自動取引装置
【課題】既存のシステムを使用し、住所変更の利用者にとって、操作使い勝手の良好で、個人情報の保護を重視した自動取引装置の提供を実現する。
【解決手段】自動取引装置とホストコンピューターを含む自動取引システムにおいて、自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の指示に従って、表示部に連絡先入力を促す画面を表示し、入力部から入力された連絡先を記憶する。連絡先の入力は、必須とし、次処理に移行しない。入力された連絡先は、ホストコンピューターに送信し記憶する。ホストコンピュータに送信後、自動取引装置に記憶された連絡先は消去する。ホストコンピューターに記憶された連絡先により、後日、連絡をとり住所変更をする仕組みとする。連絡先を通知するホストコンピューターへの仕組みは、既存の仕組みを使用する。
【解決手段】自動取引装置とホストコンピューターを含む自動取引システムにおいて、自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の指示に従って、表示部に連絡先入力を促す画面を表示し、入力部から入力された連絡先を記憶する。連絡先の入力は、必須とし、次処理に移行しない。入力された連絡先は、ホストコンピューターに送信し記憶する。ホストコンピュータに送信後、自動取引装置に記憶された連絡先は消去する。ホストコンピューターに記憶された連絡先により、後日、連絡をとり住所変更をする仕組みとする。連絡先を通知するホストコンピューターへの仕組みは、既存の仕組みを使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便局、銀行等の金融機関で種々の取引が可能な自動取引装置及び、そのホストコンピュータにおいて、ホストコンピュータで管理している利用者住所データの変更が必要な使用者に対して、通常の取引時に使用者の住所変更を確実に実施することができるようにした自動取引装置及び、そのホストコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関を取引利用する利用者が住所変更等を行う場合は、口座を開設している金融機関の窓口、メールオーダシステム又は電話で手続きを行っている。
【0003】
さらに、金融機関の窓口業務の効率化が進み、金融機関などの自動取引装置から郵便番号の入力や住所の選択により、住所変更を可能としている金融機関がある。
【0004】
自動取引装置とホストコンピューターを用いて住所変更を行なう提案がされている(特許文献1参照)。
【0005】
この住所変更の方式は、利用者が自動取引装置により他の取引を行った場合に、住所変更を必要とする利用者に対してはホストコンピューターより、住所変更手続き処理を促し、当該他の取引の連続処理として住所変更手続き処理を行なえるようにした方式である。
【0006】
また、自動取引装置とホストコンピューターを用いてセールス商品の案内と連絡先入力が提案されている(特許文献2参照)。営業店窓口に利用者が来なくても、自動取引装置により商品の案内が可能で利用者がどの商品を希望しているか知ることができる。媒体を持っていない利用者には、連絡先データを入力し、選択したセールス商品データと一緒にホストコンピューターに送信し、ホストコンピューターではこれらのデータを登録する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−312829号公報
【特許文献2】特開平8−115374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例によれば、自動取引装置から住所変更を行なう場合、ホストコンピューター側開発の発生や住所データベースの検索など大規模な投資になっている。さらに特許文献1のように住所入力作業で手間が掛かる事を理由に、住所入力をしないで取引のみを行い終了する利用者が多くおり課題が生じる。
【0009】
例えば、住所の入力は、郵便番号の入力や都道府県/町名選択など入力が多岐であり、住所データベースの検索など機能が複雑である。例えば、住所変更が必要な顧客に対して、住所変更を実施するかどうかの選択をし変更を希望しない利用者には住所変更が行なえない仕組みである。例えば、入力された住所をホストに通知する場合、自動取引装置とホストコンピューターの間で新しいインターフェースを作成し、自動取引装置で入力された住所データを送信して、ホストコンピューターで住所データの更新と登録するシステムになっている。
【0010】
本発明の目的は、既存のシステムを使用し、住所変更の利用者にとって、操作使い勝手の良好で、個人情報の保護を重視した自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明は、種々の画面を表示し、当該画面の特定項目への入力を検知する操作手段と、カード情報の読み書きおよび明細票への印字を行うカード・明細票機構手段と通帳情報の読み書きおよび印字を行う通帳機構手段を有し、紙幣硬貨の入出金を自動的に取引する自動取引装置において、自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の判断に従って、表示部に連絡先の入力を促す画面を表示し、かつ入力部から入力された新しい連絡先データを受け入れる。ホストコンピューターは、自動取引装置から入力された連絡先データを送信され記憶するように構成したことにある。
【0012】
上述のような構成としたので、住所変更の入力は全取引を対象とするが、暗証番号を入力する取引へ限定することも可能とする。
【0013】
さらに、前記連絡先の入力は、ホストコンピューターからの住所変更の指示がある場合、連絡先入力を必須とし、入力処理を終了しないと次処理へ移項しないことを特徴とする自動取引装置であるように構成したことにある。
【0014】
上述のような構成としたので、連絡先入力は、連絡先を入力しないと処理を終了しないが、連絡先の入力を待つ時間は設定可能とする。連絡先の入力を待つ時間に入力がなければ次処理に進むことも可能とする。
【0015】
さらには、前記自動取引装置へ入力された連絡先をホストコンピューターへの送信する手段は、連絡先データを含む既存の手段を変更せずに共用することが目的の自動取引装置を含む自動取引システムのように構成したことにある。
【0016】
上述のような構成としたので、ホストコンピューターへの連絡先データを送信する手段は、新しいインターフェースを作成せずに、既存のインターフェースを使用する。
【0017】
さらには、前記入力された連絡先データは、ホストコンピューターへ送信後、消去することを特徴とする自動取引装置のように構成したことである。
【0018】
上述のような構成としたので、連絡先データは個人情報でありホストコンピュータへ送信後消去する。
【0019】
さらには、前記連絡先は、電話番号を入力することを特徴とする自動取引装置を用いたように構成したことにある。
【0020】
上述のような構成としたので、電話番号入力時の案内に日中に連絡可能な等の説明を表示することが望ましい。
【0021】
ここでは、連絡先を電話番号とする構成としたが、例えば、郵便番号、メールアドレスを入力することも可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、既存のシステムを使用し、住所変更の利用者にとって、操作使
い勝手の良好で、個人情報の保護を重視した自動取引装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】現金自動取引装置とホストコンピュータとの概要図。
【図2】現金自動取引装置とホストコンピュータの内部構成図。
【図3】現金自動取引装置における住所変更処理を示すフロー図。
【図4A】現金自動取引装置における取引案内画面(取引選択)のイメージ図。
【図4B】現金自動取引装置における取引案内画面(カード挿入)のイメージ図。
【図4C】現金自動取引装置における取引案内画面(暗証番号入力)のイメージ図。
【図4D】現金自動取引装置における取引案内画面(金額入力)のイメージ図。
【図4E】現金自動取引装置における取引案内画面(金額確認)のイメージ図。
【図4F】現金自動取引装置における取引案内画面(センタ送受信)のイメージ図。
【図4G】現金自動取引装置における取引案内画面(連絡先入力)のイメージ図。
【図4H】現金自動取引装置における取引案内画面(カード明細票現金放出)のイメージ図。
【図4I】現金自動取引装置における取引案内画面(取引終了)のイメージ図。
【図5】口座情報ファイル16の構成例を示す図。
【図6】連絡先ファイル17の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1から図6を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatated Tellers Machine)のような自動取引装置に関する。
【0025】
先ず、図1は本実施形態に係る自動取引装置1と通信網を介して接続されたシステムとの接続図であり、図2は自動取引装置とホストコンピュータの内部構成図である。本接続図および内部構成図を用いて、概略構造を説明する。
【0026】
自動取引装置(以下ATMとする)1は、金融機関等に設置され、顧客の操作によって現金の入金や出金等の取引を行う自動取引装置であり、回線接続部8によりホストコンピュータ11の回線接続部12に接続されている。ATMは利用者の要求する種々の取引を自動的に実行する装置であり、操作部3、カード/明細票機構部4、通帳機構部5、紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7、音声案内ガイダンス部9、静脈認証機構部10、そしてこれら各部を制御する制御部2などで構成されている。制御部は、CPU,メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成とから成り、各種処理、取引を制御する。
【0027】
以下に各部位の説明を行う。操作部3は画面表示、キー入力検知機能をもっており、主にATMの利用者が取引を行う際、取引操作の誘導画面を表示したり、暗証番号など利用者の操作や指で押されたキー入力を受付ける部分である。尚、操作部3はタッチパネル等により構成された入力兼表示部(入力表示部ともいう)が望ましく、様々な情報を表示画面に表示し、この表示画面に含まれる色々な項目への押下ももちろん検知する。
【0028】
カード機構部4は、利用者のカードの挿入又は排出動作、カードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作、カードエンボス部分のイメージの読取り機能などを有する。また取引した内容を印字部により明細票に印字し、装置内から排出する明細票機構部4を有する。
【0029】
通帳機構部5は利用者の通帳の挿入/排出動作、磁気ストライプのリード/ライト動作、通帳への印字部による印字機能などを有する。
【0030】
紙幣入出金機構部6と硬貨入出金機構部7は、現金の入金や出金機能、現金の鑑別や搬送、収納機能を有する。
【0031】
静脈認証機構部10は、利用者の静脈読取機能、ICカードに登録されている静脈データと読み取った静脈データとの認証機能を有する。そして、上述のように、これらの各部位は制御部2によってその処理が制御される。
【0032】
一方、ATM1と接続するホストコンピュータ(以下ホスト)11はATM1の回線制御部8と接続し、ATM1とのデータの送信または受信を行う回線接続部12を介して接続され、ファイル部14の内部に設けた利用者の口座情報などを記憶する口座情報ファイル16および住所変更が必要な利用者が入力した連絡先と利用者の口座情報を記憶する連絡先ファイル17を制御する口座情報ファイル制御部13と、これらを制御するホストコンピュータ制御部15とを有する。この口座情報ファイル16、図5には顧客情報の他に利用者の住所変更必要/不要が記憶されており、ATM1より受信するデータに含まれる口座情報元にホスト11が比較してその結果をATM1に送信する。これによりATM1に住所変更の必要/不要が判断される。
【0033】
次に利用者がカードを用いて、ATM1で取引する場合の取引フローを図3、図4を用いて説明する。図3はカードを利用したATM1での住所変更取引処理フローの一例を示す。また、図4はATM1での取引操作時の取引案内画面のイメージ図を示す。まず、ATM1の操作部3に設けた取引操作の誘導画面の取引選択は顧客が取引を開始するための各種取引項目の開始ボタンが表示されている。例えば、「お振替」「通帳記入」「キャッシング」「各種取引」「お引き出し」「お預入れ」「お振込み」「残高照会」など、ATM1にて取引可能な各種取引項目が表示されている(S300)。
【0034】
次に利用者は、前記取引項目の中から「お引き出し」を選択(選択ボタン押下)すると、その選択を操作部3が検知することで選択された取引を開始する。住所変更が可能な取引は、全ての取引でも可能であるが「お引き出し」「残高照会」などの暗証番号を入力する取引が望ましい。また、カードを使用した取引など取引を限定することも可能とする(S301)。
【0035】
続いて、操作部3は操作案内画面にカード挿入を促すカード挿入案内画面を表示し、カード機構部4は利用者の挿入する磁気カード或いはICカードを受付けるカード挿入待ち状態で待機する(S302)。次に利用者が自分の保有する前記カードを前記カード機構部4のカード挿入口(図示無し)に挿入すると、カード機構部4では挿入されたカードに磁気ストライプの情報を読み取る。続いて、操作部3は操作案内画面に暗証番号入力を促す暗証番号入力画面を表示し、利用者が、暗証番号を操作案内画面のテンキーから入力する(S303)。続いて、操作部3は操作案内画面に金額入力を促す金額入力画面を表示し、利用者が、金額を操作案内のテンキーから入力する。その入力を操作部3が検知する(S304)。続いて、操作部3は操作案内画面に金額確認を促す金額確認画面を表示し、利用者が、金額確認を操作案内画面の確認キーから入力する。その入力を操作部3が検知する(S305)。次に、ATM1は利用者が入力した情報及びカード又は通帳の情報を元に取引要求のためのデータを編集し、ホストコンピューター11と交信を行う。ホストコンピューター11は、ATM1から送信された、暗証番号とカード又は通帳の情報を元にホストコンピューター制御部15及び口座情報ファイル制御部13は、住所変更が必要か不要かを判断する。住所変更が必要な場合は、口座情報ファイル制御部13が住所変更案内回数1007を更新し、案内を実施したことを記憶する。操作部3は、センター送受信中画面を表示する(S306)。次にATM1はホストコンピューター11から住所変更が必要又は不要の指示を受信する。この指示の内容に従って住所変更を実行する。又は住所変更を実行しない(S307)。
【0036】
ホストコンピューター11から住所変更の指示が不要の場合、明細票機構部4は、取引結果を明細票に印字し、カード/明細票機構部4は、挿入されたカードと印字した明細票を利用者に返却し、次に紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7は、現金を放出する(S320)。操作部3は、取引終了画面を表示し取引を終了する(S321)。
【0037】
ホストコンピューター11から住所変更の指示が必要の場合、操作部3は、連絡先入力画面(図4)を表示し、利用者に連絡先の入力を促す。利用者が連絡先を入力しない場合は、入力を無限に待つことを基本とする。入力のタイマー値を設定することも可能とする。入力を促す画面表示には、処理を取消すボタンは表示しない。連絡先を入力がないと次処理へ移行しない。利用者が連絡先を入力すると、その入力を操作部3が検知する(S308)、制御部2は、連絡先を記憶する(S311)。次に、明細票機構部4は、取引結果を明細票に印字し、カード/明細票機構部4は、挿入されたカードと印字した明細票を利用者に返却し、次に紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7は、現金を放出する(S310)。次にATM1は、利用者が入力された連絡先を元に通知電文のためのデータを編集し、ホストコンピューター11と交信を行う。
【0038】
ホストコンピューターへの通知電文は、新しく作成せず、連絡先データが含まれた既存の通知電文を使用する。
【0039】
ホストコンピューター11は、ATM1から送信された連絡先をホストコンピューター制御部15及び口座情報ファイル制御部13が連絡先ファイル17、図6にはカード又は通帳の口座情報と共に連絡先を記憶する(S311)。次に、制御部2は、記憶していた連絡先を消去する。又は連絡先をホストコンピューター11交信までに取引が途中で中断した場合や連絡先をホストコンピューター11交信中に異常が発生した場合、待機中に戻る前に連絡先を消去する。(S312)操作部3は、取引終了画面を表示し取引を終了する(S313)。
【0040】
連絡先ファイル17の連絡先と口座情報により、住所変更が必要な使用者にたいして、後日、連絡をとることにより、住所変更を可能とする。
【0041】
今回例は、カードを使用したお引き出しの取引を示したが、他の取引でも住所変更のフローは、連絡先入力(S308)、連絡先記憶処理(S309)、媒体放出処理(S310)、連絡先送信処理(S311)、連絡先消去(S312)の同様の処理順序で可能である。また、住所変更のフローは、連絡先入力(S308)、連絡先記憶処理(S309)、連絡先送信処理(S311)、連絡先消去(S312)、媒体放出処理(S310)と媒体放出の順序を最後にすることも可能である。
【0042】
ここでは、連絡先を電話番号入力で行なう構成としたが、例えば、連絡先は、メールアドレス入力や郵便番号入力でも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…現金自動取引装置、2…制御部、3…操作部(入力兼表示部)、4…カード機構部・明細票機構部、5…通帳機構部、6…紙幣入出金機構部、7…硬貨入出金機構部、8…回線接続部(現金自動取引装置側)、9…音声案内ガイダンス部、10…静脈認証機構部、11…ホストコンピュータ、12…回線接続部(ホストコンピュータ側)、13…口座情報ファイル制御部、14…ファイル部、15…ホストコンピュータ制御部、16…口座情報ファイル、17…連絡先ファイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便局、銀行等の金融機関で種々の取引が可能な自動取引装置及び、そのホストコンピュータにおいて、ホストコンピュータで管理している利用者住所データの変更が必要な使用者に対して、通常の取引時に使用者の住所変更を確実に実施することができるようにした自動取引装置及び、そのホストコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関を取引利用する利用者が住所変更等を行う場合は、口座を開設している金融機関の窓口、メールオーダシステム又は電話で手続きを行っている。
【0003】
さらに、金融機関の窓口業務の効率化が進み、金融機関などの自動取引装置から郵便番号の入力や住所の選択により、住所変更を可能としている金融機関がある。
【0004】
自動取引装置とホストコンピューターを用いて住所変更を行なう提案がされている(特許文献1参照)。
【0005】
この住所変更の方式は、利用者が自動取引装置により他の取引を行った場合に、住所変更を必要とする利用者に対してはホストコンピューターより、住所変更手続き処理を促し、当該他の取引の連続処理として住所変更手続き処理を行なえるようにした方式である。
【0006】
また、自動取引装置とホストコンピューターを用いてセールス商品の案内と連絡先入力が提案されている(特許文献2参照)。営業店窓口に利用者が来なくても、自動取引装置により商品の案内が可能で利用者がどの商品を希望しているか知ることができる。媒体を持っていない利用者には、連絡先データを入力し、選択したセールス商品データと一緒にホストコンピューターに送信し、ホストコンピューターではこれらのデータを登録する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−312829号公報
【特許文献2】特開平8−115374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例によれば、自動取引装置から住所変更を行なう場合、ホストコンピューター側開発の発生や住所データベースの検索など大規模な投資になっている。さらに特許文献1のように住所入力作業で手間が掛かる事を理由に、住所入力をしないで取引のみを行い終了する利用者が多くおり課題が生じる。
【0009】
例えば、住所の入力は、郵便番号の入力や都道府県/町名選択など入力が多岐であり、住所データベースの検索など機能が複雑である。例えば、住所変更が必要な顧客に対して、住所変更を実施するかどうかの選択をし変更を希望しない利用者には住所変更が行なえない仕組みである。例えば、入力された住所をホストに通知する場合、自動取引装置とホストコンピューターの間で新しいインターフェースを作成し、自動取引装置で入力された住所データを送信して、ホストコンピューターで住所データの更新と登録するシステムになっている。
【0010】
本発明の目的は、既存のシステムを使用し、住所変更の利用者にとって、操作使い勝手の良好で、個人情報の保護を重視した自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明は、種々の画面を表示し、当該画面の特定項目への入力を検知する操作手段と、カード情報の読み書きおよび明細票への印字を行うカード・明細票機構手段と通帳情報の読み書きおよび印字を行う通帳機構手段を有し、紙幣硬貨の入出金を自動的に取引する自動取引装置において、自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の判断に従って、表示部に連絡先の入力を促す画面を表示し、かつ入力部から入力された新しい連絡先データを受け入れる。ホストコンピューターは、自動取引装置から入力された連絡先データを送信され記憶するように構成したことにある。
【0012】
上述のような構成としたので、住所変更の入力は全取引を対象とするが、暗証番号を入力する取引へ限定することも可能とする。
【0013】
さらに、前記連絡先の入力は、ホストコンピューターからの住所変更の指示がある場合、連絡先入力を必須とし、入力処理を終了しないと次処理へ移項しないことを特徴とする自動取引装置であるように構成したことにある。
【0014】
上述のような構成としたので、連絡先入力は、連絡先を入力しないと処理を終了しないが、連絡先の入力を待つ時間は設定可能とする。連絡先の入力を待つ時間に入力がなければ次処理に進むことも可能とする。
【0015】
さらには、前記自動取引装置へ入力された連絡先をホストコンピューターへの送信する手段は、連絡先データを含む既存の手段を変更せずに共用することが目的の自動取引装置を含む自動取引システムのように構成したことにある。
【0016】
上述のような構成としたので、ホストコンピューターへの連絡先データを送信する手段は、新しいインターフェースを作成せずに、既存のインターフェースを使用する。
【0017】
さらには、前記入力された連絡先データは、ホストコンピューターへ送信後、消去することを特徴とする自動取引装置のように構成したことである。
【0018】
上述のような構成としたので、連絡先データは個人情報でありホストコンピュータへ送信後消去する。
【0019】
さらには、前記連絡先は、電話番号を入力することを特徴とする自動取引装置を用いたように構成したことにある。
【0020】
上述のような構成としたので、電話番号入力時の案内に日中に連絡可能な等の説明を表示することが望ましい。
【0021】
ここでは、連絡先を電話番号とする構成としたが、例えば、郵便番号、メールアドレスを入力することも可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、既存のシステムを使用し、住所変更の利用者にとって、操作使
い勝手の良好で、個人情報の保護を重視した自動取引装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】現金自動取引装置とホストコンピュータとの概要図。
【図2】現金自動取引装置とホストコンピュータの内部構成図。
【図3】現金自動取引装置における住所変更処理を示すフロー図。
【図4A】現金自動取引装置における取引案内画面(取引選択)のイメージ図。
【図4B】現金自動取引装置における取引案内画面(カード挿入)のイメージ図。
【図4C】現金自動取引装置における取引案内画面(暗証番号入力)のイメージ図。
【図4D】現金自動取引装置における取引案内画面(金額入力)のイメージ図。
【図4E】現金自動取引装置における取引案内画面(金額確認)のイメージ図。
【図4F】現金自動取引装置における取引案内画面(センタ送受信)のイメージ図。
【図4G】現金自動取引装置における取引案内画面(連絡先入力)のイメージ図。
【図4H】現金自動取引装置における取引案内画面(カード明細票現金放出)のイメージ図。
【図4I】現金自動取引装置における取引案内画面(取引終了)のイメージ図。
【図5】口座情報ファイル16の構成例を示す図。
【図6】連絡先ファイル17の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1から図6を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatated Tellers Machine)のような自動取引装置に関する。
【0025】
先ず、図1は本実施形態に係る自動取引装置1と通信網を介して接続されたシステムとの接続図であり、図2は自動取引装置とホストコンピュータの内部構成図である。本接続図および内部構成図を用いて、概略構造を説明する。
【0026】
自動取引装置(以下ATMとする)1は、金融機関等に設置され、顧客の操作によって現金の入金や出金等の取引を行う自動取引装置であり、回線接続部8によりホストコンピュータ11の回線接続部12に接続されている。ATMは利用者の要求する種々の取引を自動的に実行する装置であり、操作部3、カード/明細票機構部4、通帳機構部5、紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7、音声案内ガイダンス部9、静脈認証機構部10、そしてこれら各部を制御する制御部2などで構成されている。制御部は、CPU,メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成とから成り、各種処理、取引を制御する。
【0027】
以下に各部位の説明を行う。操作部3は画面表示、キー入力検知機能をもっており、主にATMの利用者が取引を行う際、取引操作の誘導画面を表示したり、暗証番号など利用者の操作や指で押されたキー入力を受付ける部分である。尚、操作部3はタッチパネル等により構成された入力兼表示部(入力表示部ともいう)が望ましく、様々な情報を表示画面に表示し、この表示画面に含まれる色々な項目への押下ももちろん検知する。
【0028】
カード機構部4は、利用者のカードの挿入又は排出動作、カードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作、カードエンボス部分のイメージの読取り機能などを有する。また取引した内容を印字部により明細票に印字し、装置内から排出する明細票機構部4を有する。
【0029】
通帳機構部5は利用者の通帳の挿入/排出動作、磁気ストライプのリード/ライト動作、通帳への印字部による印字機能などを有する。
【0030】
紙幣入出金機構部6と硬貨入出金機構部7は、現金の入金や出金機能、現金の鑑別や搬送、収納機能を有する。
【0031】
静脈認証機構部10は、利用者の静脈読取機能、ICカードに登録されている静脈データと読み取った静脈データとの認証機能を有する。そして、上述のように、これらの各部位は制御部2によってその処理が制御される。
【0032】
一方、ATM1と接続するホストコンピュータ(以下ホスト)11はATM1の回線制御部8と接続し、ATM1とのデータの送信または受信を行う回線接続部12を介して接続され、ファイル部14の内部に設けた利用者の口座情報などを記憶する口座情報ファイル16および住所変更が必要な利用者が入力した連絡先と利用者の口座情報を記憶する連絡先ファイル17を制御する口座情報ファイル制御部13と、これらを制御するホストコンピュータ制御部15とを有する。この口座情報ファイル16、図5には顧客情報の他に利用者の住所変更必要/不要が記憶されており、ATM1より受信するデータに含まれる口座情報元にホスト11が比較してその結果をATM1に送信する。これによりATM1に住所変更の必要/不要が判断される。
【0033】
次に利用者がカードを用いて、ATM1で取引する場合の取引フローを図3、図4を用いて説明する。図3はカードを利用したATM1での住所変更取引処理フローの一例を示す。また、図4はATM1での取引操作時の取引案内画面のイメージ図を示す。まず、ATM1の操作部3に設けた取引操作の誘導画面の取引選択は顧客が取引を開始するための各種取引項目の開始ボタンが表示されている。例えば、「お振替」「通帳記入」「キャッシング」「各種取引」「お引き出し」「お預入れ」「お振込み」「残高照会」など、ATM1にて取引可能な各種取引項目が表示されている(S300)。
【0034】
次に利用者は、前記取引項目の中から「お引き出し」を選択(選択ボタン押下)すると、その選択を操作部3が検知することで選択された取引を開始する。住所変更が可能な取引は、全ての取引でも可能であるが「お引き出し」「残高照会」などの暗証番号を入力する取引が望ましい。また、カードを使用した取引など取引を限定することも可能とする(S301)。
【0035】
続いて、操作部3は操作案内画面にカード挿入を促すカード挿入案内画面を表示し、カード機構部4は利用者の挿入する磁気カード或いはICカードを受付けるカード挿入待ち状態で待機する(S302)。次に利用者が自分の保有する前記カードを前記カード機構部4のカード挿入口(図示無し)に挿入すると、カード機構部4では挿入されたカードに磁気ストライプの情報を読み取る。続いて、操作部3は操作案内画面に暗証番号入力を促す暗証番号入力画面を表示し、利用者が、暗証番号を操作案内画面のテンキーから入力する(S303)。続いて、操作部3は操作案内画面に金額入力を促す金額入力画面を表示し、利用者が、金額を操作案内のテンキーから入力する。その入力を操作部3が検知する(S304)。続いて、操作部3は操作案内画面に金額確認を促す金額確認画面を表示し、利用者が、金額確認を操作案内画面の確認キーから入力する。その入力を操作部3が検知する(S305)。次に、ATM1は利用者が入力した情報及びカード又は通帳の情報を元に取引要求のためのデータを編集し、ホストコンピューター11と交信を行う。ホストコンピューター11は、ATM1から送信された、暗証番号とカード又は通帳の情報を元にホストコンピューター制御部15及び口座情報ファイル制御部13は、住所変更が必要か不要かを判断する。住所変更が必要な場合は、口座情報ファイル制御部13が住所変更案内回数1007を更新し、案内を実施したことを記憶する。操作部3は、センター送受信中画面を表示する(S306)。次にATM1はホストコンピューター11から住所変更が必要又は不要の指示を受信する。この指示の内容に従って住所変更を実行する。又は住所変更を実行しない(S307)。
【0036】
ホストコンピューター11から住所変更の指示が不要の場合、明細票機構部4は、取引結果を明細票に印字し、カード/明細票機構部4は、挿入されたカードと印字した明細票を利用者に返却し、次に紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7は、現金を放出する(S320)。操作部3は、取引終了画面を表示し取引を終了する(S321)。
【0037】
ホストコンピューター11から住所変更の指示が必要の場合、操作部3は、連絡先入力画面(図4)を表示し、利用者に連絡先の入力を促す。利用者が連絡先を入力しない場合は、入力を無限に待つことを基本とする。入力のタイマー値を設定することも可能とする。入力を促す画面表示には、処理を取消すボタンは表示しない。連絡先を入力がないと次処理へ移行しない。利用者が連絡先を入力すると、その入力を操作部3が検知する(S308)、制御部2は、連絡先を記憶する(S311)。次に、明細票機構部4は、取引結果を明細票に印字し、カード/明細票機構部4は、挿入されたカードと印字した明細票を利用者に返却し、次に紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7は、現金を放出する(S310)。次にATM1は、利用者が入力された連絡先を元に通知電文のためのデータを編集し、ホストコンピューター11と交信を行う。
【0038】
ホストコンピューターへの通知電文は、新しく作成せず、連絡先データが含まれた既存の通知電文を使用する。
【0039】
ホストコンピューター11は、ATM1から送信された連絡先をホストコンピューター制御部15及び口座情報ファイル制御部13が連絡先ファイル17、図6にはカード又は通帳の口座情報と共に連絡先を記憶する(S311)。次に、制御部2は、記憶していた連絡先を消去する。又は連絡先をホストコンピューター11交信までに取引が途中で中断した場合や連絡先をホストコンピューター11交信中に異常が発生した場合、待機中に戻る前に連絡先を消去する。(S312)操作部3は、取引終了画面を表示し取引を終了する(S313)。
【0040】
連絡先ファイル17の連絡先と口座情報により、住所変更が必要な使用者にたいして、後日、連絡をとることにより、住所変更を可能とする。
【0041】
今回例は、カードを使用したお引き出しの取引を示したが、他の取引でも住所変更のフローは、連絡先入力(S308)、連絡先記憶処理(S309)、媒体放出処理(S310)、連絡先送信処理(S311)、連絡先消去(S312)の同様の処理順序で可能である。また、住所変更のフローは、連絡先入力(S308)、連絡先記憶処理(S309)、連絡先送信処理(S311)、連絡先消去(S312)、媒体放出処理(S310)と媒体放出の順序を最後にすることも可能である。
【0042】
ここでは、連絡先を電話番号入力で行なう構成としたが、例えば、連絡先は、メールアドレス入力や郵便番号入力でも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…現金自動取引装置、2…制御部、3…操作部(入力兼表示部)、4…カード機構部・明細票機構部、5…通帳機構部、6…紙幣入出金機構部、7…硬貨入出金機構部、8…回線接続部(現金自動取引装置側)、9…音声案内ガイダンス部、10…静脈認証機構部、11…ホストコンピュータ、12…回線接続部(ホストコンピュータ側)、13…口座情報ファイル制御部、14…ファイル部、15…ホストコンピュータ制御部、16…口座情報ファイル、17…連絡先ファイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の画面を表示し当該画面の特定項目への入力を検知する操作手段と、カード情報の読み書きおよび明細票への印字を行うカード・明細票機構手段と、通帳情報の読み書きおよび印字を行う通帳機構手段とを有し、金融機関の取引を行う自動取引装置において、
前記自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の判断に従って、表示部に連絡先の入力を促す画面を表示し、入力部から入力された新しい連絡先データをホストコンピューターへ送信することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記連絡先の入力は、ホストコンピューターからの住所変更の指示がある場合、連絡先入力を必須とし、入力処理を終了しないと次処理へ移項しないことを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動取引装置であって、
前記入力された連絡先データは、ホストコンピューターへ送信後、消去することを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の自動取引装置であって、
前記連絡先として電話番号を入力することを特徴とする自動取引装置。
【請求項1】
種々の画面を表示し当該画面の特定項目への入力を検知する操作手段と、カード情報の読み書きおよび明細票への印字を行うカード・明細票機構手段と、通帳情報の読み書きおよび印字を行う通帳機構手段とを有し、金融機関の取引を行う自動取引装置において、
前記自動取引装置は、ホストコンピューターからの住所変更の判断に従って、表示部に連絡先の入力を促す画面を表示し、入力部から入力された新しい連絡先データをホストコンピューターへ送信することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記連絡先の入力は、ホストコンピューターからの住所変更の指示がある場合、連絡先入力を必須とし、入力処理を終了しないと次処理へ移項しないことを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動取引装置であって、
前記入力された連絡先データは、ホストコンピューターへ送信後、消去することを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の自動取引装置であって、
前記連絡先として電話番号を入力することを特徴とする自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−113454(P2012−113454A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260760(P2010−260760)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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