自動車の照明装置用光モジュールおよびこのような光モジュールを備える照明装置
【課題】従来よりも少ない取付スペースで取り付けられる光モジュールおよび照明装置の提供。
【解決手段】可視光を放射するための光源(3)と、前記可視光を束ねる反射器(2)とを含み、前記反射器(2)は、光軸(8)の領域の反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、収容開口部(7)の少なくとも一部を囲繞しながら、前記反射器(2)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている反射器首部(9)が形成され、反射器(2)が収容開口部(7)の下方に前記収容開口部(7)の内部まで延在するスロット(17)を有し、スロットの幅が前記反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きい。
【解決手段】可視光を放射するための光源(3)と、前記可視光を束ねる反射器(2)とを含み、前記反射器(2)は、光軸(8)の領域の反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、収容開口部(7)の少なくとも一部を囲繞しながら、前記反射器(2)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている反射器首部(9)が形成され、反射器(2)が収容開口部(7)の下方に前記収容開口部(7)の内部まで延在するスロット(17)を有し、スロットの幅が前記反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の照明装置用光モジュールに関する。前記光モジュールは、好ましくは人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源と、放射された放射線を束ねるための反射器とを含む。前記反射器は、その光軸の領域の前記反射器の頂点に前記光源の光放射部分を収容するための開口部を有する。前記収容開口部の少なくとも一部を囲繞しながら、前記反射器に前記光源の他方の部分が固定されている反射器首部が形成されている。本発明は、さらに自動車用の照明装置、特に前記形式の光モジュールを備える自動車用ヘッドライトに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の機能性、安全性および性能に対して増大する要件ならびにそれに伴って現れる多数の補助機器は、特にエンジンルームの領域において車両構造空間の強い超過積載を生じる。ヘッドライトは、自動車のいわゆるフロントエンドに提供される比較的大きい構造空間の部品を要求する。特に、従来の投射形ヘッドライト、いわゆるPES(多楕円体システム)ヘッドライトは、比較的深く組み付けられている。在来型ヘッドライトの場合は、軸線方向に組み込まれる光源およびランプの背後にランプ交換のために設けられる構造空間が特に多くのスペースを必要とする。公知のPESヘッドライトは、たとえば比較的狭いが非常に長い、アークが発生されるガラスバルブを備える型式D1、D1+またはD3のガス放電ランプとして形成された光源を使用する。従来のPESヘッドライトの場合、前記光源を取り外す前に、実質的に反射器の光軸と平行に前記反射器全長にわたって前記反射器から光源を引き出す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、前記の従来の技術から出発して、本発明が基礎とする課題は、光モジュールもしくは照明装置が特に小さく取付けられ、特に少ない組込み深さで形成され、それによって提供される車両構造空間内に他の補助機器に対してより多くのスペースが提供され、または既存のユニットを見渡し易く車両内に配設できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題の解決のために、冒頭に挙げた形式の光モジュールから出発して、反射器が収容開口部の下半部に前記収容開口部の内部まで延在するスロットを有し、前記スロットの幅が前記反射器の光軸に対して横方向に光源の光放射部分の幅よりも大きいことが提案される。
【0005】
前記スロットを通して、光源は反射器から外して直ぐに下方へ取り出すことができる。ランプは、反射器から外して直ぐに、反射器の裏側で、たとえば反射器首部の領域で光軸に対して実質的に水平かつ横方向に延在する仮想回転軸周りに旋回される。その際に、ランプのガラスバルブは下方へスロットを通して、かつランプの点弧装置は上方へ旋回される。つまり、ランプは光軸に対して横方向にもしくはランプの長軸に対して横方向に旋回され、その次にランプの光軸に対して横方向にもしくは長軸と平行に上方へ取り出される。
【0006】
つまり、本発明により、光源をその全長にわたり反射器から引き出す必要がなく、傾斜させることによって取り出されることによって、ランプ交換のために光モジュールの背後に必要な取付空間が縮小できることが認識された。この目的のために、ランプのガラスバルブが傾斜過程中に反射器内部空間から外方へ出すことができるスロットが反射器内に設けられている。この措置によって、ランプ交換のために必要な長手方向の取付空間を明らかに小さく形成することができ、もしくはその上完全に廃止することができる。
【0007】
下部反射器領域、特に、ガラスバルブのための収容開口部の直ぐ下方の中央領域は、光技術的に二義的な重要性しか持たないので、すなわち光分布の形成に全く影響が無いので、前記領域内でのスロットの形成は生じる光分布に対して重大な結果をもたらさない。光技術的な損失は前記スロットによって実質的に発生しない。
【0008】
スロットが無ければ下部反射器領域が光を向こうへ反射したはずの方向に向けて、反射器の他方の領域が光源から放射される光を反射するように形成することが考えられる。この方法により、前記スロットによって生ぜしめられる光分布の、それ自体小さい損失を補償することができる。
【0009】
前記スロットの長さは、ほぼ任意に選択できる。反射器からランプを斜めに引き出すことができるので、スロットを相対的に短くすることにより、光モジュールの裏側でランプ交換に必要な取付空間の短縮に大きい影響を及ぼし得る。特に、スロットの長さをガラスバルブの長さの約半分(バルブの遠位端から点弧装置の柄まで測定)とすることにより、ランプ交換に必要な取付空間の明らかな低減を可能にする。スロットの長さは、特に好ましくは光源の光放射部分の長さに相当する。その際に前記スロットは、反射器首部から光源を外して、直ちに、ガラスバルブが、前反射器内部から記スロットを通してその全長において下方に旋回できるような長さに形成されている。
【0010】
前記スロットに対して択一的または付加的に、反射器首部が収容開口部の上方にブランク面(aussparung)を有し、前記ブランク面の反射器の光軸に対して横方向の幅を、光源の光放射部分の幅よりも大きくすることも考え得る。前記ブランク面を通して上方へのランプのさらに急勾配の取出しが可能である。上部反射器領域は光技術的に重要であるため、前記ブランク面は可能な限り単に反射器首部においてのみ延在していなければならず、反射器の反射面の中へ延在してはならない。
【0011】
本発明に係る光モジュールは、特に出力約25ワットおよび最大2000ルーメンの光束を有する新規形式のガス放電ランプの使用のために考案されている。それによって、この新規のガス放電ランプは、これまで知られているガス放電ランプよりも小さい出力およびその結果より小さい光束を有する。反射器および他の光学的に作用する光モジュールの構成部品の領域における効率増大に基づき、新規形式のガス放電ランプを備える光モジュールは、より少ない光束にもかかわらず従来のより強いガス放電ランプに匹敵する照明強度を有する。少ない光束に基づき、対向するまたは先行する交通参加者の、散乱光(ヘッドライトの覆板の汚れ)によって生じる、またはあまりに高く調整されたヘッドライト(車体の首振りおよびよろめき運動)によって生じる眩輝が排除されている。従って、自動照明到達距離制御(ALWR)ならびに照明装置(ヘッドライト洗浄装置)の覆板の洗浄のための可能性を省くことができる。従って、本発明に係る照明装置は、特に簡単に、小さい取付けでかつコスト的に有利に形成することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る照明装置は、光モジュールが反射器の光軸周りに作動位置とメンテナンス位置の間で回転可能に支承された保持フレームを有することも考え得る。この方法により、前記光モジュールを用いてランプの取出方向を回転させることもでき、それによってランプ交換に対して様々な掴み方向を実現することができる。ここで前記保持フレームは、前記保持フレーム用の、光モジュールを回転させる取付用取手の支承部と、掛止レバーとを有する。前記取付用取手は、反射器でヘッドライトインサート(光モジュール)の歯付リングに噛み合い、かつ前記歯付リングをそれによってその光軸周りに回転できる噛合機構を有する。同時に保持フレームおよび反射器の中に固定できる掛止レバーは、水平に設定された明暗境界におけるヘッドライトインサートの固定を生ぜしめる。前記取付用取手は、屈撓性の軸を介して駆動してもよく、それによって、回動機構用の駆動装置を広範囲に自由にヘッドライトハウジングに配置することが可能である。相応の照明装置は2008年2月26日に出願されたドイツ特許第102008011170号に詳細に記載されている。この印刷物に、光軸周りに回転可能の光モジュールを備える照明装置の構造および作動方式に関して明白に引用し、かつ前記印刷物の目的は本出願の構成要素とする。
【0013】
最後に、さらに照明装置が光源をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を有することが提案される。この方法により、光源は全取出しもしくは組込み過程中に案内され、かつそれによって紛失することがない。好ましくは、前記ガイドプロセスは自動的に行われ、その結果、自動車工場の作業員または車両所有者の機械的介入が不要になる。自動ガイド用の駆動装置は、たとえば電気モータ、電磁石を利用したもの、液圧式、空気式、またはさらにバネ要素を利用したものであってもよい。その際に、光源はバネ要素のバネ力に抗して反射器の中へ組込む際にガイド手段に沿って移動される。光源の取出し時に前記バネ要素は、そこでガイド手段に沿って光モジュールの移動を生ぜしめる。
【0014】
本発明の好ましい実施例は、以下、図を参照してより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の好ましい実施形態に係る光モジュールの部分縦断面図、
【図2】本発明の第2の好ましい実施形態に係る光モジュールを光射出方向Zから見た図、
【図3】図2の光モジュールを長手方向に切断した断面図、
【図4】本発明に係る光モジュールに使用するのに好適な光源の斜視図、
【図5】図4の光源を光射出方向とは逆から見た図、
【図6】本発明の第3の好ましい実施形態のランプホルダーにおいて光源が部分的に切り欠かれた斜視図、
【図7】部分縦断面図における図6の光モジュールの側面図、
【図8】第4の好ましい実施形態による本発明に係る光モジュールのランプホルダーにおいて光源が部分的に切り欠かれた斜視図、
【図9】一部分が長手方向断面図とされた図8の光モジュールの側面図、
【図10】図6および7記載のランプホルダーの斜視図、
【図11】図8および9記載のランプホルダーの斜視図、
【図12】従来の技術から公知の光モジュール、
【図13】第5の好ましい実施形態による光モジュール。
【図14】第6の好ましい実施形態による光モジュールの斜視図、及び
【図15】第7の好ましい実施形態による光モジュールの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図12を利用して従来の技術を説明する。ここで公知の光モジュールは、その全体を参照符号101で表されている。光モジュール1は、いわゆる多楕円体システム(PES)モジュールとして形成されている。PESモジュール101は、断面図で示した反射器102を含む。さらに、光モジュール101は、図示した実施例においてガス放電ランプとして、特にいわゆるD1ランプとして形成されたランプ103を含む。ガス放電ランプ103の集積構成要素は、ランプ103のガラスバルブ105の中のアークの点弧および維持に利用される点弧装置104である。反射器102の頂点の領域に、ランプ103のガラスバルブ105を差し込むための収容開口部107が形成されている。反射器102の光軸108は、好ましくは収容開口部107を通して延在する。反射器102の裏側に収容開口部107を少なくとも区間ごとに囲繞する反射器首部109が形成されている。ランプ103は、そのランプソケット106で反射器首部109に固定されている。その際に、ガラスバルブ105は収容開口部107を通して反射器102の内部へ突出する。
【0017】
反射器102の前縁部に、投射レンズ111用の支持フレーム110が固定されている。レンズ111は、反射器102から反射する所望の光分布を発生する光線を自動車前方の車道へ投射する。反射器102と投射レンズ111の間に1つまたは複数の遮光要素から構成できる遮光装置112が配列されている。遮光装置112は、光モジュール101の光分布の変化のために移動可能に形成することができる。図示した例において、遮光装置112は、光軸108に対して横方向および下方に延在する回転軸113周りに旋回可能に形成されている。遮光体112の旋回のために作動機構114が、たとえば電気モータまたは電磁石の形態で設けられている。
【0018】
前記公知の光モジュール101における問題は、光源103の交換もしくはそのために光モジュール101の背後に必要な取付空間である。図12に識別されるように、従来のPES光モジュール101の場合、光源103の取出しのために前記光源をガラスバルブ105の全長にわたり実質的に光軸108と平行に反射器102から後方へ引き出す必要がある。対応する運動は、参照符号115で表した矢印によって具示している。ランプ交換に必要な取付空間は、本発明により低減されなければならない。
【0019】
図1において、本発明に係る光モジュールは、その全体を参照符号1で表している。光モジュール1は、いわゆる多楕円体システム(PES)モジュールとして形成されている。PESモジュール1は、プラスチックまたは金属、たとえば金属ダイカストから製造された反射器2を含む。プラスチックから製造する場合、少なくとも反射器2の反射面の領域に反射被膜が塗布されている。反射器2は、好ましくは楕円体形状に形成されており、または前記反射器は楕円体形状から多少異なる自由形状を有する。反射器2は図1に断面図で示されている。さらに、光モジュール1は、図示した実施例においてガス放電ランプとして、特にいわゆるD1ランプとして形成されたランプ3を含む。ガス放電ランプ3の集積構成要素は、ランプ3のガラスバルブ5内のアークの点弧および維持に利用される点弧装置4である。特に、点弧装置4は、ガラスバルブ5に対して回転せず、ランプ3のランプソケット6に固定されている。光源3のガラスバルブ5の中で発生したアークは、好ましくは楕円体形状にまたは楕円体類似に形成された反射器2の第1の焦点の領域に配設されている。反射器2の頂点の領域に、ランプ3のガラスバルブ5を差し込むための収容開口部7が形成されている。反射器2の光軸8は、好ましくは収容開口部7を通して延在する。反射器2の裏側に、収容開口部7を少なくとも1区間において囲繞する反射器首部9が形成されている。ランプ3はそのランプソケット6により反射器首部9に固定される。その際に、ガラスバルブ5は収容開口部7を通して反射器2の内部へ突出する。
【0020】
反射器2の前部光射出開口部は、反射器の焦点領域の近傍に光射出方向に配設された遮光装置12によって部分的に覆われている。遮光体12は、非対称延在部を有する上縁部16を含む。すなわち、反射器2の光軸8を通して延在する垂直中央面の一方の側の上縁部16の領域は、前記中央面の他方の側の上角部の領域よりも高くもしくは深く形成されている。反射器2の前縁部に投射レンズ11を反射器2に対して一定の間隔で保持する固定手段10が配設されており、その結果、レンズ11の焦点は光軸8上の遮光装置12の領域にあり、かつレンズ11は光放射方向へ遮光体12の背後に配設されている。レンズ11は、少なくとも1つの球面または非球面を有し、かつ一方の側または両方の側で光技術的性質を改善するために規則的または不規則的構造を具備することができ、レンズ11の軸は反射器2の軸8に向けられている。遮光体12の上縁部16は、投射レンズ9により非対称の明暗境界として自動車前方の車道に投射される。非対称とは、自身の交通側(右側交通では右側の車道)での光分布の到達距離が反対交通側(右側交通では左側の車道)よりも大きいことを意味する。この光分布の非対称の明暗境界は、たとえば15°の立上りによってまたは遮光体12の上縁部16の段によって実現することができる。遮光体12の上縁部16は、好ましくは反射器2の第2の焦点の領域に配設されている。
【0021】
遮光装置12は、光分布の変化のために可動式に形成することができる。たとえば反射器2の光軸8に対して横方向に実質的に水平に延在する回転軸周りの全遮光体12の折畳みが考え得る。遮光体12が静的遮光要素ならびに前記静的要素と相対的に運動可能の少なくとも1つの遮光要素を有することも考えられ、前記可動式遮光要素は、水平に実質的に光軸8と平行に延在する回転軸周りに運動可能である。全遮光体12の折畳みによってもしくは可動式遮光要素の運動によって、遮光体12の上縁部16が全部または一部上げられもしくは下げられる。遮光体12もしくは可動式遮光要素の運動によって、ヘッドライトもしくは光モジュール1から出る光の分布を変化させることができ、最も簡単なものでは、ロービームとハイビームの間で切り換えることができ、より発展したものでは、たとえばアウトバーン光、幹線道路光、市街光、悪天候光等々の発生に適合した光分布とすることができる。適合した光分布とするために遮光体12を移動させる目的で調整ユニット14が設けられており、調整ユニット14は、電気モータ、好ましくはステッピングモータ、または電磁石によって構成できる。遮光体12は、さらにもう1つの、水平であって反射器2の光軸8と実質的に平行に延在する旋回軸周りに移動可能の、右側交通と左側交通の間の光分布の切換えに利用される遮光要素を有してもよい。
【0022】
光モジュール1は、単独で、またはPESモジュール若しくは反射モジュールとして形成されてよい別の光モジュールと共に図1に示していないヘッドライトハウジングの中に配設されている。前記ハウジングは、同様に図示していない光学的に有効な断面を有するかそのような断面を有しない透明な覆板によって光射出方向に密封された光射出開口部を有する。照明範囲の制御(LWR)の実現のために、全光モジュール1は、水平であって実質的に反射器2の光軸8に対して横方向に延在する旋回軸周りに旋回可能に形成することができる。モジュール1がヘッドライトハウジングまたはもう1つの保持フレームに旋回軸周りに旋回可能に支承された対応する支承部は、たとえば図13、14および15に示されている。さらに、光モジュール1は、動的コーナーリングビーム機能の実現のために実質的に垂直にかつ反射器2の光軸8に対して横方向に延在する回転軸周りに回転可能にヘッドライトハウジングの中またはもう1つの保持フレームの中に支承することができ、LWR機能の水平軸および動的コーナーリングビーム機能の垂直軸は、囲繞するデザイン面(たとえばメタライズカバーシャッタ)とモジュール1の最小ギャップを達成するために、光拡散方向の後部レンズ面(すなわちヘッドライトの覆板を通して見えるレンズ面)の包絡領域の中心点の近傍で切り取られる。LWR機能、コーナーリングビーム機能ならびに遮光体12の運動による光分布の適応については、ここでより詳しく述べない。
【0023】
特に簡単な光源3の交換を、特に最小のスペースで可能にするために、反射器2および反射器首部9は、収容開口部7の下方に収容開口部7の内部まで延在するスロット17を有する。スロット17の幅は、ランプ3の光射出部分が通過するように選択されている。ガス放電ランプとして形成された光源3の場合、アークが発生するガラスバルブ5が光射出部分を形成する。別形式の光源の場合、光源の光射出部分は対応して別様に形成されている。例えば、LED光源の場合、光源3が1個または複数個のチップ上に固定されかつ接触されたLED群(Light Emitting Diodes;発光ダイオード)を有することも考えられ、前記発光ダイオードは、そこで光源3の光射出部分を形成する。スロット17の長さは、光源3の光射出部分5の長さの少なくとも半分に相当する。スロット17の長さは、好ましくは、ランプ3の光射出部分5がその全長でスロット17を通して外方へ出ることができるように選択されている。この場合、スロット17はほぼその遠位端からその柄までのガラスバルブ5の長さを有する。
【0024】
スロット17を通して、ランプ3は直接下方へ取出すことができ、かつその全長にわたって反射器2から引き出す必要がない。この措置によって、長手方向に必要なランプ交換のための取付空間は明らかに縮小され、またはその上完全に無くすることができる。反射器2の領域は直接ランプ3の下方で光技術的に二義的な重要性しかもたないので、ここにスロット17をランプ交換のために穿設することができ、より大きい光技術的な損失を危惧する必要はない。
【0025】
図1において、ランプ3もしくは点弧装置4が反射器首部9から外した後で下方へ旋回され、かつ次に取出すことができることが、矢印18によって示されている。択一的に、点弧子4がランプ3を外した後に水平に光軸8に対して横方向にかつ前記光軸と間隔を空けて延在する回転軸(図示せず)周り上方へ旋回されることも考え得る。その際に、ガラスバルブ5は下方へスロット17を通して反射器2の内部から旋出される。それに続き、ランプ3は、そこで上方へ取出すことができる。
【0026】
図2および3に、スロット17の配列および形成が詳細に示されている。スロット17を通して、ランプ3は、光軸8に対して横方向に下方(−Y方向)へ取出すことができ、ガラスバルブ5はスロット17を通して反射器内部から外方へ移動される。その際に、ランプ3は − 図1に矢印18で暗示したように − まず並進運動で下方へ移動され、かつ次に、水平であって光軸8に対して横方向へ延在する仮想回転軸周り下方へ点弧子4とともに旋回させることができる。前記回転軸は、好ましくは光軸の下方に、ガラスバルブ5の領域に、好ましくはガラスバルブ5の前部領域にある。択一的に、ランプ3はスロット17を通して上方(+Y方向)へも取出すことができる。その際に、まずランプ3が反射器首部9から外される。次に、点弧子4が矢印18と逆に、水平であって光軸8に対して横方向に延在する仮想回転軸周りに上方へ旋回される。その際に、ガラスバルブ5は下方へスロット17を通して外方へ旋回される。
【0027】
ランプ収容部、換言すれば反射器首部9は、ランプ3の少なくとも3つの当接点20(図4および5参照)のための当接面19を有する。ランプ3は、少なくとも1つのバネ24の助けによって前記当接面19に対して押圧され、かつこの方法によりZ方向へ位置決めされる。バネ24は、図2、3、6、7および10に二重脚状バネ(Doppelschenkelfeder)として形成されており、前記バネ脚はランプ交換のために掛け外しかつ旋出させることができる(図10の矢印25参照)。図8、9および11で、バネ24はC字状湾曲バネ24’(C-Biegefeder 24')として形成されている。バネ24の両方の形式は+Z方向にランプ3のソケット6を押圧する。
【0028】
尚、ランプ収容部9は2つのプリズム状の平面21を有し、それらに対してランプ3の円筒形のフランジ即ちランプソケット6が少なくとももう1つのバネ22を介してY方向へ押圧される。図6、7および10の実施例において、もう一つのバネ22は、ランプ3をその円筒形の芯合わせカラー6により−Y方向へ支持プリズム21に対して押圧する点弧子4および反射器2がEMV遮蔽のために接触するバネホルダ23の複数のバネシャックル22を含む。図8、9および11の実施例において、もう一つのバネは脚状バネ22’の形態の線バネを含み、そのバネ脚はランプ3の交換のために掛け外され、かつ解放位置へ旋出させることができ(図11の矢印26参照)、かつその固定位置でランプ3をその円筒形芯合わせカラー6と共に+Y方向へ支持プリズム21の中へ押圧する。別の(複数)バネ(複数)22によって、ランプ3は支持プリズム21と共働してX方向およびY方向へも位置決めされる。
【0029】
バネ22、24によってランプソケット6にかかる力は、図6〜9に同様に示されている。図6および7の実施例において、バネ力F1およびF2は、+Z方向および−Y方向へ作用する。図8および9の実施例において、バネ力F1およびF3は、+Z方向および+Y方向へ作用する。バネ24ももう一つのバネ22も線バネまたはうず巻バネとして構成されていてよい。バネ22、24の少なくとも一方は、ランプ3の取外しを可能にするために、解錠し、かつ旋出させることができる(図10の矢印25および図11の矢印26参照)。
【0030】
両方のバネ22、24は、好ましくは線バネまたはうず巻バネに一体に構成されていてよい。特に好ましくは、コンタクトバネもしくはEMV遮蔽の目的でランプ点弧子4と反射器2の間の電気接続を構築するバネホルダ23は、両方のバネの少なくとも一方を組み込むために、すなわち1つの部材を構成するために利用することができる(図10のバネシャックルおよび図11のC字型湾曲バネ24’参照)。それによって、バネ22;24’の一方のバネ機能は、バネホルダ23の本来のコンタクト機能の中に組み込まれる。
【0031】
さらに、ヘッドライトインサート1’ − 光源3、反射器2、遮光装置12、支持要素10および投射レンズ11を含む − は、提案したランプ収容部9と共に保持フレーム27(図13に部分断面図で図示)の中に光軸8周りに回転可能に支承することができる(両矢印28参照)。この方法により、ヘッドライトインサート1’によってランプ3の取出方向も回転させることができ(光モジュール1のメンテナンス位置)、それによってランプ交換のための様々な方向を実現することができる。例示したランプ取出方向は、図13に矢印33で示している。
【0032】
保持フレーム27は、ヘッドライトインサート1’、取付用取手29および掛止レバー30のための支承部を有する。取付用取手29は、ヘッドライトインサート1’の反射器2で歯付リング32の中に係合し、かつ前記ヘッドライトインサートをそれによって光軸8周りに回転できる歯付リングの形態の噛合機構31を有する。掛止レバー30は、光軸8と平行にかつそれと間隔を空けて延在する回転軸周りに保持フレーム27に支承されている。前記掛止レバーは、同時に保持フレーム27および反射器2の中に掛け止めることができる。前記掛止レバーは、掛止鼻部によってヘッドライトインサート1’を所望の零位置に固定する(光モジュール1の作動位置)。反射器2の中に保持フレーム27と相対的に一定の位置に配置されたレバー30の掛け止めは、インサート1’が零位置(たとえば水平に延在する明暗境界の場合)にある場合にのみ可能である。掛け止めるインサート1’の場合、インサート1’の調整は、たとえば取付用取手29によって阻止されている。
【0033】
取付用取手29は、任意選択的に屈撓性の軸を介して駆動することもできる。それによって、回転機構用の駆動装置を広範囲に自由にヘッドライトハウジングに位置決めすることが可能である。回転機構の構造および作動方式は、ドイツ特許第102008011170号(出願日2008年2月26日)に詳しく記載されている。前記印刷物は明確に参照される。
【0034】
さらに、取付用取手29は、前記取付用取手29の調整を、たとえば十字形スロット、トルクス(Torx)または六角スパナを介して可能にする操作手段作用領域(たとえば六角穴スパナ用)を有することも考え得る。
【0035】
取付用取手29に代えて、択一的に、反射器2において、十字形スロット、トルクスまたはその他の噛合機構を有するネジ回し34を直接それと噛み合う噛合機構32(たとえば、はめば歯車噛合機構)と係合させることができる。対応する実施形態の一例は、図14に示されている。この実施形態の場合は取付用取手29を省くことができ、かつ保持フレーム27は単に作動手段34の収容および側面支持のためのスロット35または穴を有する。
【0036】
反射器2は、1または複数のラジアル方向の穴36、スロットまたはリブを択一的または付加的に有してもよく、それらの内部において、たとえばネジ回し34の形態の棒状の操作手段、または別の補助工具をレバーとして使用することができる。この方法により、ランプ交換のための光軸8周りのヘッドライトインサート1’の回転が容易になる。
【0037】
最後に、ヘッドライトインサート1’の調整が手動ではなく、電気駆動装置により、たとえば電気モータもしくは電気ギヤモータ()により行われることも考え得る。照明装置の光モジュール1の中への光源3の取出しおよび挿入を容易にするために、光源3をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を設けてもよい。この方法により、光モジュール1の背後にランプ交換のために提供される最小の取付空間でもランプ3がランプ交換時に光モジュール1もしくは照明装置と車両の他の補助機器との間で傾倒しまたは楔固定することが保証される。前記ガイド手段は、ランプ3にランプ交換時に3次元空間での任意の移動を強制することができる。ランプ交換に提供される取付空間は、ガイド手段によって好適に利用される。さらに、前記ガイド手段によってランプ3がランプ交換時に落下し得ることが阻止される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の照明装置用光モジュールに関する。前記光モジュールは、好ましくは人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源と、放射された放射線を束ねるための反射器とを含む。前記反射器は、その光軸の領域の前記反射器の頂点に前記光源の光放射部分を収容するための開口部を有する。前記収容開口部の少なくとも一部を囲繞しながら、前記反射器に前記光源の他方の部分が固定されている反射器首部が形成されている。本発明は、さらに自動車用の照明装置、特に前記形式の光モジュールを備える自動車用ヘッドライトに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の機能性、安全性および性能に対して増大する要件ならびにそれに伴って現れる多数の補助機器は、特にエンジンルームの領域において車両構造空間の強い超過積載を生じる。ヘッドライトは、自動車のいわゆるフロントエンドに提供される比較的大きい構造空間の部品を要求する。特に、従来の投射形ヘッドライト、いわゆるPES(多楕円体システム)ヘッドライトは、比較的深く組み付けられている。在来型ヘッドライトの場合は、軸線方向に組み込まれる光源およびランプの背後にランプ交換のために設けられる構造空間が特に多くのスペースを必要とする。公知のPESヘッドライトは、たとえば比較的狭いが非常に長い、アークが発生されるガラスバルブを備える型式D1、D1+またはD3のガス放電ランプとして形成された光源を使用する。従来のPESヘッドライトの場合、前記光源を取り外す前に、実質的に反射器の光軸と平行に前記反射器全長にわたって前記反射器から光源を引き出す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、前記の従来の技術から出発して、本発明が基礎とする課題は、光モジュールもしくは照明装置が特に小さく取付けられ、特に少ない組込み深さで形成され、それによって提供される車両構造空間内に他の補助機器に対してより多くのスペースが提供され、または既存のユニットを見渡し易く車両内に配設できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題の解決のために、冒頭に挙げた形式の光モジュールから出発して、反射器が収容開口部の下半部に前記収容開口部の内部まで延在するスロットを有し、前記スロットの幅が前記反射器の光軸に対して横方向に光源の光放射部分の幅よりも大きいことが提案される。
【0005】
前記スロットを通して、光源は反射器から外して直ぐに下方へ取り出すことができる。ランプは、反射器から外して直ぐに、反射器の裏側で、たとえば反射器首部の領域で光軸に対して実質的に水平かつ横方向に延在する仮想回転軸周りに旋回される。その際に、ランプのガラスバルブは下方へスロットを通して、かつランプの点弧装置は上方へ旋回される。つまり、ランプは光軸に対して横方向にもしくはランプの長軸に対して横方向に旋回され、その次にランプの光軸に対して横方向にもしくは長軸と平行に上方へ取り出される。
【0006】
つまり、本発明により、光源をその全長にわたり反射器から引き出す必要がなく、傾斜させることによって取り出されることによって、ランプ交換のために光モジュールの背後に必要な取付空間が縮小できることが認識された。この目的のために、ランプのガラスバルブが傾斜過程中に反射器内部空間から外方へ出すことができるスロットが反射器内に設けられている。この措置によって、ランプ交換のために必要な長手方向の取付空間を明らかに小さく形成することができ、もしくはその上完全に廃止することができる。
【0007】
下部反射器領域、特に、ガラスバルブのための収容開口部の直ぐ下方の中央領域は、光技術的に二義的な重要性しか持たないので、すなわち光分布の形成に全く影響が無いので、前記領域内でのスロットの形成は生じる光分布に対して重大な結果をもたらさない。光技術的な損失は前記スロットによって実質的に発生しない。
【0008】
スロットが無ければ下部反射器領域が光を向こうへ反射したはずの方向に向けて、反射器の他方の領域が光源から放射される光を反射するように形成することが考えられる。この方法により、前記スロットによって生ぜしめられる光分布の、それ自体小さい損失を補償することができる。
【0009】
前記スロットの長さは、ほぼ任意に選択できる。反射器からランプを斜めに引き出すことができるので、スロットを相対的に短くすることにより、光モジュールの裏側でランプ交換に必要な取付空間の短縮に大きい影響を及ぼし得る。特に、スロットの長さをガラスバルブの長さの約半分(バルブの遠位端から点弧装置の柄まで測定)とすることにより、ランプ交換に必要な取付空間の明らかな低減を可能にする。スロットの長さは、特に好ましくは光源の光放射部分の長さに相当する。その際に前記スロットは、反射器首部から光源を外して、直ちに、ガラスバルブが、前反射器内部から記スロットを通してその全長において下方に旋回できるような長さに形成されている。
【0010】
前記スロットに対して択一的または付加的に、反射器首部が収容開口部の上方にブランク面(aussparung)を有し、前記ブランク面の反射器の光軸に対して横方向の幅を、光源の光放射部分の幅よりも大きくすることも考え得る。前記ブランク面を通して上方へのランプのさらに急勾配の取出しが可能である。上部反射器領域は光技術的に重要であるため、前記ブランク面は可能な限り単に反射器首部においてのみ延在していなければならず、反射器の反射面の中へ延在してはならない。
【0011】
本発明に係る光モジュールは、特に出力約25ワットおよび最大2000ルーメンの光束を有する新規形式のガス放電ランプの使用のために考案されている。それによって、この新規のガス放電ランプは、これまで知られているガス放電ランプよりも小さい出力およびその結果より小さい光束を有する。反射器および他の光学的に作用する光モジュールの構成部品の領域における効率増大に基づき、新規形式のガス放電ランプを備える光モジュールは、より少ない光束にもかかわらず従来のより強いガス放電ランプに匹敵する照明強度を有する。少ない光束に基づき、対向するまたは先行する交通参加者の、散乱光(ヘッドライトの覆板の汚れ)によって生じる、またはあまりに高く調整されたヘッドライト(車体の首振りおよびよろめき運動)によって生じる眩輝が排除されている。従って、自動照明到達距離制御(ALWR)ならびに照明装置(ヘッドライト洗浄装置)の覆板の洗浄のための可能性を省くことができる。従って、本発明に係る照明装置は、特に簡単に、小さい取付けでかつコスト的に有利に形成することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る照明装置は、光モジュールが反射器の光軸周りに作動位置とメンテナンス位置の間で回転可能に支承された保持フレームを有することも考え得る。この方法により、前記光モジュールを用いてランプの取出方向を回転させることもでき、それによってランプ交換に対して様々な掴み方向を実現することができる。ここで前記保持フレームは、前記保持フレーム用の、光モジュールを回転させる取付用取手の支承部と、掛止レバーとを有する。前記取付用取手は、反射器でヘッドライトインサート(光モジュール)の歯付リングに噛み合い、かつ前記歯付リングをそれによってその光軸周りに回転できる噛合機構を有する。同時に保持フレームおよび反射器の中に固定できる掛止レバーは、水平に設定された明暗境界におけるヘッドライトインサートの固定を生ぜしめる。前記取付用取手は、屈撓性の軸を介して駆動してもよく、それによって、回動機構用の駆動装置を広範囲に自由にヘッドライトハウジングに配置することが可能である。相応の照明装置は2008年2月26日に出願されたドイツ特許第102008011170号に詳細に記載されている。この印刷物に、光軸周りに回転可能の光モジュールを備える照明装置の構造および作動方式に関して明白に引用し、かつ前記印刷物の目的は本出願の構成要素とする。
【0013】
最後に、さらに照明装置が光源をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を有することが提案される。この方法により、光源は全取出しもしくは組込み過程中に案内され、かつそれによって紛失することがない。好ましくは、前記ガイドプロセスは自動的に行われ、その結果、自動車工場の作業員または車両所有者の機械的介入が不要になる。自動ガイド用の駆動装置は、たとえば電気モータ、電磁石を利用したもの、液圧式、空気式、またはさらにバネ要素を利用したものであってもよい。その際に、光源はバネ要素のバネ力に抗して反射器の中へ組込む際にガイド手段に沿って移動される。光源の取出し時に前記バネ要素は、そこでガイド手段に沿って光モジュールの移動を生ぜしめる。
【0014】
本発明の好ましい実施例は、以下、図を参照してより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の好ましい実施形態に係る光モジュールの部分縦断面図、
【図2】本発明の第2の好ましい実施形態に係る光モジュールを光射出方向Zから見た図、
【図3】図2の光モジュールを長手方向に切断した断面図、
【図4】本発明に係る光モジュールに使用するのに好適な光源の斜視図、
【図5】図4の光源を光射出方向とは逆から見た図、
【図6】本発明の第3の好ましい実施形態のランプホルダーにおいて光源が部分的に切り欠かれた斜視図、
【図7】部分縦断面図における図6の光モジュールの側面図、
【図8】第4の好ましい実施形態による本発明に係る光モジュールのランプホルダーにおいて光源が部分的に切り欠かれた斜視図、
【図9】一部分が長手方向断面図とされた図8の光モジュールの側面図、
【図10】図6および7記載のランプホルダーの斜視図、
【図11】図8および9記載のランプホルダーの斜視図、
【図12】従来の技術から公知の光モジュール、
【図13】第5の好ましい実施形態による光モジュール。
【図14】第6の好ましい実施形態による光モジュールの斜視図、及び
【図15】第7の好ましい実施形態による光モジュールの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図12を利用して従来の技術を説明する。ここで公知の光モジュールは、その全体を参照符号101で表されている。光モジュール1は、いわゆる多楕円体システム(PES)モジュールとして形成されている。PESモジュール101は、断面図で示した反射器102を含む。さらに、光モジュール101は、図示した実施例においてガス放電ランプとして、特にいわゆるD1ランプとして形成されたランプ103を含む。ガス放電ランプ103の集積構成要素は、ランプ103のガラスバルブ105の中のアークの点弧および維持に利用される点弧装置104である。反射器102の頂点の領域に、ランプ103のガラスバルブ105を差し込むための収容開口部107が形成されている。反射器102の光軸108は、好ましくは収容開口部107を通して延在する。反射器102の裏側に収容開口部107を少なくとも区間ごとに囲繞する反射器首部109が形成されている。ランプ103は、そのランプソケット106で反射器首部109に固定されている。その際に、ガラスバルブ105は収容開口部107を通して反射器102の内部へ突出する。
【0017】
反射器102の前縁部に、投射レンズ111用の支持フレーム110が固定されている。レンズ111は、反射器102から反射する所望の光分布を発生する光線を自動車前方の車道へ投射する。反射器102と投射レンズ111の間に1つまたは複数の遮光要素から構成できる遮光装置112が配列されている。遮光装置112は、光モジュール101の光分布の変化のために移動可能に形成することができる。図示した例において、遮光装置112は、光軸108に対して横方向および下方に延在する回転軸113周りに旋回可能に形成されている。遮光体112の旋回のために作動機構114が、たとえば電気モータまたは電磁石の形態で設けられている。
【0018】
前記公知の光モジュール101における問題は、光源103の交換もしくはそのために光モジュール101の背後に必要な取付空間である。図12に識別されるように、従来のPES光モジュール101の場合、光源103の取出しのために前記光源をガラスバルブ105の全長にわたり実質的に光軸108と平行に反射器102から後方へ引き出す必要がある。対応する運動は、参照符号115で表した矢印によって具示している。ランプ交換に必要な取付空間は、本発明により低減されなければならない。
【0019】
図1において、本発明に係る光モジュールは、その全体を参照符号1で表している。光モジュール1は、いわゆる多楕円体システム(PES)モジュールとして形成されている。PESモジュール1は、プラスチックまたは金属、たとえば金属ダイカストから製造された反射器2を含む。プラスチックから製造する場合、少なくとも反射器2の反射面の領域に反射被膜が塗布されている。反射器2は、好ましくは楕円体形状に形成されており、または前記反射器は楕円体形状から多少異なる自由形状を有する。反射器2は図1に断面図で示されている。さらに、光モジュール1は、図示した実施例においてガス放電ランプとして、特にいわゆるD1ランプとして形成されたランプ3を含む。ガス放電ランプ3の集積構成要素は、ランプ3のガラスバルブ5内のアークの点弧および維持に利用される点弧装置4である。特に、点弧装置4は、ガラスバルブ5に対して回転せず、ランプ3のランプソケット6に固定されている。光源3のガラスバルブ5の中で発生したアークは、好ましくは楕円体形状にまたは楕円体類似に形成された反射器2の第1の焦点の領域に配設されている。反射器2の頂点の領域に、ランプ3のガラスバルブ5を差し込むための収容開口部7が形成されている。反射器2の光軸8は、好ましくは収容開口部7を通して延在する。反射器2の裏側に、収容開口部7を少なくとも1区間において囲繞する反射器首部9が形成されている。ランプ3はそのランプソケット6により反射器首部9に固定される。その際に、ガラスバルブ5は収容開口部7を通して反射器2の内部へ突出する。
【0020】
反射器2の前部光射出開口部は、反射器の焦点領域の近傍に光射出方向に配設された遮光装置12によって部分的に覆われている。遮光体12は、非対称延在部を有する上縁部16を含む。すなわち、反射器2の光軸8を通して延在する垂直中央面の一方の側の上縁部16の領域は、前記中央面の他方の側の上角部の領域よりも高くもしくは深く形成されている。反射器2の前縁部に投射レンズ11を反射器2に対して一定の間隔で保持する固定手段10が配設されており、その結果、レンズ11の焦点は光軸8上の遮光装置12の領域にあり、かつレンズ11は光放射方向へ遮光体12の背後に配設されている。レンズ11は、少なくとも1つの球面または非球面を有し、かつ一方の側または両方の側で光技術的性質を改善するために規則的または不規則的構造を具備することができ、レンズ11の軸は反射器2の軸8に向けられている。遮光体12の上縁部16は、投射レンズ9により非対称の明暗境界として自動車前方の車道に投射される。非対称とは、自身の交通側(右側交通では右側の車道)での光分布の到達距離が反対交通側(右側交通では左側の車道)よりも大きいことを意味する。この光分布の非対称の明暗境界は、たとえば15°の立上りによってまたは遮光体12の上縁部16の段によって実現することができる。遮光体12の上縁部16は、好ましくは反射器2の第2の焦点の領域に配設されている。
【0021】
遮光装置12は、光分布の変化のために可動式に形成することができる。たとえば反射器2の光軸8に対して横方向に実質的に水平に延在する回転軸周りの全遮光体12の折畳みが考え得る。遮光体12が静的遮光要素ならびに前記静的要素と相対的に運動可能の少なくとも1つの遮光要素を有することも考えられ、前記可動式遮光要素は、水平に実質的に光軸8と平行に延在する回転軸周りに運動可能である。全遮光体12の折畳みによってもしくは可動式遮光要素の運動によって、遮光体12の上縁部16が全部または一部上げられもしくは下げられる。遮光体12もしくは可動式遮光要素の運動によって、ヘッドライトもしくは光モジュール1から出る光の分布を変化させることができ、最も簡単なものでは、ロービームとハイビームの間で切り換えることができ、より発展したものでは、たとえばアウトバーン光、幹線道路光、市街光、悪天候光等々の発生に適合した光分布とすることができる。適合した光分布とするために遮光体12を移動させる目的で調整ユニット14が設けられており、調整ユニット14は、電気モータ、好ましくはステッピングモータ、または電磁石によって構成できる。遮光体12は、さらにもう1つの、水平であって反射器2の光軸8と実質的に平行に延在する旋回軸周りに移動可能の、右側交通と左側交通の間の光分布の切換えに利用される遮光要素を有してもよい。
【0022】
光モジュール1は、単独で、またはPESモジュール若しくは反射モジュールとして形成されてよい別の光モジュールと共に図1に示していないヘッドライトハウジングの中に配設されている。前記ハウジングは、同様に図示していない光学的に有効な断面を有するかそのような断面を有しない透明な覆板によって光射出方向に密封された光射出開口部を有する。照明範囲の制御(LWR)の実現のために、全光モジュール1は、水平であって実質的に反射器2の光軸8に対して横方向に延在する旋回軸周りに旋回可能に形成することができる。モジュール1がヘッドライトハウジングまたはもう1つの保持フレームに旋回軸周りに旋回可能に支承された対応する支承部は、たとえば図13、14および15に示されている。さらに、光モジュール1は、動的コーナーリングビーム機能の実現のために実質的に垂直にかつ反射器2の光軸8に対して横方向に延在する回転軸周りに回転可能にヘッドライトハウジングの中またはもう1つの保持フレームの中に支承することができ、LWR機能の水平軸および動的コーナーリングビーム機能の垂直軸は、囲繞するデザイン面(たとえばメタライズカバーシャッタ)とモジュール1の最小ギャップを達成するために、光拡散方向の後部レンズ面(すなわちヘッドライトの覆板を通して見えるレンズ面)の包絡領域の中心点の近傍で切り取られる。LWR機能、コーナーリングビーム機能ならびに遮光体12の運動による光分布の適応については、ここでより詳しく述べない。
【0023】
特に簡単な光源3の交換を、特に最小のスペースで可能にするために、反射器2および反射器首部9は、収容開口部7の下方に収容開口部7の内部まで延在するスロット17を有する。スロット17の幅は、ランプ3の光射出部分が通過するように選択されている。ガス放電ランプとして形成された光源3の場合、アークが発生するガラスバルブ5が光射出部分を形成する。別形式の光源の場合、光源の光射出部分は対応して別様に形成されている。例えば、LED光源の場合、光源3が1個または複数個のチップ上に固定されかつ接触されたLED群(Light Emitting Diodes;発光ダイオード)を有することも考えられ、前記発光ダイオードは、そこで光源3の光射出部分を形成する。スロット17の長さは、光源3の光射出部分5の長さの少なくとも半分に相当する。スロット17の長さは、好ましくは、ランプ3の光射出部分5がその全長でスロット17を通して外方へ出ることができるように選択されている。この場合、スロット17はほぼその遠位端からその柄までのガラスバルブ5の長さを有する。
【0024】
スロット17を通して、ランプ3は直接下方へ取出すことができ、かつその全長にわたって反射器2から引き出す必要がない。この措置によって、長手方向に必要なランプ交換のための取付空間は明らかに縮小され、またはその上完全に無くすることができる。反射器2の領域は直接ランプ3の下方で光技術的に二義的な重要性しかもたないので、ここにスロット17をランプ交換のために穿設することができ、より大きい光技術的な損失を危惧する必要はない。
【0025】
図1において、ランプ3もしくは点弧装置4が反射器首部9から外した後で下方へ旋回され、かつ次に取出すことができることが、矢印18によって示されている。択一的に、点弧子4がランプ3を外した後に水平に光軸8に対して横方向にかつ前記光軸と間隔を空けて延在する回転軸(図示せず)周り上方へ旋回されることも考え得る。その際に、ガラスバルブ5は下方へスロット17を通して反射器2の内部から旋出される。それに続き、ランプ3は、そこで上方へ取出すことができる。
【0026】
図2および3に、スロット17の配列および形成が詳細に示されている。スロット17を通して、ランプ3は、光軸8に対して横方向に下方(−Y方向)へ取出すことができ、ガラスバルブ5はスロット17を通して反射器内部から外方へ移動される。その際に、ランプ3は − 図1に矢印18で暗示したように − まず並進運動で下方へ移動され、かつ次に、水平であって光軸8に対して横方向へ延在する仮想回転軸周り下方へ点弧子4とともに旋回させることができる。前記回転軸は、好ましくは光軸の下方に、ガラスバルブ5の領域に、好ましくはガラスバルブ5の前部領域にある。択一的に、ランプ3はスロット17を通して上方(+Y方向)へも取出すことができる。その際に、まずランプ3が反射器首部9から外される。次に、点弧子4が矢印18と逆に、水平であって光軸8に対して横方向に延在する仮想回転軸周りに上方へ旋回される。その際に、ガラスバルブ5は下方へスロット17を通して外方へ旋回される。
【0027】
ランプ収容部、換言すれば反射器首部9は、ランプ3の少なくとも3つの当接点20(図4および5参照)のための当接面19を有する。ランプ3は、少なくとも1つのバネ24の助けによって前記当接面19に対して押圧され、かつこの方法によりZ方向へ位置決めされる。バネ24は、図2、3、6、7および10に二重脚状バネ(Doppelschenkelfeder)として形成されており、前記バネ脚はランプ交換のために掛け外しかつ旋出させることができる(図10の矢印25参照)。図8、9および11で、バネ24はC字状湾曲バネ24’(C-Biegefeder 24')として形成されている。バネ24の両方の形式は+Z方向にランプ3のソケット6を押圧する。
【0028】
尚、ランプ収容部9は2つのプリズム状の平面21を有し、それらに対してランプ3の円筒形のフランジ即ちランプソケット6が少なくとももう1つのバネ22を介してY方向へ押圧される。図6、7および10の実施例において、もう一つのバネ22は、ランプ3をその円筒形の芯合わせカラー6により−Y方向へ支持プリズム21に対して押圧する点弧子4および反射器2がEMV遮蔽のために接触するバネホルダ23の複数のバネシャックル22を含む。図8、9および11の実施例において、もう一つのバネは脚状バネ22’の形態の線バネを含み、そのバネ脚はランプ3の交換のために掛け外され、かつ解放位置へ旋出させることができ(図11の矢印26参照)、かつその固定位置でランプ3をその円筒形芯合わせカラー6と共に+Y方向へ支持プリズム21の中へ押圧する。別の(複数)バネ(複数)22によって、ランプ3は支持プリズム21と共働してX方向およびY方向へも位置決めされる。
【0029】
バネ22、24によってランプソケット6にかかる力は、図6〜9に同様に示されている。図6および7の実施例において、バネ力F1およびF2は、+Z方向および−Y方向へ作用する。図8および9の実施例において、バネ力F1およびF3は、+Z方向および+Y方向へ作用する。バネ24ももう一つのバネ22も線バネまたはうず巻バネとして構成されていてよい。バネ22、24の少なくとも一方は、ランプ3の取外しを可能にするために、解錠し、かつ旋出させることができる(図10の矢印25および図11の矢印26参照)。
【0030】
両方のバネ22、24は、好ましくは線バネまたはうず巻バネに一体に構成されていてよい。特に好ましくは、コンタクトバネもしくはEMV遮蔽の目的でランプ点弧子4と反射器2の間の電気接続を構築するバネホルダ23は、両方のバネの少なくとも一方を組み込むために、すなわち1つの部材を構成するために利用することができる(図10のバネシャックルおよび図11のC字型湾曲バネ24’参照)。それによって、バネ22;24’の一方のバネ機能は、バネホルダ23の本来のコンタクト機能の中に組み込まれる。
【0031】
さらに、ヘッドライトインサート1’ − 光源3、反射器2、遮光装置12、支持要素10および投射レンズ11を含む − は、提案したランプ収容部9と共に保持フレーム27(図13に部分断面図で図示)の中に光軸8周りに回転可能に支承することができる(両矢印28参照)。この方法により、ヘッドライトインサート1’によってランプ3の取出方向も回転させることができ(光モジュール1のメンテナンス位置)、それによってランプ交換のための様々な方向を実現することができる。例示したランプ取出方向は、図13に矢印33で示している。
【0032】
保持フレーム27は、ヘッドライトインサート1’、取付用取手29および掛止レバー30のための支承部を有する。取付用取手29は、ヘッドライトインサート1’の反射器2で歯付リング32の中に係合し、かつ前記ヘッドライトインサートをそれによって光軸8周りに回転できる歯付リングの形態の噛合機構31を有する。掛止レバー30は、光軸8と平行にかつそれと間隔を空けて延在する回転軸周りに保持フレーム27に支承されている。前記掛止レバーは、同時に保持フレーム27および反射器2の中に掛け止めることができる。前記掛止レバーは、掛止鼻部によってヘッドライトインサート1’を所望の零位置に固定する(光モジュール1の作動位置)。反射器2の中に保持フレーム27と相対的に一定の位置に配置されたレバー30の掛け止めは、インサート1’が零位置(たとえば水平に延在する明暗境界の場合)にある場合にのみ可能である。掛け止めるインサート1’の場合、インサート1’の調整は、たとえば取付用取手29によって阻止されている。
【0033】
取付用取手29は、任意選択的に屈撓性の軸を介して駆動することもできる。それによって、回転機構用の駆動装置を広範囲に自由にヘッドライトハウジングに位置決めすることが可能である。回転機構の構造および作動方式は、ドイツ特許第102008011170号(出願日2008年2月26日)に詳しく記載されている。前記印刷物は明確に参照される。
【0034】
さらに、取付用取手29は、前記取付用取手29の調整を、たとえば十字形スロット、トルクス(Torx)または六角スパナを介して可能にする操作手段作用領域(たとえば六角穴スパナ用)を有することも考え得る。
【0035】
取付用取手29に代えて、択一的に、反射器2において、十字形スロット、トルクスまたはその他の噛合機構を有するネジ回し34を直接それと噛み合う噛合機構32(たとえば、はめば歯車噛合機構)と係合させることができる。対応する実施形態の一例は、図14に示されている。この実施形態の場合は取付用取手29を省くことができ、かつ保持フレーム27は単に作動手段34の収容および側面支持のためのスロット35または穴を有する。
【0036】
反射器2は、1または複数のラジアル方向の穴36、スロットまたはリブを択一的または付加的に有してもよく、それらの内部において、たとえばネジ回し34の形態の棒状の操作手段、または別の補助工具をレバーとして使用することができる。この方法により、ランプ交換のための光軸8周りのヘッドライトインサート1’の回転が容易になる。
【0037】
最後に、ヘッドライトインサート1’の調整が手動ではなく、電気駆動装置により、たとえば電気モータもしくは電気ギヤモータ()により行われることも考え得る。照明装置の光モジュール1の中への光源3の取出しおよび挿入を容易にするために、光源3をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を設けてもよい。この方法により、光モジュール1の背後にランプ交換のために提供される最小の取付空間でもランプ3がランプ交換時に光モジュール1もしくは照明装置と車両の他の補助機器との間で傾倒しまたは楔固定することが保証される。前記ガイド手段は、ランプ3にランプ交換時に3次元空間での任意の移動を強制することができる。ランプ交換に提供される取付空間は、ガイド手段によって好適に利用される。さらに、前記ガイド手段によってランプ3がランプ交換時に落下し得ることが阻止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源(3)と、放射された放射線を束ねるための反射器(2)と、を含む光モジュール(1)である自動車の照明装置用の光モジュール(1)において、反射器(2)がその光軸(8)の領域の前記反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、かつ収容開口部(7)の少なくとも一部を囲繞しながら反射器(2)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている反射器首部(9)が形成されているものであって、
反射器(2)が収容開口部(7)の下方に収容開口部(7)の内部まで延在するスロット(17)を有し、前記スロットの幅が反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きいことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
スロット(17)の長さが光源(3)の光放射部分(5)の長さに相当することを特徴とする請求項1記載の光モジュール(1)。
【請求項3】
光モジュール(1)が光放射方向に見て次々に楕円体形状または楕円体類似の反射器(2)と、遮光装置(12)と、投射レンズ(11)とを含む投射モジュールとして形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光モジュール(1)。
【請求項4】
反射器首部(9)が収容開口部(7)の上方にブランク面を有し、前記ブランク面の幅が反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項5】
反射器(2)の反射面の所定の領域が光源(3)から放射された放射線を生じる光分布の中で、本来スロット(17)のために存在しない、反射器(2)の反射面の領域が放射線を反射したはずの所へ反射するように、反射器(2)が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項6】
光源(3)が出力25ワットおよび最大2000ルーメンの光束を有するガス放電ランプとして形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項7】
反射器首部(9)が光源(3)の組込み時にZ方向への光源(3)の位置決めのために光源(3)の少なくとも3つの支持点(20)が載る支持面(19)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のバネ要素(24)が光源(3)をその支持点(20)で反射器首部(9)の支持面(19)に対して押圧することを特徴とする請求項7記載の光モジュール(1)。
【請求項9】
反射器首部(9)が少なくとも2つのプリズム状の平面(21)を有し、かつ光源(3)の組込み時にXおよびY方向への光源(3)の位置決めのために前記光源をプリズム状の平面(21)に対して押圧する第2のバネ要素(22)を設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項10】
バネ要素(22、24)の少なくとも一方が解錠可能かつ旋出可能であることを特徴とする請求項8または9記載の光モジュール(1)。
【請求項11】
バネ要素(22、24)の少なくとも一方が、組付状態において、光源(3)のランプ点弧子(4)と反射器(2)の間の電気接続を形成するコンタクト手段(23)に一体化された構成要素であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項12】
人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源(3)と、放射された放射線を束ねるための反射器(2)とを含む光モジュール(1)を備える自動車の照明装置、特に自動車用ヘッドライトにおいて、反射器(2)がその光軸(8)の領域の前記反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、かつ反射器(2)における収容開口部(7)の少なくとも一部の区間に反射器首部(9)が形成され、反射器首部(9)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている照明装置であって、
光モジュール(1)が請求項1から11のいずれか1項により形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
照明装置が、反射器(2)の光軸(8)周りに作動位置とメンテナンス位置の間で光モジュール(1)が回転可能に支承されている保持フレーム(27)を有することを特徴とする請求項12記載の照明装置。
【請求項14】
照明装置が光源(3)をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を有することを特徴とする請求項12または13記載の照明装置。
【請求項1】
人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源(3)と、放射された放射線を束ねるための反射器(2)と、を含む光モジュール(1)である自動車の照明装置用の光モジュール(1)において、反射器(2)がその光軸(8)の領域の前記反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、かつ収容開口部(7)の少なくとも一部を囲繞しながら反射器(2)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている反射器首部(9)が形成されているものであって、
反射器(2)が収容開口部(7)の下方に収容開口部(7)の内部まで延在するスロット(17)を有し、前記スロットの幅が反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きいことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
スロット(17)の長さが光源(3)の光放射部分(5)の長さに相当することを特徴とする請求項1記載の光モジュール(1)。
【請求項3】
光モジュール(1)が光放射方向に見て次々に楕円体形状または楕円体類似の反射器(2)と、遮光装置(12)と、投射レンズ(11)とを含む投射モジュールとして形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光モジュール(1)。
【請求項4】
反射器首部(9)が収容開口部(7)の上方にブランク面を有し、前記ブランク面の幅が反射器(2)の光軸(8)に対して横方向に光源(3)の光放射部分(5)の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項5】
反射器(2)の反射面の所定の領域が光源(3)から放射された放射線を生じる光分布の中で、本来スロット(17)のために存在しない、反射器(2)の反射面の領域が放射線を反射したはずの所へ反射するように、反射器(2)が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項6】
光源(3)が出力25ワットおよび最大2000ルーメンの光束を有するガス放電ランプとして形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項7】
反射器首部(9)が光源(3)の組込み時にZ方向への光源(3)の位置決めのために光源(3)の少なくとも3つの支持点(20)が載る支持面(19)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のバネ要素(24)が光源(3)をその支持点(20)で反射器首部(9)の支持面(19)に対して押圧することを特徴とする請求項7記載の光モジュール(1)。
【請求項9】
反射器首部(9)が少なくとも2つのプリズム状の平面(21)を有し、かつ光源(3)の組込み時にXおよびY方向への光源(3)の位置決めのために前記光源をプリズム状の平面(21)に対して押圧する第2のバネ要素(22)を設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項10】
バネ要素(22、24)の少なくとも一方が解錠可能かつ旋出可能であることを特徴とする請求項8または9記載の光モジュール(1)。
【請求項11】
バネ要素(22、24)の少なくとも一方が、組付状態において、光源(3)のランプ点弧子(4)と反射器(2)の間の電気接続を形成するコンタクト手段(23)に一体化された構成要素であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光モジュール(1)。
【請求項12】
人間の眼に見える光の形態における電磁放射線を放射するための光源(3)と、放射された放射線を束ねるための反射器(2)とを含む光モジュール(1)を備える自動車の照明装置、特に自動車用ヘッドライトにおいて、反射器(2)がその光軸(8)の領域の前記反射器の頂点に光源(3)の光放射部分(5)を収容するための開口部(7)を有し、かつ反射器(2)における収容開口部(7)の少なくとも一部の区間に反射器首部(9)が形成され、反射器首部(9)に光源(3)の他方の部分(4、6)が固定されている照明装置であって、
光モジュール(1)が請求項1から11のいずれか1項により形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
照明装置が、反射器(2)の光軸(8)周りに作動位置とメンテナンス位置の間で光モジュール(1)が回転可能に支承されている保持フレーム(27)を有することを特徴とする請求項12記載の照明装置。
【請求項14】
照明装置が光源(3)をその経路上で挿入位置から取出位置へおよびその逆に案内するガイド手段を有することを特徴とする請求項12または13記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−221999(P2010−221999A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51416(P2010−51416)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(508256558)オートモーティブ ライティング ロイトリンゲン ゲーエムベーハー (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(508256558)オートモーティブ ライティング ロイトリンゲン ゲーエムベーハー (19)
【Fターム(参考)】
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