説明

自動ワインダ

【課題】ボビンの状態(糸の有無、糸の品質)に応じて、ボビンを分けて排出することが可能な自動ワインダを提供する。
【解決手段】 複数の巻取ユニット1からなる自動ワインダ100であって、巻取ユニット1は、給糸用ボビン7を保持し、且つ、複数の位置に変位可能なボビン保持部20を具備し、ボビン保持部20を少なくとも2箇所の排出位置(第1ボビン排出位置95、第2ボビン排出位置96)へ排出できるように変位させることで、給糸用ボビン7を状態に応じた排出位置(第1ボビン排出位置95、第2ボビン排出位置96)へ分別して排出する自動ワインダ100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動ワインダの技術に関し、詳しくは、自動ワインダに保持された給糸用ボビンの排出の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動ワインダは複数の巻取ユニットが立設されており、搬送コンベアが複数の巻取ユニットに沿って設けられている。巻取ユニットに供給されるボビンは、巻取りが行われた後、巻取ユニットから排出される。この時、ボビンはボビン保持装置によって一定の排出位置に排出される(例えば、特許文献1)。そして、巻取ユニットから排出されるボビンは、搬送コンベアによって装置端部まで搬送されて空ボビン箱に入れられる。
【0003】
しかし、巻取ユニットから排出されるボビンは、巻かれていた糸の全てが解舒された空ボビンだけではなく、頻繁に糸切れが発生するために巻取りが困難である所定の品質を満たさない不良の残糸付ボビン、或いは精紡時の糸切れ、若しくは装置の不具合により処理が不能になった残糸付ボビンも排出されることがある。従って、巻取ユニットから排出されるボビンは、空ボビンと残糸付ボビンとが混在したまま、コンベアによって搬送される。このため、自動ワインダの機台端部側で、作業者が空ボビンと残糸付ボビンとを選別し、回収している。
【特許文献1】特開2004−323219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにボビンを回収する場合、混在した空ボビンと残糸付ボビンとを作業者が選別するため、選別に手間がかかり、作業効率の低下を引き起こすという問題があった。また、糸の品質の異なる残糸付ボビンが混在して搬送されるため、残糸付ボビンを選別しただけでは、巻取り可能な残糸付ボビンのみを回収することができず問題であった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、ボビンの状態(糸の有無、糸の品質)に応じて、ボビンを分けて排出することが可能な自動ワインダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
第1の発明に係る自動ワインダは、
複数の巻取ユニットからなる自動ワインダであって、
前記巻取ユニットは、
給糸用ボビンを保持し、且つ、複数の保持位置に変位可能なボビン保持部を具備し、
前記ボビン保持部を少なくとも2箇所の排出位置へ排出できるように変位させることで、前記給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出するものである。
ここで、給糸用ボビンの状態とは、給糸用ボビンに巻かれた糸の有無に関する場合には、給糸用ボビンに糸が巻かれている状態又は巻かれていない状態をいう。また、給糸用ボビンに巻かれた糸の品質に関する場合には、給糸用ボビンに巻き取りを継続することのできる糸が巻かれている状態又は不良の糸が巻かれていない状態をいう。なお、給糸用ボビンの状態は、給糸用ボビンに巻かれた糸の有無、及び糸の品質に関する場合に限定されない。
【0008】
第2の発明に係る自動ワインダは、第1の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記巻取ユニットは、前記給糸用ボビンの状態を検知する検知部を具備し、
該検知部の検知結果に応じて前記給糸用ボビンを分別して排出するものである。
【0009】
第3の発明に係る自動ワインダは、第2の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記検知部は、前記給糸用ボビンに巻かれた糸の有無を検知し、
前記検知部の検知結果に応じて、空ボビンと、残糸付ボビンとを分別して排出するものである。
ここで、空ボビンとは、給糸用ボビンに巻かれていた糸の全てが解舒された状態のボビンをいう。また、残糸付ボビンとは、糸の品質の良否を問わず、糸が巻き付いた状態で排出されるボビンをいう。
【0010】
第4の発明に係る自動ワインダは、第2又は第3の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記検知部は、前記給糸用ボビンに巻かれた糸の品質を検知し、
前記検知部の検知結果に応じて、所定の品質を満たしていない糸の巻かれた給糸用ボビンを不良残糸付ボビンとして分別して排出するものである。
ここで、所定の品質とは、巻き付いている糸が巻き取りを継続することができる品質であるか否かによって決められるものである。また、不良残糸付ボビンとは、頻繁に糸切れが発生するために巻取りが困難であるために排出される不良の糸が巻かれたボビンをいう。
【0011】
第5の発明に係る自動ワインダは、第1から第4までの発明のいずれか1つに係る自動ワインダにおいて、
前記ボビン保持部は、
前記給糸用ボビンから糸を給糸する給糸用保持位置と、
前記給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出するための第1保持位置、及び、第2保持位置と、
の少なくとも3箇所の保持位置に変位するものである。
【0012】
第6の発明に係る自動ワインダは、第5の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記巻取ユニットは、前記給糸用ボビンを前記ボビン保持部に供給するボビン供給部を更に具備し、
前記ボビン保持部は、前記ボビン供給部から供給される前記給糸用ボビンを受けるボビン受け位置に変位するものである。
【0013】
第7の発明に係る自動ワインダは、第1から第6までの発明のいずれか1つに係る自動ワインダにおいて、
前記給糸用ボビンを分別された状態で搬送する、複数のボビン搬送部を備えたものである。
【0014】
第8の発明に係る自動ワインダは、第6の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記複数のボビン搬送部は、第1ボビン搬送部と、第2ボビン搬送部とを含み、前記第1ボビン搬送部と前記第2ボビン搬送部は、前記巻取ユニットの前後のうち、いずれか一方の側に配置されているものである。
【0015】
第9の発明に係る自動ワインダは、第8の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記巻取ユニットの前後のうちいずれか一方に前記第1ボビン搬送部と前記第2ボビン搬送部とが配置されており、
さらに前記巻取ユニットの前後のうちいずれか他方に第2ボビン排出位置が配置され、
前記第2ボビン排出位置へ排出された給糸用ボビンを前記第2ボビン排出位置から前記第2ボビン搬送部に移送するためのボビン移送経路が設けられたものである。
【0016】
第10の発明に係る自動ワインダは、第8又は第9の発明に係る自動ワインダにおいて、
前記第1ボビン搬送部、及び前記第2ボビン搬送部は、1つの環状の搬送部材を共有しているものである。
【0017】
第11の発明に係る自動ワインダは、第1から第10までの発明のいずれか1つに係る自動ワインダにおいて、
前記ボビン保持部、及び前記ボビン排出部の駆動源が、ステッピングモータである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0019】
第1の発明においては、ボビン保持部を少なくとも2箇所の排出位置へ排出できるように変位させることで、給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出することから、状態の異なるボビンを分別して回収することができ、回収における作業効率を向上することができる。
【0020】
第2の発明においては、前記巻取ユニットは、前記給糸用ボビンの状態を検知する検知部を具備し、検知部の検知結果に応じた排出位置へ分別して排出することから、検知部によりボビンの状態を詳細に検知した上で、状態の異なるボビンを分別して回収することができるため、分別効率を向上させることができるとともに、回収における作業効率を向上することができる。
【0021】
第3の発明においては、検知部は、給糸用ボビンに巻かれた糸の有無を検知し、検知部の検知結果に応じて、空ボビンと、残糸付ボビンとを分別して排出することから、空ボビンと残糸付ボビンとを分別して回収することができ、回収における作業効率を向上することができる。
【0022】
第4の発明においては、検知部は、給糸用ボビンに巻かれた糸の品質を検知し、検知部の検知結果に応じて、所定の品質を満たしていない糸の巻かれた給糸用ボビンを不良残糸付ボビンとして分別して排出することから、巻取りを継続することのできる残糸付ボビンと、不良残糸付ボビンとを分別して回収することができ、回収における作業効率を向上することができる。
【0023】
第5の発明においては、ボビン保持部は、給糸用ボビンから糸を給糸する給糸用保持位置と、給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出するための第1保持位置、及び、第2保持位置と、の少なくとも3箇所の保持位置に変位することから、ボビン保持部を制御することで給糸用ボビンを自動で異なる排出位置へ振り分けることができる。
【0024】
第6の発明においては、巻取ユニットが、給糸用ボビンをボビン保持部に供給するボビン供給部を具備し、ボビン保持部は、更に、ボビン供給部から供給される給糸用ボビンを受けるボビン受け位置に変位することから、ボビン保持部を制御することで給糸用ボビンを自動でボビン保持部へ受け入れることができる。
【0025】
第7の発明においては、給糸用ボビンを分別された状態で搬送する、複数のボビン搬送部を備えたことから、異なる排出位置へ振り分けた給糸用ボビンを異なる回収場所へ搬送することができる。
【0026】
第8の発明においては、複数のボビン搬送部は、第1ボビン搬送部と、第2ボビン搬送部とを含み、第1ボビン搬送部と第2ボビン搬送部は、巻取ユニットの前後のうち、いずれか一方の側に配置されていることから、ボビン搬送部を巻取ユニットの一方の側(例えば、巻取ユニットの前側、又は後側)に集中して配置することができる。そのため、ボビン搬送部の設置スペースを削減することができる。
【0027】
第9の発明においては、巻取ユニットの前後のうちいずれか一方に第1ボビン搬送部と第2ボビン搬送部とが配置されており、さらに巻取ユニットの前後のうちいずれか他方に第2ボビン排出位置が配置され、第2ボビン排出位置へ排出された給糸用ボビンを第2ボビン排出位置から第2ボビン搬送部に移送するためのボビン移送経路が設けられたことから、異なる排出位置から排出されるそれぞれの給糸用ボビンを巻取ユニットの前後のうちいずれか一方の側で搬送することができる。
【0028】
第10の発明においては、第1ボビン搬送部、及び第2ボビン搬送部は、1つの環状の搬送部材を共有していることから、第1ボビン搬送部、及び第2ボビン搬送部の搬送部材、駆動源等を共有化することができる。そのため、設置スペース、コスト、及び部品点数を削減することができる。
【0029】
第11の発明においては、ボビン保持部、及び、ボビン排出部の駆動源が、ステッピングモータであることから、ボビン保持部、及びボビン排出部を任意の位置で停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の自動ワインダ100の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る自動ワインダ100の正面図である。
【0031】
自動ワインダ100は、複数の巻取ユニット1と、第1ボビン搬送部2と、第2ボビン搬送部3と、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の搬送終端部に形成されたボビン回収部4と、巻取ユニット1の並び方向に沿って形成された1本の走行路5と、走行路5に沿って走行可能に案内支持された玉揚機6と、から構成されている。
【0032】
巻取ユニット1の構成について説明する。図2は、巻取ユニット1の側面図である。なお、本実施形態においては、ボビン収納装置50が設けられている側を巻取ユニット1の前側(図2右側)とする。また、パッケージ9が置かれている側を巻取ユニット1の上側(図2上側)とする。
【0033】
巻取ユニット1は、バルーンコントローラ10と、ガイドプレート11と、所定のテンションを付与するディスク又はゲート式のテンションコントローラ12、と、ヤーンクリアラー13と、綾振ドラム30と、糸継装置40と、ボビン収納装置50と、ボビン保持装置70と、から構成されている。巻取ユニット1は、ボビン7からパッケージ9に至る糸道35上に、バルーンコントローラ10、ガイドプレート11、テンションコントローラ12、ヤーンクリアラー13が順に配置されている。
【0034】
ボビン7から解舒されて上方へ引出された糸8は、巻取ユニット1の最上位置に設ける綾振ドラム30を介して、パッケージ9に巻き取られる。
【0035】
バルーンコントローラ10は、ボビン7の残糸に追随して降下し、巻き始めから巻き終わりまでの間を一定の巻き取りテンションに維持する。バルーンコントローラ10には、糸8の有無を検知する糸検知装置14が取り付けられている。
【0036】
糸検知装置14は、糸道35の側方であって、バルーンコントローラ10の下端近傍に設けられている。糸検知装置14は、ボビン7に巻かれている糸8の上端側の傾斜部であるチェース部7bを検知する。糸検知装置14は、制御部90(図11)に接続され、ボビン7のチェース部7bを検知した場合には検知信号を制御部90へ送信する。糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知しない場合、制御部90は、糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知するまで、バルーンコントローラ10を降下させる。
糸継ぎの際、パッケージ9側の糸8(上糸)は、サクションマウス41により糸継装置40へ案内され、ボビン7側の糸8(下糸)は、中継パイプ42により糸継装置40へ案内される。
【0037】
ヤーンクリアラー13は、糸継装置40の上部(下流側)に設けられ、給糸用のボビン7に巻かれた糸8の品質を検知する検知部である。ヤーンクリアラー13は、制御部90に接続され、糸8の不良部分を検知した場合には検知信号を制御部90へ送信する(図11参照)。
【0038】
ボビン収納装置50は、給糸用のボビン7の供給源として、各巻取ユニット1の前側に配置されている。ボビン収納装置50は、中心軸51回りに間欠回動するマガジン52を備えている。マガジン52には、中心軸51を中心とした円周上にボビン7を収納するための筒状の収納孔53が複数形成されている。マガジン52は、収納孔53の下方開口部をボビン保持装置70側に向けた姿勢で設けられている。中心軸51の下部には、マガジン52下方からのボビン7の脱落を防止する制止板54が固設されている。制止板54は、複数の収納孔53のうち1つの収納孔53に対応する通過孔55が形成されている。ボビン収納装置50は、通過孔55に対応して、ボビン7の投入経路を案内するボビンシュート60が設けられている。
ボビン収納装置50が以上のような構成を有することにより、鉛直方向に対して傾斜した方向で収納されるボビン7は、通過孔55を通過して下方へ投下され、ボビンシュート60に案内されて、以下に説明するボビン保持装置70へ投入される。
【0039】
次に、ボビン保持装置70について説明する。図3は、ボビン保持装置70の側面図、図4は、ボビン保持部20の側面図である。ボビン保持装置70は、巻取ユニット1の下部に設けられ、給糸用のボビン7を保持し、又は排出する。ボビン保持装置70は、ボビン保持部20と、ボビン排出部25と、モータ77と、から構成されている。
【0040】
図4に示すように、ボビン保持部20は、ペッグ21と、クリケット22と、から構成されている。ペッグ21、及びクリケット22は、ボビン7を保持する機能を有する。ペッグ21は、回動軸23に軸支され、巻取ユニット1の前後方向(図示左右方向)に揺動可能である。クリケット22は、回動軸23に揺動可能に取り付けられ、巻取ユニット1の前後方向(図示左右方向)に揺動可能である。すなわち、モータ77(図3)が作動することにより回動軸23が回動する。そして、回動軸23が回動することにより、ペッグ21、及びクリケット22が一体となって、巻取ユニット1の前後方向(図示左右方向)に回動する。
【0041】
一方、クリケット22は、端部でモータ77とは別駆動のアクチュエータ24と接続されている。なお、アクチュエータ24は、軸24aに回動自在に支持されている。クリケット22は、アクチュエータ24が作動することによっても、巻取ユニット1の前後方向(図示左右方向)に回動する。すなわち、クリケット22は、アクチュエータ24が作動することにより、ペッグ21と独立して回動することができる。従って、アクチュエータ24を作動してクリケット22をペッグ21に対して離す方向へ回動することで、ペッグ21、及びクリケット22が開いた状態となる。逆に、クリケット22をペッグ21に対して近づける方向へ回動することでペッグ21、及びクリケット22が閉じた状態となる。
【0042】
モータ77は、ステッピングモータである。モータ77は、タイミングベルト80を介して、回動軸23と接続されている。モータ77をステッピングモータとすることで、回動軸23を指定された角度で停止させることができる。そのため、ボビン保持部20を任意の位置(角度)で停止させることができる。
【0043】
次に、ボビン保持部20によるボビン7の保持、及び解除について説明する。図5は、ボビン7がボビン保持装置70へ投下される際のボビン保持装置70近傍の側面図、図6は、ボビン7がボビン保持装置70へ保持された際のボビン保持装置70近傍の側面図、である。
【0044】
ボビン7の保持、及び解除は、ペッグ21に対するクリケット22の揺動位置により切換えられる。図5に示すように、ボビン7が新たに供給される際には、ペッグ21、及びクリケット22が閉じた状態となり、その状態でボビン7がボビン保持装置70へ投下される。この時、ペッグ21、及びクリケット22の姿勢は、ボビンシュート60側に向いている。ボビン7が投入されると、ボビン7の芯管7a(図6)内にペッグ21、及びクリケット22が挿入された状態となる。
【0045】
図6に示すように、ボビン7をボビン保持装置70のボビン保持部20で保持する場合は、ペッグ21、及びクリケット22を開いた状態とし、ペッグ21、及びクリケット22を芯管7aの内壁に当接させる。また、給糸が終了したボビン7をボビン保持部20から解除する場合は、ペッグ21、及びクリケット22を再び閉じた状態とする。
【0046】
次に、ボビン保持部20の保持位置について説明する。図7は、ボビン7が巻取ユニット1の前側へ排出される際のボビン保持装置70近傍の側面図、図8は、ボビン7が巻取ユニット1の後側へ排出される際のボビン保持装置70近傍の側面図、である。
【0047】
上述のように、ペッグ21、及びクリケット22は双方とも揺動可能であり、ボビン7を保持したまま揺動して、ボビン7の保持姿勢を変更することが可能である。ここで、回動するボビン保持部20(ペッグ21、及びクリケット22)には、4つの保持位置が設定されている。
【0048】
第1保持位置は、図7に示すように、ペッグ21、及びクリケット22が、ボビン収納装置50(ボビン供給部)から供給されるボビン7を受けるためのボビン受け位置(後述する第4保持位置)よりも前方に倒れた姿勢で停止する位置である。つまり、第1保持位置は、ボビン保持装置70が、巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95(図10)へボビン7を排出するための保持位置である。ここで、第1ボビン排出位置95とは、巻取ユニット1の前側から排出されたボビン7が、巻取ユニット1の前側のボビン搬送部3に到達する位置をいう。
【0049】
第2保持位置は、図8に示すように、ペッグ21、及びクリケット22が巻取ユニット1の後側(ボビン収納装置50の反対側)へ向いた姿勢で停止する位置である。つまり、第2保持位置は、ボビン保持装置70が、巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96(図10)へボビン7を排出するための保持位置である。ここで、第2ボビン排出位置96とは、巻取ユニット1の後側から排出されたボビン7が、巻取ユニット1の後側のボビン搬送部3に到達する位置をいう。
【0050】
第3保持位置は、図6に示すように、ペッグ21、及びクリケット22が綾振ドラム30(パッケージ9)側(鉛直方向)を向いた姿勢で停止する位置である。つまり、第3保持位置は、ボビン保持装置70がボビン7から糸8を給糸するための給糸用保持位置(ボビン7から糸8を解舒可能な位置)である。
【0051】
第4保持位置は、図5に示すように、ペッグ21、及びクリケット22がボビンシュート60側を向いた姿勢で停止する位置である。つまり、第4保持位置は、ボビン保持装置70がボビン収納装置50から供給されるボビン7を受けるためのボビン受け位置である。
【0052】
ボビン保持部20(ペッグ21、及びクリケット22)に4段の保持位置を設定することで、巻取ユニット1は、ボビン保持部20が保持するボビン7の姿勢を、ボビン7の受け取り、ボビン7からの糸解舒作業、ボビン7の排出に応じて、適切な姿勢に切換えることができる。
【0053】
以上のように、ボビン保持部20(ペッグ21、及びクリケット22)が、第1ボビン排出位置95へボビン7を排出するための保持位置(第1保持位置)と、第2ボビン排出位置96へボビン7を排出するための保持位置(第2保持位置)と、ボビン7から糸8を給糸する給糸用保持位置(第3保持位置)と、の少なくとも3箇所の保持位置に回動することから、ボビン保持部20を制御することでボビン7を自動で異なる排出位置へ振り分けることができる。また、ボビン保持部20が、ボビン収納装置50から供給されるボビン7を受けるボビン受け位置(第4保持位置)へ更に回動することから、ボビン保持部20を制御することでボビン7を自動でボビン保持部20へ受け入れることができる。
【0054】
次に、ボビン排出部25について説明する。図9(a)は、第1プロー71、及び第2プロー81の側面図、図9(b)は、第1プロー71、及び第2プロー81の平面図、を示す。
【0055】
図3に示すように、ボビン排出部25は、ボビン保持部20に隣接して設けられている。ボビン排出部25は、糸8が全て解舒された空ボビン、頻繁に糸切れが起こるために巻き取りが困難であると判断された不良の残糸付ボビン(不良残糸付ボビン)、及び巻取ユニット1の不具合により処理が不能になった残糸付ボビン(巻き取りを継続することのできる残糸付ボビン、以下、「巻取可能残糸付ボビン」と称する)を、ボビン保持部20から取り外して、巻取ユニット1の前後方向へ排出する。ボビン排出部25は、第1プロー71と、第2プロー81と、第1レバー74と、第2レバー84と、第1カム75と、第2カム85と、から構成されている。
【0056】
図9に示すように、第1プロー71は、排出板部72と、接続部73と、から構成され、側面視L字状に形成されている。排出板部72は、第1長辺部72aと、第2長辺部72bと、第1長辺部72aの端部と第2長辺部72bの端部とを接続する短辺部72cと、から構成され、平面視凹形状に形成されている。第1長辺部72a、及び第2長辺部72bは、ボビン7の排出の際、ボビン7の芯管7aの底面に当接する。従って、第1長辺部72aと第2長辺部72bとの内壁間の長さは、芯管7aの底面の外径より短い。接続部73は、回動軸73aに接続されている。回動軸73aが回動することにより、第1プロー71が回動する。
【0057】
図9に示すように、第2プロー81は、排出板部82と、接続部83と、から構成され、側面視L字状に形成されている。排出板部82は、第1長辺部82aと、第2長辺部82bと、第1長辺部82aの端部と第2長辺部82bの端部とを接続する短辺部83cと、から構成され、平面視凹形状に形成されている。第1長辺部82a、及び第2長辺部82bは、ボビン7の排出の際、ボビン7の芯管7aの底面に当接する。従って、第1長辺部82aと第2長辺部82bとの内壁間の長さは、芯管7aの底面の外径より短い。接続部83は、回動軸83aに接続されている。回動軸83aが回動することにより、第2プロー81が回動する。
【0058】
図3に示すように、第1プロー71、及び第2プロー81は、巻取ユニット1の前後方向(図示左右方向)に対向するように配置されている。第1プロー71は、巻取ユニット1の前側(図示右側)に配置され、ボビン7を巻取ユニット1の前側へ排出する際に動作する。第2プロー81は、巻取ユニット1の後側(図示左側)に配置され、ボビン7を巻取ユニット1の後側へ排出する際に動作する。第1プロー71、及び第2プロー81は、ボビン7の排出作業時を除いては、排出板部72、及び排出板部82を巻取ユニット1の中央部に向けた位置で停止させて、ボビン7の芯管7aと接触しないようにしている。
【0059】
図3に示すように、第1レバー74は、第1アーム部74aと、第2アーム部74bと、第3アーム部74cと、から構成されている。第1アーム部74aは、回動軸73aに固定されている。第1アーム部74a、第3アーム部74cは、第2アーム部74bの端部で回動自在に接続されている。第3アーム部74cは片端部にバネ78が接続されている。第3アーム部74cは中心部に第1当接部74dを有する。第1当接部74dは、第1カム75に当接する。第1カム75は、回動軸23に取り付けられている。
【0060】
図3に示すように、ボビン保持装置70がモータ77を作動し、回動軸23を回動させることにより、第1カム75が、第1当接部74dに当接しながら図3の図示時計回りに回動する。第1カム75は、回動する過程で第1当接部74dとの当接から外れる部分がある。第1カム75が第1当接部74dと当接しなくなることにより、第1レバー74は、バネ78により図3の図示左方向へ引っ張られる。第1レバー74が引っ張られることにより、第1プロー71の接続部73が図3の図示時計回りに回動する。接続部73が図3の図示時計回りに回動することで、第1プロー71の排出板部72が図3の図示時計回りに回動する。この際、図7に示すように、排出板部72は、ボビン7の芯管7aの底面に当接し、ボビン7を巻取ユニット1の前側へ押し出す。また、排出板部72は、図9に示すように、第1長辺部72aの内壁と、第2長辺部72bの内壁と、短辺部72cの内壁と、からなる窪みを有する。排出板部72がボビン7を巻取ユニット1の前側へ押し出す際、ペッグ21、及びクリケット22は当該窪みを通過するため、第1プロー71が、ペッグ21、及びクリケット22と接触することがない。なお、モータ77は、ステッピングモータであるため、ボビン排出部25を任意の位置(角度)で停止させることができる。
【0061】
図3に示すように、第2レバー84は、第4アーム部84aと、第5アーム部84bと、第6アーム部84cと、から構成されている。第4アーム部84aは、回動軸83aに固定されている。第4アーム部84a、第6アーム部84cは、第5アーム部84bの端部で回動自在に接続されている。第6アーム部84cは片端部にバネ78が接続されている。第6アーム部84cは中心部に第2当接部84dを有する。第2当接部78dは、第2カム85に当接する。第2カム85は、回動軸23に取り付けられている。
【0062】
図3に示すように、ボビン保持装置70がモータ77を作動し、回動軸23を回動させることにより、第2カム85が、第2当接部84dに当接しながら図3の図示反時計回りに回動する。第2カム85は、回動する過程で第2当接部84dとの当接から外れる部分がある。第2カム85が第2当接部84dと当接しなくなることにより、第2レバー84は、バネ78により図3の図示右方向へ引っ張られる。第2レバー84が引っ張られることにより、第2プロー81の接続部83が図3の図示反時計回りに回動する。接続部83が図3の図示反時計回りに回動することで、第2プロー81の排出板部82が図3の図示反時計回りに回動する。この際、図8に示すように、排出板部82はボビン7の芯管7aの底面に当接し、ボビン7を巻取ユニット1の後側へ押し出す。また、排出板部82は、図9に示すように、第1長辺部82aの内壁と、第2長辺部82bの内壁と、短辺部83cの内壁と、からなる窪みを有する。排出板部82が、ボビン7を巻取ユニット1の後側へ押し出す際、ペッグ21、及びクリケット22は当該窪みを通過するため、第2プロー81は、ペッグ21、及びクリケット22と接触することがない。
【0063】
次に、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3について説明する。図10は第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の側面図である。第1ボビン搬送部2は、巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95に第1コンベア3Aを有する。第1コンベア3Aは、第1ボビン排出位置95に排出されるボビン7をボビン回収部4(図1)へ搬送する。具体的には、図10に示すように、第1コンベア3Aは、巻取ユニット1の矢印9一方向から第1ボビン排出位置95へ排出されたボビン7を、第1コンベア3Aにより図10の紙面手前から紙面奥へ向けて搬送する。
【0064】
第2ボビン搬送部3は、巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96に第2コンベア3Bを有する。第2コンベア3Bは、第2ボビン排出位置96に排出されるボビン7をボビン回収部4(図1)へ搬送する。具体的には、図10に示すように、第2コンベア3Bは、巻取ユニット1の矢印92方向から第2ボビン排出位置96へ排出されたボビン7を、第2コンベア3Bにより図10の紙面手前から紙面奥へ向けて搬送する。
【0065】
このように、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3は、巻取ユニット1の前後に排出されたボビン7を別々のコンベア(第1コンベア3A、第2コンベア3B)で搬送することから、ボビン7の状態(糸の有無、品質等)別に振り分けて搬送することができる。
【0066】
次に、巻取ユニット1の回路構成について説明する。図11は巻取ユニット1の回路構成を示すブロック図である。巻取ユニット1は、制御部90を中心に各装置が接続されている。制御部90は、各装置から送信される信号を受信し、当該信号に応じて他の装置の制御を行う。
【0067】
図11に示すように、糸検知装置14は制御部90に接続されている。糸検知装置14はボビン7のチェース部7bを検知すると、検知信号を制御部90へ送信する。制御部90は、糸検知装置14からの検知信号を受信しない場合、バルーンコントローラ10を下降させてチェース部7bを検知しようとする。この時、制御部90は、バルーンコントローラ10を最下点に移動させてもチェース部7bが検知されず、糸検知装置14からの検知信号を受信しない場合、ボビン7が空状態であると判断する。ボビン7が空状態であると判断した場合、制御部90は、ボビン保持装置70を含む各装置へ空ボビン排出信号を送信する。
【0068】
図11に示すように、ヤーンクリアラー13は制御部90に接続されている。ヤーンクリアラー13は糸8の走行の有無を検知すると同時に、糸8の太さを検知している。ヤーンクリアラー13は、糸8の太さが許容範囲から外れた場合に、糸8の不良を検知し、不良検知信号を制御部90へ送信する。制御部90は、ヤーンクリアラー13からの不良検知信号を受信すると、ヤーンクリアラー13を通過した糸8に不良部分があると判断する。ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知した場合、巻取ユニット1は、巻取り作業を停止し、糸8の不良部分の除去を行う。具体的には、ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知した時、巻取ユニット1は、直ちに糸8の切断を行い、パッケージ9の駆動を停止させる。この時、切断されたパッケージ9側の糸8である上糸の糸端は、不良部分を含んだ状態で慣性回動するパッケージ9に巻き取られている。次に、巻取ユニット1はパッケージ9を巻取り方向と逆に回動させながら、上糸をサクションマウス41で吸引する。この時、パッケージ9に巻き取られた糸8の不良部分もサクションマウス41に吸引される。その後、サクションマウス41が上糸を糸継装置40に案内し、下糸と糸継ぎをする。その際、糸8の不良部分を含む上糸の糸端は糸継装置40によって切断され、サクションマウス41により吸引除去される。
【0069】
上述のようにして糸8の不良部分は除去されるが、このような不良部分の除去を頻繁に繰り返すと、巻取ユニット1の作業効率が低下してしまう。よって、頻繁にヤーンクリアラー13によって不良部分が検知されるボビン7は不良残糸付ボビンとして排出することが作業効率上好ましい。そこで、制御部90は、ヤーンクリアラー13による不良部分の検知頻度が所定の頻度を超える場合、ボビン保持装置70を含む各装置に不良残糸付ボビン排出信号を送信する。ここで、所定の頻度とは、作業者が任意に決定でき、作業効率を考慮した上で決定することができる。
【0070】
次に、ボビン7を巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95へ排出する際の動作について説明する。
図11に示すように、例えば、制御部90が、バルーンコントローラ10を最下点まで下降させても、糸検知装置14からの検知信号を受信しなかった場合(糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知していない場合)、制御部90は、ボビン保持装置70に対して、空ボビン排出信号を送信する。
【0071】
ボビン保持装置70は、制御部90からの空ボビン排出信号を受信すると、モータ77を図3の図示時計回りに作動させる。モータ77を作動させることにより、回動軸23が、図3の図示時計回りに回動する。回動軸23が回動することにより、ボビン保持部20のペッグ21が、図7に示すボビン7を第1ボビン排出位置95へ排出可能な保持位置(上述の第1保持位置)まで回動し、停止する。この時、クリケット22は、ボビン7の保持が保たれるように、ペッグ21と一体に連動する。同時に、ボビン保持装置70は、アクチュエータ24を作動することにより、クリケット22をペッグ21側へ回動する。これにより、ペッグ21、及びクリケット22が閉じた状態となり、ボビン7の保持が解除される。同時に、ボビン保持装置70にあるボビン7が第1ボビン排出位置95へ排出可能となるように、ボビンシュート60の下部が開放される。
【0072】
一方、ボビン保持装置70がモータ77を作動し、回動軸23を回動させることにより、巻取ユニット1の中央部に向けた位置で停止しているボビン排出部25の第1プロー71の排出板部72が、巻取ユニット1の前方へ向けて(図3の図示時計回りに)回動する。この際、図7に示すように、排出板部72は、ボビン7の芯管7aの底面に当接し、ボビン7を巻取ユニット1の前側へ押し出す。以上のように、ボビン保持装置70が、ボビン保持部20、及びボビン排出部25を作動させることにより、ボビン7が巻取ユニット1の前側から第1ボビン排出位置95へ排出される。
【0073】
次に、ボビン7を巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96へ排出する際の動作について説明する。
図11に示すように、例えば、制御部90が、糸検知装置14からの検知信号を受信し(糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知した場合)、ヤーンクリアラー13による糸8の不良部分の検知頻度が所定の頻度を超える場合(制御部90がボビン7に巻かれている糸8の品質が不良であると判断した場合)、制御部90は、現在巻き取っているボビンは不良部分が多く混在する不良残糸付ボビンであるという不良残糸付ボビン排出信号をボビン保持装置70に対して送信する。
【0074】
ボビン保持装置70は、制御部90からの不良残糸付ボビン排出信号を受信すると、モータ77を図3の図示反時計回りに作動させる。モータ77を作動させることにより、回動軸23が、図3の図示反時計回りに回動する。回動軸23が回動することにより、ボビン保持部20のペッグ21が、図8に示すボビン7を第2ボビン排出位置96へ排出可能な保持位置(上述の第2保持位置)まで回動し、停止する。この時、クリケット22は、ボビン7の保持が保たれるように、ペッグ21と一体に連動する。その後、ボビン保持装置70は、アクチュエータ24を作動することにより、クリケット22をペッグ21側へ回動する。これにより、ペッグ21、及びクリケット22が閉じた状態となり、ボビン7の保持が解除される。
【0075】
一方、ボビン保持装置70がモータ77を作動し、回動軸23を回動させることにより、巻取ユニット1の中央部に向けた位置で停止しているボビン排出部25の第2プロー81の排出板部82が、巻取ユニット1の後方へ向けて(図3の図示反時計回りに)回動する。この際、図8に示すように、排出板部82はボビン7の芯管7aの底面に当接し、ボビン7を巻取ユニット1の後側へ押し出す。以上のように、ボビン保持装置70が、ボビン保持部20、及びボビン排出部25を作動させることにより、ボビン7が巻取ユニット1の後側から第2ボビン排出位置96へ排出される。
【0076】
このように、巻取ユニット1は、ボビン保持装置70のモータ77を正転し、又は逆転することにより、ボビン7の排出方向を変更することができる。従って、巻取ユニット1は、ボビン7に巻き付いた糸8の状態(糸の有無、品質等)に応じてボビン保持装置70を制御することで、ボビン7の排出方向をボビン7の状態に合わせて振り分けることができる。以下に、ボビン7を巻取ユニット1から排出する際のボビン7の振り分け方法について説明する。なお、本発明は、以下の振り分け方法に限定されるものではない。
【0077】
まず、ボビン7に巻かれた糸の有無でボビン7の排出方向を選択する場合について説明する。図12はボビン7に巻かれた糸8の有無でボビン7の排出方向を選択する場合のフローチャートである。
【0078】
自動ワインダ100は、作業者が予め設定した制御プログラムにより、例えば、残糸付ボビン(巻取可能残糸付ボビン、及び不良残糸付ボビン)を巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95へ、空ボビンを巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96へ排出するように、それぞれの排出方向を選択する。以下、残糸付ボビン(巻取可能残糸付ボビン、及び不良残糸付ボビン)を巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95へ、空ボビンを巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96へ、それぞれ排出する場合について説明する。
【0079】
巻取ユニット1が巻取作業を開始することにより(S1)、ヤーンクリアラー13は、糸8の不良部分の有無を検知する(S2)。ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知した場合(S2−Yes)、ヤーンクリアラー13は制御部90に対して不良検知信号を送信する。制御部90は、ヤーンクリアラー13から送信される不良検知信号が所定の頻度で発生しているか否かを判断する(S3)。不良検知信号が所定の頻度で発生していない場合(S3−No)、巻取ユニット1は巻取作業を継続する(S1)。ここで、所定の頻度とは、作業者の望む糸品質、若しくは作業効率を考慮して設定された頻度であり、糸種の変更等により作業者によって自由に設定、変更され得るものである。
【0080】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知し(S2−Yes)、不良検知信号が所定の頻度で発生している場合(S3−Yes)、制御部90は、不良残糸付ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S4)、巻取ユニット1の前側から不良残糸付ボビンを排出するように制御する(S5)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、不良残糸付ボビン排出信号を受信することにより、図7に示すように、ボビン7が第1ボビン排出位置95へ排出可能な保持位置(上述の第1保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第1プロー71を巻取ユニット1の前側へ作動させる。これにより、不良残糸付ボビンが第1ボビン排出位置95へ排出される(S6)。
【0081】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知しない場合(S2−No)、糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知する(S7)。糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知した場合(S7−Yes)、制御部90は、糸継ぎをして巻取作業を継続可能であるか否かを判断する(S8)。巻取作業を継続可能であると判断した場合(S8−Yes)、巻取ユニット1は巻取作業を継続する(S1)。
【0082】
巻取作業の継続が可能でないと判断した場合(S8−No)、制御部90は、巻取可能残糸付ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S9)、巻取ユニット1の前側から巻取可能残糸付ボビンを排出するように制御する(S5)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、巻取可能残糸付ボビン排出信号を受信することにより、図7に示すように、ボビン7が第1ボビン排出位置95へ排出可能な保持位置(上述の第1保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第1プロー71を巻取ユニット1の前側へ作動させる。これにより、巻取可能残糸付ボビンが第1ボビン排出位置95へ排出される(S6)。
【0083】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知せず(S2−No)、糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知しない場合(S7−No)、制御部90は、空ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S10)、巻取ユニット1の後側から空ボビンを排出するように制御する(S11)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、空ボビン排出信号を受信することにより、図8に示すように、ボビン7が第2ボビン排出位置96から排出可能な保持位置(上述の第2保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第2プロー81を巻取ユニット1の後側へ作動させる。これにより、空ボビンが第2ボビン排出位置96へ排出される(S12)。
【0084】
以上のように制御することで、巻取ユニット1は、糸8が巻き付いた残糸付ボビンを第1ボビン排出位置95へ、糸8が全て解舒された空ボビンを第2ボビン排出位置96へ、それぞれ分別して排出することができる。すなわち、巻かれた糸8の有無でボビン7を分別することができる。なお、以上の制御では、ボビン7に巻かれた糸8の有無をバルーンコントローラ10の下端近傍に設けられた糸検知装置14より検知しているが、定長装置で計測されるパッケージ9の巻取糸長からボビン7に巻かれた糸8の有無(残量)を検知しても構わない。
【0085】
巻取ユニット1は、空ボビンの排出数量、及び残糸付ボビンの排出数量をカウントする図示しないカウンタを具備する。また、巻取ユニット1は、前記カウンタによりカウントした残糸付ボビンの排出数量が、空ボビンの排出数量に比べて所定比率以上多い場合に、作業者に対して警告を促す図示しない警報装置を具備する。
【0086】
次に、ボビン7に巻かれた糸8の品質に応じてボビン7の排出方向を選択する場合について説明する。図13はボビン7に巻かれた糸8の品質に応じてボビン7の排出方向を選択する場合のフローチャートである。
【0087】
自動ワインダ100は、作業者が予め設定した制御プログラムにより、例えば、巻取可能残糸付ボビンを巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95へ、不良残糸付ボビンを巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96へ、それぞれの排出方向を選択する。以下、巻取可能残糸付ボビンを巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95へ、不良残糸付ボビンを巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96へ、それぞれ排出する場合について説明する。
【0088】
巻取ユニット1が巻取作業を開始することにより(S20)、ヤーンクリアラー13は、糸8の不良部分の有無を検知する(S21)。ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知した場合(S21−Yes)、ヤーンクリアラー13は制御部90に対して不良検知信号を送信する。制御部90は、ヤーンクリアラー13から送信される不良検知信号が所定の頻度で発生しているか否かを判断する(S22)。不良検知信号が所定の頻度で発生していない場合(S22−No)、巻取ユニット1は巻取作業を継続する(S20)。
【0089】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知し(S21−Yes)、不良検知信号が所定の頻度で発生している場合(S22−Yes)、制御部90は、不良残糸付ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S23)、巻取ユニット1の後側から不良残糸付ボビンを排出するように制御する(S24)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、不良残糸付ボビン排出信号を受信することにより、図8に示すように、ボビン7が第2ボビン排出位置96から排出可能な保持位置(上述の第2保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第2プロー81を巻取ユニット1の後側へ作動させる。これにより、不良残糸付ボビンが第2ボビン排出位置96へ排出される(S25)。
【0090】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知しない場合(S21−No)、糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知する(S26)。糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知しない場合(S26−No)、制御部90は、空ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S27)、巻取ユニット1の後側から空ボビンを排出するように制御する(S24)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、空ボビン排出信号を受信することにより、図8に示すように、ボビン7が第2ボビン排出位置96から排出可能な保持位置(上述の第2保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第2プロー81を巻取ユニット1の後側へ作動させる。これにより、空ボビンが第2ボビン排出位置96へ排出される(S25)。
【0091】
ヤーンクリアラー13が糸8の不良部分を検知せず(S21−No)、糸検知装置14がボビン7のチェース部7bを検知した場合(S26−Yes)、制御部90は、糸継ぎをして巻取作業を継続可能であるか否かを判断する(S28)。巻取作業を継続可能であると判断した場合(S28−Yes)、巻取ユニット1は巻取作業を継続する(S20)。
【0092】
巻取作業の継続が可能でないと判断した場合(S28−No)、制御部90は、巻取可能残糸付ボビン排出信号を巻取ユニット1へ送信し(S29)、巻取ユニット1の前側から巻取可能残糸付ボビンを排出するように制御する(S30)。巻取ユニット1のボビン保持装置70は、巻取可能残糸付ボビン排出信号を受信することにより、図7に示すように、ボビン7が第1ボビン排出位置95へ排出可能な保持位置(上述の第1保持位置)まで、ボビン保持部20を回動させるとともに、ボビン排出部25の第1プロー71を巻取ユニット1の前側へ作動させる。これにより、巻取可能残糸付ボビンが第1ボビン排出位置95へ排出される(S31)。
【0093】
以上のように制御することで、巻取ユニット1は、巻取可能残糸付ボビンを第1ボビン排出位置95へ、不良残糸付ボビンを第2ボビン排出位置96へ、それぞれ分けて排出することができる。すなわち、巻かれた糸8の品質に応じてボビン7を振り分けることができる。また、巻取可能残糸付ボビンのみを巻取ユニット1の前側に設けた第1ボビン排出位置95へ排出することから、ボビン回収部4で巻取可能残糸付ボビンを回収する前に、作業者が巻取可能残糸付ボビンを回収し、その場で巻取可能残糸付ボビンをボビン収納装置50へ再収納できるため、作業効率を向上することができる。なお、本制御では、第2ボビン排出位置96に不良残糸付ボビンと、糸8が全て解舒されて空き状態となった空ボビンと、が混在して排出されることとなるが、両種のボビンは、作業者がその場で回収してボビン収納装置50へ再収納するものではないため、混在して排出しても問題はない。また、巻取可能残糸付ボビンは、上述のようにボビン収納装置50へ再収納できるため、ボビン回収部4へ搬送されず、巻取ユニット1の前側に溜める構成としてもよい。その場合は、第1ボビン搬送部2の第1コンベア3Aの代わりに、かご(箱)状の貯溜部を設ける構成を採用することも可能である。
【0094】
以上のことから、制御部90が、ヤーンクリアラー13、及び糸検知装置14の検知結果に応じてボビン7を異なる排出位置へ排出するように、巻取ユニット1のボビン保持部20、及びボビン排出部25を制御することから、ボビン7の状態(糸の有無、品質等)に応じて、ボビン7を異なる排出位置へ振り分けることができる。そのため、状態の異なるボビン7を分別して回収することができ、回収における作業効率を向上することができる。
【0095】
次に、本発明の自動ワインダ100の第2実施例について説明する。図14は第2実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の側面図である。第2実施例に係る自動ワインダ100は、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3以外の構成については、第1実施例に係る自動ワインダ100の当該構成と同様であるため、説明を省略する。
【0096】
第2実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2は、巻取ユニット1の前側の第1ボビン排出位置95に第1コンベア3Aを有する。第1コンベア3Aは、第1ボビン排出位置95に排出されるボビン7をボビン回収部4(図1)へ搬送する。具体的には、図14に示すように、第1コンベア3Aは、巻取ユニット1の矢印91方向から第1ボビン排出位置95へ排出されたボビン7を、第1コンベア3Aにより図14の紙面手前から紙面奥へ向けて搬送する。
【0097】
図14に示すように、第2ボビン搬送部3は、第1コンベア3Aの下部に第2コンベア3Bを有する。なお、第1コンベア3A及び第2コンベア3Bは、別個独立のベルト(搬送部材)により構成されている。
第2ボビン搬送部3は、第2ボビン排出位置96から第2コンベア3Bにボビン7を移送するためのボビン移送経路3Cを有する。ボビン移送経路3Cは、上端部を巻取ユニット1の後側の第2ボビン排出位置96に設け、下端部を第2コンベア3Bに設けている。第2コンベア3Bは、第2ボビン排出位置96に排出されるボビン7をボビン回収部4(図1)へ搬送する。具体的には、図14に示すように、巻取ユニット1の矢印92方向から第2ボビン排出位置96へ排出されたボビン7が、ボビン移送経路3Cの上端部からボビン移送経路3Cの下端部へ移送して第2コンベア3Bまで排出される。そして、第2コンベア3Bは、当該ボビン7を図14の紙面手前から紙面奥へ向けて搬送する。
【0098】
このように、第2実施例に係る自動ワインダ100は、第2ボビン搬送部3が、巻取ユニット1の後側に設けられた第2ボビン排出位置96から排出されるボビン7を、巻取ユニット1の前側に設けられた第2コンベア3Bに移送するボビン移送経路3Cを有する。そのため、巻取ユニット1の前後に排出し、ボビン7の状態に応じて選別されたボビン7を巻取ユニット1の前側に選別された状態で集め、巻取ユニット1の前側で当該ボビン7を搬送することができる。
【0099】
次に、本発明の自動ワインダ100の第3実施例について説明する。図15は第3実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の正面図である。第3実施例に係る自動ワインダ100は、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3以外の構成については、第1実施例に係る自動ワインダ100の当該構成と同様であるため、説明を省略する。また、第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3については、第1ボビン排出位置95、第2ボビン排出位置96、及びボビン移送経路3Cは、第2実施例に係る自動ワインダ100の当該構成と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
第3実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3は、巻取ユニット1の前側に第1コンベア3Aを有する。第1コンベア3Aは、1本のベルトから構成されている。第1コンベア3Aは、1本のベルトを環状に形成することにより、上段コンベア3aと、下段コンベア3bと、を構成する。上段コンベア3aは、第1ボビン排出位置95に設けられている。上段コンベア3aは、第1ボビン排出位置95へ排出されるボビン7をボビン回収部4へ搬送する。具体的には、上段コンベア3aは、巻取ユニット1の矢印91方向(図14)から第1ボビン排出位置95へ排出された(図15の紙面奥から紙面手前へ向けて第1ボビン排出位置95へ排出された)ボビン7を、図15の矢印97方向(図示右方向)にボビン回収部4まで搬送する。
【0101】
下段コンベア3bは、ボビン移送経路3C(図14)の下端部に設けられている。下段コンベア3bは、第2ボビン排出位置96(図14)へ排出されたボビン7をボビン回収部4とは逆方向へ搬送する。具体的には、巻取ユニット1の矢印92方向(図14)から第2ボビン排出位置96へ排出されたボビン7が、ボビン移送経路3Cの上端部(図14)からボビン移送経路3Cの下端部(図14)へ移送され、下段コンベア3bまで排出される。そして、下段コンベア3bは、ボビン7を図15の矢印98方向(図示左方向)に搬送する。搬送されたボビン7は、板部材4bに接触することでボビン回収箱4cに回収される。
【0102】
このように、第3実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3は、第1ボビン搬送部である上段コンベア3a、及び第2ボビン搬送部である下段コンベア3bが、同1のベルト99(搬送部材)から構成されていることから、第1ボビン搬送部、及び第2ボビン搬送部の搬送部材、駆動源等を共有化することができる。そのため、設置スペース、装置コスト、及び部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1実施例に係る自動ワインダ100の正面図。
【図2】第1実施例に係る自動ワインダ100の巻取ユニット1の側面図。
【図3】ボビン保持装置70の側面図。
【図4】ボビン保持部20の側面図。
【図5】ボビン7がボビン保持装置70へ投下される際のボビン保持装置70近傍の側面図。
【図6】ボビン7がボビン保持装置70へ保持された際のボビン保持装置70近傍の側面図。
【図7】ボビン7が巻取ユニット1の前側へ排出される際のボビン保持装置70近傍の側面図。
【図8】ボビン7が巻取ユニット1の後側へ排出される際のボビン保持装置70近傍の側面図。
【図9】(a)は第1プロー71、及び第2プロー81の側面図、(b)は第1プロー71、及び第2プロー81の平面図。
【図10】第1実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の側面図。
【図11】巻取ユニット1の回路構成を示すブロック図。
【図12】ボビン7に巻かれた糸8の有無でボビン7の排出方向を選択する場合のフローチャート。
【図13】ボビン7に巻かれた糸8の品質に応じてボビン7の排出方向を選択する場合のフローチャート。
【図14】第2実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の側面図。
【図15】第3実施例に係る自動ワインダ100の第1ボビン搬送部2、及び第2ボビン搬送部3の正面図。
【符号の説明】
【0104】
1 巻取ユニット
2 第1ボビン搬送部
3 第2ボビン搬送部
3A 第1コンベア
3B 第2コンベア
3a 上段コンベア
3b 下段コンベア
7 ボビン
8 糸
13 ヤーンクリアラー
14 糸検知装置
20 ボビン保持部
50 ボビン収納装置
70 ボビン保持装置
77 モータ(駆動源、ステッピングモータ)
95 第1ボビン排出位置
96 第2ボビン排出位置
99 ベルト(搬送部材)
100 自動ワインダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の巻取ユニットからなる自動ワインダであって、
前記巻取ユニットは、
給糸用ボビンを保持し、且つ、複数の保持位置に変位可能なボビン保持部を具備し、
前記ボビン保持部を少なくとも2箇所の排出位置へ排出できるように変位させることで、前記給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出することを特徴とする自動ワインダ。
【請求項2】
前記巻取ユニットは、前記給糸用ボビンの状態を検知する検知部を具備し、
該検知部の検知結果に応じて前記給糸用ボビンを分別して排出することを特徴とする請求項1に記載の自動ワインダ。
【請求項3】
前記検知部は、前記給糸用ボビンに巻かれた糸の有無を検知し、
前記検知部の検知結果に応じて、空ボビンと、残糸付ボビンとを分別して排出することを特徴とする請求項2に記載の自動ワインダ。
【請求項4】
前記検知部は、前記給糸用ボビンに巻かれた糸の品質を検知し、
前記検知部の検知結果に応じて、所定の品質を満たしていない糸の巻かれた給糸用ボビンを不良残糸付ボビンとして分別して排出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動ワインダ。
【請求項5】
前記ボビン保持部は、
前記給糸用ボビンから糸を給糸する給糸用保持位置と、
前記給糸用ボビンを状態に応じた排出位置へ分別して排出するための第1保持位置、及び、第2保持位置と、
の少なくとも3箇所の保持位置に変位することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動ワインダ。
【請求項6】
前記巻取ユニットは、前記給糸用ボビンを前記ボビン保持部に供給するボビン供給部を更に具備し、
前記ボビン保持部は、前記ボビン供給部から供給される前記給糸用ボビンを受けるボビン受け位置に変位することを特徴とする請求項5に記載の自動ワインダ。
【請求項7】
前記給糸用ボビンを分別された状態で搬送する、複数のボビン搬送部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動ワインダ。
【請求項8】
前記複数のボビン搬送部は、第1ボビン搬送部と、第2ボビン搬送部とを含み、前記第1ボビン搬送部と前記第2ボビン搬送部は、前記巻取ユニットの前後のうち、いずれか一方の側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の自動ワインダ。
【請求項9】
前記巻取ユニットの前後のうちいずれか一方に前記第1ボビン搬送部と前記第2ボビン搬送部とが配置されており、
さらに前記巻取ユニットの前後のうちいずれか他方に第2ボビン排出位置が配置され、
前記第2ボビン排出位置へ排出された給糸用ボビンを前記第2ボビン排出位置から前記第2ボビン搬送部に移送するためのボビン移送経路が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の自動ワインダ。
【請求項10】
前記第1ボビン搬送部、及び前記第2ボビン搬送部は、1つの環状の搬送部材を共有していることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の自動ワインダ。
【請求項11】
前記ボビン保持部、及び前記ボビン排出部の駆動源が、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の自動ワインダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate