説明

自動車用防音・防水型マッドガード

【課題】 この発明は、タイヤが石を跳ね上げる際のチッピング音や、水を跳ね上げる際のスプラッシュ音等の騒音を低減させ、且つ、防水性にも優れた自動車用防音・防水型マッドガードを開発・提供する事にある。
【解決手段】 この課題を解決する為の手段として、板状体の表面が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層であって、且つ、裏面に樹脂を含侵させた防水膜を設けたものである。又、防水膜は、50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る自動車用防音・防水型マッドガードである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用防音・防水型マッドガードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の防音タイプ自動車用マッドガードは、不織布単体で形成されていた為、タイヤが石を跳ね上げる際のチッピング音や、水を跳ね上げる際のスプラッシュ音や、路面にタイヤが接触して起こるロードノイズ音に対する低減効果はあったが、防水機能がなく、吸水性がある為、塩化系凍結防止剤及び泥の侵入等により、ボディに錆が発生し易い等の問題があった。
【0003】
又、従来の不織布製では、フッソ系の撥水剤による撥水機能により対策を講じていたが、耐久性及び耐水性面で永続性に限界があった。
【0004】
そこで、これまでに出願されているマッドガードを参考の為、紹介する。(特許文献1参照。)
【特許文献1】実用新案登録第3121698号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記課題を解決する為に、この発明はチッピング音やスプラッシュ音等の騒音を低減させ、且つ、防水性にも優れた自動車用防音・防水型マッドガードを開発・提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決する為の手段として、板状体の表面が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層であって、且つ、裏面に樹脂を含侵させた防水膜を設けたものである。
【0007】
又、防水膜は、50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る自動車用防音・防水型マッドガードである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の効果として、板状体の表面が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層であって、且つ、裏面に樹脂を含侵させた防水膜を設け、又、防水膜は、50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る自動車用防音・防水型マッドガードを設けて、不織布の機能を維持し、裏面に防水膜を設ける事でチッピング音やスプラッシュ音等の騒音を低減させ、且つ、防水性にも優れる等、極めて有益なる効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の最良の形態として、防水膜は、板状体の大きさに合った最適な量に調整し、且つ、最大の効果が発揮出来る事が重要である。
【実施例1】
【0010】
そこで、この発明の一実施例を図1〜図2に基づいて詳述すると、車体のホィールハウスの露出面に取り付けられる湾曲した板状体からなるマッドガードであって、該板状体(3)の表面(3a)が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層(1)であって、且つ、裏面(3b)に樹脂を含侵させた防水膜(2)を設けた事を特徴とする自動車用防音・防水型マッドガードから構成される。
【0011】
又、防水膜(2)は、50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る事を特徴とする自動車用防音・防水型マッドガードから構成される。
【0012】
次に、この発明の形状及び構成について説明すると、まず形状は図1に示すように車体のホィールハウス(4)に合わせた湾曲した板状体(3)から構成されていて、特定の形状に限定されることはない。
【0013】
又、板状体(3)の上部には、ホィールハウス(4)に取り付ける為の係止用穴(H)が複数箇所設けられているが、係止用穴(H)の数や取付手段・方法は螺着に限らず用途に応じて、リベットや熱融着によって固着する等、適宜変更しても構わない。
【0014】
又、板状体(3)は、図2に示すように表面(3a)が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層(1)であって、且つ、裏面(3b)に50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る防水膜(2)を含侵させて、防音・防水対策を講じている。
【0015】
上記樹脂膜使用量の許容範囲を設定した理由について説明すると、50g/m以下の場合は穴が空いてしまい防水膜が作れない。又、500g/m以上の場合はロードノイズ(タイヤ音)の音性能が悪く成り、且つ、経済性(コスト高)、成形保持性等の問題がある。
【0016】
従って、最適な防水膜を設ける為には、樹脂膜を(0014)に示す許容範囲内で使用する事が重要である。
【0017】
又、図3はホィールハウス(4)にマッドガードを取り付けた状態を表す説明図である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
この発明の防音・防水型マッドガードは、チッピング音やスプラッシュ音等の騒音を低減させ、且つ、防水性にも優れる為、多くの自動車産業関連市場に寄与する点で産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例を示し、マッドガードの斜視図である。
【図2】この発明の一実施例を示し、マッドガード中央部の断面を表す斜視図である。
【図3】この発明の使用例を示し、取付状態を表す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 不織布層
2 防水膜
3 板状体
3a 表面
3b 裏面
4 車体のホィールハウス
H 係止用穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のホィールハウスの露出面に取り付けられる湾曲した板状体からなるマッドガードであって、該板状体(3)の表面(3a)が、衝撃吸収機能及び吸音機能を有する不織布層(1)であって、且つ、裏面(3b)に樹脂を含侵させた防水膜(2)を設けた事を特徴とする自動車用防音・防水型マッドガード。
【請求項2】
防水膜(2)は、50g/m〜500g/mの発泡アクリル系・SBR系樹脂膜から成る事を特徴とする請求項1記載の自動車用防音・防水型マッドガード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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