなっている。第1トレイ部65および第2トレイ部66は、共に、さらに、直線ジョイントから離れた対向する両端部に形成した一対の半円形開口68を含むと共に、直線ジョイント67の近くでくぼみ65R、66Rのそれぞれに設けた高くなった部分65P、66Pを含む。第1トレイ部65、第2トレイ部66は、共に、対向する両端に形成した同一の半円形開口部68を有し、これらの半円形開口部68は、第1トレイ部65および第2トレイ部66が二枚貝のように一緒に折り重ねられるかまたは折り畳まれたときに、半円形の開口部68が互いにはめ合って取付具63を中にシールすることができる円形開口部となるような形状となっている。第1トレイ部65および第2トレイ部66を一緒に折り重ねて、パウチ63を保持し、保護するのに適したシールされ、閉ざされた内側シェルを形成するとき、高くなった部分65P、66Pが組み合わさって操作者が操作するのに適したくぼんだハンドル69を形成する。第1トレイ部65は、さらに、部分66の周縁内側でそれと平行に連続的にまたは断続して延びる高くなったレール65RRを含み、このレール65RRは、第1トレイ部65および第2トレイ部66を折り重ねてパウチ63を保持し、保護するのに適したシールされ、閉ざされた内側シェルを形成するときに、部分65の周縁内側でそれに平行に形成された対応するはめ合わせくぼみ65D内へ嵌合する。第1トレイ部65および第2トレイ部66の製作、組み立てに関するさらなる技術的な詳細は、本明細書に組み込まれており、当業者であれば容易に理解できよう。
【0029】
シングルチャンバ式二枚貝状ポリスチレン容器44(図13A)も同様に、システム溶液およびISE希釈液の保管および供給を提供すると共に、図13Bに示すようにプラスチック・金属フォイル・プラスチック・パウチ63に収容され、図13Cに示すような容器44の開放二枚貝状の第1、第2のトレイ状部分70、71内に設置されたISE標準Aの保管および供給を提供する容器である。容器44は、同様に、前記開放二枚貝形状に熱成形され、中にパウチ63を入れてから閉ざされてシールされ、パウチ63を保護すると共に、前記パウチ63をアナライザ10上の適切な取り付けブラケット44P内に導入できるようになっている。図14は、容器44の多数の主な特徴を示している。容器44は、対向する両端を可撓性直線ジョイント72で結合した一対の二枚貝状の、同じサイズの矩形の第1、第2のトレイ部70、71を含み、第1トレイ部71および第2トレイ部72は、それぞれ、開放くぼみ70R、71Rを有し、各くぼみ70R、71Rは、膨らんだパウチ63のほぼ半分を収容するようなサイズとなっている。第1トレイ部70および第2トレイ部71は、共に、さらに、直線ジョイント72から離れた対向する両端部に半円形の開口73が形成してあり、直線ジョイント72の近くでくぼみ70R、71Rのそれぞれに高くなった部分70P、71Pが設けてある。第1トレイ部70および第2トレイ部71の対向する両端には同一の半円形開口部73が形成してあり、これらの半円形開口部73は、第1トレイ部70および第2トレイ部71が二枚貝のように一緒に折り重ねられるかまたは折り畳まれたときに、半円形の開口部73が互いにはめ合って取付具63を中にシールすることができる円形開口部となるような形状となっている。同じ理由のために、第1トレイ部70および第2トレイ部71の対向する両端はフィン70F、71Fとして形成してあり(図14)、第1トレイ部70および第2トレイ部71が二枚貝のように一緒に折り重ねられるかまたは折り畳まれたときに、フィン70F、71Fが互いにはめ合って一体フィン75を形成する(図13A)。第1トレイ部70および第2トレイ部71を一緒に折り重ねて単一のパウチ63を保持し、保護するのに適したシールされ、閉ざされた内側シェルを形成するとき、高くなった部分70P、71Pが組み合わさって操作者が取り扱うのに適したくぼんだハンドル74を形成する(図13A)。第2トレイ部71は、さらに、その周縁から内側で平行に断片的に延びる多数の高くなったタブ71Tを含み、これらのタブ71Tは、第1トレイ部70および第2トレイ部71を一緒に折り重ねてパウチ63を保持し、保護するのに適したシールされ、閉ざされた内側シェルを形成したとき、部分70の周縁から内側で平行に形成したはめ合わせくぼみ70Dに嵌合する。重要なのは、第1トレイ部70および第2トレイ部71を一緒に折り重ねたとき、フィン部分70F、71Fが一致して一体フィン75を形成し(図13A)、そこに後述する、矢印76で示すノッチNを切ることができるということである。第1トレイ部70および第2トレイ部71の製作、組み立てに関するさらなる技術的な詳細は、本明細書に組み込まれており、当業者であれば容易に理解できよう。
【0030】
先に述べたように、アナライザ10上の適切な取り付けブラケット62M内に設置したときに適切な瓶状容器44が確実に正しい向きとなるようにする際の、本発明の流体取り扱いシステムの重要な特徴は、6つのノッチ型パターンのうちの1つのノッチを一体フィン75に切り、各パターンが或る選定された溶液にキー合わせされ、取り付けブラケット62Mが対応するキー合わせパターンを有し、その結果、取り付けブラケット62M内に装着することができる瓶状容器44のみが、合わせキー・パターン62Kに対応するパターンでノッチを切ったフィン75を有するということである。図15Aは、たとえば、取り外し可能な第1部分75Pが取り外し可能な第2部分75PPに隣接し、第2部分75PPが取り外し可能な第3部分75PPPに隣接し、第3部分75PPPが取り外し可能な第4部分75PPPPに隣接し、第4部分75PPPPが取り外し可能な第5部分75PPPPPに隣接し、第5部分75PPPPPが取り外し可能な第6部分75PPPPPPに隣接して設けてあるフィン75を示している。図15B、C、D、E、F、Gは、このキー合わせパターンの一実施態様を示しており、このキー合わせパターンは、たとえば、容器44のフィン75の第1部分75Pが切り取られた第1パターン(図15B、たとえば、将来の臨床溶液を収容する容器44用)と、フィン75の第1部分75Pに隣接した第2部分75PPが切り取られ、第1部分75Pがそのまま残っている第2パターン(図15C、たとえば、ISE希釈溶液を収容している容器44用)と、フィン75の第2部分75PPに隣接した第3部分75PPPが切り取られ、第1部分75Pおよび第2部分75PPがそのまま残っている第3パターン(図15D、たとえば、将来の臨床溶液を収容している容器44用)と、フィン75の第3の部分75PPPに隣接した第4部分75PPPPが切り取られ、第1部分75Pおよび第2部分75PPおよび第3部分75PPPがそのまま残っている第4のパターン(図15E、たとえば、システム希釈溶液を収容している容器44用)と、フィン75の第4部分75PPPPに隣接した第5部分75PPPPPが切り取られ、第1部分75Pおよび第2部分75PPおよび第3部分75PPPがそのまま残っている第5パターン(図15F、たとえば、ISE第1標準A溶液を収容している容器44用)と、フィン75の第5部分75PPPPPに隣接した第6部分75PPPPPPが切り取られ、第1部分75Pおよび第2部分75PPおよび第3部分75PPPおよび第4部分75PPPPおよび第5部分75PPPPPがそのまま残っている第6パターン(図15G、たとえば、将来の臨床溶液を収容している容器44用)とからなる。図16は、先に述べたように、矢印が逐次に識別用ノッチNパターンを示している溶液識別用キー合わせパターンを有する先に述べた容器43、44の例を表している。当業者であれば容易にわかるように、他のキー合わせパターンをフィン75に切ってもよいし、発明の範囲から逸脱することなく部分75P、75PP、75PPP、75PPPPの取り除きを変えてもよい。図示した実施形態においては、部分75P、75PP、75PPP、75PPPPのすべては順番に除いている。しかしながら、代替の実施態様においては、発明の範囲から逸脱することなく選定した対の、または、他のグループの部分75P、75PP、75PPP、75PPPPを除いてもよい。
【0031】
図17は、取り付けブラケット62M−ISEを示しており(明瞭にするために透明を表す破線で示してある)、この取り付けブラケット62M−ISEは、独特のはめ合わせキー・パターン62K−ISEを有し、たとえば、システム希釈溶液を収容し、第4部分75PPPPを切り取った容器44しか装着できない。図17Aは、さらに、取り付けブラケット62M−SPCを示しており(明瞭にするために透明を表す破線で示してある)、この取り付けブラケット62M−SPCは独特のはめ合わせキー・パターン62K−SPCを有し、たとえば、サンプル・プローブ・クリーナ溶液を収容しており、第1部分6OPが切り取ってある容器43しか装着できない。当業者には明らかなように、異なったサンプルプローブ清浄溶液および試薬プローブ清掃溶液、およびキュベット洗浄溶液を有する3つの容器43のうちの少なくとも各々について独特のはめ合わせキー・パターン62Kを創り出すことができ、異なった希釈溶液および第1標準溶液を有する3つの容器44のうち少なくとも各々について独特なはめ合わせキー・パターン62Kを創り出すことができる。たとえば、選定した対の、もしくは他のグループの部分75P、75PP、75PPP、75PPPP、75PPPPP、75PPPPPPを取り除いたり、および/または選定した対の、もしくは他のグループの部分60P、6OPP、60PPP、60PPPPを取り除いたりして、本発明の内容または範囲から逸脱することなく、任意数の異なった溶液容器を独自に創り出したり、異なった取り付けブラケット62Mに独自にはめ合わせしたりすることができる。
【0032】
当業者ならば容易に理解できるように、本発明は、広範囲にわたる利用、用途に応用可能である。本明細書で説明したもの以外の多くの本発明の実施態様および改作、ならびに多くの変形、改良および均等配置は、本発明および先のその説明から明らかであろうし、または、本発明の内容または範囲から逸脱することなく本発明および先のその説明によって合理的に示唆されているであろう。特に、図7B、C、E、D、Eおよび図15B、C、D、E、F、Gは、重なり合うことなく互いに異なるものとして、ノッチ60P、60PP、60PPP、60PPPPを示した。同様に、図15B、C、D、E、F、Gは、重なり合うことなく互いに異なったものとして、ノッチ75P、75PP、75PPP、75PPPP、75PPPPP、75PPPPPPを示した。ここで、これらのノッチが互いに重なり合い、同じ独特のキー・パターンを達成することができることを十分に認識すべきである。図18Aは、ノッチ60P、60PPをやや重なるものとして(明瞭な図示の目的のために破線で示す)のこのような実施態様を示している。同様に、図18Bは、ノッチ75P、75PP、75PPPをやや重なるものとして(明瞭な図示の目的のために破線で示す)のこのような実施態様を示している。
【0033】
したがって、本明細において本発明を特定の実施態様に関連して詳細に説明してきたが、この開示が、本発明の単なる例証および典型となるものにすぎず、単なる発明の十分かつ可能にする開示を提供する目的のために行ったにすぎないということは当然理解されるべきである。前述の開示は、本発明を限定したり、どのような他の実施態様、改作、変形、改良および均等配置をも排除したりすることを意図しておらず、または、そのように解釈されるべきではなく、本発明は添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明が有利に使用され得る自動アナライザの概略平面図である。
【図2】異なった瓶状の容器が、サンプル・試薬プローブ清掃溶液、第1、第2の希釈溶液、キュベット洗浄溶液、第1、第2の標準液および塩橋溶液の大量保管・供給を行っている、本発明の3つの異なった瓶状の容器の正面図である。
【図3】臨床アナライザ内に装着した図2の3つの異なった瓶状容器を示す図である。
【図4】サンプル・試薬プローブ清掃溶液およびキュベット洗浄溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
【図4A】図4の瓶状容器の透視図である。
【図5】本発明において有用なキャップの平面図である。
【図5A】図5のキャップの、A−A線に沿った断面図である。
【図6】本発明の瓶状容器の1つを受け入れるようにキー止めしたアナライザ・ブラケットの透視図である。
【図7】A〜Eは図4の瓶状容器に有用ないくつかのキー・パターンを示す。
【図8】AおよびBは図4の瓶状容器に有用な代案のキー・パターンを示す。
【図9】本発明の溶液パウチの分解透視図である。
【図10】図9のパウチと共に有用な取付具の正面図、断面図、透視図、頂面図である。
【図11A】塩橋溶液および第2標準溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
【図11B】図11Aの瓶状容器で使用される図9の2つの溶液パウチの分解透視図である。
【図11C】図11Aの瓶状容器を開いた状態で示す透視図である。
【図12】図11Cの瓶状容器を開いた状態で詳細に示す透視図である。
【図13A】第1、第2の希釈溶液および第1標準溶液の大量保管・供給を行う瓶状容器の正面図である。
【図13B】図13Aの瓶状容器で使用される図9の溶液パウチの分解透視図である。
【図13C】図13Aの瓶状容器を開いた状態で示す透視図である。
【図14】図13Cの瓶状容器を開いた状態で詳細に示す透視図である。
【図15−1】A〜Dは図13Aの瓶状容器で有用ないくつかのキー・パターンを示す。
【図15−2】E〜Gは図13Aの瓶状容器で有用ないくつかのキー・パターンを示す。
【図16】さらに、図13Aの瓶状容器での、図15A〜Eのキー・パターンを示す。
【図17】さらに、図6のそれぞれ異なったキー止めされたブラケットの図2の2つの異なった瓶状容器を示す。
【図18A】図7A〜Eの代案実施形態を示す。
【図18B】図15A〜Gの代案実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動臨床アナライザ内で多数の溶液の保管および供給を提供するための流体取り扱いシステムであって、
各々がフィン状の底部を有し、フィンの各々がその中に少なくとも1つの開放式ノッチの異なったパターンを有する、多数の異なった瓶状容器;
上記アナライザ内の多数の容器取り付けブラケットであり、上記フィンに設けた開放ノッチ・パターンの1つとのみ合致する閉部分および開部分からなる1つのパターンを備えたはめ合わせキーを有し、異なった瓶状容器の1つだけしか容器取り付けブラケットの各々に装着できないようにした取り付けブラケット
を含む、流体取り扱いシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの開放式ノッチからなるパターンが多数の重なり合うノッチを含む、請求項1に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項3】
瓶状容器の少なくとも1つが、2つの対向する側部に位置合わせリッジを有し、この位置合わせリッジが側部中心線と瓶状容器の前壁との間に位置している、請求項1に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項4】
位置合わせリッジが取り付けブラケットに形成された対応する溝内に嵌合するサイズとなっている、請求項3に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項5】
瓶状容器が、サンプルプローブ清浄溶液、試薬プローブ清浄溶液、第1、第2の標準溶液、第1、第2の希釈溶液、キュベット洗浄溶液および塩橋溶液の大量保管および供給を提供する、請求項1に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項6】
さらに、瓶状容器のうち少なくとも1つの瓶状容器内に収容された折り畳み可能なプラスチック・フォイル・プラスチック・パウチを含む、請求項1に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項7】
パウチが、口状開口部を有し、この口状開口部内でシールされる取付具と、取付具内のセプタムと、セプタムを取付具内にシールする金属キャップとを含む、請求項6に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項8】
取付具が、中央孔が貫いているほぼ円筒形のボディと、このボディの上部のところで外方へ伸びる多数の平行の、隔たった溶接シーリング・フォイルと、ボディの底部で外方へ伸びており、溝が形成してある一対の着座用リッジとを含む、請求項6に記載の流体取り扱いシステム。
【請求項9】
溶接シーリング・フォイルが外方へ広がり、その対向する両端のフィンに向けてテーパ状となっていて、口状開口部内の熱誘導シールの一体化を容易にしている、請求項8に記載の流体取り扱いシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15−1】
image rotate

【図15−2】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18A】
image rotate

【図18B】
image rotate


【公表番号】特表2009−517663(P2009−517663A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542513(P2008−542513)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/061155
【国際公開番号】WO2007/062373
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】