自動製パン機
【課題】風味良いフランスパンを焼き上げることができる自動製パン機を提供する。
【解決手段】ヒータ3を有する焼成室2と、焼成室2内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型4と、パン焼き型4内に設けられモータ5により回転駆動される練り羽根7と、ヒータ3やモータ5を制御する制御装置a10と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置11と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置12とを備え、フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に前記食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【解決手段】ヒータ3を有する焼成室2と、焼成室2内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型4と、パン焼き型4内に設けられモータ5により回転駆動される練り羽根7と、ヒータ3やモータ5を制御する制御装置a10と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置11と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置12とを備え、フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に前記食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭等で使用される自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の自動製パン機として、調理中にデニッシュ風食パンの調理工程中にバターを投入するパンコースを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、上記特許文献1に記載された従来の自動製パン機のブロック図を示すもので、同図において、1は、自動製パン機本体、2は、ヒータ3と、製パン材料を収納すると共に着脱自在に装着されるパン焼き型4を内部に有しパンを焼成する焼成室、7は、パン焼き型4の内部に有ってパン生地を捏ね上げる練り羽根、5は、ベルト6とプーリー8により動力を伝達させ練り羽根7を回転させるモータ、9は、焼成室2内の温度を検知するサーミスタ、15は、サーミスタ9の信号を受けてヒータ3やモータ5等を制御する制御装置bであり、各メニューの調理シーケンスも記憶している。
【0004】
11は、メニューコースの選択等を行う入力装置で、12は、選択されたメニューコースや調理終了時刻等を表示する表示装置で、13は、パンコースの終了等をブザーなどで知らせる報知装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−325622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたような従来の自動製パン機の構成では、本格的なフランスパンの調理を行うための食材の塩を投入する後塩投入の為の調理シーケンスにはなっておらず、本格的なフランスパンコースが出来ないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、本格的なフランスパンの調理を行うため、食材の塩を投入する後塩投入工程を設けた自動製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は、ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、使用者に少し手間となってしまうが、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の自動製パン機は、調理工程中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコー
スを設けることで、本格的なフランスパンの調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における自動製パン機のブロック図
【図2】同自動製パン機の入力装置と表示装置の表示内容を示す図
【図3】同自動製パン機のフランスパンの調理シーケンス図
【図4】同自動製パン機の後塩投入フランスパンコースの表示装置の調理工程実施中の表示を示す図
【図5】従来の自動製パン機のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、使用者に少し手間となってしまうが、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り時間を、前記通常フランスパンコースより短く設定したもので、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、練り時間を短く済ませることで、不要な練り工程を減らすことで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0013】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り工程と塩投入を行った後の練り工程の間に設けているねかし工程の時間を、通常フランスパンコースより短く設定したもので、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、ねかし時間を短く済ませることで、不要なねかし工程を減らすことで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入を行った後の練り工程時間を、通常フランスパンコースより長く設定したもので、塩をパン生地に均一に分散させると共に、パン生地を適度に引き締めることで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0015】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の後塩投入フランスパンコースでは、練り工程中に、塩を投入するタイミングをお知らせするもので、より使い易く、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図、図2は、同自動製パン機の入力装置と表示装置の表示内容を示す図、図3は、同自動製パン機のフランスパンの調理シーケンス図、図4は、同自動製パン機の後塩投入フランスパンコースの表示装置の調理工程実施中の表示を示す図である。
【0018】
本実施の形態における自動製パン機について、図1から図4を参照しながら説明する。なお、上記従来の自動製パン機と同じ構成のものは、同一符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図1で、10は、サーミスタ9の信号を受けてヒータ3やモータ5等を制御する制御装置aであり、通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースの調理シーケンスを記憶している。
【0020】
図2において、21は、液晶で、全点灯表示を行っている状態となっている。22は、LEDで、調理中は点灯状態、調理シーケンス終了時には、点滅状態、それ以外の場合には消灯状態となり自動製パン機の動作状態を示している。23から27のそれぞれは押しボタンスイッチからなり、メニュー選択のためのメニューボタン23、予約調理のための予約ボタン24、でき上がり時間設定のための時間変更ボタン25、調理のスタートを行うためのスタートボタン26、設定の取消や調理の停止を行うための取消ボタン27とが備わっている。
【0021】
まず、最初に通常フランスパンコースの動作について説明を行う。調理準備として、まず、パン焼き型4内に、材料として、強力粉と薄力粉、塩、ドライイースト、水を所定の配合率で投入する。
【0022】
図3(a)の通常フランスパンコースに従って、調理がスタートすると、まず前練工程(1)がスタートして、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が20℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。また、モータ5を断続的に駆動して、練り羽根7を回転させて、パン焼き型4内の材料を捏ね上げる。
【0023】
15分経過すると、次のねかし工程(2)に移行する。ねかし工程(2)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が、23℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。30分経過すると、次の後練り工程(3)に移行する。
【0024】
後練り工程(3)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が25℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。10分経過すると、次の発酵工程(4)に移行する。
【0025】
発酵工程(4)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、45分経過すると、次のガス抜き工程(5)に移行する。ガス抜き工程(5)では、ヒータ3への通電は行わず、モータ5のみを断続的に駆動してパン生地内に発生したガス抜きを行う。1分経過すると、次の発酵工程(6)に移行する。発酵工程(6)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、109分経過すると、次のガス抜き工程(7)に移行する。
【0026】
ガス抜き工程(7)では、先ほどのガス抜き工程(5)と同様に、モータ5のみを断続的に駆動し、1分経過すると、次の成形発酵工程(8)に移行する。成形発酵工程(8)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、39分経過すると、次の焼き上げ工程(9)に移行する。焼き上げ工程(9)では、サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が160℃に達するまでは、ヒータ3を通電率100%で駆動する。サーミスタ9の検知温度が160℃に達すると、ヒータ3を通電率40%で駆動する。この工程が50分経過すると、調理シーケンスが終了となり、通常のフランスパンが焼きあがる。
【0027】
次に、後塩フランスパンコースの動作について説明を行う。調理準備として、まず、パン焼き型4内に、材料として、強力粉と薄力粉、ドライイースト、水を所定の配合率で投入する。
【0028】
メニューボタン23を操作して、後塩フランスパンにメニューを選択すると、図4(a)に示すように、液晶21に調理残時間である「でき上がり 4時間45分後」の表示を行う。次に、スタートボタン26を操作すると、図4(b)に示すように、液晶21に、後塩投入までの時間である「後塩 20分後」が表示される。
【0029】
次に、図3(b)の後塩フランスパンコースに従って、まず前練工程(1)がスタートして、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が20℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。また、モータ5を断続的に駆動して、練り羽根7を回転させて、パン焼き型4内の材料を捏ね上げる。5分経過すると、次のねかし工程(2)に移行する。
【0030】
ねかし工程(2)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が23℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。5分経過すると、次の後練り1工程(3)に移行する。後練り1工程(3)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が25℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。10分経過すると、次の後塩工程(4)に移行する。後塩工程(4)に移行すると、図4(c)に示すように、液晶21に、後塩投入中であることを示すために、「後塩投入」が点滅表示されると共に、報知装置13によりブザー報知を行う。後塩工程(4)では、パン焼き型4に、塩を投入する。10分経過すると、次の後練り2工程(5)に移行する。それ以降の動作は、先ほどの通常フランスパンコースの動作とほぼ同じなので、説明は省略する。
【0031】
ここで、塩のみを後練り工程の途中で、投入することで、グルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせることができる。また、最初の練り時間を通常フランスパンコースより、短く設定しているのは、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、同じ内容により、不要な練り工程の時間を減らすことができる。さらに、ねかし工程を短く設定して、不要なねかし工程の時間を減らすことができる。このような調理シーケンスにすることで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0032】
尚、この塩の投入を自動で行う構成としても問題はない。そうすれば、さらに、使い勝手を良くする事ができる。
【0033】
また、この上記実施の形態での調理シーケンスの時間や温度は、本体構成によって決まるもので、この数値に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る自動製パン機は、後塩投入工程を設けることで、フランスパンの風味を向上させることが可能となるので、その他のパンコースにおいても、同様な効果があり、応用することが出来る。
【符号の説明】
【0035】
1 自動製パン機本体
2 焼成室
3 ヒータ
4 パン焼き型
5 モータ
6 ベルト
7 練り羽根
8 プーリー
9 サーミスタ
10 制御手段a(制御装置)
11 入力装置
12 表示装置
13 報知装置
15 制御装置b
21 液晶
22 LED
23 メニューボタン
24 予約ボタン
25 時間変更ボタン
26 スタートボタン
27 取消ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭等で使用される自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の自動製パン機として、調理中にデニッシュ風食パンの調理工程中にバターを投入するパンコースを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、上記特許文献1に記載された従来の自動製パン機のブロック図を示すもので、同図において、1は、自動製パン機本体、2は、ヒータ3と、製パン材料を収納すると共に着脱自在に装着されるパン焼き型4を内部に有しパンを焼成する焼成室、7は、パン焼き型4の内部に有ってパン生地を捏ね上げる練り羽根、5は、ベルト6とプーリー8により動力を伝達させ練り羽根7を回転させるモータ、9は、焼成室2内の温度を検知するサーミスタ、15は、サーミスタ9の信号を受けてヒータ3やモータ5等を制御する制御装置bであり、各メニューの調理シーケンスも記憶している。
【0004】
11は、メニューコースの選択等を行う入力装置で、12は、選択されたメニューコースや調理終了時刻等を表示する表示装置で、13は、パンコースの終了等をブザーなどで知らせる報知装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−325622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたような従来の自動製パン機の構成では、本格的なフランスパンの調理を行うための食材の塩を投入する後塩投入の為の調理シーケンスにはなっておらず、本格的なフランスパンコースが出来ないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、本格的なフランスパンの調理を行うため、食材の塩を投入する後塩投入工程を設けた自動製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は、ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、使用者に少し手間となってしまうが、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の自動製パン機は、調理工程中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコー
スを設けることで、本格的なフランスパンの調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における自動製パン機のブロック図
【図2】同自動製パン機の入力装置と表示装置の表示内容を示す図
【図3】同自動製パン機のフランスパンの調理シーケンス図
【図4】同自動製パン機の後塩投入フランスパンコースの表示装置の調理工程実施中の表示を示す図
【図5】従来の自動製パン機のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えたもので、使用者に少し手間となってしまうが、塩を調理工程実施中に投入することで、パン生地のグルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせ、ボリューム感のある風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り時間を、前記通常フランスパンコースより短く設定したもので、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、練り時間を短く済ませることで、不要な練り工程を減らすことで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0013】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り工程と塩投入を行った後の練り工程の間に設けているねかし工程の時間を、通常フランスパンコースより短く設定したもので、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、ねかし時間を短く済ませることで、不要なねかし工程を減らすことで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の後塩投入フランスパンコースでは、塩投入を行った後の練り工程時間を、通常フランスパンコースより長く設定したもので、塩をパン生地に均一に分散させると共に、パン生地を適度に引き締めることで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0015】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の後塩投入フランスパンコースでは、練り工程中に、塩を投入するタイミングをお知らせするもので、より使い易く、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図、図2は、同自動製パン機の入力装置と表示装置の表示内容を示す図、図3は、同自動製パン機のフランスパンの調理シーケンス図、図4は、同自動製パン機の後塩投入フランスパンコースの表示装置の調理工程実施中の表示を示す図である。
【0018】
本実施の形態における自動製パン機について、図1から図4を参照しながら説明する。なお、上記従来の自動製パン機と同じ構成のものは、同一符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図1で、10は、サーミスタ9の信号を受けてヒータ3やモータ5等を制御する制御装置aであり、通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースの調理シーケンスを記憶している。
【0020】
図2において、21は、液晶で、全点灯表示を行っている状態となっている。22は、LEDで、調理中は点灯状態、調理シーケンス終了時には、点滅状態、それ以外の場合には消灯状態となり自動製パン機の動作状態を示している。23から27のそれぞれは押しボタンスイッチからなり、メニュー選択のためのメニューボタン23、予約調理のための予約ボタン24、でき上がり時間設定のための時間変更ボタン25、調理のスタートを行うためのスタートボタン26、設定の取消や調理の停止を行うための取消ボタン27とが備わっている。
【0021】
まず、最初に通常フランスパンコースの動作について説明を行う。調理準備として、まず、パン焼き型4内に、材料として、強力粉と薄力粉、塩、ドライイースト、水を所定の配合率で投入する。
【0022】
図3(a)の通常フランスパンコースに従って、調理がスタートすると、まず前練工程(1)がスタートして、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が20℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。また、モータ5を断続的に駆動して、練り羽根7を回転させて、パン焼き型4内の材料を捏ね上げる。
【0023】
15分経過すると、次のねかし工程(2)に移行する。ねかし工程(2)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が、23℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。30分経過すると、次の後練り工程(3)に移行する。
【0024】
後練り工程(3)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が25℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。10分経過すると、次の発酵工程(4)に移行する。
【0025】
発酵工程(4)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、45分経過すると、次のガス抜き工程(5)に移行する。ガス抜き工程(5)では、ヒータ3への通電は行わず、モータ5のみを断続的に駆動してパン生地内に発生したガス抜きを行う。1分経過すると、次の発酵工程(6)に移行する。発酵工程(6)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、109分経過すると、次のガス抜き工程(7)に移行する。
【0026】
ガス抜き工程(7)では、先ほどのガス抜き工程(5)と同様に、モータ5のみを断続的に駆動し、1分経過すると、次の成形発酵工程(8)に移行する。成形発酵工程(8)では、先ほどのねかし工程(2)と同様に、ヒータ3への通電を行い、39分経過すると、次の焼き上げ工程(9)に移行する。焼き上げ工程(9)では、サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が160℃に達するまでは、ヒータ3を通電率100%で駆動する。サーミスタ9の検知温度が160℃に達すると、ヒータ3を通電率40%で駆動する。この工程が50分経過すると、調理シーケンスが終了となり、通常のフランスパンが焼きあがる。
【0027】
次に、後塩フランスパンコースの動作について説明を行う。調理準備として、まず、パン焼き型4内に、材料として、強力粉と薄力粉、ドライイースト、水を所定の配合率で投入する。
【0028】
メニューボタン23を操作して、後塩フランスパンにメニューを選択すると、図4(a)に示すように、液晶21に調理残時間である「でき上がり 4時間45分後」の表示を行う。次に、スタートボタン26を操作すると、図4(b)に示すように、液晶21に、後塩投入までの時間である「後塩 20分後」が表示される。
【0029】
次に、図3(b)の後塩フランスパンコースに従って、まず前練工程(1)がスタートして、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が20℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。また、モータ5を断続的に駆動して、練り羽根7を回転させて、パン焼き型4内の材料を捏ね上げる。5分経過すると、次のねかし工程(2)に移行する。
【0030】
ねかし工程(2)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が23℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。5分経過すると、次の後練り1工程(3)に移行する。後練り1工程(3)では、ヒータ3を通電率10%で駆動する。サーミスタ9で検知した焼成室2内の温度が25℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。10分経過すると、次の後塩工程(4)に移行する。後塩工程(4)に移行すると、図4(c)に示すように、液晶21に、後塩投入中であることを示すために、「後塩投入」が点滅表示されると共に、報知装置13によりブザー報知を行う。後塩工程(4)では、パン焼き型4に、塩を投入する。10分経過すると、次の後練り2工程(5)に移行する。それ以降の動作は、先ほどの通常フランスパンコースの動作とほぼ同じなので、説明は省略する。
【0031】
ここで、塩のみを後練り工程の途中で、投入することで、グルテンを引き締めて、パン生地に弾力を持たせることができる。また、最初の練り時間を通常フランスパンコースより、短く設定しているのは、塩無し状態では、強力粉の吸水が良い為、同じ内容により、不要な練り工程の時間を減らすことができる。さらに、ねかし工程を短く設定して、不要なねかし工程の時間を減らすことができる。このような調理シーケンスにすることで、風味良いフランスパンの調理をすることができる。
【0032】
尚、この塩の投入を自動で行う構成としても問題はない。そうすれば、さらに、使い勝手を良くする事ができる。
【0033】
また、この上記実施の形態での調理シーケンスの時間や温度は、本体構成によって決まるもので、この数値に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る自動製パン機は、後塩投入工程を設けることで、フランスパンの風味を向上させることが可能となるので、その他のパンコースにおいても、同様な効果があり、応用することが出来る。
【符号の説明】
【0035】
1 自動製パン機本体
2 焼成室
3 ヒータ
4 パン焼き型
5 モータ
6 ベルト
7 練り羽根
8 プーリー
9 サーミスタ
10 制御手段a(制御装置)
11 入力装置
12 表示装置
13 報知装置
15 制御装置b
21 液晶
22 LED
23 メニューボタン
24 予約ボタン
25 時間変更ボタン
26 スタートボタン
27 取消ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えた自動製パン機。
【請求項2】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り時間を、前記通常フランスパンコースより短く設定した請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り工程と塩投入を行った後の練り工程の間に設けているねかし工程の時間を、通常フランスパンコースより短く設定した請求項1または2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入を行った後の練り工程時間を、通常フランスパンコースより長く設定した請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【請求項5】
後塩投入フランスパンコースでは、練り工程中に、塩を投入するタイミングをお知らせする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【請求項1】
ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着されると共に製パン材料を収納するパン焼き型と、前記パン焼き型内に設けられモータにより回転駆動される練り羽根と、前記ヒータや前記モータを制御する制御装置と、少なくともフランスパンコースを含む製パンコースの内の一つを選択できる入力装置と、選択された製パンコースや調理終了時刻等を表示する表示装置と、前記製パンコースが終了したことを知らせる報知装置とを備え、前記フランスパンコースの調理シーケンスは、塩を含む食材を調理開始時にセットする通常フランスパンコースと、調理工程実施中に食材の塩を投入する後塩投入フランスパンコースを備えた自動製パン機。
【請求項2】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り時間を、前記通常フランスパンコースより短く設定した請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入していないときの練り工程と塩投入を行った後の練り工程の間に設けているねかし工程の時間を、通常フランスパンコースより短く設定した請求項1または2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
後塩投入フランスパンコースでは、塩投入を行った後の練り工程時間を、通常フランスパンコースより長く設定した請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【請求項5】
後塩投入フランスパンコースでは、練り工程中に、塩を投入するタイミングをお知らせする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−45017(P2012−45017A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186811(P2010−186811)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]