説明

自動採点装置

【課題】 専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とせず、構成が簡単であって低コストにて実現が可能であり、しかも、文章や図形で解答する問題等であっても、補助的に人的な採点結果を読み込むことによって、答案を自動的に採点することが可能な自動採点装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 文章や図形等で解答する問題を含んだ答案用紙の画像を読み取って自動的に採点する自動採点装置において、画像読取装置によって読み取られ、文章や図形等で解答する問題を予め人手によって正否判定した正否判定情報が記入された答案用紙の画像から正否判定情報を識別する識別手段と、前記識別手段によって識別された正否判定情報に基づき、予め登録された配点情報から得点を算出する得点算出手段とを備えるように構成して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、答案用紙等の原稿をスキャナー等の画像読取装置によって読み取り、当該答案用紙を自動的に採点することが可能であり、必要に応じて、採点結果のデータベース化や採点結果を答案用紙上に印字出力することが可能な自動採点装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平7−199794号公報
【特許文献2】特開平11−224245号公報
【0003】
従来、上記答案用紙を採点するには、マークシート方式による自動採点や、特開平7−199794号公報に開示されているように、デジタル画像処理によって、記号やマークを認識し、正解と比較して採点するように構成したものがある。また、特開平11−224245号公報に開示されているように、専用パッドとペンを用いて、ペンの状態を検知して自動採点するように構成したものも既に提案されている。
【0004】
更に説明すると、上記特開平7−199794号公報に係る画像処理装置は、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取った画像情報を記憶する画像記憶手段と、該画像記憶手段に記憶された画像情報を用紙上に画像形成して出力する画像出力手段とを備えた画像処理装置において、前記画像読取手段によって読み取った原稿の画像情報から該原稿上の出題された問題を認識する問題認識手段、及び該画像情報からその出題された問題に対する解答の文字,記号又はマークを認識する解答認識手段と、前記問題認識手段によって認識した問題に対する正解及び配点の情報を入力するか予め記憶して保持する正解・配点情報保持手段と、前記解答認識手段が認識した解答と前記正解・配点情報保持手段が保持する正解とを各問題毎に比較して各解答の正否を判断し、その各判断結果と前記配点の情報とから点数を算出する採点手段と、該採点手段による採点結果を出力する採点結果出力手段とを設けるように構成したものである。
【0005】
また、上記特開平11−224245号公報に係る採点システムは、回答用紙の採点結果を入力する採点システムにおいて、回答した回答用紙上のペンの採点結果の入力を検出する手段と、上記検出された結果を上記回答用紙に対応づけた採点エントリ画面上の該当採点結果欄に入力する手段を実行する採点プログラムを本部システムから利用時にダウンロードしてバージョンを常に統一する手段とを備えるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記マークシート方式による自動採点や、特開平7−199794号公報に開示された画像処理装置の場合には、文章や図形で解答する問題のように、解答が文字や記号、又はマーク以外であると、解答認識手段によって認識することができず、採点不可能であるという問題点を有していた。
【0007】
また、上記特開平11−224245号公報に開示された採点システムの場合には、専用パッドとペンを用いて、ペンの状態を検知して自動採点するように構成したものであるため、専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とし、構成が複雑になるとともに、高価になるという問題点を有していた。
【0008】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とせず、構成が簡単であって低コストにて実現が可能であり、しかも、文章や図形で解答する問題等であっても、補助的に人的な採点結果を読み込むことによって、答案を自動的に採点することが可能な自動採点装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、文章や図形等で解答する問題を含んだ答案用紙の画像を読み取って自動的に採点する自動採点装置において、
画像読取装置によって読み取られ、文章や図形等で解答する問題を予め人手によって正否判定した正否判定情報が記入された答案用紙の画像から正否判定情報を識別する識別手段と、
前記識別手段によって識別された正否判定情報に基づき、予め登録された配点情報から得点を算出する得点算出手段とを備えたことを特徴とする自動採点装置である。
【0010】
また、請求項2に記載された発明は、前記正否判定情報が所定の枠からはみ出した状態で記入されている場合には、当該所定の枠内に記入された正否判定情報の面積比率に基づいて、前記正否判定情報がどの問題に対応するかを判別する判別手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置である。
【0011】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記答案用紙の画像のうち、自動採点が可能な解答は、当該答案用紙の自動採点可能な解答を自動的に認識する認識手段によって認識し、前記自動採点が可能な解答は、自動的に正否を判定する自動正否判定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動採点装置である。
【0012】
又、請求項4に記載された発明は、前記得点算出手段によって算出された得点の画像を、答案用紙に自動的に付加する画像付加手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置である。
【0013】
更に、請求項5に記載された発明は、前記得点算出手段によって算出された得点に基づいて、データベースを作成するデータベース作成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置である。
【0014】
また、請求項6に記載された発明は、前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動採点装置である。
【0015】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、前記自動正否判定手段による判定結果を付加するが、自動採点は行わないことを特徴とする請求項3に記載の自動採点装置である。
【0016】
又、請求項8に記載された発明は、前記画像付加手段は、不正解の問題に対して正解の画像を付加するか否かを選択可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の自動採点装置である。
【0017】
更に、請求項9に記載された発明は、前記画像付加手段は、少なくとも答案用紙に自動的に付加する得点の画像として、予め登録された採点者の手書きフォント情報を用いることを特徴とする請求項4に記載の自動採点装置である。
【0018】
また、請求項10に記載された発明は、前記画像付加手段は、予め登録された手書きフォント情報を、解答や得点欄の大きさに合わせて縮拡して付加することを特徴とする請求項9に記載の自動採点装置である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とせず、構成が簡単であって低コストにて実現が可能であり、しかも、文章や図形で解答する問題等であっても、補助的に人的な採点結果を読み込むことによって、答案を自動的に採点することが可能な自動採点装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用した画像処理システムを示すものである。
【0022】
この画像処理システム1は、図2に示すように、例えば、単独で設置された画像読取装置としてのスキャナー2と、画像出力装置としてのカラー複合機3と、データベースとしてのサーバー4と、答案用紙等の原稿などを作成する画像作成装置としてのパーソナルコンピュータ5と、これらスキャナー2やカラー複合機3、サーバー4、パーソナルコンピュータ5等を互いに通信可能に接続するLANや電話回線等からなるネットワーク6とを備えるように構成されている。なお、図中、7はスキャナー2とネットワーク6を通信可能に接続する通信モデムを示すものである。
【0023】
上記スキャナー2は、答案用紙8の画像を読み取って自動的に採点したり、データベース化する際に、当該答案用紙8の画像を読み取り、答案用紙8の画像データを出力するものである。このスキャナー2によって読み取られた答案用紙8の画像データは、例えば、ネットワーク6を介して、カラー複合機3に送られ、当該カラー複合機3の内部に設けられた画像処理装置によって、所定の画像処理が施された後、当該画像処理装置に付設された自動採点装置によって自動的に採点されるようになっている。なお、上記自動採点装置は、カラー複合機3に内蔵される以外に、パーソナルコンピュータ5に自動採点用のソフトウエアとしてインストールされ、当該パーソナルコンピュータ5自身が自動採点装置として機能するように構成されていても勿論良い。
【0024】
また、上記カラー複合機3は、それ自身で画像読取装置としてのスキャナー9を備えており、当該スキャナー9で読み取った文書の画像を複写したり、答案用紙8に採点結果を印字したり、パーソナルコンピュータ5から送られてきたり、サーバー4から読み出された画像データに基づいてプリントしたり、電話回線を介して画像データを送受信するファックスとして機能するものである。
【0025】
さらに、上記サーバー4は、答案用紙8の画像データなどをそのまま記憶したり、スキャナー2、9によって読み取られ、自動採点装置によって採点され、データベース化されたデータなどを記憶保持するものである。
【0026】
図3はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用した画像出力装置としてのカラー複合機を示すものである。
【0027】
図3において、10はカラー複合機の本体を示すものであり、このカラー複合機の上部には、答案用紙等の文書8を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)11と、当該自動原稿搬送装置11によって搬送される文書8の画像を読み取る画像入力装置(IIT)12を備えた画像読取装置としてのスキャナー9が配設されている。なお、上述したスキャナー2も、当該スキャナー9と同様に構成されている。上記画像入力装置12は、プラテンガラス15上に載置された文書8を光源16によって照明し、文書8からの反射光像を、フルレートミラー17及びハーフレートミラー18、19及び結像レンズ20からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子21上に走査露光して、この画像読取素子21によって文書8の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0028】
上記画像入力装置12によって読み取られた文書8の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の反射率データとして、カラー複合機本体10の内部に設けられた画像処理装置13(IPS)に送られ、この画像処理装置13では、文書8の画像データに対して、必要に応じて、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の処理を含め、後述するように所定の画像処理が施される。また、この画像処理装置13は、パーソナルコンピュータ5等から送られてくる画像データに対しても、必要に応じて、所定の画像処理を行なうようになっている。上記画像処理装置13には、本実施の形態に係る自動採点装置100が組み込まれている。
【0029】
そして、上記画像処理装置13で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置13によって、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック (K)(各8ビット)の4色の階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kに共通するROS(RaserOutputScanner)24に送られ、この画像露光装置としてのROS24では、所定の色の階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。なお、カラー画像に限らず、白黒の画像のみを形成しても勿論良い。
【0030】
ところで、上記カラー複合機3の内部には、図3に示すように、画像形成手段Aが配設されており、この画像形成手段Aには、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
【0031】
これらの4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kは、すべて同様に構成されており、大別して、所定の速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム25と、この感光体ドラム25の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール26と、当該感光体ドラム25の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置としてのROS24と、感光体ドラム25上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器27と、感光体ドラム25の表面を清掃するクリーニング装置28とから構成されている。これらの感光体ドラム25と周辺に配置される画像形成部材は、一体的にユニット化されており、カラー複合機本体10から個別に交換可能に構成されている。
【0032】
上記ROS24は、図3に示すように、4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、上記ROS24は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介してポリゴンミラー29に照射され、このポリゴンミラー29によって偏向走査される。上記ポリゴンミラー29によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、感光体ドラム25上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
【0033】
上記ROS24は、図3に示すように、下方から感光体ドラム25上に画像を走査露光するものであるため、このROS24には、上方に位置する4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの現像器27などからトナー等が落下して、汚損される虞れを有している。そのため、ROS24は、その周囲が直方体状のフレーム30によって密閉されているとともに、当該フレーム30の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの感光体ドラム25上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ31Y、31M、31C、31Kが設けられている。
【0034】
上記画像処理装置13からは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kに共通して設けられたROS24に、各色の画像データが順次出力され、このROS24から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム25の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム25上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック (K)の各色の現像器27Y、27M、27C、27Kによって、それぞれイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
【0035】
上記各画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの感光体ドラム25上に、順次形成されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの上方にわたって配置された転写ユニット32の中間転写ベルト35上に、4つの一次転写ロール36Y、36M、36C、36Kによって多重に転写される。これらの一次転写ロール36Y、36M、36C、36Kは、各画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの感光体ドラム25に対応した中間転写ベルト35の裏面側に配設されている。この実施の形態における一次転写ロール36Y、36M、36C、36Kの体積抵抗値は、105 〜108 Ωcmに抵抗調整されたものを使用している。そして、一次転写ロール36Y、36M、36C、36Kには、転写バイアス電源(図示しない)が接続されており、所定のトナー極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)の転写バイアスが所定のタイミングで印加されるようになっている。
【0036】
また、上記中間転写ベルト35は、図3に示すように、ドライブロール37と、テンションロール34と、バックアップロール38との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール37により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト35は、例えば、チャージアップを起こさないべルト素材(ゴムまたは樹脂)にて構成されている。
【0037】
上記中間転写ベルト35上に多重に転写されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、図3に示すように、バックアップロール38に圧接する二次転写ロール39によって、シート材としての用紙40上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された用紙40は、上方に位置する定着器41へと搬送される。上記二次転写ロール39は、バックアップロール38の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される用紙40上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。
【0038】
上記用紙40は、カラー複合機本体10の下部に複数段配設された給紙トレイ41、42、43、44のいずれかから所定サイズのものが、フィードロール45及びリタードロール46等によって一枚ずつ分離された状態で、搬送ロール47を備えた用紙搬送路48を介して給紙される。そして、上記給紙トレイ41、42、43、44のいずれかから給紙された用紙40は、レジストロール49で一旦停止され、中間転写ベルト35上の画像と同期して、当該レジストロール49によって中間転写ベルト35の二次転写位置へと再度給紙される。
【0039】
そして、上記各色のトナー像が転写された用紙40は、図3に示すように、定着器50によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、搬送ロール51によって、画像形成面を下にして第1の排出トレイとしてのフェイスダウントレイ52に排出するための第1の用紙搬送路53を介して、当該第1の用紙搬送路53の出口に設けられた排出ロール54によって、カラー複合機本体10の上部に設けられたフェイスダウントレイ52上に排出される。
【0040】
また、上記の如く画像が形成された用紙40を、画像形成面を上にして排出する場合には、図3に示すように、画像形成面を上にして第2の排出トレイとしてのフェイスアップトレイ55に排出するための第2の用紙搬送路56を介して、当該第2の用紙搬送路56の出口に設けられた排出ロール57によって、装置本体1の側部(図中、左側面)に設けられるフェイスアップトレイ55上に排出されるようになっている。
【0041】
なお、上記カラー複合機3において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、図3に示すように、片面に画像が定着された記録用紙40を、排出ロール54によってフェイスダウントレイ52上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替えるとともに、排出ロール54を一旦停止させた後に逆転して、当該排出ロール54によって両面用の用紙搬送路58へと搬送する。そして、この両面用の用紙搬送路58には、当該搬送路58に沿って設けられた搬送ローラ59により、記録用紙40の表裏が反転された状態で、再度レジストロール49へと搬送され、今度は、当該記録用紙40の裏面に画像が転写・定着された後、第1の用紙搬送路53又は第2の用紙搬送路56を介して、フェイスダウントレイ52又はフェイスアップトレイ55のいずれかに排出される。
【0042】
図3中、60Y、60M、60C、60Kは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像器27Y、27M、27C、27Kに、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0043】
図4は上記カラー複合機3の各画像形成ユニットを示すものである。
【0044】
上記イエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色の4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kは、図4に示すように、すべて同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kは、上述したように、感光体ドラム25を備えており、この感光体ドラム25の表面は、一次帯電用の帯電ロール26によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム25の表面は、ROS24から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム25上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム25の直下よりやや右側寄りの斜め下方から露光されるように設定されている。上記感光体ドラム25上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット23Y、23M、23C、23Kの現像器27の現像ロール27aによってそれぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色、ブラック色のうち、対応する色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール36の帯電によって中間転写ベルト35上に順次多重に転写される。
【0045】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム25の表面は、クリーニング装置28によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置28は、クリーニングブレード28aを備えており、このクリーニングブレード28aによって、感光体ドラム25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト35の表面は、図3に示すように、クリーニング装置61によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置61は、クリーニングブラシ62及びクリーニングブレード63を備えており、これらのクリーニングブラシ62及びブレード63によって、中間転写ベルト35上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0046】
図5は、単独で配置された画像読取装置としてのスキャナー2を示すものである。
【0047】
このスキャナー2は、上述したカラー複合機3のスキャナー9と同様に構成されているが、当該スキャナー2には、画像処理装置13が内蔵されている。
【0048】
ところで、この実施の形態1に係る自動採点装置は、文章や図形等で解答する問題を含んだ答案用紙の画像を読み取って自動的に採点する自動採点装置において、画像読取装置によって読み取られ、文章や図形等で解答する問題を予め人手によって正否判定した正否判定情報が記入された答案用紙の画像から正否判定情報を識別する識別手段と、前記識別手段によって識別された正否判定情報に基づき、予め登録された配点情報から得点を算出する得点算出手段とを備えるように構成されている。
【0049】
また、この実施の形態では、前記正否判定情報が所定の枠からはみ出した状態で記入されている場合には、当該所定の枠内に記入された正否判定情報の面積比率に基づいて、前記正否判定情報がどの問題に対応するかを判別する判別手段を備えるように構成されている。
【0050】
さらに、この実施の形態では、前記答案用紙の画像のうち、自動採点が可能な解答は、当該答案用紙の自動採点可能な解答を自動的に認識する認識手段によって認識し、前記自動採点が可能な解答は、自動的に正否を判定する自動正否判定手段を備えるように構成されている。
【0051】
又、この実施の形態では、前記得点算出手段によって算出された得点の画像を、答案用紙に自動的に付加する画像付加手段を備えるように構成されている。
【0052】
更に、この実施の形態では、前記得点算出手段によって算出された得点に基づいて、データベースを作成するデータベース作成手段を備えるように構成されている。
【0053】
また、この実施の形態では、前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、警告を発する警告手段を備えるように構成されている。
【0054】
さらに、この実施の形態では、前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、前記自動正否判定手段による判定結果を付加するが、自動採点は行わないように構成されている。
【0055】
又、この実施の形態では、前記画像付加手段は、不正解の問題に対して正解の画像を付加するか否かを選択可能に構成されている。
【0056】
更に、この実施の形態では、前記画像付加手段は、少なくとも答案用紙に自動的に付加する得点の画像として、予め登録された採点者の手書きフォント情報を用いるように構成されている。
【0057】
また、この実施の形態では、前記画像付加手段は、予め登録された手書きフォント情報を、解答や得点欄の大きさに合わせて縮拡して付加するように構成されている。
【0058】
すなわち、この実施の形態に係る自動採点装置100は、例えば、図3に示すように、画像出力装置としてのカラー複合機3の内部に、画像処理装置13の一部として組み込まれた状態で装着されている。また、この自動採点装置100は、パーソナルコンピュータ5等に自動採点用のソフトウエアをインストールすることによって構成される。さらに、上記自動採点装置100は、図5に示すように、画像読取装置としてのスキャナー2の内部に、画像処理装置13の一部として組み込まれた状態で装着されるように構成しても良い。
【0059】
この自動採点装置100は、図1に示すように、大別して、画像処理部110と、メモリ部120とから構成されている。また、上記画像処理部110は、識別手段としての○×△識別部111と、画像抽出部112と、自動正否判定部113と、解答算出部114と、得点算出部115と、画像付加部116とを備えている。さらに、上記自動正否判定部113には、警告手段としてのユーザインタフェース117が接続されているとともに、前記画像付加部116には、画像印字部118と、データベース作成部119とが接続されている。上記ユーザインタフェース117としては、カラー複合機3の操作パネル等からなるユーザインタフェースがそのまま用いられるが、このユーザインタフェース117は、パーソナルコンピュータ5のディスプレイ等から構成しても良い。なお、上記実施の形態では、○×△識別部111というように、何々部と記載しているが、当該何々部は、何々手段と同義である。また、上記メモリ部120には、正解情報121と、配点情報122と、問題の位置情報123と、解答の位置情報124と、採点者の手書きフォントリスト125などが、予め記憶されている。
【0060】
上記画像読取装置としてのスキャナー2、9から入力された答案用紙8の画像データは、○×△識別部111に入力され、当該○×△識別部111では、スキャナー2、9によって読み取られ、文章や図形等で解答する問題を予め人手によって正否判定した正否判定情報が記入された答案用紙8の画像から正否判定情報を識別するように構成されている。
【0061】
上記スキャナー2、9によって読み取られる答案用紙8としては、特に限定されるものではないが、例えば、図6(a)に示すように、学校や予備校、あるいは学習塾等で用いられるテスト用紙などが挙げられる。ただし、答案用紙8としては、これらに限定されるものではなく、他の種類のものであっても良いことは勿論である。このテスト用紙からなる答案用紙8には、図6(a)に示すように、テスト用紙を作成した会社等を表示したマークやイラスト等の図形801や、学期末テストや科目「数学」等の答案用紙8のタイトルを示す文字画像802、「氏名」を書く欄に記載された「氏名」の文字803、「問1」、「問2」・・・等の問題番号を示す文字を含む問題文804〜807、各問題の配点を示す数字808〜810、「氏名」の欄や問題文の欄などを囲む矩形状の枠を表示する直線状の枠画像811などが、黒色やカラーのインクなどで印刷やプリント等によって予め印字されている。また、上記テスト用紙の答案用紙8には、テストを受けた者が、「氏名」812や解答としての数字813や数式814、あるいは解答としての文章815や棒グラフ等の図形816などが、黒色の鉛筆等によって手書きによって記載されている。
【0062】
また、上記テスト用紙等の答案用紙8は、図6(b)に示すように、スキャナー2、9によって読み取られる以前に、文章815や図形816等で解答する問題が、教師等の採点者である人手によって予め正否判定されており、当該答案用紙8には、その正否判定結果として、○、×、△等の判定記号821、822や、当該正否判定された結果として 「−5」等の補助採点823からなる正否判定情報が、例えば赤色のカラーペン等によって手書きで記入されている。
【0063】
そして、上記○×△識別部111では、図6(b)に示すように、スキャナー2、9によって読み取られた答案用紙8の画像データから、画像の色等を判別することによって、黒色の問題文や解答と異なる赤色のペンで記入された○、×、△等の判定記号821、822や、当該正否判定された結果として「−5」等の補助採点823からなる正否判定情報が、図7に示すように、問題文等の情報と識別される。
【0064】
上記○×△識別部111では、○、×、△等の判定記号821、822や、当該正否判定された結果として「−5」等の補助採点823などが、隣接する問題にまたがって記入されている場合には、隣接するいずれの問題側に位置する面積が大きいかによって、いずれの問題の判定記号821、822や補助採点823であるかを判別するように構成されている。また、上記○×△識別部111は、文章815や図形816等で解答する問題に対して、採点漏れ等によって、○、×、△等の判定記号821、822などが記入されていない場合には、警告手段としてのユーザインタフェース117によって警告を発するように構成されている。さらに、上記○×△識別部111は、文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、自動正否判定手段による判定結果を付加するが、自動採点は行わないように、得点算出部115に信号を送るように構成されている。
【0065】
また、上記○×△識別部111は、予め人手によって正否判定した正否判定情報821〜823を識別する以外に、例えば、テキスト/イメージ分離機能や、矩形状に画像を切り出す切り出し機能や、問題文や数字等の解答を自動的に認識するOCR等の文字認識機能を備えるように構成されている。
【0066】
上記テキスト/イメージ分離機能は、入力された答案用紙8の画像データを、文字画像等からなるテキスト(Text)部と、図形等の画像からなるイメージ(Image)部とに分離する機能である。このテキスト/イメージ分離機能は、公知のテキスト/イメージ分離手段によって構成される。また、上記テキスト/イメージ分離機能によって分離された答案の画像データのテキスト部とイメージ部の情報は、例えば、個別にテキスト/イメージ分離結果としてメモリ部120に適宜読み出し可能に記憶される。
【0067】
また、上記矩形切り出し機能は、答案用紙8の自動正否判定部分と非自動正否判定部分から、前記テキスト/イメージ分離機能によって分離されたテキスト部の画像とイメージ部の画像を、図8に示すように、少なくとも1つ以上の矩形部分に切り出すように構成されている。この矩形切り出し機能による矩形状の画像の切り出しは、図8に示すように、答案用紙8の自動正否判定部分と非自動正否判定部分の中から、イメージ画像やテキスト画像を、例えば、カラー複合機のユーザーインターフェース117に設けられたタッチパネルやマウス等によって対角線状に左上の角841と右下の角842とを指定することによって行われる。また、上記矩形切り出し機能による矩形状の画像の切り出しは、図9に示すように、「氏名」の文字803などのテキスト画像やイメージ画像に外接する矩形状部分843から、所定ビット数だけ外側の矩形状の領域844を、自動的に切出すことによって行なうように構成しても良い。なお、隣接する「氏名」等の文字であっても、両者の間隔が所定のビット数よりも小さければ、同じ矩形状の領域844として切出されるようになっている。
【0068】
上記OCR機能では、前記切り出し機能によって矩形状に切り出された画像のうち、図8(a)に示すように、テキスト/イメージ分離機能によってテキスト部として分離された画像データが、文字認識されてキャラクタ情報に変換される。
【0069】
さらに、上記画像抽出部112では、図6に示すように、○×△識別部111による識別結果に基づいて、正否判定情報821〜823からなる非自動正否判定部分が抽出されるとともに、解答の正否を自動的に判定可能な自動正否判定部分813、814が分離される。
【0070】
そして、上記自動正否判定部113では、画像抽出部112によって抽出された自動正否判定部分813、814の文字認識結果に基づいて、当該文字認識結果であるキャラクタ情報に変換された解答を、メモリ部120に記憶された正解情報121や、解答算出部114によって算出された正解情報と比較することにより、正否の判定を行うように構成されている。上記自動正否判定部113では、図6(a)に示すように、自動正否判定部分813が「1+1=」という数式のように解答を自動的に算出可能な場合、解答算出部114で算出した正解情報と比較することによって、正否の判定が行われる。ただし、これに限らず、答案用紙8の自動正否判定部分の正解を正解情報121として、図10に示すように、メモリ部120に予め記憶させておき、当該メモリ部120の正解情報121に記憶された正解情報を読み出すことによって、正否の判定を行うように構成しても勿論良い。
【0071】
また、上記得点算出部115では、画像抽出部112で抽出された非自動正否判定部分821〜823、及び自動正否判定部113の判定結果に基づいて、答案の各問題に対する得点を算出するようになっている。例えば、図6に示すように、「問1」が正解であれば、5点の得点が算出され、「問2」が不正解であれば、0点の得点が算出される。また、「問3」が△で一部正解であり、「−5」の補助採点がなされていれば、10点(=15−5)の得点が算出される。
【0072】
さらに、上記画像付加部116では、得点算出部115によって算出された得点に基づいて、答案用紙8の自動正否判定部分813、814の画像に対して得点の画像データや、○×等の正否判定マーク等の画像データを付加する処理が行われる。この答案用紙8に付加される得点の画像データや、○×等の正否判定マーク等の画像データとしては、例えば、メモリ部120に予め記憶された得点を示す数字や、○×等の正否判定マークの手書きフォントリスト125内の採点者の手書きフォントが用いられる。採点者が複数人いる場合には、各採点者の手書きフォントが、予め手書きフォントリスト125に記憶されており、採点者の氏名によって識別されて読み出される。
【0073】
また、上記画像付加部116は、答案用紙8の間違った解答に対して自動的に正解を記入するように構成されているとともに、この自動的に正解を記入する機能は、ユーザーインターフェース117からの指示によって選択可能に構成されている。
【0074】
上記画像印字部118としては、カラー複合機3の画像形成部Aがそのまま用いられる。この画像印字部118では、採点すべき答案用紙8が給紙トレイ41〜44や、図示しない手差しトレイにセットされ、当該答案用紙8には、採点された点数や、自動採点された○×等の結果が、図11に示すように印字される。その際、上記答案用紙8に印字される採点された点数や、自動採点された○×等の結果は、解答の位置情報に応じて自動的に縮拡されるようになっている。
【0075】
また、上記画像付加部116で付加される画像情報は、データベース生成部119に送られ、当該データベース作成部119では、採点された点数等の結果が、図12に示すように、エクセル等の表からなるデータベース901〜903等として生成される。
【0076】
以上の構成において、この実施の形態に係る自動採点装置では、次のようにして、専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とせず、構成が簡単であって低コストにて実現が可能であり、しかも、文章や図形で解答する問題等であっても、補助的に人的な採点結果を読み込むことによって、答案を自動的に採点することが可能となっている。
【0077】
すなわち、この実施の形態に係る自動採点装置100が適用された画像処理システム1では、図2に示すように、答案用紙8の画像が画像読取装置としてのスキャナー2又はスキャナー9によって読み取られ、当該スキャナー2、9によって読み取られた答案用紙8の画像データは、図1に示すように、自動採点装置100が装着された画像出力装置としてのカラー複合機3に入力される。
【0078】
なお、上記テスト用紙等の答案用紙8は、図6(b)に示すように、スキャナー2、9によって読み取られる以前に、文章815や図形816等で解答する問題が、教師等の採点者の人手によって補助的に予め正否判定されており、当該答案用紙8には、その正否判定結果として、○、×、△等の判定記号821、822や、当該正否判定された結果として「−5」等の採点823からなる正否判定情報が、赤色のカラーペン等によって手書きで記入されている。
【0079】
上記自動採点装置100には、図1に示すように、画像読取装置としてのスキャナー2、9によって読み取られた答案用紙8の画像データが入力され、当該入力された画像データは、○×△識別部111によって正否判定情報821〜823からなる非自動正否判定部分が識別される。そして、上記○×△識別部111によって識別された正否判定情報821〜823は、画像抽出部112によって抽出され、「2」や「x=5」等の数値や文字からなる自動正否判定部分と分離される。
【0080】
上記画像抽出部112によって抽出された非自動正否判定部分である正否判定情報821〜823は、得点算出部115に送られて、当該得点算出部115によって正否判定情報821〜823に基づいて得点が算出される。また、上記画像抽出部112によって抽出された自動正否判定部分は、自動正否判定部113に送られるとともに、当該自動正否判定部113によって自動的に正否が判定され、正否の判定結果が得点算出部115に送られる。
【0081】
また、上記画像抽出部112によって非自動正否判定部分を抽出する際に、正否判定情報821〜823がまったく抽出されない場合や、正否判定情報の数が所定の数より少ない場合には、自動正否判定部113を介して、ユーザインタフェース117に「文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない旨」の警告メッセージ等を表示することによって、警告を発するようになっている。
【0082】
次に、上記得点算出部115によって算出された得点及び自動正否判定部分に対する○×△等の採点結果の情報は、画像付加部116に送られ、当該画像付加部116では、答案用紙8の画像データに基づいて、得点や○×△等の正否判定マークの画像が付加される。これらの得点や○×△等の正否判定マークなどの画像を付加する位置情報は、図1に示すように、メモリ部120の問題の位置情報123や解答の位置情報124、及び読み取られた解答の画像813、814の位置情報に基づいて決定される。
【0083】
その際、上記得点や○×△等の正否判定マークなどの画像の大きさは、予め登録された手書きフォント情報を、解答や得点欄の大きさに合わせて縮拡して付加されるようになっている。
【0084】
また、上記画像付加部116では、文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、自動正否判定部113による判定結果を付加するが、自動採点は行わないようになっている。
【0085】
さらに、上記画像付加部116は、不正解の問題に対して正解の画像を付加するか否かを、ユーザインタフェース117の指定によって選択可能となっている。そして、不正解の問題に対して正解の画像を付加する場合には、図11に示すように、不正解の問題に対して「x=3」等の正解の画像が付加される。
【0086】
このように、上記実施の形態では、専用パッドやペン等の専用のハードウエアーを必要とせず、構成が簡単であって低コストにて実現が可能であり、しかも、文章や図形で解答する問題等であっても、補助的に人的な採点結果を読み込むことによって、答案を自動的に採点することが可能となっている。
【0087】
また、上記実施の形態では、必要に応じて、図12に示すように、採点結果のデータベースを作成することも可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を示すブロック図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用した画像処理システムを示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用した画像出力装置としてのカラー複合機を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用した画像出力装置としてのカラー複合機の画像形成部を示す構成図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置を適用し得る画像読取装置を示す構成図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置によって採点される答案用紙を示す説明図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置によって識別された○×△の識別情報を示す説明図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置によって識別された○×△の識別情報を示す説明図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る自動採点装置によって識別された○×△の識別情報を示す説明図である。
【図10】図10は正解情報を示す図表である。
【図11】図11は答案用紙の自動採点結果を示す説明図である。
【図12】図12は答案用紙の自動採点結果に基づいて作成されたデータベースを示す図表である。
【符号の説明】
【0089】
2,9:画像読取装置、100:自動採点装置、111:○×△識別部、112:画像抽出部、113:自動成否判定部、114:解答算出部、115:得点算出部、116:画像付加部、117:ユーザインタフェース、118:画像印字部、119:データベース作成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文章や図形等で解答する問題を含んだ答案用紙の画像を読み取って自動的に採点する自動採点装置において、
画像読取装置によって読み取られ、文章や図形等で解答する問題を予め人手によって正否判定した正否判定情報が記入された答案用紙の画像から正否判定情報を識別する識別手段と、
前記識別手段によって識別された正否判定情報に基づき、予め登録された配点情報から得点を算出する得点算出手段とを備えたことを特徴とする自動採点装置。
【請求項2】
前記正否判定情報が所定の枠からはみ出した状態で記入されている場合には、当該所定の枠内に記入された正否判定情報の面積比率に基づいて、前記正否判定情報がどの問題に対応するかを判別する判別手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項3】
前記答案用紙の画像のうち、自動採点が可能な解答は、当該答案用紙の自動採点可能な解答を自動的に認識する認識手段によって認識し、前記自動採点が可能な解答は、自動的に正否を判定する自動正否判定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動採点装置。
【請求項4】
前記得点算出手段によって算出された得点の画像を、答案用紙に自動的に付加する画像付加手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項5】
前記得点算出手段によって算出された得点に基づいて、データベースを作成するデータベース作成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項6】
前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動採点装置。
【請求項7】
前記文章や図形等で解答する問題に対して、正否判定情報が記入されていない場合には、前記自動正否判定手段による判定結果を付加するが、自動採点は行わないことを特徴とする請求項3に記載の自動採点装置。
【請求項8】
前記画像付加手段は、不正解の問題に対して正解の画像を付加するか否かを選択可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の自動採点装置。
【請求項9】
前記画像付加手段は、少なくとも答案用紙に自動的に付加する得点の画像として、予め登録された採点者の手書きフォント情報を用いることを特徴とする請求項4に記載の自動採点装置。
【請求項10】
前記画像付加手段は、予め登録された手書きフォント情報を、解答や得点欄の大きさに合わせて縮拡して付加することを特徴とする請求項9に記載の自動採点装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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