説明

自動販売機の照明装置

【課題】従来の蛍光灯を用いる照明装置用の構造を利用できながら、LEDを用いて良好に照明することができる自動販売機の照明装置を提供する。
【解決手段】所定位置に配設された蛍光灯用ソケット12と、複数の発光ダイオード(LED)13を取り付けたLED基板14を有するLED発光ユニット15とを備え、LED発光ユニット15に、蛍光管端子と同様な形状で、蛍光灯用ソケット12に係合して、蛍光灯用ソケット12によりLED発光ユニット15を支持させる端子状突部16を設けた。これにより、蛍光灯用ソケット12に、LED発光ユニット15の端子状突部16を係合させて取り付けることで、従来と同様な、蛍光灯用ソケット12、商品見本および商品棚等を用いながら、蛍光灯用ソケット12によりLED発光ユニット15を支持した状態で、LED発光ユニット15によるLED照明を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動販売機の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機の接客部である前面扉には、複数の商品見本が商品棚上に並べられた展示室が設けられており、前記商品見本は、一般に、汎用性の高い蛍光灯(直管の蛍光管の場合が多い)を用いた照明装置により照明されている(例えば、特許文献1、2等)。
【0003】
一方、省エネルギー化を図るべく、自動販売機の照明装置として、蛍光灯に代えて発光ダイオード(以下、LEDと称す)を用いることが提案されている。具体的には、商品見本の後方や、商品見本を載せる商品棚の下方などに、LEDを取り付けた特殊な形状のLED基板やLED支持棚を設けて、前記LEDにより、後方および下方などから、商品見本などを照らしたり(例えば、特許文献3〜5等)、商品見本にLEDを内蔵して個別に照明したり(例えば、特許文献6等)することが提案されている。
【0004】
このように、照明装置として蛍光灯の代わりにLEDを用いると、蛍光灯と比較して電力使用量が少ない(例えば、同様の明るさとなるように多数のLEDを用いた場合でも約半分となる)ので、電気代が安価となる利点があり、また、LEDの寿命は蛍光管よりも遥かに長いので長期間使用できて、交換頻度が少なくて済む利点がある。
【特許文献1】特開平9−319939号公報
【特許文献2】特開平10−257946号公報
【特許文献3】特開2006−12063号公報
【特許文献4】特開2007−11743号公報
【特許文献5】特開2005−285029号公報
【特許文献6】特開2004−164250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、LEDを用いた自動販売機の照明装置として提案されている前記特許文献3〜6の構造では、商品見本を載せる商品棚として、LED用として特別に設計したものを用いており、この結果、自動販売機の照明装置として汎用性が少ない部品を多く用いることとなって、製造コストが高価となってしまうおそれがある。
【0006】
また、商品見本や商品見本の支持部にLEDを内蔵したものの場合でも、商品見本や商品見本の支持部として特殊なものを用いなければならないため、これによっても汎用性に劣り、製造コストが高価となってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、従来の蛍光灯を用いる照明装置用の構造をできるだけ利用できながら、LEDを用いて良好に照明することができる自動販売機の照明装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、接客部を照明する自動販売機の照明装置であって、所定位置に配設された蛍光灯用ソケットと、複数の発光ダイオードを取り付けたLED基板を有するLED発光ユニットとを備え、前記LED発光ユニットに、蛍光管端子と同様な形状で、前記蛍光灯用ソケットに係合して、前記蛍光灯用ソケットによりLED発光ユニットを支持させる端子状突部を設けたことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、蛍光灯用ソケットに、LED発光ユニットの端子状突部を係合させてLED発光ユニットを取り付けることで、従来と同様な、蛍光灯用ソケット、商品見本および商品見本を載せる商品棚等を用いながら、蛍光灯用ソケットによりLED発光ユニットを支持した状態で、LED発光ユニットによるLED照明を実現することができる。
【0010】
また、本発明は、LED発光ユニットに、LED発光ユニットに電力を供給する給電プラグが着脱される給電コネクタ、または、外部からLED発光ユニットへの電力を供給するための給電コードを、LED発光ユニットの外部に露出または突出させて設け、前記給電コネクタまたは給電コードを介して、LED発光ユニットに給電するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、蛍光灯用ソケットをLED発光ユニットの支持部品として用いることができながら、蛍光灯用ソケットを給電用部品としては用いずに、給電コネクタまたは給電コードを介してLED発光ユニットに給電しながら発光させることができる。
【0012】
また、本発明は、蛍光灯用ソケットの端子部を給電用電線に接続し、LED発光ユニットの端子状突部を導電性部材で構成するとともに端子状突部をLED基板に電気的に接続し、蛍光灯用ソケットの端子部に接触させた端子状突部を介してLED発光ユニットへ給電するよう構成したことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、蛍光灯用ソケットをLED発光ユニットの支持部品および給電用端子として良好に用いることができ、蛍光灯用ソケットおよび端子状突部を介してLED発光ユニットへ給電しながら発光させることができる。
【0014】
また、本発明は、LED発光ユニットに、LED発光ユニットの両端部に配設される端子状突部を支持する一対の端子支持体と、これらの端子支持体間において、その長手方向に沿う軸心を中心として回動自在に取り付けられ、LED基板を保持するLED基板保持体とを設けたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、端子状突部を支持する端子支持体に対してLED基板を保持するLED基板保持体を回動させることで、LEDからの光の出射方向を自由に変更することができ、例えば、商品見本を良好に照明できる方向に照明することができる。
【0016】
また、本発明は、LED基板およびLED基板保持体を、長手方向に対して複数に分割させ、分割された各分割発光ユニットを独立して回動自在に支持させたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、分割したLED基板のLEDからの出射方向を自由に変更することができる。
また、本発明は、蛍光灯用の点灯装置が設けられていることを特徴とする。この構成によれば、照明装置として、蛍光灯を用いることも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、所定位置に配設された蛍光灯用ソケットと、複数の発光ダイオードを取り付けたLED基板を有するLED発光ユニットとを備え、前記LED発光ユニットに、蛍光管端子と同様な形状で、前記蛍光灯用ソケットに係合して、前記蛍光灯用ソケットによりLED発光ユニットを支持させる端子状突部を設けたことにより、従来と同様な、蛍光灯用ソケット、商品見本および商品見本を載せる商品棚等を用いながら、LED発光ユニットによるLED照明を実現することができ、しかも、蛍光灯用ソケットによりLED発光ユニットを良好に支持することができる。
【0019】
また、LED発光ユニットに、LED発光ユニットの外部に露出して設けた給電コネクタや給電コードを介して、LED発光ユニットへの電力が供給されるよう構成したり、蛍光灯用ソケットの端子部を給電用電線に接続し、LED発光ユニットの端子状突部を導電性部材で構成するとともに端子状突部をLED基板に電気的に接続し、蛍光灯用ソケットの端子部に接触させた端子状突部を介してLED発光ユニットへ給電するよう構成したりすることで、LED発光ユニットへ良好に給電できる。
【0020】
また、端子状突部を支持する端子支持体に対してLED基板を保持するLED基板保持体を回動自在に配設することで、LEDからの光の出射方向を自由に変更することができて、商品見本を良好に照明できるようLEDの向きを調節することができる。
【0021】
また、LED基板およびLED基板保持体を、長手方向に対して複数に分割させ、分割された各分割発光ユニットを独立して回動自在に支持させることで、分割したLED基板のLEDからの出射方向を自由に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の照明装置を、図面を参照しながら説明する。なお、図1は本発明の実施の形態に係る自動販売機の全体斜視図、図2は同自動販売機の側面断面図、図3は同自動販売機の照明装置およびその近傍箇所の側面断面図、図4は同照明装置の正面図、図5は同照明装置の斜視図、図6は同自動販売機の照明装置に関する箇所の簡略的なブロック図である。
【0023】
図1〜図3に示すように、自動販売機の接客部としての前面部には前面扉1が配設されており、この前面扉1は、商品2の収納搬送部3などが格納された自動販売機本体4に開閉可能に取り付けられている。前面扉1の上部から中央部にかけては、多数の商品見本5が展示されている展示室6が設けられている。展示室6の内部には、商品棚7が上下に複数段設けられており、各段の商品棚7上に、それぞれ複数の商品見本5が間隔をあけて横並びに載置されている。また、商品見本5に対応して、商品棚7の前方箇所には商品選択ボタン8が配設されている。なお、図1〜図3における6aは展示室6の前面に配設されている透明パネル、6bは展示室6の背面部(前面扉1において、後方に開閉自在に取り付けられ、いわゆる中扉とも称される)、19は投入金額が表示される投入金額表示部、24は購入商品が払い出される商品取出口である。
【0024】
図3〜図5に示すように、展示室6の各商品棚7の内部(必要に応じて展示室6の上端部などにも設けてもよい)には、展示室6の内部および商品見本5を照明する照明装置10が設けられている。すなわち、照明装置10の配設箇所に対応する、展示室6の背面部6bの両端部に、背面部6bから手前側に立設する姿勢で支持ブラケット11が取り付けられているとともに、この支持ブラケット11の自動販売機幅方向中央寄りの面に蛍光灯用ソケット12が固定されている。そして、これらの蛍光灯用ソケット12の間に、複数の発光ダイオード(以下、LEDと略す)13を取り付けたLED基板14を有するLED発光ユニット15が嵌め込まれた状態で組み付けられて支持されている。
【0025】
LED基板14は略平板状とされ、複数の発光ダイオード13が横方向に所定間隔をあけて実装され、接続配線18を介して各LED13同士が接続されている。LED基板14の両端部には、それぞれ所定間隔をあけた状態で側方に突出する端子状突部16が固着されている。一方、支持ブラケット11および蛍光灯用ソケット12は、従来から一般に用いられている蛍光灯を照明装置として構成する場合と同様なものが用いられており、蛍光灯の規格(例えば、35W(または20W)の直管の蛍光灯(蛍光管)の長さ)に合わせた位置に支持ブラケット11および蛍光灯用ソケット12が取り付けられている。そして、LED発光ユニット15の前記端子状突部16は、前記蛍光管の両端部に設けられる給電用端子と同様な形状で、側方に突出して配設されており、このLED発光ユニット15の端子状突部16が、蛍光灯用ソケット12に設けられた給電用端子部12aに接触した状態で組み付けられている。なお、この実施の形態では、蛍光灯用ソケット12には、給電用コード等は接続されておらず、蛍光灯用ソケット12は、LED発光ユニット15を物理的に支持するためだけに用いられている。
【0026】
LED基板14の一端部には、各LED13同士を接続する接続配線18の端部に接続された給電コネクタ17が固着されており、この給電コネクタ17には、LED発光ユニット15に電力を供給する給電プラグ20が着脱可能な状態で装着されている。
【0027】
図6に示すように、自動販売機には直流電源部21を介して自動販売機全体を制御する制御部22が設けられ、この制御部22によって、LED発光ユニット15への給電制御も行われる。また、制御部22に接続された給電部(図示せず)を介してLED13に適した電力が、給電プラグ20や給電コネクタ17、接続配線18などを介してLED発光ユニット15に供給される。なお、図6における23は各LED発光ユニット15への電力を中継する中継コネクタである。
【0028】
この実施の形態では、全ての照明装置として、LED発光ユニット15が蛍光灯の代わりに置き換えられている。また、従来の照明装置のような蛍光灯が用いられないので、蛍光灯用の点灯装置(安定器や点灯管など)も設けられていない。
【0029】
この構成によれば、給電プラグ17および給電コネクタ16、接続配線18を介して、LED発光ユニット15に給電しながら発光させることができる。そして、蛍光灯用ソケット12に、LED発光ユニット15の端子状突部16を係合させてLED発光ユニット15を取り付けているので、従来、蛍光灯を照明器具として用いていた場合と同様な、蛍光灯用ソケット12、商品見本5および商品棚7等を用いながら、蛍光灯用ソケット12によりLED発光ユニット15を支持した状態で、LED発光ユニット15によるLED照明を実現することができる。すなわち、従来の自動販売機と同様な部品を多く用いることができるので、自動販売機として製造コストの増加を最小限に抑えることができる。また、LED13を照明装置として用いることで、蛍光灯を用いた場合と比較して電力使用量が少なくできて、電気代が安価となるとともに、寿命も蛍光管よりも遥かに長いので長期間使用できて、LED発光ユニット15の交換頻度が少なくて済む。また、1枚のLED基板14に複数のLED13を実装してLED発光ユニット15を構成したので、LED13を単独で組付ける場合(この場合は、LED13をバラ部品として組付けることとなる)と比較して、ユニット化されて、組付け作業も容易かつ少ない手間で行うことができる。
【0030】
また、本実施の形態では、従来の蛍光灯の代わりに用いているLED発光ユニット15として、複数のLED13を実装したLED基板14の一部に給電コネクタ17を設けただけの簡単な構成であるので、これによっても、製造コストを最小限に抑えることができる利点もある。
【0031】
つまり、従来の蛍光灯を照明とする自動販売機の構成要素をできるだけ流用する方法としては、蛍光灯(蛍光管)以外のものは全て、上記蛍光灯用の自動販売機の構成を用い、蛍光管の代わりに設けた照明装置に、蛍光管用の電源をLED用の電源に変換するA/D変換機や電圧調整器などの各種変換装置を設けるとともに、さらに、上記と同様なLEDを備えた基板などを組み込んだLED発光ユニットを用いることが考えられる。しかし、この場合には、自動販売機本体側には、蛍光灯用の安定器や点灯管(あるいはインバーター回路)などの蛍光灯用の点灯装置が設けられており、また、各蛍光管に代えるLED発光ユニットには、それぞれ、蛍光灯用の安定器から出力をLED用に変換する変換装置が必要となり、製造コストが増加する欠点がある。これに対して、本実施の形態では、蛍光灯用の点灯装置(安定器や点灯管)、各LED発光ユニットにおける前記変換装置が不要であるので、製造コストを少なく抑えることができる利点がある。
【0032】
なお、上記実施の形態では、複数のLED13をLED基板14の片面(上面(あるいは下面でも可))に実装した場合を図示したが、これに限るものではなく、LED基板14の両面(上面と下面)に複数のLED13を実装してもよい。
【0033】
次に、図7、図8は、上記実施の形態の変形例である第2の実施の形態を示すもので、この実施の形態では、LED発光ユニット15の両端部に配設される端子状突部16が、蛍光管の両端に設けられる口金と同様な円環形状の端子支持体25に固定されて組みつけられている。また、蛍光管のガラス管部分に相当するような大きさの、可撓性を有する薄肉円筒形状の透明材(例えば、樹脂製薄板)からなるLED基板保持体26が設けられ、このLED基板保持体26内に、複数のLED13を実装したLED基板14が配設されている。そして、このように、LED基板14を内蔵したLED基板保持体26の両端部が、前記端子支持体25の内周側に嵌め込まれており、これにより、LED基板保持体26の両端部が、各端子支持体25の筒状内壁面に接触して保持された状態で、LED基板14およびLED基板保持体26が、長手方向に沿う軸心を中心として回動自在に配設されている。なお、上記実施の形態と同様な給電コネクタ17がLED基板保持体26の端部に取り付けられており、この給電コネクタ17には、LED発光ユニット15に電力を供給する給電プラグ20が着脱可能に取り付けられる。また、図示しないが、LED基板14とLED基板保持体26とは、例えば、組付け時に長手方向に挿入できるようなガイド溝等が設けられており、このガイド溝等を介して互いに相対的に回動しないように位置規制された状態で装着されている。
【0034】
この構成によれば、LED発光ユニット15において、端子状突部16を支持する端子支持体25に対して、LED基板14を保持するLED基板保持体26を周方向に回動させることができるので、LED13の最も明るい光軸となる方向が商品見本5(あるいは、展示室6内)に向くようにLED基板保持体26を回動させて調整することができる。なお、図7においては、商品見本5の内部を下方から照明する場合を示しているが、これに限るものではなく、照明方向を下方にして(または、LED基板14の両面に複数のLED13を実装するとともにその姿勢を調整して)、商品見本5を上方から照明するように配置してもよい。
【0035】
これにより、LED13により商品見本5や展示室6を一層、良好な状態で照明することができる。つまり、各自動販売機においては、蛍光灯用ソケット12の取り付け姿勢や、照明装置に対する商品見本5の陳列位置などが互いに異なるが、このような取り付け姿勢や陳列位置などに違いがあっても、LED発光ユニット15の回動位置を調整できるので、商品見本5や展示室内6を良好に照明することができる。
【0036】
なお、LED13は、真正面となる箇所(前記光軸となる箇所)が特に明るくなる性質(指向性)が大きいため、LED13の指向性を緩和すべく、LED基板保持体26として光を拡散させる性質を有するいわゆる光拡散板を用いて、商品見本5を含む広い領域が良好に照明されるよう構成してもよい。
【0037】
さらに、図9は本発明の第3の実施の形態を示すもので、この実施の形態では、LED基板14およびLED基板保持体26が長手方向に対して2分割されており、左側のLED基板保持体26Aと、右側のLED基板保持体26Bとが、円筒形状のつなぎ部材27によって互いに回動可能な姿勢で連結されている。これにより、左側のLED基板14Aおよび左側のLED基板保持体26Aよりなる分割発光ユニット15Aと、右側のLED基板14Bおよび右側のLED基板保持体26Bよりなる分割発光ユニット15Bとが、独立して回動自在に支持されている。
【0038】
この構成によれば、分割したLED基板14A、14BのLED13からの出射方向を自由に変更することができる。したがって例えば、左側の分割発光ユニット15Aにより、商品見本5等を上方から照明する一方、右側の分割発光ユニット15Bは商品見本5等を下方から照明するなど、照明方向の選択肢の自由度が向上する。また、LED基板保持体26A、26Bも自由な色のものを選択可能になるので、例えば、左側のLED基板保持体26Aは赤みがかった照明、右側のLED基板保持体26Bは青みがかった照明などと、照明色を異ならせて照明することも可能となる。例えば、これにより、HOT飲料の商品見本5を赤く照明し、COLD飲料の商品見本5を青く照明することもできる。なお、この場合には、LED基板14A、14Bが分割して設けられているので、各分割発光ユニット15A、15B毎に個別に給電されて制御される。
【0039】
上記実施の形態では、LED発光ユニット15に給電するための給電コネクタ17を、LED基板14の端部から外部に露出するように配置した場合を述べたが、これに限るものではなく、給電用コード自体をLED基板14やLED基板保持体26から外部に引き出して、その端部に給電コネクタ17を設けて給電プラグ20に接続したり、給電用コードの端部を直に、自動販売機本体側に設けた給電用回路に接続したりしてもよい。
【0040】
上記実施の形態では、LED発光ユニット15の端子状突部16は、LED発光ユニット15を物理的に支持するためだけに用いられている場合を述べたが、これに限るものではなく、端子状突部16を用いてLED発光ユニット15に給電されるよう構成してもよい。すなわち、図10、図11に示すように、蛍光灯用ソケット12の給電用端子部12aに、前記給電部に接続された給電用電線35を接続するとともに、LED発光ユニット15の端子状突部16を金属(導電性材料)で形成し、かつ、複数の発光ダイオード13が実装されたLED基板14の接続配線18を端子状突部16に接続する。
【0041】
この構成により、蛍光灯用ソケット12の端子部12aに、LED発光ユニット15の端子状突部16が嵌り込むように装着することで、左右の蛍光灯用ソケット12によってLED発光ユニット15が支持されると同時に、左右の蛍光灯用ソケット12および端子状突部16を介して、LED発光ユニット15に良好に給電される。したがって、蛍光灯用ソケット12を、LED発光ユニット15の支持部品としてだけでなく、給電用端子としても良好に用いることができ、蛍光灯用ソケット12および端子状突部16を介してLED発光ユニット15へ良好に給電しながら発光させることができる。
【0042】
なお、このように、左右の蛍光灯用ソケット12および端子状突部16を介して、LED発光ユニット15に給電する構成を、図7や図8に示したように、端子状突部16を支持する端子支持体25に対してLED基板14を保持するLED基板保持体26を回動自在に配置した構造に適用したり、LED基板14およびLED基板保持体26を、長手方向に対して複数に分割し、分割された各分割発光ユニット15A、15Bを独立して回動自在に支持させた構造に適用したりすることも可能である。なお、この場合には、LED基板14と端子状突部16との相対位置が変動した際でも電気的に切断しないように、LED基板14に設けられた接続配線18の端部と端子状突部16とを長めのリード線等で接続することが好ましい。
【0043】
また、上記実施の形態においては、照明装置として、LED発光ユニット15のみを装着する場合を述べたが、これに限るものではなく、LED発光ユニット15と蛍光灯32との何れかを選択して装着できるよう構成してもよい。
【0044】
この場合には、上記構成に加えて、自動販売機本体4または前面扉1に、図12(a)、(b)に簡略的に示すように、蛍光灯用の安定器31や点灯管(図示せず、あるいはインバーター回路)等の蛍光灯用の点灯装置を設け、この点灯装置の出力部を蛍光灯用ソケット12に接続し、蛍光灯32に給電できるよう構成する。
【0045】
この場合に、図3〜図9に示す構成と同様なものに適用する場合には、蛍光灯用ソケット12に、蛍光灯用の給電出力部だけが接続されることとなるので、照明装置として蛍光灯32(蛍光管)に交換する場合には、蛍光灯32を蛍光灯用ソケット12に接続するだけで、蛍光灯照明も可能となる。なお、この場合には、蛍光灯用ソケット12に常に蛍光灯用の給電出力が印加されることとなるので、LED発光ユニット15の端子状突部16として絶縁物を用いて、LED発光ユニット15を装着した場合に、LED発光ユニット15に蛍光灯用の出力が供給されないよう構成することが好ましく、これにより、LED13の損傷を防止することができる。また、感電防止のためには、LED照明の使用時に、蛍光灯用出力が蛍光灯用ソケット12に出力されないように構成してもよい。但し、この場合には蛍光灯交換時に切換操作が必要となる。
【0046】
また、図10や図11に示すように、LED発光ユニット15を装着した際に、蛍光灯用ソケット12から給電するように構成する場合には、図13に示すように、蛍光灯用ソケット12の上流部に、蛍光灯用ソケット12への入力電力が、蛍光灯用の給電回路と、LED用の給電回路との何れかになるように切り換える切換スイッチ33を設けて、蛍光灯用ソケット12への給電する電力を切り換えるよう構成する。
【0047】
このような構成によれば、蛍光灯用の点灯装置も備えなければならないので、製造コストは増加するものの、LED発光ユニット15と蛍光灯32との何れの照明も選択できる利点がある。
【0048】
また、上記実施の形態では、照明装置10により商品見本5や展示室6内を照明する場合を述べたが、これに限るものではなく、前面扉に広告部が設けられている自動販売機において、前記広告部を照明する照明装置としても適用可能である。また、上記実施の形態では、前面扉1の展示室6に商品見本5が陳列されている自動販売機の場合を述べたが、これに限るものではなく、自動販売機の前面扉の少なくとも一部が透明材料で構成され、自動販売機本体内部の商品が直接見ることができる、いわゆるシースルー型の自動販売機の照明装置(この場合には、内部の商品自体を照明する)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動販売機の全体斜視図である。
【図2】同自動販売機の側面断面図である。
【図3】同自動販売機の照明装置およびその近傍箇所の側面断面図である。
【図4】同照明装置の要部正面図である。
【図5】同照明装置の要部斜視図である。
【図6】同自動販売機の照明装置に関する箇所の簡略的なブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る自動販売機の照明装置の要部正面図である。
【図8】同照明装置の要部斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る自動販売機の照明装置の要部正面図である。
【図10】同照明装置の要部斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る自動販売機の照明装置に関する箇所の簡略的なブロック図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ本発明の第5の実施の形態に係る自動販売機の照明装置に関する箇所の簡略的なブロック図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る自動販売機の照明装置に関する箇所の簡略的なブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
1 前面扉
2 商品
4 自動販売機本体
5 商品見本
6 展示室
6b 背面部
7 商品棚
10 照明装置
11 支持ブラケット
12 蛍光灯用ソケット
13 発光ダイオード(LED)
14 LED基板
15 LED発光ユニット
16 端子状突部
17 給電コネクタ
18 接続配線
20 給電プラグ
21 直流電源部
22 制御部
26 LED基板保持体
27 つなぎ部材
31 蛍光灯用安定器
32 蛍光灯
33 切換スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接客部を照明する自動販売機の照明装置であって、
所定位置に配設された蛍光灯用ソケットと、複数の発光ダイオードを取り付けたLED基板を有するLED発光ユニットとを備え、
前記LED発光ユニットに、蛍光管端子と同様な形状で、前記蛍光灯用ソケットに係合して、前記蛍光灯用ソケットによりLED発光ユニットを支持させる端子状突部を設けたことを特徴とする自動販売機の照明装置。
【請求項2】
LED発光ユニットに、LED発光ユニットに電力を供給する給電プラグが着脱される給電コネクタ、または、外部からLED発光ユニットへの電力を供給するための給電コードを、LED発光ユニットの外部に露出または突出させて設け、前記給電コネクタまたは給電コードを介して、LED発光ユニットに給電するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の照明装置。
【請求項3】
蛍光灯用ソケットの端子部を給電用電線に接続し、LED発光ユニットの端子状突部を導電性部材で構成するとともに端子状突部をLED基板に電気的に接続し、蛍光灯用ソケットの端子部に接触させた端子状突部を介してLED発光ユニットへ給電するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の照明装置。
【請求項4】
LED発光ユニットに、LED発光ユニットの両端部に配設される端子状突部を支持する一対の端子支持体と、これらの端子支持体間において、その長手方向に沿う軸心を中心として回動自在に取り付けられ、LED基板を保持するLED基板保持体とを設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動販売機の照明装置。
【請求項5】
LED基板およびLED基板保持体を、長手方向に対して複数に分割させ、分割された各分割発光ユニットを独立して回動自在に支持させたことを特徴とする請求項4に記載の自動販売機の照明装置。
【請求項6】
蛍光灯用の点灯装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の自動販売機の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−116418(P2009−116418A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285615(P2007−285615)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】