説明

自己支持形ケーブル処理工具

【課題】自己支持形ケーブル処理を支持線部とケーブル部との分離処理を安全、高品質かつ高能率で行うことができる自己支持形ケーブル処理工具を提供すること。
【解決手段】自己支持形ケーブル処理工具300に支持線部20とケーブル部10を連結する接合部30を切断する接合部切断部100と残置される突出残部31を切削する切削部200とを設ける。切削部200は、鉋状であり当接案内部220,230と切削刃242とを備え、顎部111と顎部121に架けて渡して配置でき、不使用時には顎部111に沿って配置できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自己支持形ケーブル処理工具に係り、特に支持線部とケーブル部とが長さ方向に連続して接合部で連結される自己支持形ケーブルの接合部を切断した後ケーブル部に残置される接合部の突出残部を切削することができる自己支持形ケーブル処理工具に関する。
【背景技術】
【0002】
自己支持形の代表的な光ケーブルとして、いわゆるダルマ形の自己支持形ケーブル(SSケーブル)がある。この自己支持形ケーブル40は、図9に示すように、ケーブル部10(光ケーブル部)と支持線部20(メッセンジャー部)とがその長手方向に沿って接合部30で接合されてなるものである。このような自己支持形ケーブル40では、ケーブル部10には光ファイバ等からなる光ユニット12を内包し、支持線部20には吊線として鋼撚線22を内包し、それらを合成樹脂製のシースで覆って形成されている。このシースは、ケーブル部10においては被服11を、支持線部20においては被服21を形成すると共に、ケーブル部10と支持線部20とを接続する接合部30を形成している。
【0003】
このような自己支持形ケーブル40において、ケーブル部10を支持線部20から切り離しターミナルボックス内に引き入れ接続する場合などには、ケーブル部10と支持線部20とを分離する処理を行う。
【0004】
このような処理は、図10に示すように、ケーブル部10と支持線部20と切断する分離処理と、ケーブル部周囲の研削処理に分けて行われる。ここで切断分離処理では接合部30を切断する処理(図10(a),(b))であり、切削処理は切断分離処理がなされた後ケーブル部10に残る接合部30の突出残部31を削り、ケーブル部10の輪郭が滑らかな円形になるよう切削する(図10(b),(c))ものである。
【0005】
このような2つの処理はナイフなどの刃物を使って行うこともできるが、切断分離処理は、安全性、処理の確実性、処理の迅速性から専用工具を使用することが一般的である。
【0006】
このような専用工具として図7に示すものがある。この専用工具は、軸9で交差して接続された柄1を握り締めたとき、平行に対峙する上顎2及び下顎3の前後端から側部に突出した各2つの軸4,5に、上顎及び下顎の側面から所定長だけ離隔して、それぞれローラ6,7を回動可能に取り付け、各ローラ6,7の中間部に位置する個所に接合部に向け下方へ延びた刃8をローラ6,7と同一線上に位置したものである。
【0007】
この専用工具によれば、図8に示すように、接合部30は、支持線部20とケーブル部10との間で切断され、支持線部とケーブル部とが分離できる。このような状態でケーブル部を必要に応じて切断した後、シースを剥がして光ケーブルを露出して所定の結線処理をする。なお、上記専用工具と類似した工具が特許文献1に記載されている。
【0008】
【特許文献1】実登第3016657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のように接合部を切除したケーブル部10には前記切除処理では取りきれなかった突出残部31(バリ)が残っていることが多い。このように突出残部があるとターミナルボックスにケーブル部を取り込むとき、ターミナルボックスのケーブル取り入れ口の防水が不完全になることがある。即ち、ターミナルボックスの取り入れ口に設けられた防水シール材がこの突出残部に密着せず隙間が発生し、この隙間から雨水等が進入してしまうのである。このためケーブル部の切除残部を除去しケーブル部の周囲を滑らかな円筒面とする必要がある。
【0010】
従来このような切削処理は作業者がナイフ等で突出残部を削りケーブル部の周囲を整えるようにしている。しかしながら、このようなナイフ等を用いた手作業では、仕上がり状態が一定にならない他作業効率が良好でないうえ、ケーブル部表面でナイフが滑ったりして作業者の手を傷つけてしまうおそれや、ケーブル部を傷つけ内部の光ファイバまで損傷してしまうおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、良好かつ高い効率でケーブル部の突出残部を切削除去することができるようにし、ひいては自己支持形ケーブル処理を支持線部とケーブル部との分離処理を安全、高品質かつ高能率で行うことができる自己支持形ケーブル処理工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において、上記の課題を解決するための手段は、支持線部とケーブル部とが長さ方向に接合部で連結される自己支持形ケーブルの接合部を切断した後ケーブル部に残置される接合部の突出残部を切削する自己支持形ケーブル処理工具であって、前記ケーブルの接合部をその長手方向に移動可能に位置決めする手段と、この接合部を位置決めした状態でケーブルの移動に伴い接合部を切断する手段とを備えた接合部切断部と、この接合部切断部に取り付けられ、前記ケーブル部を長手方向に移動させて、前記ケーブル部に残る接合部の突出残部を切削する切削刃を有する切削部と、を備えた自己支持形ケーブル処理工具である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自己支持形ケーブル処理工具の接合部切断部において自己支持形ケーブルの接合部を切断できる他、切削部においてケーブル部を長手方向に移動させて、ケーブル部に残る接合部の突出残部を切削刃で容易に切削できる。このため、自己支持形ケーブルの処理を自己支持形ケーブル処理を支持線部とケーブル部との分離処理を安全、高品質かつ高能率で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明に係る自己支持形ケーブル処理工具の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は実施例に係る自己支持形ケーブル処理工具の切削部使用時の平面図、図2は図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の斜視図である。
【0016】
本例に係る自己支持形ケーブル処理工具300は、接合部切断部100と切削部200とを備えている。接合部切断部100は、顎部111及び柄部112を備える杆部材110と、顎部121及び柄部122を備える杆部材120とを軸101で回転可能に交差して結合して構成している。
【0017】
本例では、杆部材110は顎部111と柄部122との間に屈曲部を設け、顎部111と柄部112とが同一直線上に配置されないようになっている。また、同様に杆部材120も顎部121と柄部122とが同一直線上に配置されないように屈曲形成されている。これは、後述する切削部200に自己支持形ケーブル40のケーブル部10を押し付けるとき、後述するケーブル支持部材250でケーブル部10を安定して保持するためである。
【0018】
顎部111にはローラ113、ローラ114が回転自在に軸支され、また顎部121にはローラ123、ローラ124が回転自在に軸支されている。本例では、柄部112、122を把持して顎部111、121を近接させたとき、ローラ113,114とローラ123,124との間に自己支持形ケーブル40の接合部30を挟むように構成され、ローラ113,114とローラ123,124とで接合部30を挟んだ状態で、自己支持形ケーブル40を長手方向に移動させることができる。
【0019】
また、顎部111には、前記ローラ113,114の間に切断刃102が配置され、切断刃102はローラ113,114とローラ123,124とで接合部30を挟んだ状態で刃先が接合部30に切り込まれ、自己支持形ケーブル40を長手方向に移動させることにより、接合部30を長手方向に切り裂きケーブル部10と支持線部20とを切離できるようになっている。
【0020】
自己支持形ケーブル40をこの接合部切断部100で切り離した状態では、図10(b)に示すように、ケーブル部10には突出残部31が残った状態となっている。
【0021】
次にこの突出残部31を切削する切削部200について説明する。本例では、切削部200は、接合部切断部100の顎部111に取り付けられている。
【0022】
図3は図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の図1中のA−A線に相当する断面図である。本例において切削部200は、基体部である金属製のボックス部材210に2つの当接案内部220,230及び鉋状の固定刃部240を取り付けて形成される。ボックス部材210は、方形の底板211と、この底板211の短辺に立設された2枚の側板212,213と、底板211の長辺に立設された立設板215と、底板211との間に隙間を設けて側板212,213に取り付けられた支持板216とから構成される。
【0023】
本例では、支持板216上には固定刃部240と当接案内部220,230が配置される。当接案内部220は接触面222を形成した接触片221を前記支持板216にコイルスプリング223で付勢して配置されている。同様に、当接案内部230は接触面232を形成した接触片231を前記支持板216にコイルスプリング233で付勢して配置されている。本例では、接触面222及び接触面232は前記固定刃部240の両側で図3中幅方向外側に行くにつれて互いに拡開するように形成されている。これにより、円形のケーブル部10を確実に保持できるようにしている。
【0024】
図4は図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の切削部を示す斜視図である。本例では、固定刃部240は、断面コ字状の刃取付部材241に切削刃242を取り付けた鉋状の部材である。本例では、切削刃242は傾斜形成された刃面が下方を向いた片刃であり、その刃先243は柄部112を向くように配置される。また、刃先243の延設方向は突出残部31への刃先243の食い込みをよくするため、ケーブル部10の延設方向に対して傾斜するものとして形成されている。
【0025】
刃取付部材241は、支持板216に調整螺子244で取付位置可変に取り付けられている。これにより、突出残部31の切削量を調整できる。なお、調整螺子244は刃取付部材241に受部245で回転可能に支持されている。
【0026】
また、本例では、前記切削部200は、切削時におけるケーブル部10の移動方向に直交する方向に沿って長手に形成されると共に、この移動方向に直交する方向の寸法wを2つの顎部111、121を跨ぐのに十分な寸法とし、前記移動方向に沿う方向の寸法dを前記顎部111の幅寸法Dより小さいものとしている(図2参照)。また、本例では、切削部200のボックス部材210の一端部を顎部111に取付螺子217で回動可能に取り付けるものとしている。
【0027】
これにより切削部200を使用しないとき、即ち自己支持形ケーブル処理工具300の非使用時及び接合部切断部100の使用時には、切削部200の長手方向を顎部111の延設方向に一致させて配置して格納状態とすることができる(図5,図6参照)。
【0028】
そして、切削部200で突出残部31を切削するときには切削部200を2つの顎部に渡して配置できるよう、他方の顎部121には、係止部材218を立設している。また、ボックス部材210に形成した係止溝219(図1、図2参照)を設け、ケーブル部10を突出残部31の切削方向に移動したとき、ボックス部材210が係止部材218に係止し固定されるようにしている。
【0029】
また、当接案内部220及び当接案内部230はコイルスプリング223及びコイルスプリング233支持されているので、ケーブル部10の押圧力に抵抗しつつ図中下側に移動することができる。
【0030】
当接案内部220,230がケーブル部10に押され下側に移動することにより、ケーブル部10の突出残部31は切削刃242に接触することとなり、突出残部31に刃先243が食い込み突出残部31は切削できる状態となる。
【0031】
また、本例では、柄部112には、切削部200の使用時において切削処理をするため切削部200に配置したケーブル部10の延長部に接触し、ケーブル部10を前記当接案内部220,230と共に支持するケーブル支持部材250を設けている。本例では、ケーブル支持部材250は平板状の支持部本体251に前記ケーブル部10を案内する凹部252を形成したものである。
【0032】
このケーブル支持部材250は、支持部本体251の一端部で一方の柄部122に取付螺子253で回転可能に軸支され、軸支された柄部122に沿う格納位置(図5、図6参照)と、2つの柄部112、122を跨ぐ使用位置(図1、図2参照)との2位置に配置することができる。即ち、切削部200の使用時にはケーブル支持部材250を2つの柄部112、122に渡して配置できるよう他方の柄部112には、係止部材254を立設し、ケーブル支持部材250に形成した係止溝255を前記格納状態から係止できるものとしている。
【0033】
ここで、本例では、上述したように杆部材110,120を屈曲して柄部112、122及び顎部111、121を同一線上に配置しないようにしているので、切削部200の使用状態において、ケーブル部10を配置したとき、切削部200の当接案内部220,230とケーブル支持部材250の凹部252とが略直線上に位置し、ケーブル部10を直線状に保持してガイドができる。このため、杆部材110,120の屈曲の程度は切削部200とケーブル支持部材250の厚み寸法に応じて適宜決定する必要がある。
【0034】
次に本例に係る自己支持形ケーブル処理工具300の使用方法について説明する。
【0035】
まず、自己支持形ケーブル処理工具300を使用していない状態では、ケーブル支持部材250を両柄部112、122に掛ける状態にしておけば、自己支持形ケーブル処理工具300の両杆部材110,120が閉状態に保たれ、むやみに自己支持形ケーブル処理工具300が開状態になるのを防止できる。
【0036】
そして、自己支持形ケーブル処理工具300の接合部切断部100を使用して自己支持形ケーブル40の接合部30を切断してケーブル部10と支持線部20とを分離する。このときには、切削部200とケーブル支持部材250とを格納状態とする。即ち、図5及び図6に示すように、切削部200を顎部111の輪郭内に配置すると共に、ケーブル支持部材250を柄部122の輪郭内に配置する。この状態により、ローラ113,114とローラ123,124との間に接合部30を挟んで切断刃102で接合部30を切断しつつ自己支持形ケーブル40を移動させる。これにより、所定の個所の接合部30は切断される(図10(b))。
【0037】
次にケーブル部10に残留している突出残部31を切削する。このとき、図1及び図2に示すように、切削部200及びケーブル支持部材250を使用状態とする。即ち、切削部200を取付螺子217を中心に回転させて、顎部111及び顎部121に掛け渡し、係止溝219を係止部材218に係合させる。また、ケーブル支持部材250を取付螺子253を中心に回転させ、柄部112及び柄部122に掛け渡し、係止溝255を係止部材254に係合させる。
【0038】
この状態で、ケーブル部10をケーブル支持部材250の凹部252に接触させると共に、ケーブル部10の突出残部31を固定刃部240の切削刃242に当たるように切削部200に押し付ける。このとき、ケーブル部10は凹部252により案内されているので、ケーブル部10が湾曲することなく、切削部200に対して傾斜することなく当接させることができる。
【0039】
ケーブル部10が切削部200の当接案内部220,230に押し付けられると、ケーブル部10は2つの傾斜した当接案内部220,230で安定して保持されつつ固定刃部240に近接していく。そのままケーブル部10を固定刃部240に押し付けながらケーブル部10を切削部200側に引いてくると、固定刃部240の切削刃242の刃先243が突出残部31に食い込み、切削が始まる。この状態でケーブル部10を引き続けると突出残部31は切削刃242で切削されることになる。そして、ケーブル部10の当接案内部220,230への押し付けを緩めると、ケーブル部10は当接案内部220,230に押し出されて、突出残部31から切削刃242が外れる。
【0040】
このような研削を突出残部31がなくなり、ケーブル部10の表面が滑らかになるまで必要に応じて行い、切削は終了する。
【0041】
なお、上記例では、切削刃は刃先が直線上のものとしたが、ケーブル部の輪郭がなす円弧と略同一形状の湾曲刃とすることができる。
【0042】
また、上記例では当接案内部を移動可能なものとして形成したが、当接案内部を固定して切削刃を備える部材を移動可能なものとして構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例に係る自己支持形ケーブル処理工具の切削部使用時の平面図である。
【図2】図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の斜視図である。
【図3】図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の図1中のA−A線に相当する断面図である。
【図4】図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の切削部を示す斜視図である。
【図5】図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の切削部格納時の平面図である。
【図6】図1に示した自己支持形ケーブル処理工具の切削時格納時の正面図である。
【図7】従来の自己支持形ケーブルの接合部切除工具を示す平面図である。
【図8】図7に示した自己支持形ケーブルの接合部切除工具の使用状態を示すB−B線に相当する断面図である。
【図9】自己支持形ケーブルを示す斜視図である。
【図10】自己支持形ケーブルの処理状態を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10 ケーブル部
20 支持線部
30 接合部
31 突出残部
40 自己支持形ケーブル
100 接合部切断部
111 顎部
112 柄部
113,114 ローラ
121 顎部
122 柄部
123,124 ローラ
200 切削部
210 ボックス部材(基体部)
220,230 当接案内部
221 接触片
222 接触面
223 コイルスプリング(付勢部材)
230 当接案内部
231 接触片
232 接触面
233 コイルスプリング(付勢部材)
240 固定刃部
241 刃取付部材
242 切削刃
250 ケーブル支持部材
251 支持部本体
300 自己支持形ケーブル処理工具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持線部とケーブル部とが長さ方向に接合部で連結される自己支持形ケーブルの接合部を切断した後ケーブル部に残置される接合部の突出残部を切削する自己支持形ケーブル処理工具であって、
前記ケーブルの接合部をその長手方向に移動可能に位置決めする手段、及び、この接合部を位置決めした状態でケーブルの移動に伴い接合部を切断する手段を有する接合部切断部と、
この接合部切断部に取り付けられ、前記ケーブル部を長手方向に移動可能に位置決めする当接案内部、及び、前記ケーブル部に残る接合部の突出残部を切削する切削刃を有する切削部と、
を備えたことを特徴とする自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項2】
前記接合部切断部は、軸で回転可能に接合され開閉可能な2つの柄部から延設され所定の間隔を置いて略平行に対峙して配置される開閉可能に2つの顎部に前記自己支持形ケーブルの接合部を挟み込む少なくとも1対のローラ部材を回動可能に配置し、前記2つの顎部の少なくとも一方に、前記ローラ部材に挟まれた接合部を切断する切断刃を設けて構成するとともに、
前記切削部は、前記2つの顎部の少なくとも一方に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項3】
前記切削部は前記当接案内部と前記切削刃とが基体部に配置されてなることを特徴とする請求項1または2記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項4】
前記当接案内部と、前記切削刃とは、切削刃の刃先が前記突出残部に接触しない離間位置から前記切削刃の刃先が前記突出残部に切れ込む切削位置まで相対的に移動可能に配置されると共に、当接部材と切削刃との間には、当接部材と切削刃とが離間状態になるよう付勢する付勢部材が配置されていることを特徴とする請求項3記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項5】
前記当接案内部は、前記切削刃を挟む2つの接触片を備え、各接触片は、前記接触位置側から離間位置側に向け互いに拡開する方向に形成される傾斜接触面を備えると共に、接触片を離間位置側に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項4記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項6】
前記切削刃は、前記基体部に取り付け高さ寸法を変更する刃高調整装置を備えることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項7】
前記切削部は、前記ケーブル部の移動方向に直交する方向に沿って長手に形成されると共に、前記移動方向に直交する方向の寸法を前記2つの顎部を跨ぐ寸法とし、前記移動方向に沿う方向の寸法を前記顎部の幅寸法より小さい寸法とし、
切削部の基台部の一端部を前記顎部に回動可能に取り付け、切削部の非使用時には、切削部の長手方向を顎部の延設方向に一致させて配置し、切削部の使用時には切削部を2つの顎部に渡して配置することを特徴とする請求項2ないし6いずれか記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項8】
前記切削部は、前記使用時において両顎部に固定できることを特徴とする請求項2ないし7いずれか記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項9】
前記2つの柄部には、切削部の使用時においてケーブル部に接触し、ケーブル部を前記当接案内部と共に支持するケーブル支持部材を備えることを特徴とする請求項2ないし8いずれか記載の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項10】
前記ケーブル支持部材は、その端部で一方の柄部に回転可能に軸支され、軸支された柄部に沿う位置と、2つの柄部を跨ぐ位置と、の2位置に配置されることを特徴とする請求項8の自己支持形ケーブル処理工具。
【請求項11】
前記切削部の切削刃は、前記ケーブル部の輪郭に沿う湾曲刃であることを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載自己支持形ケーブル処理工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−22656(P2008−22656A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193515(P2006−193515)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】