自動販売機などの据付基礎ブロック及びそのレール材
【課題】据付基礎ブロックに埋設するレール材の形状を改善してボルトの引抜強度を高め、プラスチック製のレール材を用いても充分な引抜強度を得られるようにする。
【解決手段】自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるプラスチック製レール材である。上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端がワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有する。ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることにより、ボルトの引抜強度が向上する。
【解決手段】自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるプラスチック製レール材である。上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端がワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有する。ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることにより、ボルトの引抜強度が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機などの機器を据え付けるために地面上などに敷設する基礎ブロック、及びこの基礎ブロックに埋設するレール材に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック上面に、ボルトなどの機器を固定するボルトを摺動可能な溝を設け、ボルトをこの溝の中でスライドさせ、適宜位置で機器の脚部を固定する基礎ブロックが知られている。このような基礎ブロックは、大きさや脚部の位置の異なる種々の機器に共通して使用でき、容易に機器を据え付けることができるので便利である。このような基礎ブロックは、例えば下記の特許文献に開示されている。これらの基礎ブロックにおいて、溝はブロック表面に埋め込まれたアルミニウムなどの型材で構成されている。
【特許文献1】特開2005-316637号公報
【特許文献2】特開平11−230491号公報
【特許文献3】実開昭49−89560号公報
【特許文献4】実開平2−13921号公報
【特許文献5】実開平4−3198号公報
【特許文献6】意匠登録第1166052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献2〜6の従来の基礎ブロックには、次のような問題点がある。すなわち、地震などにより機器に転倒しようとする力が作用した場合、その力はボルトなどの固定手段に作用することになる。その際、ボルトなどに作用した力(引き抜き力)は、溝を構成しているレール材だけで受け止めることになり、レール材に過度の応力が生じる。特に自動販売機は、本体の重量と商品重量を合わせるとかなりな重量となるので、従来の基礎ブロックは、地震時において、このような機器を固定するものとしては、きわめて脆弱なものであった。
【0004】
このような問題点を解決したのが、上記特許文献1の基礎ブロックである。これは、レール材を、上から順次、ボルト軸部が摺動可能な軸部溝、ボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能なワッシャー溝、ボルト頭部(又はナット)が摺動可能でボルト頭部(又はナット)の回転を阻止する幅を有する頭部溝によって構成し、このレール材を基礎ブロックの深いところに埋設したものである。これにより、ボルトに作用した力(引き抜き力)は、溝を構成しているレール材を介して基礎ブロックのコンクリートに伝達し、コンクリートの強度によって引き抜き力に対抗するため、ボルトの引抜強度を著しく高めることができる。
【0005】
上記のレール材は、金属製又はプラスチック製の型材を使用できるが、現実には、プラスチックは金属に比べて強度が著しく小さいため、アルミニウムなどの金属製が使用され、プラスチック製のレール材は使用されていない。
【0006】
また、レール材は押出成形材を適宜長さに切断したものであり、両端面が開口している。したがって、基礎ブロックに埋設するため型枠に取り付けるとき、両端部に別途パッキン材を装着し、端部からレール材内部にコンクリートが浸入しないようにしていた。
【0007】
本発明は、レール材の形状を改善してボルトの引抜強度を高め、プラスチック製のレール材を用いても充分な引抜強度を得られるようにすることを課題とする。
【0008】
また本発明は、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1〕
本発明は、自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるレール材であって、
上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が該軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で前記軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端が該ワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有し、前記ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とするプラスチック製のレール材である。
【0010】
本発明のレール材は、図2に示すように、ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって角度θの下り勾配の傾斜面となっている。θは5°〜15°が好ましく、更に好ましくは7°〜10°である。図13に示す鎖線α、βは、ボルトを上方に引き抜いてコンクリートを破壊したときの破壊面で、αはθ≒8°、βはθ=0°の場合である。このように、ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配になっていると、切断面の角度が緩くなり、したがって切断面の面積が大きくなり、その結果、ボルトの引抜強度が大きくなり、レール材をプラスチック製にしても充分な引抜強度を確保できる。θの角度が小さすぎると、ボルトの引抜強度が不十分になり、大きすぎるとプラスチックの肉厚の厚い部分で圧縮変形が大きくなり好ましくない。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、レール材の両端部において、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部又は一部が端板で閉塞されている請求項1に記載のレール材である。必ずしも、軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部が端板で閉塞されている必要はなく、型枠に装着する際の装着部の形状や、手掛の形状によっては、軸部溝、ワッシャー溝、頭部溝の一部を閉塞すれば足りる場合もある。
【0012】
本発明のレール材はプラスチック製であるので、軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の両端を閉塞する端板を容易に設けることができる。端板を設けることで、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しない。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、前記端板の少なくとも一方が、その周囲に形成された弱化線によって切除可能な請求項2に記載のレール材である。
【0014】
弱化線とは、その周囲よりも肉厚が薄くなっている部分で、弱化線により端板を容易に切除し、ブロックの端面に軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝を開口させることができる。
【0015】
〔請求項4〕
また本発明は、底板部中央に長さ方向に沿って前記頭部溝を構成する凹溝部を有する箱状の下側部材と、
対向する1対の縦板部と各縦板部の下端から外側水平方向に張り出した横板部と、該各横板部外端から下方に向かって形成された垂板部と、少なくとも一方の端部において前記縦板部どうし及び/又は横板部どうし及び/又は垂板部どうしを連結する連結部を有する上側部材からなり、
該上側部材の垂板部を前記下側部材側板部の内側に嵌着して形成した請求項2又は3に記載のレール材である。
【0016】
レール材を、下側部材と上側部材の2ピースで構成することで、請求項2及び請求項3の端板を有するレール材を、射出成形で容易に製造することができる。
【0017】
〔請求項5〕
また本発明は、前記軸部溝がブロック上面に開口するように、前記請求項1〜4のいずれかに記載のレール材を埋設したことを特徴とする自動販売機などの据付基礎ブロックである。
【0018】
レール材の上端が基礎ブロックの上面よりも深い位置になるように埋設することが望ましい。基礎ブロックの上面からレール材までは導入溝を形成し、該導入溝を介して軸部溝がブロック上面に開口するようにする。
【0019】
〔請求項6〕
また本発明は、前記弱化線によって端板を切除することで、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝がブロックの端面に開口している請求項5に記載の基礎ブロックである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のレール材は、プラスチック製であるので安価に製造でき、しかも、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっているので、ボルトの引抜強度が大きくなり、プラスチック製であっても充分実用に耐えるものである。
【0021】
レール材を、下側部材と上側部材の2ピースで構成することで、端部が端板で閉塞されたレール材を、射出成形で容易に製造することができる。端板を設けることで、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しない。
【0022】
端板の周囲に弱化線を設けると、弱化線により端板を容易に切除し、ブロックの端面に軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝を開口させることができる。
【0023】
本発明の据付基礎ブロックは、レール材がプラスチック製であるので、材料費が安価になり、コストダウンとなる。また、端部に端板を有するレール材を使用することで、パッキンの装着、及び脱型後のパッキン取り外しの煩雑な作業が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】レール材1の斜視図である。
【図2】レール材1の断面図である。
【図3】ボルトを挿通したレール材1の断面図である。
【図4】下側部材2の斜視図である。
【図5】下側部材2の平面図及びA−A線断面図である。
【図6】上側部材3の斜視図である。
【図7】上側部材3の平面図及びB−B線断面図である。
【図8】基礎ブロック4の平面図及び側面図である。
【図9】基礎ブロック4の断面図である。
【図10】型枠6の断面図である。
【図11】型枠6の要部斜視図である。
【図12】ボルト引張試験の説明図である。
【図13】ボルト引張試験における破壊面を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を表した図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1〜7は、実施例のレール材1に関する。レール材1は、それぞれプラスチックを射出成形した下側部材2と上側部材3を組み合わせたものである。プラスチックの種類は特に限定されないが、例えばポリプロピレン、ABS樹脂(再生材を含む)や、これらにタルク、炭酸カルシウム、マイカなどの添加材を加えたものを使用できる。
【0026】
図2,3に示すように、レール材1は、上から順に軸部溝10、ワッシャー溝11、及び頭部溝12を有する。軸部溝10は最も幅の狭い溝で、ボルト5の軸部が溝内をその長さ方向に沿って摺動可能な幅を有する。軸部溝の上端は開口し、下端はワッシャー溝11に連通している。ワッシャー溝11は最も幅の広い溝で、ワッシャー50が溝内を長さ方向に沿って摺動可能な幅を有する。ワッシャー溝11の下端は頭部溝12に連通している。頭部溝12は、ボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅、すなわち、ボルト頭部又はナットの最小径よりも大きく最大径よりも小さい幅を有する。ボルト頭部又はナットの平面形状は六角形、四角形などが適当である。
【0027】
ボルト5は、自動販売機などの機器を据え付け固定するもので、図3に示すように、ボルト頭部を頭部溝12内に設け、ボルト先端部にナットを螺着して用いてもよいし、逆に、ナットを頭部溝12内に設けてもよい。
【0028】
ワッシャー溝11の上外面は、幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面31aとなっている。これにより、ボルトの引抜強度が大きくなる。
【0029】
図4,5は、下側部材2に関する。下側部材2は、底板部20、その長辺に設けた側板部25及び短辺に設けた端板部22,23により概略箱状に形成されている。底板部20の中央に長さ方向に沿って凹溝部21が形成されている。凹溝部21によって頭部溝12が形成される。側板部25のやや内側の底板部20には長さ方向に沿って突条26が立設されている。これは、下側部材と上側部材を組み合わせたときに両部材が外れにくくするためのものである。凹溝部21の長さ方向端部(内端側)には筒状のピン受部27が設けられている。これは、型枠に装着したときの位置決めのためのものである。一方の端部(外端側)の端板23は、周囲に弱化線24が形成され、下側部材から容易に切除できるようになっている。
【0030】
図6,7は上側部材3に関する。上側部材3は、対向する1対の縦板部30と、各縦板部30の下端から外側水平方向に張り出した横板部31と、各横板部31外端から下方に向かって形成された垂板部32と、一方の端部において縦板部30どうしを連結する連結部33aと、横板部31どうし及び垂板部32どうしを連結する連結部33bからなる。連結部33bの内側にはピン受部34が形成されている。横板部31の上面は傾斜面31aとなっており、下面は水平面となっている。また、横板部31の上面には、コンクリートとの付着強度を高めるために複数のアンカー部35が突出形成されている。
【0031】
上側部材3の垂板部32を、下側部材2の側板部25の内側に嵌着して上側部材3と下側部材2を組み立て一体化する。図2に示すように、垂れ板部32が側版部25と突条26の間に嵌着する。また、上側部材3のピン受部34の下端が下側部材2のピン受部27に嵌着する。これにより、下側部材2と上側部材3が強固に一体化される。
【0032】
図2に示すように、軸部溝10は縦板部30により構成され、ワッシャー溝11は底板部20、横板部31、垂板部32及び突条26によって構成され、頭部溝12は凹溝部21によって構成される。また、端板13は端板部22及び連結部33aによって構成され、端板14は端板部23によって構成される。
【0033】
レール材1は、例えば図8,9に示すように基礎ブロック4に埋設される。本実施例では、1つの基礎ブロックに2本のレール材を埋設している。レール材1の上端は基礎ブロック4の上面よりもかなり深い位置にあり、基礎ブロック4の上面からレール材1までは導入溝41が形成され、この導入溝を介してレール材の軸部溝が基礎ブロック4の上面に開口している。また、レール材1の一端(端板23側の端部)は基礎ブロック4の端面(手掛42部分)に開口している。
【0034】
レール材を基礎ブロックに埋設するには、基礎ブロックの型枠にレール材を装着した後コンクリートを流し込む。図10,11は、基礎ブロックの型枠の一例である。この型枠6は、基礎ブロック4を上下反転した状態で成形するもので、底版60、一対の側壁61及び妻壁62により概略箱状に形成されている。側壁61及び妻壁62は底版60に対して着脱自在になっている。妻壁62の内面には手掛形成部63が突出形成されている。底版60のレールを装着する部分には、断面が概略台形状の棒状の装着部64が設けられている。装着部64の上端部は幅がやや細くなっていて、これにレール材1を、その軸部溝10を嵌め込んで装着する。装着部64の上面内端部には位置決め用のピン64aが立設しており、これがレール材のピン受部34に嵌着し、位置決めされる。
【0035】
型枠6にレール材1を装着した後、型枠内にコンクリートを流し込み、硬化させる。コンクリートが硬化した後に、側壁61、妻壁62を脱型し、さらにブロックを底版60から引き離して取り出すと、図9に示すようにレール材1が基礎ブロック4の内部に埋設される。導入溝41は型枠の装着部64によって形成されている。その後、端板14(すなわち下側部材の端板部23)を弱化線によって切除し、レール材の一端面を基礎ブロック端面に開口する。
【0036】
機器を据え付けるときは、ワッシャーを取り付けたボルトを、基礎ブロック端面からレール材及び導入溝に挿入し、これを適宜位置まで溝内を摺動し、機器の取付部を介してナットで固定する。
【0037】
実施例1,2のレール材、及び比較例1,2のレール材を埋め込んだ基礎ブロックを用意し、図12に示す要領にてボルトの引抜試験を行った。引張試験機7の試験台70の上に枕材71を2本(内幅100mm)並べ、その上に基礎ブロックを上下反転して載置し、ボルト5の先端を引張試験機7で下方に引っ張った。
【0038】
実施例1のレール材の材質は、ポリプロピレンに40%の炭酸カルシウムを添加したものである。実施例2のレール材の材質は、ABS樹脂の再生材である。比較例1のレール材の材質はポリプロピレンである。比較例2のレール材の材質はアルミニウムである。実施例1,2の形状は図1などに示すとおりで、ワッシャー溝の上外面が傾斜面(θ≒8°)となっている。比較例1の形状は、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない(θ=0°)他は図1などに示すとおりである。これらプラスチック製レール材の主要部の厚さは1.2mmである。比較例2はアルミニウムの押出成形型材で、ワッシャー溝の上外面に傾斜面はなく、厚さは各部均一の1.0mmの従来品である。
【0039】
各実施例及び比較例について4個ずつの基礎ブロックを作成し、破壊荷重及び2.5mm変位荷重を測定した。その平均値を表1に示す。破壊荷重は、ボルトが完全に引き抜かれたときの最大荷重であり、2.5mm変位荷重(JISB8562)はボルトが2.5mm変位したときの荷重である。(単位はいずれもキロニュートン)
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示されるように、実施例1,2は、プラスチック製でありながら、アルミニウム製の比較例2と破壊荷重、2.5mm変位荷重共に殆ど遜色ないものであった。他方、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない比較例1は、破壊荷重、2.5mm変位荷重共に実用レベルに達していなかった。
【0042】
実施例1,2と比較例1のコンクリート破壊面を比較したところ、図13に模式的に示すように、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない比較例1の破壊面βは、角度が急であるのに対し、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっている実施例1,2の破壊面αは、角度が比較的緩やかで、面積が広くなっている。このため、破壊荷重及び2.5mm変位荷重が大きくなったものと推定できる。これは、ワッシャー溝の上外面を傾斜面とした効果である。
【符号の説明】
【0043】
1 レール材
10 軸部溝
11 ワッシャー溝
12 頭部溝
13 端板
14 端板
2 下側部材
20 底板部
21 凹溝部
22 端板部
23 端板部
24 弱化線
25 側板部
26 突条
27 ピン受部
3 上側部材
30 縦板部
31 横板部
31a 傾斜面
32 垂板部
33a 連結部
33b 連結部
34 ピン受部
35 アンカー部
4 基礎ブロック
41 導入溝
42 手掛
5 ボルト
50 ワッシャー
6 型枠
60 底版
61 側壁
62 妻壁
63手掛形成部
64 装着部
64a ピン
7 引張試験機
70 試験台
71 枕材
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機などの機器を据え付けるために地面上などに敷設する基礎ブロック、及びこの基礎ブロックに埋設するレール材に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック上面に、ボルトなどの機器を固定するボルトを摺動可能な溝を設け、ボルトをこの溝の中でスライドさせ、適宜位置で機器の脚部を固定する基礎ブロックが知られている。このような基礎ブロックは、大きさや脚部の位置の異なる種々の機器に共通して使用でき、容易に機器を据え付けることができるので便利である。このような基礎ブロックは、例えば下記の特許文献に開示されている。これらの基礎ブロックにおいて、溝はブロック表面に埋め込まれたアルミニウムなどの型材で構成されている。
【特許文献1】特開2005-316637号公報
【特許文献2】特開平11−230491号公報
【特許文献3】実開昭49−89560号公報
【特許文献4】実開平2−13921号公報
【特許文献5】実開平4−3198号公報
【特許文献6】意匠登録第1166052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献2〜6の従来の基礎ブロックには、次のような問題点がある。すなわち、地震などにより機器に転倒しようとする力が作用した場合、その力はボルトなどの固定手段に作用することになる。その際、ボルトなどに作用した力(引き抜き力)は、溝を構成しているレール材だけで受け止めることになり、レール材に過度の応力が生じる。特に自動販売機は、本体の重量と商品重量を合わせるとかなりな重量となるので、従来の基礎ブロックは、地震時において、このような機器を固定するものとしては、きわめて脆弱なものであった。
【0004】
このような問題点を解決したのが、上記特許文献1の基礎ブロックである。これは、レール材を、上から順次、ボルト軸部が摺動可能な軸部溝、ボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能なワッシャー溝、ボルト頭部(又はナット)が摺動可能でボルト頭部(又はナット)の回転を阻止する幅を有する頭部溝によって構成し、このレール材を基礎ブロックの深いところに埋設したものである。これにより、ボルトに作用した力(引き抜き力)は、溝を構成しているレール材を介して基礎ブロックのコンクリートに伝達し、コンクリートの強度によって引き抜き力に対抗するため、ボルトの引抜強度を著しく高めることができる。
【0005】
上記のレール材は、金属製又はプラスチック製の型材を使用できるが、現実には、プラスチックは金属に比べて強度が著しく小さいため、アルミニウムなどの金属製が使用され、プラスチック製のレール材は使用されていない。
【0006】
また、レール材は押出成形材を適宜長さに切断したものであり、両端面が開口している。したがって、基礎ブロックに埋設するため型枠に取り付けるとき、両端部に別途パッキン材を装着し、端部からレール材内部にコンクリートが浸入しないようにしていた。
【0007】
本発明は、レール材の形状を改善してボルトの引抜強度を高め、プラスチック製のレール材を用いても充分な引抜強度を得られるようにすることを課題とする。
【0008】
また本発明は、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1〕
本発明は、自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるレール材であって、
上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が該軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で前記軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端が該ワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有し、前記ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とするプラスチック製のレール材である。
【0010】
本発明のレール材は、図2に示すように、ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって角度θの下り勾配の傾斜面となっている。θは5°〜15°が好ましく、更に好ましくは7°〜10°である。図13に示す鎖線α、βは、ボルトを上方に引き抜いてコンクリートを破壊したときの破壊面で、αはθ≒8°、βはθ=0°の場合である。このように、ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配になっていると、切断面の角度が緩くなり、したがって切断面の面積が大きくなり、その結果、ボルトの引抜強度が大きくなり、レール材をプラスチック製にしても充分な引抜強度を確保できる。θの角度が小さすぎると、ボルトの引抜強度が不十分になり、大きすぎるとプラスチックの肉厚の厚い部分で圧縮変形が大きくなり好ましくない。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、レール材の両端部において、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部又は一部が端板で閉塞されている請求項1に記載のレール材である。必ずしも、軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部が端板で閉塞されている必要はなく、型枠に装着する際の装着部の形状や、手掛の形状によっては、軸部溝、ワッシャー溝、頭部溝の一部を閉塞すれば足りる場合もある。
【0012】
本発明のレール材はプラスチック製であるので、軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の両端を閉塞する端板を容易に設けることができる。端板を設けることで、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しない。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、前記端板の少なくとも一方が、その周囲に形成された弱化線によって切除可能な請求項2に記載のレール材である。
【0014】
弱化線とは、その周囲よりも肉厚が薄くなっている部分で、弱化線により端板を容易に切除し、ブロックの端面に軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝を開口させることができる。
【0015】
〔請求項4〕
また本発明は、底板部中央に長さ方向に沿って前記頭部溝を構成する凹溝部を有する箱状の下側部材と、
対向する1対の縦板部と各縦板部の下端から外側水平方向に張り出した横板部と、該各横板部外端から下方に向かって形成された垂板部と、少なくとも一方の端部において前記縦板部どうし及び/又は横板部どうし及び/又は垂板部どうしを連結する連結部を有する上側部材からなり、
該上側部材の垂板部を前記下側部材側板部の内側に嵌着して形成した請求項2又は3に記載のレール材である。
【0016】
レール材を、下側部材と上側部材の2ピースで構成することで、請求項2及び請求項3の端板を有するレール材を、射出成形で容易に製造することができる。
【0017】
〔請求項5〕
また本発明は、前記軸部溝がブロック上面に開口するように、前記請求項1〜4のいずれかに記載のレール材を埋設したことを特徴とする自動販売機などの据付基礎ブロックである。
【0018】
レール材の上端が基礎ブロックの上面よりも深い位置になるように埋設することが望ましい。基礎ブロックの上面からレール材までは導入溝を形成し、該導入溝を介して軸部溝がブロック上面に開口するようにする。
【0019】
〔請求項6〕
また本発明は、前記弱化線によって端板を切除することで、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝がブロックの端面に開口している請求項5に記載の基礎ブロックである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のレール材は、プラスチック製であるので安価に製造でき、しかも、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっているので、ボルトの引抜強度が大きくなり、プラスチック製であっても充分実用に耐えるものである。
【0021】
レール材を、下側部材と上側部材の2ピースで構成することで、端部が端板で閉塞されたレール材を、射出成形で容易に製造することができる。端板を設けることで、レール材の両端にパッキン材を装着することなく、コンクリートがレール材内部に浸入しない。
【0022】
端板の周囲に弱化線を設けると、弱化線により端板を容易に切除し、ブロックの端面に軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝を開口させることができる。
【0023】
本発明の据付基礎ブロックは、レール材がプラスチック製であるので、材料費が安価になり、コストダウンとなる。また、端部に端板を有するレール材を使用することで、パッキンの装着、及び脱型後のパッキン取り外しの煩雑な作業が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】レール材1の斜視図である。
【図2】レール材1の断面図である。
【図3】ボルトを挿通したレール材1の断面図である。
【図4】下側部材2の斜視図である。
【図5】下側部材2の平面図及びA−A線断面図である。
【図6】上側部材3の斜視図である。
【図7】上側部材3の平面図及びB−B線断面図である。
【図8】基礎ブロック4の平面図及び側面図である。
【図9】基礎ブロック4の断面図である。
【図10】型枠6の断面図である。
【図11】型枠6の要部斜視図である。
【図12】ボルト引張試験の説明図である。
【図13】ボルト引張試験における破壊面を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を表した図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1〜7は、実施例のレール材1に関する。レール材1は、それぞれプラスチックを射出成形した下側部材2と上側部材3を組み合わせたものである。プラスチックの種類は特に限定されないが、例えばポリプロピレン、ABS樹脂(再生材を含む)や、これらにタルク、炭酸カルシウム、マイカなどの添加材を加えたものを使用できる。
【0026】
図2,3に示すように、レール材1は、上から順に軸部溝10、ワッシャー溝11、及び頭部溝12を有する。軸部溝10は最も幅の狭い溝で、ボルト5の軸部が溝内をその長さ方向に沿って摺動可能な幅を有する。軸部溝の上端は開口し、下端はワッシャー溝11に連通している。ワッシャー溝11は最も幅の広い溝で、ワッシャー50が溝内を長さ方向に沿って摺動可能な幅を有する。ワッシャー溝11の下端は頭部溝12に連通している。頭部溝12は、ボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅、すなわち、ボルト頭部又はナットの最小径よりも大きく最大径よりも小さい幅を有する。ボルト頭部又はナットの平面形状は六角形、四角形などが適当である。
【0027】
ボルト5は、自動販売機などの機器を据え付け固定するもので、図3に示すように、ボルト頭部を頭部溝12内に設け、ボルト先端部にナットを螺着して用いてもよいし、逆に、ナットを頭部溝12内に設けてもよい。
【0028】
ワッシャー溝11の上外面は、幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面31aとなっている。これにより、ボルトの引抜強度が大きくなる。
【0029】
図4,5は、下側部材2に関する。下側部材2は、底板部20、その長辺に設けた側板部25及び短辺に設けた端板部22,23により概略箱状に形成されている。底板部20の中央に長さ方向に沿って凹溝部21が形成されている。凹溝部21によって頭部溝12が形成される。側板部25のやや内側の底板部20には長さ方向に沿って突条26が立設されている。これは、下側部材と上側部材を組み合わせたときに両部材が外れにくくするためのものである。凹溝部21の長さ方向端部(内端側)には筒状のピン受部27が設けられている。これは、型枠に装着したときの位置決めのためのものである。一方の端部(外端側)の端板23は、周囲に弱化線24が形成され、下側部材から容易に切除できるようになっている。
【0030】
図6,7は上側部材3に関する。上側部材3は、対向する1対の縦板部30と、各縦板部30の下端から外側水平方向に張り出した横板部31と、各横板部31外端から下方に向かって形成された垂板部32と、一方の端部において縦板部30どうしを連結する連結部33aと、横板部31どうし及び垂板部32どうしを連結する連結部33bからなる。連結部33bの内側にはピン受部34が形成されている。横板部31の上面は傾斜面31aとなっており、下面は水平面となっている。また、横板部31の上面には、コンクリートとの付着強度を高めるために複数のアンカー部35が突出形成されている。
【0031】
上側部材3の垂板部32を、下側部材2の側板部25の内側に嵌着して上側部材3と下側部材2を組み立て一体化する。図2に示すように、垂れ板部32が側版部25と突条26の間に嵌着する。また、上側部材3のピン受部34の下端が下側部材2のピン受部27に嵌着する。これにより、下側部材2と上側部材3が強固に一体化される。
【0032】
図2に示すように、軸部溝10は縦板部30により構成され、ワッシャー溝11は底板部20、横板部31、垂板部32及び突条26によって構成され、頭部溝12は凹溝部21によって構成される。また、端板13は端板部22及び連結部33aによって構成され、端板14は端板部23によって構成される。
【0033】
レール材1は、例えば図8,9に示すように基礎ブロック4に埋設される。本実施例では、1つの基礎ブロックに2本のレール材を埋設している。レール材1の上端は基礎ブロック4の上面よりもかなり深い位置にあり、基礎ブロック4の上面からレール材1までは導入溝41が形成され、この導入溝を介してレール材の軸部溝が基礎ブロック4の上面に開口している。また、レール材1の一端(端板23側の端部)は基礎ブロック4の端面(手掛42部分)に開口している。
【0034】
レール材を基礎ブロックに埋設するには、基礎ブロックの型枠にレール材を装着した後コンクリートを流し込む。図10,11は、基礎ブロックの型枠の一例である。この型枠6は、基礎ブロック4を上下反転した状態で成形するもので、底版60、一対の側壁61及び妻壁62により概略箱状に形成されている。側壁61及び妻壁62は底版60に対して着脱自在になっている。妻壁62の内面には手掛形成部63が突出形成されている。底版60のレールを装着する部分には、断面が概略台形状の棒状の装着部64が設けられている。装着部64の上端部は幅がやや細くなっていて、これにレール材1を、その軸部溝10を嵌め込んで装着する。装着部64の上面内端部には位置決め用のピン64aが立設しており、これがレール材のピン受部34に嵌着し、位置決めされる。
【0035】
型枠6にレール材1を装着した後、型枠内にコンクリートを流し込み、硬化させる。コンクリートが硬化した後に、側壁61、妻壁62を脱型し、さらにブロックを底版60から引き離して取り出すと、図9に示すようにレール材1が基礎ブロック4の内部に埋設される。導入溝41は型枠の装着部64によって形成されている。その後、端板14(すなわち下側部材の端板部23)を弱化線によって切除し、レール材の一端面を基礎ブロック端面に開口する。
【0036】
機器を据え付けるときは、ワッシャーを取り付けたボルトを、基礎ブロック端面からレール材及び導入溝に挿入し、これを適宜位置まで溝内を摺動し、機器の取付部を介してナットで固定する。
【0037】
実施例1,2のレール材、及び比較例1,2のレール材を埋め込んだ基礎ブロックを用意し、図12に示す要領にてボルトの引抜試験を行った。引張試験機7の試験台70の上に枕材71を2本(内幅100mm)並べ、その上に基礎ブロックを上下反転して載置し、ボルト5の先端を引張試験機7で下方に引っ張った。
【0038】
実施例1のレール材の材質は、ポリプロピレンに40%の炭酸カルシウムを添加したものである。実施例2のレール材の材質は、ABS樹脂の再生材である。比較例1のレール材の材質はポリプロピレンである。比較例2のレール材の材質はアルミニウムである。実施例1,2の形状は図1などに示すとおりで、ワッシャー溝の上外面が傾斜面(θ≒8°)となっている。比較例1の形状は、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない(θ=0°)他は図1などに示すとおりである。これらプラスチック製レール材の主要部の厚さは1.2mmである。比較例2はアルミニウムの押出成形型材で、ワッシャー溝の上外面に傾斜面はなく、厚さは各部均一の1.0mmの従来品である。
【0039】
各実施例及び比較例について4個ずつの基礎ブロックを作成し、破壊荷重及び2.5mm変位荷重を測定した。その平均値を表1に示す。破壊荷重は、ボルトが完全に引き抜かれたときの最大荷重であり、2.5mm変位荷重(JISB8562)はボルトが2.5mm変位したときの荷重である。(単位はいずれもキロニュートン)
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示されるように、実施例1,2は、プラスチック製でありながら、アルミニウム製の比較例2と破壊荷重、2.5mm変位荷重共に殆ど遜色ないものであった。他方、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない比較例1は、破壊荷重、2.5mm変位荷重共に実用レベルに達していなかった。
【0042】
実施例1,2と比較例1のコンクリート破壊面を比較したところ、図13に模式的に示すように、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっていない比較例1の破壊面βは、角度が急であるのに対し、ワッシャー溝の上外面が傾斜面となっている実施例1,2の破壊面αは、角度が比較的緩やかで、面積が広くなっている。このため、破壊荷重及び2.5mm変位荷重が大きくなったものと推定できる。これは、ワッシャー溝の上外面を傾斜面とした効果である。
【符号の説明】
【0043】
1 レール材
10 軸部溝
11 ワッシャー溝
12 頭部溝
13 端板
14 端板
2 下側部材
20 底板部
21 凹溝部
22 端板部
23 端板部
24 弱化線
25 側板部
26 突条
27 ピン受部
3 上側部材
30 縦板部
31 横板部
31a 傾斜面
32 垂板部
33a 連結部
33b 連結部
34 ピン受部
35 アンカー部
4 基礎ブロック
41 導入溝
42 手掛
5 ボルト
50 ワッシャー
6 型枠
60 底版
61 側壁
62 妻壁
63手掛形成部
64 装着部
64a ピン
7 引張試験機
70 試験台
71 枕材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるレール材であって、
上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が該軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で前記軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端が該ワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有し、前記ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とするプラスチック製のレール材。
【請求項2】
レール材の両端部において、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部又は一部が端板で閉塞されている請求項1に記載のレール材。
【請求項3】
前記端板の少なくとも一方が、その周囲に形成された弱化線によって切除可能な請求項2に記載のレール材。
【請求項4】
底板部中央に長さ方向に沿って前記頭部溝を構成する凹溝部を有する箱状の下側部材と、
対向する1対の縦板部と各縦板部の下端から外側水平方向に張り出した横板部と、該各横板部外端から下方に向かって形成された垂板部と、少なくとも一方の端部において前記縦板部どうし及び/又は横板部どうし及び/又は垂板部どうしを連結する連結部を有する上側部材からなり、
該上側部材の垂板部を前記下側部材側板部の内側に嵌着して形成した請求項2又は3に記載のレール材。
【請求項5】
前記軸部溝がブロック上面に開口するように、前記請求項1〜4のいずれかに記載のレール材を埋設したことを特徴とする自動販売機などの据付基礎ブロック。
【請求項6】
前記弱化線によって端板を切除することで、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝がブロックの端面に開口している請求項5に記載の基礎ブロック。
【請求項1】
自動販売機などの据付基礎ブロックに埋設されるレール材であって、
上端が開口し、ボルト軸部が摺動可能な幅を有する軸部溝と、上端が該軸部溝の下端に連通しボルトに挿入したワッシャー板が摺動可能で前記軸部溝より広い幅を有するワッシャー溝と、上端が該ワッシャー溝に連通しボルト頭部又はナットが摺動可能でボルト頭部又はナットの回転を阻止する幅を有する頭部溝を有し、前記ワッシャー溝の上外面が幅方向外側に向かって下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とするプラスチック製のレール材。
【請求項2】
レール材の両端部において、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝の全部又は一部が端板で閉塞されている請求項1に記載のレール材。
【請求項3】
前記端板の少なくとも一方が、その周囲に形成された弱化線によって切除可能な請求項2に記載のレール材。
【請求項4】
底板部中央に長さ方向に沿って前記頭部溝を構成する凹溝部を有する箱状の下側部材と、
対向する1対の縦板部と各縦板部の下端から外側水平方向に張り出した横板部と、該各横板部外端から下方に向かって形成された垂板部と、少なくとも一方の端部において前記縦板部どうし及び/又は横板部どうし及び/又は垂板部どうしを連結する連結部を有する上側部材からなり、
該上側部材の垂板部を前記下側部材側板部の内側に嵌着して形成した請求項2又は3に記載のレール材。
【請求項5】
前記軸部溝がブロック上面に開口するように、前記請求項1〜4のいずれかに記載のレール材を埋設したことを特徴とする自動販売機などの据付基礎ブロック。
【請求項6】
前記弱化線によって端板を切除することで、前記軸部溝、ワッシャー溝及び頭部溝がブロックの端面に開口している請求項5に記載の基礎ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−80421(P2013−80421A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220953(P2011−220953)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(390039505)株式会社サイコン工業 (10)
【出願人】(390028082)株式会社未来樹脂 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(390039505)株式会社サイコン工業 (10)
【出願人】(390028082)株式会社未来樹脂 (12)
【Fターム(参考)】
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