説明

自動コーヒーメーカーおよびピンチ弁

本発明は、液体および/または気体用の流れ管と、この流れ管を通る流量を調整するための調整装置とを具え、ピンチ弁(1)を有する自動コーヒーメーカーに関する。本発明はまた、同様に形成されたピンチ弁(1)に関する。本発明によるピンチ弁(1)は、作業中の流れ管の向きを変更する方向変更装置(5,6,7)によって、さらに改善されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体および/または気体用の流れ管と、この流れ管を通る流量を調整するための調整装置とを具え、ピンチ弁を有する自動コーヒーメーカーに関する。本発明はまた、自動コーヒーメーカー用のピンチ弁に関する。本発明は、コーヒー以外に、例えばお茶や、混成調合茶葉またはブロスを調製する加熱飲料自動ディスペンサーにて一般的に用いることができる。平易性のため、以下の説明が自動コーヒーメーカーに言及するけれども、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
自動コーヒーメーカーにおける液体および/または気体の流動の調整は、特定の機能ユニットまたは流出方向に対して液体および/または気体を一方において遮断すると共に他方において流すのに役立つことができる。従って、適切な弁設定手段により、例えばお湯でブロス液経路を満たしたり、蒸気で蒸気経路を満たすことが可能である。最高級の自動コーヒーメーカーにおいては、セラミック弁が流動を調整するために用いられ、流動開口が与えられた調整円板は、選択した調合機能に対応して回転し、流動開口が供給経路および排出経路と相互に流動通路を形成するようになっている。
【0003】
ピンチ弁は、蒸気の計量排出用として知られている。これらは、液体または気体が通過する流れ管と、この流れ管をしごくピンチジョーとからなり、その内部断面積が減じられるようになっている。この方法においては、流量および間接的に流動圧力もまた調整される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、液体および/または気体の案内通路を可能にすると共に最大限汚染されにくい流れ弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、作業中に流れ管の向きを変更する方向変更装置を有し、導入部で言及された形式の自動コーヒーメーカーによって達成される。この発明によるピンチ弁は、このような方向変更装置が同様に装備される。
【0006】
この発明は、流れ管またはピンチ弁の管の少なくとも本質的な部分が一定の可撓性を有するという事実を基本的に利用している。さもなければ、流れ管を通る流量の充分な調整を確実にすることができないので、この可撓性は必要である。さて、この発明は、2つの方法で管の可撓性を利用し、すなわち流れ管を通る流量の削減に加え、流通する液体および/または気体の方向の変更を簡単な方法で達成することができることもまた、確実にする。柔軟な流れ管は、単純な後方および前方移動によって流体を異なる方向に偏向させることができる。これにより、これが流体を異なる通路へと偏向させることができる多方向スイッチの形式として付加的に使うことができる。
【0007】
従って、本発明は導入部で述べた種類の従来のピンチ弁に対し、方向変更装置の付加による機能の組み合わせに基づいている。この方法において、流量を調整することに加え、流通する液体および/または気体の方向転換または方向付けは、驚くほど簡単な方法で、かつ著しい材料または構造的労力および出費なく実現することができる。従って、小さな組み込み空間での本発明による弁は、これまで別個のスイッチで行われなければならなかった重要な追加の機能を獲得する。
【0008】
方向変更装置は、例えば流れ管に対してしっかりとまたは大ざっぱに結合され、かつこの流れ管を異なる方向に位置合わせおよび/またはその出口に変位させる少なくとも2方向に変位する摺動要素であってよい。これらの方向は、自動コーヒーメーカーの種々の調合,保守,洗浄または他の機能と関連付けることができる。
【0009】
第1の実施形態における少なくとも1つのピンチジョーは、流れ管に作用する調整装置として役立つ。これは、流量が流れ管の外側から調整され、この方法においては外部からも調整できることを意味する。このため、ピンチジョーを介して流れ管に力が加えられ、管の直径に影響を与える。ピンチジョーは、これがその通路断面積を少なくとも減少させるように、流れ管を押しつぶすことができる。
【0010】
特に好ましくは、ピンチジョーを方向変更装置に機械的に結合することが有利である。このような結合により、流れ管の方向変換をピンチジョーの設定によってもたらすことができる。この結合はまた、逆向きに生じさせることもでき、方向変更装置の再設定がピンチジョーの位置の対応する変更をもたらす。特に好ましくは、この結合が両方の作動方向に依存し、ピンチジョーの位置調整が流れ管の方向変更をもたらすと共にその逆もまた可能であるようになっている。この連結における結合は、個々の他の部材の対応する複数の位置をピンチジョーまたは方向変更装置の特定の位置に対して好ましくは割り振ることが原理的に可能である。また、これらの部材の対応する位置は、相互にのみならず、作業中の自動コーヒーメーカーの選択した機能にも依存する。例えば、方向変更装置の異なる設定に関し、ピンチジョーの位置は、それぞれの場合において同じ位置のままであってよく、自動コーヒーメーカーの特定の選択した機能のために変更される必要があるだけである。従って、ピンチジョーおよび方向変更装置の結合は、ピンチジョーのそれぞれの押し潰し位置が自動コーヒーメーカーのそれぞれの調合,保守または洗浄機能に対応した流れ管の向きに対応することを意味する。従って、この結合は、ピンチ弁が自動コーヒーメーカーのそれぞれの機能に依存する範囲内でのピンチジョーおよび方向変更装置の位置の自動設定のために役立つ。
【0011】
本発明のさらなる一変形において、ピンチ弁は、加熱飲料ディスペンサーおよび/または排液および/または気体のための出口として設計される。これが加熱飲料ディスペンサーのための出口として機能する場合、これは自動ディスペンサーハウジングの外側領域にある加熱飲料のため、加熱飲料を作成チャンバーから自動コーヒーメーカーの出口に向けて導く。排液口は、液体および/または気体を外部に排出し、この排液口は、例えば作成または発泡工程から残った水および/または残った蒸気あるいは同様な物質を処理するのに役立つ。この排液口は、自動コーヒーメーカーの別な機能が作動した場合、残留液および/または気体がこの機械内に留まっていることを阻止し、これによって故障を阻止する。弁は、例えばこれが蒸気で満たされ、例えば泡立て牛乳のために蒸気ノズルへと運ばれる場合、気体出口として機能する。
【0012】
ピンチ弁の利点は、ピンチ弁を加熱飲料用の出口として設計する際に特に明らかになる。弁部品が加熱飲料それ自体と接触状態になるセラミック弁とは対照的に、本発明によるピンチ弁に関しては加熱飲料のみが流れ管を通って流れるだけであるので、ピンチ弁の機械的要素、例えばピンチジョーは、飲料と接触状態には特にならない。このような方法において、ピンチ弁の機械的機能部品が汚染状態になることは、ほとんど不可能である。
【0013】
本発明によるピンチ弁はまた、排出される蒸気または残余のブロス液が概ねまだ極めて高温の状態にあるので、排出口として、特に蒸気排出システムとしても推奨される。従って、流れ管を耐熱材料から作ることができる。加えて、排出が高い初期圧にて通常行われ、排出口でのフローバルブの機械的負荷が非常に大きくなっている。ピンチ弁は、流れ管がこれを高圧にさらす領域に安定化させるハウジング内に保持された場合、この負荷を間接的に例えば吸収することができる。そして圧力にさらされた場合、流れ管はこれを完全に囲むハウジングに対して支持される。他方、ほぼ大気圧で液体および/または気体が流通する領域において、例えばこのような安定化処理なしでこれが自由状態になるように設計することができる。
【0014】
自動コーヒーメーカーの個々の異なる始動調合機能に応じてピンチジョーの設定を作業中に調整することができる。従って、調合機能を選択することにより、使用者は作業中にピンチ装置の設定を間接的に動かすことができる。例えば、「コーヒー作成」の調合機能が選択された場合、流れ管が閉じられないようにピンチジョーの設定を調整することができる。例えば泡立て牛乳入りのコーヒーを準備する場合、圧力を増大するために流れ管を通る流量の絞りをピンチジョーの支援を伴って達成することができる。このため、ピンチジョーは流れ管を単に部分的に閉じ、それによって必要な圧力−好ましくは少なくとも6バールの圧力−が作り出される。
【0015】
他方、コーヒー調合処理の最後に、作成処理の後の残余の作成液が出口から落ちずにピンチ弁の内部に保持されるように、ピンチジョーは流れ管を完全に閉じることができる。次の排出機能の選択に関し、ピンチジョーの設定は残余の作成水の支障のない流出を許容することができる。
【0016】
従って、ピンチジョーの設定の支援に関し、それはただ流れの自由流れと完全な停止との間で流れを変更することができるだけではなく、絞ることを達成することもでき、それによってピンチ弁の上流の気体または液体の圧力と全く同じように流量を調整することができる。圧力調整は、例えば泡立てのために高圧にしなければならないコーヒーの如く、例えば準備された加熱飲料のさらなる処理のために必要であってよい。
【0017】
本発明のさらなる有利な変更によると、ピンチジョーのしごき力はばねによって調整される。ピンチジョーは、管に対するその摘まみ位置でばねにより押圧されることができる。好ましくは、はね力を変更することができ、ばねは平坦な特性線を好ましくは有する。これは、流れ管の許容誤差、例えばその硬さおよびその断面を補償するのに特に役立つ。ピンチジョーが流れ管を通る流量をばねの支援および補助を伴って封じ込めるために用いられる場合、そしてまた弁の上流側の圧力が高すぎる場合、ばねはこのような過剰な圧力が解除される範囲まで緩むことができる。従って、ばねは許容誤差を補償するのみならず、過剰な圧力を逃がす種類の弁として作動することができる。
【0018】
本発明の有利な変更によると、案内スロットを持つ案内ホイールが方向変更装置を作動させるために設けられる。案内スロットは、方向変更装置を制御する。案内ホイールは、歯車リムを有することができ、それによってこれを容易に調整することができる。同時に、これは案内変更装置をピンチジョーに結合するのに役立つ。案内スロットは、例えば案内ホイール内の湾曲した案内凹部の形態であってよい。方向変更装置にある歯は、凹部へと突出することができる。案内ホイールが回される場合、これはまた、案内変更装置の位置を変更するのに役立つ。
【0019】
加えて、ピンチジョー案内が好ましくは与えられ、これはピンチジョーの設定を調整するのに役立つ。また、このピンチジョー案内を案内ホイールに設けることができる。これを方向変更装置の案内スロットと同じ案内ホイールに、例えば方向変更装置のための案内スロットが取り付けられる反対側の案内ホイールに第2スロットとして形成することができる。この場合、案内ホイールは、一方において案内変更装置の案内スロットのためのキャリアーとして、他方においてピンチジョー器具の案内スロットのためのキャリアーとして役立つ。案内ホイールの支援およびそこに取り付けられるその案内要素に関し、ピンチジョーおよび方向変更装置は、常に正確にピンチジョーの同じ設定が方向変更装置のそれぞれの設定と関連付けられるように結合される。
【0020】
好ましくはいくつかのピンチジョー、特に2つの対向するピンチジョーが用いられ、これらはその長手方向に沿った一点にて流れ管を共同でしごくことができる。加えて、あるいは代わりに、相互に変位する複数のピンチジョーを流れ管の長手方向に沿って設けることができる。これらのピンチジョーまたは一対のピンチジョーは、例えばピンチジョーの閉塞機能またはこの閉塞機構の差動調整を共同で保証することができる。
【0021】
ピンチジョーを締結レバーの一部として形成した場合、特別な利点が得られる。締結レバーは、これをぐるぐる旋回させることができる支承部を有する。この方法において、ピンチジョーの位置およびしごき効果を、特にすでに述べたばねを介在させたピンチジョーの調整と組み合わせて単純な方法で調整することができる。
【0022】
本発明によるピンチ弁は、流れ管がタッピング装置に連結され、かつ/あるいは作成液体レセプタクルに装着されるハウジングを特に好ましくは具えている。タッピング装置または作成液体レセプタクルを射出成形処理の流れ管に射出成形する場合、例えば二成分系の射出成形によって永久結合を達成することができる。
【0023】
既製の飲料濃縮物を有する容器は、その内容物が流れ管に達することができるように、タッピング装置で栓をすることができる。作成液体レセプタクルは、コーヒーを作るためにくみ上げられ、次いでピンチ弁の流れ管へと導かれる熱湯が通されるコーヒーパッドまたは挽いたコーヒーを収容するのに役立つ。ピンチ弁を好ましくはタッピング装置および作成液体レセプタクルと共にハウジングから取り外すことができる。ハウジングは、ピンチ弁を外部に対して遮り、従ってこれを汚染物または機械的損傷に対して保護するのにも役立つ。ピンチ弁と、交換可能な部品としてのタッピング装置および/または作成液体レセプタクルとの組み合わせは、汚染物に対する影響を受けやすく、従って保守を必要とする唯一の要素、すなわち流れ管が、これをきれいにして別々に使えることができるように、個々に取り外されることが可能であることを意味する。
【0024】
少なくとも1つのピンチジョーを持つピンチ弁の好ましい実施形態に加え、これは流れ管が調整装置としての弾性狭窄部を代わりにあるいはさらに具えていることを認識することができる。そのあらかじめ設定された弾性のため、管が指定または最大の値までの内圧に耐えることができるように、この管の材料を策定または選択することが可能である。従って、前述の実施形態のピンチジョーのしごき力は、この場合、管材料の指定された弾性に置き換えることができる。希望するのであれは、ピンチジョーの使用を完全に排除することができる。次に、狭窄部の弾性は、管の内径が狭窄部の上流の圧力に依存していかなる追加の関与もなく自動的に変化することを意味するので、追加の操作力を外部から加えることなく、流れ管は流れも自動的に調整し、開閉作用がそれによって達成される。
【0025】
本発明の原理は、以下、例示によって添付図面の支援と共により詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるピンチ弁の部分断面図であり、流れ管を省略している。
【図2】ピンチ弁の別な図である。
【図3】同じピンチ弁の反対向きの図である。
【図4】ピンチ弁の平面図である。
【図5a】図4の切断線A'−Aに沿ったピンチ弁の第1の断面図である。
【図5b】図4の切断線B−B'に沿った第2の断面である。
【図6a】第2の機能設定状態にある図4の断面線A'−Aに沿ったピンチ弁の第1の断面図である。
【図6b】第2の機能設定状態にある切断線B−B'に沿った第2の断面図である。
【図7a】第3機能設定状態にある切断線A'−Aに沿った断面図である。
【図7b】第3機能設定状態にある切断線B−B'に沿った第2の断面図である。
【図8】本発明によるピンチ弁の別な一実施形態の流れ管の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明によるピンチ弁1の一実施形態の内部を示す。2つの締結レバー11a,11bがハウジング23に旋回するように配され、これらはハウジングの内側方向を向くピンチジョー17a,17bをそれぞれ具えている。締結レバー11a,11bの両方とも図1の上部領域で旋回するように取り付けられ、一方の締結レバー11bは、ばね(図示せず)に対して水平移動することが可能である。ばねの弾性力を変更するために調整ねじ19が設けられている。案内ラグ21a,21bが支持体に対向する締結レバー11a,11bの端部に配置されている。
【0028】
一連の歯4を持つ歯車3が締結レバー11a,11bの下の垂直軸線を中心として回転可能に配置され、案内突起21a,21bが歯車3の上側に形成した2本の窪んだスリット形状の案内溝9の形態にあるピンチジョー案内に係合するようになっている。案内溝9は、共に歯車3の内側から外側へとそれぞれの場合において通っており、締結レバー11a,11bが歯車3の回転に対して直線的に内側および外側へと必然的に水平に案内されるようになっている。
【0029】
方向変更装置は、歯車3の下側に取り付けられ、締結レバー11a,11bの移動に対し直交して水平に移動することができる摺動体5を具えている。この摺動体5は、バー案内31を側面に具え、これはハウジング内を直線状に移動可能に案内されることができる。その往復運動を制御するために案内スリット7が歯車3の下側に設けられ、これは摺動体5の上側に取り付けられたピン6と連係する。歯車3の設定に応じて摺動体5はまた、異なる位置を取る。
【0030】
飲料カートリッジのためのタッピング装置13が配される流れ管(図示せず)は、ピンチ弁1の上側から垂直下向きに2つのピンチジョー17a,17bに沿って案内されよう。従って、歯車3は、中央部に案内開口15を有する摺動体5と同じ方法で流れ管を通して案内することができる開口29を有する。
【0031】
歯車3の回転設定に応じて締結レバー11a,11bがそれぞれ位置決めされ、従ってピンチジョー17a,17bが開かれるか、もしくは閉じられ、流れ管が完全または部分的に開くか、あるいは全く開いていないようになっている。ばねを介した締結レバー11bの支承のため、そのピンチジョー17bの押圧力を変更することができ、それによって流れ管の肉厚および可撓性の公差を補償することができる。流れ管内の圧力が高すぎた場合、ばねを介した支承はまた、任意の過渡の圧力を放散させることを可能にする。同時に、流れ管は歯車3の回転設定に応じてさらにまた、摺動体5を用いて異なる方向に向けられる。
【0032】
図2は、当該ピンチ弁1の部分を上からの立体投影図で示す。すでに記述した部材はさておき、締結レバー11bに対して作動するばね20を見ることができる。サーボモーター25は、ウォーム歯車27を介して歯車3の設定を変更する。この方法において、自動コーヒーメーカーのさまざまな選択可能な機能に応じて歯車3を調整することができる。
【0033】
図3は、同じピンチ弁1を下側から示す。この場合、特に摺動体5のための案内スリット7の形状を認識することができる。これは、摺動体5のピン6をその外側限界での場合と同様に、歯車3の中心点に隣接して位置決めされることができるように設計されている。従って、この摺動体5は、案内スリットを用いて中心設定および外側設定の最端位置の間を後方および前方に移動可能である。これは、その案内開口15にある流れ管を移動させ、この流れ管が歯車の設定に応じた異なる方向を向き、例えば異なる通路に連結することができるようになっている。
【0034】
同じピンチ弁の平面図を示す図4は、次に述べる図5a〜図7bの立体投影図を示すために役立ち、流れ管の異なる位置を示すために2つの断面A'−AおよびB−B'が続いて用いられる。
【0035】
図5aおよび図5bは、本発明によるピンチ弁1を第1機能、すなわち流れ管2が開いた時の排出機能設定中の流れ管2と共に示す。流れ管2は、ピンチジョー17a,17bによってしごかれない。摺動体5は、流れ管2が正確に垂直下向きに伸びるように調整される。
【0036】
他方、図6aおよび図6bは、第2機能設定、すなわち開いた流れ管2を用いて調合設定中の本発明によるピンチ弁1を示している。この場合において、流れ管2はピンチジョー17a,17bによって全くしごかれない。しかしながら、摺動体5は図5bと比較して水平に変位する。従って、流れ管2はその下端にて図5bに示した異なる方向に向けられる。これは、今、自動コーヒーメーカーの飲料出口の方向を向く。
【0037】
流れ管2の方向はまた再び図6bと同じ図7bにある。他方、図7aにおいて、流れ管2は、2つのピンチジョー17a,17bを用いてここで完全に閉ざされている。この閉止は、例えばコーヒーの作成および供給処置の完了後にしたたり落ちを阻止するために実行される。さて、この第3機能の設定は、図5aおよび図5bによる第1機能の設定、すなわち排出設定で再度終わることができる。この機能の設定は、再び歯車3を単に回転させることによって自動的に調整される。摺動体5は案内スリット7を介して結合され、ピンチジョー17a,17bは、ピンチジョー案内9を介して歯車3に結合される。この方法において、摺動体5とピンチジョー17a,17bとの相互の直接結合もまた達成される。これによる歯車3の設定の切り替えは、如何なる追加の介入なしで両方の部材の位置の同時切り替えをもたらす。
【0038】
図8は、本発明によるピンチ弁の他の一実施形態にて用いることができる如き流れ管2'の長手方向断面を示す。この流れ管2'は、高圧、例えば6バール以上の領域に耐えるために充分な剛性を有する材料で作られる。これは、例えば管2'の繊維補強材を用いるか、あるいは適当な管肉厚を持つ寸法が実質的に安定したプラスチック材料を選択することにより、実現することができる。この流れ管2'は、調整装置として働く弾性狭窄部33を有し、この領域における管2'の内径は、通常の直径d1から狭隘直径d2まで減少している。
【0039】
初期圧p1の液体35が流れ管2'を介して押し出される場合、狭窄部33は絞りのように作用する。流れ管2'の材料の剛性のため、絞り力F1は、狭窄部33の領域の管の内側の方向に加えられる。狭窄部33の前方の流れ方向の初期圧p1のため、反力F2が絞り力F1に対して作用し、その結果として狭窄直径d2が増大する。例えば、狭窄部33の領域の流れ管2'を、充分に高い初期圧p1、例えば6バールの大きさに達するまで、完全に閉じておくことができる。そして、狭窄部33が反力F2のために開き、液体35が通り抜けることができるようになっている。大気圧に概ね対応して減少した圧力p2が狭窄部33の下流に拡がる。
【0040】
しっかりと設計かつ形成されたこのような流れ管2'を用いた場合、そして前述したようなピンチジョーの使用は、完全な定量供給をすることができる。代わりに、流れ管2'はあらゆる外的な追加作動力を用いずに流れを自動調整する。
【0041】
詳細に記述したピンチ弁の前述の部材が実施例であるので、これらは本発明の範囲を越えることなく、当業者による通常の方法で広く変更することができる。また、特にピンチジョーの特定の詳細を前述したものと別な方法で実施することができる。同様に、空間的制約や設計または機能的な理由のために必要であるならば、ピンチジョーおよび方向変更装置の制御を他の方法で実施することができる。また、不定冠詞「a」または「1つ」の使用は、関連する特徴の多数の存在を除外しない。
【符号の説明】
【0042】
1 ピンチ弁
2,2' 流れ管
3 歯車
4 一連の歯
5 摺動体
6 ピン
7 案内スリット
9 ピンチジョー案内−案内溝
11a,11b 締結レバー
13 タッピング装置
15 案内開口
17a,17b ピンチジョー
19 調整ねじ
20 ばね
21a,21b 案内突起
23 ハウジング
25 サーボモーター
27 ウォーム歯車
29 開口
31 バー案内
33 狭窄部
35 液体
1 平常時の直径
2 狭窄部直径
1 しごき力
2 反力
1 初期圧
2 減圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(35)および/または気体用の流れ管(2,2')と、この流れ管(2,2')を通る流量を調整するための調整装置とを具え、ピンチ弁(1)を有する自動コーヒーメーカーであって、作業中に前記流れ管(2,2')の向きを変更する方向変更装置(5,6,7)により特徴付けられた自動コーヒーメーカー。
【請求項2】
前記調整装置として、少なくとも1つのピンチジョー(17a,17b)により特徴付けられた請求項1に記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項3】
前記方向変更装置(5,6,7)に対する前記ピンチジョー(17a,17b)の継手により特徴付けられた請求項2に記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項4】
前記ピンチ弁(1)が加熱飲料ディスペンサーおよび/または排出口および/または気体出口として形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項5】
しごき力がばねによって調整されるピンチジョー(17a,17b)により特徴付けられた請求項2から請求項4の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項6】
前記方向変更装置(5,6,7)用の案内スリット(7)を有する案内ホイール(3)により特徴付けられた請求項1から請求項5の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項7】
前記ピンチジョー(17a,17b)を調整するための前記案内ホイール(3)にあるピンチジョー案内(9)により特徴付けられた請求項6に記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項8】
複数のピンチジョー(17a,17b)によって特徴付けられた請求項2から請求項7の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項9】
前記ピンチジョー(17a,17b)が締結レバー(11a,11b)の一部として形成されていることを特徴とする請求項2から請求項8の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項10】
前記流れ管(2,2')がタッピング装置(13)にしっかりと連結および/または作成液体レセプタクルに装着されるハウジング(23)により特徴付けられ、これらが好ましくは前記ハウジング(23)から取り外し可能である請求項1から請求項9の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項11】
前記流れ管(2')が調整装置として作動する弾性狭窄部(33)を有することを特徴とする請求項1およびそれぞれ請求項2に従属することを除く請求項4,6,10の何れかに記載の自動コーヒーメーカー。
【請求項12】
特に請求項1から請求項11の何れかに記載の自動コーヒーメーカーのためのピンチ弁(1)であって、液体(35)および/または気体用の流れ管(2,2')を有すると共にこの流れ管(2,2')を通る液体の流れおよび/または気体の流れを調整するための調整装置を有し、作業中に前記流れ管(2,2')の向きを変更する方向変更装置(5,6,7)によって特徴付けられたピンチ弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−524644(P2012−524644A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507676(P2012−507676)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055141
【国際公開番号】WO2010/124962
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501175214)クラフト・フーヅ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・インコーポレイテッド (56)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R & D, INC.
【Fターム(参考)】