説明

自動ターミナルのための後方のヤードクレーン

【課題】ヤードとトラックとの間の有効なコンテナの運搬を実現するように、自動ターミナルに十分に適応するクレーンを提供する。
【解決手段】支持部102は、グラウンド・キャリアレールとトラック作業領域とを覆うように延びているビーム120と、これを支持する複数のポストとを有している。第2のキャリア106が移動する第2のキャリアレール104は、ビーム120の上に配置されている。第1のキャリア110が移動する第1のキャリアレール108は、第2のキャリアレール104に直交した方向に、第2のキャリア106上に配置されている。回転メカニズム112は、第1のキャリア108に取り付けられ、少なくとも90゜回転する。昇降メカニズム114は、回転メカニズム112に取り付けられ、回転メカニズム112と一緒に回転し、コンテナを昇降させるスプレッダーを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテナターミナルのコンテナの積み降ろしの技術に関わり、特に、自動ターミナルのための後方のヤードクレーンに関わる。
【背景技術】
【0002】
コンテナ運搬に対する拡大する要求と、コンテナターミナルの処理能力の連続した発展とに伴い、更なる要求が、コンテナの積み降ろしの装置とコンテナの積み降ろしの技術とに対して、なされている。コンテナの積み降ろしの新しい装置及びシステムは、広く、迅速な自動ターミナルの作業効率に対する要求を満たすように求められている。
【0003】
一般的に、コンテナターミナルは、前方の領域(岸壁領域)と、後方の領域(ヤード領域)と、中間の領域とに分けられる。前方の領域に配置されている岸壁クレーンが、コンテナ船に対してコンテナの積み降ろしのために使用され、後方の領域のヤードクレーンが、コンテナを積み重ねるために使用されている。また、トラックが、前記前方の領域と後方の領域との間で、コンテナを運搬するために使用されている。
【0004】
前記岸壁クレーンとヤードとの間の運搬のために、今日では、ディーゼルエンジンで駆動されるプレーントラックが、前方の領域と後方の領域との間の運搬を遂行するように使用されている。荷を降ろすプロセスでは、前記岸壁クレーンは、船からプレーントラックにコンテナを降ろし、このプレーントラックは、これらコンテナをヤードへと運搬し、そして、ヤードクレーンが、これらコンテナを、前記プレーントラックから持ち上げ、前記ヤード上に置く。荷を積むプロセスでは、前記ヤードクレーンは、コンテナを前記ヤードから持ち上げ、プレーントラック上に置き、プレーントラックは、コンテナを前記岸壁クレーンの下方の位置に運搬し、この岸壁クレーンは、コンテナを船に積む。種々の試みが、コンテナのための自動積み降ろしプロセスのために行われており、例として、オランダのロッテルダム港、ドイツのハンブルク港は、運転手によって運転される従来のプレーントラックに代えるように、自動運搬車(AGV)を導入している。AGVは、依然としてディーゼルエンジンで駆動されており、エネルギー源に改良が無い。更に、AGVは、とても高価であり、且つ、同じ面にあらかじめ埋め込まれた単一の案内ラインに沿って移動しなければならない。このため、1つのAGVが故障すると、すべてのシステムが停止される。あいにく、AGVが故障する可能性は、これの複雑な構造ゆえにとても高く、また、AVGの故障は、修理しにくい。従って、自動システムの現在の試みは、効果が低く、高コストである。
【0005】
従来の手動の方法も、自動の方法も、コンテナの積み降ろしのモードは、以下のように結論付けられ得る。プレーン運搬のモードは、コンテナターミナルの岸壁領域に配置されている岸壁クレーンと、このコンテナターミナルのヤード領域に配置されているヤードクレーンと、コンテナの運搬のために岸壁クレーンとヤードクレーンとの間を移動するディーゼルエンジン駆動の自動車、例えばコンテナトラック、クロス運搬トラック(cross transportation truck)、AGVとにより為される。前記積み降ろしのモードは、何ダースもの、すなわち何百ものディーゼルエンジン駆動の自動車を必要とし、これら多くの自動車のスムーズな移動を確実にするように、岸壁とヤードとの間に、地面のかなりの大きさを占める広い空間を確保しなければならない。また、広い空間が確保されても、コンテナターミナル内の交通は、すべての自動車が同じ面を走るので、それでもとても混雑する。これら自動車は、コンテナをタイミング良く運搬することができないので、効率が悪く、且つ、コンテナターミナル全体の積み降ろしの効率を下げる。自動車による運搬の効率が、コンテナターミナルの積み降ろしの効率への障害となる。更に、オイルが高価であり、コンテナターミナルの作業コストが高く、このためコンテナターミナルの利益が少ない。更なる問題は、オイルを燃やすことで、多くの排気ガスと騒音とを生じ、環境を非常に汚染する。また、ディーゼルエンジン駆動自動車の維持費が高い。プレーン運搬技術が滞り、コンテナターミナルの情報化、自動化、高度化を促進することができない。
【0006】
特許文献1は、コンテナターミナルの配置案を提供しており、特許文献1は、ここでは、参考として取り入れられる。
【0007】
特許文献1は、それぞれ複数の岸壁クレーンとヤードクレーンとの間に配置された3次元の低い高架の搬送システムを有し、グラウンド運搬キャリアシステムと共働する自動コンテナターミナルのための積み降ろしシステムを提供している。この低い高架の搬送システムは、少なくとも1つの低い高架の搬送のサブシステムを有しており、各サブシステムは、第1の方向(第1の方向とは、船上のコンテナの長手方向、即ち、ターミナルの海岸線に平行な方向を指す)に沿って配置された低い高架のレールの少なくとも1つのグループを有している。低い高架のレールのグループは、低い高架のクレーンレールと、低い高架の平坦なキャリアレールとを有している。少なくとも1つの低い高架のクレーンが、前記低い高架のクレーンレールに配置されており、この低い高架のクレーンレールに沿って移動する。前記低い高架のレールの各々は、前記低い高架のクレーンが前記岸壁クレーンの移動式滑車と共働できる位置と、前記低い高架のクレーンが前記グラウンド運搬キャリアと共働できる位置とに、前記低い高架の平坦なキャリアと前記低い高架のクレーンとが、少なくとも到達可能となるように構成されている。前記低い高架のクレーンは、コンテナを、どこでも必要な場所で、低い高架の平坦なキャリアと対応するグラウンド運搬キャリアとに、積み降ろしして良い。前記低い高架の平坦なキャリアは、特定の岸壁クレーンにつながっている位置と、特定のグラウンド運搬キャリアにつながっている位置とに移動し得る。これに対して、前記グラウンド運搬キャリアシステムは、少なくとも、第2の方向(第2の方向とは、ヤードでのコンテナの長手方向であり、ターミナルの海岸線に直交している方向)に沿って配置されているグラウンド運搬キャリアレールの少なくとも1つのグループを有している。これらグラウンド運搬キャリアレールは、ヤード内の通路と並び、ヤード内の所望の位置へと延びている。また、これらグラウンド運搬キャリアレールは、前記低い高架の搬送システムにおいて、前記低い高架の搬送のサブシステムの最も低い列の下の位置に延びている。前記グラウンド運搬キャリアシステムは、前記グラウンド運搬キャリアレールに沿って移動するグラウンド運搬キャリアを更に有している。前記グラウンド運搬キャリアレールは、これらグラウンド運搬キャリアが前記低い高架のクレーンと共働できる位置と、これらグラウンド運搬キャリアが前記ヤードクレーンと共働できる位置とに、前記グラウンド運搬キャリアが、少なくとも到達可能となるように構成されている。また、前記グラウンド運搬キャリアレールの各々は、グラウンド運搬キャリアの各々が、前記低い高架の運搬システムのどの列のどの低い高架の平坦なキャリアとも同じ面上にはないことを確実にするように、構成されている。グラウンド運搬キャリア、もしくは、前記低い高架のクレーンのうちの1つは、前記第1の方向と、第2の方向との間の角度で、コンテナを持って、もしくはコンテナを持たずに、回転する能力を有している。前記グラウンド運搬キャリアレールは、ヤード内に入り込んでいるだけでなく、ヤードの末端まで延びるよう構成され得、もしくは、ヤード内の奥まった場所まで延びるか、もしくは、ヤード全体に延びるように構成され得る。
【0008】
荷積みプロセスでは、ヤードクレーンは、ヤードから、第2の方向に向けられたコンテナを持ち上げ、このヤードクレーンは、ヤードクレーンレールに沿って、グラウンド運搬キャリアの上方の位置まで移動し、もしくは、前記グラウンド運搬キャリアは、グラウンド運搬キャリアレールに沿って、前記ヤードクレーンの下方の位置まで移動し、前記ヤードクレーンは、コンテナを、前記グラウンド運搬キャリアの上に置き、そして、このグラウンド運搬キャリアは、前記グラウンド運搬キャリアレールに沿って、低い高架の運搬システムの低い高架のレールの下方の位置に移動する。前記グラウンド運搬キャリア、もしくは、低い高架のクレーンは、第2の方向から第1の方向にコンテナを回転させ、この低い高架のクレーンは、前記グラウンド運搬キャリアから低い高架の平坦なキャリアにコンテナを積み、この低い高架の平坦なキャリアは、低い高架のキャリアレールに沿って、岸壁クレーンの下の位置まで移動し、この岸壁クレーンは、前記低い高架の平坦なキャリアから船に、前記コンテナを積む。荷を降ろすプロセスでは、岸壁クレーンが、船から、第1の方向に向けられたコンテナを持ち上げ、低い高架の平坦なキャリアにこのコンテナを置き、前記低い高架の平坦なキャリアは、低い高架の平坦なキャリアレールに沿って、グラウンド運搬キャリアと共働できる場所に移動し、低い高架のクレーンが、このコンテナをグラウンド運搬キャリアに積み、前記低い高架のクレーン、もしくは、グラウンド運搬キャリアは、前記第1の方向から第2の方向にコンテナを回転させ、前記グラウンド運搬キャリアは、グラウンド運搬キャリアレールに沿ってヤードまで移動し、ヤードクレーンが、前記グラウンド運搬キャリアからこのヤードに前記コンテナを積む。
【0009】
特許文献1によって提供される本発明は、船とヤードとの間のコンテナの運搬の問題を、有効に解決している。しかしながら、自動ターミナルのための積み降ろしの全プロセスに関しては、1つの態様が更に改良されるべきである。コンテナは、ヤードにおいて、トラックによって積み降ろしされる必要があるので、ヤードとトラックとの間の運搬が、もう1つの重要な要因である。トラックとヤードとの間の迅速で有効な運搬を実現することは、自動ターミナルの案の改良のための重要な態様である。本開示は、ヤードとトラックとの間の有効な運搬のための、且つ、自動ターミナルに十分に適応する昇降装置を提供している。
【特許文献1】CN200610025860.6
【発明の概要】
【0010】
本開示の実施形態は、ヤードとトラックとの間の有効なコンテナの運搬を実現するように、自動ターミナルに十分に適応するクレーンを提供している。
【0011】
本開示の実施形態に従えば、自動ターミナルのための後方のヤードクレーンが提供されている。この後方のヤードクレーンは、支持部と、第1のキャリアレールと、第1のキャリアと、第2のキャリアレールと、第2のキャリアと、回転メカニズムと、昇降メカニズムとを具備している。
【0012】
前記支持部は、第2の方向に沿って配置されているビームと、このビームを支持している複数のポストとを有している。このビームは、自動ターミナルのグラウンド・キャリアレールとトラック作業領域とを覆うように延びている。前記第2のキャリアレールは、このビーム上に配置されている。第2のキャリアは、この第2のキャリアレールに沿って移動する。前記第1のキャリアレールは、第1の方向に沿って、前記第2のキャリア上に配置されており、前記第1の方向は、前記第2の方向に直交している。前記第1のキャリアは、前記第1のキャリアレールに沿って移動する。前記回転メカニズムは、前記第1のキャリア上に取り付けられており、90゜回転することができる。前記昇降メカニズムは、前記回転メカニズム上に取り付けられており、この回転メカニズムと一緒に回転する。前記昇降メカニズムは、コンテナを昇降するためのスプレッダーを有している。
【0013】
実施形態に従えば、前記回転メカニズムは、環状のレールと、この環状のレール上で回転する円形の回転プレートとを有している。
【0014】
実施形態に従えば、前記第1のキャリアレールは、前記グラウンド・キャリアレールの、少なくとも1つのグループの全幅を覆うように延びている。
【0015】
実施形態に従えば、コンテナが、ヤード上に、前記第2の方向に向けられて配置されており、トラックが、前記支持部の下に、前記第1の方向に向かって駐車している。
【0016】
実施形態に従えば、前記回転メカニズムは、前記昇降メカニズムとこの昇降メカニズムによって持ち上げられるコンテナと一緒に、前記グラウンド・キャリアレールからトラック作業領域への移動の間、もしくは、その逆の移動の間に、90゜回転する。
【0017】
実施形態に従えば、前記支持部は、2つのグループのポストを有しており、第1のグループのポストは、ターミナルのランドサイドに面している、前記ビームの第1の端に接続されており、第2のグループのポストは、ターミナルの海岸側に面している、前記ビームの第2の端と中間点との間の前記ビームの領域に接続されている。
【0018】
実施形態に従えば、前記第2のグループのポストは、傾斜した支持棒を有している。前記傾斜した支持棒は、前記第2のグループのポストから、前記ビームと前記第2のグループのポストとの継ぎ目と、前記ビームの第2の端との間の領域まで、延びている。
【0019】
本開示の実施形態によって提供されている後方のヤードクレーンは、自動ターミナルに十分に適応した、トラックによるコンテナの有効な運搬を実現する。この後方のヤードクレーンは、更に、改良された自動ターミナルに貢献し、自動ターミナルの作業効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本開示の実施形態に係る後方のヤードクレーンの平面図である。
【図2】図2は、図1に示された実施形態の側面図である。
【図3】図3は、図1に示された実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記の、もしくは、他の、本発明の特徴、性質または効果は、下記の図面を添付している実施形態の説明により、この分野の専門家に対して、より明確になるだろう。
【0022】
前述のように、後方のヤードクレーンは、特許文献1に開示されている自動ターミナルと共働する。分かりやすくするために、第1の方向と第2の方向とは、下記の説明の通りに定義される。
【0023】
第1の方向は、船上でのコンテナの長手方向、即ち、海岸線に平行する方向と定義される。
【0024】
第2の方向は、ヤードでのコンテナの長手方向、即ち、海岸線に直交する方向と定義される。
【0025】
第1の方向と第2の方向とは、特許文献1に記載の方向と同じ方向と定義される。
【0026】
図1乃至図3に示されているように、図1乃至図3は、本開示の実施形態に係る後方のヤードクレーンを示している。図1が平面図、図2が側面図、図3が正面図である。
【0027】
後方のヤードクレーンは、1つのビーム120と複数のポスト122とからなる支持部102と、第1のキャリアレール108及びこの上を移動する第1のキャリア110と、第2のキャリアレール104及びこの上を移動する第2のキャリア106と、前記第1のキャリア110上に取り付けられた回転メカニズム112と、この回転メカニズム112上に取り付けられた昇降メカニズム114とを有している。
【0028】
前記支持部102は、第2の方向に沿って配置されているビーム120と、このビーム120を支持している複数のポスト122とを有している。このビーム120は、自動ターミナルのグラウンド・キャリアレールAとトラック作業領域Bとを覆うように延びている。図1乃至図3に示されている実施形態に従えば、前記支持部102は、2つのグループのポストを有している。第1のグループのポスト122aは、前記ビーム120の第1の端部120aに接続されている。この第1の端部120aは、ターミナルのランドサイドに面している。第2のグループのポスト122bは、前記ビーム120の第2の端部120bと中間点との間の、ビームの領域に接続されている。前記第2の端部120bは、ターミナルの海岸側に面している。図2に示されているように、トラック作業領域Bは、前記第1のグループのポスト122aと、前記第2のグループのポスト122bとの間に配置されている。前記グラウンド・キャリアレールAは、前記第2のグループのポスト122bから前記ビーム120の第2の端部120bへと延びている領域に配置されている。これら2つのグループのポストと前記ビームとの継ぎ目は、固定されていないことが判る。一般的に述べれば、前記第1のグループのポスト122aは、より大きなトラック作業領域を得るために、前記第1の端部120aの近くに配置されることが望ましい。これに対して、前記第2のグループのポスト122bの位置は、比較的融通が利く。前記第2のグループのポスト122bは、前記ビーム120の第2の端部120bと中間点との間に配置されるということのみが、不可欠である。図1に示されている実施形態に従えば、前記第2のグループのポスト122bは、前記ビーム120の中間点の近くに配置されている。さらに、前記第2のグループのポスト122bは、この第2のグループのポスト122bから、前記ビームと第2のグループのポストとの継ぎ目と、前記ビームの第2の端部との間の領域に延びている、傾斜した支持棒123を有している。
【0029】
前記ヤードとトラックの上方の位置との間での敏速な搬送を実現するために、この記載で説明されている後方のヤードクレーンは、2つの重ねられたキャリアを使用している。第2のキャリア106は、前記ビーム120に配置されている第2のキャリアレール104に沿って移動する。一般的に、前記第2のキャリアレール104は、前記第2のキャリア106が前記ビーム120の2つの端部間のいかなる位置にも容易に到達することができるように、前記ビーム120のほぼ全長にわたって延びている。前記第2のキャリア106は、長手方向の移動を行う。第1のキャリア110が、前記第2のキャリアの上に積み重ねられている。前記第1のキャリア110は、第1のキャリアレール108に沿って移動する。前記第1のキャリアレール108の方向は、第2のキャリアレール104の方向に直交している。前記第1のキャリアレール108は、クレーンの幅方向に移動を行う。図3に示されているように、前記第1のキャリアレール108は、前記第2のキャリア106のほぼ全長にわたって延びている。前記第1のキャリア110と第2のキャリア106との共働によって、前記回転メカニズムと、昇降メカニズムと、前記第1のキャリア上のコンテナとは、クレーンによって覆われた領域のいかなる地点にも到達し得る。
【0030】
図2に示されているように、自動ターミナルのヤード上のコンテナは、前記第2の方向に向けられて配置されており、前記グラウンド・キャリア上に配置されたコンテナ200は、同様に、第2の方向に向けられて配置されている。前記トラックは、前記第1の方向に向かって、前記支持部の下にそれぞれ駐車しており、各トラック202上のコンテナ204は、同様に、第1の方向に向けられて配置されている。
【0031】
前記回転メカニズム112と昇降メカニズム114とは、前記コンテナの方向を変えるために使用されている。前記回転メカニズム112は、前記第1のキャリア110上に取り付けられており、この回転メカニズム112は、少なくとも90゜回転することができる。この回転メカニズム112は、環状のレール111と、円形の回転プレート113とを有している。実施形態に従えば、前記回転プレート113は、前記環状のレール111の上で、360゜回転することができる。前記昇降メカニズム114は、前記回転メカニズム112上に取り付けられており、この回転メカニズム112と一緒に回転する。この昇降メカニズム114は、コンテナを昇降させるためのスプレッダーを有している。この昇降メカニズム114のワイヤが、前記回転プレート113内の隙間を通ることができ、前記回転プレートの下の位置まで延びている。これらワイヤは、ヘッドブロックに接続されている。前記スプレッダーとコンテナとは、このヘッドブロックの下側に接続されている。前記昇降メカニズム114は、コンテナを昇降させるために、昇降動作を行う。実施形態に従えば、この昇降メカニズム114は、前記回転プレート113上に取り付けられている。この回転プレート113が回転すると、前記昇降メカニズムは、この回転プレート113と一緒に回転する。前記ヘッドブロックと、スプレッダーと、コンテナとは、前記ワイヤによって前記昇降メカニズムと一緒に回転する。前記回転ブロック及びスプレッダーのデザインは、この分野で良く知られている技術であり、ここでは詳しく説明しない。前記第1の方向と第2の方向との角度差が90゜であるため、前記回転メカニズム112は、少なくとも90゜回転することができるべきである。実施形態に従えば、回転メカニズム112は、ある程度時計回り、もしくは、反時計回りに回転し得る。このような回転は、前記第1のキャリアと第2のキャリアとの両方が静止している時に、行われ得る。もしくは、このような回転は、前記グラウンドレールからトラック作業領域への、もしくはこの逆の、第1及び第2のキャリアによる移動の間に、行われ得る。
後方のヤードクレーンの、作動プロセスは、以下の通りである。
【0032】
トラックからヤードへの運搬のプロセスとして、トラックは、前記ビームの下のトラック作業領域で、第1の方向に向かって駐車する。前記第1のキャリアと第2のキャリアとは、トラックの上方の位置に移動し、前記昇降メカニズムとスプレッダーとは、第1の方向に向けられたコンテナを、このトラックから持ち上げる。前記第1のキャリアと第2のキャリアとは、前記グラウンド・キャリアの上方の位置に移動する。これら第1のキャリアと第2のキャリアとが移動する間、前記回転メカニズムは、前記昇降メカニズムとコンテナと一緒に、前記第1の方向から第2の方向に、90゜回転する。前記昇降プロセスとスプレッダーとは、前記グラウンド・キャリア上にコンテナを置く。これに続く手順は、特許文献1の説明を引用しても良く、前記グラウンド・キャリアとヤードクレーンとは、コンテナをこのヤードに運搬するだろう。
【0033】
前記ヤードからトラックへの運搬のプロセスは、以下の通りである、前記第1のキャリアと第2のキャリアとは、前記グラウンド・キャリアの上方の位置に移動する。前記昇降メカニズムとスプレッダーとは、前記グラウンド・キャリアから、第2の方向に向けられたコンテナを持ち上げる。前記第1のキャリアと第2のキャリアとは、前記ビームの下のトラック作業領域Bで、第1の方向に向かって駐車しているトラックの上方の位置に移動する。前記第1のキャリア及び第2のキャリアの移動の間、前記回転メカニズムは、前記昇降メカニズムとコンテナと一緒に、前記第2の方向から第1の方向に、90゜回転する。前記昇降メカニズムとスプレッダーとは、前記トラック上にコンテナを置く。
【0034】
本開示の実施形態によって提供される後方のヤードクレーンは、自動ターミナルに十分に適応し、トラックを用いたコンテナの有効な運搬を実現する。この後方のヤードのためのクレーンは、更に、改良された自動ターミナルに貢献し、この自動ターミナルの作業効率を高める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の方向に沿って配置されており、自動ターミナルのグラウンド・キャリアレールとトラック作業領域とを覆うように延びているビーム、並びに、このビームを支持する複数のポストを有する支持部と、
前記ビームに沿って配置されている第2のキャリアレールと、
前記第2のキャリアレールに沿って移動する第2のキャリアと、
前記第2の方向に直交している第1の方向に沿って、前記第2のキャリア上に配置されている第1のキャリアレールと、
前記第1のキャリアレールに沿って移動する第1のキャリアと、
前記第1のキャリア上に取り付けられ、少なくとも90゜回転することができる回転メカニズムと、
この回転メカニズム上に取り付けられ、回転メカニズムと一緒に回転し、コンテナを昇降させるためのスプレッダーを有する昇降メカニズムと、
を具備する自動ターミナルのための後方のヤードクレーン。
【請求項2】
前記回転メカニズムは、環状のレールと、この環状のレール上で回転する円形の回転プレートとを有する、請求項1に記載の後方のヤードクレーン。
【請求項3】
前記第1のキャリアレールは、グラウンド・キャリアレールの少なくとも1つのグループの全幅を覆うように延びている、請求項1に記載の後方のヤードクレーン。
【請求項4】
コンテナが、前記第2の方向に向かって、前記ヤード上に配置され、トラックは、前記第1の方向に向かって、前記支持部の下に駐車する、請求項1に記載の後方のヤードクレーン。
【請求項5】
前記回転メカニズムは、前記昇降メカニズムと、この昇降メカニズムによって昇降させられるコンテナと一緒に、前記グラウンド・キャリアレールから前記トラック作業領域に移動する間、90゜回転する、請求項1に記載の後方のヤードクレーン。
【請求項6】
前記支持部は、2つのグループのポストを有し、
第1のグループのポストは、ターミナルのランドサイドに面している前記ビームの第1の端部に接続されており、
第2のグループのポストは、前記ビームの、ターミナルの海岸に面している第2の端部と中間部との間の、前記ビームの領域に接続されている、請求項1に記載の後方のヤードクレーン。
【請求項7】
前記第2のグループのポストは、この第2のグループのポストから、前記ビームとこの第2のグループのポストとの継ぎ目と、前記ビームの第2の端部との間の領域に延びる支持棒を有する、請求項6に記載の後方のヤードクレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−285280(P2010−285280A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−224007(P2009−224007)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(509270579)シャンハイ・ジェンファ・ヘビー・インダストリーズ・カンパニー,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ZHENHUA HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3470 PuDongNanLu,Shanghai,P.R.China
【Fターム(参考)】