説明

自動車用の登録標識

【解決手段】接触なしに読み取り可能なデータ担体(20)を備える登録標識がアンテナ(17)を有しなければならない。公知の登録標識(10)では、アンテナ(17)が追加的構造部材として形成されている。この発明は、データ担体(20)に付属されたアンテナ(17)を登録標識の設けられた一つのスリット(18)を備える登録標識(10)の一つの電気伝導性部分から形成することを提案する。それにより、アンテナ(17)が登録標識(10)の一体化構成部材になる。別のアンテナ(17)が必要ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1或いは13の上位概念による自動車用の登録標識に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明による登録標識の場合には、自動車の車体或いはバンパーの前と後に固定される所謂ナンバープレートが扱われ、自動車のガラス板に貼付けられるそのようなナンバープレートが扱われ、しかも特に追加登録標識として扱われる。
【0003】
上記種類の登録標識はしばしば偽造されるか、或いは外車に使用される。偽造を阻止するために、接触なしに読み取りできるデータ担体を有する登録標識が知られている。これは、登録標識が一部である自動車の重要なデータを包含する。このデータの読み取りは外部読取装置によって行われる。登録標識が使用される自動車と読み取られたデータとの比較は、特に、登録標識が外車に付属されるならば、操縦に関する遡及的推論を許容する。
【0004】
接触なしに読み取りできるデータ担体を有する従来周知登録標識は一つの別体のアンテナを有する。これは、電線によりデータ担体に接続されていて、データの伝送を可能とする。そのような登録標識が費用のかかり、故障の起き易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1903531号明細書
【特許文献2】国際出願公開第2008/020771号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、データ担体とアンテナを備えて簡略化された登録標識を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決する登録標識、特に自動車登録標識は請求項1の特徴事項を有する。この登録標識は、磁界を発生させる少なくとも一つのデータ担体と、少なくとも一つのスリットを有する登録標識部材によって形成されるアンテナとを有する。登録標識部材は少なくとも部分的に電導性材料、例えばアルミニュム薄板から形成されている。磁界を発生させるデータ担体とアンテナとから成るトラスポンダーを備える登録標識が生じる。少なくとも部分的に伝導性登録標識部材のスリットがアンテナとして用いられる登録標識部材にデータ担体のデータの誘導的連結を導く。この場合には、アンテナ、特にスリット或いはデータ担体が増幅器として用いられる。データ担体のデータが追加的構成部材なしに且つデータ担体の接続なしに比較的大きい遠隔から登録標識から読み取りできる。
【0008】
この発明の好ましい構成によると、データ担体が電気的に絶縁してスリット内部に配置されて、しかも特にスリットの接続された端部に配置されていることが企図されている。それによりデータ担体が登録標識部材に収納できるか、或いは一体化でき、データ担体が追加的構造空間を必要とし、登録標識の外面から利用できないことはない。
【0009】
好ましくは、データ担体、特に電導性成分が登録標識の登録標識部材に対して接触しない、しかも特に電導性接触しないことが企図されている。データ担体の伝導性成分と登録標識部材のスリットの間にそのために、循環する隙間或いは中間空間が形成されて、それにより登録標識の電導性登録標識部材にデータ担体の特に有効な接触なし連結が行われる。この連結はデータ担体から発生された磁界によって誘導的に生じる。
【0010】
登録標識の他の好ましい構成は少なくとも一つの中断部を備えるスリットを備えることを企図し、それにより既にスリットの拡大が行われる。好ましくは、中断部がスリットの一端に付属されているので、スリット端が中断部から増大される。スリットの一端の中断部により創作された拡大の領域にデータ担体の配置によって、登録標識部材内の大きなデータ担体用の十分空間が形成される。この場合には、データ担体が登録標識部材の輪郭の内部に存在し、しかもこれにより物質的或いは電気的接触に到らない。データ担体が登録標識の内部に認められず、それにより登録標識の視覚できない電気的或いは電子的安全性が創作される。
【0011】
好ましくは、データ担体を登録標識に、即ち登録標識部材に固定することが企図されている。そのために、登録標識にデータ担体を固定する各非伝導性手段が考慮されて、この手段が登録標識の全面をカバーしない。特に登録標識部材を少なくとも部分的に覆う少なくとも一つの被膜或いは接着層による固定が生じる。データ担体のデータの読み取り性が電気的非伝導性被膜或いは接着層によって影響されない。データ担体における偶発的操作が被膜或いは接着層の容易に認識できる損傷を導き得た。この発明の選択的構成では、データ担体は登録標識部材の視覚できる前面に塗布された反射箔によってスリット或いは中断部に固定される。この場合には、反射箔が少なくともデータ担体、スリット或いは中断部の少なくとも一方の領域に金属被覆されず、それにより非伝導に形成される。
【0012】
登録標識の構成が考慮でき、データ担体が登録標識部材内の収容窪みに配置されている。収容窪みには、絶縁されてデータ担体が固定されているので、伝導性成分が伝導性材料から形成された登録標識部材との伝導性接続をしない。登録標識部材におけるデータ担体のスリットの磁気的或いは誘導的連結も行われる。この場合には、登録標識部材がアンテナとしてばかりではなく、むしろ、特に同時に増幅器として用いられ、それによりデータ担体のデータが比較的大きな遠隔から読み取りできる。
【0013】
特に好ましくは、収容窪みの窪みの底をデータ担体より小さい貫通する開口を備えることであるので、データ担体がこの開口と窪みにもかかわらず、固定できる。開口がアンテナ作用の改良を導き、とにかくデータ担体のチップの送り出力のより良い強化を導く。
【0014】
データ担体は特に少なくとも一つのチップ、特に受動的無線周波数識別チップ(FRIDチップ),少なくとも一つのチップと電気伝導的に接続されたコイルと絶縁材料製担体を有する。担体は登録標識部材にデータ担体を固定することを容易とする。とにかく、絶縁体から形成された担体は、登録標識部材に対するチップとデータ担体のコイルが絶縁されて登録標識に一体化できるので、特に登録標識の登録標識部材にチップの信号を誘導的或いは電磁的連結をもたらすことを確保する。
【0015】
最初に記載された課題を解決する他の登録標識は、請求項13の特徴事項を有する。この登録標識には、自動車の種々の箇所に取付けできる所謂箔登録標識が扱われていて、しかもバンパー、車体部分或いは自動車の風防ガラス及び他のガラスが扱われている。箔登録標識は少なくとも一つの層、特に多層と少なくとも一つの接触なし読取り可能なデータ担体、例えばチップモデルを有する。少なくとも一つの層が少なくとも部分的に電気伝導性であるのに対して、通常の層が電気的に非伝導性である。電気伝導性層がスリット状中断部を備えていて、それにより電気伝導性層がアンテナになる。この場合に、アンテナは少なくとも一つのスリット状中断部を備える電気伝導性層によって実現できる。それによって伝送する、特にデータ担体の信号を読み取る別のアンテナをもはや必要としない。電気伝導性層内のスリットが登録標識の外面から認識できない、というのは、電気伝導性層が比較的薄く形成され得るからであり、これによりスリットが決して付着しない、というのは、スリットの領域では伝導性層が単に非伝導性でなければらないからである。スリット状中断部を備える電気伝導性層により形成されたアンテナは、磁界を発生させるか、或いは磁界により稼働できるデータ担体としてのデータ担体の形成によって、特にデータの有効なワイヤなし伝送であることが明らかになる。登録標識のこの特別な形成の際に、アンテナが同時に増幅器として作用することが示された。
【0016】
この発明の好ましい実施態様は、データ担体を電気的に絶縁して電気伝導性層のスリット状中断部の内部に収納することを企図する。それによって登録標識の電気伝導性層を備えるデータ担体の電気伝導接続部が存在していない。その代わりに、この発明によると、登録標識の電気伝導性層に対するデータ担体の電磁的連結が生じ、それによってスリット状中断部を備える電気伝導性層が誘導的アンテナとして、特にデータ担体用の増幅器として用いられ得る。
【0017】
好ましくは、登録標識の伝導性層からのデータ担体の電気的絶縁が行われる、というのは、データ担体のすべての伝導性成分が少なくとも部分的電気伝導性層のスリット状中断部の境界から間隔を置かれているからである。
【0018】
登録標識の他の構成では、データ担体を基礎部材の少なくとも一つの他の非伝導性層によって電気伝導性層の中断部に固定することが企図されている。それによりデータ担体の簡単且つ確実な耐久性中断部が登録標識の電気伝導性層内部に形成されている。
【0019】
データ担体を電気伝導性層の対向位置する側面に配置された二つの非伝導性層によって電気伝導性層のスリット状中断部内或いは上に固定することが考慮できる。それによってデータ担体が完全に基礎部材に埋め込まれている。データ担体に関する操作は可能でない;というのは、少なくとも一つの層の損傷を強制的に導き得て、それによって操作が容易に確認できただろうからである。
【0020】
好ましくは、データ担体を固定するのに用いられる少なくとも一つの層が一つの被覆或いは自己付着性箔である。一つの箔の片面には少なくとも部分的電気伝導性層が例えば蒸着によって塗布される。蒸着の際に、すぐにスリット状中断部が電気伝導性層に形成され得る。この形式では、アンテナが非伝導性担体箔にスリット状中断部を備える電気伝導性層を部分的に塗布することによって非常に簡単に形成され、この場合に、データ担体或いは中断部の少なくとも一方の領域に電気伝導性被膜が蒸着されない。
【0021】
この発明の好ましい形成によると、登録標識の少なくとも一つの層に独創性特徴事項を付属することが考慮できる。この独創性特徴事項は特にホログラムとして形成され得る。そのようなホログラムは偽造するのに非常に費用がかかる。それ故に、登録標識が特に操作確実になる。独創性特徴事項が好ましくは、電気伝導性層に付属されている。
【0022】
箔登録標識の際にも、接触なしに読取り可能なデータ担体が受動的チップ、特に受動的無線周波数識別チップ(FRIDチップ),少なくとも一つのコイルと担体を有する。そのようなデータ担体が比較的小さく製造され、それによってデータ担体が容易に登録標識の電気伝導性層のスリット状中断部内に収納できる。
【0023】
この発明の好ましい実施例は、次に図面に基づいて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】アルミュウム薄板製登録標識部材と一体化されたデータ担体とを備えるこの発明の登録標識を示す。
【図2】図1の登録標識の横断面を示す。
【図3】データ担体を平面図で示す。
【図4】登録標識の第二実施例を図1による表示で示す。
【図5】登録標識の第三実施例を図1による表示で示す。
【図6】登録標識の第四実施例を図2による表示で示す。
【図7】登録標識の第五実施例を図2による表示で示す。
【図8】この発明の第六実施例による平らな登録標識を通る横断面を示す。
【図9】この発明の第七実施例による箔状登録標識を図8に類似する横断面を示す。
【図10】この発明の第八実施例による箔状登録標識を平面図で示す。
【図11】図10の箔状登録標識を通る横断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1乃至7に示された登録標識10はアルミュウム薄板製のプレート状登録標識部材11を有する。登録標識10は長方形に形成されていて、その規格外れが通常の自動車登録標識に相当する。登録標識部材11は縁12に循環する折り部13を備えている。この折り部13は変形方法によって、特に刻印によって登録標識部材11に取付けられる。
【0026】
この種の登録標識10、所謂ナンバープレートが通常には自動車の前後に、しかも車体或いはバンパーの少なくとも一方に取付けられる。そのために、登録標識10が複数の固定孔15を有する。
【0027】
折り部13によって限定された前面14の内部に登録標識部材11がラベル貼付け領域22を有する。ラベル貼付け領域22上に登録標識10のラベル23が存在する。ラベル貼付け領域22にラベル23を取付けることは、特に同様に刻印によって行われる。
【0028】
ラベルは任意であり、即ち図1、4と5に示された例に限定されていない。特に文字、数と符号の各組合せが可能であり、ラベル23を形成させる。
【0029】
登録標識10はトラスポンダーを有する。トラスポンダーはアンテナ17と受動的データ担体20を有する。データ担体20の記憶されたデータがアンテナ17によって接触なしに読み取りできる。データ担体20は登録標識10が属する自動車の選別されたデータを有する。データ担体20は、ここで受動的無線周波数識別チップ(FRIDチップ)として形成されている受動的チップ74、電気伝導的にチップ74に接続されているコイル75と担体箔或いは担体部材として形成され得る(図3)非伝導性材料、例えば合成樹脂から成る担体76とを有する。データ担体20を形成する受動的FRIDチップは、800MHZと1000MHZの間の周波数範囲で作動する。FRIDチップはアンテナ17を介して誘導的に連結される磁界を発生させる。
【0030】
アンテナ17は登録標識部材11を形成するために、電気伝導性登録標識部材11の内部に、即ちアルミュウム薄板内にスリットを有する。それによりアンテナ17はスリット18を備える登録標識部材11により形成されている。
【0031】
スリット18は図1の実施例で登録標識部材11の上縁16からこの上縁16に対しておよそ垂直に登録標識部材11の中へ延びている。それによってスリット18が片面において開放する。しかし、スリット18は登録標識部材11の各他の縁からも出発できる。スリット18の開放側面に対向位置している端部では登録標識部材11の内部に中断部19が配置されている。この中断部19はスリット18の登録標識部材11に位置して閉鎖された端部を拡大する。この場合に、中断部19はデータ担体20の構成或いは基面と一致するので、データ担体20が中断部19に挿入できる、即ち中断部19の限定面により包囲される、特に循環隙間が中断部19とデータ担体20の間にある。データ担体20は登録標識部材11の非伝導性担体76により電気的に絶縁されている。この形式では、アンテナ17にデータ担体20を誘導的に連結することを生じる。
【0032】
前記形式に形成されたアンテナ17は登録標識10の際に同時にチップ74の信号用の増幅器として用いられ、それによって登録標識10から比較的大きな間隔を備える該当データが読み取られる。
【0033】
登録標識10はラベル23を備える前面上に自己接着性で特に反射する箔として形成された被覆を有する。箔24は登録標識10の全前面14を覆う。それ故に、中断部19を有するスリット18とデータ担体20が完全に箔24により覆われている。金属伝導性構成部材を備える反射箔24の場合には、データ担体20、中断部19とスリット18が存在する反射箔24が非金属化領域83を備えているか、或いは層構成では、データ担体20、中断部19とスリット18の領域に反射箔24が非伝導性であるように、変更されたことが企図されている。それ故に、反射箔24がスリット18の全領域に中断部19を含めて完全に非伝導性である。好ましくは、反射箔24がスリット18と中断部19或いはデータ担体20に限定する縁領域に貫通して電気非伝導性に形成されて、特に非金属化される。
【0034】
登録標識部材11の裏面26上に非伝導性接着材25が配置されている。示された実施例では(図2)、この接着材25が少なくとも中断部19を備えるスリット18の領域とスリットに配置されたデータ担体20とを覆う。けれども、接着材25は大きな領域を覆うか、或いは登録標識10の全裏面26を覆う自己付着性箔として形成されている。
【0035】
データ担体20、特に担体76は、登録標識部材11が厚いような高さである。これによりデータ担体20を前面14上に塗布された箔24と裏面26上に塗布された接着材25との間に中断部19の内部に平らに結合して中断して固定する(図2)ことが可能である。
【0036】
図3に示された担体76は丸い基板を有し、しかも中断部19と同様である。しかし、担体76とその担体に一致する中断部19とが任意の他の幾何学的構成を備える基面を有する。中断部19の平面は幾何学的にデータ担体20の基面、即ち担体76と一致する。中断部19は示された実施例では担体76より大きく、それによって担体76が循環隙間により包囲されている。
【0037】
図4は、図1と2とは、変更されたスリット77によって相違している登録標識10を示す。このスリット77は両面に閉鎖された端部を有する。スリット77は登録標識部材11の下縦縁までの平行な僅かな間隔により延びていて、しかもラベル貼付け領域22の領域に延びている。示された実施例では、直線状スリット77がラベル23と折り部13の間に登録標識10の下縦縁に位置する。
【0038】
スリット77の一端には中断部19が付属されていて、この中断部はデータ担体20の基面、即ち担体76と一致するように、形成されている。中断部19は図1と2の実施例の際と同様に形成されている。データ担体20は図3に示されたデータ担体20に一致する。
【0039】
図5の登録標識10は前もって記載された実施例の登録標識10とは、スリット78が他の経過を有することを相違している。このスリット78は両端部において閉鎖されるが、直角に屈曲され、しかも特に中心に屈曲される。それによってスリット78の半部が縦縁の領域に延びているのに対して、スリット78の他の部分が登録標識10の短い横縁と平行に延びている。スリット78の閉鎖された一端には再び中断部19が付属されていて、中断部はデータ担体20に一致して形成されている。示された実施例では、データ担体20を備える中断部19が屈曲されたスリット78の同じ端部に存在し、このスリットは登録標識部材11の縦縁に付属されている。しかし、データ担体20を備える中断部19はスリット78の同じ端部に存在し、スリットは登録標識部材11の短い横縁に付属されている。データ担体20は図3に図示されるように、形成されている。図1乃至3の記載に関連している。
【0040】
図6の登録標識10は、前もって記載された実施例の登録標識とは、データ担体20が図3に図示され且つ記載されるように基本的に形成されていて、収容窪み79に配置されていることを相違する。収容窪み79は折り部13のように薄板から形成された登録標識部材11に刻印され、しかも登録標識部材11の前面14から刻印され、それによって収容窪み79が登録標識10の前面14において開放している。それによってデータ担体20が前面14から収容窪み79に挿入できる。収容窪み79の深さは、データ担体20の登録標識10の前面14に向く上面がおよそ登録標識10の前面14と結合して終えている。
【0041】
収容窪み79は登録標識部材11のスリットの一端に付属されている。スリットのこの端部が中断部19を有しないものを使用し、中断部19がこの実施例では収容窪み79によって交換される。収容窪み79がスリット18、77或いは78の一端に存在する。収容窪み79は登録標識部材11の各スリット18、77或いは78の端部に刻印されていて、それによって収容窪み79の床壁80が各スリット18、77或いは78の端部により形成された貫通開口81を有する。この開口81はデータ担体20の担体76の寸法より小さい少なくとも幅であり、それによってデータ担体20が収容窪み79の床壁80における貫通開口81を通して通過しない。
【0042】
示された実施例では、収容窪み79が登録標識部材11に刻印されて、その後に前面14が既に箔24を備えている。反射箔を扱っている箔24が収容窪み79の床壁80の上に延びている。この場合には、データ担体20は非伝導性物質、例えば接着材82によって固定されている。接着材82は、示された実施例では、担体76とそれに比べて大きな収容窪み79の間にデータ担体20の環状周りに包囲する中間空間を充填するので、データ担体20と接着材82によって収容窪み79が完全に充填されている(図6)。ここで示された実施例では、箔24が収容窪み79とデータ担体20の領域で非金属化されなく使用する。収容窪み79には登録標識10の前面14からラベルが貼付けられる。
【0043】
図7は登録標識10の他の実施例を示し、それは図6の登録標識のように、収容窪み79を有する。収容窪み79は図6の登録標識におけるのと正確に形成されていて、それ故に、収容窪みが同じ参照符号を備えている。特に収容窪み79の床壁80がここで一つの開口81を有し、この開口がスリット18、77或いは78の一端から形成されている。
【0044】
図6の実施例と相違して、図7の実施例では、箔24が登録標識部材11の前面14に貼付けらる前に、収容窪み79が登録標識部材11に刻印される。それによって収容窪み79の内面が箔24により被覆されていない。データ担体20がむしろ被覆されていない収容窪み79に挿入されている。この場合には、電気非伝導性絶縁体が登録標識部材11の伝導性薄板とデータ担体20の間に非伝導性材料によって考慮される。データ担体20は収容窪み79にしっかりと貼付けられていない。むしろ、データ担体20は床壁80の開口81を部分的に包囲する部分上の下面に置かれているのに対して、データ担体20は図7に示された登録標識10の際に収容窪み79上にしかも平らに延びている箔24によって上面に保持されている。示された実施例では、箔24の際に、伝導性特性を備える反射箔が取り扱われている。それ故に、反射箔がデータ担体20或いは収容窪み79の領域に非金属化された領域83によって電気非伝導性である。それによって収容窪み79に配置されたデータ担体20が増幅された信号を発送でき、この信号は登録標識10から比較的大きな間隔を置いて読取り装置により受信され得る。
【0045】
スリット18、77或いは78は、登録標識部材11を形成するために薄板の1.5倍乃至2倍の厚さに一致する幅を有する。それ故に、薄板厚さに応じてスリットが1.5mmと2.5mmの間、特におよそ2mmの幅を有する。スリットの長さは100mmと200mmの間、特におよそ160mmである。データ担体20が6mmと10mmの間の領域に位置し、特におよそ8mmである。データ担体20、特に担体76の厚さが登録標識10の場合におよそ登録標識部材11の薄板厚さに一致できる。
【0046】
他のこの発明の登録標識30は図8を示す。登録標識30は図1乃至7のナンバープレートを図示した登録標識10と同じフォーマットを有する。けれども、登録標識30は箔登録標識として形成されている。そのような箔登録標識は自動車の車体或いはバンパーの前或いは後の少なくとも一方に取付けられ、しかもフレームに収容されるか、或いは貼付けられる。
【0047】
登録標識30は受動的データ担体38と場合によっては増幅器として用いられるアンテナ36とを有する。この場合に、アンテナ36とデータ担体38は、先行実施例のアンテナ17とデータ担体20のように形成されていて、それぞれに各同じ機能を満たすか、或いは同じ特性を有する。
【0048】
登録標識30は複数のから形成されている基礎部材31を有する。この場合に、非伝導性担体層32は登録標識30を形成して安定化するのに用いられる。この薄い或いは箔状担体層32は熱可塑性合成樹脂から成り、一つの側面により登録標識30の裏面40を形成する。担体層32には電気伝導性層33が塗布されて、その上にこの電気伝導性層33を保護するために、カバー層39が配置されている。カバー層39は示された実施例では、反射する表面を備える自己付着性箔として形成されている。登録標識30の外部から接近する前面41にはカバー層39上にラベル42が塗布され、例えば押圧されている。
【0049】
電気伝導性層33はスリット状中断部34を有する。このスリット状中断部34の領域では、電気伝導性層33が非伝導性である。スリット状中断部34が電気伝導性層33の一つの縁から、特に登録標識30の縁35から登録標識30における縁35に垂直に延びている。それ故に、スリット状中断部34が登録標識30の縁上に位置する一端に開放している。これに対して、スリット状中断部34の登録標識30に対向位置している端部が閉鎖されている。スリット状中断部34が電気伝導性層33にアンテナ36の特性を与えて、それぞれのデータ担体38のチップ74が接触なしに読み取られる。
【0050】
内側位置する閉鎖端には、スリット状中断部34が電気伝導性層33の拡大部37を有する。この拡大部37の領域には、データ担体38が配置されている。この場合に、拡大部37がデータ担体38の構成或いは基面と一致する。好ましくは、拡大部37がデータ担体38よりおよそ大きいので、データ担体38が拡大部37の限定部に対して環状周りに間隔を置かれている。
【0051】
電気伝導性層33は電気伝導性材料を非伝導性箔上に蒸着することによって形成されている。スリット状中断部34と拡大部37の領域には、非伝導性箔が蒸着されないので、この領域には、電気伝導性層33が存在しなく、それによってスリット状中断部34と拡大部37が形成されている。選択的に中断部34と拡大部37が全体電気伝導性層33によって形成されている。
【0052】
データ担体38が電気伝導性層33のスリット状中断部34の拡大部37の内部に電気伝導性層33の片側面上のカバー層39と電気伝導性層33の他側面上の担体層32とによって固定されている。データ担体38は電気伝導性層33とおよそ同じ厚さであり、それによってデータ担体がスリット状中断部34に収納でき、データ担体が電気伝導性層33の前面と裏面に対して突き出さなく、それによって登録標識30の外面により認識できない。この目的のために、データ担体38の担体76が箔状に形成されている。
【0053】
図8の表示と相違して、スリット状中断部34が図4と5のスリット77或いは78の基面を備えて直線状帯として或いは屈曲された帯として形成されているので、スリット状中断部34は両側に閉鎖され得る。拡大部37がスリット状中断部34の一端に配置されている。
【0054】
登録標識50の他の実施例の構成は図9を示す。登録標識50は先行実施例(図8)のように箔登録標識として形成されている。登録標識50もデータ担体54とアンテナ59を備えている。この場合に、データ担体54とアンテナ59が形成されて、図8の実施例のデータ担体38とアンテナ36と同じ特性を有する。
【0055】
登録標識50は非伝導性担体層51を有する。この担体層51上に電気伝導性層52が塗布されている。この電気伝導性層52上に非伝導性カバー層55が配置されている。このカバー層55が自己付着性箔或いはラッカー層から成る。
【0056】
登録標識50の外部から視覚できる前面56上にラベル57が設けられ、特に押圧される。外部からの機械的影響からラベル57を保護するために、追加的非伝導性保護層58が設けられている。この保護層58は、ラベル57の読取り性に影響させることなしに、透明である。この保護層は示された実施例では、自己付着性箔であるが、しかし、ラッカー層でもある。
【0057】
電気伝導性層52は、アンテナ59を形成する、即ち言い換えると、電気伝導性層52がアンテナ59として、場合によっては増幅器としても用いられることを導く中断部53を有する。中断部53は、先行実施例では、拡大部を備える片面に開放するスリット状中断部53として閉鎖端部に形成されているので、しかし、中断部が両面にも閉鎖される。
【0058】
電気伝導性層52のスリット状中断部53の内部に受動的データ担体54が取付けられている。データ担体54は中断部53のすべての限定部より間隔を置かれていて、それによって電気式且つ機械式に電気伝導性層52により分離されて絶縁されている。登録標識50の際にも、データ担体が担体層51とカバー層55の間に配置されているので、担体層51とカバー層55によりデータ担体54が中断部53の固定されている。
【0059】
この発明の登録標識60の他の実施例は図10と11を示す。この登録標識60は先行実施例の登録標識10、30、50より小さい。そのような登録標識60は好ましくは、自動車のガラス板上の追加登録標識として貼付けられる。例えば登録標識60が風防ガラス70の内面に貼付けられ、しかも登録標識が外部から視覚できる。
【0060】
登録標識60はデータ担体66とアンテナ71を有する。データ担体66は、前記実施例の際のように、受動的RFIDチップ74であり、このチップが800MHZ乃至1000MHZの周波数範囲で作動して磁界を発生させる。データ担体66は登録標識60が属する自動車のデータも維持する。これらデータはアンテナ71によって接触なしに読み取りできる。
【0061】
登録標識60は箔状登録標識60として形成されている。登録標識は基礎部材61を有し、基礎部材が複数の層から成る。非伝導性担体層62上に登録標識60のラベル63が貼付けられる。担体層62のラベル63を支持する側面上に非伝導性接着材層64が設けられている。担体層62上に電気伝導性層65が存在する。電気伝導性層65は接着材層64によって担体層62と接続されている。このために、基礎部材61が非伝導性カバー層68を有し、カバー層68が電気伝導性層65上に塗布されている。
【0062】
電気伝導性層65は示された実施例では、金属化箔或いは金属層により蒸着された非伝導性箔から成る。電気伝導性層65は視覚できる独創性登録標識、例えば図に詳細に図示されていないホログラムを有する。ホログラムとラベル63の視覚性を保証するために、接着材層64と担体層62が透明である。
【0063】
電気伝導性層65はスリット状中断部67を有する。スリット状中断部67は電気伝導性層65と共にアンテナ71を形成する。スリット状中断部67はデータ担体66に付属されていて、データ担体は電気伝導性層65の内部のスリット状中断部67の拡大部72に配置されている。電気伝導性層65はスリット状中断部67と拡大部72の領域に、場合によってはそれに限定する縁領域に電気非伝導的に形成されている、というのは、ここで伝導性被覆が節約されるか、或いは電気伝導性層65が非金属化されるからである。データ担体66は拡大部72のすべての限定部73から間隔を置かれていて、それによって電気伝導性層65から少なくとも電気的に絶縁されている。それによってアンテナ71に或いは登録標識60の電気伝導性層65にデータ担体66を完全に接触なし誘導的連結することが行われる。
【0064】
カバー層68は電気伝導性層65の内部にデータ担体66を固定し、これを操作のために接近できない。その上、透明に形成されていないカバー層68がホログラム並びにラベル63用の光学背景として用いられる。
【0065】
登録標識60は通常には、登録標識が自動車の風防ガラス70の操作或いは除去の際に破壊されるように、構成されている。
【符号の説明】
【0066】
10.....登録標識
11.....登録標識部材
12.....縁
13.....折り部
14.....前面
15.....固定孔
16.....上縁
17.....アンテナ
18.....スリット
19.....中断部
20.....データ担体
21.....限定面
22.....ラベル領域
23.....ラベル
24.....箔
25.....接着材
26.....裏面
30.....登録標識
31.....基礎部材
32.....担体層
33.....電気伝導性層
34.....スリット状中断部
35.....縁
36.....アンテナ
37.....拡大部
38.....データ担体
39.....カバー層
40.....裏面
41.....前面
42.....ラベル
50.....登録標識
51.....担体層
52.....電気伝導性層
53.....中断部
54.....データ担体
55.....カバー層
56.....前面
57.....ラベル
58.....保護層
59.....アンテナ
60.....登録標識
61.....基礎部材
62.....担体層
63.....ラベル
64.....接着材層
65.....電気伝導性層
66.....データ担体
67.....スリット状中断部
68.....カバー層
69.....接着材層
70.....風防ガラス
71.....アンテナ
72.....拡大部
73.....限定部
74.....チップ
75.....コイル
76.....担体
77.....スリット
78.....スリット
79.....収容窪み
80.....床壁
81.....開口
82.....接着剤
83.....非金属化された領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのラベル領域(22)を有する平らな少なくとも部分的に電気伝導性登録標識部材(11)と、登録標識部材(19)のラベル領域(22)に付属されている少なくとも一つのラベル(23)とを備えて、登録標識部材(11)には接触なしに読み取り可能なデータ担体(20)とアンテナ(71)が付属されている自動車用登録標識において、データ担体(20)が磁界を発生させるデータ担体(20)であり、アンテナ(71)が少なくとも一つのスリット(18、77、78)を備えている登録標識部材(11)によって形成されていることを特徴とする登録標識。
【請求項2】
データ担体(20)が電気的に絶縁されてスリット(18、77、78)に付属されていて、特にスリット(18、77、78)の一端の領域に付属されていることを特徴とする請求項1に記載の登録標識。
【請求項3】
データ担体(20)が絶縁されてスリット(18、77、78)の内部に或いはスリット(18、77、78)に配置されていて、特にデータ担体(20)の電気伝導性構成部材がスリット(18、77、78)の限定面(21)から間隔を置かれていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の登録標識。
【請求項4】
データ担体(20)が誘導的にスリット(18、77、78)に連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項5】
スリット(18、77、78)が一つの中断部(19)を有し、特に中断部(19)がスリット(18、77、78)を閉鎖された端部の領域にて増大することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項6】
データ担体(20)が登録標識部材(11)のスリット(18、77、78)の中断部(19)の領域に存在することを特徴とする請求項5に記載の登録標識。
【請求項7】
データ担体(20)が登録標識部材(11)に埋め込まれて、特にスリット(18、77、78)に或いは中断部(19)に固定されて、特に登録標識部材(11)上の少なくとも一つの被覆(24)により固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項8】
少なくとも一つの視覚できる被覆(24)が特に自己付着性反射箔として形成されていて、この反射箔は特にデータ担体(20)または中断部(19)或いはスリット(18、77、78)の少なくとも一方の領域に、反射箔が非伝導性構成部材を有するように、形成されていることを特徴とする請求項7に記載の登録標識。
【請求項9】
データ担体が登録標識部材(11)の収容窪み(79)内に配置されていて、この収容窪み(79)が好ましくはスリット(18、77、78)の一端に付属されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項10】
収容窪み(79)が床壁(80)を有し、スリット(18、77、78)の一端が床壁に延びているか、或いは床壁(80)がデータ担体(20)より小さい開口(81)を有することを特徴とする請求項9に記載の登録標識。
【請求項11】
データ担体(20)が一つのチップ(74)、特に受動的無線周波数識別チップ(RFIDチップ),少なくとも一つのチップと電気伝導的に接続されたコイル(75)と絶縁性或いは非伝導性材料から成る担体(76)を有することを特徴とする請求項1に記載の登録標識。
【請求項12】
登録標識部材(11)が電気伝導性金属化材料、特にアルミュウム或いはアルミュウム合金から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の登録標識。
【請求項13】
複数の層を有する一つの基礎部材(31)を備えて、一つの層がラベル(42)を備えていて、そしてアンテナ(36、59、71)が付属されている接触なしに読み取り可能なデータ担体(38、54、66)を備える、自動車用登録標識において、データ担体(38、54、66)が磁界を発生させるデータ担体(38、54、66)として形成されていて、アンテナ(36、59、71)が少なくとも一つのスリット状中断部(34、53、67)を備える少なくとも一つの少なくとも部分的電気伝導性層(33、52、65)から電気伝導性層(33、52、65)の内部に形成されていることを特徴とする登録標識。
【請求項14】
データ担体(38、54、66)が電気的に絶縁されて、電気伝導性層(33、52、65)のスリット状中断部(34、53、67)の内部に、特にスリット状中断部(34、53、67)の一端の領域に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の登録標識。
【請求項15】
データ担体(38、54、66)がスリット状中断部(34、53、67)の限定部から間隔を置かれていることを特徴とする請求項13或いは14に記載の登録標識。
【請求項16】
スリット状中断部(34、53、67)が拡大部(37、72)を有し、データ担体(38、54、66)がスリット状中断部(34、53、67)の拡大部(37、72)内部に配置されていることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項17】
データ担体(38、54、66)がスリット状中断部(34、53、67)の内部に、特に拡大部(37、72)に、特に基礎部材(31)の少なくとも一つの非伝導性層によって固定されていることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項18】
少なくとも一つの非伝導性層が自己付着性箔、特にデータ担体(38、54、66)、スリット状中断部(34、53、67)や拡大部(37、72)の領域において非金属化されている反射箔であることを特徴とする請求項17に記載の登録標識。
【請求項19】
電気伝導性層(33)が基礎部材(31)の一つの非伝導性層上に塗布されて、特に蒸着されていることを特徴とする請求項13乃至18のいずれか一項に記載の登録標識。
【請求項20】
データ担体(38、54、66)が一つのチップ、特に受動的無線周波数識別チップ(RFIDチップ),少なくとも一つのチップと電気伝導的に接続されたコイルと絶縁性或いは非伝導性材料から成る担体を有することを特徴とする請求項13乃至19のいずれか一項に記載の登録標識。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−507896(P2012−507896A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533624(P2011−533624)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007902
【国際公開番号】WO2010/051980
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(511109124)ヨット・ハー・テンイェス・エー・アー・エス・テー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】