説明

自動車用レーダーのためのデュアルバンドアンテナアレイおよびRFフロントエンド

【課題】デュアルバンドアンテナアレイと長距離狭帯域レーダーおよび短距離超広域レーダーを結合するRFフロントエンドとを有する低コストの3次元集積自動車用レーダーを提供する。
【解決手段】自動車用レーダーは、上面と底面を有する印刷回路基板と、印刷回路基板の底面にマウントされたプロセッサとを含む。自動車用レーダーはさらに、印刷回路基板の上面に形成された第2の液晶ポリマー層と、パッチを有しかつこの第2の液晶ポリマー層上に印刷された第2のマイクロストリップアレイと、第2の液晶ポリマー層上に形成された第1の液晶ポリマー層と、有孔パッチを有しかつ第1の液晶ポリマー層上に印刷された孔第1のマイクロストリップアレイと、さらに、第2の液晶ポリマー層の底面に接続され第1のマイクロストリップアレイに第1の周波数の信号を第2のマイクロストリップアレイに第2の周波数の信号を送信する送信/受信モジュールとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2008年4月4日出願の「3次元集積自動車用レーダーおよびその製造方法」と題され、本譲受人に譲渡され、かつここに参照によって明示的に組み込まれる同時継続中の米国出願第12/098,283号に基づいて優先権を主張し、かつその部分継続出願である。
【0002】
本発明は、低コストの3次元集積自動車用レーダーおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、自動車用レーダーのデュアルバンドアンテナアレイおよびRFフロントエンドに関し、このRFフロントエンドは長距離狭帯域レーダーと短距離超広帯域レーダーとを結合するものである。
【背景技術】
【0003】
自動車用レーダーシステムは、現在、多くの高級車に備え付けられている。自動車用レーダーシステムは、過去数年にわたり、交通条件に合わせて自動車の速度を検知しかつ調整するために、知的走行制御システムと共に用いられてきた。今日、自動車用レーダーシステムは、衝突回避のために自動車の周囲をモニタするための能動的安全装置と共に使用されている。現在の自動車用レーダーシステムは、長距離用(適応走行制御および衝突警告のために)および短距離用(衝突前、衝突緩和、駐車支援、見えない場所の検出等)に分けられる。例えば24GHz短距離レーダーシステムおよび77GHz長距離レーダーシステムの、典型的には15×15×15cmの大きさの二個あるいはそれ以上のレーダーシステムが、長距離および短距離検出を提供するために使用される。
【0004】
従来の自動車用レーダーシステムは幾つかの欠点を有している。例えば、従来では複数のレーダーシステムが別個に自動車に取付けられるので、かなりのスペースが必要であり、無駄が多い。レーダーシステムを追加する毎に、各レーダーシステムの実装および組立てのコストが増加する。各レーダーシステムを適正に動作させるために、各レーダーシステムの上部に配置する機材は、その機材がRFに対して透明であるように注意して選択する必要がある。複数のRF透明領域が車両のフロント、サイドおよびリアにおいて必要であるため、多重レーダーシステムのコストはさらに増加する。このように、レーダーシステムの数が増加すると、実装、組立て、取付けおよび機材コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、デュアルバンドアンテナアレイと、長距離狭帯域レーダーおよび短距離超広域レーダーを結合するRFフロントエンドとを有する、低コストの3次元集積自動車用レーダーに対する必要性が、この技術分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、デュアルバンドアンテナアレイと、長距離狭帯域レーダー(例えば、77GHz)および短距離超広域レーダー(例えば、24GHz)を結合するRFフロントエンドと、を形成する、低コストでコンパクトな3−D集積自動車用レーダーである。このコンパクトな3−D集積自動車用レーダーは、製造、組立ておよび取付けコストを著しく減少する。さらに、3−DRF組立て技術を使用することによって、アンテナとチップ間での必要な接続数および移行数が最小化され、そのためレーダーのノイズおよび感度が改善される。さらに、コンパクトな3−D集積自動車用レーダーは、車両上に、レーダーセンサを取付けるために必要な空間(例えば、フロントおよびリアバンパー)、配線および車両上の複数の位置におけるRF透明機材を減らす。
【0007】
一実施形態において、自動車用レーダーは、上面および底面を有する印刷回路基板、この印刷回路基板の底面にマウントされたプロセッサ、印刷回路基板の上面に形成された第2の液晶ポリマー層、第2の液晶ポリマー層上に印刷されかつパッチを有する第2のマイクロストリップアレイ、第2の液晶ポリマー層上に形成された第1の液晶ポリマー層、第1の液晶ポリマー層上に印刷されかつ有孔パッチを有する第1のマイクロストリップアレイ、および第2の液晶ポリマー層の底面に接続されかつ第1の周波数の信号を第1のマイクロストリップアレイに送信し第2の周波数の信号を第2のマイクロストリップアレイに送信するように構成された送受信モジュール、を備えている。
【0008】
他の実施形態において、自動車用レーダーは、上面、底面および空洞を有する印刷回路基板、印刷回路基板の上面に配置されかつ複数のパッチを有する下部層、および複数のパッチに接続されかつ下部層上に配置された下部マイクロストリップフィード、を備えている。この自動車用レーダーはさらに、下部層の上に配置されかつ複数のパッチを露出するように複数の孔を備えた1個のパッチを有する上部層と、パッチに接続されかつ上部層上に配置された上部マイクロストリップフィード(給電体)と、および印刷回路基板の空洞中に配置されかつ第1の周波数を有する第1の信号を上部マイクロストリップフィードに送信し、第2の周波数を有する第2の信号を下部マイクロストリップフィードに送信するように構成された送信モジュールと、を備えている。
【0009】
本発明の特徴、目的および利益は、図面と共に以下に述べる詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る低コスト、コンパクトレーダーの斜視図であり、このレーダーは、共通の接地板(グランドプレーン)上に配置された少なくとも2個の結合層で構成されたデュアルバンドアレイを有する3次元集積構造を利用する。
【図2】本発明の一実施形態に係る低コスト、コンパクトレーダーの上面図であり、このレーダーは、共通の接地板上に配置された少なくとも2個の結合層で構成されたデュアルバンドアレイを有する3次元集積構造を利用する。
【図3】本発明の一実施形態に係る低コスト、コンパクトレーダーの展開図であり、このレーダーは、共通の接地板上に配置された少なくとも2個の結合層で構成されたデュアルバンドアレイを有する3次元集積構造を利用する。
【図4】本発明の一実施形態に係るレーダーの3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図であり、このレーダーは印刷回路基板(PCB)上に形成されている。
【図5】本発明の他の実施形態に係るレーダーの3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図であり、このレーダーにおいて、第2の層がPCBに直接取付けられておりかつ実装されたT/Rモジュールが第2の層の底面にフリップチップにより取付けられている。
【図6A】本発明の一実施形態に係るビアフェンスの断面図であり、このビアフェンスは、第1のパッチアレイと第2のパッチアレイとの間の分離を提供するために用いられる。
【図6B】本発明の一実施形態に係るビアフェンスの上面図であり、このビアフェンスは、第1のパッチアレイと第2のパッチアレイとの間の分離を提供するために用いられる。
【図7】本発明の他の実施形態に係るレーダーの3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図であり、このレーダーは77GHzパッチアレイの下側に位置する77GHz開口フィードを有している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の種々の特徴の実施形態を実現する装置、システムおよび方法について、以下に図面を参照して説明する。図面およびそれに関連する説明は、本発明の幾つかの実施形態を説明するために提供されるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。各図面において、参照番号は、参照された要素間の対応を示すために再使用される。この開示のために、用語“パッチ”は用語“アンテナ”と同義的に用いられている。
【0012】
図1、2および3は、低コストコンパクトレーダー100の斜視図、上面図および展開図であり、このレーダー100は、本発明の一実施形態に従って、共通接地面120上に配置された少なくとも2個の結合層106および107によって形成されたデュアルバンドアレイ105を有する、3次元集積構造を利用している。デュアルバンドアレイ105は、第1の層106(例えば、最上層あるいは上部層)と第2の層107(例えば下部層)とを含んでいる。一実施形態では、第1の層106と第2の層107は共に結合され、それぞれ約4ミル(101,6μm)の厚さを有している。第1の層106と第2の層107は、液晶ポリマー(LCP)、低温同時焼結セラミック(LTCC)、パリレンN誘電体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)セラミック、PTFEグラスファイバ材料、あるいは多層構造を形成するために積層可能な薄膜(約2−4ミル厚(50,8−101,6μm))の金属化層を形成可能なその他の全ての材料、によって形成することができる。レーダー100は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、ミドルウエア、マイクロコードあるいはこれらの組み合わせの全て、を使用して実現することができる。一個またはそれ以上の要素の位置を変えおよび/または結合することが可能で、さらに他のレーダーを本発明の精神および範囲を維持しながらレーダー100に代わって使用することができる。本発明の精神および範囲を維持しながら、レーダー100に要素を追加することができ、あるいは取り除くことができる。
【0013】
第1の層106は、24GHz動作の直列マイクロストリップパッチアレイ110を有している。パッチアレイ110は一個またはそれ以上の有孔パッチ111(即ち、アンテナ)を含んでおり、このパッチにおいてそれぞれの孔即ち開口112は約1.4ミリ角の開口であり、この開口は、第2の層107にあるいはその上に位置する77GHzパッチ113(即ち、アンテナ)を露出させる。なお、第2の層107は、77GHz動作の直列マイクロストリップパッチアレイ115を有している。77GHz直列マイクロストリップパッチアレイ115は、第2の層107上に印刷されていても良い。一実施形態では、各有孔パッチ111は約3.6ミリ角であり、各パッチ113は約1.2ミリ角である。パッチ111は、コネクタ114を介して相互に接続されている。各開口112の大きさは、パッチ111および113の放射効率において最も影響が小さいように、最適化されている。
【0014】
格子ローブを無くしかつサイドローブを低いレベルに保つために、第1のパッチアレイ110と第2のパッチアレイ115との間の間隔はλ0/2である。ここで、λ0は、24GHzおよび77GHzそれぞれの自由空間波長である。二つの波長間の比(77/24≒3)に基づいて、四個の77GHzパッチ113が、一個の24GHzパッチ111の外側境界内に配置されている。さらに、二個の77GHzパッチ113が隣接する二つの24GHzパッチ111間に配置されている。
【0015】
図4は、本発明の一実施形態に従って、印刷回路基板(PCB)109上に形成されたレーダー100の3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図である。一実施形態では、パッケージング層108がPCB109上に形成されている。パッケージング層108はLCPで形成され、かつT/Rモジュール141を実装するために使用される。例えば、パッケージング層108は、T/Rモジュール141を保持する空洞140を有していても良い。さらに、IFフィルタをパッケージング層108に埋め込んでもあるいはその上に形成しても良い。一実施形態では、T/Rモジュール141は両方の周波数あるいは多重周波数で使用することができる。
【0016】
第2の層107は、77GHzアレイ113とT/Rモジュール基板120との間に形成されても良い。第2のパッチ113のアレイは、第2の層107の上、あるいはその層の一部として形成される。マイクロストリップフィード122は、第2のパッチ113のアレイをT/Rモジュール141に接続する。マイクロストリップフィード122は、第2のビア124を介してT/Rモジュール141に移行する。第1の層106は、マイクロストリップフィード122および/または第2の層107の上に形成されても良い。第1の孔あきパッチ111(例えば、24GHzパッチ)のアレイは、第1の層106の上にあるいはその層の一部として形成されても良い。第1の層106上の孔112は比較的障害の無い放射を第2のパッチ113(例えば、77GHzパッチ)のアレイから通過させる。一実施形態では、それぞれの孔112は角状の開口(即ち、角の下部の円周が角の上部の円周よりも小さい)であり、これによって各パッチ113の放射効率を改善する。マイクロストリップフィード121は、第1のパッチ111のアレイをT/Rモジュール141に接続する。マイクロストリップフィード121は、第1のビア123を介してT/Rモジュール141に移行し、かつ、第1の層106上に形成され、あるいは第1の層106の一部として形成されても良い。第1の層106は、24GHz直列パッチアレイ110とマイクロストリップフィード121を含んでいても良い。マイクロストリップフィード121とマイクロストリップフィード122は、フィードコネクタのネットワークあるいはラインを含んでいても良い。
【0017】
第1の層106は一個またはそれ以上のマイクロストリップフィード121を有し、第2の層107は一個またはそれ以上のマイクロストリップフィード122を有している。マイクロストリップフィード121および122は、それぞれ、第1および第2の層106、107への接続体として使用される。一実施形態では、パッチアレイ110および115はマイクロストリップパッチアンテナを備えている。
【0018】
複数のチップおよび/または部品160(例えば、2個のシリコン−ゲルマニウム(SIGe)BiCMOSチップ)を、PCB109の底面119上に取付けても良い。複数のチップおよび/または部品160は、以下の一個またはそれ以上を含んでいても良い:デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタルクロック、温度制御装置、メモリ、マイクロプロセッサ、ダイナミックリンクライブラリ、DCポート、データポート、電圧制御発振器、PLL等。複数のチップおよび/または部品160は、ワイヤレスリンクあるいはPCB109上のコネクタ、トレースあるいはワイヤを介して相互に接続されていても良い。T/Rモジュール141からの出力信号170(即ち、デジタル、DC、IFあるいはRF信号)を、貫通ビア165(またはワイヤレスで接続されて)を使用して複数のチップおよび/または部品160に直接接続しても良い。
【0019】
T/Rモジュール141は、第2の層107の底面上にフリップチップ結合あるいは取付けしても良い。フリップチップ移行は、寄生インダクタンスが非常に小さくかつ従来のワイヤボンドに比べてロスが小さい。複数の放熱ビア162が、T/Rモジュール141に直接接続されており、第1および第2の層106、107を介して(熱を)通過させる。複数の放熱ビア162はT/Rモジュール141から熱を除去し、この熱を、第1の層106の上部表面116上に位置する排熱領域163に移送するために使用される。
【0020】
図5は、レーダー200の3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図であって、このレーダー200では、本発明の他の実施形態に従って、第2の層107がPCB109に直接取付けられており、パッケージされたT/Rモジュール141が第2の層107の底面117にフリップチップマウントされている。実装されたT/Rモジュール141からの出力信号170(例えば、デジタル、DC,IFまたはRF信号)を、ワイヤボンド166(あるいはワイヤレス接続)を使用して複数のチップおよび/または部品160に直接接続しても良い。この実施形態では、T/Rモジュール141は予めパッケージされており、それによって追加のLCP層(例えば、図4の108)は必要ない。
【0021】
図6Aおよび6Bは、ビアフェンス190(即ち、直線に沿って配置された複数のビア195)の断面図および上面図である。このビアフェンス190は、本発明に従って、第1のパッチアレイ110と第2のパッチアレイ115との間の分離に使用される。ビアフェンス190は二つの周波数間で高い分離を確実にする。ビア195は距離Dだけ離れていても良く、ここでDは、バンドギャップフィルタを形成するために変化し得る。バンドギャップ効果を得るために、ビア195に加えて、接地面120上に周期的構造をエッチングすることができる。これらのバンドギャップ効果の結果として、77GHz移行ライン上の24GHz信号をフィルタして除去することができ、またその逆も可能である。
【0022】
図7は、本発明の他の実施形態に係るレーダー300の3−D集積デュアルバンドRFフロントエンドの断面図である。このレーダー300は、77GHzパッチアレイ115の下側に配置される77GHz開口フィードアレイ133を有している。特に、複数の開口133が接地面120上に形成され、各開口133は77GHzパッチ113の下方に形成される。接地面120は、第2の層107の底面117上に形成されあるいは配置される。一実施形態では、77GHz開口フィードアレイ133は、77GHzマイクロストリップフィードアレイ122の場所と置き換えられ、77GHzマイクロストリップフィードアレイ122は第3の層103の底面上に取付けられあるいは印刷される。第3の層103は第1、第2の層106、107と類似している。従って、接地面120が24GHzパッチアレイ110を77GHzパッチアレイ115から分離し、それによって、24GHzラインと77GHzライン間の漏洩を最小とする、即ち減少させる。
【0023】
マイクロストリップフィード121は、第1の層106を第1(例えば24GHz)の送受信(T/R)モジュール141に接続するために使用され、マイクロストリップフィード122は第2の層107を第2(例えば77GHz)のT/Rモジュール142に接続するために使用される。第1のT/Rモジュール141は第1の層106の上面116上に形成されあるいは配置され、第1のマイクロストリップフィード121に接続されていても良い。第2のT/Rモジュール142は、第3の層103の底面104上に形成されあるいは配置され、第2のマイクロストリップ122と接続されていても良い。第1のT/Rモジュール141は複数のチップおよび/または部品にビア172を使用して接続され、第2のT/Rモジュール142はワイヤボンド166を使用して複数のチップおよび/または部品160に接続されている。放熱ストラップ162が、第1および第2のT/Rモジュール141、142から熱を取り除き、その熱をレーダー300の側面に配置された排熱領域163に輸送するために使用される。
【0024】
パッチアレイ110は、例えばマイクロストリップベースの配信ネットワークを介して、第1のT/Rモジュール141に接続され、パッチアレイ115は、例えばマイクロストリップベースの配信ネットワークを介して、第2のT/Rモジュール142に接続される。第1および第2のT/Rモジュール141および142は、T/Rモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)またはシリコン−ゲルマニウム(SiGe)BiCMOSチップであっても良く、これらは、以下の一またはそれ以上を含んでいる:T/Rスイッチ、低ノイズ増幅器(LNA)、可変利得増幅器(VGA)、電力増幅器(PA)、移相器、混合器、中間周波数(IF)増幅器、およびアナログ−デジタル(A/D)変換器。第1および第2のT/Rモジュール141および142は、一個のT/Rモジュール141に組み合わされても良い。第1のT/Rモジュール141は第1の周波数の信号(例えば、24GHz信号)を生成し、第2のT/Rモジュール142は第2の周波数の信号(例えば、77GHz信号)を生成しても良い。あるいは、以下に説明する一個またはそれ以上のチップまたは部品160が第1、第2の周波数の信号を生成することもできる。
【0025】
当業者は、ここに開示された事例と関連して記載されている種々の説明的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップが、電子的ハードウエア、コンピュータソフトウエアあるいはこれらの組み合わせによって実現可能であることを理解するであろう。ハードウエアとソフトウエアのこのような互換性を明瞭に説明するために、種々の説明的な部品、ブロック、モジュール、回路およびステップを、上記においてそれらの機能の観点から一般的に説明している。このような機能をハードウエアとしてあるいはソフトウエアとして実現するかに関しては、特定の応用およびシステム全体に果たされた設計上の制約に依存する。熟練した技術者であれば、特定の応用それぞれに、様々な方法で記載された機能を実現することができるであろう。しかしながら、このような実行の決断は、開示された装置および方法の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0026】
ここに開示された事例と関連して記載されている、種々の説明的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウエアコンポーネント、またはここに記載された機能を実行するように設計されたこれらの全ての組み合わせ、によって実現されかつ実施される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであって良いが、しかしその代わりに、プロセッサは従来の全てのプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたはステートマシンであっても良い。プロセッサはさらに、計算装置、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した一個またはそれ以上のマイクロプロセッサ、あるいはその他の全てのこのような構成、の組み合わせによって実現が可能である。
【0027】
ここに開示した事例に関係して記載されている方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウエアによって、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールによって、あるいはこれらの二つの組み合わせによって実現することが可能である。ソフトウエアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいはこの分野で周知の記録媒体中に存在するようにしても良い。典型的な記憶媒体は、プロセッサが記録媒体から情報を読み出し、情報を書き込むことができるように、プロセッサと結合されている。あるいは、記憶媒体はプロセッサに一体化されていても良い。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)中に組み込んでも良い。ASICはワイヤレスモデム中に存在していても良い。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ワイヤレスモデム中に独立の部品として存在していても良い。
【0028】
開示された事例の上記記載は、全ての当業者が開示された方法および装置を製造しかつ使用することを可能にするべく提供されている。これらの事例に対する種々の変更は、当業者が容易に理解することができるものであり、ここに開示した原理は、開示した方法および装置の精神および範囲を逸脱することなく他の事例に適用することができる。記載した実施形態は、全ての点において説明のためであり本発明を限定するものではなく、従って、本発明の範囲は上記記載よりもむしろ添付の請求の範囲によって示されるものである。請求の範囲の意味および等価の範囲内の全ての変更は、その範囲内であるとして受け入れられるべきである。
【符号の説明】
【0029】
105 デュアルバンドアレイ
106 第1の層
107 第2の層
110 第1のマイクロストリップパッチアレイ
111 有孔パッチ
112 開口
113 パッチ
115 第2のマイクロストリップパッチアレイ
120 接地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と底面を有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板の底面に取付けられたプロセッサであって、前記プロセッサは第1の周波数信号と第2の周波数信号を生成するように構成されたプロセッサと、
前記印刷回路基板の前記上面上に形成された第2の液晶ポリマー層と、
前記第2の液晶ポリマー層上に印刷されかつパッチを有する第2のマイクロストリップアレイと、
前記第2の液晶ポリマー層上に形成された第1の液晶ポリマー層と、
前記第1の液晶ポリマー層上に印刷されかつ有孔パッチを有する第1のマイクロストリップアレイと、および
前記第2の液晶ポリマー層の底面に接続された送信/受信モジュールであって、前記プロセッサに接続され、さらに前記第1のマイクロストリップアレイに前記第1の周波数の信号を送信し、前記第2の周波数の信号を前記第2のマイクロストリップアレイに送信するように構成された送信/受信モジュールと、を備える、自動車用レーダー。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記パッチは前記有孔パッチの直下に配置される、自動車用レーダー。
【請求項3】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記送信/受信モジュールは、前記第2の液晶ポリマー層の底面にフリップチップマウントされている、自動車用レーダー。
【請求項4】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、さらに、前記送信/受信モジュールから熱を取り除くために前記送信/受信モジュールに直接接続された複数の排熱ビアを供える、自動車用レーダー。
【請求項5】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記パッチは前記有孔パッチの外側境界内に位置している、自動車用レーダー。
【請求項6】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記第1の液晶ポリマー層は前記第2の液晶ポリマー層に結合されている、自動車用レーダー。
【請求項7】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記第2の周波数の信号は前記有孔パッチを介して前記パッチから送信される、自動車用レーダー。
【請求項8】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記送信/受信モジュールは、前記第1の周波数の信号を送信するための第1の送信/受信モジュールと、前記第2の周波数の信号を送信するための第2の送信/受信モジュールとを含む、自動車用レーダー。
【請求項9】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記第1の周波数の信号は約24GHzであり、前記第2の周波数の信号は約77GHzである、自動車用レーダー。
【請求項10】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記有孔パッチは角の形状に形成され、この角の下部の円周は上部の円周よりも小さい、自動車用レーダー。
【請求項11】
請求項1に記載の自動車用レーダーにおいて、前記送信/受信モジュールは、SiGeBiCMOSチップおよび全シリコンCMOSチップからなるグループから選択される、自動車用レーダー。
【請求項12】
請求項11に記載の自動車用レーダーにおいて、さらに、前記SiGeBiCMOSチップおよび接地ビア上に集積化された電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器によって生成されたノイズを分離するための分割接地面とを備える、自動車用レーダー。
【請求項13】
上面と底面を有する印刷回路基板と、
空洞を有しかつ前記印刷回路基板の上面に配置されたパッケージング層と、
前記パッケージング層上に配置され複数のパッチを有する下部層と、
前記複数のパッチに接続されかつ前記下部層上に配置された下部マイクロストリップフィードと、
前記下部層上に位置しかつ前記複数のパッチを露出するための複数の孔を備えたパッチを有する上部層と、
前記上部層に位置しかつ前記パッチに接続された上部マイクロストリップフィードと、さらに
前記パッケージング層の前記空洞内に配置され、さらに、第1の周波数を有する第1の信号を前記上部マイクロストリップフィードに送信しかつ第2の周波数を有する第2の信号を前記下部マイクロストリップフィードに送信するように構成された、送信モジュールと、を備える自動車用レーダー。
【請求項14】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、前記パッケージング層、前記下部層および前記上部層はそれぞれ、液晶ポリマー、低温同時焼結セラミック、パリレンN誘電体、PTFEセラミックおよびPTFEグラスファイバ材料からなるグループから選択された材料で形成される、自動車用レーダー。
【請求項15】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、前記送信モジュールは、SiGeBiCMOSチップおよび全シリコンCMOSチップからなるグループから選択される、自動車用レーダー。
【請求項16】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、前記第2の信号は、前記複数の孔を介して前記複数のパッチから送信される、自動車用レーダー。
【請求項17】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、前記送信モジュールは、第1の信号を送信するための第1の送信モジュールと、前記第2の信号を送信するための第2の送信モジュールを含む、自動車用レーダー。
【請求項18】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、前記第1の周波数は約24GHzであり、前記第2の周波数は約77GHzである、自動車用レーダー。
【請求項19】
請求項13に記載の自動車用レーダーであって、さらに、前記送信モジュールから熱を取り除くために前記送信モジュールに直接接続された複数の排熱ビアを供える、自動車用レーダー。
【請求項20】
上面と底面と空洞を有する印刷回路基板と、
複数のパッチを有しかつ前記印刷回路基板の前記上面上に配置された、下部層と、
前記複数のパッチに接続されかつ前記下部層上に配置された下部マイクロストリップフィードと、
前記複数のパッチを露出する複数の孔を有しかつ前記下部層上に配置された上部層と、
前記パッチに接続されかつ前記上部層上に配置される上部マイクロストリップフィードと、さらに、
前記印刷回路基板の前記空洞内に配置され、第1の周波数を有する第1の信号を前記上部マイクロストリップフィードに送信し、第2の周波数を有する第2の信号を前記下部マイクロストリップフィードに送信するように構成された、送信モジュールと、を備える自動車用レーダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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