説明

自動精米処理装置

【課題】簡易なシステム構成により、空運転課金や非効率的な初期循環処理等の稼動初期の問題を解決することができる自動精米処理システムを提供する。
【解決手段】自動精米処理システムは、投入ホッパ12と、繰出機構12vと、石抜機14と、精米機15と、利用料金を投入すると各機器の稼働制御および各機器の稼動時間毎に利用料金の課金制御をする制御部とを備え、上記精米機15の玄米投入口には、上記石抜処理工程から搬送された玄米の貯留が可能な玄米タンク15tを設け、この玄米タンク15tの内部には玄米の有無を検出する玄米有無検出センサ15bを設け、この玄米有無検出センサ15bによる玄米の検出を条件に前記各機器の稼働時間毎の利用料金の課金制御を開始するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入された利用者の玄米について自動的に精米処理する自動精米処理装置に関し、特に、精米装置の起動時の諸問題を解消することができる自動精米処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投入された利用者の玄米について自動的に精米処理する自動精米処理装置は、特許文献1の例のように、精米装置および関連機器を中心に、玄米を投入するための投入ホッパおよび精米処理された精白米を取出すための取出部を備えて構成され、一連の処理が制御部によって自動運転される。
【0003】
自動運転の制御は、玄米を投入ホッパに投入し、精白度等のコースを選択操作し、次いで必要な金額のコインを利用者が投入することにより、投入ホッパの繰出装置が所定時間の稼動によって課金単位分の玄米を取込んで精米装置により精白処理し、投入金額の範囲でこれを繰り返すことにより、投入玄米を精白して取出部から受取ることができる。
【特許文献1】特開平1−176459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記自動精米処理装置は、コイン投入によって玄米の取込みを開始することにより、簡易かつ確実な課金処理を可能とする一方で、投入ホッパへの玄米の投入が遅れた場合は、利用者の誤操作による当初のカラ運転についても課金されるという問題を内包していた。
【0005】
また、精米装置の稼動は、コイン投入と連動させることによって確実な稼動開始が担保される一方で、玄米が充填される前から精米機が起動されていることから、玄米が装置内に充填されてから適正な搗精圧に上昇するまでの初期循環処理に比較的長い時間を要するので、利用者は精米処理の完了までに長時間の待機を強いられていた。
【0006】
解決しようとする問題点は、簡易な装置構成により、空運転課金や非効率的な初期循環処理等の稼動初期の問題を解決することができる自動精米処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の自動精米処理装置に係る発明は、投入された玄米を受ける投入ホッパ(12)と、この投入ホッパ(12)に投入された玄米を所定量ずつ繰出す繰出機構(12v)と、繰出された玄米中の異物を分離する石抜機(14)と、この石抜機(14)で石抜処理された玄米を精白処理する精米機(15)と、利用料金を投入すると上記繰出機構(12v)、上記石抜機(14)、上記精米機(15)各機器の稼働制御およびこの各機器の稼動時間毎に利用料金の課金制御をする制御部とを備え、上記精米機(15)の玄米投入口には、上記石抜処理工程から搬送された玄米の貯留が可能な玄米タンク(15t)を設け、この玄米タンク(15t)の内部には玄米の有無を検出する玄米有無検出センサ(15b)を設け、この玄米有無検出センサ(15b)による玄米の検出を条件に前記各機器の稼働時間毎の利用料金の課金制御を開始することを特徴とする。
【0008】
投入ホッパ中の玄米は、稼動開始信号に応じて所定量の玄米が玄米タンクに貯留され、それが玄米有無検出センサによって検出されたタイミングで課金処理が開始される。
【0009】
請求項2の自動精米処理装置に係る発明は、投入された玄米を受ける投入ホッパ(12)と、この投入ホッパ(12)に投入された玄米を所定量ずつ繰出す繰出機構(12v)と、繰出された玄米中の異物を分離する石抜機(14)と、この石抜機(14)で石抜処理された玄米を精白処理する精米機(15)と、該精米機(15)で精白処理された精白米のうち精白開始から所定量の精白米をチャージする循環用のシュートと、利用料金を投入すると上記繰出機構(12v)、上記石抜機(14)、上記精米機(15)各機器の稼働制御およびこの各機器の稼動時間毎に利用料金の課金制御をする制御部とを備え、上記精米機(15)の玄米投入口には、上記石抜処理工程から搬送された玄米の貯留が可能な玄米タンク(15t)を設け、この玄米タンク(15t)の内部には玄米の有無を検出する玄米有無検出センサ(15b)を設け、この玄米有無検出センサ(15b)による玄米の検出を条件に精米機(15)の稼動を開始することを特徴とする。
【0010】
投入ホッパ中の玄米は、稼動開始信号に応じて繰出機構および石抜処理工程が稼動することにより、その所定量が玄米タンクに貯留され、それが玄米有無検出センサによって検出されたタイミングで精米機の初期循環制御が行われる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の自動精米処理装置は、精米機の玄米タンクの内部に設けた玄米有無検出センサによる玄米の検出を条件に課金処理を開始することから、投入ホッパ中の玄米は、稼動開始信号に応じて繰出機構および石抜処理工程が稼動することにより、所定量の玄米が玄米タンクに貯留され、それが玄米有無検出センサによって検出されたタイミングで所定量の精米処理のための課金処理が開始される。このように、稼動開始信号によって最初の玄米が精米機の玄米入口に現に到達した時に課金処理が開始されることから、投入ホッパへの玄米の投入が遅れてカラ稼動状態となっても、精米機による精米処理と対応する正確な課金処理が可能となる。
【0012】
請求項2の自動精米処理装置は、精米機の玄米タンクの内底部に設けた玄米有無検出センサによる玄米の検出を条件に初期循環制御により精米機を稼動制御することから、投入ホッパ中の玄米は、稼動開始信号に応じて繰出機構および石抜処理工程が稼動することにより、その所定量が玄米タンクに貯留され、それが玄米有無検出センサによって検出されたタイミングで精米機の初期循環制御が行われる。したがって、精米装置の玄米入口に到達した玄米が精米機に即時供給されるので、所定の搗精圧までの初期循環制御が効率よく進行し、精白処理の全工程処理時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
自動精米処理システムによる精米施設の一構成例についての内部機器配置図を図1に、機械室の構成機器側面図を図2に示すように、矩形の建屋1内には、機械室2を中心に、その前側に受入スペース(操作スペース)3を配置し、また、必要により、後側に作業者が精米装置等をメンテナンスするときの作業スペースとなるメンテナンススペースを区画して構成する。
【0014】
機械室2と受入スペース3との間には仕切壁11を設け、玄米投入用の投入ホッパ12と白米払出し用の白米タンク13を受入スペース3に臨んで配置し、また、仕切壁11には、精白度の指定や料金投入のための精米操作部(操作盤)11aを設ける。機械室2には、投入ホッパ12から昇降機14eを介して接続する石抜機14と、それに続く昇降機15eを介して接続する精米機15を配置し、その排出側を循環用の白米シュート16gと切替え可能に白米タンク13と接続する。
【0015】
自動精米処理システムは、そのシステム構成展開図を図3に示すように、投入ホッパ12、昇降機14eおよび石抜機14による石抜工程、昇降機15eおよび精米機15による精米工程、および精白処理後に取出すための白米タンク13等によって処理工程が構成され、さらに、これらを制御するための制御部および制御指示用の操作パネルを備える。
操作パネルには図示はしないが各種操作ボタンが設けてあり、精白度が五分・八分・上白等の精米コースと無洗米コースを選択できる構成である。
【0016】
投入ホッパ12は、所定量の投入玄米を繰出す繰出機構であるロータリバルブ12vと投入された玄米を検出する投入部センサとしてのロータリバルブセンサ12sを備える。
石抜用の昇降機14eは、ロータリバルブ12vから玄米を受け、その排出側は、持帰り用の切替機14cを介して石抜機14と接続する。石抜機14は、異物除去装置を一体的に構成して石や異物を玄米から分離する。
【0017】
精米用の昇降機15eは、石抜機14から受けた玄米を高位置排出し、その排出側で玄米を検出する玄米タンクセンサ15uを備える。この玄米を精米機15の入口で受けるための玄米タンク15tと、その下限位置で玄米を検出する玄米タンク下限センサ(玄米有無検出センサ)15bを設ける。精米機15の出口には循環用のシュート16gに切替えが可能な切替弁15vを介設して白米タンク13と接続する。
【0018】
次に、精米コースと無洗米コースの作業工程についてそれぞれ説明する。
精米コースを選択すると投入ホッパ12に投入された玄米はロータリバルブ12vで繰出され、石抜き用の昇降機14eで揚穀され、石抜機14で石抜処理され、精米用の昇降機15eで玄米タンク15tに揚穀される。玄米タンク15tから精米機15に供給され精白された玄米のうち、精米初期の搗精圧力が低い精白米は循環用のシュート16gに供給されてチャージされ、所定量をチャージすると切替弁15vが作動し、精白米は白米タンク13に順次排出される。そして、チャージされた精白米はロータリバルブセンサ12sが穀粒無しを検出した後に再度精米用の昇降機15eに供給され、精米機15で精白処理されて白米タンク13に排出される。
【0019】
無洗米コースを選択すると、精米機15に供給されるまでは精米コースと同様であるが、精米機15で精米された玄米全てを循環用のシュート16gに供給してチャージする。そして、投入ホッパ12内の玄米全てを精白処理した後、再度精米用の昇降機15eに供給して精米機15で二回目の精白処理がなされて無洗米として白米タンク13に排出される。
【0020】
(初期課金処理)
次に上記自動精米処理システムの初期課金処理のための運転制御について説明する。
図4は無洗米コースを選択したときのタイミングチャートAで、最初の10kgが無洗米コースが基本料金が100円+10kg毎の課金料金100円で200円、精米コースが10kg毎の課金料金100円で以後10kg毎に無洗米コース及び精米コース共に100円ずつ課金する構成としている。このとき、無洗米コースで100円の基本料金+100円の課金単価を課金する例では、無洗米コースの選択スイッチの操作時t1においてその信号によりロータリバルブ12v、石抜機14、昇降機14e,15eを稼動するとともに基本料金100円のみを引き落とし、玄米タンク下限センサ15bがオンした時t2に設定重量(本実施例では10kg毎)を精白処理できる稼動時間毎の課金単価(本実施例では100円)を引き落とし処理を開始する初期課金処理を行う。以後は設定重量(10kg)を精白処理できる稼動時間毎に設定金額(100円)を課金する構成である。
【0021】
上記制御処理構成により、玄米タンク下限センサ15bに玄米が検出されたことを条件に選択のコースに応じた課金単価が引き落としされることから、投入ホッパ12への玄米投入のタイミング遅れがあっても、その間の空運転の影響を受けることなく、玄米の取り込み処理と対応した課金が可能となる。したがって、課金単価を起動時に引き落としする従来の初期課金処理では、玄米投入のタイミング遅れによる空運転時の課金が避けられなかったが、そのような不都合が解消されるので、利用者本位のシステムを構成することができる。
【0022】
また、図4の料金体系の例において、図5のタイミングチャートBに示すように、コース選択時t1に繰出機構等を起動し、玄米タンク下限センサ15bがオンした時t2に基本料金が100円+10kgを精白処理できる稼動時間毎の課金料金100円の200円を引き落としする制御構成としてもよい。
【0023】
(初期循環制御)
次に、精米コースの精米機の起動タイミング制御について説明する。
精米機の起動タイミング制御は、図6のタイミングチャートCに示すように、利用者が料金投入後にコース選択を行った時t1にロータリバルブ等を起動し、玄米タンク下限センサ15bがオンした時t2に精米機を起動するとともに、当初の所定時間Tpについて白米出口を循環シュートに切替えて初期循環動作を行う。
【0024】
従来の精米機の起動制御のように、米の投入の有無に関係なくコース選択から所定時間の経過後に精米機を起動し、玄米の投入遅れに対応するために玄米の投入を検出してから初期循環動作を開始した場合は、精米機が先行して起動されていることから、初期循環時間が長くならざるを得なかったが、上記精米機は、玄米タンク下限センサ15bがオンしたことを条件に起動され、この時点から初期循環動作を開始することにより、初期に精米機に送り込まれる量を多くできるので、短時間で搗精圧を確保することができ、循環用のシュート16gにチャージする精白米の量を少なくすることができるため、全体の処理時間を短縮することができる。
【0025】
(センサ故障対応)
次に、玄米タンク下限センサ15bが故障の場合の制御について説明する。
図7のタイミングチャートDに示すように、コース選択時t1に投入部センサが投入ホッパ12内の玄米を検出している状態でロータリバルブ12v等を起動し、それから所定時間の経過の時t3においても依然として玄米タンク下限センサ15bがオフの場合は同センサの故障として取扱い、投入部センサ12sがオフとなった時t4までのオン時間Tc=t4−t1に基づいて以後のシステム運転時間を設定して精米処理を行う。
このように運転制御することにより、玄米タンク下限センサ15bの異常が生じても投入部センサ12sの情報を利用することによってシステムを稼動することができるので、利用性を向上することができる。
【0026】
次に、ロータリバルブセンサ12sが故障の場合の制御について説明する。
図8のタイミングチャートEに示すように、コース選択時t1にロータリバルブ等を起動し、その後、玄米タンク下限センサ15bがオンとなった時点t2においても依然として投入部センサ12sがオフの場合は同センサの故障として取扱い、1単価分の取り込みに相当するタイマ2(例えば、70s)による所定時間の経過時t5にロータリバルブ12vを1単価毎に停止させ、その精米終了の検出時t6と対応して次の1単価分の処理を繰り返すように運転制御する。
このように運転制御することにより、投入部センサ12sの異常が生じても他のセンサ情報を利用することによってシステムを稼動することができる。
【0027】
また、ロータリバルブセンサ12sが故障の場合の別の制御については、図9のタイミングチャートFに示すように、コース選択時t1にロータリバルブ12v等を起動し、その後、玄米タンク下限センサ15bがオンとなった時点t2においても依然として投入部センサ12sがオフの場合は同センサの故障として取扱い、タイマ1による1単価分の取り込みに相当する所定時間(例えば、90s)の経過時t7にロータリバルブ12vを停止させ、その1単価分の精米終了の検出時t6と対応して残米排出動作に移行し、その後にシステムを停止するように運転制御する。
【0028】
従来の制御構成では、投入部センサ12sがオフのままの場合は1単価分のロータリバルブ12vの運転時間の経過前に終了動作に移行して料金分の運転が行われないこととなるが、上記のように運転制御することにより、投入部センサ12sの異常が生じても他のセンサ情報を利用することによって余分な料金徴収を防止するとともに、待機状態を短縮化することができる。
【0029】
次に、投入部センサの状態に応じた制御処理について説明する。
図10(a)のタイミングチャートGに示すように、コース選択時t1にロータリバルブ等を起動し、この時、既に投入部センサ12sがオンの場合はタイマ1(例えば、90s)の減算を直ちに開始し、また、図10(b)のタイミングチャートHに示すように、コース選択時t1にロータリバルブ12v等を起動して玄米タンク下限センサ15bがオンとなった時点t2で依然として投入部センサ12sがオフの場合はタイマ2(例えば、70s)を減算開始する。上記タイマは、タイマ1よりタイマ2の方が少ない数値とする。
【0030】
上記運転制御により、コース選択時t1から料金タイマを減算開始していた従来の運転制御に避けられなかった玄米の投入遅れ時の空運転課金の問題を解消することができる。また、システムの稼動確保により、投入部センサ12sの異常が生じた場合において規定料金分の運転ができないという従来の運転制御の問題を解消することができる。このように、投入部センサ12sの故障に対応しつつ、幅広い投入方法に対応することができる。
【0031】
(白米チャージタンク)
次に、白米チャージタンクについて説明する。
乾式無洗米処理を行う場合は、図11(a)の精米部の正面図に示すように、精米機15の出口部には、白米を一旦貯める白米チャージタンク16tを設ける。この白米チャージタンク16tには、その上方にモータ16mを設け、このモータ16mによって回転駆動される回転体16rをタンク内に挿入配置する。この回転体16rの回転動作によってブリッジ防止効果を得ることができる。
【0032】
上記回転体16rは、図11(b)〜(d)に示すように、攪拌バー16a、チェーン16b、螺旋16c等によって構成することにより、白米チャージタンク16tのコーナー部に白米が溜まらないように配置した反射板による従来のブリッジ防止手段より良好なブリッジ防止効果を得ることができ、また、米の性状や環境について幅広い適用が可能である。
【0033】
(投入ホッパ部)
次に、投入ホッパ部の構成について説明する。
投入ホッパ12には、図12(a)の斜視図に示すように、その開口部に荷受け用のダンプラック21、ダンプ動作用のシリンダ22、仕切壁11のドア23等からなるパワーダンプ機構を設ける。ダンプラック21は、荷受け姿勢角度から投入姿勢角度まで後倒動作可能に投入ホッパ12の高さ位置に設けた支点21sに軸支する。シリンダ22はダンプラック21と連結してその支点21sを中心に後傾駆動する。ドア23はダンプラック21の後傾とともに仕切壁11を開放可能にスプリングリターン式に支持する。
【0034】
上記パワーダンプ機構は、図12(b)〜(d)の側面視による動作説明図に示すように、同図(b)の荷受け姿勢位置でダンプラック21が床面高さ位置に直立してこのダンプラック21に袋詰め玄米を置き、同図(c)のシリンダ22の伸張動作によりダンプラック21の後傾動作とともにその作用力によってドア23を奥側に押し開き、同図(d)の排出姿勢位置で投入ホッパ12の上方にダンプラック21が後倒動作することにより玄米が投入ホッパ12に投入される。玄米投入後は逆動作により同図(b)の荷受け姿勢位置で待機する。
【0035】
上記構成のパワーダンプ機構により、玄米をホッパ投入する際に、例えば30kg程度の玄米であってもそのような重量物を投入ホッパ12の上方まで持ち上げるための作業負荷を軽減することがでるとともに、ドア23によって異物の混入を防止することができる。
【0036】
(ロータリバルブの制御)
次に、ロータリバルブの制御について説明する。
投入ホッパ12から玄米を繰り出すロータリバルブ12vをモータで可変速駆動し、精米機の流量調整タンクには、上限位置、下限位置に玄米検出用のセンサおよびその中間位置に確認センサ2個を配置し、この中間2個のセンサ情報からロータリバルブの回転を比例制御し、インターロックがかからないように流量制御を行う。その流量制御状態を次の精米時まで維持してロータリバルブを前回の回転数に保持する。
【0037】
すなわち、図13の処理経過特性図において、精米機能率線aに対し、従来のインターロック制御によるロータリバルブ能率線bによることなく、比例制御によるロータリバルブ能率線cのように制御する。
【0038】
比例制御は、予め最大能率と最小能率を決定しておき、交互に徐々に幅を狭めていく制御である。つまり、本案では、例えば、最大能率スタート→確認センサ下オン→確認センサ上オン→最小能率に変更し、また、確認センサ上オフ→確認センサ下オフ→中間A能率(能率の最大値と最小値の平均値)に変更すると言うように、上限がきたら今回と前回の中間の能率に変更し、インターロックがかからない制御を行う。
【0039】
一般に機械は連続仕様で性能を発揮することから、インターロックしない方が望ましい。例えば、石抜機などは定量の玄米を選別するもので、玄米を切らせると選別不良や玄米飛散の原因となるが、そのような不具合を防ぐことができる。また、玄米タンクもインターロック時と同じように小さくすることができる。さらに、精米機の能率は、諸々条件により変化し、そのような条件に幅広く対応することができる。
【0040】
(料金不足時の取扱い)
次に、自動精米処理システムによる料金不足時の取扱いについて説明する。
白米チャージタンク容量(例えば、30kg)を限度として無洗米処理する従来の無洗米コースにおいては、料金不足で終了した場合に白米タンクに無洗米が全く出てこないので、不慣れな利用者や管理者は、システムの故障、白米チャージタンク内での白米のブリッジ等と勘違いし、混乱の原因となるという問題がある。
【0041】
その第1の解決方法は、無洗米コースのみが料金不足となった場合(課金切れ時にロータリバルブセンサ12sがオン)は全量を最後まで無洗米処理を続行し、または、機内に取込んだ米について無洗米処理して排出する方法である。このように無洗米処理を進めることにより、無用なトラブルを回避することができる。
【0042】
第2の解決方法は、無洗米コースのみが料金不足となった場合は、最終単価の運転時間(ロータリバルブ1単価運転時間)が終了すると、機内に取込んだ米について無洗米処理して排出するか、追加料金の投入によって再起動するかを利用者が任意選択可能に構成する方法である。
【0043】
詳細には、最終課金の運転が終了後にシステムを一時停止し、無洗米ボタンを押すと機内の米を全て無洗米処理して排出し、一方、追加料金を投入してから無洗米ボタンを押すと、途中停止の状態で残った投入ホッパの玄米を機内に取込み処理する現行の制御を行う。また、最終課金の運転が終了して本機を一時停止した際に、音声ガイダンスで上記追加料金による処理を利用者に案内する。このようにして、前記同様に無用なトラブルを回避することができる。
【0044】
第3の解決方法は、残米全量排出型の自動精米処理システムにおいて料金不足となった場合に、最終単価の運転時間(ロータリバルブ1単価運転時間)が終了すると、白米チャージタンクに取込んだ米について無洗米処理して全てを白米タンクに排出するか、追加料金の投入によって再起動するかを利用者が任意選択可能に構成する。
【0045】
詳細には、最終課金の運転が終了後にシステムを一時停止し、白度ボタンを押すと白米チャージタンク内の米を精米して排出し、一方、追加料金を投入してから白度ボタンを押すと、途中停止の状態で残った投入ホッパの玄米を機内に取込み処理する現行の制御を行う。また、最終課金の運転が終了して本機を一時停止した際に、音声ガイダンスで上記追加料金による処理を利用者に案内する。このようにして、前記同様に無用なトラブルを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】自動精米処理システム構成例の平面図である。
【図2】自動精米処理システムの内部機器構成例の側面図である。
【図3】自動精米処理システムのシステム展開図である。
【図4】タイミングチャートAである。
【図5】タイミングチャートBである。
【図6】タイミングチャートCである。
【図7】タイミングチャートDである。
【図8】タイミングチャートEである。
【図9】タイミングチャートFである。
【図10】タイミングチャートG(a)およびタイミングチャートH(b)である。
【図11】乾式無洗米処理を行う場合の精米部の正面図(a)および回転体の構成例(b〜d)である。
【図12】パワーダンプ機構の斜視図(a)および側面視による動作説明図(b)〜(d)である。
【図13】処理経過特性図である。
【符号の説明】
【0047】
1 建屋
2 機械室
3 受入スペース
11 仕切壁
12 投入ホッパ
12s ロータリバルブセンサ(投入部センサ)
12v ロータリバルブ(繰出機構)
13 白米タンク
14 石抜機
15 精米機
15b 玄米タンク下限センサ(玄米有無検出センサ)
15t 玄米タンク
15v 切替弁
16g 白米シュート(白米チャージタンク)
t1 コース選択時
t2 下限センサ検出時
t3 所定時間経過時
t4 全量繰出時
t5 所定時間経過時
t6 精米終了時
t7 所定時間経過時
Tp 初期循環時間
Tc 全量繰出時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された玄米を受ける投入ホッパ(12)と、この投入ホッパ(12)に投入された玄米を所定量ずつ繰出す繰出機構(12v)と、繰出された玄米中の異物を分離する石抜機(14)と、この石抜機(14)で石抜処理された玄米を精白処理する精米機(15)と、利用料金を投入すると上記繰出機構(12v)、上記石抜機(14)、上記精米機(15)各機器の稼働制御およびこの各機器の稼動時間毎に利用料金の課金制御をする制御部とを備え、上記精米機(15)の玄米投入口には、上記石抜処理工程から搬送された玄米の貯留が可能な玄米タンク(15t)を設け、この玄米タンク(15t)の内部には玄米の有無を検出する玄米有無検出センサ(15b)を設け、この玄米有無検出センサ(15b)による玄米の検出を条件に前記各機器の稼働時間毎の利用料金の課金制御を開始することを特徴とする自動精米処理装置。
【請求項2】
投入された玄米を受ける投入ホッパ(12)と、この投入ホッパ(12)に投入された玄米を所定量ずつ繰出す繰出機構(12v)と、繰出された玄米中の異物を分離する石抜機(14)と、この石抜機(14)で石抜処理された玄米を精白処理する精米機(15)と、該精米機(15)で精白処理された精白米のうち精白開始から所定量の精白米をチャージする循環用のシュートと、利用料金を投入すると上記繰出機構(12v)、上記石抜機(14)、上記精米機(15)各機器の稼働制御およびこの各機器の稼動時間毎に利用料金の課金制御をする制御部とを備え、上記精米機(15)の玄米投入口には、上記石抜処理工程から搬送された玄米の貯留が可能な玄米タンク(15t)を設け、この玄米タンク(15t)の内部には玄米の有無を検出する玄米有無検出センサ(15b)を設け、この玄米有無検出センサ(15b)による玄米の検出を条件に精米機(15)の稼動を開始することを特徴とする自動精米処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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