説明

自動販売機管理システム

【課題】管理者が自動販売機をより効率よく管理することができる自動販売機管理システムを提供することにある。
【解決手段】商品の売上げ情報を含む商品情報を取得する情報取得部と、自動販売機の情報、情報取得部が取得した商品情報、商品の管理作業を実行する作業者の情報および自動販売機の商品の補充基準を記憶する記憶部と、商品情報と補充基準とに基づいて補充する対象の自動販売機と当該自動販売機に補充する商品の個数を抽出し、補充する対象の自動販売機の情報と補充する商品の個数と商品の管理作業を実行する作業者の情報とに基づいて、作業者が商品の補充を行う担当の自動販売機の割り当てを決定する配送管理部と、を備える管理サーバと、各種条件を入力する入力部と、管理サーバで決定した作業者が商品の補充を行う担当の自動販売機の情報を出力する出力部と、を有するオペレート装置と、を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の自動販売機の商品を管理する自動販売機管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、利用者が商品を指定し指定した商品の料金を支払うことで指定した商品を購入することができる。自動販売機は、担当者(ルートマン)が定期的に商品の補充や売上げの回収を行うことで、商品を販売できる状態が維持される。ここで、担当者は、補充する商品を搭載したトラック等で対象の多数の自動販売機を巡回し、順番に商品の補充や売上げの回収を行う。また、商品の補充や売上げの回収を行う管理対象の自動販売機を多数有する管理者(オペレータ)は、複数人の担当者によってそれぞれの担当の自動販売機の管理を実行する。このように、オペレータが自動販売機を管理する際に用いる自動販売機管理システムとしては、特許文献1や特許文献2に記載のシステムがある。
【0003】
特許文献1には、ネットワークを用いて自動販売機の巡回・補充計画を立て、それを実施する方法であって、自販機オペレータが管理する多数の自動販売機に通信機能をもたせて、これらの自動販売機、自販機オペレータおよびデータセンタをネットワークで結び、ネットワークを介して各自動販売機で取得した販売実績情報をデータセンタに収集し、データセンタでは販売実績情報に基づいて各自動販売機の販売予測を算出するとともに、この販売予測と各自動販売機の設置場所とに基づく巡回・補充計画を立てて自販機オペレータへネットワークを介して配信し、巡回・補充計画にしたがって自販機オペレータが各自動販売機の巡回・補充を実施する、ことを特徴とする自動販売機の巡回・補充方法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ネットワークを通じて自動販売機の商品在庫状況を受信する入力手段と、補充作業員が補充対象地域から構成される巡回ルートの中のいずれかの補充対象地域に到達した時点での商品配送トラック内の商品在庫から、巡回ルート内の自動販売機の商品在庫状況および自動販売機ごとに予め設定された補充基準とに基づき、自動販売機に配分する商品およびその量を算出する手段と、ネットワークを通じて配分する商品およびその量を情報端末に出力する手段と、を具備することを特徴とする自動販売機補充作業支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−42217号公報
【特許文献2】特開2008−293262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の自動販売機の巡回・補充方法で自動販売機を管理することで、補充が必要な自動販売機の情報を抽出することができ、巡回効率を高め、販売機会の損失を予防することができ、商品全体の在庫管理の精度を向上させることができる。また、特許文献2に記載されている自動販売機補充作業支援システムのように、補充基準を用いて必要な補充数を決定することで、効率よく商品の補充を行うことができる。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のシステムで自動販売機を管理しても、管理の効率が不十分な場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、管理者が自動販売機をより効率よく管理することができる自動販売機管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の自動販売機の商品を管理する自動販売機管理システムであって、自動販売機に供給されている商品の売上げ情報を少なくとも含む商品情報を取得する情報取得部と、前記自動販売機の情報、前記情報取得部が取得した前記商品情報、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報および前記自動販売機の商品の補充基準を記憶する記憶部と、前記商品情報と前記補充基準とに基づいて補充する対象の自動販売機と当該自動販売機に補充する商品の個数を抽出し、前記補充する対象の自動販売機の情報と当該自動販売機に補充する商品の個数と前記商品の管理作業を実行する作業者の情報とに基づいて、それぞれの前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の割り当てを決定する配送管理部と、を備える管理サーバと、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報、前記自動販売機の情報、前記自動販売機の商品の補充基準を入力する入力部と、前記管理サーバで決定した前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の情報を出力する出力部と、を有するオペレート装置と、を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記配送管理部は、前記商品情報に基づいて前記自動販売機毎の前記商品の売上げ本数を算出し、前記商品の売上げ本数が補充基準よりも多い自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することが好ましい。
【0010】
また、前記配送管理部は、前記商品情報と前記商品の補充情報とに基づいて前記自動販売機毎の前記商品の残数情報を算出し、基準在庫の本数から前記商品の在庫の本数を減算して補充する商品の本数を算出し、前記基準在庫の本数に対する補充する商品の本数の割合である補充率を算出し、補充率が補充基準よりも高くなった自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することが好ましい。
【0011】
また、前記記憶部は、作業条件に対応して前記補充基準を複数備えており、前記配送管理部は、使用する前記補充基準を前記作業条件に基づいて決定することが好ましい。
【0012】
また、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報は、前記管理作業を実行可能な前記作業者の人数、前記作業者が前記管理作業に使用する配送車の情報、前記作業者のそれぞれが実行可能な前記管理作業の情報を含み、前記配送管理部は、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報を前記作業条件として、前記補充基準を決定することが好ましい。
【0013】
また、前記管理作業に使用する配送車の情報は、前記配送車に積載可能な商品の重量の情報を含み、前記配送管理部は、自動販売機に補充する商品の個数と前記配送車に積載可能な商品の重量とを加味して、それぞれの前記作業者が商品の補充を行う前記自動販売機の割り当てを決定することが好ましい。
【0014】
また、前記管理作業に使用する配送車の情報は、前記配送車に積載可能な商品の重量の情報および使用する優先順位の情報を含み、前記配送管理部は、前記自動販売機毎の売上げ情報に基づいて、次回の配送時に補充対象になる自動販売機および補充する商品の個数を予測し、予測結果に基づいて、必要な作業員の人数および配送車の台数を算出し、前記オペレート装置は、前記出力部から必要な作業員の人数および配送車の台数の算出結果を出力することが好ましい。
【0015】
また、前記情報取得部は、前記自動販売機のつり銭情報を取得し、前記配送管理部は、つり銭が設定した基準以下の自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することが好ましい。
【0016】
また、前記商品の補充基準は、前記自動販売機の商品の総数に基づいた基準であることが好ましい。
【0017】
また、前記商品の補充基準は、前記自動販売機の商品に対して個別に設定された基準を含み、前記配送管理部は、商品の少なくとも1つが補充基準を満たした場合、当該自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することが好ましい。
【0018】
また、前記記憶部は、前記自動販売機の情報として前記自動販売機の位置にある郵便番号を記憶しており、前記配送管理部は、前記自動販売機に対応付けられた前記郵便番号に基づいて、前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の割り当てを決定することが好ましい。
【0019】
また、前記情報取得部は、通信回線を介して前記商品情報を取得する通信部であることが好ましい。
【0020】
また、前記商品が前記自動販売機に投入されてからの期間に基づいて前記商品を管理する商品管理部をさらに有し、前記商品管理部は、前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機を検出した場合、当該商品の売上げの情報に基づいて当該商品を補充しても前記設定した期間内に販売できる自動販売機を予測し、予測した自動販売機を移動先の自動販売機として特定することが好ましい。
【0021】
また、前記配送管理部は、前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と前記移動先の自動販売機とを補充対象の自動販売機として抽出し、同一の前記作業者に対して前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と前記移動先の自動販売機とに対する商品の補充を割り当て、かつ、商品の移動作業も割り当てることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる自動販売機管理システムは、管理者が自動販売機をより効率よく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明にかかる自動販売機管理システムの一例の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す自動販売機管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、自販機データの一例を示す説明図である。
【図4】図4は、売上げデータの一例を示す説明図である。
【図5】図5は、補充履歴データの一例を示す説明図である。
【図6】図6は、残数履歴データの一例を示す説明図である。
【図7】図7は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図8】図8は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。
【図9】図9は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図10は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図11は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図12】図12は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。
【図13】図13は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。
【図14】図14は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図15】図15は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図16】図16は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための形態(以下、実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。なお、本実施形態では、自動販売機(自販機)として、清涼飲料水等の飲料を販売する自動販売機を例として説明するが、各種商品を販売する自動販売機に適用することができる。
【0025】
図1は、本発明にかかる自動販売機管理システムの一例の概略構成を示す模式図である。自動販売機管理システム10は、営業所12が担当しているサービスエリア13内にある多数の自動販売機14を管理するシステムである。自動販売機管理システム10は、自動販売機14から情報を取得し、取得した情報および設定した条件に基づいて作業者(ルートマン)Hが配送車16または配送車17を使用して管理する自動販売機14の割り当ておよび各自動販売機14に補充する商品の個数(本数)を算出する。自動販売機管理システム10は、自動販売機14と、携帯端末20と、オペレート装置22と、管理サーバ24と、を有する。なお、営業所12と配送車16、17とも自動販売機管理システム10に含めてもよいし、自動販売機14を自動販売機管理システム10に含めなくてもよい。また、本実施形態ではオペレート装置22と管理サーバ24とを別体としたが一体としてもよい。つまり、自動販売機管理システム10は、オペレート装置22の機能と管理サーバ24の機能の両方を備える制御装置を用いてもよい。
【0026】
営業所12は、作業者Hや配送車16、17が自動販売機14の管理を行う際の基点である。営業所12には、自動販売機管理システム10のオペレート装置22が配置されている。また、営業所12には、配送車16、17で搬送し、自動販売機14に補充する商品が保管されている。なお、本実施形態では、営業所12を1箇所設けたが、これに限定されない。営業所12を複数設けてもよい。また、営業所12とは別に、商品を保管する保管基地を設けてもよい。この場合、作業者Hは、保管基地で配送車16、17に商品を搭載することができる。
【0027】
サービスエリア13は、営業所12が管理する対象の自動販売機14がある領域である。つまり、営業所12が自動販売機14の管理サービスを提供する領域である。なお、サービスエリア13内に管理対象外の自動販売機14、つまり他の営業所12が管理する自動販売機14がある場合もある。
【0028】
自動販売機14は、利用者が料金を支払い、商品を特定すると、利用者に自身が保管している商品を提供する機器である。自動販売機14は、商品を保管するコラムを複数備え、各コラムに別々の商品が補充されることで、種々の商品を提供することができる。自動販売機14については後述する。
【0029】
配送車16、17は、作業者Hが自動販売機14を巡回して管理する際に使用する車両である。配送車16、17は、作業者Hにより商品を搭載され、商品を搭載した状態で対象の自動販売機14を巡回する。配送車16と配送車17とは、車両の規格、性能がことなるのみで、作業者Hによって運転され、自動販売機14の巡回の際に使用される点、商品を搭載している点は同一である。配送車16は、自動販売機14への商品の補充を行うために製造された車両、いわゆるルートカーであり、大量の商品が搭載可能で、また、商品を取り出すための扉が通常のトラック等よりも多く設けられている。配送車17は、通常のワゴン車等であり、配送車16よりも搭載できる商品の量は少ない。また、図1では、2台の配送車16と1台の配送車17を図示したが、配送車16、17の台数、構成はこれに限定されない。また、配送車16、17は、必要に応じて借りることもできる。
【0030】
また、配送車16、17を運転して、自動販売機14を巡回して管理する作業者Hは、携帯端末20を有する。携帯端末20は、自動販売機14の情報を取得したり、自動販売機14に補充する商品の情報を提供したりすることができる。携帯端末20については後述する。また、1台の配送車16には、複数人の作業者Hが乗車してもよい。
【0031】
次に、図2を用いて自動販売機管理システム10の各部の構成をより詳細に説明する。ここで、図2は、図1に示す自動販売機管理システムの概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、自動販売機管理システム10は、自動販売機14a、14bと、携帯端末20と、オペレート装置22と、管理サーバ24と、を有する。なお、図2は、自動販売機管理システム10の各部の機能を示す図であり、自動販売機14a、14bと、携帯端末20と、オペレート装置22と、管理サーバ24の数はこれに限定されない。自動販売機管理システム10は、ネットワーク28を有し、ネットワーク28を介して各部でデータの送受信が可能な状態となっている。ネットワーク28は、公衆回線を介した通信網であり、有線、無線の通信回線によってデータを伝達することで各機器間での通信を可能にしている。
【0032】
自動販売機14aは、制御部30と記憶部32と近距離通信部34と通信部36とを備える。なお自動販売機14aは、制御部30と記憶部32と近距離通信部34と通信部36とに加え、自動販売機が通常備えている各種構成、機能を備えている。
【0033】
制御部30は、CPU等の演算処理機能で構成され、入力された操作、各種センサで検出した情報に基づいて、自動販売機14aの各部の動作を制御する。具体的には、制御部30は、商品の販売動作、料金の課金動作、商品の温度管理動作、照明の制御動作、近距離通信部34、通信部36を介したデータの送受信動作等を制御する。記憶部32は、ROM、RAM等の揮発性および不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部30で各種処理を実行するためのプログラムや、各コラムの料金データ、売上げ本数のデータ等を記憶する。近距離通信部34は、携帯端末20と近距離通信で通信を行い、データの送受信を行う。なお、近距離通信としては、赤外線通信、Bluetoothを用いた通信等、種々の方法の近距離通信方式を用いることができる。通信部36は、外部のネットワーク28を介して他の通信機能を備える機器とデータの送受信を行う。本実施形態の通信部36は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、売上げ情報や残数情報(在庫情報)、補充情報等を送信する。また、通信部36は、管理サーバ24やオペレート装置22から送信されるデータ(情報)を受信する。自動販売機14aは、自機の各種情報を近距離通信部34、通信部36の両方で送信することができる。
【0034】
自動販売機14bは、制御部40と記憶部42と近距離通信部44とを備える。なお自動販売機14bは、制御部40と記憶部42と近距離通信部44とに加え、自動販売機が通常備えている各種構成、機能を備えている。自動販売機14bは、通信部36を備えない、つまりネットワーク28を介して他の機器と通信する機能を備えていない点を除いて基本的な構成は、自動販売機14aと同様である。自動販売機14bは、自機の各種情報を近距離通信部44で送信することができる。
【0035】
携帯端末20は、いわゆるハンディーターミナルであり、自動販売機14a、14bと近距離通信でデータの送受信を行うことで、自動販売機14a、14bのデータを読み取り、自動販売機14a、14bにデータを書き込む機器である。携帯端末20は、制御部50と記憶部52と近距離通信部54と通信部56とを有する。なお、携帯端末20は、各種情報を閲覧可能とするための画像表示部や印刷部、操作を入力する入力部等を備えていてもよい。
【0036】
制御部50は、CPU等の演算処理機能で構成され、入力された操作、各種センサで検出した情報に基づいて、携帯端末20の各部の動作を制御する。具体的には、制御部50は、近距離通信部54、通信部56を介したデータの送受信動作、自動販売機14a、14bの情報の書き換え動作等を制御する。記憶部52は、ROM、RAM等の揮発性および不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部50で各種処理を実行するためのプログラムや、自動販売機14a、14bとの通信で取得したデータ(各コラム売上げ本数のデータ等)、ネットワーク28を介してオペレート装置22、管理サーバ24から供給されたデータ等を記憶する。近距離通信部54は、自動販売機14a、14bと近距離通信で通信を行い、データの送受信を行う。通信部56は、外部のネットワーク28を介して他の通信機能を備える機器とデータの送受信を行う。本実施形態の通信部56は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、売上げ情報や残数情報、補充情報等を送信する。通信部56は、ネットワーク28を介してオペレート装置22と通信を行い、各種設定のデータを取得する。
【0037】
携帯端末20は、以上のような構成である。作業者Hは、管理作業時に携帯端末20を自動販売機14a、14bの近傍に移動させ、携帯端末20と近距離通信を行い、データの送受信を行う。また、作業者Hは、携帯端末20を用いて、近距離通信で自動販売機14a、14bと通信を行い、自動販売機14a、14bの各種情報を書き換えることで、自動販売機14a、14bの設定(例えば、各コラムの料金、設定温度、稼動時間等)を変更することができる。
【0038】
オペレート装置22は、営業所12に設置された情報端末であり、制御部60と記憶部62と表示部64と入力部66と通信部68とを有する。オペレート装置22としては、いわゆるパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。オペレート装置22は、自動販売機管理システム10のみの機能を備えていてもよいし、パーソナルコンピュータの1つのソフトを実行することでオペレート装置22の機能を実現してもよい。
【0039】
制御部60は、CPU等の演算処理機能で構成され、入力部66に入力された操作、通信部68を介して取得した情報に基づいて、各部の動作を制御し、また各種演算を行う。具体的には、制御部60は、表示部64の画面の表示動作、通信部68を介したデータの送受信動作等を制御する。記憶部62は、ROM、RAM等の揮発性および不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部60で各種処理を実行するためのプログラムや、入力部66で入力されたデータ、管理サーバ24との通信で取得したデータ(自動販売機の各コラム売上げ本数のデータ、残本数のデータ、補充本数のデータ等)等を記憶する。表示部64は、液晶ディスプレイ等の画像を表示する表示装置であり、制御部60で生成された各種画面、例えば操作を入力するための操作画面や入力操作に基づいて出力された各種データを表示する。入力部66は、マウス、キーボード、タッチパネル等、作業者、管理者が操作を入力する入力デバイスである。入力部66は入力された操作に基づいた操作信号を制御部60に供給する。通信部68は、外部のネットワーク28を介して他の通信機能を備える機器とデータの送受信を行う。本実施形態の通信部68は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、自動販売機14a、14bの管理に必要な情報を受信する。なお、この点については後述する。通信部68は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、売上げ情報や残数情報、補充情報等も受信する。
【0040】
オペレート装置22は、以上のような構成であり、入力部66で入力されたサービスエリア13の自動販売機14a、14bを管理するための各種条件、各種情報を通信部68からネットワーク28を介して管理サーバ24に送信する。また、オペレート装置22は、管理サーバ24から送信された作業計画の情報を受信する。なお、作業計画の情報とは、作業者Hがどの配送車16、17を使用するかの情報、どの自動販売機14a、14bに対して管理作業(商品の補充作業、料金の回収作業等)を行うか、作業者Hがどの自動販売機14a、14bの管理作業を行うかを振り分けた情報、各作業者Hが自動販売機14a、14bに補充する商品の内容(商品の種類と本数)、各作業者Hが配送車16、17に搭載する商品の内容(商品の種類と本数)等である。オペレート装置22は、管理サーバ24から送られた作業情報を表示部64に表示させる。オペレート装置22は、必要に応じて、各作業者Hの携帯端末20にも作業情報を送信する
【0041】
自動販売機管理システム10は、ネットワーク28、携帯端末20を介して自動販売機14a、14bとオペレート装置22とを通信させ、自動販売機14a、14bの情報をオペレート装置22に送信されるようにしてもよい。また、オペレート装置22は、情報の出力手段として印刷部(プリンタ)を備えていてもよい。
【0042】
次に、図2に加え、図3から図6を用いて管理サーバ24について説明する。図3は、自販機データの一例を示す説明図である。図4は、売上げデータの一例を示す説明図である。図5は、補充履歴データの一例を示す説明図である。図6は、残数履歴データの一例を示す説明図である。
【0043】
管理サーバ24は、ネットワーク28を介して送信された情報に基づいて各種演算を行い、ネットワーク28を介して決定した情報をオペレート装置22に送信する。また、管理サーバ24は、1台で複数の営業所12を管理することもできる。つまり管理サーバ24は、複数の自動販売機管理システム10に共通のサーバとすることができる。管理サーバ24は、図2に示すように、制御部70と、記憶部72と、通信部76とを有する。
【0044】
制御部70は、CPU等の演算処理機能で構成され、通信部76を介して取得した情報および記憶部72に記憶されている情報に基づいて、各種演算を行い、通信部76を介して演算して算出した結果を各部に送信する。制御部70は、配送管理部70aと商品管理部70bとを有する。なお、制御部70は、配送管理部70aと商品管理部70bと以外のみ管理サーバとして必要な各種制御を実行する機能を有する。
【0045】
配送管理部70aは、ネットワーク28を介して送信された情報に基づいて各種演算を行い、管理作業を行う自動販売機14a、14bを抽出し、抽出した自動販売機14a、14bに対して管理作業を行う作業者Hまたは作業者Hが使用する配送車16、17の割り当てを決定する。つまり、作業者Hまたは作業者Hが使用する配送車16、17が、どの自動販売機14a、14bの管理作業を行うかの割り当てを決定する。配送管理部70aは、ネットワーク28を介してオペレート装置22に決定した割り当てを送信する。
【0046】
商品管理部70bは、ネットワーク28を介して送信された情報に基づいて各種演算を行い、自動販売機14a、14bが保持している商品を管理する。具体的には、商品管理部70bは、自動販売機14a、14bが保持している商品の滞留期間(滞留日数)を算出し、滞留期間が所定の条件を満たした商品を別の自動販売機に移動させる作業を決定したり、滞留期間が所定の条件を満たした商品を回収する作業を決定したりする。また、商品管理部70bは、滞留期間に加えてまたは換えて、商品の売れ行きを算出し、自動販売機14a、14bで販売する商品の構成を調整したり、商品の発注計画を作成したりする。
【0047】
記憶部72は、ROM、RAM等の揮発性および不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部70で各種処理を実行するためのプログラムや、自動販売機14a、携帯端末20、オペレート装置22との通信で取得したデータ等を記憶する。ここで、記憶部72は、営業所データ72aと、自販機(自動販売機)データ72bと、売上げデータ72cと、補充履歴データ72dと、残数履歴データ72eと、条件テーブル72fと、を有する。なお、記憶部72に記憶される各種データは、通信部76が外部から取得した情報に基づいて随時、または所定期間毎に更新される。更新処理は、制御部70により実行される。
【0048】
営業所データ72aは、営業所12に関連する各種情報、例えば、営業所12の位置情報や、営業所12に所属する作業者Hの人数および構成、配送車の台数および構成等の情報である。なお、作業者Hの構成としては、専門的に管理作業を行える人物か、アルバイト、パートなのか等の情報である。また、各作業者が行える作業の内容や、作業能力、運転免許の有無等の情報も含まれる。配送車の構成としては、管理作業専用の車両(ルートカー)、ライトバン、乗用車等の情報、各車両で積載可能な重量の情報が含まれる。また、作業者H、配送車の情報には、臨時で対応できる人数、台数、つまり日雇いで採用できる人数、レンタカーで借りることができる台数等を含めてもよい。
【0049】
自販機データ72bは、図3に示すように、サービスエリア13にある管理対象の自動販売機14の各種情報で構成されるデータである。自販機データ72bは、自動販売機14それぞれの、設置場所の住所、設置場所の郵便番号、識別コード、各コラムに投入される商品の情報等が含まれる。なお、識別コードは、同一の郵便番号の領域をさらに詳細に分割した区域において、どの区域に含まれるかを示す情報である。また、自動販売機は、機種によってコラムの数が異なるため、図3に示すように対応するコラムがない自動販売機ではコラムに対応付けられた情報がない欄もある。また、自販機データ72bは、各コラムの基準本数(補充処理後にコラムで保持する商品の本数)の情報も記憶している。
【0050】
売上げデータ72cは、各自動販売機の売上げのデータである。ここで、図4は、第1自動販売機の売上げを示す表である。なお、売上げデータ72cは、管理対象の自動販売機のそれぞれの売上げデータを検出し保存している。本実施形態の売上げデータ72cは、図4に示すように、各コラムの商品が1日何本売れたかと、1つの自動販売機で1日何本売れたか(売上げ総本数)を検出して保存している。また、本実施形態では一日毎の売上げを検出したが、検出タイミングはこれに限定されない。例えば、数時間後としてもよいし、数日ごとでもよい。
【0051】
補充履歴データ72dは、各自動販売機に補充した商品の履歴のデータである。ここで、図5は、第1自動販売機の補充履歴を示す表である。なお、補充履歴データ72dは、管理対象の自動販売機のそれぞれの補充履歴データを保存している。本実施形態の補充履歴データ72dは、図5に示すように、各コラムの商品が何本補充したかと、1つの自動販売機に対する1回の補充で何本補充したか(補充総本数)を保存している。なお、図5に示す第1自動販売機は、数日に1回の割合で補充作業(管理作業)が行われているが、補充の回数は特に限定されない。1日に数回の補充作業が行われる場合もある。この場合は、補充作業ごとのデータを履歴として検出してもよいし、1日に補充された商品を纏めて検出してもよい。また、管理サーバ24は、補充される商品の本数の情報として、自動販売機14a、14bが検出した実際に補充された本数を用いてもよいし、後述する管理サーバ24で決定した補充本数を用いてもよい。
【0052】
残数履歴データ72eは、各自動販売機で保持している(売れないで自動販売機内に残っている)商品の本数のデータである。ここで、図6は、第1自動販売機の残数を示す表である。なお、残数履歴データ72eは、管理対象の自動販売機のそれぞれの残数データを検出し保存している。本実施形態の残数履歴データ72eは、図6に示すように、検出時に各コラムの商品が何本残っているかと、1つの自動販売機で何本残っているか(残数総本数)を検出して保存している。また、本実施形態では一日毎に残数を検出したが、検出タイミングはこれに限定されない。例えば、数時間後としてもよいし、数日ごとでもよい。なお、残数は、補充履歴データ72dから算出した各コラムに供給した本数から、売上げデータから算出した各コラムで販売した本数を減算することで算出することができる。また、直近に算出した残数を基準とし、直近で算出した時点から、各コラムに供給した本数を補充履歴データ72dから算出して加算し、直近で算出した時点から、各コラムで販売した本数を売上げデータから算出して減算することでも算出することができる。なお、図4から図6に示す本数は一例である。また、夫々のデータの検出タイミングは任意のタイミングである。
【0053】
条件テーブル72fは、配送管理部70a、商品管理部70bで各種演算を行う際に用いる条件を記憶している。具体的には、条件テーブル72fは、作業条件ごとおよび算出条件ごとの補充基準を記憶している。なお、補充基準とは、自動販売機に対する管理作業(主に商品の補充作業)を実行するか否かを判定する基準である。条件テーブル72fは、補充基準を調整するための各種条件も記憶している。条件テーブル72fは、管理作業を行う対象の自動販売機を、どの作業者、配送車に割り当てるかの基準の情報も記憶している。条件テーブル72fは、自動販売機で保持している商品を取り出し、移動する基準である滞留期間の情報や、商品の移動先の自動販売機を特定するための基準の情報、商品の入れ替えを行うコラムを決定する基準の情報も記憶している。
【0054】
通信部76は、外部のネットワーク28を介して他の通信機能を備える機器とデータの送受信を行う。本実施形態の通信部76は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、自動販売機14a、14bの管理に必要な情報を受信する。なお、この点については後述する。通信部76は、ネットワーク28を介して管理サーバ24と通信を行い、売上げ情報や残数情報、補充情報等も受信する。
【0055】
次に、図7および図8を用いて、自動販売機管理システム10、主に管理サーバ24の配送管理部70aの処理動作を説明する。図7は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図8は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。
【0056】
配送管理部70aは、ステップS12として、自販機(自動販売機)の売上げ情報を取得する。具体的には、配送管理部70aは、売上げデータ72cから自販機毎の売上総本数を算出する。ここで、ステップS12では売上げ総本数として、直近に商品の補充を行ってからの売上げ総本数を算出する。
【0057】
また、配送管理部70aは、補充対象の自動販売機を抽出する際に、近距離通信で売上げ情報を取得した自動販売機は、売上げ情報が一定時間前の情報となる。そのため、配送管理部70aは、ステップS12で自動販売機の売上情報を取得したら、取得時点から判定時までの売上げを予測し、売上げ情報に加算することが好ましい。なお、売上げの予測は、過去の売上げ実績(つまり売上げデータ72c)から予測すればよい。このように、配送管理部70aは、売上げ情報を予測に基づいて補間することで、通信部を備えない自動販売機14bに対する補充を高い精度で実行することができる。
【0058】
配送管理部70aは、ステップS12で売上げ情報を取得したら、ステップS14として補充基準を決定する。なお、配送管理部70aは、補充基準を条件テーブル72fから読み出し決定する。
【0059】
配送管理部70aは、ステップS14で補充基準を決定したら、ステップS16として、売上げ総数(総本数)が補充基準以上の自販機を補充対象として抽出する。つまり、配送管理部70aは、補充基準以上の本数を売り上げた自動販売機を、商品を補充する対象の自動販売機(管理作業を行う自動販売機)として抽出する。
【0060】
配送管理部70aは、ステップS16で補充対象を抽出したら、ステップS18として、補充対象の自販機の位置情報を取得する。具体的には、自販機データ72bから補充対象の自販機に対応付けられた位置情報(住所、郵便番号、識別コード等)を読み出す。
【0061】
配送管理部70aは、ステップS18で位置情報を取得したら、ステップS20として、配送車に対する自販機の割り当てを決定する。つまり、各配送車と補充対象の自販機との対応付けを決定し、どの配送車がどの自販機の管理作業を行うかを決定する。本実施形態では配送車に対して自動販売機を割り当てたが、作業者に対して割り当ててもよい。本実施形態の配送管理部70aは、自動販売機の郵便番号に基づいて、自動販売機をグループ化し、さらに近隣の場所の郵便番号の自動販売機は、同一の配送車が担当するように配送車に対して自動販売機を割り当てる。これにより配送管理部70aは、配送車に、一定の隣接したエリアの自動販売機を割り当てることができる。なお、配送管理部70aは、営業所12を中心とした所定の角度範囲に含まれる郵便番号の自動販売機を1つの配送車に割り当てるようにしてもよい。また、配送車の移動しやすさ、例えば幹線道路か細い道が密集しているかを基準として移動時間が均一となるように割り当てを行うようにしてもよい。また、配送管理部70aは、1つの郵便番号の自動販売機を2つの配送車に割り当てる場合、識別コードを用いて割り当てる配送車を決定する。これにより、同一の郵便番号のエリアを2つのエリアに適切に分割して割り当てることができる。
【0062】
配送管理部70aは、ステップS20で割り当てを決定したら、ステップS22として各配送車で補充する商品のリストを作成する。配送管理部70aは、自販機データ72bから基準本数のデータを取得し、補充対象の自動販売機の各コラムの商品の残数から、各コラムを基準本数とするための本数を算出し、算出した本数を補充する商品の本数とする。このように、補充する商品の本数をコラム毎に算出することで、自動販売機に補充する各商品の数を算出することができる。なお、配送管理部70aは、さらに算出時点から実際に商品を補充するまでに売れる本数を予測し、その本数を加えた本数を補充する本数としてもよい。これにより、より好適な補充を行うことができる。配送管理部70aは、自動販売機毎に補充する商品の本数を算出し、算出結果を配送車毎に纏めることで、配送車ごとに補充する商品のリスト(補充する商品とその本数のリスト)作成する。なお、リストは、自動販売機毎にまとめた上で、商品毎に担当する自動販売機に補充する本数の総数を算出した項目も作成することが好ましい。配送管理部70aは、作成したリストの情報をオペレート装置22に送信し、本処理を終了する。
【0063】
配送車で管理作業を実行する作業者は、オペレート装置22が受信した補充する商品のリストに基づいて、配送車に商品を搭載した後、作成したリストに基づいて、各自動販売機に対する管理作業を実行し、リストに記載された本数の商品を各コラムに補充する。
【0064】
このように、自動販売機管理システム10は、商品の売上げ情報を検出しさらに予測し、その結果に基づいて補充対象の自動販売機を抽出し、当該抽出した自動販売機に商品を補充することで、補充が必要な自動販売機に対して、適切な本数の商品を補充することができる。これにより、配送車および作業者が、サービスエリア13内の自動販売機を効率よく巡回することができ、作業効率を向上させることができる。
【0065】
また、自動販売機に補充する本数を予め算出することで、配送車に必要以上の商品を搭載することを抑制できる。これにより、配送車に搭載する予備の商品等の数を減らすことができる。つまり、各商品の搭載本数を適切な本数にできることで、1台の配送車でより多くの台数の自動販売機を巡回することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態のように、補充対象の自動販売機を抽出した後、補充する自動販売機を担当する配送車の割り当てを決定することで、抽出した自動販売機に効率よく商品を補充することができる。つまり、抽出結果に基づいて補充を担当する配送車、作業者を調整することができるため、予め担当する自動販売機が決まっているシステムよりも作業効率を高くすることができ、特定の作業者に作業が片寄ることも抑制することができる。また、効率よく作業が実行できるため、作業を行う作業者の人数や配送車の台数を低減することも可能となる。
【0067】
また、自動販売機の位置情報をとして郵便番号を用いることで、位置情報を簡単に入力することができる。また、割り当て処理を行う場合も郵便番号で一定の分類ができることで、処理時の演算負荷を少なくすることができる。また、郵便番号に加え識別コードを用いることで、位置情報をより細分化して管理することができる。また、自動販売機が集中している場所(高層ビル、繁華街)でも、効率よくエリアを管理することができ、割り当てを簡単に調整することができる。同一の識別コードを付す台数は特に限定されないが、例えば、1台の配送車(専用車両)で1回の巡回で補充できる台数である20〜30台に同一の識別コードを付すようにしてもよい。
【0068】
例えば、図8に示すサービスエリア13には、商品構成が異なる3種類の自動販売機102、104、106がサービスエリア13内に分散して設置されている。このため、配送車に搭載する商品の点数が少ないと、自動販売機102、104、106のいずれか1種類の自動販売機分の商品しか搭載できなくなる。このため、自動販売機102、104、106の種類毎に配送車を割り当てて管理作業を行う必要がある。この場合、3台以上の配送車がサービスエリア13の全体をそれぞれ移動することになる。これに対して、自動販売機管理システム10は、商品を適切な数搭載した状態で、管理作業を実行できるため、サービスエリア13を4つの割り当てエリア110、112、114、116に分割し、それぞれの割り当てエリア110、112、114、116に1台の配送車を割り当てても、それぞれの自動販売機に適切に商品を補充することができる。これにより、1台の配送車の移動距離、移動時間を短くすることができ、補充作業を効率よく実行することができる。また、配送車に搭載する商品の本数も必要以上に増加しないため、移動時の配送車の負荷を低減でき、燃費を向上させることもできる。また、割り当てエリア110、112、114、116は、補充対象の自動販売機の数に応じて調整できるため、割り当てエリア110、112、114、116の1つのエリアだけ補充作業が滞ることも抑制できる。
【0069】
ここで、割り当てエリアを設定する場合、基本配送エリアを基準として調整することが好ましい。具体的には、基本配送エリアを中心として、最小配送単位エリア(例えば自販機10台を最小としたエリア、郵便番号のエリア、識別コードのエリア)に対してそれぞれ優先順位をつけ、優先順位の情報に基づいて、隣接する基本配送エリアを割り当てた配送車との間で調整する。また、割り当てエリアには、最大範囲を規定し、その範囲を超える範囲を1台の配送車には割り当てないようにすることが好ましい。
【0070】
次に、図9および図10を用いて補充対象の自動販売機の抽出方法の他の例について説明する。図7では売上げ総本数を基準として補充対象の自動販売機を抽出したが、補充対象の自動販売機を抽出する基準は、これに限定されない。
【0071】
図9は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図9に示す処理は、商品情報と商品の補充情報とに基づいて自動販売機毎の商品の残数情報を算出し、基準在庫の本数から商品の在庫の本数を減算して補充する商品の本数を算出し、基準在庫の本数に対する補充する商品の本数の割合である補充率を算出し、補充率が補充基準よりも高くなった自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出する処理である。なお、図9に示す処理は、上述した図7のステップS16の処理に変えて実行してもよいが、ステップS16の処理とは別に実行してもよい。なお、本実施形態では、補充基準も補充率で設定されている。
【0072】
配送管理部70aは、ステップS30として、自販機の商品の残数情報を算出する。具体的には、残数履歴データ72eの情報を読み出し、残数履歴を検出してから売り上げ本数を減算して、各コラムの商品の残数(在庫)を算出する。
【0073】
配送管理部70aは、ステップS30で残数情報を算出したら、ステップS32として基準本数、つまり商品補充後の商品の目標本数を検出し、ステップS34として、補充率を算出する。ここで、補充率は、(基準本数−残数)/基準本数である。つまり、基準本数に対して減っている商品の割合である。なお、補充率は、自動販売機の全てのコラムの商品の合計で算出される。
【0074】
配送管理部70aは、ステップS34で補充率を算出したら、ステップS36として、補充率が補充基準以上の自販機を補充対象として抽出する。つまり、配送管理部70aは、補充基準以上の補充率の自動販売機を、商品を補充する対象の自動販売機(管理作業を行う自動販売機)として抽出する。
【0075】
このように、配送管理部70aは、補充率を基準としても補充対象の自動販売機を適切に抽出することができる。また、売上げ本数ではなく、補充率を基準とすることで、売上げが多い自動販売機と売上げが少なく自動販売機とで、同一の補充基準を用いることができる。これにより制御を簡単にすることができる。
【0076】
また、配送管理部70aは、商品情報と商品の補充情報とに基づいて自動販売機毎の商品の残数情報を算出し、商品の在庫が補充基準よりも少ない自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出してもよい。つまり、自動販売機の在庫の本数を補充基準としてもよい。ここで、自動販売機管理システム10は、補充基準を自動販売機毎に設定することができる。つまり、商品が売れやすい自動販売機と売れにくい自動販売機に対して別々の補充基準を設定することができる。これにより、自動販売機毎に適切なタイミングで補充作業を実行することができる。
【0077】
図10は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図10に示す処理は、商品の補充基準として、自動販売機の商品に対して個別に設定された基準を含み、商品の少なくとも1つが補充基準を満たした場合、当該自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出する処理である。なお、本実施形態では、コラム毎に補充基準が設定されている。
【0078】
配送管理部70aは、ステップS40として、自販機の商品のコラム毎の残数(残数情報)を取得する。具体的には、残数履歴データ72eの情報を読み出し、残数履歴を検出してから売上げ本数を減算して、各コラムの商品の残数(在庫)を算出する。
【0079】
配送管理部70aは、ステップS40で残数情報を算出したら、ステップS42として、商品の残数が補充基準以下のコラムがあるかを判定する。配送管理部70aは、ステップS42で商品の残数が補充基準以下のコラムなし(No)と判定したら、本処理を終了する。配送管理部70aは、ステップS42で商品の残数が補充基準以下のコラムあり(Yes)と判定したら、ステップS44として、該当コラム(残数が基準以下のコラム)を有する自販機を補充対象とし、本処理を終了する。
【0080】
このように、配送管理部70aは、各コラムの残数を基準としても補充対象の自動販売機を適切に抽出することができる。このように、コラム毎の残数を検出することで、商品が売り切れることを抑制できる。また、補充基準を0本とすることで、売り切れが発生した自動販売機を補充対象とすることができ、売り切れ状態の期間を短くすることができる。なお、図10に示す処理は、上述した図7のステップS16の処理に変えて実行してもよいが、ステップS16の処理とは別に実行してもよい。
【0081】
また、管理サーバ24は、通信部76を介して自動販売機のつり銭情報を取得し、配送管理部70aで前記つり銭情報に基づいてつり銭が設定した基準以下の自動販売機を検出した場合、当該自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出するようにすることも好ましい。これにより、つり銭が設定した基準以下、つまりつり銭が少なくなったまたは無くなった自動販売機に対する管理作業を実行することができ、つり銭の補充を行うことができる。これによりつり銭切れにより商品の販売の機会を逃すことを抑制することができる。
【0082】
ここで、つり銭情報も商品の売上げ情報と同様で、通信部を備えない自動販売機14bに対しては、携帯端末20が近距離通信で取得した直近のつり銭情報に基づいて現状のつり銭情報を予測し、予測したつり銭情報が設定した基準以下であるかを判断すればよい。これにより通信部を備えない自動販売機14bのつり銭でのつり銭切れもより高い確率で防止することができる。
【0083】
次に、図11を用いて、補充基準の設定方法の一例を説明する。図11は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図11に示す処理は、商品の管理作業を実行する作業者の情報として、管理作業を実行可能な作業者の人数、作業者が管理作業に使用する配送車の情報、作業者のそれぞれが実行可能な管理作業の情報を含み、商品の管理作業を実行する作業者の情報を作業条件として、補充基準を決定する処理である。
【0084】
配送管理部70aは、ステップS60として、作業者、配送車の条件を取得し、ステップS62として作業能力を取得する。つまり、配送管理部70aは、ステップS60でオペレート装置22により設定された営業所12の作業者の人数、配送車の台数を取得し、さらにステップS62で作業者および配送車の作業能力を取得する。作業能力とは、作業者が実行できる作業また作業効率、配送車に積載できる商品の重量等である。
【0085】
配送管理部70aは、ステップS62で作業能力を取得したら、ステップS64として、作業可能台数を算出する。作業可能台数とは、管理処理を実行可能な自動販売機の台数である。配送管理部70aは、ステップS64で作業可能台数を算出したら、ステップS66として補充基準を決定する。つまり、配送管理部70aは、作業可能台数に基づいて、当該作業可能台数を補充対象として抽出できる補充基準を設定する。
【0086】
配送管理部70aは、ステップS66で補充基準を決定したら、上述した各種処理を実行し、補充対象の自動販売機を抽出する。なお、配送管理部70aは、上述した補充基準(売上げ総本数、残数総本数、補充率)を算出して、算出結果を上位から順に並べ、作業可能台数分の自動販売機を上位から順に抽出してもよい。
【0087】
図12は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。図13は、自動販売機管理システムの動作を説明するための説明図である。例えば、図12に示すように、作業可能な配送車が4台で、作業可能台数が120台の場合は、対象領域120に含まれる自動販売機を補充対象として抽出して、上述した図8に示す割り当てエリアをそれぞれの配送車に割り当てて管理作業を実行する。これに対して、作業可能な配送車が3台で、作業可能台数が80台の場合は、対象領域122に含まれる自動販売機を補充対象として抽出する。その後、図13に示すように、サービスエリア13を割り当てエリア130、132、134の3つのエリアに分割し、それぞれの配送車に割り当てて管理作業を実行する。
【0088】
このように、自動販売機管理システム10および配送管理部70aは、作業能力に応じて、補充基準を決定することで、処理可能な能力の範囲で効率よく管理作業を実行することができる、なお、自動販売機管理システム10および配送管理部70aは、補充基準を設定する場合、売切れ可能性優先、売上げ本数予想優先などの設定に基づいて補充基準を切換可能とすることが好ましい。これにより、営業所の管理者の意図に対応した基準で管理作業を行うことができる。
【0089】
図14は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図14に示す処理は、管理作業に使用する配送車の情報に、配送車に積載可能な商品の重量の情報を含み、配送管理部70aが、自動販売機に補充する商品の個数と配送車に積載可能な商品の重量とを加味して、それぞれの作業者が商品の補充を行う自動販売機の割り当てを決定する処理である。
【0090】
配送管理部70aは、ステップS70として、作業者、配送車の条件を取得する。つまり、配送管理部70aは、ステップS70でオペレート装置22により設定された営業所12の作業者の人数、配送車の台数を取得する。また、配送管理部70aは、配送車に積載できる商品の重量も取得する。
【0091】
配送管理部70aは、ステップS70の処理を実行したら、ステップS72として各自販機で補充する商品の重量を算出する。つまり、補充する商品の個数と各商品の重量とに基づいて、1つの自動販売機に補充する商品の総重量を算出する。
【0092】
配送管理部70aは、ステップS72で重量を算出したら、ステップS74として、配送車に対する自販機の割り当てを決定する。つまり、各配送車に積載可能な重量を加味しつつ、自動販売機の割り当てを決定する。
【0093】
このように、補充する商品の重量を加味することで、自動販売機の台数や移動距離だけではなく、各配送車に搭載する商品の重量も適切にすることができる。これにより、作業効率をより向上させることができる。
【0094】
図15は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図15に示す処理は、管理作業に使用する配送車の情報として、配送車に積載可能な商品の重量の情報および使用する優先順位の情報を含み、配送管理部70aが、自動販売機毎の売上げ情報に基づいて、次回の配送時に補充対象になる自動販売機および補充する商品の個数を予測し、予測結果に基づいて、必要な作業員の人数および配送車の台数を算出する処理である。また、オペレート装置22は、出力部から必要な作業員の人数および配送車の台数の算出結果を出力する。
【0095】
配送管理部70aは、ステップS80として、売上げ情報と残数情報を取得し、ステップS82として、補充対象の自販機を予測し、ステップS84として、補充商品の個数を予測する。配送管理部70aは、設定された時間経過後の所定の日時(管理作業を行う日時)における各状況を予測する。配送管理部70aは、ステップS82で過去の売上げ情報に基づいて各自動販売機で各商品が何本売れるかを予測し、その予測結果と残数情報に基づいて、どの自動販売機が補充対象になるかを予測する。配送管理部70aは、ステップS84で売上げ情報と残数情報とに基づいて補充対象となると予測した自動販売機に補充する商品の個数を予測する。
【0096】
配送管理部70aは、ステップS82、ステップS84の処理を行ったら、ステップS86として、管理作業に必要な作業者、配送車の構成を算出する。つまり、予測した自動販売機に予測した商品を補充するために必要な作業者の人数、能力と、配送車の台数、能力を算出する。管理サーバ24は算出結果をオペレート装置22に送信する。オペレート装置22は、送信された算出結果を表示部64に表示させる。営業所12の管理者は、オペレート装置22に出力された結果に基づいて、必要な作業者、配送車を確保する。なお、図15に示す処理も、図14に示す処理と同様に商品の重量と配送車の積載可能な重量を加味して、管理作業に必要な作業者、配送車の構成を算出することが好ましい。
【0097】
このように、管理作業の予測を行うことで次回以降に必要な作業者や配送車を予め把握することができる。次回以降に必要な作業者や配送車を把握できることで、必要な作業者(人材)や配送車を前もって確保することができる。これにより、作業を効率よく実行することができる。また、必要な作業者(人材)、配送車を把握できることで、必要以上の作業者(人材)を確保したり、過剰な配送車を準備したりすることを抑制できるため、この点でも作業効率を向上させることができる。
【0098】
例えば、自販機1台当たりに補充する商品の構成を350mlの商品が150本とすると、総重量量は、52.5kgとなる。また、手配可能な配送車が、積載重量2tのパネルバン(専用の配送車)が7台であり、積載重量750gのライトバンが10台とする。ここで、安全積載率80%とすると、積載重量2tのパネルバンは、2000kg×0.8/52.5となり、1台当たり約30台分の自動販売機の商品を搭載できる。積載重量750gのライトバンは、750kg×0.8/52.5となり、1台当たり約11台分の自動販売機の商品を搭載できる。
【0099】
ここで、補充対象の自動販売機が250台で、積載重量2tのパネルバンを優先的に使用する設定とすると、7×30で7台の積載重量2tのパネルバンで210台分の自動販売機の商品を搭載できる。従って、残りは40台となるので、4台の積載重量750gのライトバンで処理が可能となる。また、余裕を持って1台追加すると5台の積載重量750gのライトバンを準備することになる。ここで、パネルバンによる管理作業は、正社員が行い、ライトバンによる管理作業は、アルバイトが行うとすると、正社員7名、アルバイト5名の人員手配が必要になることがわかる。これにより、必要な人材の補充やレンタカーの手配を前もって行うことができる。
【0100】
配送管理部70aは、商品の売上げを予測する際の天候、気温、イベント情報を加味してもよい。この場合は、過去の天候、気温、イベントの有無と売上げ情報とを対応付けて売上げの傾向を算出し、その算出結果と予測される天候、気温、イベント情報とを対応つけて商品の売上げを予測する。このように、売上げ予測に種々の情報を付加することで、より高い精度で売上げを予測することができ、より適切な作業者、配送車を準備することができる。
【0101】
図16は、自動販売機管理システムの動作の一例を示すフロー図である。図16に示す処理は、商品が自動販売機に投入されてからの期間に基づいて商品を管理する商品管理部をさらに有し、商品管理部が、自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機を検出した場合、当該商品の売上げの情報に基づいて当該商品を補充しても設定した期間内に販売できる自動販売機を予測し、予測した自動販売機を移動先の自動販売機と特定する処理である。さらに、図16に示す処理は、配送管理部が、自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と移動先の自動販売機とを補充対象の自動販売機として抽出し、同一の作業者に対して自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と移動先の自動販売機とに対する商品の補充を割り当て、かつ、商品の移動作業も割り当てる処理である。
【0102】
商品管理部70bは、ステップS90として、商品の滞留日数を算出する。ここで、滞留日数とは、商品を自動販売機に投入してからの日数であり、売上げデータ72c、補充履歴データ72d、残数履歴データ72eに基づいて算出することができる。自動販売機は、最初に補充した商品から順番に販売されるため、補充と販売の履歴を用いることでコラム内の各商品がいつ補充した商品かを特定することができる。これにより商品がコラム内にある日数も算出することができる。
【0103】
商品管理部70bは、ステップS90で滞留日数を算出したら、ステップS92として滞留日数が基準以上の商品があるかを判定する。商品管理部70bは、ステップS92で滞留日数が基準以上の商品がない(No)と判定したら、本処理を終了する。また、商品管理部70bは、ステップS92で滞留日数が基準以上の商品がある(Yes)と判定したら、ステップS94として、該当商品を販売可能な自販機を特定する。つまり、該当商品が一定程度売れており、滞留日数が基準以上の商品を補充しても、当該商品を所定の日数で販売できる可能性がある自販機を特定する。
【0104】
商品管理部70bは、ステップS94で商品管理部70bにより自販機が特定されたら、ステップS96として、移動元と移動先の自販機を同一の配送車に割り当てる。つまり、移動元の自販機(商品が滞留している自販機)と移動先の自販機(滞留している商品を補充する自販機)とを補充対象の自動販売機とし、さらに、同一の配送車を割り当てる。また、商品管理部70bは、当該配送車に商品の移動処理も割り当てる。その後、商品管理部70bは、本処理を終了する。
【0105】
このように、管理サーバ24は、滞留日数が、所定の日数以上の商品は、当該商品が売れる自動販売機に移動させるようにすることで、商品が売れ残ることを抑制することができる。また、移動元と移動先の自販機を同一の配送車に割り当てることで、配送車が商品を回収した後、当該消費を移動先の自販機に補充することができる。これにより、回収した商品を営業所に戻す手間を省略でき、作業効率を向上させることができる。
【0106】
なお、滞留日数の基準としては、賞味期限と加温変化期限がある。滞留日数は、賞味期限と加温変化期限から一定の日数の余裕を持った日数とすることが好ましい。これにより、売れ残る可能性がある商品を予め把握することができ、売り切れるようにすることができる。
【0107】
また、商品管理部70bは、売上げ情報を分析して売れる商品と売れない商品を検出し、再発注する商品や発注を停止すべき商品の情報を抽出することが好ましい。また、売れない商品は、上述した滞留期間を過ぎた商品と同様により売れる自動販売機に商品を移動できるように管理作業を調整することが好ましい。これにより商品の在庫が残ることを抑制できる。
【0108】
また、管理サーバ24は、商品の交換がある場合、商品交換が行える作業者、配送車を優先して商品交換を行う自動販売機の管理作業に割り当てることが好ましい。これにより、商品の交換を効率よくかつ確実に行うことができる。また、商品管理部70bは、売上げ情報に基づいて、自動販売機で販売する商品の割合、種類を計画することが好ましく、交換する商品がある場合、販売を中止する商品と該当するコラムに新たに販売する商品を割り当てることが好ましい。このように、販売する商品の構成を自動的に作成することで管理者の負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0109】
10 自動販売機管理システム
12 営業所
13 サービスエリア
14、14a、14b、102、104、106 自動販売機
16、17 配送車
20 携帯端末
22 オペレート装置
24 管理サーバ
28 ネットワーク
30、40、50、60、70 制御部
32、42、52、62、72 記憶部
34、44、54 近距離通信部
36、56、68、76 通信部
64 表示部
66 入力部
70a 配送管理部
70b 商品管理部
72a 営業所データ
72b 自販機データ
72c 売上げデータ
72d 補充履歴データ
72e 残数履歴データ
72f 条件テーブル
110、112、114、116、130、132、134 割り当てエリア
120、122 対象領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動販売機の商品を管理する自動販売機管理システムであって、
自動販売機に供給されている商品の売上げ情報を少なくとも含む商品情報を取得する情報取得部と、
前記自動販売機の情報、前記情報取得部が取得した前記商品情報、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報および前記自動販売機の商品の補充基準を記憶する記憶部と、
前記商品情報と前記補充基準とに基づいて補充する対象の自動販売機と当該自動販売機に補充する商品の個数を抽出し、前記補充する対象の自動販売機の情報と当該自動販売機に補充する商品の個数と前記商品の管理作業を実行する作業者の情報とに基づいて、それぞれの前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の割り当てを決定する配送管理部と、を備える管理サーバと、
前記商品の管理作業を実行する作業者の情報、前記自動販売機の情報、前記自動販売機の商品の補充基準を入力する入力部と、前記管理サーバで決定した前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の情報を出力する出力部と、を有するオペレート装置と、を有することを特徴とする自動販売機管理システム。
【請求項2】
前記配送管理部は、前記商品情報に基づいて前記自動販売機毎の前記商品の売上げ本数を算出し、前記商品の売上げ本数が補充基準よりも多い自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機管理システム。
【請求項3】
前記配送管理部は、前記商品情報と前記商品の補充情報とに基づいて前記自動販売機毎の前記商品の残数情報を算出し、基準在庫の本数から前記商品の在庫の本数を減算して補充する商品の本数を算出し、前記基準在庫の本数に対する補充する商品の本数の割合である補充率を算出し、前記補充率が補充基準よりも高くなった自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機管理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、作業条件に対応して前記補充基準を複数備えており、
前記配送管理部は、使用する前記補充基準を前記作業条件に基づいて決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項5】
前記商品の管理作業を実行する作業者の情報は、前記管理作業を実行可能な前記作業者の人数、前記作業者が前記管理作業に使用する配送車の情報、前記作業者のそれぞれが実行可能な前記管理作業の情報を含み、
前記配送管理部は、前記商品の管理作業を実行する作業者の情報を前記作業条件として、前記補充基準を決定することを特徴とする請求項4に記載の自動販売機管理システム。
【請求項6】
前記管理作業に使用する配送車の情報は、前記配送車に積載可能な商品の重量の情報を含み、
前記配送管理部は、自動販売機に補充する商品の個数と前記配送車に積載可能な商品の重量とを加味して、それぞれの前記作業者が商品の補充を行う前記自動販売機の割り当てを決定することを特徴とする請求項5に記載の自動販売機管理システム。
【請求項7】
前記管理作業に使用する配送車の情報は、前記配送車に積載可能な商品の重量の情報および使用する優先順位の情報を含み、
前記配送管理部は、前記自動販売機毎の売上げ情報に基づいて、次回の配送時に補充対象になる自動販売機および補充する商品の個数を予測し、予測結果に基づいて、必要な作業員の人数および配送車の台数を算出し、
前記オペレート装置は、前記出力部から必要な作業員の人数および配送車の台数の算出結果を出力することを特徴とする請求項5に記載の自動販売機管理システム。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記自動販売機のつり銭情報を取得し、
前記配送管理部は、つり銭が設定した基準以下の自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項9】
前記商品の補充基準は、前記自動販売機の商品の総数に基づいた基準であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項10】
前記商品の補充基準は、前記自動販売機の商品に対して個別に設定された基準を含み、
前記配送管理部は、商品の少なくとも1つが補充基準を満たした場合、当該自動販売機を補充対象の自動販売機として抽出することを特徴とする請求項9に記載の自動販売機管理システム。
【請求項11】
前記記憶部は、前記自動販売機の情報として前記自動販売機の位置にある郵便番号を記憶しており、
前記配送管理部は、前記自動販売機に対応付けられた前記郵便番号に基づいて、前記作業者が商品の補充を行う担当の前記自動販売機の割り当てを決定することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項12】
前記情報取得部は、通信回線を介して前記商品情報を取得する通信部であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項13】
前記商品が前記自動販売機に投入されてからの期間に基づいて前記商品を管理する商品管理部をさらに有し、
前記商品管理部は、前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機を検出した場合、当該商品の売上げの情報に基づいて当該商品を補充しても前記設定した期間内に販売できる自動販売機を予測し、予測した自動販売機を移動先の自動販売機として特定することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の自動販売機管理システム。
【請求項14】
前記配送管理部は、前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と前記移動先の自動販売機とを補充対象の自動販売機として抽出し、
同一の前記作業者に対して前記自動販売機に投入されてからの滞留期間が設定した期間を超えている商品を有する自動販売機と前記移動先の自動販売機とに対する商品の補充を割り当て、かつ、商品の移動作業も割り当てることを特徴とする請求項13に記載の自動販売機管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−11990(P2013−11990A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143455(P2011−143455)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(392022651)東北オータス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】