説明

自動販売機の返金システムおよび方法ならびに自動販売機およびそのプログラム

【課題】 自動販売機と自販機会社を接続し自動販売機から返金を行う自動販売機の返金システムおよび方法ならびに自動販売機およびそのプログラムを提供する。
【解決手段】 障害が発生すると、購入者はコンピュータ107のインターフェイス手段108に障害情報とユーザIDとパスワードとを入力し、コンピュータ107は入力された障害情報と販売履歴とを照合し障害の確認を行う。コンピュータ107は照合された結果を管理装置20へ送信する。管理装置20は照合結果より返金指示または返金不可のデータを返信する。自動販売機10はインターフェイス手段108にユーザIDを表示し返金可能か返金不可であることを表示する。返金可能な場合、購入者は自動販売機10のコンピュータ107のインターフェイス手段108にパスワードを入力する。パスワードに間違いがなければ、自動販売機10の返金口105に障害情報の申告額が返金される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の返金システムおよび方法ならびに自動販売機およびそのプログラムに関し、特に、自動販売機と自販機会社を接続し自動販売機から返金を行う自動販売機の返金システムおよび方法ならびに自動販売機およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動販売システムの一例が特許文献1に記載されている。この従来の自動販売システムは、マネーデータが読み書き可能なワイヤレスカードと、自動販売機と、自動販売機管理用サーバとから構成されており、以下のように動作する。
【0003】
自動販売機は、利用者の商品の選択に基づきワイヤレスカードとの間でその商品に相当するマネーデータの減額処理に係る所定の通信を行ない、通信が終了した後に選択された商品を排出する。自動販売機は、その通信の際に、ワイヤレスカードから減額が完了した旨の通知を受信しないために選択された商品の排出を保留した場合に、その旨を商品排出保留データとしてログ記録用メモリに記憶するようになっている。このように、通信障害により自動販売機から選択した商品が排出されなかった場合には、自動販売機、ログ記録用メモリに記憶した商品排出保留データを自動販売機管理用サーバに送信する。自動販売機管理用サーバは商品排出保留データを一括管理することにより、商品を受け取らなかったカード利用者からの不利益による申し立てに、管理者が迅速に対応する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−367016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の自動販売システムにおいては、次のような問題点があった。
【0006】
すなわち、障害が発生して選択された商品の排出ができない場合に、商品排出保留データを自動販売機管理用サーバが受信して管理し、利用者からの申し立てに管理者が対応しているため、自動販売機からの返金処理を行うことができないということである。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の課題を解決する自動販売機の返金システムおよび方法ならびに自動販売機およびそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願第1の発明の自動販売機の返金システムは、お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有する自動販売機の返金システムであって、前記自動販売機は、入力された障害情報を前記管理装置に送信する手段と、前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う手段とを備え、前記管理装置は、前記自動販売機から受信した障害情報を判断し返金指示を前記自動販売機に送信する手段を備える、ことを特徴とする。
【0009】
本願第2の発明の自動販売機の返金システムは、第1の発明において前記自動販売機は、前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う手段を有する、ことを特徴とする。
【0010】
本願第3の発明の自動販売機の返金システムは、第2の発明において前記自動販売機は、販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する手段を有し、前記管理装置は、前記自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する手段を有する、ことを特徴とする。
【0011】
本願第4の発明の自動販売機の返金方法は、お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有するシステムの自動販売機の返金方法であって、前記自動販売機は、入力された障害情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記自動販売機から受信した障害情報を判断して返金指示を前記自動販売機に送信し、前記自動販売機は、前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う、ことを特徴とする。
【0012】
本願第5の発明の自動販売機の返金方法は、第4の発明において前記自動販売機は、前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う、ことを特徴とする。
【0013】
本願第6の発明の自動販売機の返金方法は、第5の発明において前記自動販売機は、販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する、ことを特徴とする。
【0014】
本願第7の発明の自動販売機の返金方法は、お金を投入して選択した商品を排出する複数の自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有するシステムの自動販売機の返金方法であって、前記複数の内の一つの自動販売機は、入力された障害情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記一つの自動販売機から受信した障害情報を障害履歴データベースに格納し、前記一つの自動販売機以外の他の自動販売機は、入力された返金要求を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記障害履歴データベースに格納されている障害情報を参照して前記他の自動販売機から受信した返金要求を判断し、返金指示を前記他の自動販売機に送信し、前記他の自動販売機は、前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う、ことを特徴とする。
【0015】
本願第8の発明の自動販売機の返金方法は、第7の発明において前記一つの自動販売機は、前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う、ことを特徴とする。
【0016】
本願第9の発明の自動販売機の返金方法は、第8の発明において前記一つの自動販売機は、販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記一つの自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを障害履歴データベースに格納し、前記管理装置は、前記他の自動販売機から返金要求を受信したときに前記障害履歴データベースに格納されている前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する、ことを特徴とする。
【0017】
本願第10の発明の自動販売機は、お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機であって、障害情報を入力する手段と、前記障害情報を管理装置に送信する手段と、前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う手段とを備える、ことを特徴とする。
【0018】
本願第11の発明の自動販売機は、第10の発明において前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う手段を有する、ことを特徴とする。
【0019】
本願第12の発明の自動販売機は、第11の発明において販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認する手段と、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する手段とを有する、ことを特徴とする。
【0020】
本願第13の発明のプログラムは、お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機のプログラムであって、自動販売機に、障害情報を入力する機能、前記障害情報を管理装置に送信する機能、前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う機能、を実現させる。
【0021】
本願第14の発明のプログラムは、第13の発明において前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う機能、を実現させる。
【0022】
本願第15の発明のプログラムは、第14の発明において販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認する機能、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する機能、を実現させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、自動販売機から返金が可能になるという効果を有している。
【0024】
その理由は、管理装置から受信した返金指示に基づき自動販売機が返金を行うようにしたためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、清涼飲料水等の自動販売機で、金詰まりや商品詰まりなどの障害が発生した場合の返金方法に関する発明である。
【0026】
障害発生時に購入者が自動販売機に内蔵されているコンピュータのインターフェイス(タッチパネル等)へトラブル内容を入力すると、コンピュータが障害内容を診断し自販機会社のネットワークコンピュータに情報を送信する。ネットワークコンピュータが不正な請求と判断しなければ、自動販売機からお金を返金する。その後、自動販売機で連続して障害が発生すれば販売を一時停止させる。
【0027】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0028】
先ず、本発明を実施するための最良の形態の構成について、図1〜図2および図5〜図6を用いて説明する。
図1は本発明の全体の構成を示す図である。
図2は自動販売機の動作ブロックの構成を示す図である。
図5は自動販売機に保存される販売履歴のデータ例を示す図である。
図6は購入者が登録する障害情報のデータ例を示す図である。
図7は各スイッチの状態遷移を説明する図である。
図8は状態保持DBのレコード構成例を示す図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明は、自動販売機10と、管理装置20とを備えている。自動販売機10と管理装置20とはインターネット等のネットワーク1000で接続されている。
【0030】
自動販売機10は、商品の自動販売機である。自動販売機10は、図2に示すように、投入口100と、商品ラック101と、操作パネル102と、商品取出口103と、商品排出経路104と、返金口105と、制御手段106と、コンピュータ107と、インターフェイス手段108と、振動センサ109とを含んでいる。投入口100と商品ラック101と操作パネル102と商品取出口103と商品排出経路104と返金口105とは制御手段106と接続している。制御手段106はコンピュータ107と接続している。また、コンピュータ107にはインターフェイス手段108と振動センサ109とが接続されている。
【0031】
また、自動販売機10は、商品代金テーブル(図示せず)を備えている。商品代金テーブルは、商品スイッチ情報毎に、対応する商品名と対応する商品代金とを記憶している。投入口100から投入されたお金が商品代金テーブルに記憶されている選択された商品の代金より多いときに、その差額がつり銭として返金口105から返却される。
【0032】
投入口100は、お客様がお金を入れる部分であり、入金したお金の種類と金額をチェック(カウント)する機能を有している。販売日時と入金金額を制御手段106に通知する。
【0033】
商品ラック101は、商品が保管されている棚で、商品の種類と在庫数をチェックする機能を有している。商品ラック101は、各商品が保管されている棚の出口にスイッチ(ラックスイッチと称す)を備える。保管されている棚から商品が商品排出経路104に出たときに、ラックスイッチがオンになる。例えば、ラックスイッチの上を商品が通過することにより、ラックスイッチを押してオンにする。ラックスイッチのオン/オフの状態は制御手段106に通知される。
【0034】
操作パネル102は、購入者が商品購入する際の商品選択スイッチと返金スイッチで構成され、どのスイッチが選択されたかをチェックする機能を有している。また、入金された金額のカウンタ表示をする機能を有している。選択された商品スイッチ情報あるいは返金スイッチ情報を制御手段106に通知する。
【0035】
商品取出口103は、商品の取出口で、お客様が商品を取り出されたかをチェックする機能を有している。商品取出口103は、2つのスイッチ(取出口スイッチと取出済スイッチ)を備える。商品が商品取出口103に入ったときに取出口スイッチがオンになる。商品が商品取出口103から取り出されたときに取出済スイッチがオンになる。取出口スイッチおよび取出済スイッチのオン/オフの状態は制御手段106に通知される。
【0036】
商品排出経路104は、商品ラック101から商品取出口103までの商品を排出する経路で、商品が商品取出口103まで排出されたかをチェックする機能を有している。商品排出経路104は、2つのスイッチ(排出経路入口スイッチと排出経路出口スイッチ)を備える。商品ラック101から商品排出経路104に商品が入ったときに排出経路入口スイッチはオンになる。商品排出経路104から商品取出口103に商品が出たときに排出経路出口スイッチはオンになる。排出経路入口スイッチと排出経路出口スイッチのオン/オフの状態は制御手段106に通知される。
【0037】
返金口105は、商品購入時のつり銭や返金スイッチ操作時にお金が返金される部分であり、返金したお金の種類と金額をチェックする機能を有している。つり銭額あるいは返金額を制御手段106に通知する。
【0038】
制御手段106は、購入者が自動販売機10から商品を購入する際の自動販売機10の一連の動作を制御する機能を有している。すなわち、投入口100から入金され商品取出口103から商品が取り出されるまでの動作を制御する。また、売上毎に売上金額の紙幣と硬貨計数を集計する機能を有している。また、制御手段106は、ラックスイッチ,排出経路入口スイッチ,排出経路出口スイッチ,取出口スイッチおよび取出済スイッチのオン/オフの状態をコンピュータ107に通知する。
【0039】
コンピュータ107は、プログラム制御で動作し、販売履歴DB1071と送受信手段1072と状態保持DB1073とを備える。コンピュータ107は、制御手段106を制御し、各部(各ブロック)でチェックされた結果を制御手段106経由で取得し、取得した情報を販売履歴として販売履歴DB1071に保存する機能を有している。すなわち、制御手段106経由で取得した販売日時,入金金額,選択された商品スイッチ情報(販売商品)あるいは返金スイッチ情報,つり銭額あるいは返金額を、図5に示す販売履歴レコードに登録し、作成した販売履歴レコードを販売履歴DB1071に保存する。
【0040】
また、コンピュータ107は、インターフェイス手段108から障害情報を受け取ると、不具合チェック(障害の自己診断)を行う。不具合チェックの結果を販売履歴DB1071に保存した販売履歴レコードに追加記録する。そして、販売履歴,障害内容,診断結果および障害情報等を送受信手段1072経由で管理装置20へ送信する機能を有している。
【0041】
また、コンピュータ107は、管理装置20からの返金指示に基づき、返金口105から返金額を返金するように、制御手段106を制御する。
【0042】
また、コンピュータ107は、振動センサ109から不正振動のセンス(検出)を通知されたときに、販売を中止し、管理装置20へ異常を送信する機能を有している。また、コンピュータ107は、制御手段106からラックスイッチ,排出経路入口スイッチ,排出経路出口スイッチ,取出口スイッチおよび取出済スイッチのオン/オフの状態を通知されたときに、状態保持DB1073に格納する。オン状態に対して”1”、オフの状態に対して”0”を格納する。
【0043】
販売履歴DB1071は、販売履歴を保存するデータベースである。図5を参照すると、販売履歴は、日時,入金,販売商品,返金,つり銭,動作チェック,障害ブロックのデータを含んでいる。販売履歴DB1071は、磁気ディスク装置等の補助記憶装置(図示せず)に確保される。
【0044】
送受信手段1072は、ネットワーク1000を経由して管理装置20と送受信する機能を有している。
【0045】
状態保持DB1073は、ラックスイッチ,排出経路入口スイッチ,排出経路出口スイッチ,取出口スイッチおよび取出済スイッチのオン/オフの状態を記録するデータベースである。ラックスイッチ,排出経路入口スイッチ,排出経路出口スイッチ,取出口スイッチおよび取出済スイッチの初期値はオフ状態である。図8を参照すると、状態保持DB1073のレコード構成は、ラックスイッチフィールド,排出経路入口スイッチフィールド,排出経路出口スイッチフィールド,取出口スイッチフィールドおよび取出済スイッチフィールドから成っている。ラックスイッチフィールドにはラックスイッチの状態を、排出経路入口スイッチフィールドには排出経路入口スイッチの状態を格納する。排出経路出口スイッチフィールドには排出経路出口スイッチの状態を、取出口スイッチフィールドには取出口スイッチの状態を格納する。取出済スイッチフィールドには取出済スイッチの状態を格納する。
【0046】
インターフェイス手段108は、障害発生時に購入者が障害情報を入力する装置であり、例えばキーボード装置やタッチパネル装置である。図6を参照すると、障害情報は、ユーザID,購入商品,返金額,パスワードのデータを含んでいる。インターフェイス手段108は、入力された障害情報をコンピュータ107に通知する。また、インターフェイス手段108は、コンピュータ107からの情報を表示する表示装置を含んでいる。
【0047】
振動センサ109は、不正を監視するセンサー装置である。振動センサ109は、不正振動を検出したときに、コンピュータ107に通知する。
【0048】
管理装置20は、自販機会社等が運営管理する装置で、プログラム制御で動作するサーバ等の情報処理装置である。管理装置20は、コンピュータ107から送信された障害情報等を格納する障害履歴DB(データベース)201を有している。
【0049】
また、管理装置20は、コンピュータ107から販売履歴,障害内容,診断結果および障害情報等を受信する。受信した販売履歴,障害内容,診断結果および障害情報等をチェックし、返金可能/返金不可を判断する。そして、判断結果をコンピュータ107に送信する。
【0050】
ここで、図7を用いて、各スイッチの状態遷移について説明する。
【0051】
各スイッチの初期状態は、「オフ」である。先ず、商品が選択され、選択された商品が商品ラック101を出るとラックスイッチは「オン」になり、商品が商品排出経路104に入ると排出経路入口スイッチは「オン」になる。そして、商品が商品排出経路104を出ると排出経路出口スイッチは「オン」になり、商品が商品取出口103に入ると取出口スイッチは「オン」になる。そして、商品が商品取出口103から取り出されると取出済スイッチは「オン」になる。
【0052】
障害が発生した場合の不具合チェック(障害の自己診断)時には、状態保持DB1073を参照して各スイッチの状態のチェックを行い、どこの部分で障害が発生したかを判別する。
【0053】
続いて、本発明を実施するための最良の形態の動作について、図1〜図6を用いて説明する。
図3は本発明の返金時のフローチャートを示す図である。
図4は障害情報と販売履歴との照合時のフローチャートを示す図である。
【0054】
最初に、図2を参照して、正常時の動作について説明する。
【0055】
購入者が自動販売機10の投入口100にお金を投入する。
【0056】
投入口100は、販売日時を記録し、投入された紙幣もしくは硬貨の種類と数量をチェックする。
【0057】
制御手段106では、投入口100でチェックされた金額情報を元に、操作パネル102に投入金額部分を表示し、購入可能な商品スイッチを点灯させる。
【0058】
購入者が購入したい商品のスイッチを押すと、選択した商品がチェックされる。
【0059】
制御手段106は、商品ラック101に選択された商品を排出する指示をだし、商品ラック101から商品が排出されると、商品ラック101の在庫数をチェックする。
【0060】
商品排出経路104を通ると、商品通過の有無がチェックされる。
【0061】
商品取出口103へと商品が排出され、購入者が商品を取り出すと、商品の取り出しがチェックされ、正常動作として販売履歴(図5に例示)がコンピュータ107の販売履歴DB1071に保存される。
【0062】
また、購入者が返金を選択すると、制御手段106は入金された金額をチェックし返金口105から返金される。
【0063】
返金口105では、制御手段106から指示された金額と返金した金額との照合を行う。返金情報が、販売履歴DB1071に保存された販売履歴に追加記録される。
【0064】
次に、図3を用いて、障害発生時の返金方法に関して説明する。
【0065】
購入者が自動販売機10の投入口100にお金を投入し、購入者が購入したい商品のスイッチを押す。ここで、障害が発生したとする(例えば、商品が商品取出口に出てこない等)。
【0066】
まず、購入者は、コンピュータ107のインターフェイス手段108に、図6に例示する、ユーザIDとパスワードとを含む障害情報を入力する(ステップS1)。ユーザIDとパスワードとを含む障害情報は、入金確証としてネットワーク1000を介して管理装置20に登録される。
【0067】
障害情報に入力漏れがないかをチェックする(ステップS2)。
【0068】
次に、コンピュータ107は、入力された障害情報と販売履歴との照合および不具合チェック(障害の自己診断)を行い(詳細は図4参照)、障害情報と販売履歴の照合結果および障害の自己診断結果から、障害および不正の有無を確認する(ステップS3)。申告内容(入力された障害情報)と不具合チェックの結果とが矛盾しない場合には照合結果として「確認」を、矛盾する場合には照合結果として「未確認」を出力する。
【0069】
コンピュータ107は、販売履歴ならびに照合された結果を付加した障害情報をネットワーク1000経由で管理装置20へ送信する。管理装置20は、販売履歴ならびに照合された結果が付加された障害情報を受信して障害履歴DB201に登録する。管理装置20は、照合結果が「確認」の場合、返金指示と判断し、返金指示の情報を障害履歴DB201の障害情報に追加記録する。そして、返金指示のデータをコンピュータ107に返信する。また、管理装置20は、照合結果が「未確認」の場合、返金不可と判断し、返金不可の情報を障害履歴DB201の障害情報に追加記録する。そして、返金不可のデータをコンピュータ107に返信する(ステップS4)。
【0070】
次に、コンピュータ107は、インターフェイス手段108にユーザIDを表示し、返金可能か返金不可であることを表示する(ステップS5)。不正があった若しくは障害が確認できなかった場合は、管理装置20からコンピュータ107のインターフェイス手段108に取り扱いできないことの表示をさせる。
【0071】
返金可能な場合、購入者は自動販売機10のコンピュータ107のインターフェイス手段108にパスワードを入力する(ステップS6)。
【0072】
パスワードに間違いがなければ、自動販売機10の返金口105に障害情報の申告額が返金される(ステップS7〜S9)。
【0073】
返金口105に返金されると、自動販売機10のコンピュータ107から管理装置20に返金が完了したことをデータ送信する(ステップS10)。
【0074】
管理装置20は、返金が完了したことを受信すると、障害履歴DB201の該当する障害情報に対して返金済の印を書き込む。
【0075】
連続して障害が発生した場合は(ステップS11の”YES”)、管理装置20は自動販売機10の販売を停止させる信号を送信する。信号を受けた自動販売機10のコンピュータ107は、保守を受けるまで、販売を停止するように制御手段106を制御する。
【0076】
障害回数が1回の場合は(ステップS11の”NO”)、正常と見なして販売を継続する。
【0077】
次に、図4を用いて、障害情報と販売履歴とを照合し不具合チェック(障害の自己診断)を行う動作について詳細に説明する。
【0078】
先ず、販売履歴の入金金額と申告された入金金額(障害情報の返金額)の差異をチェックする(ステップS21)。差異がない場合にはステップS22へ、差異がある場合には「確認(要返金)」とする。
【0079】
選択された商品と申告された商品(障害情報の購入商品)が合っているかを確認する(ステップS22)。確認結果”OK”であればステップS23へ、確認結果”NG”であれば「確認(要返金)」とする。また、操作待の場合には「未確認(操作を促す表示を行う)」とする。
【0080】
販売履歴の販売商品と申告された商品(障害情報の購入商品)のチェックを行う(ステップS23)。チェックの結果”OK”であればステップS24へ進み、チェックの結果”NG”であれば「確認(要返金)」とする。また、返金操作であれば「確認(要返金)」とする。
【0081】
商品ラック101より商品取出口103までの商品排出を確認する(ステップS24)。確認結果”OK”であればステップS25へ進み、確認結果”NG”であれば「確認(要返金)」とする。すなわち、状態保持DB1073のレコードを読み出し、ラックスイッチフィールド,排出経路入口スイッチフィールド,排出経路出口スイッチフィールドおよび取出口スイッチフィールドをチェックする。ラックスイッチフィールド,排出経路入口スイッチフィールド,排出経路出口スイッチフィールドおよび取出口スイッチフィールドの全てがオン状態(”1”)であれば、確認結果”OK”とする。そうでなければ、確認結果”NG”とする。
【0082】
商品取出口103からの商品取り出しを確認する(ステップS25)。確認結果”OK”であればステップS26へ進み、確認結果”NG”であれば「未確認(商品取り出しを促す表示を行う)」とする。すなわち、状態保持DB1073のレコードを読み出し、取出済スイッチフィールドをチェックする。取出済スイッチフィールドがオン状態(”1”)であれば、確認結果”OK”とする。そうでなければ、確認結果”NG”とする。
【0083】
販売履歴の投入金額(入金)と商品代金とに差額(つり銭の有無)があるかをチェックする(ステップS26)。差額がある場合には「確認(商品代金と投入金額の差額を返金要)」とする。差額がない場合には「未確認」とする。
【0084】
上記の不具合チェックの結果を、販売履歴DB1071に格納されている販売履歴の動作チェックフィールドと障害ブロックフィールドに記録する。
【0085】
以上説明したように、管理装置から受信した返金指示に基づき自動販売機が返金を行う手段を設けたため、自動販売機から返金が可能になるという効果を有している。また、夜間においても返金が可能で、購入者や自動販売機が自販機会社から離れていても返金が可能になるため、高額な商品も扱いやすくなるという効果がある。更に、障害発生が自販機会社で発生時にわかり、故障した場合も保守対応がすぐにできるという効果がある。
【0086】
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図9は本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【0087】
図9を参照すると、本発明の他の実施例は、図1に示す上述した実施例の構成に、自動販売機30を追加した構成になっている。
【0088】
自動販売機30は、上述した実施例の自動販売機10と同等である。
【0089】
本発明の他の実施例の動作について説明する。
【0090】
正常時の動作は、上述した実施例の時と同様である。
【0091】
次に、障害が発生したときの動作について説明する。
【0092】
先ず、購入者が自動販売機10の投入口100にお金を投入する。
【0093】
購入者が購入したい商品のスイッチを押す。
【0094】
商品が商品取出口に出てこなかったので、購入者は上述した実施例の図3で説明した障害情報の申告を行う。
【0095】
自動販売機10は申告内容と不具合のチェックを行い(上述した実施例の図4と同様)、照合結果を付加した障害情報ならびに販売履歴を管理装置20に送信する。
【0096】
管理装置20は、照合された結果が付加された障害情報ならびに販売履歴を受信して障害履歴DB201に登録する。そして、管理装置20は、照合結果より返金指示または返金不可を判断し、返金指示または返金不可の情報を障害履歴DB201の障害情報に追加記録する。
【0097】
次に、購入者は、返金要求を行うために、自動販売機30のインターフェイス手段から、障害情報申告時に登録したユーザIDを入力する。
【0098】
自動販売機30のコンピュータは、入力されたユーザIDを管理装置20に送信する。
【0099】
管理装置20は、受信したユーザIDで障害履歴DB201を検索し、受信したユーザIDに対応した障害情報が返金指示で且つ返金済でない場合に、障害情報の返金額を抽出する。そして、返金指示および抽出した返金額のデータを自動販売機30のコンピュータに返信する。
【0100】
自動販売機30のコンピュータは、返金指示および返金額を受信し、インターフェイス手段にユーザIDを表示し返金可能であることを表示する。
【0101】
購入者は、自動販売機30のコンピュータのインターフェイス手段にパスワードを入力する。
【0102】
自動販売機30のコンピュータは、入力されたパスワードを管理装置20に送信する。
【0103】
管理装置20は、受信したパスワードを障害履歴DB201の該当する障害情報に登録されているパスワードと比較し、一致すれば、返金OKを自動販売機30のコンピュータに送信する。
【0104】
自動販売機30のコンピュータは、管理装置20から返金OKを受信すると、受信した返金額を返金口から返金するように制御手段を制御する。
【0105】
自動販売機30の制御手段は、返金口から指定された返金額を返金する。そして、返金したことをコンピュータに通知する。
【0106】
自動販売機30のコンピュータは、返金が完了したことを管理装置20に送信する。
【0107】
管理装置20は、返金が完了したことを受信すると、障害履歴DB201の該当する障害情報に対して返金済の印を書き込む。
【0108】
このように、障害が発生した自動販売機以外の他の自動販売機で、障害発生時の返金を行うことができるので、返金口に障害があっても返金できるという効果を有する。また、障害発生時とは別のタイミングで返金できるという効果を有する。
【0109】
本発明による上述した実施の形態において、自動販売機の処理動作を実行するためのプログラム等を、データとして自動販売機の磁気ディスクやROM等の記録媒体(図示せず)に記録するようにし、記録されたデータを読み出して自動販売機を動作させるために用いる。このように、本発明による自動販売機を動作させるデータを記録媒体に記録させ、この記録媒体をインストールすることにより自動販売機の機能が実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の全体の構成を示す図
【図2】自動販売機の動作ブロックの構成を示す図
【図3】本発明の返金時のフローチャートを示す図
【図4】障害情報と販売履歴との照合時のフローチャートを示す図
【図5】自動販売機に保存される販売履歴のデータ例を示す図
【図6】購入者が登録する障害情報のデータ例を示す図
【図7】各スイッチの状態遷移を説明する図
【図8】状態保持DBのレコード構成例を示す図
【図9】本発明の他の実施例の全体の構成を示す図
【符号の説明】
【0111】
10 自動販売機
20 管理装置
30 自動販売機
100 投入口
101 商品ラック
102 操作パネル
103 商品取出口
104 商品排出経路
105 返金口
106 制御手段
107 コンピュータ
108 インターフェイス手段
109 振動センサ
201 障害履歴DB
1000 ネットワーク
1071 販売履歴DB
1072 送受信手段
1073 状態保持DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有する自動販売機の返金システムであって、
前記自動販売機は、
入力された障害情報を前記管理装置に送信する手段と、
前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う手段とを備え、
前記管理装置は、
前記自動販売機から受信した障害情報を判断し返金指示を前記自動販売機に送信する手段を備える、
ことを特徴とする自動販売機の返金システム。
【請求項2】
前記自動販売機は、
前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う手段を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の返金システム。
【請求項3】
前記自動販売機は、
販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する手段を有し、
前記管理装置は、
前記自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する手段を有する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動販売機の返金システム。
【請求項4】
お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有するシステムの自動販売機の返金方法であって、
前記自動販売機は、
入力された障害情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記自動販売機から受信した障害情報を判断して返金指示を前記自動販売機に送信し、
前記自動販売機は、
前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う、
ことを特徴とする自動販売機の返金方法。
【請求項5】
前記自動販売機は、
前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う、
ことを特徴とする請求項4記載の自動販売機の返金方法。
【請求項6】
前記自動販売機は、
販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、
前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する、
ことを特徴とする請求項5記載の自動販売機の返金方法。
【請求項7】
お金を投入して選択した商品を排出する複数の自動販売機と前記自動販売機を管理する管理装置とを有するシステムの自動販売機の返金方法であって、
前記複数の内の一つの自動販売機は、
入力された障害情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記一つの自動販売機から受信した障害情報を障害履歴データベースに格納し、
前記一つの自動販売機以外の他の自動販売機は、
入力された返金要求を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記障害履歴データベースに格納されている障害情報を参照して前記他の自動販売機から受信した返金要求を判断し、
返金指示を前記他の自動販売機に送信し、
前記他の自動販売機は、
前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う、
ことを特徴とする自動販売機の返金方法。
【請求項8】
前記一つの自動販売機は、
前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う、
ことを特徴とする請求項7記載の自動販売機の返金方法。
【請求項9】
前記一つの自動販売機は、
販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認し、
前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記一つの自動販売機から受信した前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを障害履歴データベースに格納し、
前記管理装置は、
前記他の自動販売機から返金要求を受信したときに前記障害履歴データベースに格納されている前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とに基づいて返金するかを判断する、
ことを特徴とする請求項8記載の自動販売機の返金方法。
【請求項10】
お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機であって、
障害情報を入力する手段と、
前記障害情報を管理装置に送信する手段と、
前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う手段とを備える、
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項11】
前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う手段を有する、
ことを特徴とする請求項10記載の自動販売機。
【請求項12】
販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認する手段と、
前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する手段とを有する、
ことを特徴とする請求項11記載の自動販売機。
【請求項13】
お金を投入して選択した商品を排出する自動販売機のプログラムであって、
自動販売機に、
障害情報を入力する機能、
前記障害情報を管理装置に送信する機能、
前記管理装置から受信した返金指示に基づき返金を行う機能、
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
前記障害情報が入力されたときに障害の自己診断を行う機能、
を実現させるための請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
販売履歴情報と前記入力された障害情報との照合結果および前記障害の自己診断の結果から障害を確認する機能、
前記販売履歴情報と障害を確認した旨を付した前記障害情報とを前記管理装置に送信する機能、
を実現させるための請求項14記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate