自動精米設備
【課題】
本発明は、原料投入ホッパに異物除去用の網体を設けた自動精米設備において、網体への穀粒の付着を防止し、精米作業終了時における原料投入ホッパへの穀粒の残留を防止する。
【解決手段】
建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を設けた自動精米設備において、自動精米設備の制御用のコントローラを設け、原料投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、原料投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設け。
本発明は、原料投入ホッパに異物除去用の網体を設けた自動精米設備において、網体への穀粒の付着を防止し、精米作業終了時における原料投入ホッパへの穀粒の残留を防止する。
【解決手段】
建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を設けた自動精米設備において、自動精米設備の制御用のコントローラを設け、原料投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、原料投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動精米設備の穀物投入ホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動精米設備において、穀物投入ホッパに網材を平面状に設置し、玄米より大きな異物が機械室に入り込まないようにし、この網材の網目の全周にわたってその深さ寸法を6mm以上に形成し、虫綴り米の絡みを防止したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−297192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、穀物投入ホッパに異物除去用の網体を設けた自動精米設備において、網体への穀粒の付着を防止し、精米作業終了時における穀物投入ホッパへの穀粒の残留を防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
【0006】
請求項1の発明は、穀物を投入する穀物投入ホッパ(5)と、精米機(15)と、精米運転の制御用のコントローラを設け、穀物投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたことを特徴とする自動精米設備とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)には穀粒の有無を検出する穀粒投入センサ(31)を設け、該穀粒検出センサ(31)が穀粒無し検出をすると、前記振動手段(35)を振動させる機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)の底部に穀粒繰出手段(8)を設け、前記穀粒投入センサ(31)が穀粒有り検出をすると、前記穀粒繰出手段(8)の駆動を開始し、穀粒無し検出をしてから所定時間後に前記穀粒繰出手段(8)の駆動を停止する構成とし、該穀粒繰出手段(8)の駆動停止前に前記振動手段(35)の駆動を停止する機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によると、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたので、網体(34)に付着している穀粒を除去することができる。
【0010】
請求項2の発明によるとは、請求項1の発明の前記効果に加えて、穀物投入ホッパ(5)の穀粒がなくなってから網体(34)を振動させて穀粒を除去するので、後続の精米利用者はきれいになっている網体(34)の穀物投入ホッパ(5)に穀粒を投入し精米することができる。
【0011】
請求項3の発明によると、請求項2の発明の前記効果に加えて、穀物投入ホッパ(5)に投入した穀粒を網体(34)及びホッパ内に残さずに精米作業を終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】精米設備の平面図。
【図2】精米設備の工程図。
【図3】精米設備の操作室側から見た正面図。
【図4】フローチャート。
【図5】穀物投入ホッパの側面図。
【図6】網体の平面図、側面図。
【図7】穀物投入ホッパ、第1昇降機の平面図、側面図。
【図8】穀物投入ホッパの側面図、平面図。
【図9】穀物投入ホッパの側面図、斜視図。
【図10】穀物投入ホッパの側面図。
【図11】穀物投入ホッパの正面図、平面図。
【図12】網体の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0014】
まず、図1及び図2に基づき本発明を備えた料金式自動精米設備の全体構成について説明する。
【0015】
料金式自動精米設備は、建屋1内を操作室2と機械室3とに仕切り壁4により仕切り、操作室2側に面して穀物投入ホッパ5、操作盤6及び白米取出タンク7を設けている。
【0016】
また、機械室3内には、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、玄米タンク14、精米機15、精米機15の糠を吸引除去する糠排出ファン16、サイクロン(図示省略)、糠移送装置(図示省略)、糠袋(図示省略)を設けている。そして、穀物投入ホッパ5にはロータリバルブ等の玄米繰出手段8及び玄米の有無を検出する穀粒投入センサ31を設け、玄米繰出手段8から繰り出された玄米を第1昇降機11に供給している。また、精米機15の上手側に設けている玄米貯溜用の玄米ホッパ14を設け、玄米ホッパ14内には精米機15で適正に精米できる最小玄米量を検出する第二穀粒検出センサ32を設けている。
【0017】
精米機15には、図示を省略したが、搗精室内に搗精ロールを配設し、搗精室の排出口には精白度調節用の圧迫板を設け、圧迫板を圧迫板調節モータで調節するように構成し、搗精室の搗精網から漏過した糠を糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引除去している。
【0018】
また、操作盤6の操作面には、図3に示すように、その上側部に精米作業手順表示部21を設け、精米作業手順である(1)「精米料金を投入する。」、(2)「白度選択ボタンを押す」、(3)籾・玄米を投入する」、(4)「白米を取り出す」と記載している。
【0019】
精米作業手順表示部21の下方には精米作業進行表示部22を設け、精米作業の進行状態を示す(1)精米料金投入表示灯22a、穀粒投入表示灯22b、白度選択表示灯22c及び白米取出表示灯22dを設け、精米作業手順の進行に従って点灯表示するようにしている。
【0020】
また、白度選択表示灯22cの下方には、もち米スイッチ23、白度選択設定用の上白スイッチ24、標準スイッチ25、8ぶスイッチ26を設けている。
【0021】
白度選択表示部22の下方には、コインメック27を設けている。
【0022】
前記構成によると、穀物投入ホッパ5への玄米の投入を穀粒投入センサ31が検出すると、操作盤6に内蔵しているコントローラ(図示省略)の指令により、精米設備の各作業部が駆動手段を介して駆動される。しかして、玄米繰出手段8が駆動され、穀物投入ホッパ5内の玄米が順次繰り出され、第1昇降機11を経て石抜き機12に移送され、石抜き機12で玄米から石等の異物が除去される。次いで、第2昇降機13で玄米は揚穀され、玄米タンク14を経て精米機15に供給され、精米機15で精米処理され、精白米が白米取出タンク7に取り出される。精米機15の糠は糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引され、糠移送装置(図示省略)を経て糠袋(図示省略)に収納される。
【0023】
次に、図4に基づきコントローラの精米制御内容について説明する。
【0024】
精米運転制御が開始され、精米料金が投入されると(ステップS1)、穀物投入ホッパ5の開閉扉(図示省略)が開放されて玄米投入可能状態になる(ステップS2)。次いで、穀物投入ホッパ5に玄米が投入され(ステップS3)、白度選択スイッチ(23〜26)の選択操作がなされると(ステップS4)、コントローラの指令により精米料金に応じた運転時間で精米設備の各作業部の運転が開始され、運転時間の減算処理が開始され(ステップS5)、精米運転が実行される(ステップS6)。
【0025】
次いで、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS7)、Noであると、前記ステップS6も戻る。Yesであると、穀粒投入センサ31が穀粒無し検出をしたか否かを判定し(ステップS8)、Noであると、精米設備の各作業部の運転を停止する(ステップS9)。次いで、精米料金の追加投入の有無を判定し(ステップS10)、Yesであると、前記ステップS5に戻り、Noであると、後述のステップS14へ移行する。
【0026】
また、穀粒投入センサ31が穀粒無し検出をしたか否かを判定し(ステップS8)、Yesであると、振動モータ35を所定時間にわたり駆動し、穀物投入ホッパ5の網体35を振動させ、付着している穀粒を落下させる(ステップS1)。次いで、玄米繰出手段8を停止して所定時間の精米終了動作を開始し、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、玄米タンク14、精米機15、糠排出ファン16を順次し、(ステップS12)、所定時間が終了すると、精米運転を停止し(ステップS13)、開閉扉を閉鎖し、精米運転精米を終了する。
【0027】
次に、図5について説明する。
【0028】
穀物投入ホッパ5には異物除去用の網体34と、この網体34を振動させる振動モータ35を設けている。穀物投入ホッパ5の上部を平面視で四角形の穀粒投入開口部とし、垂直状の左右側板5a,5bと、垂直状の後側板5cと、後下がり傾斜状の前側板5dと、前記開口部の後側部を閉鎖する上側板5eとでホッパを構成し、ホッパの底部には玄米繰出手段8を設けている。
【0029】
網体34は図6に示すように、平面視四角形状の外枠体34aの上面に縦方向の縦方向丸棒34bを所定間隔毎に並べ、その両端部を外枠体34aに例えば溶接して取り付けている。外枠体34aの下面側に横方向の横方向丸棒34cを所定間隔毎に並べ、同様に取り付けて格子状に構成している。
【0030】
前記構成によると、しかして、縦方向丸棒34bと横方向丸棒34cの上下間隔が広くなり、玄米に比較して大きな異物を係止除去し、また、連続状の虫喰い玄米の絡みつきを防止し円滑に落下させることができる。また、四角形状の外枠体34aの上面に縦方向丸棒34bの両端部を溶接して取り付け、外枠体34aの下面側に横方向丸棒34cの両端部を溶接して取り付けているので、溶接箇所を少なくし、コストの低減を図ることができる。
【0031】
また、穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、図5に示すように、網体34の外枠体34aの後支持片34dを穀物投入ホッパ5の後側板5cの支持部に挿入支持し、前側板5dのブラケット36の支持孔に外枠体34aの前支持片34eを挿通し、取付ボルト37で締め付け支持している。そして、前側板5dの上下方向中間外側部に振動モータ35を取り付けて、振動モータ35の上方近傍に網体34を位置させている。また、前側板5dの下部には穀粒投入センサ31を取り付け、振動モータ35の下方近傍に穀粒投入センサ31を位置させている。
【0032】
前記構成によると、穀物投入ホッパ5の傾斜している前側板5dの上下方向中間部を振動モータ35で振動させるので、前側板5dに残留している玄米を確実の落下させ、また、近傍に位置している振動モータ35により網体34及び穀粒投入センサ31を振動させるので、玄米を確実に落下させて玄米繰出手段8に確実に送り込むことができ、穀粒投入センサ31への玄米の残留をなくし、検出精度を高めることができる。
【0033】
また、図7のように構成してもよい。
【0034】
穀物投入ホッパ5に網体34を取り付け、後側板5cの上部左右一側の第1昇降機11の側方に位置するように振動35を取り付けている。前記構成によると、精米作業終了時に振動モータ35を駆動することにより、網体34に付着している玄米を落下させることができる。また、開閉扉(図示省略)を開け穀物投入ホッパ5を玄米投入可能状態にあると、穀物投入ホッパ5の操作室2の近くに振動モータ35があり、振動モータ35のメンテナンスを楽に行なうことができる。
【0035】
また、図8に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、網体34を前下がり傾斜状にし、外枠体34aの左右前後側面を左右側板5a,5b、前側板5d、後側板5cに接触するように取り付ける。このように構成すると、網体34上を玄米が前下がり傾斜に沿って流下しながら落下し、玄米の残留を少なくすることができる。
【0036】
また、図9に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、網体34を前下がり傾斜状にし、網体34の外枠体34aの前後側面を前側板5d、後側板5cに接触支持し、網体34の左右両側と左右側板5a,5bとの間に間隔部5f,5fを構成する。このように構成すると、網体34の左右両側の左右間隔部5f,5fから穀物投入ホッパ5の底部の玄米繰出手段8までは離れているので利用者の危険を回避しながら、網体34のコストを低減することができる。
【0037】
次に、図10について説明する。穀物投入ホッパ5の前側板5dの上下方向中間部に、網体34の前支持部を上下回動自在に支持し、後側板5cの長孔に網体34の後支持部34dを上下動自在に支持する。そして、網体34の後支持部34dに復帰バネ38とソレノイド39を取り付け、網体34を上下振動可能に構成する。しかして、網体34の清掃時、あるいは、穀物投入ホッパ5の穀粒なし検出時に、ソレノイド39を駆動し、網体34を振動させ、穀物投入ホッパ5及び網体34の穀粒を落下させる。
【0038】
また、図11に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5の上側板5dの上面に振動モータ35を取り付けて、穀物投入ホッパ5及び網体34の玄米を落下させるように構成する。前記構成によると、狭い機械室3内に邪魔にならない位置に振動モータ35を取り付けできる。
【0039】
また、図12のように構成してもよい。平面視四角形状の網体34の外枠体34aの前後両側部に前後支持棒34f,34gを設け、この前後支持棒34f,34gをホッパ5の前後側板5d,5cに反転自在に軸支する。そして、前後支持棒34f,34bのいずれかに振動モータ35を取り付け、網体34を反転させた状態で振動させると、ひも状に連なったいわゆるつづれ米を容易に落下させることができる。
【0040】
また、穀物投入ホッパ5に着脱自在に網体34を取り付け、網体34には持ち上げ状態を検出できる網体検出センサ(図示省略)を設ける。しかして、網体検出センサが網体34の持ち上げを検出すると、自動精米設備の各作業部及び振動モータ35を停止すると共に、モニタ表示装置(図示省略)に網体35の持ち上げにより機械が停止した旨を表示する。また、網体35を元に戻すと、所定時間後に網体34の取付状態が正常になったので駆動を再開する旨表示し、各作業部及び振動モニタ35の駆動を再開するようにすると、安全である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
この実施の形態は、建屋式の自動精米設備について説明しているが、他にも自動販売機型のコンパクトな自動精米設備にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 建屋
2 操作室
3 機械室
5 穀物投入ホッパ
6 操作盤
7 白米取出タンク
8 穀粒繰出手段
15 精米機
31 穀粒投入センサ
34 網体
35 振動手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動精米設備の穀物投入ホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動精米設備において、穀物投入ホッパに網材を平面状に設置し、玄米より大きな異物が機械室に入り込まないようにし、この網材の網目の全周にわたってその深さ寸法を6mm以上に形成し、虫綴り米の絡みを防止したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−297192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、穀物投入ホッパに異物除去用の網体を設けた自動精米設備において、網体への穀粒の付着を防止し、精米作業終了時における穀物投入ホッパへの穀粒の残留を防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
【0006】
請求項1の発明は、穀物を投入する穀物投入ホッパ(5)と、精米機(15)と、精米運転の制御用のコントローラを設け、穀物投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたことを特徴とする自動精米設備とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)には穀粒の有無を検出する穀粒投入センサ(31)を設け、該穀粒検出センサ(31)が穀粒無し検出をすると、前記振動手段(35)を振動させる機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)の底部に穀粒繰出手段(8)を設け、前記穀粒投入センサ(31)が穀粒有り検出をすると、前記穀粒繰出手段(8)の駆動を開始し、穀粒無し検出をしてから所定時間後に前記穀粒繰出手段(8)の駆動を停止する構成とし、該穀粒繰出手段(8)の駆動停止前に前記振動手段(35)の駆動を停止する機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によると、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたので、網体(34)に付着している穀粒を除去することができる。
【0010】
請求項2の発明によるとは、請求項1の発明の前記効果に加えて、穀物投入ホッパ(5)の穀粒がなくなってから網体(34)を振動させて穀粒を除去するので、後続の精米利用者はきれいになっている網体(34)の穀物投入ホッパ(5)に穀粒を投入し精米することができる。
【0011】
請求項3の発明によると、請求項2の発明の前記効果に加えて、穀物投入ホッパ(5)に投入した穀粒を網体(34)及びホッパ内に残さずに精米作業を終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】精米設備の平面図。
【図2】精米設備の工程図。
【図3】精米設備の操作室側から見た正面図。
【図4】フローチャート。
【図5】穀物投入ホッパの側面図。
【図6】網体の平面図、側面図。
【図7】穀物投入ホッパ、第1昇降機の平面図、側面図。
【図8】穀物投入ホッパの側面図、平面図。
【図9】穀物投入ホッパの側面図、斜視図。
【図10】穀物投入ホッパの側面図。
【図11】穀物投入ホッパの正面図、平面図。
【図12】網体の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0014】
まず、図1及び図2に基づき本発明を備えた料金式自動精米設備の全体構成について説明する。
【0015】
料金式自動精米設備は、建屋1内を操作室2と機械室3とに仕切り壁4により仕切り、操作室2側に面して穀物投入ホッパ5、操作盤6及び白米取出タンク7を設けている。
【0016】
また、機械室3内には、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、玄米タンク14、精米機15、精米機15の糠を吸引除去する糠排出ファン16、サイクロン(図示省略)、糠移送装置(図示省略)、糠袋(図示省略)を設けている。そして、穀物投入ホッパ5にはロータリバルブ等の玄米繰出手段8及び玄米の有無を検出する穀粒投入センサ31を設け、玄米繰出手段8から繰り出された玄米を第1昇降機11に供給している。また、精米機15の上手側に設けている玄米貯溜用の玄米ホッパ14を設け、玄米ホッパ14内には精米機15で適正に精米できる最小玄米量を検出する第二穀粒検出センサ32を設けている。
【0017】
精米機15には、図示を省略したが、搗精室内に搗精ロールを配設し、搗精室の排出口には精白度調節用の圧迫板を設け、圧迫板を圧迫板調節モータで調節するように構成し、搗精室の搗精網から漏過した糠を糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引除去している。
【0018】
また、操作盤6の操作面には、図3に示すように、その上側部に精米作業手順表示部21を設け、精米作業手順である(1)「精米料金を投入する。」、(2)「白度選択ボタンを押す」、(3)籾・玄米を投入する」、(4)「白米を取り出す」と記載している。
【0019】
精米作業手順表示部21の下方には精米作業進行表示部22を設け、精米作業の進行状態を示す(1)精米料金投入表示灯22a、穀粒投入表示灯22b、白度選択表示灯22c及び白米取出表示灯22dを設け、精米作業手順の進行に従って点灯表示するようにしている。
【0020】
また、白度選択表示灯22cの下方には、もち米スイッチ23、白度選択設定用の上白スイッチ24、標準スイッチ25、8ぶスイッチ26を設けている。
【0021】
白度選択表示部22の下方には、コインメック27を設けている。
【0022】
前記構成によると、穀物投入ホッパ5への玄米の投入を穀粒投入センサ31が検出すると、操作盤6に内蔵しているコントローラ(図示省略)の指令により、精米設備の各作業部が駆動手段を介して駆動される。しかして、玄米繰出手段8が駆動され、穀物投入ホッパ5内の玄米が順次繰り出され、第1昇降機11を経て石抜き機12に移送され、石抜き機12で玄米から石等の異物が除去される。次いで、第2昇降機13で玄米は揚穀され、玄米タンク14を経て精米機15に供給され、精米機15で精米処理され、精白米が白米取出タンク7に取り出される。精米機15の糠は糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引され、糠移送装置(図示省略)を経て糠袋(図示省略)に収納される。
【0023】
次に、図4に基づきコントローラの精米制御内容について説明する。
【0024】
精米運転制御が開始され、精米料金が投入されると(ステップS1)、穀物投入ホッパ5の開閉扉(図示省略)が開放されて玄米投入可能状態になる(ステップS2)。次いで、穀物投入ホッパ5に玄米が投入され(ステップS3)、白度選択スイッチ(23〜26)の選択操作がなされると(ステップS4)、コントローラの指令により精米料金に応じた運転時間で精米設備の各作業部の運転が開始され、運転時間の減算処理が開始され(ステップS5)、精米運転が実行される(ステップS6)。
【0025】
次いで、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS7)、Noであると、前記ステップS6も戻る。Yesであると、穀粒投入センサ31が穀粒無し検出をしたか否かを判定し(ステップS8)、Noであると、精米設備の各作業部の運転を停止する(ステップS9)。次いで、精米料金の追加投入の有無を判定し(ステップS10)、Yesであると、前記ステップS5に戻り、Noであると、後述のステップS14へ移行する。
【0026】
また、穀粒投入センサ31が穀粒無し検出をしたか否かを判定し(ステップS8)、Yesであると、振動モータ35を所定時間にわたり駆動し、穀物投入ホッパ5の網体35を振動させ、付着している穀粒を落下させる(ステップS1)。次いで、玄米繰出手段8を停止して所定時間の精米終了動作を開始し、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、玄米タンク14、精米機15、糠排出ファン16を順次し、(ステップS12)、所定時間が終了すると、精米運転を停止し(ステップS13)、開閉扉を閉鎖し、精米運転精米を終了する。
【0027】
次に、図5について説明する。
【0028】
穀物投入ホッパ5には異物除去用の網体34と、この網体34を振動させる振動モータ35を設けている。穀物投入ホッパ5の上部を平面視で四角形の穀粒投入開口部とし、垂直状の左右側板5a,5bと、垂直状の後側板5cと、後下がり傾斜状の前側板5dと、前記開口部の後側部を閉鎖する上側板5eとでホッパを構成し、ホッパの底部には玄米繰出手段8を設けている。
【0029】
網体34は図6に示すように、平面視四角形状の外枠体34aの上面に縦方向の縦方向丸棒34bを所定間隔毎に並べ、その両端部を外枠体34aに例えば溶接して取り付けている。外枠体34aの下面側に横方向の横方向丸棒34cを所定間隔毎に並べ、同様に取り付けて格子状に構成している。
【0030】
前記構成によると、しかして、縦方向丸棒34bと横方向丸棒34cの上下間隔が広くなり、玄米に比較して大きな異物を係止除去し、また、連続状の虫喰い玄米の絡みつきを防止し円滑に落下させることができる。また、四角形状の外枠体34aの上面に縦方向丸棒34bの両端部を溶接して取り付け、外枠体34aの下面側に横方向丸棒34cの両端部を溶接して取り付けているので、溶接箇所を少なくし、コストの低減を図ることができる。
【0031】
また、穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、図5に示すように、網体34の外枠体34aの後支持片34dを穀物投入ホッパ5の後側板5cの支持部に挿入支持し、前側板5dのブラケット36の支持孔に外枠体34aの前支持片34eを挿通し、取付ボルト37で締め付け支持している。そして、前側板5dの上下方向中間外側部に振動モータ35を取り付けて、振動モータ35の上方近傍に網体34を位置させている。また、前側板5dの下部には穀粒投入センサ31を取り付け、振動モータ35の下方近傍に穀粒投入センサ31を位置させている。
【0032】
前記構成によると、穀物投入ホッパ5の傾斜している前側板5dの上下方向中間部を振動モータ35で振動させるので、前側板5dに残留している玄米を確実の落下させ、また、近傍に位置している振動モータ35により網体34及び穀粒投入センサ31を振動させるので、玄米を確実に落下させて玄米繰出手段8に確実に送り込むことができ、穀粒投入センサ31への玄米の残留をなくし、検出精度を高めることができる。
【0033】
また、図7のように構成してもよい。
【0034】
穀物投入ホッパ5に網体34を取り付け、後側板5cの上部左右一側の第1昇降機11の側方に位置するように振動35を取り付けている。前記構成によると、精米作業終了時に振動モータ35を駆動することにより、網体34に付着している玄米を落下させることができる。また、開閉扉(図示省略)を開け穀物投入ホッパ5を玄米投入可能状態にあると、穀物投入ホッパ5の操作室2の近くに振動モータ35があり、振動モータ35のメンテナンスを楽に行なうことができる。
【0035】
また、図8に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、網体34を前下がり傾斜状にし、外枠体34aの左右前後側面を左右側板5a,5b、前側板5d、後側板5cに接触するように取り付ける。このように構成すると、網体34上を玄米が前下がり傾斜に沿って流下しながら落下し、玄米の残留を少なくすることができる。
【0036】
また、図9に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5に網体34を取り付けるにあたり、網体34を前下がり傾斜状にし、網体34の外枠体34aの前後側面を前側板5d、後側板5cに接触支持し、網体34の左右両側と左右側板5a,5bとの間に間隔部5f,5fを構成する。このように構成すると、網体34の左右両側の左右間隔部5f,5fから穀物投入ホッパ5の底部の玄米繰出手段8までは離れているので利用者の危険を回避しながら、網体34のコストを低減することができる。
【0037】
次に、図10について説明する。穀物投入ホッパ5の前側板5dの上下方向中間部に、網体34の前支持部を上下回動自在に支持し、後側板5cの長孔に網体34の後支持部34dを上下動自在に支持する。そして、網体34の後支持部34dに復帰バネ38とソレノイド39を取り付け、網体34を上下振動可能に構成する。しかして、網体34の清掃時、あるいは、穀物投入ホッパ5の穀粒なし検出時に、ソレノイド39を駆動し、網体34を振動させ、穀物投入ホッパ5及び網体34の穀粒を落下させる。
【0038】
また、図11に示すように構成してもよい。穀物投入ホッパ5の上側板5dの上面に振動モータ35を取り付けて、穀物投入ホッパ5及び網体34の玄米を落下させるように構成する。前記構成によると、狭い機械室3内に邪魔にならない位置に振動モータ35を取り付けできる。
【0039】
また、図12のように構成してもよい。平面視四角形状の網体34の外枠体34aの前後両側部に前後支持棒34f,34gを設け、この前後支持棒34f,34gをホッパ5の前後側板5d,5cに反転自在に軸支する。そして、前後支持棒34f,34bのいずれかに振動モータ35を取り付け、網体34を反転させた状態で振動させると、ひも状に連なったいわゆるつづれ米を容易に落下させることができる。
【0040】
また、穀物投入ホッパ5に着脱自在に網体34を取り付け、網体34には持ち上げ状態を検出できる網体検出センサ(図示省略)を設ける。しかして、網体検出センサが網体34の持ち上げを検出すると、自動精米設備の各作業部及び振動モータ35を停止すると共に、モニタ表示装置(図示省略)に網体35の持ち上げにより機械が停止した旨を表示する。また、網体35を元に戻すと、所定時間後に網体34の取付状態が正常になったので駆動を再開する旨表示し、各作業部及び振動モニタ35の駆動を再開するようにすると、安全である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
この実施の形態は、建屋式の自動精米設備について説明しているが、他にも自動販売機型のコンパクトな自動精米設備にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 建屋
2 操作室
3 機械室
5 穀物投入ホッパ
6 操作盤
7 白米取出タンク
8 穀粒繰出手段
15 精米機
31 穀粒投入センサ
34 網体
35 振動手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を投入する穀物投入ホッパ(5)と、精米機(15)と、精米運転の制御用のコントローラを設け、穀物投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたことを特徴とする自動精米設備。
【請求項2】
請求項1の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)には穀粒の有無を検出する穀粒投入センサ(31)を設け、該穀粒検出センサ(31)が穀粒無し検出をすると、前記振動手段(35)を振動させる機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備。
【請求項3】
請求項2の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)の底部に穀粒繰出手段(8)を設け、前記穀粒投入センサ(31)が穀粒有り検出をすると、前記穀粒繰出手段(8)の駆動を開始し、穀粒無し検出をしてから所定時間後に前記穀粒繰出手段(8)の駆動を停止する構成とし、該穀粒繰出手段(8)の駆動停止前に前記振動手段(35)の駆動を停止する機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備。
【請求項1】
穀物を投入する穀物投入ホッパ(5)と、精米機(15)と、精米運転の制御用のコントローラを設け、穀物投入ホッパ(5)の穀粒投入開口部に異物除去用の網体(34)を設け、穀物投入ホッパ(5)を振動させる振動手段(35)を設けたことを特徴とする自動精米設備。
【請求項2】
請求項1の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)には穀粒の有無を検出する穀粒投入センサ(31)を設け、該穀粒検出センサ(31)が穀粒無し検出をすると、前記振動手段(35)を振動させる機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備。
【請求項3】
請求項2の発明において、前記穀物投入ホッパ(5)の底部に穀粒繰出手段(8)を設け、前記穀粒投入センサ(31)が穀粒有り検出をすると、前記穀粒繰出手段(8)の駆動を開始し、穀粒無し検出をしてから所定時間後に前記穀粒繰出手段(8)の駆動を停止する構成とし、該穀粒繰出手段(8)の駆動停止前に前記振動手段(35)の駆動を停止する機能を前記コントローラに持たせたことを特徴とする自動精米設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−177658(P2011−177658A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44818(P2010−44818)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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