自動車玩具
【課題】 車種を自由かつ簡単に変更しながら遊ぶことができる新しいタイプの自動車玩具を提供する。
【解決手段】 自動車形状を象った車体をその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成し、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方を自動車の車種を識別させ得る形態にて形成するとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成した。車種を識別させ得る形態にて形成した側のパーツを異なる車種の形態からなる別のパーツと交換して組み替えることにより、車体を他の車種に変更できる。
【解決手段】 自動車形状を象った車体をその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成し、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方を自動車の車種を識別させ得る形態にて形成するとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成した。車種を識別させ得る形態にて形成した側のパーツを異なる車種の形態からなる別のパーツと交換して組み替えることにより、車体を他の車種に変更できる。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、主に、車種を使用者の意志にまかせて自由にかつ簡単に変更しながら遊ぶことができる自動車玩具に関するものである。
【0002】
従来から、自動車、電車、飛行機、船等の各種乗物を象った乗物玩具は、子供達に人気があり、その種類も豊富であった。なかでも自動車玩具は、特に、多種多様な外観形状や構造或いは機能等を備えたものが数多く提供されている。
【0003】
ところが、このような自動車玩具であっても、その対象となる車種が一般の乗用車をはじめ、パトカー、救急車、トラック、バス等のようにきわめて豊富にあるにもかかわらず、そのいずれか1つの車種だけに特定した玩具にならざるを得なかった。このため、例えば、パトカーの自動車玩具を購入した後で、パトカーとは異なる車種(救急車等)の自動車玩具が欲しい場合には、通常、その欲しい異なる車種の自動車玩具を別途購入せざるを得なかった。また、自動車玩具を提供する側も、そのようなニーズに応えるため各車種ごとの自動車玩具を数多く製作したり販売しなければならなかった。
【0004】
また、1つの車種からなる自動車玩具において、その構成部品を一部取り外したり或いは別の構成部品に交換することによって異なった外観形状等に変更できるように構成したものが知られているが、これは、車種そのものを変更できるものではなかった。
【0005】
さらに、各種形状の基本ブロックを適宜組み合せて自分達で所望の車種の自動車玩具を何種類か組み立てることができる組立玩具も知られているが、異なる車種の自動車で遊ぶには、自力でゼロから組み立てる必要があり、その取扱いが非常に面倒であった。しかも、この組立玩具の自動車はきわめて簡素なものであり、各車種のもつ魅力を堪能できるものではなかった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記したような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、車種を自由かつ簡単に変更しながら遊ぶことができる新しいタイプの自動車玩具を提供することにある。
また、この目的に加えて、各車種の魅力を堪能できる内容の充実した自動車玩具を提供すること等も目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成し得る、本考案の自動車玩具は、自動車形状を象った車体がその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成されており、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方が自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
この自動車玩具は、車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツとそれ以外のパーツとがいずれも1種類ずつ揃えられたものであってもよいが、望ましくは、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツが複数種類あって、そのパーツ以外の前方(又は後方)パーツが1種類あるように揃えられたものである。前方パーツ及び後方パーツがともに1種類ずつ揃えられている場合、その車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは、異なる車種の形態からなる別のパーツを購入し、その購入した別のパーツに自由に交換できるようになっている。
【0009】
ここで、自動車の車種を識別させ得る形態とは、その形態にて形成したパーツを(その他方のパーツと合体させた状態で)見たときに如何なる車種かを容易に判別できる程度に特徴付けられた外観的な外形形状や構造等である。この車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツ以外である他方のパーツは、如何なる車種の場合にも共通して適用できる自動車形状の一部を象った形態で形成される。
そして、前方パーツと後方パーツを分離・合体する際の連結部は、そのいずれも、きわめて簡便に分離・合体できる連結構造にて形成するようにする。
【0010】
車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツは、通常、後方パーツであることが望ましいが、前方パーツであってもよい。また、車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツには、その車種のさらなる特徴付けをするための構成要素(音の発生等)を付加することが望ましい。この場合、そのパーツ以外のパーツには、如何なる車種のパーツと合体しても共通して使える共通部品を出来るだけ搭載するようにするとよい。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る自動車玩具の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本考案の自動車玩具は、図1に示すように、自動車の形状を象った車体1を有するものであり、その車体1がその前方部と後方部の間で分離したり合体することが可能な前方パーツ2と後方パーツ3とで構成されたものである。しかも、その前方パーツ2又は後方パーツ3のいずれか一方は、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されている。このような自動車玩具は、プラスチックや金属材料等を用いて製作される。
【0013】
図1に例示する自動車玩具は、パトカーを象ったものもであり、その後方パーツ3がパトカーを識別させ得る形態にて形成されている。すなわち、後方パーツ3は、パトカー車体の後半部に相当する部位であり、パトカーであることを視認させるための赤色灯4が設けられている。もちろん、後方パーツ3の外形形状そのものも、パトカーとして視認されやすような形状にて形成されている。また、後方パーツ3には必要に応じて図示するような文字表示5を施してもよい。一方、前方パーツ2は、パトカー車体の前半部に相当する部位であり、運転席を含む車体前方部に係る形状に形成されている。但し、この前方パーツ2を含め、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツ以外のパーツは、異なる車種のパーツと交換して組み合せた際にも共通して使え、その異なる車種の一部を象るような形成にて形成することが重要である。
【0014】
図1において、符号6、7は回転可能に設けられた前輪タイヤ又は後輪タイヤ、8は透明性部材等により形成された前面窓部、9はボンネット、10はヘッドライト、11はバンパー、12は透明性部材等により形成された後面窓部、13はテールライトである。また、符号40は車体の分割ラインであり、41は嵌合、係止等により前方パーツ2と後方パーツ3どうしを連結するための連結構成部である。
【0015】
この自動車玩具は、図1bに示すような互いに対応する連結構成部41どうしを嵌合させたり係止させること等により前方パーツ2と後方パーツ3とを合体させ、これによりパトカーの車体1を完成させるようになっている。しかも、合体したパトカーの車体1が、同図aに示す分割ライン41を境にして前方パーツ2と後方パーツ3とに分離されるようになっている。
【0016】
また、この自動車玩具は、後方パーツをパトカー以外の異なる後方パーツに交換することができるようになっている。このため、その異なる後方パーツにも、前方パーツ2の連結構成部に対し共通して使用することができる連結構成部が形成されていることになる。
【0017】
そして、この自動車玩具は、例えば、図2に示すように、1種類の前方パーツ2と、パトカー、消防車及びダンプカーの各車種の車体後方形状をそれぞれ象って形成された3種類の後方パーツ3a、3b、3cとを組み合せた1セットの玩具として構成される。この前方パーツ2と後方パーツ3a、3b、3cには、互いに結合可能な連結構成部41がそれぞれ設けられている。
【0018】
前方パーツ2は、図1に例示したような構成からなるものであって、共通して使用するようになっている。一方、3種類の後方パーツのうち後方パーツ3aは、パトカー用の後方パーツであり、図1に例示したように赤色灯4が設けられている。また、後方パーツ3bは、消防車用の後方パーツであり、消防車であることを識別できるように、上下及び水平方向に回動可能な放水作業用はしご台14が設けられている。放水作業用はしご台14は、放水部14aと、はしごアーム部14bと、はしごアーム回動支持台14cと、アーム保持台14dとで構成されている。また、後方パーツ3cは、ダンプカー用の後方パーツであり、ダンプカーであることを識別できるようにリフト可能な荷台15が設けられている。荷台15は、荷台フレーム15aと支点15bを中心にして荷台フレーム15aを上方にリフトさせるリフトレバー15cとで構成されている。さらに、各後方パーツ3a、3b、3cは、パトカー、消防車又はダンプカーであることが視認されやすい外形形状にてそれぞれ形成されている。なお、後方パーツ3a、3bは必要に応じて図示するような文字表示5を施したものであってもよい。
【0019】
このような1セット形態からなる自動車玩具は、1つの前方パーツ2に対して3種類の後方パーツ3a、3b、3cのいずれか1つを選択して合体させ、パトカー、消防車又はダンプカーのいずれか1の車種からなる車体を完成させることにより遊ぶことができる。
【0020】
そして、異なる車種の自動車で遊びたい場合には、その後方パーツを別の後方パーツに組み替えて遊ぶことができる。すなわち、前方パーツ2に後方パーツ3aを合体させた場合には、図3に示すようにパトカーとして判別できる車体が完成し、パトカーによる自動車遊びを楽しむことができる。また、前方パーツ2に後方パーツ3bを合体させた場合には、図4に示すように消防車として判別できる車体が完成し、消防車による自動車遊びを楽しむことができる。さらに、前方パーツ2に後方パーツ3cを合体させた場合には、図5に示すようにダンプカーとして判別できる車体が完成し、ダンプカーによる自動車遊びを楽しむことができる。
【0021】
また、本考案の自動車玩具は、以下に示すように、各車種を特徴付ける要素を付加したり自動車玩具としての機能を付加して構成される。
【0022】
図6〜図10は、図1に例示の自動車玩具に対してさらにパトカーとしての各構成要素や機能を付加して構成した例を示すものである。
すなわち、この図6〜図10に例示する自動車玩具は、外形形態が図1に例示のものとほぼ同じ構成からなる前方パーツ20と後方パーツ30とで構成されており、音を発生させながら電動で自動走行させたり或いは手押し走行させたりできるようになっている。具体的には、その前方パーツ20には、手押し走行への切り換えが可能な自動走行用駆動装置21が搭載され、その後方パーツ30には電子部品からなる音発生装置31が搭載されている。
【0023】
前方パーツ20は、自動走行用駆動装置21の他にも、後方パーツ30に搭載する音発生装置31に接続して使用されるスピーカー22や、自動走行用駆動装置21及び音発生装置31の電源としての電池23が搭載されている(図7、8)。しかも、この前方パーツ20においては、駆動装置21により回転駆動されるとともにその外周面に滑り止めゴム材料61が装着された駆動用前輪タイヤ60が使用されている(図10)。
【0024】
上記の自動走行用駆動装置21は、電池23を電源として回転する駆動用電動モーター24と、電動モーター24の回転を車輪に伝達するための減速用ギアボックスからなる回転伝達装置25と、回転伝達装置25の前輪タイヤ60への回転伝達を中断させる中断切換装置26とで構成されている。中断切換装置26としては、例えば、図8、10に例示するように回転伝達装置25を構成する複数のギアの1つを切り換えスイッチレバーにより変位させてギアどうしのかみ合いを行ったり解除する機構のものが適用できる。また、電動モーター24については、例えば、中断切換装置26の切り換えスイッチを介して電池23に配線接続し、その切り換えスイッチを所定のポジションに切り換えたときのみ通電して回転するように構成すればよい。
【0025】
また、前方パーツ20には、その背面部に対して、連結用の突出部42が2箇設けられているとともに電気的配線用のコネクタ端子43が設けられている。さらに、この前方パーツ20においては、スピーカー22を前面窓部8の内側に設置し、電源用の電池23を前方パーツ20の連結部位である背面部に形成した電池収容ケース部23aに収容している。
【0026】
コネクタ端子43には、電池23との配線や中断切換装置26の構成部品(例えば切り換えスイッチ)との配線やスピーカー22との配線が接続されている。
このコネクタ端子43を介して、後方パーツ30の音発生装置31への給電と音発生装置31の発生音切り換え信号の伝達がなされたり、音発生装置31からのスピーカー22への出力信号の伝達がなされるようになっている。なお、配線については各図においてその図示を省略しているが、例えば配線用基板を利用して簡略化することができる。
【0027】
一方、後方パーツ30は、上記の音発生装置31の他にも、赤色灯4を点灯させるための電球32が配設されている(図7、9)。
【0028】
上記の音発生装置31は、自動走行させたときに適したパトカーのサイレン音などの効果音と、手押し走行させたときに適した所定のメロディー音とを発生することが可能な電子回路基板33と、この音源となる電子回路基板33に接続され、手押し走行させたときの音発生タイミングを図るためのスイッチ手段34とで構成されている。また、この音発生装置31は、前方パーツ20に配設されたスピーカー22を通して各音が実際に発生させるようになっている。
【0029】
また、音発生装置31は、効果音とそれ以外の音のいずれか一方を選択して発生させるための切り換えを行う手段を有している。この例では、音発生装置31の発生音の切り換えを前記した中断切換装置(のスイッチレバー)26により同時に行うように構成し、そのスイッチレバーを所定のポジションに切り換えたときに(自動走行して)スピーカー22から効果音が発し、他の所定のポジションにに切り換えたときに(手押し走行して)スピーカー22からメロディー音が発するようにしている。
【0030】
音発生装置31における電子回路基板33としては、IC等の電子部品にて構成されるものが使用される。また、スイッチ手段34としては、図9に例示するように後輪タイヤ7の車軸に取り付けたカムの変位運動によりON、OFFされるリーフスイッチ34を使用することができる。この例では、カムがリーフスイッチ34を押圧したときにメロディー音が発するように設定されている。
【0031】
電子回路基板33は、上記した2種類の音を発生する機能をもっている以外に、赤色灯4用の電球32を点滅させる機能も具備している。この例では、自動走行させる際に、上記効果音の発生とともに電球32の点滅を同時に行うように設定されている。
【0032】
また、後方パーツ30には、その背面部に対して、前方パーツ20の突出部42を嵌合することができる連結用の嵌合凹部44が2箇設けられているとともに電気的配線用のコネクタ端子45が設けられている。
【0033】
コネクタ端子44は、前方パーツ20のコネクタ端子43と結合できる構造になっており、電子回路基板33との配線が接続されている。このコネクタ端子44をコネクタ端子43に結合した場合には、音発生装置31(電子回路基板33)への電池23からの給電や発生音切り換え信号の伝達がなされたり、音発生装置31(電子回路基板33)からスピーカー22への出力信号の伝達がなされるようになっている。
【0034】
このような構成要素や機能が付加された玩具は、次のようにして使用される。
【0035】
まず、前方パーツ20と後方パーツ30を合体させる。その合体は、前方パーツ20の突出部42を後方パーツ30の嵌合凹部44に嵌合する(図10)とともに、前方パーツ20のコネクタ端子43を後方パーツ30のコネクタ端子45に差し込むことにより行われる。なお、この前方パーツ20と後方パーツ30には、その結合部側の底部等に係止部材をさらに設け、その係止部材により両パーツの合体状態をより強固なものにするように構成してもよい。
この合体により、図6に示すようなパトカーの車体1が出来上がる。
【0036】
次いで、中断切換装置26における切り換えスイッチを所定のポジションに切り換えることにより、自動走行用駆動装置21により前輪タイヤ60が回転駆動し始め、また、音発生装置31によりスピーカー22から効果音であるサイレン音が出始めるとともに赤色灯4が点灯し始める。そして、この状態で車体1を床等に置くことにより、この自動車玩具は、サイレン音を鳴り響かせると同時に赤色等を点滅させながら自動走行する。
【0037】
また、中断切換装置26における切り換えスイッチを他の所定ポジションに切り換えることにより、自動走行用駆動装置21の前輪タイヤ60への回転伝達が中断されて前輪タイヤ60が自由に回転し得る状態になるとともに、音発生装置31によりスピーカー22からメロディー音が発生し得る状態になる。この状態で車体1を手でもち床等を走行させるように動かすことにより、この自動車玩具は、メロディー音を発生させながら手押し走行される。
【0038】
この自動車玩具を使用しない場合は、例えば、中断切換装置26における切り換えスイッチを中立のポジションに切り換えて、自動走行用駆動装置21と音発生装置31を非作動状態にしておけばよい。
【0039】
さらに、この自動車玩具は、後方パーツ30として上記パトカー用の後方パーツ以外に、例えば、図2に例示したような消防車用の後方パーツやダンプカー用の後方パーツを用意して構成することもできる。この場合には、パトカー用の後方パーツ30に代えて、前方パーツ20に対して消防車用の後方パーツ又はダンプカー用の後方パーツを合体させて車体を構成すことにより、図4や図5に例示するような消防車やダンプカーとして遊ぶことができる。
【0040】
上記のように後方パーツ30として複数種類のものを揃える場合は、消防車用の後方パーツに対して、音発生装置31として消防車用の効果音(サイレン音)
が発生するとともに手押し走行時に適したメロディー音が発生する音発生装置を搭載し、ダンプカー用の後方パーツに対して、ダンプカーを想像させる効果音が発生するとともに手押し走行時に適したメロディー音が発生する音発生装置を搭載するように構成する。
【0041】
このように構成することにより、特に、車種の違いを視覚を通して楽しむことの他に、走行時に発生する各音により聴覚を通しても楽しむことが可能になり、各車種に応じたよりリアルな魅力を発揮する自動車玩具になり得る。
【0042】
なお、本考案の自動車玩具を構成する各部品等は、前記した例のものに限定されるものではなく、実質的に同一の機能を発揮して実質的に同一の結果(作用効果)が得られるものであれば如何なる構成のものであってもよい。
【0043】
例えば、車種を識別させ得る形態にて形成するパーツは、後方パーツではなく前方パーツであってもよい。この場合、後方パーツは共通して使用することになる。車種を識別させ得る形態にて形成するパーツ以外のパーツとして前方パーツ又は後方パーツのどちらを適用するにしても、その適用するパーツ側には共通して使用できる部品類をできる限り搭載するように構成することが望ましい。
【0044】
また、車種は、前記したパトカー、消防車及びダンプカー以外のものであってもよく、例えば、救急車、タクシー、ラリーカー、キャリア積載カー、リフトカー、バス、トラック、はしご車、トレーラー等であってもよい。
【0045】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の自動車玩具は、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されている車体の前方パーツ又は後方パーツを、異なる車種の形態からなるパーツと交換して組み替えることができるようになっているため、車種を自由にかつ簡単に変更して遊ぶことができる。
【0046】
しかも、片方のパーツを共通して使用することができる構成になっているため、その製作に当たっても、異なる車種ごとに玩具全体をそれぞれ製作する場合に比べて、玩具の約半分は共通化できるパーツとして大量生産でき、その残りの約半分だけを異なる車種を具現化するためのパーツとして製作すればよく、数多い車種に対応するにもかかわらず比較的安価に製作することができる。例えば、製作に使用する金型等に要する費用を低減することができる。
【0047】
また、この自動車玩具は、効果音を発しながら自動走行するように構成したり、効果音とは異なる音を発しながら手押し走行するように構成した場合、車種の違いを外観形態等を通して視覚的に楽しむことに加え、発生音を通して聴覚上でも楽しむことが可能となり、その結果、各車種のもつ魅力を十分に堪能することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案玩具の基本的な実施の形態例を示すもので、(a)はその斜視図、(b)はその分離した状態を示す説明図である。
【図2】 本考案玩具の応用的な実施の形態例を示す説明図である。
【図3】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(パトカー)を示す説明図である。
【図4】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(消防車)を示す説明図である。
【図5】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(ダンプカー)を示す説明図である。
【図6】 本考案玩具の他の実施形態例を示す斜視図である。
【図7】 図6に例示の玩具を分離した状態を示す説明図である。
【図8】 図6に例示の前方パーツの内部構成を示す説明図である。
【図9】 図6に例示の後方パーツの内部構成を示す説明図である。
【図10】 図6の例示の前方パーツと後方パーツを合体させた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…車体、2、20…前方パーツ、3、30…後方パーツ、21…自動走行用駆動装置、22…スピーカー、24…電動モーター、25…回転伝達装置、26…中断切換装置、31…音発生装置、60…駆動用車輪。
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、主に、車種を使用者の意志にまかせて自由にかつ簡単に変更しながら遊ぶことができる自動車玩具に関するものである。
【0002】
従来から、自動車、電車、飛行機、船等の各種乗物を象った乗物玩具は、子供達に人気があり、その種類も豊富であった。なかでも自動車玩具は、特に、多種多様な外観形状や構造或いは機能等を備えたものが数多く提供されている。
【0003】
ところが、このような自動車玩具であっても、その対象となる車種が一般の乗用車をはじめ、パトカー、救急車、トラック、バス等のようにきわめて豊富にあるにもかかわらず、そのいずれか1つの車種だけに特定した玩具にならざるを得なかった。このため、例えば、パトカーの自動車玩具を購入した後で、パトカーとは異なる車種(救急車等)の自動車玩具が欲しい場合には、通常、その欲しい異なる車種の自動車玩具を別途購入せざるを得なかった。また、自動車玩具を提供する側も、そのようなニーズに応えるため各車種ごとの自動車玩具を数多く製作したり販売しなければならなかった。
【0004】
また、1つの車種からなる自動車玩具において、その構成部品を一部取り外したり或いは別の構成部品に交換することによって異なった外観形状等に変更できるように構成したものが知られているが、これは、車種そのものを変更できるものではなかった。
【0005】
さらに、各種形状の基本ブロックを適宜組み合せて自分達で所望の車種の自動車玩具を何種類か組み立てることができる組立玩具も知られているが、異なる車種の自動車で遊ぶには、自力でゼロから組み立てる必要があり、その取扱いが非常に面倒であった。しかも、この組立玩具の自動車はきわめて簡素なものであり、各車種のもつ魅力を堪能できるものではなかった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記したような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、車種を自由かつ簡単に変更しながら遊ぶことができる新しいタイプの自動車玩具を提供することにある。
また、この目的に加えて、各車種の魅力を堪能できる内容の充実した自動車玩具を提供すること等も目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成し得る、本考案の自動車玩具は、自動車形状を象った車体がその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成されており、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方が自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
この自動車玩具は、車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツとそれ以外のパーツとがいずれも1種類ずつ揃えられたものであってもよいが、望ましくは、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツが複数種類あって、そのパーツ以外の前方(又は後方)パーツが1種類あるように揃えられたものである。前方パーツ及び後方パーツがともに1種類ずつ揃えられている場合、その車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは、異なる車種の形態からなる別のパーツを購入し、その購入した別のパーツに自由に交換できるようになっている。
【0009】
ここで、自動車の車種を識別させ得る形態とは、その形態にて形成したパーツを(その他方のパーツと合体させた状態で)見たときに如何なる車種かを容易に判別できる程度に特徴付けられた外観的な外形形状や構造等である。この車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツ以外である他方のパーツは、如何なる車種の場合にも共通して適用できる自動車形状の一部を象った形態で形成される。
そして、前方パーツと後方パーツを分離・合体する際の連結部は、そのいずれも、きわめて簡便に分離・合体できる連結構造にて形成するようにする。
【0010】
車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツは、通常、後方パーツであることが望ましいが、前方パーツであってもよい。また、車種を識別させ得る形態にて形成されるパーツには、その車種のさらなる特徴付けをするための構成要素(音の発生等)を付加することが望ましい。この場合、そのパーツ以外のパーツには、如何なる車種のパーツと合体しても共通して使える共通部品を出来るだけ搭載するようにするとよい。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る自動車玩具の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本考案の自動車玩具は、図1に示すように、自動車の形状を象った車体1を有するものであり、その車体1がその前方部と後方部の間で分離したり合体することが可能な前方パーツ2と後方パーツ3とで構成されたものである。しかも、その前方パーツ2又は後方パーツ3のいずれか一方は、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されている。このような自動車玩具は、プラスチックや金属材料等を用いて製作される。
【0013】
図1に例示する自動車玩具は、パトカーを象ったものもであり、その後方パーツ3がパトカーを識別させ得る形態にて形成されている。すなわち、後方パーツ3は、パトカー車体の後半部に相当する部位であり、パトカーであることを視認させるための赤色灯4が設けられている。もちろん、後方パーツ3の外形形状そのものも、パトカーとして視認されやすような形状にて形成されている。また、後方パーツ3には必要に応じて図示するような文字表示5を施してもよい。一方、前方パーツ2は、パトカー車体の前半部に相当する部位であり、運転席を含む車体前方部に係る形状に形成されている。但し、この前方パーツ2を含め、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツ以外のパーツは、異なる車種のパーツと交換して組み合せた際にも共通して使え、その異なる車種の一部を象るような形成にて形成することが重要である。
【0014】
図1において、符号6、7は回転可能に設けられた前輪タイヤ又は後輪タイヤ、8は透明性部材等により形成された前面窓部、9はボンネット、10はヘッドライト、11はバンパー、12は透明性部材等により形成された後面窓部、13はテールライトである。また、符号40は車体の分割ラインであり、41は嵌合、係止等により前方パーツ2と後方パーツ3どうしを連結するための連結構成部である。
【0015】
この自動車玩具は、図1bに示すような互いに対応する連結構成部41どうしを嵌合させたり係止させること等により前方パーツ2と後方パーツ3とを合体させ、これによりパトカーの車体1を完成させるようになっている。しかも、合体したパトカーの車体1が、同図aに示す分割ライン41を境にして前方パーツ2と後方パーツ3とに分離されるようになっている。
【0016】
また、この自動車玩具は、後方パーツをパトカー以外の異なる後方パーツに交換することができるようになっている。このため、その異なる後方パーツにも、前方パーツ2の連結構成部に対し共通して使用することができる連結構成部が形成されていることになる。
【0017】
そして、この自動車玩具は、例えば、図2に示すように、1種類の前方パーツ2と、パトカー、消防車及びダンプカーの各車種の車体後方形状をそれぞれ象って形成された3種類の後方パーツ3a、3b、3cとを組み合せた1セットの玩具として構成される。この前方パーツ2と後方パーツ3a、3b、3cには、互いに結合可能な連結構成部41がそれぞれ設けられている。
【0018】
前方パーツ2は、図1に例示したような構成からなるものであって、共通して使用するようになっている。一方、3種類の後方パーツのうち後方パーツ3aは、パトカー用の後方パーツであり、図1に例示したように赤色灯4が設けられている。また、後方パーツ3bは、消防車用の後方パーツであり、消防車であることを識別できるように、上下及び水平方向に回動可能な放水作業用はしご台14が設けられている。放水作業用はしご台14は、放水部14aと、はしごアーム部14bと、はしごアーム回動支持台14cと、アーム保持台14dとで構成されている。また、後方パーツ3cは、ダンプカー用の後方パーツであり、ダンプカーであることを識別できるようにリフト可能な荷台15が設けられている。荷台15は、荷台フレーム15aと支点15bを中心にして荷台フレーム15aを上方にリフトさせるリフトレバー15cとで構成されている。さらに、各後方パーツ3a、3b、3cは、パトカー、消防車又はダンプカーであることが視認されやすい外形形状にてそれぞれ形成されている。なお、後方パーツ3a、3bは必要に応じて図示するような文字表示5を施したものであってもよい。
【0019】
このような1セット形態からなる自動車玩具は、1つの前方パーツ2に対して3種類の後方パーツ3a、3b、3cのいずれか1つを選択して合体させ、パトカー、消防車又はダンプカーのいずれか1の車種からなる車体を完成させることにより遊ぶことができる。
【0020】
そして、異なる車種の自動車で遊びたい場合には、その後方パーツを別の後方パーツに組み替えて遊ぶことができる。すなわち、前方パーツ2に後方パーツ3aを合体させた場合には、図3に示すようにパトカーとして判別できる車体が完成し、パトカーによる自動車遊びを楽しむことができる。また、前方パーツ2に後方パーツ3bを合体させた場合には、図4に示すように消防車として判別できる車体が完成し、消防車による自動車遊びを楽しむことができる。さらに、前方パーツ2に後方パーツ3cを合体させた場合には、図5に示すようにダンプカーとして判別できる車体が完成し、ダンプカーによる自動車遊びを楽しむことができる。
【0021】
また、本考案の自動車玩具は、以下に示すように、各車種を特徴付ける要素を付加したり自動車玩具としての機能を付加して構成される。
【0022】
図6〜図10は、図1に例示の自動車玩具に対してさらにパトカーとしての各構成要素や機能を付加して構成した例を示すものである。
すなわち、この図6〜図10に例示する自動車玩具は、外形形態が図1に例示のものとほぼ同じ構成からなる前方パーツ20と後方パーツ30とで構成されており、音を発生させながら電動で自動走行させたり或いは手押し走行させたりできるようになっている。具体的には、その前方パーツ20には、手押し走行への切り換えが可能な自動走行用駆動装置21が搭載され、その後方パーツ30には電子部品からなる音発生装置31が搭載されている。
【0023】
前方パーツ20は、自動走行用駆動装置21の他にも、後方パーツ30に搭載する音発生装置31に接続して使用されるスピーカー22や、自動走行用駆動装置21及び音発生装置31の電源としての電池23が搭載されている(図7、8)。しかも、この前方パーツ20においては、駆動装置21により回転駆動されるとともにその外周面に滑り止めゴム材料61が装着された駆動用前輪タイヤ60が使用されている(図10)。
【0024】
上記の自動走行用駆動装置21は、電池23を電源として回転する駆動用電動モーター24と、電動モーター24の回転を車輪に伝達するための減速用ギアボックスからなる回転伝達装置25と、回転伝達装置25の前輪タイヤ60への回転伝達を中断させる中断切換装置26とで構成されている。中断切換装置26としては、例えば、図8、10に例示するように回転伝達装置25を構成する複数のギアの1つを切り換えスイッチレバーにより変位させてギアどうしのかみ合いを行ったり解除する機構のものが適用できる。また、電動モーター24については、例えば、中断切換装置26の切り換えスイッチを介して電池23に配線接続し、その切り換えスイッチを所定のポジションに切り換えたときのみ通電して回転するように構成すればよい。
【0025】
また、前方パーツ20には、その背面部に対して、連結用の突出部42が2箇設けられているとともに電気的配線用のコネクタ端子43が設けられている。さらに、この前方パーツ20においては、スピーカー22を前面窓部8の内側に設置し、電源用の電池23を前方パーツ20の連結部位である背面部に形成した電池収容ケース部23aに収容している。
【0026】
コネクタ端子43には、電池23との配線や中断切換装置26の構成部品(例えば切り換えスイッチ)との配線やスピーカー22との配線が接続されている。
このコネクタ端子43を介して、後方パーツ30の音発生装置31への給電と音発生装置31の発生音切り換え信号の伝達がなされたり、音発生装置31からのスピーカー22への出力信号の伝達がなされるようになっている。なお、配線については各図においてその図示を省略しているが、例えば配線用基板を利用して簡略化することができる。
【0027】
一方、後方パーツ30は、上記の音発生装置31の他にも、赤色灯4を点灯させるための電球32が配設されている(図7、9)。
【0028】
上記の音発生装置31は、自動走行させたときに適したパトカーのサイレン音などの効果音と、手押し走行させたときに適した所定のメロディー音とを発生することが可能な電子回路基板33と、この音源となる電子回路基板33に接続され、手押し走行させたときの音発生タイミングを図るためのスイッチ手段34とで構成されている。また、この音発生装置31は、前方パーツ20に配設されたスピーカー22を通して各音が実際に発生させるようになっている。
【0029】
また、音発生装置31は、効果音とそれ以外の音のいずれか一方を選択して発生させるための切り換えを行う手段を有している。この例では、音発生装置31の発生音の切り換えを前記した中断切換装置(のスイッチレバー)26により同時に行うように構成し、そのスイッチレバーを所定のポジションに切り換えたときに(自動走行して)スピーカー22から効果音が発し、他の所定のポジションにに切り換えたときに(手押し走行して)スピーカー22からメロディー音が発するようにしている。
【0030】
音発生装置31における電子回路基板33としては、IC等の電子部品にて構成されるものが使用される。また、スイッチ手段34としては、図9に例示するように後輪タイヤ7の車軸に取り付けたカムの変位運動によりON、OFFされるリーフスイッチ34を使用することができる。この例では、カムがリーフスイッチ34を押圧したときにメロディー音が発するように設定されている。
【0031】
電子回路基板33は、上記した2種類の音を発生する機能をもっている以外に、赤色灯4用の電球32を点滅させる機能も具備している。この例では、自動走行させる際に、上記効果音の発生とともに電球32の点滅を同時に行うように設定されている。
【0032】
また、後方パーツ30には、その背面部に対して、前方パーツ20の突出部42を嵌合することができる連結用の嵌合凹部44が2箇設けられているとともに電気的配線用のコネクタ端子45が設けられている。
【0033】
コネクタ端子44は、前方パーツ20のコネクタ端子43と結合できる構造になっており、電子回路基板33との配線が接続されている。このコネクタ端子44をコネクタ端子43に結合した場合には、音発生装置31(電子回路基板33)への電池23からの給電や発生音切り換え信号の伝達がなされたり、音発生装置31(電子回路基板33)からスピーカー22への出力信号の伝達がなされるようになっている。
【0034】
このような構成要素や機能が付加された玩具は、次のようにして使用される。
【0035】
まず、前方パーツ20と後方パーツ30を合体させる。その合体は、前方パーツ20の突出部42を後方パーツ30の嵌合凹部44に嵌合する(図10)とともに、前方パーツ20のコネクタ端子43を後方パーツ30のコネクタ端子45に差し込むことにより行われる。なお、この前方パーツ20と後方パーツ30には、その結合部側の底部等に係止部材をさらに設け、その係止部材により両パーツの合体状態をより強固なものにするように構成してもよい。
この合体により、図6に示すようなパトカーの車体1が出来上がる。
【0036】
次いで、中断切換装置26における切り換えスイッチを所定のポジションに切り換えることにより、自動走行用駆動装置21により前輪タイヤ60が回転駆動し始め、また、音発生装置31によりスピーカー22から効果音であるサイレン音が出始めるとともに赤色灯4が点灯し始める。そして、この状態で車体1を床等に置くことにより、この自動車玩具は、サイレン音を鳴り響かせると同時に赤色等を点滅させながら自動走行する。
【0037】
また、中断切換装置26における切り換えスイッチを他の所定ポジションに切り換えることにより、自動走行用駆動装置21の前輪タイヤ60への回転伝達が中断されて前輪タイヤ60が自由に回転し得る状態になるとともに、音発生装置31によりスピーカー22からメロディー音が発生し得る状態になる。この状態で車体1を手でもち床等を走行させるように動かすことにより、この自動車玩具は、メロディー音を発生させながら手押し走行される。
【0038】
この自動車玩具を使用しない場合は、例えば、中断切換装置26における切り換えスイッチを中立のポジションに切り換えて、自動走行用駆動装置21と音発生装置31を非作動状態にしておけばよい。
【0039】
さらに、この自動車玩具は、後方パーツ30として上記パトカー用の後方パーツ以外に、例えば、図2に例示したような消防車用の後方パーツやダンプカー用の後方パーツを用意して構成することもできる。この場合には、パトカー用の後方パーツ30に代えて、前方パーツ20に対して消防車用の後方パーツ又はダンプカー用の後方パーツを合体させて車体を構成すことにより、図4や図5に例示するような消防車やダンプカーとして遊ぶことができる。
【0040】
上記のように後方パーツ30として複数種類のものを揃える場合は、消防車用の後方パーツに対して、音発生装置31として消防車用の効果音(サイレン音)
が発生するとともに手押し走行時に適したメロディー音が発生する音発生装置を搭載し、ダンプカー用の後方パーツに対して、ダンプカーを想像させる効果音が発生するとともに手押し走行時に適したメロディー音が発生する音発生装置を搭載するように構成する。
【0041】
このように構成することにより、特に、車種の違いを視覚を通して楽しむことの他に、走行時に発生する各音により聴覚を通しても楽しむことが可能になり、各車種に応じたよりリアルな魅力を発揮する自動車玩具になり得る。
【0042】
なお、本考案の自動車玩具を構成する各部品等は、前記した例のものに限定されるものではなく、実質的に同一の機能を発揮して実質的に同一の結果(作用効果)が得られるものであれば如何なる構成のものであってもよい。
【0043】
例えば、車種を識別させ得る形態にて形成するパーツは、後方パーツではなく前方パーツであってもよい。この場合、後方パーツは共通して使用することになる。車種を識別させ得る形態にて形成するパーツ以外のパーツとして前方パーツ又は後方パーツのどちらを適用するにしても、その適用するパーツ側には共通して使用できる部品類をできる限り搭載するように構成することが望ましい。
【0044】
また、車種は、前記したパトカー、消防車及びダンプカー以外のものであってもよく、例えば、救急車、タクシー、ラリーカー、キャリア積載カー、リフトカー、バス、トラック、はしご車、トレーラー等であってもよい。
【0045】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の自動車玩具は、自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されている車体の前方パーツ又は後方パーツを、異なる車種の形態からなるパーツと交換して組み替えることができるようになっているため、車種を自由にかつ簡単に変更して遊ぶことができる。
【0046】
しかも、片方のパーツを共通して使用することができる構成になっているため、その製作に当たっても、異なる車種ごとに玩具全体をそれぞれ製作する場合に比べて、玩具の約半分は共通化できるパーツとして大量生産でき、その残りの約半分だけを異なる車種を具現化するためのパーツとして製作すればよく、数多い車種に対応するにもかかわらず比較的安価に製作することができる。例えば、製作に使用する金型等に要する費用を低減することができる。
【0047】
また、この自動車玩具は、効果音を発しながら自動走行するように構成したり、効果音とは異なる音を発しながら手押し走行するように構成した場合、車種の違いを外観形態等を通して視覚的に楽しむことに加え、発生音を通して聴覚上でも楽しむことが可能となり、その結果、各車種のもつ魅力を十分に堪能することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案玩具の基本的な実施の形態例を示すもので、(a)はその斜視図、(b)はその分離した状態を示す説明図である。
【図2】 本考案玩具の応用的な実施の形態例を示す説明図である。
【図3】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(パトカー)を示す説明図である。
【図4】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(消防車)を示す説明図である。
【図5】 図2に例示の玩具により形成される車種の一例(ダンプカー)を示す説明図である。
【図6】 本考案玩具の他の実施形態例を示す斜視図である。
【図7】 図6に例示の玩具を分離した状態を示す説明図である。
【図8】 図6に例示の前方パーツの内部構成を示す説明図である。
【図9】 図6に例示の後方パーツの内部構成を示す説明図である。
【図10】 図6の例示の前方パーツと後方パーツを合体させた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…車体、2、20…前方パーツ、3、30…後方パーツ、21…自動走行用駆動装置、22…スピーカー、24…電動モーター、25…回転伝達装置、26…中断切換装置、31…音発生装置、60…駆動用車輪。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 自動車形状を象った車体がその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成されており、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方が自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成されていることを特徴とする自動車玩具。
【請求項2】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツが複数種類あるとともに、そのパーツ以外の前方(又は後方)パーツが1種類あり、その複数種類ある後方(又は前方)パーツを交換して異なる車種の車体に組み替え得る請求項1記載の自動車玩具。
【請求項3】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツは、その車種に応じた効果音を発する音発生装置が搭載されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項4】 前記音発生装置は、自動走行時に効果音が発するように構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項5】 前記音発生装置は、手押し走行時に効果音とは異なる音を発するように構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項6】 前記音発生装置は、電子回路部品にて構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項7】 前記音発生装置を構成する電子回路部品に接続するスピーカーを、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ以外の前方(又は後方)パーツ側に搭載している請求項6記載の自動車玩具。
【請求項8】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ以外の前方(又は後方)パーツは、手押し走行への切り換えが可能な自動走行用駆動装置が搭載されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項9】 前記自動走行用駆動装置により駆動される車輪を、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ側に配設している請求項8記載の自動車玩具。
【請求項10】 前記自動走行用駆動装置は、電動モーターと回転伝達装置と回転伝達装置の回転伝達を中断させる中断切換装置とで構成されている請求項8記載の自動車玩具。
【請求項11】 電源用の電池を、車種を識別させ得る形態にて形成されている前方(又は後方)パーツ側に搭載している請求項6又は10記載の自動車玩具。
【請求項12】 車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは、パトカー、救急車、タクシー、ラリーカー、キャリア積載カー、消防車、リフトカー、ダンプカー、バス、トラック、はしご車及びトレーラーのいずれか1つの車種を識別し得る形態にて形成されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項13】 車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは後方パーツであり、且つ、そのパーツ以外のパーツは前方パーツであるとともに運転席を有する形態にて形成されている請求項12記載の自動車玩具。
【請求項1】 自動車形状を象った車体がその前方部と後方部の間で分離・合体する前方パーツと後方パーツとで構成されており、且つ、その前方パーツ又は後方パーツのいずれか一方が自動車の車種を識別させ得る形態にて形成されているとともに異なる車種の形態からなるパーツと交換することを前提として形成されていることを特徴とする自動車玩具。
【請求項2】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツが複数種類あるとともに、そのパーツ以外の前方(又は後方)パーツが1種類あり、その複数種類ある後方(又は前方)パーツを交換して異なる車種の車体に組み替え得る請求項1記載の自動車玩具。
【請求項3】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツは、その車種に応じた効果音を発する音発生装置が搭載されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項4】 前記音発生装置は、自動走行時に効果音が発するように構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項5】 前記音発生装置は、手押し走行時に効果音とは異なる音を発するように構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項6】 前記音発生装置は、電子回路部品にて構成されている請求項3記載の自動車玩具。
【請求項7】 前記音発生装置を構成する電子回路部品に接続するスピーカーを、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ以外の前方(又は後方)パーツ側に搭載している請求項6記載の自動車玩具。
【請求項8】 車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ以外の前方(又は後方)パーツは、手押し走行への切り換えが可能な自動走行用駆動装置が搭載されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項9】 前記自動走行用駆動装置により駆動される車輪を、車種を識別させ得る形態にて形成されている後方(又は前方)パーツ側に配設している請求項8記載の自動車玩具。
【請求項10】 前記自動走行用駆動装置は、電動モーターと回転伝達装置と回転伝達装置の回転伝達を中断させる中断切換装置とで構成されている請求項8記載の自動車玩具。
【請求項11】 電源用の電池を、車種を識別させ得る形態にて形成されている前方(又は後方)パーツ側に搭載している請求項6又は10記載の自動車玩具。
【請求項12】 車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは、パトカー、救急車、タクシー、ラリーカー、キャリア積載カー、消防車、リフトカー、ダンプカー、バス、トラック、はしご車及びトレーラーのいずれか1つの車種を識別し得る形態にて形成されている請求項1記載の自動車玩具。
【請求項13】 車種を識別させ得る形態にて形成されているパーツは後方パーツであり、且つ、そのパーツ以外のパーツは前方パーツであるとともに運転席を有する形態にて形成されている請求項12記載の自動車玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図6】
【図7】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図6】
【図7】
【図10】
【登録番号】第3028460号
【登録日】平成8年(1996)6月19日
【発行日】平成8年(1996)9月3日
【考案の名称】自動車玩具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−1079
【出願日】平成8年(1996)2月27日
【出願人】(595181944)株式会社エースブレイン (1)
【登録日】平成8年(1996)6月19日
【発行日】平成8年(1996)9月3日
【考案の名称】自動車玩具
【国際特許分類】
【出願番号】実願平8−1079
【出願日】平成8年(1996)2月27日
【出願人】(595181944)株式会社エースブレイン (1)
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