説明

自動取引装置及び自動取引装置の判別方法

【課題】紙幣が投入されることを判別する。
【解決手段】自動取引装置1は、紙幣判別手段4は、撮影手段3が撮影した、入出金口1aに現金を入金しようとしている顧客Pの撮影画像が、紙幣情報保持手段2が保持する紙幣Bの特徴を含んでいるか否かに応じて、撮影画像に紙幣Bが含まれているか否かを判別するようにした。これにより、顧客Pが入出金口1aに入金しようとしている現金が紙幣Bであるか否か、さらに、紙幣Bが正しく入金されているか否かを判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動取引装置及び自動取引装置の判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動取引装置(ATM(Automated Teller Machine))は、現在、金融機関だけでなく、コンビニエンスストア、駅構内等の様々な場所に設置されるようになっている。このため、設置元の考え並びに設置場所の特徴に応じて、例えば、設置場所が硬貨の利用が多い地域、紙幣・硬貨の両方を設置したいといった設置元の要望等、自動取引装置に対する要望も様々になってきている。
【0003】
このような様々な要望に応えるためにも、自動取引装置には、紙幣及び硬貨に対してそれぞれ専用の紙幣処理ユニット及び硬貨処理ユニットが搭載されている。紙幣及び硬貨の現金を取り扱う現金処理ユニットは、現金を受け付けて、払い戻すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−152432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような自動取引装置には、紙幣及び硬貨をそれぞれ取り扱う専用の現金処理ユニットが搭載されているために、現金処理ユニットに対応する現金ではないものを入金してしまう恐れがある。
【0006】
例えば、紙幣処理ユニットに硬貨を誤って投入してしまう場合がある。この場合、紙幣処理ユニットはメカトラブルによる故障が発生してしまう。さらに、このような故障に対応するために手間がかかり、また、対応する間に顧客を待たせてしまい、別の自動取引装置に顧客が集中してしまうという問題点があった。
【0007】
また、紙幣処理ユニットに対して、硬貨の投入に限らず、紙幣を折りたたんだ状態または丸まった状態で投入される場合でも、紙幣処理ユニットにメカトラブルによる故障が発生してしまう。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、紙幣が投入されることを判別することができる自動取引装置及び自動取引装置の判別方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、現金を受け付ける現金処理手段を備える自動取引装置において、前記現金処理手段の入金口に前記現金を入金しようとしている被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影手段が撮影した前記現金を入金しようとしている前記被写体の画像から前記被写体に紙幣が含まれているか否かを判別する紙幣判別手段と、を有する自動取引装置が提供される。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、上記の自動取引装置と同様の自動取引装置の判別方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記の自動取引装置及び自動取引装置の判別方法によれば、現金処理ユニットの故障の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る自動取引装置を説明するための概念図である。
【図2】第2の実施の形態に係るATMの斜視図である。
【図3】第2の実施の形態に係るATMが備えるカメラを説明するための図である。
【図4】第2の実施の形態に係るATMが備えるセンサを説明するための図である。
【図5】第2の実施の形態に係るATMのハードウェア構成例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るATMが備える機能を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係る紙幣の特徴例を説明するための図である。
【図8】第2の実施の形態に係るATMの取引処理を実行するための処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図9】第2の実施の形態に係るATMの取引処理を実行するための処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【図10】第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係るATMの画像比較処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理で利用される撮影画像を説明するための図(その1)である。
【図13】第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理で利用される撮影画像を説明するための図(その2)である。
【図14】第3の実施の形態に係るATMが備えるセンサを説明するための図である。
【図15】第3の実施の形態に係るATMの取引処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る自動取引装置を説明するための概念図である。なお、図1(A)は顧客Pにより操作入力される自動取引装置1が備える構成及び機能を示している。また、図1(B)及び図1(C)は、自動取引装置1が具備する撮影手段3が撮影した現金を入出金口1aに入金しようとしている顧客Pの手元の撮影画像3aである。
【0014】
自動取引装置1は、顧客Pが入出金口1aに入金しようとしている現金が紙幣であるか否かを判別することができるものである。
このような自動取引装置1は、まず、顧客Pの操作入力に応じて、現金(紙幣及び硬貨)を受け付けて、払い出す現金処理ユニット(図示を省略)を有する。なお、現金処理ユニットは、紙幣を取り扱う場合には紙幣処理ユニットまたは硬貨を取り扱う場合には硬貨処理ユニットを意味する。入出金口1aは現金受け入れ手段1bに通じており、顧客Pは入出金口1aから現金受け入れ手段1bに現金を入金すると、当該現金は現金処理ユニット内に搬送される。また、顧客Pは現金処理ユニットから現金受け入れ手段1bに搬送された現金を入出金口1aから取得することができる。
【0015】
さらに、自動取引装置1は、紙幣情報保持手段2、撮影手段3及び紙幣判別手段4を有する。なお、紙幣情報保持手段2、撮影手段3及び紙幣判別手段4は、自動取引装置1が備える図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって制御プログラムが実行されることにより、その処理機能が実現される。
【0016】
紙幣情報保持手段2は、紙幣の特徴に関する特徴情報を保持する。紙幣の特徴とは、例えば、紙幣の角部の形状、紙幣の角部に印字されている模様等、当該紙幣であることを識別することができる紙幣の情報である。
【0017】
撮影手段3は、現金処理ユニットの入出金口1aに現金を入金しようとしている被写体を撮影する。撮影手段3は、例えば、カメラであって、図1(A)に示すように、入出金口1aの近傍に設定されている。また、被写体は、例えば、図1(A)に示すような顧客Pの手(手元)であって、撮影手段3は、撮影範囲R内の、顧客Pが現金を入出金口1aに入金しようとしている、顧客Pの手元を撮影する。
【0018】
紙幣判別手段4は、撮影手段3が撮影した現金を入金しようとしている被写体の画像から被写体に紙幣が含まれているか否かを判別する。紙幣判別手段4は、例えば、撮影手段3が撮影した画像に、紙幣情報保持手段2が保持する特徴情報が含まれる場合には、被写体に紙幣が含まれていることを判別する。一方、撮影手段3が撮影した画像に、紙幣情報保持手段2が保持する特徴情報が含まれない場合には、被写体に紙幣が含まれていないことを判別する。
【0019】
このような構成を有する自動取引装置1が行う、顧客Pが入金している現金に紙幣が含まれているか否かの判別処理について説明する。また、以下では、現金処理ユニットが、紙幣を取り扱う紙幣処理ユニットである場合を例に挙げる。
【0020】
自動取引装置1の入出金口1aに顧客Pが現金を入金しようよしているところを自動取引装置1の撮影手段3が撮影する。
ここで、撮影手段3が撮影した顧客Pの現金を入金しようとしているところの撮影画像3aについて説明する。
【0021】
まず、顧客Pが入出金口1aに対して現金を入金しようとしているところの撮影画像3aには、図1(B)に示されるように、顧客Pが紙幣Bの表面または裏面を上方に向けて当該紙幣Bを掴んでいる(図1(B)では、紙幣Bの表面を上方に向けている)ところが写される。
【0022】
また、紙幣Bは長方形であるために必ず角部Baが存在していることから、紙幣情報保持手段2には、紙幣Bに関する特徴情報の例として、角部Baの形状及び角部Baに印字されている模様の情報が保持されている。
【0023】
したがって、紙幣判別手段4は、紙幣情報保持手段2を参照して、撮影画像3aに角部Baの存在及び角部Baの模様を確認すると、顧客Pが現金を入金しようとしている撮影画像3aに、単なる紙片ではなく紙幣Bが含まれていることを判別する。
【0024】
一方、顧客Pが紙幣処理ユニットの入出金口1aに対して誤って硬貨を入金しようとしている場合には、図1(C)に示されるように、撮影画像3aには硬貨を掴んでいる顧客Pの手のみが写される。紙幣判別手段4は、紙幣情報保持手段2を参照して、撮影画像3aに角部Baの存在が確認できないために、顧客Pが現金を入金しようとしている撮影画像3aに紙幣Bが含まれないことを判別する。
【0025】
このようにして自動取引装置1は顧客Pが入出金口1aに入金しようとしている現金が紙幣Bであるか否かを判別することができる。このため、顧客Pが紙幣処理ユニットに対して紙幣Bではないものを入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、入金対象が異なる旨を警告することができるようになる。
【0026】
このため、紙幣処理ユニットに対して、紙幣Bではない硬貨等の入金を抑制することができ、紙幣処理ユニットのメカトラブルによる故障の発生を抑えることができるようになる。
【0027】
また、現金処理ユニットが硬貨を取り扱う硬貨処理ユニットである場合には、上記の方法により、硬貨を入金するところを誤って紙幣Bを入金しようとしていることを判別することにより、当該顧客Pに対して、入金対象が硬貨ではなく紙幣Bであることを警告することができるようになる。このため、硬貨処理ユニットに対して、紙幣の入金を抑制することができ、硬貨処理ユニットのメカトラブルによる故障の発生を抑えることができるようになる。
【0028】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について、第1の実施の形態の自動取引装置について、現金処理ユニットとして、紙幣処理ユニットの場合を例に挙げてより具体的に説明する。
【0029】
図2は、第2の実施の形態に係るATMの斜視図である。
ATM10は、前面にカード挿入/排出口40aを有するカード処理ユニット、通帳挿入/排出口50aを有する通帳処理ユニット、紙幣入出金口60aを有する紙幣処理ユニット、及び硬貨入出金口70aを有する硬貨処理ユニットを有する。さらに、ATM10は、ユーザからの操作入力及び表示のためのタッチパネル30aを有する表示ユニットを有する。
【0030】
ATM10はさらに以下の構成を有する。
図3は、第2の実施の形態に係るATMが備えるカメラを説明するための図である。なお、図3(A)はATM10に紙幣Bを入金しようとしている顧客P及びATM10の側部、図3(B)は顧客Pの正面部をそれぞれ表している。
【0031】
カメラ80は、図3(A)に示すように、紙幣入出金口60aの近傍に設定されている。このようなカメラ80は、カメラ80の撮影範囲R内の、顧客Pが現金を紙幣入出金口60aに入出金しようとしている、顧客Pの手元を撮影する。また、カメラ80により撮影される画像は、図3(B)に示されるように、顧客Pの撮影範囲R内の紙幣Bを入金しようとしている手元が写し出される。
【0032】
図4は、第2の実施の形態に係るATMが備えるセンサを説明するための図である。なお、図4(A)はATM10のシャッタ60bの閉扉時、図4(B)は当該シャッタ60bの開扉時をそれぞれ表している。
【0033】
まず、紙幣入出金口60aには、開閉するシャッタ60bが設けられており、紙幣の入出金時に当該シャッタ60bが開扉すると、顧客Pは紙幣入出金口60aから紙幣受け入れ部60cに現金を入金でき、また、紙幣受け入れ部60cから紙幣を取得することができる。
【0034】
また、紙幣入出金口60aには、シャッタ60bの開扉時にシャッタ60bの開閉方向と平行に光を出射する入出金口センサ90が設けられている。入出金口センサ90は、顧客Pが紙幣受け入れ部60cに対して紙幣を入出金する際に、紙幣入出金口60aに手を入れると出射される光が遮られることにより、紙幣入出金口60aに顧客Pの手が入っていることを検知するものである。
【0035】
次に、このような概観のATM10のハードウェア構成について説明する。
図5は、第2の実施の形態に係るATMのハードウェア構成例を示す図である。
ATM10は、ATM10で行われる所定の処理を実行する制御ユニット20、ユーザからの操作入力及び出力結果を表示する表示ユニット30を有する。そして、ATM10には、図2で示した、カード挿入/排出口40aを有するカード処理ユニット40、通帳挿入/排出口50aを有する通帳処理ユニット50、紙幣入出金口60aを有する紙幣処理ユニット60及び硬貨入出金口70aを有する硬貨処理ユニット70を有する。さらに、ATM10は、図3及び図4で示した、カメラ80及び入出金口センサ90を有する。
【0036】
制御ユニット20は、CPU20a、RAM(Random Access Memory)20b、HDD(Hard Disk Drive)20c、画像情報送受信部20d、ホスト通信制御部20e及び入出力インタフェース20fを備えており、これらの各部はバス20gで相互に接続されている。
【0037】
CPU20aは、HDD20c等の記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、このATM10全体を統括的に制御する。
RAM20bには、CPU20aに実行させるOS(Operating System)やプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM20bには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0038】
HDD20cには、ATM10上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、HDD20cには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。
画像情報送受信部20dは、ATM10のCPU20aからの命令に従って表示ユニット30に表示させタッチパネル30aを通して視認される画像情報を表示ユニット30のタッチパネルコントローラ30bに送信する。
【0039】
ホスト通信制御部20eは、様々な場所に設置したATM10の管理を行う管理センターのホストコンピュータ(図示を省略)と通信可能に例えばLAN(Local Area Network)で接続されており、ホストコンピュータと送受信信号の通信を行うことができる。
【0040】
入出力インタフェース20fには、カード処理ユニット40、通帳処理ユニット50、紙幣処理ユニット60、硬貨処理ユニット70、カメラ80及び入出金口センサ90が接続されている。入出力インタフェース20fは、カード処理ユニット40、通帳処理ユニット50、紙幣処理ユニット60、硬貨処理ユニット70、カメラ80及び入出金口センサ90は、バス20gを介してCPU20aと相互に信号の送受信を行う。
【0041】
表示ユニット30は、タッチパネル30aと、タッチパネル30aのタッチパネルコントローラ30bを備える。
タッチパネル30aは、光学式であって、ユーザからの操作入力を受け付ける表示画面にATM10に必要な処理内容を示す処理領域が表示されている。タッチパネル30aに設けられた素子部は、一対の赤外線LED(Light Emitting Diode)(発光素子)とフォトトランジスタ(受光素子)とを有する。赤外線LEDから赤外線ビームが発光されて、赤外線LEDに対向配置するフォトトランジスタが当該赤外線ビームを受光する。表示画面上には赤外線ビームの光線が格子状を成すように、赤外線LEDとフォトトランジスタとが、表示画面のx,y方向に表示画面を挟んで対向して配列している。
【0042】
タッチパネルコントローラ30bは、ユーザからの操作入力によって赤外線ビームが遮光された赤外線LEDとフォトトランジスタとから操作入力の位置情報を検出して、当該位置情報を制御ユニット20に送信する。
【0043】
カード処理ユニット40は、カード挿入/排出口40aから挿入されたユーザのカードに実行指示に応じて所定の処理の処理結果を記録する。また、カード処理ユニット40は、処理結果の記録が完了したカードを、カード挿入/排出口40aから排出して、ユーザに返却する。
【0044】
通帳処理ユニット50は、通帳挿入/排出口50aから挿入されたユーザの通帳を所定位置まで搬送し、ユーザからの実行指示に応じて所定の処理の処理結果を記録する。また、通帳処理ユニット50は、処理結果の記録が完了した通帳を搬送して、通帳挿入/排出口50aから排出して、ユーザに返却する。
【0045】
紙幣処理ユニット60及び硬貨処理ユニット70は、紙幣入出金口60a及び硬貨入出金口70aから挿入された紙幣及び硬貨を受け入れて、紙幣及び硬貨をそれぞれ計数する。また、ユーザの所定の実行指示に応じて、紙幣入出金口60a及び硬貨入出金口70aから処理に応じた額の紙幣及び硬貨を放出することができる。
【0046】
なお、カメラ80及び入出金口センサ90は、図3及び図4で説明した通りである。
このようなカード処理ユニット40、通帳処理ユニット50、紙幣処理ユニット60、硬貨処理ユニット70、カメラ80及び入出金口センサ90は、ユーザによる表示ユニット30に対する操作入力に応じて、制御ユニット20のCPU20aによってそれぞれ制御される。
【0047】
次いで、ATM10が備える制御機能について説明する。
図6は、第2の実施の形態に係るATMが備える機能を示すブロック図である。
ATM10は、顧客Pが紙幣入出金口60aに入金しようとしている現金が紙幣であるか否かを判別して、紙幣で無い場合に顧客Pに対して、当該現金の入金を中止するように促すことができるものである。
【0048】
このようなATM10は、図6に示されるように、紙幣情報保持部11、入力受付部12、取引制御部13、カメラ制御部14、画像取得部15、画像判別処理部16、検知部17及び出力要求部18を有する。
【0049】
紙幣情報保持部11は、紙幣の特徴に関する特徴情報を保持する。紙幣の特徴とは、例えば、紙幣の形状、紙幣に印字されている模様等、当該紙幣であることを識別することができる特徴である。
【0050】
以下、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報の具体例について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る紙幣の特徴例を説明するための図である。
紙幣Bは、図7に示されるように、例えば、1万円札である。
【0051】
この紙幣Bは、破線で囲まれる紙幣Bの角部B1〜B4を有する。また、角部B1〜B4には、1万円札特有の印字がされていることから、紙幣Bは、角部B1〜B4の形状と共に、この印字を特徴とすることができる。
【0052】
具体的には、角部B1,B2は、1万円札の表面の左上及び右上に対応した角の形状をなしており、「10000」の文字がそれぞれ印字されている。また、角部B3,B4は、1万円札の表面の右下及び左下に対応した角の形状をなしており、「逆L字」及び「L字」の模様がそれぞれ印字されている。
【0053】
紙幣情報保持部11は、紙幣ごとにそれぞれの特徴を保持しており、一万円札については、その表面の特徴として、このような角部B1〜B4の情報を保持している。
なお、紙幣情報保持部11は、図示を省略するが、各紙幣について表面と共に裏面に印字されている特徴も同様に保持している。
【0054】
ATM10の機能の説明に戻ると、入力受付部12は、顧客PのATM10の表示ユニット30のタッチパネル30aに対する操作入力、カードの挿入及び通帳の挿入等を受け付ける。
【0055】
取引制御部13は、入力受付部12が受け付けた操作入力等に応じた処理を、カード処理ユニット40、通帳処理ユニット50、紙幣処理ユニット60及び硬貨処理ユニット70に実行させる。
【0056】
カメラ制御部14は、取引制御部13による処理の実行に応じて、カメラ80による撮影を開始させ、また、必要に応じて、撮影を停止させる。
画像取得部15は、カメラ80により撮影された撮影画像を取得する。
【0057】
画像判別処理部16は、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報を参照し、画像取得部15が取得した撮影画像に紙幣が含まれているか否かの判別を行う。なお、画像判別処理部16は、さらに、当該紙幣が折りたたんだ状態、または、丸まった状態ではなく、正常に入金されているのか否かも判別することができる。なお、画像判別処理部16は、具体的には、画像取得部15が取得した撮影画像の角部を検出し、検出した角部の1つを頂点として比較領域を指定し、当該比較領域の撮影画像と、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報との比較結果に応じて、正しい紙幣であるか否かを判別することができる。この判別処理の詳細については図10及び図11で後に説明する。
【0058】
また、画像判別処理部16は、判別結果に応じ、また、検知部17の検知通知に基づいて、出力要求部18に出力要求を通知する。
検知部17は、入出金口センサ90が顧客Pの手を検知すると、検知通知を画像判別処理部16に通知する。
【0059】
出力要求部18は、画像判別処理部16から通知に応じた案内(警告)を表示ユニット30のタッチパネル30a並びに図示しないスピーカから出力させて、顧客Pに案内(警告)を通知する。
【0060】
このような機能を有するATM10で実行される取引処理について説明する。
図8及び図9は、第2の実施の形態に係るATMの取引処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0061】
[ステップS10] ATM10の表示ユニット30に取引画面を表示する。
[ステップS11] タッチパネル30aに当該取引画面に対する顧客Pからの操作入力が行われると、入力受付部12は当該操作入力に応じた処理要求を受け付けて、次の処理は、ステップS12に進められる。
【0062】
[ステップS12] 入力受付部12は、顧客Pによりカード挿入/排出口40aに挿入されたカードを受け付けると共に、顧客Pのタッチパネル30aに対する操作入力により暗証番号を受け付ける。
【0063】
[ステップS13] 取引制御部13は、カード処理ユニット40により受け付けたカードの磁気データを読み取る。
[ステップS14] 取引制御部13は、紙幣処理ユニット60の紙幣入出金口60aのシャッタ60bを開扉する。そして、カメラ制御部14がカメラ80による撮影を開始させる。なお、カメラ80の撮影開始時期は、ステップS14に限らず、例えば、ステップS12,S13において、各種情報を受け付けた後、または、読み取った後でも構わない。または、常時撮影するようにしても構わない。
【0064】
[ステップS20] 画像取得部15は、カメラ80が撮影した紙幣入出金口60aに現金を入金しようとしている顧客Pの手元の撮影画像を取得する。画像判別処理部16は、紙幣情報保持部11を参照して、画像取得部15が取得した当該撮影画像に紙幣が含まれているか否か(または、現金が紙幣であって、当該紙幣が正常な状態(折れたたんだり、丸まったりしていないか)であるか否か)を判別する。
【0065】
[ステップS15] 次の処理は、ステップS20で画像判別処理部16が当該撮影画像に正常な紙幣が含まれていると判別した場合にはステップS16に進められ、紙幣が含まれていない(または、紙幣が正常ではない)と判別した場合にはステップS17に進められる。
【0066】
[ステップS16] 取引制御部13は、顧客Pから紙幣を受け付けると、顧客Pの操作入力に応じた処理を実行する。なお、その後の処理の説明については省略する。
[ステップS17] 画像判別処理部16は、正しい紙幣が含まれていないと判別してから時間の計測を開始する。
【0067】
[ステップS18] 入出金口センサ90は、顧客Pが紙幣ではないもの、または、折りたたんだ状態、または、丸まった状態の紙幣を紙幣入出金口60aに挿入しようとしていることを検知すると、その旨を検知部17に通知する。
【0068】
次の処理は、画像判別処理部16が検知部17から入出金口センサ90による検知が通知されるとステップS10aに進められ、通知されない場合にはステップS19に進められる。
【0069】
[ステップS19] 画像判別処理部16は、計測している時間を判別する。次の処理は、計測時間が所定の時間に達する(タイムアウトになる)場合には、ステップS20に進められ、タイムアウトになっていない場合には、ステップS18に進められる。
【0070】
[ステップS10a] 出力要求部18は、表示ユニット30のタッチパネル30a並びに図示しないスピーカに、例えば、「紙幣入出金口60aには紙幣のみを入れてください。紙幣は折りたたまずに伸ばして入金してください」等の警告を画面表示及び/または音声で出力させる。次の処理は、再び、ステップS17に進められる。
【0071】
このような処理により、ATM10は、顧客Pが紙幣入出金口60aに紙幣でないもの、または、折りたたんだ状態または丸まった状態の正常な状態ではない紙幣を入金しようとしている場合には、顧客Pに紙幣を正常に入金するように警告する。
【0072】
このような処理の中で実行されるステップS20の紙幣判別処理についてさらに説明する。
図10は、第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0073】
[ステップS21] 画像判別処理部16は、画像取得部15から紙幣入出金口60aに現金を入金しようとしている顧客Pの撮影画像を取得する。
[ステップS22] 画像判別処理部16は、ステップS21で取得した撮影画像の角部を検出する。また、画像判別処理部16は、検出した撮影画像の角部に、角部の数に応じてそれぞれ番号(例えば、撮影画像が4角形であればN=1〜4)を付する。
【0074】
[ステップS23] 画像判別処理部16は、ステップS22で検出した撮影画像の角部(N=1)を選択する。
[ステップS30] 画像判別処理部16は、ステップS23で選択した撮影画像の角部と、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とを比較する。
【0075】
[ステップS24] 次の処理は、ステップS30の比較結果に応じて、ステップS23で選択した撮影画像の角部に合致する、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報があればステップS25に進められ、特徴情報が無ければステップS26に進められる。
【0076】
[ステップS25] 画像判別処理部16は、判別対象の撮影画像に存在する特徴の数を表す特徴数に1を追加する。
[ステップS26] 画像判別処理部16が比較対象の撮影画像の角部を全て選択したか否かの判別を行う。次の処理は、全て選択していない場合にはステップS27に進められ、全て選択した場合には、ステップS28に進められる。
【0077】
[ステップS27] 画像判別処理部16は、ステップS30で画像比較処理を行った角部の番号に1を追加して、増加した番号に対応する角部を選択する。
[ステップS28] 画像判別処理部16は、判別対象の撮影画像の特徴数が所定数α以上であるか否かを判別する。なお、撮影画像が折りたたまれた(または、丸まった)紙幣である場合、また、顧客Pの紙幣の掴み具合により紙幣の4つの角が写されていない場合等には、紙幣の一部の特徴が得られるが、必ずしも紙幣が正常に入金されていると判別することはできない。そこで、紙幣の場合は、少なくとも、例えば、撮影画像から紙幣の特徴数が所定数α=3つ以上得られた場合に、当該撮影画像に紙幣が含まれていると判別することができるようにする。なお、紙幣の場合は、所定数αは1〜4の間で自由に定めることができる。
【0078】
次の処理は、撮影画像の特徴数が所定数α以上である場合にはステップS29に進められ、所定数α未満である場合にはステップS21aに進められる。
[ステップS29] 画像判別処理部16は、ステップS21で取得した撮影画像に紙幣が含まれており、かつ、当該紙幣が正常に入金されようとしていることを判別して、図8のステップS15に進められる。
【0079】
[ステップS21a] 画像判別処理部16は、ステップS21で取得した撮影画像に正常に入金されている紙幣が含まれていないことを判別して、図8のステップS15に進められる。
【0080】
このような処理により、ATM10は、顧客Pが紙幣入出金口60aに入金している現金が紙幣であるか、または、正しく紙幣が入金されようとしているかを判別することができる。
【0081】
このような紙幣の判別処理で実行されるステップS30の画像比較処理についてさらに説明する。
図11は、第2の実施の形態に係るATMの画像比較処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
[ステップS31] 画像判別処理部16は、撮影画像から角部を原点とする比較領域を指定する。
[ステップS32] 画像判別処理部16は、ステップS31で指定した比較領域と、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とを比較する。
【0083】
[ステップS33] 次の処理は、ステップS31で指定した比較領域と、紙幣情報保持部11の中から合致する特徴情報がある場合にはステップS34に進められ、合致する特徴情報が無い場合にはステップS35に進められる。
【0084】
[ステップS34] 画像判別処理部16は、撮影画像に紙幣の特徴を含んでいることを表す特徴フラグをセットして、図10のステップS24に進められる。
[ステップS35] 画像判別処理部16は、ステップS31で比較領域を指定した撮影画像に対して比較領域を拡張することが可能か否かを判別する。なお、比較領域は、例えば、最大、撮影画像の4分の1まで拡張することが可能とする。
【0085】
次の処理は、比較領域を拡張可能である場合にはステップS36に進められ、拡張できない場合には図10のステップS24に進められる。
[ステップS36] 画像判別処理部16は、ステップS31の撮影画像から角部を原点とする比較領域を拡張して、新たな比較領域を指定して、再び、ステップS32に進められる。
【0086】
なお、拡張する際には、任意に設定された拡張率で縦方向及び横方向にそれぞれ拡張することができる。
次にこのような処理を実行するATM10における、顧客Pにより入金しようとしている現金の判別処理について具体的に説明する。なお、以下では、図10及び図11を利用して説明する。また、以下の実施例では、ユーザが一万円札を、当該一万円札の表面を上方に向けて紙幣入出金口60aに入金している場合について説明する。
【0087】
[実施例1]
実施例1では、撮影画像に正常な紙幣が含まれている場合を例に挙げて説明する。
顧客PはATM10に対して所定の操作入力を行って入金取引を実行させる。
【0088】
すると、取引制御部13は、紙幣処理ユニット60の紙幣入出金口60aのシャッタ60bを開扉して、カメラ制御部14がカメラ80による撮影を開始させる。
カメラ80が紙幣入出金口60aに現金を入金しようとしている顧客Pを撮影すると、画像取得部15が当該撮影画像を取得し、画像判別処理部16は画像取得部15から画像情報が通知される(ステップS21)。
【0089】
図12は、第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理で利用される撮影画像を説明するための図である。
なお、図12(A)はカメラ80で撮影された現金を入金しようとしている顧客Pの手元の撮影画像80aであり、図12(B)は当該撮影画像80aの比較領域80b1,80b2の指定をそれぞれ表している。
【0090】
画像判別処理部16は、図12(A)に示されるような撮影画像80aが通知される。画像判別処理部16は、この撮影画像80aにおいて4つの角部80a1〜80a4を検出して、角部80a1〜80a4にそれぞれ番号N=1〜4を対応付ける(ステップS22)。
【0091】
画像判別処理部16は、図12(B)に示されるように、撮影画像80aから角部80a1(N=1)を原点とする比較領域80b1(破線)を指定して、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とを比較する(ステップS23,S31,S32)。
【0092】
画像判別処理部16は、比較領域80b1内の撮影画像と、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とが合致しなかったため、比較領域80b1を比較領域80b2(実線)に拡張する(ステップS33,S35,S36)。
【0093】
再び、画像判別処理部16が、図12(B)に示されるように、拡張した比較領域80b2(実線)と紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とが合致する(ステップS32,S33)。
【0094】
画像判別処理部16は、撮影画像80aには紙幣の特徴が含まれるために特徴フラグをセットする(ステップS34)。
画像判別処理部16は、撮影画像80aの角部80a1に紙幣の特徴が見出せたために、撮影画像80aの特徴数に1を追加して、特徴数を1とする。
【0095】
画像判別処理部16は、撮影画像80aの他の角部80a2〜80a4について上記の比較処理を実行する。
なお、この場合は、撮影画像80aの角部80a1〜80a4からそれぞれ紙幣の特徴が得られて、撮影画像80aの特徴数は4となる。
【0096】
この結果、画像判別処理部16は、撮影画像80aの特徴数が3以上であるために、撮影画像80aに紙幣が含まれており、当該紙幣が正しく入金されようとしていることを判別する。
【0097】
取引制御部13は、顧客Pから紙幣を受け付けると、顧客Pの操作入力に応じた処理を実行する。
[実施例2]
実施例2では、撮影画像に折りたたんだ紙幣が含まれている場合を例に挙げて説明する。
【0098】
実施例1と同様に、カメラ80が紙幣入出金口60aに現金を入金しようとしている顧客Pを撮影すると、画像取得部15が当該撮影画像を取得し、画像判別処理部16は画像取得部15から画像情報が通知される(ステップS21)。
【0099】
図13は、第2の実施の形態に係るATMの紙幣判別処理で利用される撮影画像を説明するための図である。
なお、図13(A)はカメラ80で撮影された現金を入金しようとしている顧客Pの手元の撮影画像180aであり、図13(B)は当該撮影画像180aの比較領域180b1の指定をそれぞれ表している。
【0100】
画像判別処理部16は、図13(A)に示されるような撮影画像180aが通知される。画像判別処理部16は、この撮影画像180aにおいて4つの角部180a1〜180a4を検出して、角部180a1〜180a4にそれぞれ番号N=1〜4を対応付ける(ステップS22)。
【0101】
画像判別処理部16は、図13(A)に示されるような撮影画像180aが通知される。画像判別処理部16は、この撮影画像180aにおいて4つの角部180a1〜180a4を検出して、角部180a1〜180a4にそれぞれ番号N=1〜4を対応付ける(ステップS22)。
【0102】
画像判別処理部16は、図13(B)に示されるように、撮影画像180aから角部180a1(N=1)を原点とする比較領域180b1(破線)を指定して、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とを比較する(ステップS23,S31,S32)。
【0103】
画像判別処理部16は、比較領域180b1内の撮影画像と、紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とが合致しなかったため、比較領域180b1を比較領域180b2(実線)に拡張する(ステップS33,S35,S36)。
【0104】
再び、画像判別処理部16が、図13(B)に示されるように、拡張した比較領域180b2(破実線)と紙幣情報保持部11が保持する特徴情報とを照合する(ステップS32,S33)。図13(B)では合致せず、特徴数はカウントしない。
【0105】
画像判別処理部16は、撮影画像180aの他の角部180a2〜180a4について上記の比較処理を実行する。なお、この場合は、角部180a2,180a3(N=2,3)を原点とする比較領域では、紙幣の特徴が得られるが、角部180a4(N=4)を原点とする撮影画像180aの比較領域では紙幣の特徴が得られない。したがって、撮影画像180aの特徴数は2となる。
【0106】
この結果、画像判別処理部16は、撮影画像80aの特徴数が3未満であるために、撮影画像80aに紙幣が含まれていないと判別する。
画像判別処理部16は、正常に入金されようとしている紙幣が撮影画像180aに含まれていないと判別してから時間の計測を開始する。その間に顧客Pが紙幣入出金口60aに折れたたんだ状態の紙幣を入金しようとすると入出金口センサ90が顧客Pの入金を検知すると、出力要求部18が表示ユニット30のタッチパネル30a並びに図示しないスピーカに、「紙幣入出金口には紙幣のみを入れてください。紙幣は折りたたまずに伸ばして入金してください」の警告を画面表示及び/または音声で出力させる。
【0107】
このようなATM10では、紙幣入出金口60aに現金を入金しようとしている顧客Pの撮影画像が紙幣の特徴を含んでいるかに応じて、撮影画像に紙幣が含まれているか否かを判別するようにした。これにより、顧客Pが紙幣入出金口60aに入金しようとしている現金が紙幣Bであり、さらに、紙幣が正常に入金されているか否かを判別することができる。このため、顧客Pが紙幣処理ユニット60に対して紙幣Bではないもの(例えば、硬貨、レシート等の紙片、これら以外の異物)を入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、入金対象が異なる旨を警告することができるようになる。また、顧客Pが紙幣処理ユニット60に対して折りたたまれた状態または丸まった状態の紙幣Bを入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、紙幣Bを正しい状態で入金するように警告することができるようになる。
【0108】
このため、紙幣処理ユニット60に対して、紙幣B以外の硬貨等の入金、及び折りたたんだ状態または丸まった状態の紙幣の入金を抑制することができ、紙幣処理ユニットのメカトラブルによる故障の発生を抑えることができるようになる。
【0109】
なお、実施例1,2はユーザが一万円札を当該一万円札の裏面を上方に向けて紙幣入出金口60aに入金する場合でも、一万円札の裏面の角部の特徴に基づいて上記と同様の処理が実行される。
【0110】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第2の実施の形態のATM10に対して、入出金口センサ90に加えて挿入センサ90aを追加した場合について説明する。
【0111】
図14は、第3の実施の形態に係るATMが備えるセンサを説明するための図である。
ATM100では、入出金口センサ90に加えて、さらに、挿入センサ90aを設置している。
【0112】
挿入センサ90aは、図14に示されるように、入出金口センサ90よりも、顧客Pが操作を行う立ち位置側に配置されている。
なお、ATM100のその他の構成は、ATM10と同じである。また、このようなATM100も、図8で説明したフローに沿って処理が実行される。そして、図8のステップS15において、ステップS20で画像判別処理部16が当該撮影画像に正しい紙幣が含まれていないと判別した場合にはステップS17に進められる。
【0113】
図15は、第3の実施の形態に係るATMの取引処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
[ステップS17] 画像判別処理部16は、正しい紙幣が含まれていないと判別してから時間の計測を開始する。
【0114】
[ステップS101] ステップS17で画像判別処理部16が時間の計測を開始すると、挿入センサ90aは、顧客Pが紙幣ではないもの、または、折りたたんだ状態、または、丸まった状態の紙幣を紙幣入出金口60aに挿入しようとしていることを検知すると、その旨を検知部17に通知する。
【0115】
次の処理は、画像判別処理部16が検知部17から挿入センサ90aの検知が通知されるとステップS10aに進められ、通知されない場合にはステップS19に進められる。
[ステップS102] 画像判別処理部16は、警告の出力要求を通知すると、時間の計測を開始する。
【0116】
[ステップS103] 挿入センサ90aは、警告が出力されているにも関わらず、顧客Pが紙幣ではないもの、または、折りたたんだ状態、または、丸まった状態の紙幣を紙幣入出金口60aに挿入しようとしていることを検知すると、その旨を検知部17に通知する。
【0117】
次の処理は、画像判別処理部16が検知部17から挿入センサ90aの検知が通知されるとステップS104に進められ、通知されない場合にはステップS105に進められる。
【0118】
[ステップS104] 入出金口センサ90が、顧客Pがさらに挿入センサ90aを超えて紙幣ではないもの、または、折りたたんだ状態、または、丸まった状態の紙幣を紙幣入出金口60aに挿入しようとしていることを検知すると、その旨を検知部17に通知する。
【0119】
次の処理は、画像判別処理部16が検知部17から入出金口センサ90の検知が通知されるとステップS107に進められ、通知されない場合にはステップS106に進められる。
【0120】
[ステップS105] 画像判別処理部16は、計測している時間を判別する。次の処理は、計測時間がタイムアウトになる場合には、ステップS20に進められ、タイムアウトになっていない場合には、ステップS103に進められる。
【0121】
[ステップS106] 画像判別処理部16は、計測している時間を判別する。次の処理は、計測時間がタイムアウトになる場合には、ステップS10aに進められ、タイムアウトになっていない場合には、ステップS104に進められる。
【0122】
[ステップS107] 出力要求部18は、表示ユニット30のタッチパネル30a並びに図示しないスピーカに、例えば、「取引を中止します」等の警告を出力させる。その後、取引を停止する。
【0123】
このようにしてATM100は、第2の実施の形態と同様に、顧客Pが紙幣入出金口60aに入金しようとしている現金が紙幣Bであるか否か、さらに、紙幣が正しく入金されているか否かを判別することができる。このため、顧客Pが紙幣処理ユニット60に対して紙幣Bではないものを入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、入金対象が紙幣Bと異なる旨であることを警告することができるようになる。また、顧客Pが紙幣処理ユニット60に対して折りたたまれた状態または丸まった状態の紙幣Bを入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、同様に警告することができるようになる。
【0124】
また、挿入センサ90aを入出金口センサ90よりも、顧客Pが操作を行う立ち位置側に新たに設けることで、紙幣Bではないもの、折りたたまれた状態または丸まった状態の紙幣Bを紙幣入出金口60aに入金しようとしている顧客Pに対して、入金の停止の警告を早期に行うことができるようになる。
【0125】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、顧客Pが、硬貨処理ユニット70に対して、硬貨ではなく、誤って紙幣を入金しようとしている場合について説明する。
【0126】
例えば、ATM10の硬貨入出金口70aの近傍にカメラ(図示を省略)が設置されている。当該カメラが撮影範囲内の、顧客Pが現金を硬貨入出金口70aに現金を入出金しようとしている、顧客Pの手元を撮影する。なお、当該カメラにより撮影される画像は、図3(B)と同様に、顧客Pにおいて撮影範囲内が写し出される。また、図4の入出金センサ90と同様に、硬貨入出金口70aにも入出金口センサが設置されている。
【0127】
このようなATM10に対して、顧客Pが振り込みを実行させる操作入力を行って、所定の入力後、硬貨処理ユニット70の硬貨入出金口70aに現金を入金しようとする。この時に、ATM10では第2の実施の形態と同様に、硬貨入出金口70aに入金しようとしている現金が紙幣であることを判別する。
【0128】
さらに、画像判別処理部16は、現金が紙幣であることを判別してから時間の計測を開始する。その間に顧客Pが硬貨入出金口70aに紙幣を入金しようとすると入出金口センサが顧客Pの入金を検知すると、出力要求部18が表示ユニット30のタッチパネル30a並びに図示しないスピーカに、「硬貨入出金口には硬貨のみを入れてください。紙幣を入金しないでください」との警告を出力させる。
【0129】
このようにしてATM10は顧客Pが硬貨入出金口70aに入金しようとしている現金が紙幣Bであるか否かを判別することができる。このため、顧客Pが硬貨処理ユニット70に対して紙幣を入金しようとしている場合には、当該顧客Pに対して、入金対象が異なる旨を警告することができるようになる。
【0130】
このため、硬貨処理ユニット70に対して、紙幣の入金を抑制することができ、硬貨処理ユニット70のメカトラブルによる故障の発生を抑えることができるようになる。
なお、上記の各実施の形態で示した自動取引装置1、ATM10,100が有する機能の少なくとも一部は、コンピュータによって実現することができる。その場合には、上記機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そして、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。
【0131】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録された光ディスク等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、そのプログラムを、サーバコンピュータからネットワークを介して他のコンピュータに転送することもできる。
【0132】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0133】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 自動取引装置
1a 入出金口
1b 現金受け入れ手段
2 紙幣情報保持手段
3 撮影手段
3a、80a,180a 撮影画像
4 紙幣判別手段
10 ATM
11 紙幣情報保持部
12 入力受付部
13 取引制御部
14 カメラ制御部
15 画像取得部
16 画像判別処理部
17 検知部
18 出力要求部
20 制御ユニット
20a CPU
20b RAM
20c HDD
20d 画像情報送受信部
20e ホスト通信制御部
20f 入出力インタフェース
20g バス
30 表示ユニット
30a タッチパネル
30b タッチパネルコントローラ
40 カード処理ユニット
40a カード挿入/排出口
50 通帳処理ユニット
50a 通帳挿入/排出口
60 紙幣処理ユニット
60a 紙幣入出金口
60b シャッタ
60c 紙幣受け入れ部
70 硬貨処理ユニット
70a 硬貨入出金口
80 カメラ
80a1〜80a4,180a1〜180a4,Ba,B1〜B4 角部
80b1,80b2,180b1 比較領域
90 入出金口センサ
90a 挿入センサ
B 紙幣
P 顧客
R 撮影範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を受け付ける現金処理手段を備える自動取引装置において、
前記現金処理手段の入金口に前記現金を入金しようとしている被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した前記現金を入金しようとしている前記被写体の画像から前記被写体に紙幣が含まれているか否かを判別する紙幣判別手段と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
紙幣の特徴に関する特徴情報を保持する紙幣情報保持手段を更に有し、
前記紙幣判別手段は、前記紙幣情報保持手段を参照して前記撮影手段が撮影した前記画像における前記特徴の有無に応じ前記被写体に前記紙幣が含まれていることを判別する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記紙幣判別手段は、前記紙幣情報保持手段を参照して前記撮影手段が撮影した前記画像に含まれる前記特徴の数に応じ前記被写体に前記紙幣が含まれており、正常な前記紙幣が入金されようとしていないことを判別する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記現金処理手段が紙幣を取り扱う紙幣処理手段である場合には、
前記紙幣判別手段が前記被写体に前記紙幣が含まれていないことを判別すると、前記紙幣を入金するよう、または紙幣以外を入金しないように警告する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記現金処理手段が硬貨を取り扱う硬貨処理手段である場合には、
前記紙幣判別手段が前記被写体に前記紙幣が含まれていることを判別すると、硬貨を入金するよう、または硬貨以外を入金しないように警告する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記現金処理手段の前記入金口よりも、入金しようとしている前記被写体側に設けられた挿入センサを有し、
前記挿入センサが、前記現金を前記入金口に入金する前に前記被写体を検知すると、前記紙幣判別手段の判別結果に応じて、前記被写体による入金の中止を警告する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項7】
現金を受け付ける現金処理手段を備える自動取引装置の判別方法において、
撮影手段が、前記現金処理手段の入金口に前記現金を入金しようとしている被写体を撮影し、
紙幣判別手段が、前記撮影手段が撮影した前記現金を入金しようとしている前記被写体の画像から前記被写体に紙幣が含まれているか否かを判別する、
ことを特徴とする自動取引装置の判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−190139(P2012−190139A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51576(P2011−51576)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】