説明

自動精算システム

【課題】ICタグに重量情報を書き込む装置を用いることなく、重量に応じて価格が変動する商品を自動精算する。
【解決手段】食器60に取り付けられ、固有IDが読み取り可能に書き込まれたICタグ50と、商品70の重量を計測する重量測定器20と、商品70の単位重量当たりの価格と、その商品70に取り付けられたICタグ50に書き込まれた固有IDと、重量測定器20にて計測された商品70の重量とを対応づけてデータベース31に登録する管理サーバ30と、ICタグ50から固有IDを読み取るICタグ読取り装置10bと、ICタグ読取り装置10bにて読み取られた固有IDに対応づけてデータベース31に登録された商品70の単位重量当たりの価格と商品70の重量とに基づいて算出された価格で精算を行うPOSレジスター40とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量に応じて価格が変動する商品を自動精算する自動精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場ではICタグを用いた商品管理が行われている。このようなICタグを用いた自動精算システムが特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたシステムは、商品の容器にICタグを取り付けておき、商品の重量を計測してその重量情報をICタグに書き込み、ICタグに書き込まれた情報を読み出すことにより、精算を行うものである。これにより、重量に応じて価格が変動する商品を自動精算することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−310804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような自動精算システムにおいては、商品の重量情報をICタグに書き込む必要があるため、ICタグに重量情報を書き込むための書き込み装置が必要となり、システム全体が高価なものとなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ICタグに重量情報を書き込む装置を用いることなく、重量に応じて価格が変動する商品を自動精算することができる自動精算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
重量に応じて価格が変動する商品を自動精算する自動精算システムであって、
商品に取り付けられ、固有の識別情報が読み取り可能に書き込まれたICタグと、
前記商品の重量を計測する重量測定器と、
前記商品の単位重量当たりの価格と、当該商品に取り付けられたICタグに書き込まれた識別情報と、前記重量測定器にて計測された当該商品の重量とを対応づけてデータベースに登録する管理サーバと、
前記ICタグから前記識別情報を読み取る読取り装置と、
前記読取り装置にて読み取られた識別情報に対応づけて前記データベースに登録された商品の単位重量当たりの価格と前記商品の重量とに基づいて算出された価格で精算を行う精算装置とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成されているので、ICタグに重量情報を書き込む装置が不要となり、重量に応じて価格が変動する商品を自動精算するシステムのコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の自動精算システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示したデータベースに登録された情報の一例を示す図である。
【図3】図1に示したデータベースに重量情報が登録された状態を示す図である。
【図4】図1に示したデータベースに登録された情報の他の例を示す図であり、(a)は食器の種類毎に単価が登録されたマスターファイルを示す図、(b)は食器単体毎の重量が登録されるマスターファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の自動精算システムの実施の一形態を示す図である。
【0011】
本形態は図1に示すように、ICタグ読取り装置10a及び重量測定器20と管理サーバ30とがネットワーク80aを介して接続され、また、管理サーバ30と精算装置となるPOSレジスター40とがネットワーク80bを介して接続され、また、POSレジスター40とICタグ読取り装置10bとがネットワーク80cを介して接続されて構成されている。
【0012】
精算される商品70が入れられる食器60には、ICタグ50が貼付されている。このICタグ50には、貼付された食器60に入れられた商品70の種類を特定可能な情報と、食器60を特定可能な情報とからなる、固有の識別情報が固有IDとして読み取り可能に書き込まれている。
【0013】
ICタグ読取り装置10aは、この食器70に貼付されたICタグ50から識別情報を読み取り、ネットワーク80aを介して管理サーバ30に送信する。
【0014】
重量測定器20は、商品70が入れられた食器60が載置可能に構成され、商品70の重量を計測し、その重量情報を、ネットワーク80aを介して管理サーバ30に送信する。
【0015】
管理サーバ30は、商品の単位重量当たりの価格と、その商品に取り付けられたICタグに書き込まれた識別情報とが対応づけて登録されたデータベース31を有している。
【0016】
ICタグ読取り装置10bは、食器70に貼付されたICタグ50から識別情報を読み取り、ネットワーク80cを介してPOSレジスター40に送信する。
【0017】
POSレジスター40は、ICタグ読取り装置10bから送信されてきた識別情報に対応する商品の単位重量当たりの価格と重量情報とをネットワーク80bを介して管理サーバ30から取得し、商品の価格を算出して精算を行うものであって、表示部41と決済端末42とを有している。
【0018】
以下に、上記のように構成された自動精算システムの動作について説明する。
【0019】
管理サーバ30においては、上述したように、商品の単位重量当たりの価格と、その商品に取り付けられたICタグに書き込まれた識別情報とが対応づけられてデータベース31に登録されている。
【0020】
図2は、図1に示したデータベース31に登録された情報の一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、図1に示したデータベース31においては、ICタグ50固有の識別情報となる固有ID101と、商品の単位重量当たりの価格情報102とが、互いに対応づけられてマスターファイル100として登録されている。この固有ID101は、上述したように、商品70の種類を特定可能な情報と食器60を特定可能な情報とからなり、例えば、上位3桁が、商品70の種類を特定可能な情報であり、下位4桁が、食器60を特定可能な情報となっている。
【0022】
社員食堂等において、重量に応じて価格が変動する商品70を喫食する場合、食堂利用者が、ICタグ50が貼付された食器60に商品70を入れ、商品70が入れられた食器60を重量測定器20に載せる。なお、重量測定器20には、ICタグ読取り装置10aが載せられているため、食堂利用者は、商品70が入れられた食器60をICタグ読取り装置10a上に載せることになる。
【0023】
すると、ICタグ読取り装置10aにおいて、ICタグ50に書き込まれている固有IDが読み取られ、また、重量測定器20において、商品70の重さが測定され、これら固有IDと重量情報とがネットワーク80aを介して管理サーバ30に送信される。なお、重量測定器20の重量値は、予め、食器60とICタグ読取り装置10aの重量を引いた値で0点補正されているものとする。なお、食器60の種類によって重量が異なる場合は、予め、ICタグ読取り装置10aの重量を引いた値で0点補正しておき、重量を測定するたびに、その測定値から食器60の種類に応じた重量を引いてデータベース31に重量値を登録するように構成する。この場合は、予め、管理サーバ30に食器60の種類毎の重量を登録しておく必要がある。また、管理サーバ30においては、上述したように、固有ID101と、商品70の単位重量当たりの価格情報102とがマスターファイル100としてデータベース31に予め登録されている。
【0024】
固有IDと重量情報とがネットワーク80aを介して管理サーバ30に送信されると、管理サーバ30において、ネットワーク80aを介してICタグ読取り装置10aから送信されてきた固有IDがデータベース31のマスターファイル100から検索される。そして、マスターファイル100上に、ICタグ読取り装置10aから送信されてきた固有IDが存在した場合、その固有IDによるレコードに、その固有IDとともに送信されてきた重量情報が登録される。
【0025】
図3は、図1に示したデータベース31に重量情報が登録された状態を示す図である。
【0026】
図3に示すように、図2に示した構成のデータベース31に対して、送信されてきた重量情報103が登録されることになる。これにより、データベース31においては、ICタグの固有ID101と、商品の単位重量当たりの価格情報102と、商品の重量情報103とが対応づけて登録されることになる。
【0027】
食堂利用者が、商品70の喫食が終わると、ICタグ読取り装置10bを用いてICタグ50に書き込まれている固有IDが読み取られる。
【0028】
すると、ICタグ読取り装置10bにて読み取られた固有IDは、ネットワーク80cを介してPOSレジスター40に送信され、POSレジスター40において、ICタグ読取り装置10bからネットワーク80cを介して送信されてきた固有IDが管理サーバ30に送信される。
【0029】
管理サーバ30においては、POSレジスター40からネットワーク80bを介して送信されてきた固有IDがデータベース31のマスターファイル100から検索される。そして、マスターファイル100上に、POSレジスター40から送信されてきた固有IDが存在した場合、その固有IDに対応づけられた商品の単位重量当たりの価格情報102と、商品の重量情報103とが、ネットワーク80bを介してPOSレジスター40に送信される。
【0030】
POSレジスター40においては、管理サーバ30からネットワーク80bを介して送信されてきた商品の単位重量当たりの価格情報102と商品の重量情報103とに基づいて、商品70の価格が算出され、算出された価格がPOSレジスター40の表示部41に表示される。
【0031】
そして、食堂利用者は、POSレジスター40に接続された決済端末42を用いて、プリペイドカード等で決済を行うことになる。
【0032】
このように、本形態においては、商品70が入れられた食器60にICタグ50を貼付しておくとともに、このICタグ50に書き込まれた固有IDと商品70の単位重量当たりの価格情報とを対応づけてデータベース31に登録しておき、食堂を利用する際に、商品70の重量情報をこの商品70が入れられた食器60に貼付されたICタグ50に書き込まれた固有IDとともに管理サーバ30に送信し、管理サーバ30において、送信されてきた重量情報を固有IDに対応づけてデータベース31に登録し、その後、ICタグ50から固有IDが読み取られた場合、この固有IDに対応づけられた商品の単位重量当たりの価格と重量とに基づいて商品の価格を算出して決済する構成としたため、高価なライト機能を持ったICタグリーダライタが不要となり、自動精算におけるシステムコストを削減することができる。
【0033】
なお、本形態においては、POSレジスター40にて商品の単位重量当たりの価格と商品の重量とから価格を算出しているが、管理サーバ30において商品の単位重量当たりの価格と商品の重量とから価格を算出し、これを固有ID毎にデータベース31に登録しておき、この価格をPOSレジスター40に送信するようにしてもよい。この場合、図3に示した表に、固有ID毎に価格欄が設けられることになる。
【0034】
(他の実施の形態)
図4は、図1に示したデータベース31に登録された情報の他の例を示す図であり、(a)は、食器の種類毎、即ち商品の種類毎に単価が登録されたマスターファイルを示す図、(b)は食器単体毎の重量が登録されるマスターファイルを示す図である。
【0035】
ICタグ50に書き込まれる識別情報としては、上述したように商品70の種類を特定可能な情報と食器60を特定可能な情報とを1つの固有IDとして構成するのではなく、これらを別個に構成することも考えられる。
【0036】
その場合、図4に示すように、商品の種類毎に単価が登録されたマスターファイルと、食器単体毎の重量が登録されるマスターファイルとをデータベース31に設定することが考えられる。
【0037】
また、POSレジスター40にて商品の単位重量当たりの価格と商品の重量とから価格を算出するのではなく、管理サーバ30にて商品の単位重量当たりの価格と商品の重量とから価格を算出し、これを食器単体別ID毎にデータベース31に登録しておき、この価格をPOSレジスター40に送信するようにしてもよい。この場合、図4(b)に示した表に、食器単体別ID毎に価格欄が設けられることになる。
【符号の説明】
【0038】
10a,10b ICタグ読取り装置
20 重量測定器
30 管理サーバ
31 データベース
40 POSレジスター
41 表示部
42 決済端末
50 ICタグ
60 食器
70 商品
80a〜80c ネットワーク
100 マスターファイル
101 固有ID
102 価格情報
103 重量情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量に応じて価格が変動する商品を自動精算する自動精算システムであって、
商品に取り付けられ、固有の識別情報が読み取り可能に書き込まれたICタグと、
前記商品の重量を計測する重量測定器と、
前記商品の単位重量当たりの価格と、当該商品に取り付けられたICタグに書き込まれた識別情報と、前記重量測定器にて計測された当該商品の重量とを対応づけてデータベースに登録する管理サーバと、
前記ICタグから前記識別情報を読み取る読取り装置と、
前記読取り装置にて読み取られた識別情報に対応づけて前記データベースに登録された商品の単位重量当たりの価格と前記商品の重量とに基づいて算出された価格で精算を行う精算装置とを有する自動精算システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動精算システムにおいて、
前記管理サーバは、前記商品の単位重量当たりの価格と、当該商品に取り付けられたICタグに書き込まれた識別情報とを対応づけて登録しておき、前記重量測定器にて計測された商品の重量が与えられた場合、当該重量を、前記データベースに登録された識別情報のうち、当該重量とともに与えられた識別情報と対応づけて前記データベースに登録する自動精算システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の自動精算システムにおいて、
前記精算装置は、前記データベースに登録された商品の単位重量当たりの価格と前記商品の重量とに基づいて前記商品の価格を算出し、該算出した価格を表示する自動精算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−186608(P2011−186608A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49189(P2010−49189)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】