説明

自動取引装置

【課題】タッチパネル操作面上に塵埃等が溜まると、タッチパネルエラーや複数検出による入力不能あるいは誤入力といった障害となるという問題があった。
【解決手段】顧客がいないときに、タッチパネル振動させてタッチパネル操作面上の塵埃等を振るい落としたり、あるいは送風により塵埃等を吹き飛ばしたりすることで、タッチパネル操作面上の塵埃等を除去することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に取引を実行させるための情報を入力させるタッチパネルを備えた自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関等に設置される自動取引装置は、CRTやLCD等の表示部上にタッチパネルを配置し、表示部に表示されたキーをタッチパネル上から指で触れる(押下する)ことにより取引の実行に必要な情報を顧客が入力するものとなっている。このタッチパネルはセキュリティを考え、背後から覗かれないよう水平に実装されていることが多い。
【0003】
従来の方式ではタッチパネルが水平に実装されているため、レシートの切れ端やゴミ類等(以後塵埃等と略す)がタッチパネル操作面上に溜まってしまうことがしばしばある。このため、タッチパネルが光学式や超音波方式等である場合、塵埃等を検知してしまい、タッチパネルエラーや複数検出による入力不能あるいは誤入力といった障害となるという問題があった。
【0004】
そこで、係員などが一定時間経過する毎にタッチパネル操作面上を清掃するなどして塵埃等を除去するという手段が有効である。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2000−035856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記装置では、清掃後に溜まった塵埃等は、次の清掃時まで除去されないため、タッチパネルエラーや複数検出による入力不能あるいは誤入力といった障害となるという問題があった。また、清掃は人手による作業のため係員などの手間がかかるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、表示部上にタッチパネルを配した自動取引装置において、前記タッチパネルを振動させる振動発生手段と、顧客有無を監視する顧客検知センサとを備え、顧客がいない状態においてタッチパネルを振動させることにより、タッチパネル操作面上の塵埃等を除去することを特徴とする。
また、前記タッチパネルの操作面に空気を送り出す送風手段と、顧客有無を監視する顧客検知センサとを備え、顧客がいない状態においてタッチパネルの操作面に空気を送り出すことにより、タッチパネル操作面上の塵埃等を除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顧客がいない状況でタッチパネルを振動させたり、あるいはタッチパネル操作面上に送風することにより塵埃等を自動で除去でき、タッチパネルエラーによる休止を削減できる。また、自動的に塵埃等を除去するので、係員等人手による清掃の手間が省けるという効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、第1の実施形態について説明する。
図1に実施例1のシステム構成図を示す。1は自動取引装置本体、2は顧客が取引を実行させるための情報を入力するタッチパネル、3は自動取引装置の前に顧客が居ないかを識別する顧客検知センサ、4はタッチパネル2を振動させる振動発生手段でモータ等から構成されている。なお、タッチパネル2は傾斜を持って実装されている。
図2に実施例1のシステムブロック図を示す。タッチパネル2、顧客検知センサ3、振動発生手段4はそれぞれ制御部1aにより制御される。
【0010】
本発明による実施例1は前記のように構成されており、以下にその動作を示す。
図3に取引時の本実施例における動作の流れの例をフローチャートとして示す。
まず、ある取引が終了したならば (S101)、顧客センサによる顧客有無を判断する(S102)。顧客センサON(顧客有り)の場合は、取引選択画面を表示し取引科目が選択されるのを待ち(S103)、科目が選択された後は通常の取引処理を行い(S104)、科目が選択されなければ顧客センサがOFFになるのを待つ。顧客センサOFF(顧客無し)の場合は、タッチパネル状態確認を行う(S105)。タッチパネルがOFFの場合は、再び顧客有無を判断する(S102)。
【0011】
タッチパネルがONの場合は、タッチパネルの振動回数を判断し(S106)、タッチパネル振動回数が設定回数のn回に達していなければタッチパネルを振動させる(S107)。このとき、タッチパネルをON状態にしている要因である塵埃等を振り落とし除去できる。振動毎にタッチパネルのON/OFF状態を判断し(S105)、振動回数がn回に達する前にタッチパネルがOFFになれば、また顧客有無の判断をする(S102)。タッチパネルがON状態を継続したまま振動回数がn回に達したならば、タッチパネルON要因除去不可としてエラーとする(S108)。
【0012】
このように、顧客がいないときにタッチパネルを振動させ、タッチパネル上の塵埃等を振るい落とすことで、塵埃等の存在のために起こっていたタッチパネルエラーや複数検出による入力不能あるいは誤入力といった障害を削除できる。
尚、本実施例は振動回数n回でタッチパネルON要因除去不可エラーとしたが、振動は回数でなく時間で設定してもよい。
【実施例2】
【0013】
次に、第2の実施形態について説明する。
尚、第1実施形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
図4に実施例2のシステム構成図を示す。5は送風手段で、FAN5aと送風ダクト5bと送風口5cから成る。FAN5aから送られた空気が送風ダクト5bを通り、送風口5cからタッチパネル操作面上に送風される。
図5に実施例2のシステムブロック図を示す。FAN5aは制御部1aによって制御される。
【0014】
本発明による実施例1は前記のように構成されており、以下にその動作を示す。
図6に取引時の本実施例における動作の流れの例をフローチャートとして示す。
まず、ある取引が終了したならば (S201)、顧客センサによる顧客有無を判断する(S202)。顧客センサON(顧客有り)の場合は、取引選択画面を表示し取引科目が選択されるのを待ち(S203)、科目が選択された後は通常の取引処理を行い(S204)、科目が選択されなければ顧客センサがOFFになるのを待つ。顧客センサOFF(顧客無し)の場合は、タッチパネル状態確認を行う(S205)。タッチパネルがOFFの場合は、再び顧客有無を判断する(S202)。
【0015】
タッチパネルがONの場合は、タッチパネル操作面への送風回数を判断し(S206)、タッチパネルへの送風回数が設定回数のn回に達していなければタッチパネルへ送風させる(S207)。このとき、タッチパネルをON状態にしている要因である塵埃等を吹き飛ばし除去できる。送風毎にタッチパネルのON/OFF状態を判断し(S205)、送風回数がn回に達する前にタッチパネルがOFFになれば、また顧客有無の判断をする(S202)。タッチパネルがON状態を継続したまま送風回数がn回に達したならば、タッチパネルON要因除去不可としてエラーとする(S208)。
【0016】
このように、顧客がいないときにタッチパネルへの送風を行い、タッチパネル上の塵埃等を吹き飛ばすことで、塵埃等の存在のために起こっていたタッチパネルエラーや複数検出による入力不能あるいは誤入力といった障害を削除できる。
尚、本実施例は送風回数n回でタッチパネルON要因除去不可エラーとしたが、送風は回数でなく時間で設定してもよい。
また、実施例1と実施例2を組み合わせることも可能である。
【0017】
本発明は、上記実施例に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記2つの実施例は取引終了後即座に顧客有無の判断をしているが、取引終了後一定時間経過後に顧客有無の判断をしてもよい。
また、自動取引装置は情報端末(情報の入出力を行う装置)も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1のシステム構成図。
【図2】実施例1のシステムブロック図。
【図3】実施例1のフローチャート。
【図4】実施例2のシステム構成図
【図5】実施例2のシステムブロック図。
【図6】実施例2のフローチャート。
【符号の説明】
【0019】
1 自動取引装置
1a 自動取引装置の制御部
2 タッチパネル
3 顧客検知センサ
4 振動発生手段
5 送風手段
5a FAN
5b 送風ダクト
5c 送風口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部上にタッチパネルを配した自動取引装置において、
前記タッチパネルを振動させる振動発生手段と、顧客有無を監視する顧客検知センサとを備え、顧客がいない状態においてタッチパネルを振動させることにより、タッチパネル操作面上の塵埃等を除去することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
表示部上にタッチパネルを配した自動取引装置において、
前記タッチパネルの操作面に空気を送り出す送風手段と、顧客有無を監視する顧客検知センサとを備え、顧客がいない状態においてタッチパネルの操作面に空気を送り出すことにより、タッチパネル操作面上の塵埃等を除去することを特徴とする自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−113871(P2006−113871A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301498(P2004−301498)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】