自動折り畳み式トラックコンテナー

【目的】小型貨物でも大量の場合には個別に荷物を固定する必要のない大型トラックを提供することを目的とする。
【構成】トラックの荷台１の前端及び後端に車幅一杯に設けたガイドポスト２と、この前後のガイドポスト間の幅一杯に設け、かつ蝶番で折り畳み式に構成して上部側板３ｂと下部側板３ａに２分割された側板３と、ガイドポスト内で上部側板の上端を吊り上げる吊り上げ機構と、吊り上げられた側板３が内側に倒れることを防止するロック機構とよりなるものである。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】
本考案は大型トラックの荷台構造に関し、小型貨物も特別な梱包せずに積載することが出来る大型トラックに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、トラック輸送の場合に荷物が荷台に固定し難い場合には、パレット等の容器に入れて積み、この容器を荷台に固定していた。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
上述のように、容器の固定や固定解除に多くの時間が掛り、不経済であるばかりでなく、特別なコンテナーが必要であるので、小型貨物の場合は殆ど専用の小型トラックが使用されており、トラックの回転効率が悪化する原因となっていた。
【０００４】
本考案は上述の問題を解決し、小型貨物でも大量の場合には個別に荷物を固定する必要のない大型トラックを提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を達成するために、貨物自動車（トラック）の荷台１の前端及び後端に前後方向に垂直に車幅一杯に設けたガイドポスト２と、この前後のガイドポスト２間の幅一杯に設け、かつ折り畳み式に構成して上下に２分割された側板３と、ガイドポスト２内で側板３の上端を吊り上げる吊り上げ機構４と、同じくガイドポスト２内で吊り上げられた側板３が内側に倒れることを防止するロック機構５とよりなり、２分割された側板３の下部側板３ａは荷台１の両側にそれぞれ蝶番で荷台１の中央方向に倒設可能に保持し、上部側板３ｂは下部側板３ａの上端に外側に倒設可能に蝶番で保持されており、かつこの上部側板３ｂの上端でガイドポスト２内で上下動するガイドローラーに接して吊り上げ機構４のワイヤー４ａの先端が連結されており、この吊り上げ機構４は油圧シリンダー４ｃでワイヤー４ａを介して折り畳み式の側板３の上端を吊り上げて垂直平面状態又は折り畳んで水平の折り畳み状態に駆動し、ロック機構５は垂直平面状態に起立した側板を起立状態を保持するように油圧シリンダーにより駆動されるアーム５ａにより外側に押圧してロックする自動折り畳み式トラックコンテナーとしたものである。
【０００６】
【作用】
上述のように、吊り上げ機構４によって折り畳まれた側板３は吊り上げられて垂直の平面状の側板３となり、更にロック機構５でロックすることにより、完全なコンテナーを形成する。
【０００７】
又、ロックを外して吊り下げ機構４を緩めると側板３は折り畳まれた状態となり、この折り畳まれた側板３の上側に棒状の長尺荷物を積載することが出来る。
【０００８】
【実施例】
図１は本考案のコンテナーを設けたトラックの側面図（荷台の前側はコンテナー状、後側は側板を折り畳んだ状態）、図２は側板を折り畳んで長尺荷物を積載した状態の側面図、図３は側板の吊り上げ機構の構造図、図４はロック機構の構造図である。
【０００９】
トラックの荷台１の前端及び後端に前後方向に垂直に車幅一杯にガイドポスト２が設けられている。この前後のガイドポスト２の間の車長方向の幅一杯に設け、かつ折り畳み式に構成した上下に２分割された側板３が設けられている。下部側板３ａは荷台１の両側にそれぞれ蝶番で荷台１の中央方向に倒設可能に保持され、上部側板３ｂは下部側板３ａの上端に蝶番で外側に倒設可能に保持されている。この上部側板３ｂの上端にはガイドロールが設けられ、ガイドポスト２内のレールに沿って上下動出来るように構成されている。
【００１０】
前後のガイドポスト２内には側板３の上端（上部側板３ｂの上端）を吊り上げる吊り上げ機構４が設けられており、この吊り上げ機構４は上部側板３ｂの上端のガイドロールに接して接続されているワイヤー４ａと片側２個のガイドローラー４ｂで水平状態に案内され、水平に配置された油圧シリンダー４ｃに接続されて、シリンダー４ｃの油圧により側板３の上端を吊り上げ、又は折り畳み動作が出来るように構成されている。
【００１１】
又、前後のガイドポスト２内には、吊り上げられた側板３が内側に倒れることを防止するロック機構５が両側板３に対応して設けられている。このロック機構５は油圧シリンダーで回動するアーム５ａの先端が上部側板３ｂの内面（荷台側）に接触するように構成されており、側板３が吊り上げ機構４で吊り上げられて垂直平面状になった時に上部側板３ｂの蝶番付近を内側から外側へ押圧するように連動して動作することにより、側板３の垂直平面状態を強固に保持するように構成されている。
【００１２】
【考案の効果】
上述のように、１台の大型トラックの荷台を長尺物の積載に都合の良いオープン状態と、小物でも特別な容器に収容せずにバラの状態で積載出来るコンテナー状に容易に変換が可能である。
【００１３】
この変換は前後のガイドポスト内の油圧装置による吊り上げ機構及びロック機構により連動して行うことが可能であり、操作が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案のコンテナーを設けたトラックの側面図（荷台の前側はコンテナー状、後側は側板を折り畳んだ状態）である。
【図２】側板を折り畳んで長尺荷物を積載した状態の側面図である。
【図３】側板の吊り上げ機構の構造図である。
【図４】ロック機構の構造図である。
【符号の説明】
１荷台
２ガイドポスト
３側板
３ａ下部側板
３ｂ上部側板
４吊り上げ機構
４ａワイヤー
４ｂガイドローラー
４ｃ油圧シリンダー
５ロック機構
５ａアーム

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】貨物自動車（トラック）の荷台の前端及び後端に前後方向に垂直に車幅一杯に設けたガイドポストと、この前後のガイドポスト間の幅一杯に設け、かつ折り畳み式に構成して上下に２分割された側板と、前記ガイドポスト内で前記側板の上端を吊り上げる吊り上げ機構と、同じくガイドポスト内で吊り上げられた側板が内側に倒れることを防止するロック機構とよりなり、前記２分割された側板の下部側板は前記荷台の両側にそれぞれ蝶番で荷台の中央方向に倒設可能に保持し、上部側板は前記下部側板の上端に外側に倒設可能に蝶番で保持されており、かつこの上部側板の上端で前記ガイドポスト内で上下動するガイドローラーに接して前記吊り上げ機構のワイヤーの先端が連結されており、この吊り上げ機構は油圧シリンダーで前記ワイヤーを介して前記折り畳み式の側板を吊り上げて垂直平面状態又は折り畳んで水平の折り畳み状態に駆動し、前記ロック機構は前記垂直平面状態に起立した側板を起立状態を保持するように油圧シリンダーにより駆動されるアームにより外側に押圧してロックすることを特徴とする自動折り畳み式トラックコンテナー。

【図１】