自動二輪車
【課題】本発明の課題は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー内のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することにある。
【解決手段】自動二輪車において、下ハンドルカバーは、連結部と上ハンドルカバーとの下方に位置する。下フロントカバーの上下方向の長さは、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。下ハンドルカバー側部は、下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる。下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。ワイヤ部は、ハンドルカバー部に覆われており、下ハンドルカバー中央部を通って下方に延びる。下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。
【解決手段】自動二輪車において、下ハンドルカバーは、連結部と上ハンドルカバーとの下方に位置する。下フロントカバーの上下方向の長さは、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。下ハンドルカバー側部は、下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる。下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。ワイヤ部は、ハンドルカバー部に覆われており、下ハンドルカバー中央部を通って下方に延びる。下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車には、ハンドルカバーとフロントカバーとを備えたものがある。ハンドルカバーは、ハンドル部を覆う。フロントカバーは、ヘッドパイプ部を含む車体フレームの前方を覆う。従来、この種の自動二輪車において、ヘッドライトをハンドルカバーではなく、フロントカバーに配置することが行われている。例えば、特許文献1には、フロントカバーに配置された大型のヘッドランプが開示されている。フロントカバーは、ハンドルカバーと比べて広い内部スペースを確保することが容易である。従って、ヘッドライトをフロントカバーに配置することによって、ヘッドライトがハンドルカバーに配置される場合よりも、ヘッドライトを大型化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3476049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動二輪車には、大径の車輪を装着したいという要望がある。その一方で、車両の高さを抑えたいという要望もある。大径の車輪が装着されても、車両の高さを抑えるためには、車両のうち車輪の上方に位置する部分の上下方向の長さを小さくする必要がある。しかし、上述したように、フロントカバーに大型のヘッドライトが配置される場合、フロントカバーの内部に大きなスペースが必要となる。このため、フロントカバーの上下方向の長さを小さくすることは困難である。従って、大径の車輪を装着した自動二輪車において、車両の高さを抑えつつ、フロントカバーの内部に大きなスペースを確保するためには、フロントカバーの上端の位置を高くすることが考えられる。しかし、車両の高さを抑えつつ、フロントカバーの上端の位置を高くすると、フロントカバーの上端とハンドルカバーとの間の上下方向における距離が短くなる。
【0005】
一方、ハンドルカバーの内部のメンテナンスを行うときには、ハンドルカバーを車両から取り外す必要がある。例えば、上述した特許文献1に開示されている自動二輪車では、ハンドルカバーは、前後に分割された部品によって構成されている。具体的には、ハンドルカバーは、フロントハンドルカバーとリアハンドルカバーとによって構成されている。このような自動二輪車のメンテナンス時には、フロントハンドルカバーを取り外す必要がある。このとき、フロントカバーの上端とハンドルカバーとの間の上下方向における距離が短いと、フロントハンドルカバーが、フロントカバーと干渉し易い。このため、メンテナンス時に、フロントハンドルカバーを取り外し難い。
【0006】
本発明の課題は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー内のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る自動二輪車は、ヘッドパイプ部と、ステアリングシャフトと、ハンドル部と、ハンドルカバー部と、ワイヤ部と、フロントフォークと、前輪と、上フロントカバーと、ヘッドライト部と、下フロントカバーと、を備える。ヘッドパイプ部は、車幅方向における車両中央に位置する。ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ部に挿入される。ハンドル部は、ステアリングシャフトに連結される。ハンドル部は、左右の把持部と、連結部とを有する。左右の把持部は、乗員が把持する部分である。連結部は、左右の把持部を連結する。ハンドルカバー部は、上ハンドルカバーと、下ハンドルカバーとを有する。上ハンドルカバーは、連結部の上方に配置される。下ハンドルカバーは、上ハンドルカバーとは別体に形成される。下ハンドルカバーは、連結部と上ハンドルカバーとの下方に位置する。ワイヤ部は、ハンドルカバー部に覆われる。フロントフォークは、ステアリングシャフトの下部に連結される。前輪は、フロントフォークの下部に支持される。上フロントカバーは、ヘッドパイプ部の前方に配置される。上フロントカバーは、前輪の上方に配置される。ヘッドライト部は、上フロントカバーに配置される。下フロントカバーは、上フロントカバーに連結される。下フロントカバーは、前輪の後方に配置される。下フロントカバーの上下方向の長さは、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。下ハンドルカバーは、下ハンドルカバー中央部と、下ハンドルカバー側部とを有する。下ハンドルカバー中央部には、ステアリングシャフトが挿通される。下ハンドルカバー側部は、下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる。下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。ワイヤ部は、下ハンドルカバー中央部を通って下方に延びる。下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。
【0008】
本発明の第2の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。開口は、下ハンドルカバー中央部の前部の上縁から下ハンドルカバー中央部の下縁までに亘って設けられている。
【0009】
本発明の第3の態様に係る自動二輪車は、第2の態様に係る自動二輪車であって、ワイヤ部は、ステアリングシャフトの前方を通るように配置されている。
【0010】
本発明の第4の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。ハンドルカバー部は、中央ハンドルカバーをさらに有する。中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口を覆う。
【0011】
本発明の第5の態様に係る自動二輪車は、第4の態様に係る自動二輪車であって、中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口と共に、上ハンドルカバーの車幅方向における中央部を覆う。
【0012】
本発明の第6の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、ワイヤ部は、スロットルワイヤを含む。スロットルワイヤは、左右の把持部の一方に接続される。
【0013】
本発明の第7の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、スロットルワイヤの少なくとも一部は、下ハンドルカバーより上方に位置する。
【0014】
本発明の第8の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、メータユニットをさらに備える。メータユニットは、車両に関する情報を表示する。メータユニットは、ハンドル部に固定される。
【0015】
本発明の第9の態様に係る自動二輪車は、第8の態様に係る自動二輪車であって、収納部をさらに備える。収納部の少なくとも一部は、ハンドルカバー部の内部に配置される。収納部は、メータユニットに固定される。
【0016】
本発明の第10の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、ヘッドライト部は、左右のヘッドライトユニットを有する。車両正面視において、左右のヘッドライトユニットは、それぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。
【0017】
本発明の第11の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー側部の上端は、ハンドル部の連結部よりも上方に位置する。
【0018】
本発明の第12の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、操作スイッチをさらに備える。操作スイッチは、ハンドルカバー部の後部に配置される。ハンドルカバー部は、スイッチカバーをさらに有する。スイッチカバーは、操作スイッチの周囲を覆う。スイッチカバーは、上ハンドルカバー及び下ハンドルカバーと別体である。
【0019】
本発明の第13の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、車両正面視において、上フロントカバーの上端は、下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している。
【0020】
本発明の第14の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線は、下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない。
【0021】
本発明の第15の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の後部には、開口が設けられている。下ハンドルカバー中央部の後部の開口は、下ハンドルカバー中央部の後部の上縁から下ハンドルカバー中央部の後部の下縁までに亘って設けられている。
【0022】
本発明の第16の態様に係る自動二輪車は、第15の態様に係る自動二輪車であって、ハンドルカバー部は、下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆う後ハンドルカバーをさらに有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の態様に係る自動二輪車では、下フロントカバーの上下方向の長さが、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。このため、大径の車輪を装着することが可能である。また、下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。このため、車両の高さを抑えながら、上フロントカバーの内部に大きなスペースを確保することができる。これにより、上フロントカバーに配置されるヘッドライト部を大型化することが可能となる。また、ハンドルカバー部は、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとを有する。このため、上フロントカバーの上端と下ハンドルカバーとの間の上下方向の距離が小さくても、メンテナンス時には、下ハンドルカバーを車体に残したまま上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部内のメンテナンス性が向上する。さらに、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。或いは、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。このため、車体に残された下ハンドルカバーの内部に対して前方からのアクセス性が向上する。これにより、ハンドルカバー部内のワイヤ部へのメンテナンス性が向上する。以上より、本発明によれば、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー部の内部のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することが可能となる。
【0024】
本発明の第2の態様に係る自動二輪車では、開口を通してハンドル部から下ハンドルカバーを取り外すことができる。これにより、ハンドル部をステアリングシャフトから取り外さずに下ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0025】
本発明の第3の態様に係る自動二輪車では、開口を通してワイヤ部に容易にアクセスすることができる。これにより、ワイヤ部のメンテナンス性を向上させることができる。
【0026】
本発明の第4の態様に係る自動二輪車では、中央ハンドルカバーによって下ハンドルカバーの開口が覆われる。これにより、ハンドルカバー部の内部を保護することができる。
【0027】
本発明の第5の態様に係る自動二輪車では、中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口だけではなく、上ハンドルカバーの車幅方向における中央部も覆う。このため、ハンドルカバー部の外観を向上させることができる。また、上ハンドルカバーを保護することができる。
【0028】
本発明の第6の態様に係る自動二輪車では、スロットルワイヤがハンドルカバー部に覆われている。このため、スロットルワイヤがハンドルカバー部と上フロントカバーとの間に配置される場合と比べて、上フロントカバーとハンドルカバー部との間の距離を小さくすることができる。すなわち、上フロントカバーの上端の位置を高くすることができる。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0029】
本発明の第7の態様に係る自動二輪車では、スロットルワイヤの少なくとも一部は、下ハンドルカバーより上方に位置する。このため、スロットルワイヤがハンドルカバー部と上フロントカバーとの間に配置される場合と比べて、上フロントカバーとハンドルカバー部との間の距離をさらに小さくすることができる。すなわち、上フロントカバーの上端の位置をさらに高くすることができる。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。また、上方からのスロットルワイヤへのアクセスが容易であるため、スロットルワイヤのメンテナンス性を向上させることができる。
【0030】
本発明の第8の態様に係る自動二輪車では、メータユニットは、ハンドル部に固定される。このため、メータユニットを取り外さずに、上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0031】
本発明の第9の態様に係る自動二輪車では、収納部が、メータユニットに固定される。このため、収納部が上ハンドルカバー又は下ハンドルカバーに取り付けられる場合と比べて、上ハンドルカバー又は下ハンドルカバーを小型化することができる。
【0032】
本発明の第10の態様に係る自動二輪車では、車両正面視において左右のヘッドライトユニットはそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。上フロントカバーの内部に大きなスペースが確保されることにより、このような大きな配置スペースを必要とする形状のヘッドライトユニットであっても、その配置の自由度が向上する。
【0033】
本発明の第11の態様に係る自動二輪車では、下ハンドルカバー側部の上端は、ハンドル部の連結部よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー側部の内部空間の深さを大きくすることができる。これにより、下ハンドルカバーの収納性を向上させることができる。
【0034】
本発明の第12の態様に係る自動二輪車では、スイッチカバーは、上ハンドルカバー及び下ハンドルカバーと別体である。このため、スイッチカバーの金型での成形が容易となる。
【0035】
本発明の第13の態様に係る自動二輪車では、上フロントカバーの上端は、下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0036】
本発明の第14の態様に係る自動二輪車では、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線は、下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない。このため、メンテナンス時には、下ハンドルカバーを車体に残したまま上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部内のメンテナンス性が向上する。
【0037】
本発明の第15の態様に係る自動二輪車では、下ハンドルカバー中央部の後部の開口を通して、ハンドル部から下ハンドルカバーを取り外すことができる。これにより、ハンドル部をステアリングシャフトから取り外さずに下ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0038】
本発明の第16の態様に係る自動二輪車では、後ハンドルカバーによって下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆って保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の側面図。
【図2】自動二輪車の正面図。
【図3】自動二輪車の前部の側面図。
【図4】ハンドル部およびハンドルカバー部の分解斜視図。
【図5】ハンドルカバー部の上面図。
【図6】中央ハンドルカバーが取り外された状態のハンドルカバー部の正面図。
【図7】ハンドルカバー部の背面図。
【図8】メータユニットと枠部の分解斜視図。
【図9】図7におけるXI−XI断面図。
【図10】左スイッチカバーの左側面図。
【図11】ハンドルカバー部内の内部機器を示す上面図。
【図12】ハンドルカバー部内の内部機器を示す正面図。
【図13】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図14】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図15】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図16】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図17】図16におけるXVII−XVII断面図。
【図18】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態に係る自動二輪車について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。自動二輪車1は、スクータ型の自動二輪車1である。自動二輪車1は、車体フレーム2と、ステアリングシャフト3と、フロントフォーク4と、前輪5と、シート6と、エンジンユニット7と、後輪8と、車体カバー9と、を備える。なお、以下の説明において、前後方向は、シート6に着座したライダーから視たときの車体前後方向をいうものとする。左右方向は、シート6に着座したライダーから視たときの車体左右方向をいうものとする。本実施形態において、「車幅方向における外方」とは、車幅方向における中心を通り前後方向に延びる軸線から遠ざかる方向を意味する。
【0041】
車体フレーム2の大部分は、鉄製のパイプにより形成されている。車体フレーム2は、ヘッドパイプ部21と、ダウンフレーム部22と、アンダーフレーム部23と、リアフレーム部24と、を備えている。ヘッドパイプ部21は、車幅方向における車両中央に位置する。ヘッドパイプ部21には、ステアリングシャフト3が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト3の上部には、ハンドル部12が連結されている。ハンドル部12については後述する。ステアリングシャフト3の下部には、伸縮可能なフロントフォーク4が連結されている。フロントフォーク4は、サスペンション装置11を有している。サスペンション装置11の下部には、前輪5が回転可能に支持されている。前輪5には、ブレーキ装置28が取り付けられている。
【0042】
ダウンフレーム部22はヘッドパイプ部21に接続されている。ダウンフレーム部22は、ヘッドパイプ部21から下方に向かって延びている。アンダーフレーム部23は、ダウンフレーム部22の下端部に接続されている。アンダーフレーム部23は、ダウンフレーム部22から後方に向かって延びている。リアフレーム部24は、アンダーフレーム部23の後端部に接続されている。リアフレーム部24は、アンダーフレーム部23の後端部から、後方且つ上方に向かって延びている。アンダーフレーム部23とリアフレーム部24とには、ブラケット25が取り付けられている。ブラケット25には、車幅方向に延びるピボット軸250が取り付けられている。ピボット軸250には、エンジンユニット7が揺動可能に取り付けられている。エンジンユニット7は、図示しない出力軸を有している。この出力軸には、後輪8が回転可能に支持されている。リアフレーム部24の上方には、シート6が配置されている。シート6は、ヘッドパイプ部21より後方に位置している。シート6は、車体フレーム2に支持されている。具体的には、シート6は、リアフレーム部24取り付けられている。
【0043】
車体カバー9は、ハンドルカバー部13と、前車体カバー部14と、後車体カバー部15と、アンダーカバー部16とを有する。ハンドルカバー部13は、ハンドル部12を覆う。ハンドルカバー部13については後に詳細に説明する。前車体カバー部14は、主としてヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22との周囲を覆う。前車体カバー部14は、前面カバー部17と背面カバー部18とを有する。前面カバー部17は、ヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22とを前方から覆う。背面カバー部18は、ヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22とを後方から覆う。
【0044】
図2は、自動二輪車1の正面図である。図3は、自動二輪車1の前部の拡大図である。図2に示すように、前面カバー部17は、上フロントカバー171と下フロントカバー172とを有する。図3に示すように、前面カバー部17は、車両側面視において、後方へ向けて凹んだ凹部173を有する。凹部173には前輪5の後部が配置される。図2に示すように、上フロントカバー171は、車両正面視において凹部173の上端部P1よりも上方に位置する。下フロントカバー172は、車両正面視において凹部173の上端部P1よりも下方に位置する。すなわち、図2に示すように、上フロントカバー171は、車両正面視において、前面カバー部17のうち仮想線A1よりも上方に位置する部分である。下フロントカバー172は、車両正面視において、前面カバー部17のうち仮想線A1よりも下方に位置する部分である。仮想線A1は、車両正面視において、凹部173の上端部P1を通る水平線である。図2に示すように、下フロントカバー172の上下方向の長さL1は、上フロントカバー171の上下方向の長さL2より長い。
【0045】
上フロントカバー171は、ヘッドパイプ部21の前方に配置される。上フロントカバー171は、前輪5の上方に配置される。上フロントカバー171には、ヘッドライト部26が配置される。ヘッドライト部26は、左ヘッドライトユニット261と右ヘッドライトユニット262を有する。左右のヘッドライトユニット261,262は、車幅方向に互いに間隔を空けて配置されている。車両正面視において、左右のヘッドライトユニット261,262は、それぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。すなわち、左ヘッドライトユニット261は、左方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。右ヘッドライトユニット262は、右方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。
【0046】
図3に示すように、左ヘッドライトユニット261は、レンズ部263と、ヘッドライトバルブ264と、反射部265と、を有する。レンズ部263は、透光性を有する部材で形成されている。ヘッドライトバルブ264は反射部265に取り付けられている。反射部265は、ヘッドライトバルブ264からの光を前方へ反射する。右ヘッドライトユニット262は、左ヘッドライトユニット261と同様の構成を有する。上フロントカバー171の内部には、左ヘッドライトユニット261と、右ヘッドライトユニット262との収納空間S1が設けられている。
【0047】
また、図2に示すように、前面カバー部17には、左フラッシャーライト271と右フラッシャーライト272とが取り付けられている。左右のフラッシャーライト271,272は、車幅方向に互いに間隔を空けて配置されている。左右のフラッシャーライト271,272の少なくとも一部は、上フロントカバー171の内部に配置されている。図3に示すように、車両側面視において、左右のフラッシャーライト271,272は、左右のヘッドライトユニット261,262の収納空間S1と部分的に重なっている。
【0048】
下フロントカバー172は、上フロントカバー171に接続される。下フロントカバー172は、上フロントカバー171の下方に位置する。下フロントカバー172は、前輪5の後方に配置される。下フロントカバー172は、前輪5とダウンフレーム部22(図1参照)との間に配置される。なお、前輪5の上方には、フロントフェンダー19が配置されている。フロントフェンダー19は、上フロントカバー171の下方に位置する。なお、上フロントカバー171と下フロントカバー172とは一体に形成されても、別体に形成されてもよい。また、上フロントカバー171と下フロントカバー172とは、いくつかのカバー部材で形成されてもよい。
【0049】
図1に示すように、後車体カバー部15は、シート6の下方に位置している。後車体カバー部15は、シート6の下方に配置されるリアフレーム部24の前方及び両側方を覆っている。アンダーカバー部16は、前車体カバー部14と後車体カバー部15との間に位置している。アンダーカバー部16は、前車体カバー部14と後車体カバー部15とを連結する。アンダーカバー部16は、フラットフートボード161を有する。フラットフートボード161は、前後方向において前輪5とシート6との間に位置している。フラットフートボード161は、シート6より下方に位置している。フラットフートボード161は、シート6に着座したライダーが走行中に足を載せる面である。フラットフートボード161は、アンダーフレーム部23の上方に位置している。フラットフートボード161は、前後方向において、ダウンフレーム部22とリアフレーム部24との間に位置している。フラットフートボード161は、車幅方向にわたって平坦に形成されている。
【0050】
図4は、ハンドル部12およびハンドルカバー部13の構成を示す分解斜視図である。なお、図4は、構造の一部を簡略化して表現している。図4に示すように、ハンドル部12は、左把持部31と、右把持部32と、連結部33とを有する。左右の把持部31,32は、乗員によって把持される。連結部33は、ステアリングシャフト3の上部に連結されている。左右の把持部31,32は、連結部33の左右の端部にそれぞれ取り付けられている。連結部33は、左右の把持部31,32を連結する。ハンドル部12には、メータユニット34が固定される。メータユニット34は、車速、走行距離、燃料の残量などの車両に関する情報を表示する。メータユニット34は、連結部33の車幅方向における中央部に固定される。また、連結部33には、左ブレーキレバー35と右ブレーキレバー36とが取り付けられる。
【0051】
図2から図4に示すように、ハンドルカバー部13は、上ハンドルカバー41と、下ハンドルカバー42と、中央ハンドルカバー43と、を有する。上ハンドルカバー41は、上述した連結部33の上方に配置される。上ハンドルカバー41は、連結部33を上方から覆う。下ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41とは別体に形成されている。下ハンドルカバー42は、連結部33と上ハンドルカバー41との下方に位置する。下ハンドルカバー42は、連結部33を下方から覆う。中央ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41に取り付けられる。中央ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41を上方から覆う。
【0052】
図5は、ハンドルカバー部13の上面図である。図6は、中央ハンドルカバー43が取り外された状態のハンドルカバー部13の正面図である。図5に示すように、上ハンドルカバー41の前端P2は、連結部33より前方に位置する。上ハンドルカバー41の後端P3,P4は、連結部33より後方に位置する。上ハンドルカバー41は、上ハンドルカバー中央部44と、上ハンドルカバー左側部45と、上ハンドルカバー右側部46と、を有する。上ハンドルカバー中央部44は、車幅方向において、上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46との間に位置する。上ハンドルカバー中央部44は、連結部33よりも前方に位置する。上ハンドルカバー中央部44は、連結部33を前方から覆う。上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46とは、連結部33を上方から覆う。また、上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46とは、連結部33を前方から覆う。上ハンドルカバー左側部45には、左バックミラー47が挿入されている。上ハンドルカバー右側部46には、右バックミラー48が挿入されている。
【0053】
図7は、ハンドルカバー部13の背面図である。図4、図6、及び図7に示すように、ハンドルカバー部13は、後ハンドルカバー49を有する。後ハンドルカバー49は、上ハンドルカバー41とは別体の部材である。後ハンドルカバー49は、上ハンドルカバー41の後方に配置される。後ハンドルカバー49は、枠部51と蓋部52とを有する。枠部51と、蓋部52とは、互いに別体の部材である。
【0054】
上ハンドルカバー41と後ハンドルカバー49との間には、上述したメータユニット34が配置されている。図8は、メータユニット34と枠部51とを示す分解斜視図である。図9は、図7におけるIX−IX断面図である。メータユニット34には、収納部39が固定される。収納部39は、ハンドルカバー部13の内部に少なくとも一部が配置される。収納部39は、メータユニット34の後方に配置される。枠部51は、メータユニット34及び収納部39の周囲に配置される。蓋部52は、収納部39を上方から覆う。蓋部52は、収納部39の収納空間S2を開閉する。また、メータユニット34の一部は上ハンドルカバー中央部44よりも上方に位置している。中央ハンドルカバー43の上部は、メータユニット34よりも上方に位置している。メータユニット34の上部は、中央ハンドルカバー43によって前方から覆われている。このため、上ハンドルカバー41を小型化することができる。これにより、ハンドルカバー部13の内部のメンテナンス時に、上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。また、中央ハンドルカバー43は、ハンドルカバー部13において車幅方向の車両中央部にのみ設けられており、車幅方向において上ハンドルカバー41よりも小型の部材である。このため、中央ハンドルカバー43によって、簡便にメータユニット34を前方から保護できる。
【0055】
図6に示すように、下ハンドルカバー42は、下ハンドルカバー中央部54と、下ハンドルカバー左側部55と、下ハンドルカバー右側部56と、を有する。下ハンドルカバー中央部54は、上ハンドルカバー中央部44の下方に位置する。下ハンドルカバー左側部55は、上ハンドルカバー左側部45の下方に位置する。下ハンドルカバー右側部56は、上ハンドルカバー右側部46の下方に位置する。
【0056】
下ハンドルカバー中央部54には、上述したステアリングシャフト3が挿通される。下ハンドルカバー左側部55と下ハンドルカバー右側部56とは、それぞれ下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、車幅方向における外方に向って延びている。具体的には、下ハンドルカバー左側部55は、下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、左方に向って延びている。下ハンドルカバー右側部56は、下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、右方に向って延びている。下ハンドルカバー中央部54の前部には前開口541が設けられている。前開口541は、下ハンドルカバー中央部54の前部の上縁542から下ハンドルカバー中央部54の下縁543までに亘って設けられている。前開口541は、ステアリングシャフト3の前方に位置している。前開口541の車幅方向における幅は、ステアリングシャフト3の車幅方向における幅よりも大きい(図11参照)。下ハンドルカバー中央部54の底部には、底開口544が設けられている。底開口544には、ステアリングシャフト3が通される。底開口544は、前開口541と連通している。
【0057】
図3に示すように、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、後方且つ下方へ向けて傾斜している。上フロントカバー171は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543を前方から覆う。下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、上フロントカバー171の上端174より下方に配置される。また、車両正面視において、上フロントカバー171の上端174は、ハンドルカバー部13の下縁543全体より上方に位置している。図2に示すように、正面視において、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、上フロントカバー171の上端174よりも下方に位置する。正面視において、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、上フロントカバー171と少なくとも部分的に重なっている。図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55の上端551は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。同様に、下ハンドルカバー右側部56の上端は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー左側部55の下端部553より上方に位置している。同様に、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー右側部56の下端部563より上方に位置している。また、上面視において、下ハンドルカバー42の前端421は、連結部33より前方に位置する(図11参照)。上面視において、下ハンドルカバー42の後端422は、連結部33より後方に位置する(図11参照)。
【0058】
図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55には、左開口545が設けられている。左開口545は、下ハンドルカバー左側部55の上縁から下方へ凹んだ形状を有する。左開口545には、ハンドル部12の左側部と左ブレーキレバー35とが挿通される。同様に、図2に示すように、下ハンドルカバー右側部56には、右開口346が設けられている。右開口346は、下ハンドルカバー右側部56の上縁から下方へ凹んだ形状を有する。右開口346には、ハンドル部12の右側部と右ブレーキレバー36とが挿通される。
【0059】
中央ハンドルカバー43は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とに取り付けられる。中央ハンドルカバー43は、上ハンドルカバー中央部44を前方から覆う。中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー中央部54を前方から覆う。中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541を覆う。すなわち、中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541と共に、上ハンドルカバー41の車幅方向における中央部を覆う。
【0060】
図9に示すように、中央ハンドルカバー43は、第1中央ハンドルカバー部57と第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59とを有する。第1中央ハンドルカバー部57は、上ハンドルカバー中央部44を前方から覆う。また、第1中央ハンドルカバー部57は、上ハンドルカバー中央部44を上方から覆う。第1中央ハンドルカバー部57は、側面視において後方且つ上方へ傾斜した形状を有する。第1中央ハンドルカバー部57は、曲面状の形状を有する。第2中央ハンドルカバー部58は、前後方向及び車幅方向に延びた板状の形状を有する。図3に示すように、第2中央ハンドルカバー部58は、上フロントカバー171の上端174の上方に位置している。図9に示すように、中央ハンドルカバー43は、第1中央ハンドルカバー部57と第2中央ハンドルカバー部58との間の第1屈曲部61において屈曲した形状を有する。図2に示すように、第1屈曲部61は、正面視において車幅方向に延びている。図9に示すように、第3中央ハンドルカバー部59は、上下方向及び車幅方向に延びた板状の形状を有する。中央ハンドルカバー43は、第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59との間の第2屈曲部62において屈曲した形状を有する。図2に示すように、第2屈曲部62は、正面視において車幅方向に延びている。第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59とは、下ハンドルカバー中央部54の前開口541を覆う。第3中央ハンドルカバー部59の下端部591は、上フロントカバー171の上端174よりも下方に位置している。従って、正面視において、第3中央ハンドルカバー部59は、少なくとも部分的に上フロントカバー171と重なっている。なお、下ハンドルカバー中央部54の前開口541の一部は、上フロントカバー171により前方から覆われ、保護されている。
【0061】
図2、図3、図6、図7において、符号A2は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42との境界線を示している。図2及び図6に示すように、境界線A2は、車両正面視において視認可能である。境界線A2は、車両正面視において、車幅方向に延びている。また、境界線A2は、車両正面視において、第1屈曲部61に繋がるように配置されている。図3に示すように、境界線A2は、車両側面視において、後方且つ上方に向かって傾斜している。図7に示すように、境界線A2は、車両背面視において視認可能である。図2、図3、図6、図7に示すように、境界線A2は、左右の下ハンドルカバー側部55,56の下端部553,563より上方に位置している。また、境界線A2は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543につながらない。
【0062】
図4,5,7に示すように、ハンドルカバー部13は、左スイッチカバー63と右スイッチカバー64とを有する。左右のスイッチカバー63,64は、それぞれ上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とは別体の部品である。左右のスイッチカバー63,64は、連結部33を後方から覆うように、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とに取り付けられる。左スイッチカバー63は、上ハンドルカバー左側部45と下ハンドルカバー左側部55との後方に配置される。図10は、左スイッチカバー63の左側面図である。図10に示すように、左スイッチカバー63の左側面には凹部631が形成されている。凹部631は、前方へ向けて開かれた形状を有する。図7に示すように、この凹部631内には、左把持部31の後部が配置される。右スイッチカバー64は、上ハンドルカバー右側部46と下ハンドルカバー右側部56との後方に配置される。右スイッチカバー64の右側面には凹部641が形成されている。右スイッチカバー64の凹部641は、左スイッチカバー63の凹部631と同様に、前方へ向けて開かれた形状を有する。凹部641内には、右把持部32の後部が配置される。
【0063】
図7に示すように、ハンドルカバー部13の後部には、操作スイッチ71−73が配置される。左右のスイッチカバー63,64は、操作スイッチ71−73の周囲を覆う。具体的には、操作スイッチ71−73は、スタータスイッチ71と、ホーンスイッチ72と、フラッシャスイッチ73とを有する。左スイッチカバー63は、ホーンスイッチ72とフラッシャスイッチ73とを覆う。右スイッチカバー64は、スタータスイッチ71の周囲を覆う。
【0064】
図11は、ハンドルカバー部13内の内部機器を示す上面図である。図12は、ハンドルカバー部13内の内部機器を示す正面図である。これらの内部機器は、通常、ハンドルカバー部13に覆われているが、図11及び図12では、上ハンドルカバー41が取り外された状態を示している。なお、図12では、メータユニット34が取り付けられた状態が図示されているが、図11では、メータユニット34が取り外された状態が図示されている。図11及び図12に示すように、内部機器が下ハンドルカバー42上に配置された状態で、上ハンドルカバー41は、下ハンドルカバー42から取り外されることができる。上ハンドルカバー41が外された状態では、連結部33及び内部機器が外部に露出する。特に、連結部33及び内部機器との上方が開放される。このため、連結部33及び内部機器への上方からのアクセスが容易となる。
【0065】
内部機器は、ワイヤ部74とブレーキ液タンク75とブレーキホース76とを含む。ワイヤ部74は、下ハンドルカバー中央部54を通って下方に延びている。具体的には、ワイヤ部74は、ステアリングシャフト3の前方を通り、下方に延びている。ワイヤ部74は、電気配線77−79とスロットルワイヤ81,82とを含む。電気配線77−79は、メータユニット34、フラッシャスイッチ73、スタータスイッチ71にそれぞれ接続される。
【0066】
スロットルワイヤ81,82は、右把持部32に接続される。スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー42の上方を通るように配置されている。具体的には、スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー右側部56の上方を通るように配置されている。スロットルワイヤ81,82は、少なくとも一部がハンドル部12よりも上方に位置するように配置されている。また、スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー左側部55及び下ハンドルカバー右側部56よりも上方に配置されている。スロットルワイヤ81,82は、第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82とを含む。右把持部32が一方向に回されると、第1スロットルワイヤ81が引っ張られる。また、右把持部32が他方向に回されると、第2スロットルワイヤ82が引っ張られる。これにより、第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82は、図示しないスロットルバルブの駆動機構に右把持部32の動作を伝達する。第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82との両方は、少なくとも一部が連結部33よりも上方に位置するように配置されている。第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82とは、連結部33の前方を通るように配置されている。
【0067】
ブレーキ液タンク75は、連結部33に取り付けられている。ブレーキ液タンク75は、ブレーキ液を貯留する。ブレーキ液タンク75は、少なくとも一部が連結部33よりも上方に位置している。ブレーキ液タンク75は、下ハンドルカバー左側部55の上方に位置している。ブレーキホース76はブレーキ液タンク75に接続されている。ブレーキホース76は、ブレーキ装置28(図1参照)へブレーキ液を導く。ブレーキホース76は、ステアリングシャフト3の前方を通り、下方へと延びている。
【0068】
ハンドルカバー部13の内部には、メータユニット34をハンドル部12に取り付けるための、メータ取付部85,86,87が配置されている。メータ取付部85,86,87は、前メータ取付部85,86と後メータ取付部87とを有する。前メータ取付部85,86は、連結部33に固定されている。また、前メータ取付部85,86は、ステアリングシャフト3に固定されている。前メータ取付部85,86は、連結部33よりも前方に位置している。前メータ取付部85,86には、メータユニット34が固定される。前メータ取付部85,86は、第1前メータ取付部85と第2前メータ取付部86とを有する。第1前メータ取付部85と第2前メータ取付部86とは車幅方向に間隔を空けて配置されている。後メータ取付部87は、連結部33よりも後方に位置している。図8に示すように、後メータ取付部87は、ステアリングシャフト3に固定されている。後メータ取付部87には、収納部39が固定される。
【0069】
図12に示すように、ハンドルカバー部13の内部には、左バックミラー取付部88と、右バックミラー取付部89とが配置されている。上述した左バックミラー47は、左バックミラー取付部88を介して連結部33に固定されている。左バックミラー47は、左バックミラー取付部88に着脱可能に取り付けられている。上述した右バックミラー48は、右バックミラー取付部89を介して連結部33に固定されている。右バックミラー48は、右バックミラー取付部89に着脱可能に取り付けられている。
【0070】
本実施形態に係る自動二輪車1は次の特徴を有する。
【0071】
ハンドルカバー部13が、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42のように上下に分割された構造を有する。このため、前後に分割された構造と比較して、各カバーの継ぎ目を感じ難く、視認可能な塗装面が増えることで質感が向上する。
【0072】
図2に示すように、下フロントカバー172の上下方向の長さL1が、上フロントカバー171の上下方向の長さL2より長い。このため、大径の車輪を前輪5として装着することが可能である。また、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、上フロントカバー171の上端174より下方に配置される。このため、自動二輪車1の高さを抑えながら、上フロントカバー171の内部に大きなスペースを確保することができる。これにより、上フロントカバー171に配置されるヘッドライト部26を大型化することが可能となる。また、ハンドルカバー部13は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とを有する。このため、上フロントカバー171の上端174と下ハンドルカバー42との間の上下方向の距離が小さくても、メンテナンス時には、下ハンドルカバー42を車体に残したまま上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部13内のメンテナンス性が向上する。さらに、図12に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部には前開口541が設けられている。このため、車体に残された下ハンドルカバー42の内部に対して前方からのアクセス性が向上する。特に、ワイヤ部74の一部がステアリングシャフト3の前方を通って下方に伸びているので、前開口541からのワイヤ部74へのアクセスが容易である。これにより、ハンドルカバー部13内のワイヤ部74へのメンテナンス性が向上する。以上より、本実施形態に係る自動二輪車1は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー部13の内部のメンテナンス性に優れている。
【0073】
下ハンドルカバー42の前開口541を通して、ハンドル部12から下ハンドルカバー42を取り外すことができる。これにより、ハンドル部12をステアリングシャフト3から取り外さずに下ハンドルカバー42を容易に取り外すことができる。また、組立時には、ハンドル部12をステアリングシャフト3に取り付けた後に、下ハンドルカバー42を取り付けることができる。すなわち、ハンドル部12を取り付ける前に予め下ハンドルカバー42を取り付ける必要がない。このため、組立性を向上させることができる。
【0074】
図2及び図6に示すように、中央ハンドルカバー43によって下ハンドルカバー42の前開口541が覆われる。これにより、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。また、中央ハンドルカバー43によって、前開口541が自動二輪車1の外観上に表れないようにすることができる。
【0075】
中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541だけではなく、上ハンドルカバー中央部44も覆う。このため、ハンドルカバー部13の外観を向上させることができる。また、上ハンドルカバー中央部44を保護することができる。
【0076】
スロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13に覆われている。このため、スロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13と上フロントカバー171との間に配置される場合と比べて、上フロントカバー171とハンドルカバー部13との間の距離を小さくすることができる。すなわち、上フロントカバー171の上端174の位置を高くすることができる。これにより、上フロントカバー171の内部にさらに大きなスペースを確保することができる。特に、2本のスロットルワイヤがハンドルカバー部の外部に配置されると、1本のみのスロットルワイヤが設けられる場合と比べて、ハンドルカバー部と上フロントカバーとの間にさらに大きな隙間が必要となる。本実施形態に係る自動二輪車1では、2本のスロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13に覆われているので、上フロントカバー171とハンドルカバー部13との間の距離を小さくするという効果がさらに顕著となる。
【0077】
スロットルワイヤ81,82の少なくとも一部は、連結部33よりも上方に位置している。スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー左側部55及び下ハンドルカバー右側部56よりも上方に配置されている。また、スロットルワイヤ81,82は、連結部33の前方を通るように配置されている。さらに、上ハンドルカバー41を取り外すことにより、スロットルワイヤ81,82の上方が開放される。従って、スロットルワイヤ81,82へのアクセスが容易である。すなわち、スロットルワイヤ81,82のメンテナンス性が向上している。
【0078】
メータユニット34は、ハンドル部12に固定される。このため、メータユニット34を取り外さずに、上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。
【0079】
収納部39が、メータユニット34に固定される。このため、収納部39が上ハンドルカバー41又は下ハンドルカバー42に取り付けられる場合と比べて、上ハンドルカバー41又は下ハンドルカバー42を小型化することができる。
【0080】
車両正面視において左右のヘッドライトユニット261,262はそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。上フロントカバー171の内部に大きなスペースが確保されることにより、このような大きなスペースを必要とする形状のヘッドライトユニットであっても、その配置の自由度が向上する。
【0081】
図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55の上端551は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー左側部55の内部空間の深さを大きくすることができる。同様に、下ハンドルカバー右側部56の上端は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー右側部56の内部空間の深さを大きくすることができる。これにより、下ハンドルカバー42の収納性を向上させることができる。
【0082】
左右のスイッチカバー63,64は、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42と別体である。このため、左右のスイッチカバー63,64の金型での成形が容易となる。
【0083】
図2に示すように、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー左側部55の下端部553より上方に位置している。また、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー右側部56の下端部563より上方に位置している。これにより、上フロントカバー171の内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0084】
上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42との境界線A2は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543につながらない。このため、メンテナンス時には、下ハンドルカバー42を車体に残したまま上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部13内のメンテナンス性が向上する。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0086】
自動二輪車は、スクータ型に限らず、スポーツ型、オフロード型、モペットなどの他の種類の自動二輪車1であってもよい。
【0087】
フラットフートボードは、必ずしも完全に平坦である必要はなく、多少の凹凸を有してもよい。また、フラットフートボードは、曲面であってもよい。
【0088】
中央ハンドルカバー43は、前開口541のみを覆ってもよい。この場合、中央ハンドルカバー43を小型化しつつ、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。
【0089】
上記の実施形態では、下ハンドルカバー42の前開口541は、下ハンドルカバー中央部54の前部において、上縁542から下縁543までに亘って設けられている。しかし、前開口は、このような形状に限られない。例えば、図13に示す前開口546のように、前開口は、下ハンドルカバー中央部54の前部において、上縁542に達しているが、下縁543には達していなくてもよい。前開口546は、上方にのみ開かれた形状である。この場合、前開口546が下縁543に達しないことによって、下ハンドルカバー42の剛性を向上させることができる。また、上ハンドルカバー41を取り外すことによって、ワイヤ部74が集まる中央部分へ上方からアクセスするためのスペースを大きく確保することができるので、メンテナンス性が向上する。或いは、前開口は、図14に示す前開口547のように、下ハンドルカバー中央部54の前部の下縁543に達しているが、下ハンドルカバー中央部54の前部の上縁542には達していなくてもよい。前開口541は、下方にのみ開かれた形状である。また、前開口547の上縁は、上フロントカバー171の上縁(図14の二点鎖線参照)よりも下方に位置する。この場合、前開口547が上縁542に達しないことによって、下ハンドルカバー42の剛性を向上させることができる。さらに、下ハンドルカバー42のうち前開口547の上方に位置する部分によって、ハンドルカバー部13の内部が前方から覆われる。また、上フロントカバー171を過度に高くすることなく、上フロントカバー171によって前開口547を前方から覆うことができる。このため、中央ハンドルカバー43が省略されたとしても、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。或いは、前開口は、図15に示す前開口548のように、下ハンドルカバー中央部54の前部に形成された貫通孔であってもよい。前開口548は、下ハンドルカバー中央部54の前部を前後方向に貫通している。前開口548は、上下左右の各方向に閉じられている。この場合、下ハンドルカバー42の剛性をより向上させることができると共に、前開口548を車幅方向に大きくすることができる。
【0090】
なお、図13〜図15においては、説明の便宜上、中央ハンドルカバー43を省略している。
【0091】
上記の実施形態のような前開口が、下ハンドルカバー中央部54の前部に設けられなくてもよい。この場合、図16に示すように、ワイヤ部74は、下ハンドルカバー中央部54の前部によって前方から覆われている。また、上述した中央ハンドルカバー43が設けられておらず、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42によってハンドルカバー部13の内部が前方から覆われて保護されている。図17は、図16におけるXVII−XVII断面図である。図17に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部の上下方向の長さL3は、上ハンドルカバー中央部44の上下方向の長さL4よりも短い。すなわち、下ハンドルカバー中央部54の前部の上下方向の長さL3は、上ハンドルカバー41のうち車幅方向における中央部の上下方向の長さL4よりも短い。これにより、上記の実施形態と同様に、下ハンドルカバー中央部54の上方に配置された内部機器へのアクセス性が向上する。さらに、下ハンドルカバー中央部54は、首部54aと、前突出部54bと、前壁部54cとを有する。首部54aは、上述した下ハンドルカバー左側部55と下ハンドルカバー右側部56とから下方に突出している。首部54aは、上述した下ハンドルカバー中央部54の下縁543を含む。首部54aは、底開口544を有する。首部54aには、ステアリングシャフト3が挿入される。前突出部54bは、首部54aの上部から前方へ突出する。前壁部54cは、前突出部54bの前部から上方へ延びる。前壁部54cの上下方向の長さL5は、上ハンドルカバー中央部44の上下方向の長さL4よりも短い。これにより、上記の実施形態と同様に、下ハンドルカバー中央部54の上方に配置された内部機器へのアクセス性が向上する。
【0092】
図18は、図16に示すハンドルカバー部13の背面図である。下ハンドルカバー中央部54の前部に開口が設けられない場合には、図16〜図18に示すように、下ハンドルカバー中央部54の後部に開口550が設けられることが好ましい。開口550は、下ハンドルカバー中央部54の後部の上縁から下ハンドルカバー中央部54の下縁543までに亘って設けられている。これにより、ハンドル部12を取り外さずに、下ハンドルカバー42を取り外すことができる。なお、下ハンドルカバー中央部54の後部の開口550は、後ハンドルカバー49によって覆われる。
【0093】
図13〜図15に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部に開口が設けられる場合であっても、開口の上方と下方との少なくとも一方が閉じられている場合には、図16〜図18の開口550と同様に、下ハンドルカバー中央部54の後部に開口が設けられることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー内のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することができる。
【符号の説明】
【0095】
1・・・自動二輪車、 3・・・ステアリングシャフト、 4・・・フロントフォーク、 5・・・前輪、 31,32把持部、 33・・・連結部、 12・・・ハンドル部、 13・・・ハンドルカバー部、 21・・・ヘッドパイプ部、 26・・・ヘッドライト部、 34・・・メータユニット、 39・・・収納部、 41・・・上ハンドルカバー、 42・・・下ハンドルカバー、 43・・・中央ハンドルカバー、 54・・・下ハンドルカバー中央部、 55,56・・・下ハンドルカバー側部、 63,64・・・スイッチカバー、 71−73・・・操作スイッチ、 74・・・ワイヤ部、 81,82・・・スロットルワイヤ、 171・・・上フロントカバー、 172・・・下フロントカバー、 261・・・左ヘッドライトユニット、 262・・・右ヘッドライトユニット、 541,546〜548・・・前開口、 A2・・・上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車には、ハンドルカバーとフロントカバーとを備えたものがある。ハンドルカバーは、ハンドル部を覆う。フロントカバーは、ヘッドパイプ部を含む車体フレームの前方を覆う。従来、この種の自動二輪車において、ヘッドライトをハンドルカバーではなく、フロントカバーに配置することが行われている。例えば、特許文献1には、フロントカバーに配置された大型のヘッドランプが開示されている。フロントカバーは、ハンドルカバーと比べて広い内部スペースを確保することが容易である。従って、ヘッドライトをフロントカバーに配置することによって、ヘッドライトがハンドルカバーに配置される場合よりも、ヘッドライトを大型化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3476049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動二輪車には、大径の車輪を装着したいという要望がある。その一方で、車両の高さを抑えたいという要望もある。大径の車輪が装着されても、車両の高さを抑えるためには、車両のうち車輪の上方に位置する部分の上下方向の長さを小さくする必要がある。しかし、上述したように、フロントカバーに大型のヘッドライトが配置される場合、フロントカバーの内部に大きなスペースが必要となる。このため、フロントカバーの上下方向の長さを小さくすることは困難である。従って、大径の車輪を装着した自動二輪車において、車両の高さを抑えつつ、フロントカバーの内部に大きなスペースを確保するためには、フロントカバーの上端の位置を高くすることが考えられる。しかし、車両の高さを抑えつつ、フロントカバーの上端の位置を高くすると、フロントカバーの上端とハンドルカバーとの間の上下方向における距離が短くなる。
【0005】
一方、ハンドルカバーの内部のメンテナンスを行うときには、ハンドルカバーを車両から取り外す必要がある。例えば、上述した特許文献1に開示されている自動二輪車では、ハンドルカバーは、前後に分割された部品によって構成されている。具体的には、ハンドルカバーは、フロントハンドルカバーとリアハンドルカバーとによって構成されている。このような自動二輪車のメンテナンス時には、フロントハンドルカバーを取り外す必要がある。このとき、フロントカバーの上端とハンドルカバーとの間の上下方向における距離が短いと、フロントハンドルカバーが、フロントカバーと干渉し易い。このため、メンテナンス時に、フロントハンドルカバーを取り外し難い。
【0006】
本発明の課題は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー内のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る自動二輪車は、ヘッドパイプ部と、ステアリングシャフトと、ハンドル部と、ハンドルカバー部と、ワイヤ部と、フロントフォークと、前輪と、上フロントカバーと、ヘッドライト部と、下フロントカバーと、を備える。ヘッドパイプ部は、車幅方向における車両中央に位置する。ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ部に挿入される。ハンドル部は、ステアリングシャフトに連結される。ハンドル部は、左右の把持部と、連結部とを有する。左右の把持部は、乗員が把持する部分である。連結部は、左右の把持部を連結する。ハンドルカバー部は、上ハンドルカバーと、下ハンドルカバーとを有する。上ハンドルカバーは、連結部の上方に配置される。下ハンドルカバーは、上ハンドルカバーとは別体に形成される。下ハンドルカバーは、連結部と上ハンドルカバーとの下方に位置する。ワイヤ部は、ハンドルカバー部に覆われる。フロントフォークは、ステアリングシャフトの下部に連結される。前輪は、フロントフォークの下部に支持される。上フロントカバーは、ヘッドパイプ部の前方に配置される。上フロントカバーは、前輪の上方に配置される。ヘッドライト部は、上フロントカバーに配置される。下フロントカバーは、上フロントカバーに連結される。下フロントカバーは、前輪の後方に配置される。下フロントカバーの上下方向の長さは、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。下ハンドルカバーは、下ハンドルカバー中央部と、下ハンドルカバー側部とを有する。下ハンドルカバー中央部には、ステアリングシャフトが挿通される。下ハンドルカバー側部は、下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる。下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。ワイヤ部は、下ハンドルカバー中央部を通って下方に延びる。下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。
【0008】
本発明の第2の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。開口は、下ハンドルカバー中央部の前部の上縁から下ハンドルカバー中央部の下縁までに亘って設けられている。
【0009】
本発明の第3の態様に係る自動二輪車は、第2の態様に係る自動二輪車であって、ワイヤ部は、ステアリングシャフトの前方を通るように配置されている。
【0010】
本発明の第4の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。ハンドルカバー部は、中央ハンドルカバーをさらに有する。中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口を覆う。
【0011】
本発明の第5の態様に係る自動二輪車は、第4の態様に係る自動二輪車であって、中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口と共に、上ハンドルカバーの車幅方向における中央部を覆う。
【0012】
本発明の第6の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、ワイヤ部は、スロットルワイヤを含む。スロットルワイヤは、左右の把持部の一方に接続される。
【0013】
本発明の第7の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、スロットルワイヤの少なくとも一部は、下ハンドルカバーより上方に位置する。
【0014】
本発明の第8の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、メータユニットをさらに備える。メータユニットは、車両に関する情報を表示する。メータユニットは、ハンドル部に固定される。
【0015】
本発明の第9の態様に係る自動二輪車は、第8の態様に係る自動二輪車であって、収納部をさらに備える。収納部の少なくとも一部は、ハンドルカバー部の内部に配置される。収納部は、メータユニットに固定される。
【0016】
本発明の第10の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、ヘッドライト部は、左右のヘッドライトユニットを有する。車両正面視において、左右のヘッドライトユニットは、それぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。
【0017】
本発明の第11の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー側部の上端は、ハンドル部の連結部よりも上方に位置する。
【0018】
本発明の第12の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、操作スイッチをさらに備える。操作スイッチは、ハンドルカバー部の後部に配置される。ハンドルカバー部は、スイッチカバーをさらに有する。スイッチカバーは、操作スイッチの周囲を覆う。スイッチカバーは、上ハンドルカバー及び下ハンドルカバーと別体である。
【0019】
本発明の第13の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、車両正面視において、上フロントカバーの上端は、下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している。
【0020】
本発明の第14の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線は、下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない。
【0021】
本発明の第15の態様に係る自動二輪車は、第1の態様に係る自動二輪車であって、下ハンドルカバー中央部の後部には、開口が設けられている。下ハンドルカバー中央部の後部の開口は、下ハンドルカバー中央部の後部の上縁から下ハンドルカバー中央部の後部の下縁までに亘って設けられている。
【0022】
本発明の第16の態様に係る自動二輪車は、第15の態様に係る自動二輪車であって、ハンドルカバー部は、下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆う後ハンドルカバーをさらに有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の態様に係る自動二輪車では、下フロントカバーの上下方向の長さが、上フロントカバーの上下方向の長さより長い。このため、大径の車輪を装着することが可能である。また、下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、上フロントカバー上端より下方に配置される。このため、車両の高さを抑えながら、上フロントカバーの内部に大きなスペースを確保することができる。これにより、上フロントカバーに配置されるヘッドライト部を大型化することが可能となる。また、ハンドルカバー部は、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとを有する。このため、上フロントカバーの上端と下ハンドルカバーとの間の上下方向の距離が小さくても、メンテナンス時には、下ハンドルカバーを車体に残したまま上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部内のメンテナンス性が向上する。さらに、下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている。或いは、下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い。このため、車体に残された下ハンドルカバーの内部に対して前方からのアクセス性が向上する。これにより、ハンドルカバー部内のワイヤ部へのメンテナンス性が向上する。以上より、本発明によれば、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー部の内部のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することが可能となる。
【0024】
本発明の第2の態様に係る自動二輪車では、開口を通してハンドル部から下ハンドルカバーを取り外すことができる。これにより、ハンドル部をステアリングシャフトから取り外さずに下ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0025】
本発明の第3の態様に係る自動二輪車では、開口を通してワイヤ部に容易にアクセスすることができる。これにより、ワイヤ部のメンテナンス性を向上させることができる。
【0026】
本発明の第4の態様に係る自動二輪車では、中央ハンドルカバーによって下ハンドルカバーの開口が覆われる。これにより、ハンドルカバー部の内部を保護することができる。
【0027】
本発明の第5の態様に係る自動二輪車では、中央ハンドルカバーは、下ハンドルカバーの開口だけではなく、上ハンドルカバーの車幅方向における中央部も覆う。このため、ハンドルカバー部の外観を向上させることができる。また、上ハンドルカバーを保護することができる。
【0028】
本発明の第6の態様に係る自動二輪車では、スロットルワイヤがハンドルカバー部に覆われている。このため、スロットルワイヤがハンドルカバー部と上フロントカバーとの間に配置される場合と比べて、上フロントカバーとハンドルカバー部との間の距離を小さくすることができる。すなわち、上フロントカバーの上端の位置を高くすることができる。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0029】
本発明の第7の態様に係る自動二輪車では、スロットルワイヤの少なくとも一部は、下ハンドルカバーより上方に位置する。このため、スロットルワイヤがハンドルカバー部と上フロントカバーとの間に配置される場合と比べて、上フロントカバーとハンドルカバー部との間の距離をさらに小さくすることができる。すなわち、上フロントカバーの上端の位置をさらに高くすることができる。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。また、上方からのスロットルワイヤへのアクセスが容易であるため、スロットルワイヤのメンテナンス性を向上させることができる。
【0030】
本発明の第8の態様に係る自動二輪車では、メータユニットは、ハンドル部に固定される。このため、メータユニットを取り外さずに、上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0031】
本発明の第9の態様に係る自動二輪車では、収納部が、メータユニットに固定される。このため、収納部が上ハンドルカバー又は下ハンドルカバーに取り付けられる場合と比べて、上ハンドルカバー又は下ハンドルカバーを小型化することができる。
【0032】
本発明の第10の態様に係る自動二輪車では、車両正面視において左右のヘッドライトユニットはそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。上フロントカバーの内部に大きなスペースが確保されることにより、このような大きな配置スペースを必要とする形状のヘッドライトユニットであっても、その配置の自由度が向上する。
【0033】
本発明の第11の態様に係る自動二輪車では、下ハンドルカバー側部の上端は、ハンドル部の連結部よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー側部の内部空間の深さを大きくすることができる。これにより、下ハンドルカバーの収納性を向上させることができる。
【0034】
本発明の第12の態様に係る自動二輪車では、スイッチカバーは、上ハンドルカバー及び下ハンドルカバーと別体である。このため、スイッチカバーの金型での成形が容易となる。
【0035】
本発明の第13の態様に係る自動二輪車では、上フロントカバーの上端は、下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している。これにより、上フロントカバーの内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0036】
本発明の第14の態様に係る自動二輪車では、上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線は、下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない。このため、メンテナンス時には、下ハンドルカバーを車体に残したまま上ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部内のメンテナンス性が向上する。
【0037】
本発明の第15の態様に係る自動二輪車では、下ハンドルカバー中央部の後部の開口を通して、ハンドル部から下ハンドルカバーを取り外すことができる。これにより、ハンドル部をステアリングシャフトから取り外さずに下ハンドルカバーを容易に取り外すことができる。
【0038】
本発明の第16の態様に係る自動二輪車では、後ハンドルカバーによって下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆って保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の側面図。
【図2】自動二輪車の正面図。
【図3】自動二輪車の前部の側面図。
【図4】ハンドル部およびハンドルカバー部の分解斜視図。
【図5】ハンドルカバー部の上面図。
【図6】中央ハンドルカバーが取り外された状態のハンドルカバー部の正面図。
【図7】ハンドルカバー部の背面図。
【図8】メータユニットと枠部の分解斜視図。
【図9】図7におけるXI−XI断面図。
【図10】左スイッチカバーの左側面図。
【図11】ハンドルカバー部内の内部機器を示す上面図。
【図12】ハンドルカバー部内の内部機器を示す正面図。
【図13】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図14】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図15】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図16】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の正面図。
【図17】図16におけるXVII−XVII断面図。
【図18】他の実施形態に係る自動二輪車のハンドルカバー部の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態に係る自動二輪車について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。自動二輪車1は、スクータ型の自動二輪車1である。自動二輪車1は、車体フレーム2と、ステアリングシャフト3と、フロントフォーク4と、前輪5と、シート6と、エンジンユニット7と、後輪8と、車体カバー9と、を備える。なお、以下の説明において、前後方向は、シート6に着座したライダーから視たときの車体前後方向をいうものとする。左右方向は、シート6に着座したライダーから視たときの車体左右方向をいうものとする。本実施形態において、「車幅方向における外方」とは、車幅方向における中心を通り前後方向に延びる軸線から遠ざかる方向を意味する。
【0041】
車体フレーム2の大部分は、鉄製のパイプにより形成されている。車体フレーム2は、ヘッドパイプ部21と、ダウンフレーム部22と、アンダーフレーム部23と、リアフレーム部24と、を備えている。ヘッドパイプ部21は、車幅方向における車両中央に位置する。ヘッドパイプ部21には、ステアリングシャフト3が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト3の上部には、ハンドル部12が連結されている。ハンドル部12については後述する。ステアリングシャフト3の下部には、伸縮可能なフロントフォーク4が連結されている。フロントフォーク4は、サスペンション装置11を有している。サスペンション装置11の下部には、前輪5が回転可能に支持されている。前輪5には、ブレーキ装置28が取り付けられている。
【0042】
ダウンフレーム部22はヘッドパイプ部21に接続されている。ダウンフレーム部22は、ヘッドパイプ部21から下方に向かって延びている。アンダーフレーム部23は、ダウンフレーム部22の下端部に接続されている。アンダーフレーム部23は、ダウンフレーム部22から後方に向かって延びている。リアフレーム部24は、アンダーフレーム部23の後端部に接続されている。リアフレーム部24は、アンダーフレーム部23の後端部から、後方且つ上方に向かって延びている。アンダーフレーム部23とリアフレーム部24とには、ブラケット25が取り付けられている。ブラケット25には、車幅方向に延びるピボット軸250が取り付けられている。ピボット軸250には、エンジンユニット7が揺動可能に取り付けられている。エンジンユニット7は、図示しない出力軸を有している。この出力軸には、後輪8が回転可能に支持されている。リアフレーム部24の上方には、シート6が配置されている。シート6は、ヘッドパイプ部21より後方に位置している。シート6は、車体フレーム2に支持されている。具体的には、シート6は、リアフレーム部24取り付けられている。
【0043】
車体カバー9は、ハンドルカバー部13と、前車体カバー部14と、後車体カバー部15と、アンダーカバー部16とを有する。ハンドルカバー部13は、ハンドル部12を覆う。ハンドルカバー部13については後に詳細に説明する。前車体カバー部14は、主としてヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22との周囲を覆う。前車体カバー部14は、前面カバー部17と背面カバー部18とを有する。前面カバー部17は、ヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22とを前方から覆う。背面カバー部18は、ヘッドパイプ部21とダウンフレーム部22とを後方から覆う。
【0044】
図2は、自動二輪車1の正面図である。図3は、自動二輪車1の前部の拡大図である。図2に示すように、前面カバー部17は、上フロントカバー171と下フロントカバー172とを有する。図3に示すように、前面カバー部17は、車両側面視において、後方へ向けて凹んだ凹部173を有する。凹部173には前輪5の後部が配置される。図2に示すように、上フロントカバー171は、車両正面視において凹部173の上端部P1よりも上方に位置する。下フロントカバー172は、車両正面視において凹部173の上端部P1よりも下方に位置する。すなわち、図2に示すように、上フロントカバー171は、車両正面視において、前面カバー部17のうち仮想線A1よりも上方に位置する部分である。下フロントカバー172は、車両正面視において、前面カバー部17のうち仮想線A1よりも下方に位置する部分である。仮想線A1は、車両正面視において、凹部173の上端部P1を通る水平線である。図2に示すように、下フロントカバー172の上下方向の長さL1は、上フロントカバー171の上下方向の長さL2より長い。
【0045】
上フロントカバー171は、ヘッドパイプ部21の前方に配置される。上フロントカバー171は、前輪5の上方に配置される。上フロントカバー171には、ヘッドライト部26が配置される。ヘッドライト部26は、左ヘッドライトユニット261と右ヘッドライトユニット262を有する。左右のヘッドライトユニット261,262は、車幅方向に互いに間隔を空けて配置されている。車両正面視において、左右のヘッドライトユニット261,262は、それぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。すなわち、左ヘッドライトユニット261は、左方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。右ヘッドライトユニット262は、右方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。
【0046】
図3に示すように、左ヘッドライトユニット261は、レンズ部263と、ヘッドライトバルブ264と、反射部265と、を有する。レンズ部263は、透光性を有する部材で形成されている。ヘッドライトバルブ264は反射部265に取り付けられている。反射部265は、ヘッドライトバルブ264からの光を前方へ反射する。右ヘッドライトユニット262は、左ヘッドライトユニット261と同様の構成を有する。上フロントカバー171の内部には、左ヘッドライトユニット261と、右ヘッドライトユニット262との収納空間S1が設けられている。
【0047】
また、図2に示すように、前面カバー部17には、左フラッシャーライト271と右フラッシャーライト272とが取り付けられている。左右のフラッシャーライト271,272は、車幅方向に互いに間隔を空けて配置されている。左右のフラッシャーライト271,272の少なくとも一部は、上フロントカバー171の内部に配置されている。図3に示すように、車両側面視において、左右のフラッシャーライト271,272は、左右のヘッドライトユニット261,262の収納空間S1と部分的に重なっている。
【0048】
下フロントカバー172は、上フロントカバー171に接続される。下フロントカバー172は、上フロントカバー171の下方に位置する。下フロントカバー172は、前輪5の後方に配置される。下フロントカバー172は、前輪5とダウンフレーム部22(図1参照)との間に配置される。なお、前輪5の上方には、フロントフェンダー19が配置されている。フロントフェンダー19は、上フロントカバー171の下方に位置する。なお、上フロントカバー171と下フロントカバー172とは一体に形成されても、別体に形成されてもよい。また、上フロントカバー171と下フロントカバー172とは、いくつかのカバー部材で形成されてもよい。
【0049】
図1に示すように、後車体カバー部15は、シート6の下方に位置している。後車体カバー部15は、シート6の下方に配置されるリアフレーム部24の前方及び両側方を覆っている。アンダーカバー部16は、前車体カバー部14と後車体カバー部15との間に位置している。アンダーカバー部16は、前車体カバー部14と後車体カバー部15とを連結する。アンダーカバー部16は、フラットフートボード161を有する。フラットフートボード161は、前後方向において前輪5とシート6との間に位置している。フラットフートボード161は、シート6より下方に位置している。フラットフートボード161は、シート6に着座したライダーが走行中に足を載せる面である。フラットフートボード161は、アンダーフレーム部23の上方に位置している。フラットフートボード161は、前後方向において、ダウンフレーム部22とリアフレーム部24との間に位置している。フラットフートボード161は、車幅方向にわたって平坦に形成されている。
【0050】
図4は、ハンドル部12およびハンドルカバー部13の構成を示す分解斜視図である。なお、図4は、構造の一部を簡略化して表現している。図4に示すように、ハンドル部12は、左把持部31と、右把持部32と、連結部33とを有する。左右の把持部31,32は、乗員によって把持される。連結部33は、ステアリングシャフト3の上部に連結されている。左右の把持部31,32は、連結部33の左右の端部にそれぞれ取り付けられている。連結部33は、左右の把持部31,32を連結する。ハンドル部12には、メータユニット34が固定される。メータユニット34は、車速、走行距離、燃料の残量などの車両に関する情報を表示する。メータユニット34は、連結部33の車幅方向における中央部に固定される。また、連結部33には、左ブレーキレバー35と右ブレーキレバー36とが取り付けられる。
【0051】
図2から図4に示すように、ハンドルカバー部13は、上ハンドルカバー41と、下ハンドルカバー42と、中央ハンドルカバー43と、を有する。上ハンドルカバー41は、上述した連結部33の上方に配置される。上ハンドルカバー41は、連結部33を上方から覆う。下ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41とは別体に形成されている。下ハンドルカバー42は、連結部33と上ハンドルカバー41との下方に位置する。下ハンドルカバー42は、連結部33を下方から覆う。中央ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41に取り付けられる。中央ハンドルカバー42は、上ハンドルカバー41を上方から覆う。
【0052】
図5は、ハンドルカバー部13の上面図である。図6は、中央ハンドルカバー43が取り外された状態のハンドルカバー部13の正面図である。図5に示すように、上ハンドルカバー41の前端P2は、連結部33より前方に位置する。上ハンドルカバー41の後端P3,P4は、連結部33より後方に位置する。上ハンドルカバー41は、上ハンドルカバー中央部44と、上ハンドルカバー左側部45と、上ハンドルカバー右側部46と、を有する。上ハンドルカバー中央部44は、車幅方向において、上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46との間に位置する。上ハンドルカバー中央部44は、連結部33よりも前方に位置する。上ハンドルカバー中央部44は、連結部33を前方から覆う。上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46とは、連結部33を上方から覆う。また、上ハンドルカバー左側部45と上ハンドルカバー右側部46とは、連結部33を前方から覆う。上ハンドルカバー左側部45には、左バックミラー47が挿入されている。上ハンドルカバー右側部46には、右バックミラー48が挿入されている。
【0053】
図7は、ハンドルカバー部13の背面図である。図4、図6、及び図7に示すように、ハンドルカバー部13は、後ハンドルカバー49を有する。後ハンドルカバー49は、上ハンドルカバー41とは別体の部材である。後ハンドルカバー49は、上ハンドルカバー41の後方に配置される。後ハンドルカバー49は、枠部51と蓋部52とを有する。枠部51と、蓋部52とは、互いに別体の部材である。
【0054】
上ハンドルカバー41と後ハンドルカバー49との間には、上述したメータユニット34が配置されている。図8は、メータユニット34と枠部51とを示す分解斜視図である。図9は、図7におけるIX−IX断面図である。メータユニット34には、収納部39が固定される。収納部39は、ハンドルカバー部13の内部に少なくとも一部が配置される。収納部39は、メータユニット34の後方に配置される。枠部51は、メータユニット34及び収納部39の周囲に配置される。蓋部52は、収納部39を上方から覆う。蓋部52は、収納部39の収納空間S2を開閉する。また、メータユニット34の一部は上ハンドルカバー中央部44よりも上方に位置している。中央ハンドルカバー43の上部は、メータユニット34よりも上方に位置している。メータユニット34の上部は、中央ハンドルカバー43によって前方から覆われている。このため、上ハンドルカバー41を小型化することができる。これにより、ハンドルカバー部13の内部のメンテナンス時に、上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。また、中央ハンドルカバー43は、ハンドルカバー部13において車幅方向の車両中央部にのみ設けられており、車幅方向において上ハンドルカバー41よりも小型の部材である。このため、中央ハンドルカバー43によって、簡便にメータユニット34を前方から保護できる。
【0055】
図6に示すように、下ハンドルカバー42は、下ハンドルカバー中央部54と、下ハンドルカバー左側部55と、下ハンドルカバー右側部56と、を有する。下ハンドルカバー中央部54は、上ハンドルカバー中央部44の下方に位置する。下ハンドルカバー左側部55は、上ハンドルカバー左側部45の下方に位置する。下ハンドルカバー右側部56は、上ハンドルカバー右側部46の下方に位置する。
【0056】
下ハンドルカバー中央部54には、上述したステアリングシャフト3が挿通される。下ハンドルカバー左側部55と下ハンドルカバー右側部56とは、それぞれ下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、車幅方向における外方に向って延びている。具体的には、下ハンドルカバー左側部55は、下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、左方に向って延びている。下ハンドルカバー右側部56は、下ハンドルカバー中央部54の下端549より上方の位置から、右方に向って延びている。下ハンドルカバー中央部54の前部には前開口541が設けられている。前開口541は、下ハンドルカバー中央部54の前部の上縁542から下ハンドルカバー中央部54の下縁543までに亘って設けられている。前開口541は、ステアリングシャフト3の前方に位置している。前開口541の車幅方向における幅は、ステアリングシャフト3の車幅方向における幅よりも大きい(図11参照)。下ハンドルカバー中央部54の底部には、底開口544が設けられている。底開口544には、ステアリングシャフト3が通される。底開口544は、前開口541と連通している。
【0057】
図3に示すように、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、後方且つ下方へ向けて傾斜している。上フロントカバー171は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543を前方から覆う。下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、上フロントカバー171の上端174より下方に配置される。また、車両正面視において、上フロントカバー171の上端174は、ハンドルカバー部13の下縁543全体より上方に位置している。図2に示すように、正面視において、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、上フロントカバー171の上端174よりも下方に位置する。正面視において、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、上フロントカバー171と少なくとも部分的に重なっている。図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55の上端551は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。同様に、下ハンドルカバー右側部56の上端は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー左側部55の下端部553より上方に位置している。同様に、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー右側部56の下端部563より上方に位置している。また、上面視において、下ハンドルカバー42の前端421は、連結部33より前方に位置する(図11参照)。上面視において、下ハンドルカバー42の後端422は、連結部33より後方に位置する(図11参照)。
【0058】
図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55には、左開口545が設けられている。左開口545は、下ハンドルカバー左側部55の上縁から下方へ凹んだ形状を有する。左開口545には、ハンドル部12の左側部と左ブレーキレバー35とが挿通される。同様に、図2に示すように、下ハンドルカバー右側部56には、右開口346が設けられている。右開口346は、下ハンドルカバー右側部56の上縁から下方へ凹んだ形状を有する。右開口346には、ハンドル部12の右側部と右ブレーキレバー36とが挿通される。
【0059】
中央ハンドルカバー43は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とに取り付けられる。中央ハンドルカバー43は、上ハンドルカバー中央部44を前方から覆う。中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー中央部54を前方から覆う。中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541を覆う。すなわち、中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541と共に、上ハンドルカバー41の車幅方向における中央部を覆う。
【0060】
図9に示すように、中央ハンドルカバー43は、第1中央ハンドルカバー部57と第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59とを有する。第1中央ハンドルカバー部57は、上ハンドルカバー中央部44を前方から覆う。また、第1中央ハンドルカバー部57は、上ハンドルカバー中央部44を上方から覆う。第1中央ハンドルカバー部57は、側面視において後方且つ上方へ傾斜した形状を有する。第1中央ハンドルカバー部57は、曲面状の形状を有する。第2中央ハンドルカバー部58は、前後方向及び車幅方向に延びた板状の形状を有する。図3に示すように、第2中央ハンドルカバー部58は、上フロントカバー171の上端174の上方に位置している。図9に示すように、中央ハンドルカバー43は、第1中央ハンドルカバー部57と第2中央ハンドルカバー部58との間の第1屈曲部61において屈曲した形状を有する。図2に示すように、第1屈曲部61は、正面視において車幅方向に延びている。図9に示すように、第3中央ハンドルカバー部59は、上下方向及び車幅方向に延びた板状の形状を有する。中央ハンドルカバー43は、第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59との間の第2屈曲部62において屈曲した形状を有する。図2に示すように、第2屈曲部62は、正面視において車幅方向に延びている。第2中央ハンドルカバー部58と第3中央ハンドルカバー部59とは、下ハンドルカバー中央部54の前開口541を覆う。第3中央ハンドルカバー部59の下端部591は、上フロントカバー171の上端174よりも下方に位置している。従って、正面視において、第3中央ハンドルカバー部59は、少なくとも部分的に上フロントカバー171と重なっている。なお、下ハンドルカバー中央部54の前開口541の一部は、上フロントカバー171により前方から覆われ、保護されている。
【0061】
図2、図3、図6、図7において、符号A2は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42との境界線を示している。図2及び図6に示すように、境界線A2は、車両正面視において視認可能である。境界線A2は、車両正面視において、車幅方向に延びている。また、境界線A2は、車両正面視において、第1屈曲部61に繋がるように配置されている。図3に示すように、境界線A2は、車両側面視において、後方且つ上方に向かって傾斜している。図7に示すように、境界線A2は、車両背面視において視認可能である。図2、図3、図6、図7に示すように、境界線A2は、左右の下ハンドルカバー側部55,56の下端部553,563より上方に位置している。また、境界線A2は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543につながらない。
【0062】
図4,5,7に示すように、ハンドルカバー部13は、左スイッチカバー63と右スイッチカバー64とを有する。左右のスイッチカバー63,64は、それぞれ上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とは別体の部品である。左右のスイッチカバー63,64は、連結部33を後方から覆うように、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とに取り付けられる。左スイッチカバー63は、上ハンドルカバー左側部45と下ハンドルカバー左側部55との後方に配置される。図10は、左スイッチカバー63の左側面図である。図10に示すように、左スイッチカバー63の左側面には凹部631が形成されている。凹部631は、前方へ向けて開かれた形状を有する。図7に示すように、この凹部631内には、左把持部31の後部が配置される。右スイッチカバー64は、上ハンドルカバー右側部46と下ハンドルカバー右側部56との後方に配置される。右スイッチカバー64の右側面には凹部641が形成されている。右スイッチカバー64の凹部641は、左スイッチカバー63の凹部631と同様に、前方へ向けて開かれた形状を有する。凹部641内には、右把持部32の後部が配置される。
【0063】
図7に示すように、ハンドルカバー部13の後部には、操作スイッチ71−73が配置される。左右のスイッチカバー63,64は、操作スイッチ71−73の周囲を覆う。具体的には、操作スイッチ71−73は、スタータスイッチ71と、ホーンスイッチ72と、フラッシャスイッチ73とを有する。左スイッチカバー63は、ホーンスイッチ72とフラッシャスイッチ73とを覆う。右スイッチカバー64は、スタータスイッチ71の周囲を覆う。
【0064】
図11は、ハンドルカバー部13内の内部機器を示す上面図である。図12は、ハンドルカバー部13内の内部機器を示す正面図である。これらの内部機器は、通常、ハンドルカバー部13に覆われているが、図11及び図12では、上ハンドルカバー41が取り外された状態を示している。なお、図12では、メータユニット34が取り付けられた状態が図示されているが、図11では、メータユニット34が取り外された状態が図示されている。図11及び図12に示すように、内部機器が下ハンドルカバー42上に配置された状態で、上ハンドルカバー41は、下ハンドルカバー42から取り外されることができる。上ハンドルカバー41が外された状態では、連結部33及び内部機器が外部に露出する。特に、連結部33及び内部機器との上方が開放される。このため、連結部33及び内部機器への上方からのアクセスが容易となる。
【0065】
内部機器は、ワイヤ部74とブレーキ液タンク75とブレーキホース76とを含む。ワイヤ部74は、下ハンドルカバー中央部54を通って下方に延びている。具体的には、ワイヤ部74は、ステアリングシャフト3の前方を通り、下方に延びている。ワイヤ部74は、電気配線77−79とスロットルワイヤ81,82とを含む。電気配線77−79は、メータユニット34、フラッシャスイッチ73、スタータスイッチ71にそれぞれ接続される。
【0066】
スロットルワイヤ81,82は、右把持部32に接続される。スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー42の上方を通るように配置されている。具体的には、スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー右側部56の上方を通るように配置されている。スロットルワイヤ81,82は、少なくとも一部がハンドル部12よりも上方に位置するように配置されている。また、スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー左側部55及び下ハンドルカバー右側部56よりも上方に配置されている。スロットルワイヤ81,82は、第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82とを含む。右把持部32が一方向に回されると、第1スロットルワイヤ81が引っ張られる。また、右把持部32が他方向に回されると、第2スロットルワイヤ82が引っ張られる。これにより、第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82は、図示しないスロットルバルブの駆動機構に右把持部32の動作を伝達する。第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82との両方は、少なくとも一部が連結部33よりも上方に位置するように配置されている。第1スロットルワイヤ81と第2スロットルワイヤ82とは、連結部33の前方を通るように配置されている。
【0067】
ブレーキ液タンク75は、連結部33に取り付けられている。ブレーキ液タンク75は、ブレーキ液を貯留する。ブレーキ液タンク75は、少なくとも一部が連結部33よりも上方に位置している。ブレーキ液タンク75は、下ハンドルカバー左側部55の上方に位置している。ブレーキホース76はブレーキ液タンク75に接続されている。ブレーキホース76は、ブレーキ装置28(図1参照)へブレーキ液を導く。ブレーキホース76は、ステアリングシャフト3の前方を通り、下方へと延びている。
【0068】
ハンドルカバー部13の内部には、メータユニット34をハンドル部12に取り付けるための、メータ取付部85,86,87が配置されている。メータ取付部85,86,87は、前メータ取付部85,86と後メータ取付部87とを有する。前メータ取付部85,86は、連結部33に固定されている。また、前メータ取付部85,86は、ステアリングシャフト3に固定されている。前メータ取付部85,86は、連結部33よりも前方に位置している。前メータ取付部85,86には、メータユニット34が固定される。前メータ取付部85,86は、第1前メータ取付部85と第2前メータ取付部86とを有する。第1前メータ取付部85と第2前メータ取付部86とは車幅方向に間隔を空けて配置されている。後メータ取付部87は、連結部33よりも後方に位置している。図8に示すように、後メータ取付部87は、ステアリングシャフト3に固定されている。後メータ取付部87には、収納部39が固定される。
【0069】
図12に示すように、ハンドルカバー部13の内部には、左バックミラー取付部88と、右バックミラー取付部89とが配置されている。上述した左バックミラー47は、左バックミラー取付部88を介して連結部33に固定されている。左バックミラー47は、左バックミラー取付部88に着脱可能に取り付けられている。上述した右バックミラー48は、右バックミラー取付部89を介して連結部33に固定されている。右バックミラー48は、右バックミラー取付部89に着脱可能に取り付けられている。
【0070】
本実施形態に係る自動二輪車1は次の特徴を有する。
【0071】
ハンドルカバー部13が、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42のように上下に分割された構造を有する。このため、前後に分割された構造と比較して、各カバーの継ぎ目を感じ難く、視認可能な塗装面が増えることで質感が向上する。
【0072】
図2に示すように、下フロントカバー172の上下方向の長さL1が、上フロントカバー171の上下方向の長さL2より長い。このため、大径の車輪を前輪5として装着することが可能である。また、下ハンドルカバー中央部54の下縁543は、車両側面視において、上フロントカバー171の上端174より下方に配置される。このため、自動二輪車1の高さを抑えながら、上フロントカバー171の内部に大きなスペースを確保することができる。これにより、上フロントカバー171に配置されるヘッドライト部26を大型化することが可能となる。また、ハンドルカバー部13は、上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42とを有する。このため、上フロントカバー171の上端174と下ハンドルカバー42との間の上下方向の距離が小さくても、メンテナンス時には、下ハンドルカバー42を車体に残したまま上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部13内のメンテナンス性が向上する。さらに、図12に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部には前開口541が設けられている。このため、車体に残された下ハンドルカバー42の内部に対して前方からのアクセス性が向上する。特に、ワイヤ部74の一部がステアリングシャフト3の前方を通って下方に伸びているので、前開口541からのワイヤ部74へのアクセスが容易である。これにより、ハンドルカバー部13内のワイヤ部74へのメンテナンス性が向上する。以上より、本実施形態に係る自動二輪車1は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー部13の内部のメンテナンス性に優れている。
【0073】
下ハンドルカバー42の前開口541を通して、ハンドル部12から下ハンドルカバー42を取り外すことができる。これにより、ハンドル部12をステアリングシャフト3から取り外さずに下ハンドルカバー42を容易に取り外すことができる。また、組立時には、ハンドル部12をステアリングシャフト3に取り付けた後に、下ハンドルカバー42を取り付けることができる。すなわち、ハンドル部12を取り付ける前に予め下ハンドルカバー42を取り付ける必要がない。このため、組立性を向上させることができる。
【0074】
図2及び図6に示すように、中央ハンドルカバー43によって下ハンドルカバー42の前開口541が覆われる。これにより、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。また、中央ハンドルカバー43によって、前開口541が自動二輪車1の外観上に表れないようにすることができる。
【0075】
中央ハンドルカバー43は、下ハンドルカバー42の前開口541だけではなく、上ハンドルカバー中央部44も覆う。このため、ハンドルカバー部13の外観を向上させることができる。また、上ハンドルカバー中央部44を保護することができる。
【0076】
スロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13に覆われている。このため、スロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13と上フロントカバー171との間に配置される場合と比べて、上フロントカバー171とハンドルカバー部13との間の距離を小さくすることができる。すなわち、上フロントカバー171の上端174の位置を高くすることができる。これにより、上フロントカバー171の内部にさらに大きなスペースを確保することができる。特に、2本のスロットルワイヤがハンドルカバー部の外部に配置されると、1本のみのスロットルワイヤが設けられる場合と比べて、ハンドルカバー部と上フロントカバーとの間にさらに大きな隙間が必要となる。本実施形態に係る自動二輪車1では、2本のスロットルワイヤ81,82がハンドルカバー部13に覆われているので、上フロントカバー171とハンドルカバー部13との間の距離を小さくするという効果がさらに顕著となる。
【0077】
スロットルワイヤ81,82の少なくとも一部は、連結部33よりも上方に位置している。スロットルワイヤ81,82は、下ハンドルカバー左側部55及び下ハンドルカバー右側部56よりも上方に配置されている。また、スロットルワイヤ81,82は、連結部33の前方を通るように配置されている。さらに、上ハンドルカバー41を取り外すことにより、スロットルワイヤ81,82の上方が開放される。従って、スロットルワイヤ81,82へのアクセスが容易である。すなわち、スロットルワイヤ81,82のメンテナンス性が向上している。
【0078】
メータユニット34は、ハンドル部12に固定される。このため、メータユニット34を取り外さずに、上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。
【0079】
収納部39が、メータユニット34に固定される。このため、収納部39が上ハンドルカバー41又は下ハンドルカバー42に取り付けられる場合と比べて、上ハンドルカバー41又は下ハンドルカバー42を小型化することができる。
【0080】
車両正面視において左右のヘッドライトユニット261,262はそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する。上フロントカバー171の内部に大きなスペースが確保されることにより、このような大きなスペースを必要とする形状のヘッドライトユニットであっても、その配置の自由度が向上する。
【0081】
図3に示すように、下ハンドルカバー左側部55の上端551は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー左側部55の内部空間の深さを大きくすることができる。同様に、下ハンドルカバー右側部56の上端は、ハンドル部12の連結部33よりも上方に位置する。このため、下ハンドルカバー右側部56の内部空間の深さを大きくすることができる。これにより、下ハンドルカバー42の収納性を向上させることができる。
【0082】
左右のスイッチカバー63,64は、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42と別体である。このため、左右のスイッチカバー63,64の金型での成形が容易となる。
【0083】
図2に示すように、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー左側部55の下端部553より上方に位置している。また、上フロントカバー171の上端174は、下ハンドルカバー右側部56の下端部563より上方に位置している。これにより、上フロントカバー171の内部にさらに大きなスペースを確保することができる。
【0084】
上ハンドルカバー41と下ハンドルカバー42との境界線A2は、下ハンドルカバー中央部54の下縁543につながらない。このため、メンテナンス時には、下ハンドルカバー42を車体に残したまま上ハンドルカバー41を容易に取り外すことができる。これにより、ハンドルカバー部13内のメンテナンス性が向上する。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0086】
自動二輪車は、スクータ型に限らず、スポーツ型、オフロード型、モペットなどの他の種類の自動二輪車1であってもよい。
【0087】
フラットフートボードは、必ずしも完全に平坦である必要はなく、多少の凹凸を有してもよい。また、フラットフートボードは、曲面であってもよい。
【0088】
中央ハンドルカバー43は、前開口541のみを覆ってもよい。この場合、中央ハンドルカバー43を小型化しつつ、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。
【0089】
上記の実施形態では、下ハンドルカバー42の前開口541は、下ハンドルカバー中央部54の前部において、上縁542から下縁543までに亘って設けられている。しかし、前開口は、このような形状に限られない。例えば、図13に示す前開口546のように、前開口は、下ハンドルカバー中央部54の前部において、上縁542に達しているが、下縁543には達していなくてもよい。前開口546は、上方にのみ開かれた形状である。この場合、前開口546が下縁543に達しないことによって、下ハンドルカバー42の剛性を向上させることができる。また、上ハンドルカバー41を取り外すことによって、ワイヤ部74が集まる中央部分へ上方からアクセスするためのスペースを大きく確保することができるので、メンテナンス性が向上する。或いは、前開口は、図14に示す前開口547のように、下ハンドルカバー中央部54の前部の下縁543に達しているが、下ハンドルカバー中央部54の前部の上縁542には達していなくてもよい。前開口541は、下方にのみ開かれた形状である。また、前開口547の上縁は、上フロントカバー171の上縁(図14の二点鎖線参照)よりも下方に位置する。この場合、前開口547が上縁542に達しないことによって、下ハンドルカバー42の剛性を向上させることができる。さらに、下ハンドルカバー42のうち前開口547の上方に位置する部分によって、ハンドルカバー部13の内部が前方から覆われる。また、上フロントカバー171を過度に高くすることなく、上フロントカバー171によって前開口547を前方から覆うことができる。このため、中央ハンドルカバー43が省略されたとしても、ハンドルカバー部13の内部を保護することができる。或いは、前開口は、図15に示す前開口548のように、下ハンドルカバー中央部54の前部に形成された貫通孔であってもよい。前開口548は、下ハンドルカバー中央部54の前部を前後方向に貫通している。前開口548は、上下左右の各方向に閉じられている。この場合、下ハンドルカバー42の剛性をより向上させることができると共に、前開口548を車幅方向に大きくすることができる。
【0090】
なお、図13〜図15においては、説明の便宜上、中央ハンドルカバー43を省略している。
【0091】
上記の実施形態のような前開口が、下ハンドルカバー中央部54の前部に設けられなくてもよい。この場合、図16に示すように、ワイヤ部74は、下ハンドルカバー中央部54の前部によって前方から覆われている。また、上述した中央ハンドルカバー43が設けられておらず、上ハンドルカバー41及び下ハンドルカバー42によってハンドルカバー部13の内部が前方から覆われて保護されている。図17は、図16におけるXVII−XVII断面図である。図17に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部の上下方向の長さL3は、上ハンドルカバー中央部44の上下方向の長さL4よりも短い。すなわち、下ハンドルカバー中央部54の前部の上下方向の長さL3は、上ハンドルカバー41のうち車幅方向における中央部の上下方向の長さL4よりも短い。これにより、上記の実施形態と同様に、下ハンドルカバー中央部54の上方に配置された内部機器へのアクセス性が向上する。さらに、下ハンドルカバー中央部54は、首部54aと、前突出部54bと、前壁部54cとを有する。首部54aは、上述した下ハンドルカバー左側部55と下ハンドルカバー右側部56とから下方に突出している。首部54aは、上述した下ハンドルカバー中央部54の下縁543を含む。首部54aは、底開口544を有する。首部54aには、ステアリングシャフト3が挿入される。前突出部54bは、首部54aの上部から前方へ突出する。前壁部54cは、前突出部54bの前部から上方へ延びる。前壁部54cの上下方向の長さL5は、上ハンドルカバー中央部44の上下方向の長さL4よりも短い。これにより、上記の実施形態と同様に、下ハンドルカバー中央部54の上方に配置された内部機器へのアクセス性が向上する。
【0092】
図18は、図16に示すハンドルカバー部13の背面図である。下ハンドルカバー中央部54の前部に開口が設けられない場合には、図16〜図18に示すように、下ハンドルカバー中央部54の後部に開口550が設けられることが好ましい。開口550は、下ハンドルカバー中央部54の後部の上縁から下ハンドルカバー中央部54の下縁543までに亘って設けられている。これにより、ハンドル部12を取り外さずに、下ハンドルカバー42を取り外すことができる。なお、下ハンドルカバー中央部54の後部の開口550は、後ハンドルカバー49によって覆われる。
【0093】
図13〜図15に示すように、下ハンドルカバー中央部54の前部に開口が設けられる場合であっても、開口の上方と下方との少なくとも一方が閉じられている場合には、図16〜図18の開口550と同様に、下ハンドルカバー中央部54の後部に開口が設けられることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、大径の車輪を装着し、かつ、大型のヘッドライトを備えながらハンドルカバー内のメンテナンス性に優れた自動二輪車を提供することができる。
【符号の説明】
【0095】
1・・・自動二輪車、 3・・・ステアリングシャフト、 4・・・フロントフォーク、 5・・・前輪、 31,32把持部、 33・・・連結部、 12・・・ハンドル部、 13・・・ハンドルカバー部、 21・・・ヘッドパイプ部、 26・・・ヘッドライト部、 34・・・メータユニット、 39・・・収納部、 41・・・上ハンドルカバー、 42・・・下ハンドルカバー、 43・・・中央ハンドルカバー、 54・・・下ハンドルカバー中央部、 55,56・・・下ハンドルカバー側部、 63,64・・・スイッチカバー、 71−73・・・操作スイッチ、 74・・・ワイヤ部、 81,82・・・スロットルワイヤ、 171・・・上フロントカバー、 172・・・下フロントカバー、 261・・・左ヘッドライトユニット、 262・・・右ヘッドライトユニット、 541,546〜548・・・前開口、 A2・・・上ハンドルカバーと下ハンドルカバーとの境界線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向における車両中央に位置するヘッドパイプ部と、
前記ヘッドパイプ部に挿入されるステアリングシャフトと、
乗員が把持する左右の把持部と、前記左右の把持部を連結する連結部と、を有し、前記ステアリングシャフトに連結されるハンドル部と、
前記連結部の上方に配置された上ハンドルカバーと、前記上ハンドルカバーとは別体に形成され前記連結部と前記上ハンドルカバーとの下方に位置する下ハンドルカバーと、を有するハンドルカバー部と、
前記ハンドルカバー部に覆われたワイヤ部と、
前記ステアリングシャフトの下部に連結されたフロントフォークと、
前記フロントフォークの下部に支持された前輪と、
前記ヘッドパイプ部の前方に配置され、且つ、前記前輪の上方に配置された上フロントカバーと、
前記上フロントカバーに配置されたヘッドライト部と、
前記上フロントカバーに連結され、且つ、前記前輪の後方に配置された下フロントカバーと、
を備え、
前記下フロントカバーの上下方向の長さは、前記上フロントカバーの上下方向の長さより長く、
前記下ハンドルカバーは、前記ステアリングシャフトが挿通される下ハンドルカバー中央部と、前記下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる下ハンドルカバー側部とを有し、
前記下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、前記上フロントカバー上端より下方に配置され、
前記ワイヤ部は、前記下ハンドルカバー中央部を通って下方に延び、
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、前記下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、前記上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い、
自動二輪車。
【請求項2】
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられており、
前記開口は、前記下ハンドルカバー中央部の前部の上縁から前記下ハンドルカバー中央部の下縁までに亘って設けられている、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記ワイヤ部は、前記ステアリングシャフトの前方を通るように配置されている、
請求項2に記載の自動二輪車。
【請求項4】
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられており、
前記ハンドルカバー部は、前記下ハンドルカバーの開口を覆う中央ハンドルカバーをさらに有する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項5】
前記中央ハンドルカバーは、前記下ハンドルカバーの開口と共に、前記上ハンドルカバーの車幅方向における中央部を覆う、
請求項4に記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記ワイヤ部は、前記左右の把持部の一方に接続されるスロットルワイヤを含む、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項7】
前記スロットルワイヤの少なくとも一部は、前記下ハンドルカバーよりも上方に位置する、
請求項6に記載の自動二輪車。
【請求項8】
車両に関する情報を表示するメータユニットをさらに備え、
前記メータユニットは、前記ハンドル部に固定される、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項9】
前記ハンドルカバー部の内部に少なくとも一部が配置される収納部をさらに備え、
前記収納部は、前記メータユニットに固定される、
請求項8に記載の自動二輪車。
【請求項10】
前記ヘッドライト部は、左右のヘッドライトユニットを有し、
車両正面視において前記左右のヘッドライトユニットはそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項11】
前記下ハンドルカバー側部の上端は、前記ハンドル部の連結部よりも上方に位置する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項12】
前記ハンドルカバー部の後部に配置される操作スイッチをさらに備え、
前記ハンドルカバー部は、前記操作スイッチの周囲を覆うスイッチカバーをさらに有し、
前記スイッチカバーは、前記上ハンドルカバー及び前記下ハンドルカバーと別体である、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項13】
前記上フロントカバーの上端は、前記下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している、請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項14】
前記上ハンドルカバーと前記下ハンドルカバーとの境界線は、前記下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項15】
前記下ハンドルカバー中央部の後部には、開口が設けられており、
前記下ハンドルカバー中央部の後部の開口は、下ハンドルカバー中央部の後部の上縁から前記下ハンドルカバー中央部の後部の下縁までに亘って設けられている、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項16】
前記ハンドルカバー部は、前記下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆う後ハンドルカバーをさらに有する、
請求項15に記載の自動二輪車。
【請求項1】
車幅方向における車両中央に位置するヘッドパイプ部と、
前記ヘッドパイプ部に挿入されるステアリングシャフトと、
乗員が把持する左右の把持部と、前記左右の把持部を連結する連結部と、を有し、前記ステアリングシャフトに連結されるハンドル部と、
前記連結部の上方に配置された上ハンドルカバーと、前記上ハンドルカバーとは別体に形成され前記連結部と前記上ハンドルカバーとの下方に位置する下ハンドルカバーと、を有するハンドルカバー部と、
前記ハンドルカバー部に覆われたワイヤ部と、
前記ステアリングシャフトの下部に連結されたフロントフォークと、
前記フロントフォークの下部に支持された前輪と、
前記ヘッドパイプ部の前方に配置され、且つ、前記前輪の上方に配置された上フロントカバーと、
前記上フロントカバーに配置されたヘッドライト部と、
前記上フロントカバーに連結され、且つ、前記前輪の後方に配置された下フロントカバーと、
を備え、
前記下フロントカバーの上下方向の長さは、前記上フロントカバーの上下方向の長さより長く、
前記下ハンドルカバーは、前記ステアリングシャフトが挿通される下ハンドルカバー中央部と、前記下ハンドルカバー中央部の下端より上方の位置から車幅方向における外方に向って延びる下ハンドルカバー側部とを有し、
前記下ハンドルカバー中央部の下縁は、車両側面視において、前記上フロントカバー上端より下方に配置され、
前記ワイヤ部は、前記下ハンドルカバー中央部を通って下方に延び、
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられている、又は、前記下ハンドルカバー中央部の前部の上下方向の長さは、前記上ハンドルカバーのうち、車幅方向における中央部の上下方向の長さよりも短い、
自動二輪車。
【請求項2】
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられており、
前記開口は、前記下ハンドルカバー中央部の前部の上縁から前記下ハンドルカバー中央部の下縁までに亘って設けられている、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記ワイヤ部は、前記ステアリングシャフトの前方を通るように配置されている、
請求項2に記載の自動二輪車。
【請求項4】
前記下ハンドルカバー中央部の前部には開口が設けられており、
前記ハンドルカバー部は、前記下ハンドルカバーの開口を覆う中央ハンドルカバーをさらに有する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項5】
前記中央ハンドルカバーは、前記下ハンドルカバーの開口と共に、前記上ハンドルカバーの車幅方向における中央部を覆う、
請求項4に記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記ワイヤ部は、前記左右の把持部の一方に接続されるスロットルワイヤを含む、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項7】
前記スロットルワイヤの少なくとも一部は、前記下ハンドルカバーよりも上方に位置する、
請求項6に記載の自動二輪車。
【請求項8】
車両に関する情報を表示するメータユニットをさらに備え、
前記メータユニットは、前記ハンドル部に固定される、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項9】
前記ハンドルカバー部の内部に少なくとも一部が配置される収納部をさらに備え、
前記収納部は、前記メータユニットに固定される、
請求項8に記載の自動二輪車。
【請求項10】
前記ヘッドライト部は、左右のヘッドライトユニットを有し、
車両正面視において前記左右のヘッドライトユニットはそれぞれ車幅方向における外方且つ上方へ向けて傾斜した形状を有する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項11】
前記下ハンドルカバー側部の上端は、前記ハンドル部の連結部よりも上方に位置する、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項12】
前記ハンドルカバー部の後部に配置される操作スイッチをさらに備え、
前記ハンドルカバー部は、前記操作スイッチの周囲を覆うスイッチカバーをさらに有し、
前記スイッチカバーは、前記上ハンドルカバー及び前記下ハンドルカバーと別体である、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項13】
前記上フロントカバーの上端は、前記下ハンドルカバー側部の下端部より上方に位置している、請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項14】
前記上ハンドルカバーと前記下ハンドルカバーとの境界線は、前記下ハンドルカバー中央部の下縁につながらない、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項15】
前記下ハンドルカバー中央部の後部には、開口が設けられており、
前記下ハンドルカバー中央部の後部の開口は、下ハンドルカバー中央部の後部の上縁から前記下ハンドルカバー中央部の後部の下縁までに亘って設けられている、
請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項16】
前記ハンドルカバー部は、前記下ハンドルカバー中央部の後部の開口を覆う後ハンドルカバーをさらに有する、
請求項15に記載の自動二輪車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−35305(P2013−35305A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170381(P2011−170381)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
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