説明

自揚降輸送用コンテナ

【課題】 コンテナ本体の積み降ろし等を容易に行なって積み降ろし等の作業効率を向上することができると共に、あらかじめ定められた規格を遵守することができる輸送用コンテナを提供すること。
【解決手段】 この自揚降輸送用コンテナ1は、直方体形状のコンテナ本体10を備え、このコンテナ本体10の長手側壁部(長手方向の両側壁)13aに上下方向に延びる収納凹部17をそれぞれ形成し、この収納凹部17内にジャッキ装置(支持脚)23を出没自在に設け、このジャッキ装置23は、収納時に水平方向及び垂直方向のいずれにおいてもコンテナ本体10よりも内側に位置し、突出時に水平方向においてコンテナ本体10よりも外側に位置すると共に上下方向に沿って伸縮可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば船舶、列車、トレーラ(トラック)等を利用して貨物を輸送する際に用いられる輸送用コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、一定の大きさに規格化された輸送用のコンテナを利用することによって、大量の貨物を包括的に輸送している(特許文献1参照)。
【0003】
この輸送用コンテナは、輸送対象の貨物を格納する直方体形状のコンテナ本体を備えており、このコンテナ本体は船舶や列車、トレーラ(トラック)等に積載されて運ばれるようになっている。
【特許文献1】特開2004−161318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この輸送用コンテナでは、コンテナ本体を船舶や列車、トレーラ等から積み降ろしする際、クレーンやフォークリフト等を用いて積み降ろしを行っている。
【0005】
また、この輸送用コンテナをトレーラによって最終的な輸送先に搬送された後に設置する際にも、クレーン等を用いて行なっている。
【0006】
そのため、コンテナ本体の積み降ろしや設置を行う際には、クレーンやフォークリフト等が必要となってしまい、このクレーン等を利用することは非常に手間がかかり、作業効率が低下するという問題が生じていた。
【0007】
さらに、輸送用コンテナの大きさは、規格によってほぼ統一されており、コンテナ本体の大きさは、この規格を遵守しなければならないという問題もあった。
【0008】
そこで、この発明は、コンテナ本体の積み降ろし等を容易に行なって積み降ろし等の作業効率を向上することができると共に、あらかじめ定められた規格を遵守することができる輸送用コンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の自揚降輸送用コンテナは、直方体形状のコンテナ本体を備え、該コンテナ本体の長手方向の両側壁に上下方向に延びる収納凹部をそれぞれ形成し、該収納凹部内には支持脚を出没自在に設け、該支持脚は、収納時に水平方向及び垂直方向のいずれにおいても前記コンテナ本体よりも内側に位置し、突出時に水平方向において前記コンテナ本体よりも外側に位置すると共に上下方向に沿って伸縮可能であることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自揚降輸送用コンテナにおいて、前記収納凹部は、前記コンテナ本体の四隅に設けられた柱部近傍に形成されたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自揚降輸送用コンテナにおいて、前記支持脚は、手動又は油圧によって上下方向に伸縮するようになっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、トレーラの荷台(載置部)上に載せたコンテナ本体の両側壁に形成した収納凹部から突出した状態で支持脚を伸長することにより、この伸長した支持脚によって、トレーラの荷台からコンテナ本体を持ち上げた(浮かせた)状態で支持することができる。
【0013】
そして、この支持脚によってコンテナ本体を支持しているときにトレーラを移動すれば、コンテナ本体だけがその場に残ることとなり、トレーラとコンテナ本体とを分離して、トレーラからコンテナ本体を容易に降ろすことができる。
【0014】
また、コンテナ本体をトレーラに積む場合には、あらかじめ支持脚を突出させると共にコンテナ本体の底面がトレーラの荷台よりも高くなるように支持脚を伸長させておく。そして、このコンテナ本体の下側に荷台が位置するようにトレーラを移動させてから支持脚を縮め、この支持脚を収納凹部内に収納する。これにより、トレーラの荷台上にコンテナ本体が載置され、コンテナ本体を容易に積むことができる。
【0015】
このように、クレーンやフォークリフト等を使用しなくとも、トレーラからコンテナ本体を容易に積み降ろしすることができ、積み降ろし作業を効率よく行うことが可能となる。
【0016】
なお、近年自然災害が数多く見られるが、そのときにもこの自揚降輸送用コンテナは、発電装置、宿舎、バストイレ、食糧備蓄庫、汲み上げポンプ等のあらゆるものに使用することができる。
【0017】
その際に、この自揚降輸送用コンテナによって様々な装置を運び込み、災害地においてクレーンやフォークリフトがなくともコンテナ本体を積み降ろしすることが可能となる。これにより、スムーズで迅速な救援に貢献することができる。
【0018】
さらに、支持脚を収納凹部内に収納した際には、この支持脚は、水平方向及び垂直方向のいずれにおいてもコンテナ本体よりも内側に位置するので、コンテナ本体の大きさを輸送用コンテナの規格内に納めることができ、この規格を遵守することが可能となる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、コンテナ本体の四隅に設けられた柱部によって支持脚に作用する荷重を支えることができ、コンテナ本体の積み降ろしや設置を安定して行なうことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、支持脚の伸縮動作を手動によって行なう場合には、大掛かりな設備が不要となって、コスト低減を図ることができる。また、支持脚の伸縮動作を油圧によって行なう場合には、軽い力で容易に伸縮動作を行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の自揚降輸送用コンテナを説明する。
【0022】
図1に示す自揚降輸送用コンテナ1は、直方体形状のコンテナ本体10を備えている。
【0023】
コンテナ本体10は、四隅に立設された四本の柱部11と、隣接する柱部11の下端間を連結する四本の床枠部12と、隣接する柱部11間及びその下に位置する床枠部12に張設された側壁部13と、各柱部11の上端を覆う上壁部14と、各柱部11の下端及び床枠部12の底面を覆う下壁部(図示せず)とを有している。
【0024】
側壁部13は、一対の長手側壁部(長手方向の側壁)13aと、一対の短手側壁部(短手方向の側壁)13bとから構成されており、各側壁部13a、13bは互いに対向した位置に張設されている。
【0025】
そして、短手側壁部13bの一方には、観音開きの扉部15が開閉自在に取付けられている。この扉部15にはロック部材16が設けられ、このロック部材16によって扉部15が開かないように固定される。
【0026】
また、一対の長手側壁部13aの両端部には、それぞれ上下方向に延びる収納凹部17が形成されている。各収納凹部17は、一対の長手側壁部13aのそれぞれの両端部に形成されているので、それぞれ四隅に立設された柱部11の近傍に位置し、各柱部11に沿って形成されることとなる。
【0027】
この収納凹部17は、長手側壁部13aをコンテナ本体10の内側に向かってへこますことで形成されている(図3参照)。また、この収納凹部17は、後述するジャッキ装置23を収納した際に、このジャッキ装置23が突出しない(はみ出さない)大きさに形成されている。
【0028】
さらに、この収納凹部17内には、出没手段を介して支持脚であるジャッキ装置23が出没自在に設けられている。
【0029】
出没手段は、図3に示すように、コンテナ本体10の短手方向に沿って固定されたアウタビーム21と、このアウタビーム21の内部にアウタビーム21の軸方向に沿って摺動自在に挿入されたインナビーム22とから構成されている。
【0030】
また、ジャッキ装置23は、インナビーム22の一端部に固定されており、上下方向に垂設されている。
【0031】
アウタビーム21は、両端部が開口した中空の角型鋼管であって、一対の短手方向の床枠部12に図示しない固定手段を介してそれぞれ固定されている。
【0032】
また、このアウタビーム21の両端部の側面には、長手方向の床枠部12の端部がほぼ直交した状態で固定され、アウタビーム21は柱部11と長手方向の床枠部12との間に位置することとなる。
【0033】
インナビーム22は、一端部が固定板22cによって閉塞された中空の角型鋼管であって、アウタビーム21の開口した端部から、開口した他端部を先頭に出没自在に挿入されている。なお、固定板22cがアウタビーム21の端部の開口周縁に当接することにより、インナビーム22がアウタビーム21内に入り込まないようになっている。
【0034】
また、ここでは、一対のインナビーム22が、一つのアウタビーム21の両端部から互いに離接動するように挿入されている。これにより、図4に示すように、コンテナ本体10の一対の長手側壁部13aから、インナビーム22がそれぞれ外側に向かって突出するようになっている。
【0035】
また、アウタビーム21の上面には、図示しないビーム固定用の固定ピンを挿入するピン挿入開口21aが形成され、インナビーム22の上面には、このインナビーム22を引き込んだときにピン挿入開口21aに対向する第一ピン挿入開口22aと、このインナビーム22を引き出したときにピン挿入開口21aに対向する第二ピン挿入開口22bとが形成されている(図3参照)。
【0036】
これにより、インナビーム22を引き込んだときには、ピン挿入開口21aと第一ピン挿入開口22aとが対向し(図3参照)、このピン挿入開口21a、第一ピン挿入開口22aに図示しないビーム固定用の固定ピンを挿入することで、インナビーム22が固定されるようになっている。
【0037】
また、インナビーム22を引き出したときには、ピン挿入開口21aと第二ピン挿入開口22bとが対向し(図4参照)、このピン挿入開口21a、第二ピン挿入開口22bに図示しないビーム固定用の固定ピンを挿入することで、インナビーム22が固定されるようになっている。
【0038】
なお、このインナビーム22の引き込み及び引き出し作業は、作業者がインナビーム22の一端部に固定されたジャッキ装置23を持って押し込んだり、引っ張ったりすることによって行なわれる。
【0039】
そして、アウタビーム21の全長は、短手方向の床枠部12よりも短くなっており(図3参照)、両端部が収納凹部17内に十分収まる長さとなっている。これにより、インナビーム22がアウタビーム21内に引き込まれた際に、このインナビーム22の一端部に固定されたジャッキ装置23が収納凹部17内に収まる。そのため、ジャッキ装置23は、収納凹部17内に収納された際に、水平方向においてコンテナ本体10よりも内側に位置することとなる。
【0040】
つまり、ジャッキ装置23は、図3に示すように、インナビーム22がアウタビーム21から出没することに伴って、コンテナ本体10の収納凹部17から出没自在となっている。
【0041】
そして、このジャッキ装置23は、コンテナ本体10の上下方向に沿って固定されたアウタポスト24と、このアウタポスト24の内部に上下方向に沿って摺動自在に挿入されたインナポスト25と、アウタポスト24及びインナポスト25のそれぞれに取り付けられた油圧シリンダ26とを有している。
【0042】
ここで、ジャッキ装置23の全長は、インナポスト25がアウタポスト24内に全て引き込まれて最も短い状態となったときに、収納凹部17の高さよりも短くなっている。これにより、インナビーム22がアウタビーム21内に引き込まれた際に、このインナビーム22の一端部に固定されたジャッキ装置23が収納凹部17内に収まる。そのため、ジャッキ装置23は、収納凹部17内に収納された際に、垂直方向においてコンテナ本体10よりも内側に位置することとなる。
【0043】
アウタポスト24は、下端部が開口した中空の角型鋼管であって、図4に示すように、ブラケット24bを介して下端部がインナビーム22の先端に取り付けられた固定板22cに固定されている。なお、多数のBはブラケット24bを固定板22cに固定するためのボルト・ナットである。
【0044】
インナポスト25は、下端部が閉塞した中空の角型鋼管であって、下端部に接地脚27が設けられている。そして、このインナポスト25は、開口したアウタポスト24の下端部から、上端部を先頭に出没自在に挿入されている。なお、接地脚27がアウタポスト24の下端部の開口周縁に当接することにより、インナポスト25がアウタポスト24内に入り込まないようになっている。
【0045】
また、アウタポスト24の側面には、図示しないポスト固定用の固定ピンを挿入するピン挿入開口24aが形成され、インナポスト25の側面には、このインナポスト25を収納したときにピン挿入開口24aに対向する第一ピン挿入開口25aと、このインナポスト25を突出させたときにピン挿入開口24aに対向する第二ピン挿入開口25bとが形成されている(図2参照)。
【0046】
これにより、インナポスト25を収納したときには、ピン挿入開口24aと第一ピン挿入開口25aとが対向し(図2参照)、このピン挿入開口24a、第一ピン挿入開口25aに図示しないポスト固定用の固定ピンを挿入することで、インナポスト25が固定されるようになっている。
【0047】
また、インナポスト25を突出させたときには、図示しないが、ピン挿入開口24aと第二ピン挿入開口25bとが対向し、このピン挿入開口24a、第二ピン挿入開口25bに図示しないポスト固定用の固定ピンを挿入することで、インナポスト25が固定されるようになっている。
【0048】
油圧シリンダ26は、一対の円筒体を有しており、一方が他方に挿脱可能に挿入されて伸縮するようになっている。そして、この一対の円筒体間に注入される油の量や温度によって全長が調整されるものである。ここでは、一方の筒体がアウタポスト24の内面に固定され、他方の筒体がインナポスト25の内面に固定されている。なお、この油圧シリンダ26の機構は周知であるので説明を省略する。
【0049】
次に、この発明の自揚降輸送用コンテナ1の作用について説明する。
【0050】
自揚降輸送用コンテナ1をトレーラTの荷台Nから降ろして、所定の場所に設置する場合には、まず、クレーン等を用いて船舶等の輸送手段からトレーラTへと自揚降輸送用コンテナ1を移送し、コンテナ本体10をトレーラTの荷台(載置部)N上に固定する(図6(a)、図7参照)。
【0051】
このとき、インナポスト25は、アウタポスト24の内部に全て引き込まれた状態(ポスト収納状態)となっており、ジャッキ装置23の全長は最も短い状態となっている。そして、図示しないポスト固定用の固定ピンはピン挿入開口24a及び第一ピン挿入開口25aに挿入され、インナポスト25を固定している。
【0052】
また、インナビーム22は、アウタビーム21の内部に全て引き込まれた状態(ビーム収納状態)となっており、これに伴ってジャッキ装置23が収納凹部17内に収納されている。そして、図示しないビーム固定用の固定ピンはピン挿入開口21a及び第一ピン挿入開口22aに挿入され、インナビーム22を固定している。
【0053】
このように、インナポスト25及びインナビーム22がそれぞれ全て引き込まれた状態になると、ジャッキ装置23は収納凹部17内に収納されたこととなり、このジャッキ装置23は水平方向及び垂直方向のいずれにおいてもコンテナ本体10の内側に位置する。
【0054】
これにより、コンテナ本体10の大きさを自揚降輸送用コンテナ1の規格内に納めることができ、この規格を遵守することができる。そのため、汎用性を向上することができ、一般の輸送用コンテナと一緒に使用することが可能となる。
【0055】
そして、トレーラTによって所定の載置位置まで移動したら、図示しないビーム固定用の固定ピンを外し、すべてのインナビーム22をアウタビーム21から引き出す。このとき、作業者はインナビーム22に固定されたジャッキ装置23を持ってインナビーム22を水平方向に引っ張る(図8参照)。
【0056】
アウタビーム21のピン挿入開口21aとインナビーム22の第二ピン挿入開口22bとが対向する位置まで引き出したら、これらのピン挿入開口21a、22bに図示しないビーム固定用の固定ピンを挿入し、インナビーム22を固定する。
【0057】
このように、インナビーム22をアウタビーム21から引き出すことで、ジャッキ装置23が収納凹部17から突出し、水平方向においてコンテナ本体10よりも外側に位置する。
【0058】
なお、自揚降輸送用コンテナ1を積載するトレーラTの荷台Nは、短手方向の幅がコンテナ本体10の短手方向の幅とほぼ同じであるので、ジャッキ装置23は、水平方向においてコンテナ本体10よりも外側に位置すると同時に、水平方向においてトレーラTの荷台Nよりも外側に位置することとなる。
【0059】
そして、図示しない油圧装置を油圧シリンダ26に接続し、この油圧装置から油圧シリンダ26内に油を注入し、この油圧シリンダ26を伸長する。
【0060】
この油圧シリンダ26が伸長することにより、インナポスト25が下方に向かって突出し、ジャッキ装置23が下方に向かって伸長することとなる。
【0061】
そして、図6(b)及び図9に示すように、インナポスト25の接地脚27が地面Gに接触するとともに、コンテナ本体10の底壁部(図示せず)がトレーラTの荷台Nから離れるまで油圧シリンダ26を伸長させる。
【0062】
そして、アウタポスト24のピン挿入開口24aとインナポスト25の第二ピン挿入開口25bとが対向したら、これらのピン挿入開口24a、25bに図示しないポスト固定用の固定ピンを挿入し、インナポスト25を固定する。
【0063】
これにより、コンテナ本体10は、トレーラTの荷台Nから持ち上がった(浮いた)状態でジャッキ装置23によって支持されることとなる。
【0064】
そして、このようにジャッキ装置23によってコンテナ本体10を支持しているときに、トレーラTを前進移動させる。トレーラTが移動することにより、図6(c)に示すように、コンテナ本体10だけがその場に残る。
【0065】
その後、図示しないポスト固定用の固定ピンを外してから、油圧シリンダ26内の油を排出して収縮させる。そして、この油圧シリンダ26の収縮に伴ってインナポスト25をアウタポスト24内に全て引き込み、ジャッキ装置23を収縮させる。これにより、コンテナ本体10の底壁部が地面Gに設置される(図10参照)。
【0066】
最後に、図示しないビーム固定用の固定ピンを外してから、ジャッキ装置23をコンテナ本体10の内側に押し込むようにしてインナビーム22を引き込み、ジャッキ装置23を収納凹部17内に収納する。
【0067】
このように、クレーン等を使用しなくても、コンテナ本体10をトレーラTの荷台Nから降ろして、所定の場所に設置することができるので、トレーラTからコンテナ本体10を容易に降ろすことができる。
【0068】
一方、所定の場所に設置された自揚降輸送用コンテナ1をトレーラTの荷台Nに積む場合には、まず、上述した手順によってコンテナ本体10よりも外側にジャッキ装置23を突出させるとともに、ジャッキ装置23を伸長する。
【0069】
このとき、コンテナ本体10の底壁面がトレーラTの荷台Nよりも高くなるようにジャッキ装置23を伸長する。
【0070】
次に、このジャッキ装置23に支持されたコンテナ本体10の下側に荷台Nが位置するようにトレーラTを移動させる。つまり、コンテナ本体10の底壁部と荷台Nとを対向させる。
【0071】
そして、上述した手順によりジャッキ装置23を収縮させ、トレーラTの荷台N上にコンテナ本体10の底壁部を載置し、その後ジャッキ装置23を収納凹部17内に収納する。最後にコンテナ本体10を荷台Nに固定する。
【0072】
これにより、クレーン等を使用しなくても、コンテナ本体10をトレーラTの荷台Nに載置することができ、コンテナ本体10をトレーラTに荷台Nに容易に積むことが可能となる。
【0073】
このように、クレーンやフォークリフト等を使用しなくとも、トレーラTからコンテナ本体10を容易に積み降ろしすることができ、積み降ろし作業を効率よく行うことが可能となる。
【0074】
また、この発明の自揚降輸送用コンテナ1では、収納凹部17がコンテナ本体10の四隅に設けられた柱部11近傍に形成されるとともに、この収納凹部17内に設けられたジャッキ装置23が柱部11近傍に位置している。
【0075】
これにより、コンテナ本体10の四隅に設けられた柱部11によってジャッキ装置23に作用する荷重を支えることができ、コンテナ本体10の積み降ろしや設置を安定して行なうことができる。
【0076】
さらに、この発明の自揚降輸送用コンテナ1では、ジャッキ装置23は、油圧によって上下方向に伸縮するようになっている。
【0077】
これにより、ジャッキ装置23の伸縮動作を軽い力で容易に行なうことが可能となり、簡単にコンテナ本体10の積み降ろしを行なうことができる。
【0078】
以上、この発明にかかる実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
【0079】
例えば、上記実施の形態では、ジャッキ装置23が油圧によって伸縮するようになっているがこれに限らず、手動によって伸縮してもよい。
【0080】
この場合、インナポストの外周面にネジ溝が形成されるとともに、アウタポストにこのネジ溝に噛み合う歯車部を有するハンドルが設けられる。
【0081】
そして、アウタポストに設けられたハンドルを回転させることで、歯車とネジ溝とが噛み合って、インナポストを上下方向に移動させて、ジャッキ装置23を伸縮することが可能となる。
【0082】
これにより、大掛かりな設備が不要となり、簡単な構造でジャッキ装置23の伸縮動作を行うことができる。
【0083】
さらに、上記実施の形態では、インナビーム22の出し入れを手動によって行なっているが、油圧によって行なってもよい。これにより、ジャッキ装置23を容易に収納凹部17から出没させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係る自揚降輸送用コンテナの全体を示す斜視図である。
【図2】図1に示すA部を拡大した側面図である。
【図3】本発明に係る輸送用コンテナの一部を破断して要部拡大した平面図である。
【図4】図3においてジャッキ装置を突出させた状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係る自揚降輸送用コンテナのジャッキ装置を突出させた状態の背面図である。
【図6】(a)は本発明に係る自揚降輸送用コンテナをトレーラに載置した状態を示す模式図であり、(b)は本発明に係る自揚降輸送用コンテナをトレーラから離して支持した状態を示す模式図であり、(c)は本発明に係る自揚降輸送用コンテナから離間したトレーラを前進させた状態を示す模式図である。
【図7】図6(a)においてトレーラ後方から見た状態を示す模式図である。
【図8】本発明に係る輸送用コンテナをトレーラに載置しているときに、ジャッキ装置を引き出した状態を示す模式図である。
【図9】図6(b)においてトレーラ後方から見た状態を示す模式図である。
【図10】本発明に係る自揚降輸送用コンテナをトレーラから降ろして載置した状態を示す背面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 自揚降輸送用コンテナ
10 コンテナ本体
13a 長手側壁部(長手方向の側壁)
17 収納凹部
23 ジャッキ装置(支持脚)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状のコンテナ本体を備え、該コンテナ本体の長手方向の両側壁に上下方向に延びる収納凹部をそれぞれ形成し、該収納凹部内には支持脚を出没自在に設け、該支持脚は、収納時に水平方向及び垂直方向のいずれにおいても前記コンテナ本体よりも内側に位置し、突出時に水平方向において前記コンテナ本体よりも外側に位置すると共に上下方向に沿って伸縮可能であることを特徴とする自揚降輸送用コンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の自揚降輸送用コンテナにおいて、前記収納凹部は、前記コンテナ本体の四隅に設けられた柱部近傍に形成されたことを特徴とする自揚降輸送用コンテナ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自揚降輸送用コンテナにおいて、前記支持脚は、手動又は油圧によって上下方向に伸縮するようになっていることを特徴とする自揚降輸送用コンテナ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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