説明

自動マナーモード付き携帯端末装置、その方法及びそのプログラム

【課題】移動車両に乗車移動中は、携帯端末装置を環境下に適した動作状態に自動的に切り替えることができる自動マナーモード付き携帯端末装置を提供する。
【解決手段】各基地局からの位置情報を無線受信する。受信した基地局位置情報を基に移動速度を算出する。算出した速度結果と、非接触通信局からの情報を受信処理し、通信情報結果処理部にて携帯端末各部の制御を環境下に適した動作状態に設定を切り替える。この制御設定を行うことにより、携帯端末装置の動作状態を自動的に切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末のマナーモードの設定に関し、より詳細には、携帯端末装置を使用環境下に適した動作状態に自動的に切り替えることができる携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末装置が広く普及している。そして、普及に伴い移動車両内での、着信音または通話による大音響や騒音が、問題となっている。
【0003】
加えて、運転中の通話による事故が社会問題となっている。
【0004】
なお、ここで携帯端末装置とは、携帯電話機、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Data Assistant:個人向け携帯型情報通信機器)等を指す。
【0005】
そして、前記の問題の多くは、携帯端末装置保持者の移動車両乗車前の設定忘れが原因である。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、例えば以下の様な従来技術があった。
【0007】
従来技術では、まず、携帯端末の移動速度と端末位置とを演算する手段と、公共車両の路線位置を地図上で予めマークアップする路線位置記憶手段を備える携帯端末を用いる。
【0008】
そして、演算結果の端末位置を地図上の路線位置と照合して一致している間、この携帯端末が公共車両内にあると判断して自動的に所定のマナーモードに切り替えるという技術である(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−320208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような技術では、位置検出の精度の問題から、携帯端末装置保持者が、例えば駅近くを通過した際に、単に駅近くを通過したにすぎないのにもかかわらず、電車に乗っていると判断されてしまうおそれがある。
【0010】
このような誤判断があると、携帯端末装置保持者が知らない間にマナーモードや着信制限をするモードに切替えられてしまうこととなり、携帯端末装置保持者にとって大変不便なものとなってしまう。
【0011】
そこで、本発明はこのように駅近くを通過しただけで、電車に乗っていると携帯端末装置が判断してしまうという問題点を解決し、かつ移動車両に乗車移動中は、携帯端末装置を環境下に適した動作状態に自動的に切り替えることができる自動マナーモード付き携帯端末装置、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、携帯端末装置を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード付き携帯端末装置であって、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識手段と、前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、基地局からの情報に基づいて、現在の前記携帯端末装置の移動速度を算出する、移動速度算出手段と、前記移動速度算出手段において算出された移動速度に基づいて、現在乗車物に乗車中であると判断した場合は携帯端末装置の動作状態を切り替える、動作状態切り替え手段と、を備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置が提供される。
【0013】
上記の自動マナーモード付き携帯端末装置において、携帯端末装置を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード付き携帯端末装置であって、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識手段と、前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末装置の動作状態を記録する、動作状態記録手段と、前記動作状態記録手段を動作させた後に、再度、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録手段において記録した動作状態に、携帯端末装置の動作状態を復帰する、動作状態復帰手段と、を備えることを特徴とするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移動車両に乗車移動中は、携帯端末装置を使用環境下に適した動作状態に自動的に切り替えることができる、自動マナーモード付き携帯端末装置の実現を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の最良の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
[実施形態1]
まず、図1を用いて本発明の実施形態の構成を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態としての自動マナーモード付きの携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0018】
なお、本発明は携帯電話機に限らず、PHSやPDAといった各種の携帯端末装置に適用が可能である。
【0019】
図1において、携帯端末101は、アンテナ102、無線送受信部103、制御部104、スピーカ105、マイクロホン106、操作部107、表示部108、記憶部109、音楽再生処理部110、充電電源制御部111、充電式電池112、非接触通信処理部113を備える。
【0020】
無線送受信部103は無線での送信/受信を行う部分である。制御部104は、CPU等を備え各部の制御や速度計算及び信号処理を行う部分である。スピーカ105は、着信音や警告音などを出力する部分である。マイクロホン106は、音声を入力する部分である。
【0021】
また、操作部107は、テンキー及び各種ファンクションキーからなり電話番号や各種操作のための入力を行う部分である。表示部108は、液晶表示パネルからなり装置の動作状態など各種情報を表示する部分である。記憶部109は、音楽データなど各種情報をフラッシュメモリ等のメモリに記憶する部分である。
【0022】
更に、音楽再生処理部110は、DSP(digital signal processor)等を有し音楽再生に関する各種処理を行う部分である。充電電源制御部111は、充電制御および各部の電源制御処理を行う部分である。非接触通信処理部113は非接触の通信システムの送信/受信を行う部分である。
【0023】
図2は、本実施形態に係る自動マナーモード付きの携帯電話機の構成と、基地局や通信局を表す図である。
【0024】
なお、図1において示した携帯端末101の構成部分のうち、アンテナ102、無線送受信部103、制御部104、非接触通信処理部113以外の部分については、図2では省略する。
【0025】
図2において、制御部104は、移動速度算出部104aと通信情報結果処理部104bを備える。
【0026】
移動速度算出部104aは、CPU等を備え、各部の制御や、無線送受信部103にて無線送信/受信された各基地局からの位置情報を元に移動速度算出を行うといった機能を備える部分である。
【0027】
ここで移動速度の算出方法としては、例えば、セル方式を採用する携帯電話やPHSであれば、ハンドオーバ(携帯端末と通信する基地局の切替)の頻度を元に算出する方法が例示できる。
【0028】
また、高速移動時の利用において発生する、ドップラー効果によるキャリア周波数の変動などの影響を検出することにより判断する方法も例示できる。
【0029】
さらに、GPS(Global Positioning System)機能を備える携帯端末であれば、基地局を人工衛星とし、携帯端末の位置情報を把握できることから、携帯端末の位置情報を用いて移動速度を算出できる。
【0030】
通信情報結果処理部104bは、非接触通信局117からの情報を受信する非接触通信処理部113にて処理された情報と移動速度算出部104aにて算出された結果を基に、各部の制御を行うといった機能を備える部分である。
【0031】
無線送受信部103は、各基地局116a、116b及び116cからの基地局位置情報をアンテナ102を経由して無線受信する。
【0032】
そして次に、無線送受信部103は、基地局位置情報を移動速度算出部104aに送るといった機能を備える部分である。
【0033】
また、非接触通信処理部113は非接触通信局117から得た情報を、通信情報結果処理部104bに送るといった機能を備える部分である。
【0034】
通信情報結果処理部104bは、非接触通信処理部113にて処理された情報と、移動速度算出部104aにて算出された結果を基に、記憶部109、操作部107、表示部108等の各部の制御を動作環境下に適した状態に設定することにより、携帯端末装置の動作状態を自動的に切り替えることができるといった機能を備える部分である。
【0035】
次に図3を用いて実施形態の動作について、詳細に説明する。
【0036】
図3は、マナーモードに自動的に切り替え設定する際の動作を示すフローチャートである。
【0037】
まず、非接触通信局117からの情報が、非接触通信処理部113にて受信処理される。そして、受信した情報に基づき、通信情報結果処理部104bにて情報処理を行い、現在の携帯端末101の位置が、駅構内であるか否かを確認する(S101)。
【0038】
駅構内の場合であれば、その時点の携帯端末の、各設定状態を記憶する(S102)。
【0039】
なお、各設定状態とは、例えば、着信音の設定、バイブレーション機能の設定、留守番電話機能設定、着信拒否の設定等の設定状態を指す。
【0040】
次に、無線送受信部103がアンテナ102を経由して、各基地局116a、116b、116cの位置情報を、各基地局より取得する(S103)。
【0041】
そして、取得した各基地局116a、116b及び116cの位置情報を元に、移動速度算出部104aにて、現在の携帯端末101の移動速度算出を行う(S104)。
【0042】
次に、前記S104にて算出された移動速度算出の処理結果から、現在、携帯端末101が移動車両にて移動している途中であるか否かを判断する(S105)。
【0043】
ここで、移動していると判断した場合は、マナーモード設定をオンに設定する(S106)。
【0044】
これに対して、移動していないと判断した場合は、マナーモード設定をオフに設定する。つまり、携帯端末101の設定を特に変更しない(S107)。
【0045】
次に、通信情報結果処理部104bにて、駅構内から駅構外に出たか否かを確認する。
【0046】
ここで、駅構外に出たか否かの判断は、前記S101と同様に、非接触通信局117からの情報が、非接触通信処理部113にて受信処理され、受信した情報に基づき、通信情報結果処理部104bにて情報処理を行うことにより判断される(S108)。
【0047】
駅構内から駅構外に出ている場合には、各設定状態を、前記S102で記録した状態に戻す(S109)。
【0048】
これに対して、いまだ駅構内にいる場合には、各基地局116a、116b及び116cの位置情報を取得し、位置情報を元に移動速度算出を行うという、前記S103及びS104の動作を繰り返すことにより、環境下に適した動作状態を自動的に切り替え設定することができる。
【0049】
次に図4を用いて、自動マナーモード付きの携帯端末101と非接触通信局117の通信する際の様子を示す。
【0050】
まず、図4aを用いて説明する。携帯端末装置保持者119が駅構内から改札118を通り駅構内に入る際には、非接触通信局117から、ここが改札口であるという情報が送信される。
【0051】
そして、非接触通信局117から送信されてきた情報を、携帯端末101の非接触通信処理部113にて受信し、さらに受信した情報を元に、現在位置が駅構内であるか否かの判断をする。
【0052】
次に、図4bを用いて駅の構外に移動得する際の操作について説明する。
【0053】
携帯端末装置保持者119が、駅構内から改札118を通り駅構外に移動する際には、非接触通信局117から、ここが改札口であるという情報が送信される。
【0054】
そして、非接触通信局117から送信されてきた情報を、携帯端末101の非接触通信処理部113にて受信し、さらに受信した情報を元に、現在位置が駅構内であるか否かの判断をする。
【0055】
以上より、位置検出の精度を気にすることなく、また、公共車両の路線位置を地図上で予めマークアップする路線位置記憶手段や、演算結果の端末位置を地図上の路線位置と照合する必要もなく、環境下に適した動作状態を自動的に切り替え設定することができる。
【0056】
[実施形態2]
本発明の他の実施形態として、その基本的構成は上記の通りであるが、携帯端末装置保持者の環境下に適した動作状態にするために、さらに工夫している実施形態である、実施形態2について説明する。
【0057】
実施形態2の動作をフローチャートとして図5及び図6に示す。なお、以下で説明する相違点以外の動作は、前記実施形態1の動作と同様である。
【0058】
具体的には、S201はS101と同様の動作であり、S202はS102と、S203はS103と、S204はS104と、S205はS105と、S206はS106と、S207はS107と、S208はS108と、S209はS109と、同様の動作である。
【0059】
まず、非接触通信局117からの情報が、非接触通信処理部113にて受信処理される。そして、受信した情報に基づき、通信情報結果処理部104bにて情報処理を行い、現在の携帯端末101の位置が、駅構内であるか否かを確認する(S201)。
【0060】
駅構内に入る状況であると確認された場合には、駅構内に入ることを、スピーカ105から、特定の着信音を鳴らしたり、または「駅構内に入りました。モードを変更します。」等の音声を鳴らしたりすることで携帯端末装置保持者119に知らせる。
【0061】
携帯端末装置保持者119に知らせる方法としては、他にも、バイブレータを動作させたり、文章を表示したりといった方法が例として挙げられる(S210)。
【0062】
そして、前記S210でのアナウンスにて、携帯端末装置保持者が、任意の設定になるように、設定状態を変更する操作を行うか否かを確認する(S211)。
【0063】
携帯端末装置保持者が、任意の設定になるように、設定状態を変更する操作を行なった場合、操作に応じた設定に変更する(S212)。
【0064】
これに対して、携帯端末装置保持者が、設定したある時間の間に設定操作を行なわない場合は、その時点の携帯端末の、各設定状態を記憶する(S202)。
【0065】
なお、設定したある時間は、あらかじめ任意の長さに設定しておくことが可能である。
【0066】
また、駅構内から駅構外へ移動する場合には、駅構外に出たことを、前記S201と同様に、スピーカ105から着信音、音声「駅構外に出ました。モードを戻します。」を鳴らすことやバイブレータを動作させることにより、携帯端末装置保持者に知らせる(S213)。
【0067】
このアナウンス(S213)にて、携帯端末装置保持者が任意の設定になるように、設定状態を変更する操作を行うか否かを確認する(S214)。
【0068】
携帯端末装置保持者が、任意の設定になるように、設定状態を変更する操作を行なった場合、操作に応じた設定に変更する(S215)。
【0069】
これに対して、携帯端末装置保持者が、設定したある時間の間に設定操作を行なわない場合は、前記S202で記憶した各設定状態に設定を戻す(S209)。
【0070】
以上の実施形態をとることにより、携帯端末装置保持者に対して、任意に設定を変更する機会を与えることができる。
【0071】
本発明の実施形態の変更例として、その基本的構成は上記の通りであるが、さらに、その他の移動車両でも、改札や、出入り口などに、非接触通信局117を設けることにより、携帯端末装置を環境下に適した動作状態にすることができる。
【0072】
例えば、バスやタクシー、船舶、飛行機などの、多様な乗車物についても適応させることが可能である。
【0073】
[実施形態3]
本発明は、乗車物に関して適応させる以外にも、施設にも適応させることが可能である。
【0074】
この点を、図7を用いて説明する。携帯端末装置保持者119が施設内のゲート120を通り施設内に入る際には、非接触通信局117から送信された情報を携帯端末101の非接触通信処理部113にて、受信処理する。
【0075】
そして、受信した情報を元に、現在の携帯端末101の位置が施設内であるか否かの確認を行うことができる。そして施設内であれば、前記実施形態と同様に環境下に適した動作状態に自動的に切り替える。
【0076】
また、図8では、施設ごとに定められている、携帯端末装置の設定条件に、携帯端末装置の設定を変更する実施形態を示す。
【0077】
具体的には、病院内では携帯端末装置の電源をオフにするという規則があらかじめ定められている場合に、規則に対応させて、携帯端末装置の電源をオフにすることが可能となる。
【0078】
非接触通信局117から、非接触通信局117が存在するという情報と共に、施設内での携帯端末装置の設定条件を、携帯端末装置101に送信する。
【0079】
そして、携帯端末101は非接触通信処理部113にて受信処理された情報を元に、携帯端末101の設定を変更する。
【0080】
例えば、施設内121の設定条件が「電源オフ」の場合は、非接触通信局117から送信された電源オフ情報を携帯端末101の非接触通信処理部113にて受信し、携帯端末101の電源をオフにする。
【0081】
これにより施設側から、施設内に持ちも込まれる携帯端末装置を、施設があらかじめ定めている動作状態に切り替え設定することができる。
【0082】
つまり、携帯端末機に使用されている機能についての設定を、施設側から能動的に変更することができる。
【0083】
また、本発明の他の実施形態として、その基本的構成は上記の通りであるが、あらかじめ、携帯端末機に備えられている通信機能を利用することによっても、本発明を適用できる。
【0084】
例えば、携帯端末機にBluetooth(登録商標)機能が備わっているのであれば、Bluetooth機能を、赤外線通信機能が備わっているのであれば、赤外線通信機能を利用することも可能である。
【0085】
また、更に異なる変形例として非接触型ICチップを搭載した携帯端末であれば、非接触型ICチップの機能を利用する変形例が考えられる。
【0086】
具体例としては、駅などで利用されている、モバイルsuica(登録商標)や、PASMO(登録商標)等の機能を利用することができる。
【0087】
これらの非接触型ICチップは、駅改札に設置されている、非接触型ICチップ通信機
と通信することにより、改札での入退場の管理や、運賃の管理を行うものである。
【0088】
そこで、本実施形態ではこの、非接触型ICチップと改札に設置されている通信機との通信を、前記した非接触通信処理部113と非接触通信局117の通信の代わりとする。
【0089】
これにより、各駅の改札に本発明に対応する非接触通信局117を改めて設けなくとも、従来から駅改札に設置されている、ICチップに対する通信機能を利用することにより、駅構外から駅構内に入ったことや駅構内から駅構外に出たことを判断することができる。
【0090】
更に、各実施形態の変更例として、地域ごとにマナーの程度が変わることを考慮する変更例も考えられる。
【0091】
具体的には、あらかじめ、駅ごとにマナーモードのレベルを段階的に設定しておくという手段をとる。そして、駅構外から駅構内にはいり、非接触通信局117と通信を行う際に、マナーモードのレベルを読み取る。
【0092】
そして、読み取ったマナーモードのレベルに応じて、携帯端末101の設定を変更することができる。
【0093】
また、ここでマナーモードのレベルは例えば、一番やさしいものが着信音のオフ、次に厳しいものが着信音及びバイブレーション機能のoff、そして一番厳しいものが電源off、等のように定めることが考えられる。
【0094】
なお、自動マナーモード付き携帯端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。
【0095】
以上説明した各実施形態の効果は以下である。
【0096】
本実施形態によれば、第1の効果として、移動車両に乗車移動中は、携帯端末を環境下に適した動作状態に自動的に切り替えることができる。
【0097】
したがって、携帯端末装置保持者が携帯端末を環境下に合わせて、携帯端末の設定切り替え操作を行なったり、電源をオフする操作を忘れたりするということが、防止できる。
【0098】
更に、携帯端末装置保持者が携帯端末の設定を元に戻す操作も行わずに済ませることができ、より便利となる。
【0099】
これにより、駅構外に出たのにもかかわらず着信音が鳴らない設定となっており、着信に気付かない、といった状況の発生を防止することができる。
第2の効果は、携帯端末が設定切り替えを行う以前に、携帯端末装置保持者に、駅構内に入ったことをアナウンスをすることができる点である。
【0100】
これにより、携帯端末装置保持者に、あらかじめ設定してあるマナーモードにするのか、それとも他のマナーモードに設定するのかを選択させることが可能となる。
【0101】
第3の効果は、移動車両にて移動する場合だけでなく、施設に出入りする場合にも、携帯端末装置の設定を環境下に適した状態に自動的に切り替えることができる点である。
【0102】
第4の効果は、あらかじめ施設に設置されている非接触通信局に設定をしておくことにより、施設側から能動的に、携帯端末の設定を変更することができる点である。
【0103】
これにより携帯端末装置保持者の意志に関わらず、施設側が希望する設定に携帯端末の設定を変更することが可能となる。
【0104】
第5の効果は、マナーモードのレベルを段階的に定めておくことにより、例えば、駅ごとに違うレベルの、マナーモードに、携帯端末の設定を変更することが可能となる。
【0105】
第6の効果は、既存のICチップに対する通信機能を利用することにより、簡易かつ低コストに本発明の実施形態を実現することが可能となる点である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図3】本発明の基本的動作を表すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の基本的動作を表すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態の基本的動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の基本的構成を表す図である。
【符号の説明】
【0107】
101 携帯端末
102 アンテナ
103 無線送受信部
104 制御部
104a 移動速度算出部
104b 通信情報結果処理部
105 スピーカ
106 マイクロホン
107 操作部
108 表示部
109 記憶部
110 音楽再生処理部
111 充電電源制御部
112 充電式電池
113 非接触通信処理部
116a、116b、116c 基地局
117 非接触通信局
118 改札
119 携帯端末装置保持者
120 施設内のゲート
121 施設内

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識手段と、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、基地局からの情報に基づいて、現在の前記携帯端末装置の移動速度を算出する、移動速度算出手段と、
前記移動速度算出手段において算出された移動速度に基づいて、現在乗車物に乗車中であると判断した場合は携帯端末装置の動作状態を切り替える、動作状態切り替え手段と、
を備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末装置の動作状態を記録する、動作状態記録手段と、
前記動作状態記録手段を動作させた後に、再度、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録手段において記録した動作状態に、携帯端末装置の動作状態を復帰する、動作状態復帰手段と、
を更に備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項3】
携帯端末装置を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識手段と、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末装置の動作状態を記録する、動作状態記録手段と、
前記動作状態記録手段を動作させた後に、再度、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録手段において記録した動作状態に、携帯端末装置の動作状態を復帰する、動作状態復帰手段と、
を備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項4】
携帯端末装置を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識手段と、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末装置の動作状態を記録する、動作状態記録手段と、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、携帯端末装置の動作状態を切り替える、動作状態切り替え手段と、
前記動作状態記録手段を動作させた後に、再度、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録手段において記録した動作状態に、携帯端末装置の動作状態を復帰する、動作状態復帰手段と、
を備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であることを、携帯端末装置の保持者に伝える、アナウンス手段を更に備えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
前記動作状態切り替え位置認識手段において、前記携帯端末装置の現在位置が、携帯端末装置の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合に、携帯端末装置をどのような動作状態を切り替えるかの指示情報を取得する、指示情報取得手段を更に備え、
前記動作状態切り替え手段は、前記指示情報取得手段において取得した指示情報に従い、動作状態切り替えることを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の自動マナーモード付き携帯端末装置であって、
動作状態切り替え位置認識手段は、非接触ICチップを利用して動作することを特徴とする自動マナーモード付き携帯端末装置。
【請求項8】
携帯端末を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード切替方法であって、
前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識ステップと、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、基地局からの情報に基づいて、現在の前記携帯端末の移動速度を算出する、移動速度算出ステップと、
前記移動速度算出ステップにおいて算出された移動速度に基づいて、現在乗車物に乗車中であると判断した場合は携帯端末の動作状態を切り替える、動作状態切り替えステップと、
を備えることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項9】
請求項8に記載の自動マナーモード切替方法であって、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末の動作状態を記録する、動作状態記録ステップと、
前記動作状態記録ステップを動作させた後に、再度、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録ステップにおいて記録した動作状態に、携帯端末の動作状態を復帰する、動作状態復帰ステップと、
を更に備えることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項10】
携帯端末を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード切替方法であって、
前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識ステップと、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末の動作状態を記録する、動作状態記録ステップと、
前記動作状態記録ステップを動作させた後に、再度、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録ステップにおいて記録した動作状態に、携帯端末の動作状態を復帰する、動作状態復帰ステップと、
を備えることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項11】
携帯端末を環境に適した動作状態に自動的に切り替える、自動マナーモード切替方法であって、
前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であるか否かを認識する、動作状態切り替え位置認識ステップと、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、その時点の携帯端末の動作状態を記録する、動作状態記録ステップと、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、携帯端末の動作状態を切り替える、動作状態切り替えステップと、
前記動作状態記録ステップを動作させた後に、再度、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、前記動作状態記録ステップにおいて記録した動作状態に、携帯端末の動作状態を復帰する、動作状態復帰ステップと、
を備えることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか1項に記載の自動マナーモード切替方法であって、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合は、携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であることを、携帯端末の保持者に伝える、アナウンスステップを更に備えることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れか1項に記載の自動マナーモード切替方法であって、
前記動作状態切り替え位置認識ステップにおいて、前記携帯端末の現在位置が、携帯端末の動作状態を切り替えるべき位置であると認識された場合に、携帯端末をどのような動作状態を切り替えるかの指示情報を取得する、指示情報取得ステップを更に備え、
前記動作状態切り替えステップは、前記指示情報取得ステップにおいて取得した指示情報に従い、動作状態切り替えを行うことを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項14】
請求項8乃至13の何れか1項に記載の自動マナーモード切替方法であって、
動作状態切り替え位置認識ステップは、非接触ICチップを利用して、行なわれることを特徴とする自動マナーモード切替方法。
【請求項15】
コンピュータを請求項1乃至7の何れか1項に記載の自動マナーモード付き携帯端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−244590(P2008−244590A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79181(P2007−79181)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】