自浄式チップ
本発明は、概ね液状の生成物または概ね粘性の生成物を梱包および供給するための装置であって、チップを有する供給アクセサリによって、梱包および供給される上記生成物(2)を、清潔な状態または滅菌された状態の定量ドーズまたはドロップ(11)の形態で収容する容器(1)を備え、上記容器(1)および上記アクセサリのアセンブリは、上記アクセサリと同時に作動し、較正された上記ドーズまたはドロップ(11)を供給した後に上記アクセサリの端部に存在する残存ドロップ(12)を吸引する、または、上記残存ドロップ(12)の生成をさせずに上記構成されたドーズまたはドロップ(11)を飛ばす、柔軟性を有する変形可能な補足室(18)をさらに備えていることを特徴とする装置に関する。本発明は、清潔な生成物または滅菌された生成物、特に眼科分野のドーズまたはドロップを梱包および供給するために使用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包の技術分野に関し、より詳細には、保存料を加えずに清潔な状態または滅菌状態に維持するための液状生成物または粘性生成物であって、ポーションまたはドーズ(doses)(特にドロップ(drops))で供給される液状生成物または粘性生成物の梱包および供給の技術分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、生成物を梱包および供給するための装置であって、容器に格納された供給アクセサリによって供給される生成物を収容する容器と、チップとを有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来構造の梱包装置であって、一定量のドーズまたはドロップ(measured doses or drops)あるいは他の形態で生成物を格納および供給しつつ、使用中の清潔度および滅菌度を維持する装置が知られている。
【0004】
この装置は、製薬工業、化粧品工業、および、食品工業において使用されている。一部には、特に眼科分野のために作られたものもある。
【0005】
このような周知の装置は、特許文献1〜3に開示されている。これらの特許文献1〜3に開示されている装置では、容器は細菌濾過膜を有する供給チップと一緒に装備されており、細菌濾過膜は、生成物が容器から離れる際に、該生成物を滅菌する。
【0006】
これらの装置では、容器は、手動で圧迫された際に柔軟性を示すポーションを有している。該ポーションは、生成物に細菌膜を通過させ、チップを通って容器内から排出させることができる。
【0007】
類似の結果をもたらす他のタイプの装置は、特許文献4に開示されている。この特許文献4に開示されている装置では、ノズルが格納されたポンプによって生成物が供給されている。該ポンプは、空気交換回路内に細菌フィルタを有している。
【0008】
類似の結果をもたらすさらに他のタイプの装置は、特許文献5および6に開示されている。これらの特許文献5および6に開示されている装置では、容器に格納された柔軟性のノズルを介して放出される。このノズルはアクセサリとして機能しており、生成物を保持している容器の壁あるいはノズル自身によって生じる圧力の影響で開き、自身の弾力性によって閉じる。細菌フィルタは容器の底部に配置されており、該底部には空気交換のための開口部が設けられている。
【0009】
類似の結果をもたらす他の装置は、生成物を供給するためのポンプを有しており、該ポンプにはノズルが格納され、該ポンプは空気交換回路を持たない流体密封容器に取り付けられている。
【0010】
生成物自身の無菌濾過または交換空気の無菌濾過のための細菌フィルタを有するすべての装置、あるいは、容器内にフィルタまたは空気交換回路を有していないすべての装置では、使用中は清潔な状態または滅菌状態で容器内に生成物を格納することができる。この点から、これらの装置は効果的であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許発明第2770495号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2638428号明細書
【特許文献3】仏国特許発明第2661401号明細書
【特許文献4】欧州特許第0861128号明細書
【特許文献5】仏国特許発明第0408031号明細書
【特許文献6】仏国特許発明第0510907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、これらの装置の主な不利な点は、容器の外側、特にノズルの先端には細菌が存在していないことを保証できない点である。
【0013】
これらの装置で用いられる手段によって生成物の定量ドロップが放出された場合、該ドロップのほんの一部(以下、残存ドロップと称す)がノズルの先端に残存してしまう。
【0014】
生成物の定量ドロップを放出するために用いられる装置および方法において、ノズルの先端に残存ドロップが形成されるのを防ぐことができないのは、これまでの例で明らかである。この残存ドロップは、次回その装置を使用するまで残ってしまう。
【0015】
清潔な状態または滅菌状態で保持することができる容器内の生成物とは異なり、残存ドロップは外気と接触した状態で残ってしまい、そこを汚染してしまう虞がある。そのため、残存ドロップの形成および残存は主な不利な点である。
【0016】
収容または供給する生成物を、保存料を用いずに清潔な状態または滅菌状態で維持するという、これら既存の装置の目的は、達成されていない。それは、容器内の生成物が清潔な状態または滅菌状態で維持されていても、供給ノズルの先端において汚染されてしまう虞がある。
【0017】
既存の装置すべてに対して影響を与えている上記の問題を解決するために、様々な解決策が提案されている。
【0018】
上述した特許文献1に開示されている装置では、定量ドロップを放出することによって生じる吸引力の影響により、残存ドロップを容器内に吸引して戻している。そして、回収されたドロップは、生成物供給回路に設けられている滅菌フィルタによって滅菌される。
【0019】
この解決策は残存ドロップを除去するために考案されたが、その効果は十分ではない。それは、一定量のドロップが放出された後、容器内で生成される吸引力が、残存ドロップが通る通路にかかる滅菌フィルタの抵抗力を上回るとは限らないためである。そのため、ドロップは容器内に吸引されず、戻らない可能性がある。
【0020】
特許文献4に開示されているような装置に対しては、他の解決策が提案されている。この解決策は、殺菌特性を有する銀等からなる金属挿入部を、残存ドロップを汚染している細菌を殺すノズル内に配置することによってなる。
【0021】
類似した解決策は、残存ドロップと接触するプラスチックに殺菌材料を加えることによってなる。
【0022】
このような装置は、細菌汚染のリスクを低減するために、残存ドロップを乾燥させることもできる。
【0023】
しかし、これらの解決策は保存料の使用を避けるために設計されたものではあるが、十分ではない。その理由は、これらの解決策の効果は相対的なだけであるためと、生成物中に金属分子が放出されるリスクがあるためとである。
【0024】
本発明の目的は、装置外部の細菌汚染のリスクという不利な点なしに、清潔な生成物または滅菌された生成物の定量ドロップを供給するための装置の使用を可能にすることである。
【0025】
より一般的には、本発明の目的は、類似した周知の装置における不利な点を解決すること、ならびに、現行の使用方法に求められる様々な要求に適した装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的を達成するために、本発明は、概ね液状の生成物または概ね粘性がある生成物を梱包および供給するための装置であって、チップを有する供給アクセサリによって、梱包および供給される上記生成物を、清潔な状態または滅菌された状態の定量ドーズまたはドロップの形態で収容する容器を備え、上記容器および上記アクセサリのアセンブリは、上記アクセサリと同時に作動する補足室であって、上記定量ドーズまたはドロップを供給した後に上記アクセサリの端部に存在する残存ドロップを吸引する、または、上記残存ドロップを飛ばす、あるいは、上記残存ドロップの生成をさせずに上記定量ドーズまたはドロップを飛ばす、柔軟性を有する変形可能な補足室を備えていることを特徴とする装置を提案する。
【0027】
このため、清潔な生成物または滅菌された生成物の定量ドーズまたはドロップは、容器、アクセサリ、または、アクセサリの一部であるチップに簡易な圧力をかけることによって供給することできる。この際、汚染された可能性がある残存ドロップは、定量ドーズまたはドロップが放出された後に残存しない保証がある。
【0028】
例えば、特許文献5に種々開示されているように、生成物を格納し、該生成物を滅菌された定量ドロップとして供給するための装置は、交換空気を取り入れるための開口部と、上記の空気が上記の容器内を通過する際に該空気を滅菌するためのフィルタとを有している。生成物は上記の容器内に格納されており、容器に取り付けられたアクセサリチップ(特許文献5においては、ノズルと称されている)によって供給される。このチップは、定量ドロップの容積を規定するための投与室を有している。例えば押ボタン等によって圧迫された際に、投与室は内部に外気が入り込むのを防ぐためのバルブを開放することによって、上記のドロップを上記の容器から放出させる。
【0029】
投与室と容器内部との間に配置された他のバルブは、投与室が圧迫されている際には、投与室内から容器内部へと戻ってくる生成物を防いでいる。また、投与室が解放された際には、容器内に吸引した生成物で投与室を充填させる。
【0030】
したがって、本発明の装置は、さらに第1バルブによって上記容器から上記生成物が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップを供給するために、第2バルブによって上記装置の外部と繋がっている生成物投与室をさらに備えていることが好ましい。
【0031】
上記補足室は、上記チップの外部に配置されていてもよい。
【0032】
本発明の第1の実施形態では、補足部は、チップの外側であって、投与室が位置する場所に配置されていることが好ましい。この補足部は柔軟性および弾力性を有する材料で構成されていることが好ましく、流体密封シールと一体となって、該流体密封シールが囲んでいる上記チップの底部に接合されている。この補足部およびチップは、補足部とチップ自身との間に自由空間が形成されるように構成されている。この自由空間は、補足室を構成しており、投与室が圧迫された後に解放されると、該補足室は圧迫された後に自動的に解放される。これによって、残存ドロップの生成を防ぎつつ、残存ドロップを吸引する、残存ドロップを飛ばす、または、一定量のドロップを飛ばすことができる。
【0033】
第1の変形例では、補足部の端部は、円筒型の排気口を有しており、投与室側のチップ端部と流体密封状態になるように構成されていると共に、投与室とは反対側のチップ端部と非流体密封状態になるように構成されている。投与室および補足室が圧迫された後、定量ドロップが放出されると、残存ドロップが生成され、補足部の円筒型の排気口に残存する。ここで、投与室および補足室からなるアセンブリが解放されると、該残存ドロップは補足室内に吸引される。
【0034】
他の実施形態では、投与室側に位置する外面部の一部は、投与室の押ボタンと直接的に接触していなくてもよい。換言すれば、上記補足室の壁は、上記投与室の押ボタンと接触していなくてもよい。そのため、装置が使用されている間は、定量ドロップ自身が放出される前に、補足室に収容されている空気が放出される。この遅延効果から、装置は較正したドロップの放出と同時に空気の放出を行わない。遅延効果を生み出す他の方法では、補足室の壁の厚さの違い等を利用することができる。具体的には、投与室と反対側の壁を投与室側の壁よりも薄くすることによって、投与室側の壁よりも柔軟にさせ、遅延効果を生み出すことができる。
【0035】
上記投与室から上記定量ドロップが放出される前に、上記補足室内に収容されている空気を放出するように、上記補足室の壁は、上記投与室の壁よりも薄くてもよい。
【0036】
他の変形例では、補足室の円筒型の端部は、チップ端部の投与室側および投与室とは反対側の双方と流体密封状態で該チップ端部に取り付けられている。そのため、残存ドロップは、補足室内に吸引されることなく、チップの外側に飛ばされる。この場合、投与室は、残存ドロップを飛ばすための空気を補足室が放出する前に、定量ドロップを放出する必要がある。投与室の圧縮に対して、補足室の圧縮を遅延させるために様々な方法が採られている。補足部において、投与室とは反対側に位置する壁は、投与室側に位置する壁よりも厚くすることによって、投与室側に位置する壁よりも硬くなる。換言すれば、投与室の壁を補足室の壁よりも薄くすることによって、補足室に収容されている空気を放出する前に、投与室から定量ドロップを放出することができる。同様に、補足室に開口部が設けられていてもよい。この開口部は、チップの一部に配置され、該開口部を開口した状態で維持すると共に、投与室が定量ドロップを放出する間は補足室内に収容されている空気が圧縮するのを防ぐ停止部と協同する。そして、定量ドロップが放出された後、開口部が閉じることによって補足室が圧縮され、該補足室内に収容されている空気が放出される。これによって、残存ドロップが飛ばされる。したがって、補足室は、該補足室内に収容されている空気を放出する前に、投与室から定量ドロップを放出するための開口部を有していてもよい。
【0037】
補足室に直前まで収容されていた空気で残存ドロップを飛ばした後は、該補足室内に再び空気を充填する必要がある。そこで、上記の補足室の壁に、第2開口部を設けてもよい。この第2開口部は、ユーザが装置を使用する際に、チップの投与室側と補足室側とを指で同時に押しつけることによる圧力によって、自動的に密封される。一方、ユーザがチップの両側を押しつけるのをやめると第2開口部は自動的に開口し、補足室内に空気が再び取り込まれる。上記補足室の押ボタンまたは壁は、上記補足室内に交換空気を取り入れるための少なくとも1つの開口部を有していてもよい。
【0038】
他の実施形態では、残存ドロップの吸引または吹き飛ばしを行う補足室は、チップを囲む補足部を利用して構成されておらず、チップ自身の内部に配置されている。
【0039】
この実施形態は、チップの外部に位置する補足室を形成した場合と同様の結果が得られるが、補足部を省略できるという利点がある。
【0040】
この補足室は投与室とは反対側に形成されているため、定量ドロップを供給するためにチップの2つの側面を押して投与室を圧縮し、該ドロップを供給した後に解放すると、該補足室は自動的に圧縮および解放される。
【0041】
補足室および投与室の間を空気または生成物が通過するのを防ぐために、補足室および投与室の間を完全に密封するための手段が提供されている。
【0042】
チップの外部に位置し、残存ドロップを吸引または飛ばすための補足室を利用するのを想定した上述の手段は、内部の補足室に関しても同一である。
【0043】
残存ドロップを吸引する場合、補足室内に収容されていた空気を放出すると共に、その後、残存ドロップを上記の補足室内に吸引するための通路がチップの端部に設けられている。同様に、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせることによって、定量ドロップよりも前に、補足室内に収容されている空気が放出されるようにする遅延効果がある。
【0044】
残存ドロップを飛ばす場合、上記の通路を省略することによって、補足室内に生成物が吸引されるのを防ぐことができる。また、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせることによって、補足室内に収容されている空気が残存ドロップを放出する前に、定量ドロップを供給する遅延効果が得られる。
【0045】
同様にして、補足室が所定の量だけ圧縮した場合に密封される開口部を補足室は有していてもよい。これによって、残存ドロップを飛ばすための空気が補足室から放出される前に、投与室から定量ドロップを放出するための時間を十分に得ることができる。
【0046】
この変形例では、補足室がチップの内部に配置されている場合、残存ドロップが飛ばされた後に補足室内を空気で充填するための第二開口部をさらに有していてもよい。
【0047】
投与室に加えて補足室の形成は、チップの内部および外部のいずれに補足室が配置されていても、定量ドロップの供給と干渉することなく、残存ドロップを吸引または飛ばすための手段の形成を伴っており、汚染されやすいチップの端部に残存ドロップが残存してしまうのを簡単な方法で防ぐことができ、好適である。
【0048】
テートの法則によれば、定量ドロップの落下は、その質量と、ドロップを形成する端部の開口部の直径とに応じることが分かる。所定の直径を有する開口部の場合、定量ドロップは、臨界質量と称される質量にまで達すると、落下してしまう。本発明に係る装置、および、上述した残存ドロップを飛ばす種々の変形例の場合、臨界質量を下回る質量を有する定量ドロップを形成するような直径を持つ投与室を備えていることが好ましい。これによれば、ドロップは自ら落下することはない。そのため、残存ドロップを形成することなく、定量ドロップ自身が飛ばされる。
【0049】
この結果、外部環境によって汚染されてしまう可能性があるチップの端部に残存ドロップを残存させずに、滅菌された定量ドロップを供給することができる簡易な装置が得られる。
【0050】
本発明の他の特徴および利点については、添付の図面を参照した次の説明で明白になるであろう。添付の図面は、本発明の実施形態および実施例を限定するものではなく、一例として示しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】特許文献5に開示された装置の変形例の横断面を示す概略図であって、装置に格納されており、滅菌フィルタを介して空気を交換するための容器と、投与室および定量ドロップを供給するための2つのバルブを有するアクセサリチップ(特許文献5においては、ノズルと称されている)とを示す図である。
【図2】図1に示す装置の横断面を示す概略図であって、定量ドロップに圧力が加えられ、残存ドロップを生成して放出された後の装置を示す図である。
【図3】本発明に係る装置の横断面を示す概略図であって、自身の内部に位置すると共に、端部に開口チャネルを有する補足室を備え、図1に示すアセンブリの一部であるチップを示す図である。
【図4】図3に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、補足室のみが圧縮されている状態を示す図である。
【図5】図4に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、投与室が圧縮されている状態を示す図である。
【図6】図5に類似した図面であって、装置に圧力が加えられていない状態を示す図である。
【図7】図3に類似した図面であって、2つの開口部および端部において閉じられている1つのチャネルを有する補足室を示す図である。
【図8】図7に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、投与室のみが圧縮されている状態を示す図である。
【図9】図8に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、補足室が圧縮されている状態を示す図である。
【図10】本発明に係る装置の横断面を示す概略図であって、図1に示すアセンブリの一部であり、柔軟性を有する変形可能な部分で囲まれているチップを示す図である。
【図11】図10に類似した図面であって、自身を構成する壁の厚さが異なっていると共に、柔軟性を有する変形可能な部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
異なる図面において図示および説明されている同一の部材番号は、種々の実施形態において類似した部材を意味する。
【0053】
図1に示すように、特許文献5に開示されている梱包供給装置は、底部21および上端部22からなる容器1を有している。底部21は、吸気のための通路4を有する空気交換濾過アセンブリを備えている。通路4は、空気フィルタ3へと続いている。上端部22は、チップ20に一体的に取り付けられている。チップ20は、押ボタン8によって作動する投与室7を有している。投与室7は、2つのバルブ5および10に囲まれていると共に、容器1の本体内部に収容された生成物2を供給する2つの供給チャネル6および8に囲まれている。
【0054】
第1バルブ10は、押ボタン8を押すことによって投与室7が圧縮されると、投与室7内に収容されている生成物2をチャネル9から外部へと移動させる。この際、第1バルブは、押ボタン8が解放されても、外気が投与室7内には侵入できないようにしている。一方、第2バルブ5は、押ボタン8が解放されると、容器1内に収容されている生成物2を、チャネル6を介して投与室7に侵入させる。この際、第2バルブは、投与室7が圧縮されても、投与室7内に収容されている生成物2が容器1内に戻ることができないようにしている。
【0055】
図2は、上記の装置と同じものを示しており、押ボタン8に矢印A方向に圧力が加えられることによって、装置に力がかかっている状態を示している。これによって、投与室7の圧縮、バルブ10からの定量ドロップ11の放出、および、残存ドロップ12の生成がもたらされる。
【0056】
図3は、チップ20を示している。チップ20の内部において、投与室7とは反対側の位置には補足室18が設けられている。補足室18は、該補足室18と投与室との間の通路を阻む流体密封手段によって投与室とは分けられており、押ボタン13によって作動すると共に、その端部19にチャネル23が開口している。投与室7の壁24は、補足室18の壁25よりも薄い。これによって、押ボタン8および13を同時に押すことによって装置に圧力が加えられると、投与室よりも前に、補足室が圧縮する。
【0057】
図4、5、および、6を参照すると、装置は以下の通りに動作する。
【0058】
ユーザが手動で押ボタン8および13を矢印AおよびA’方向に同時に押すと、まず補足室18の圧縮が起こる(図4)。これは、補足室18の壁25が投与室7の壁24と比較して薄く、圧力に対する耐性が低いためである。そのため、投与室7はまだ圧縮していない。
【0059】
投与室7の圧縮に先立った補足室18の早めの圧縮は、生成物2の定量ドロップ11が放出される前に、空気と生成物2との混合物を放出させることなく、補足室18内に収容されている空気を、チャネル23および開口端部19を通って放出する効果がある。
【0060】
次に、押ボタン8および13を同時に加圧することいよって、投与室7の圧縮、チャネル9とバルブ10の開口部とを通った、生成物2の定量ドロップ11の放出、ならびに、残存ドロップ12の生成を起こす(図5)。
【0061】
続いて、ユーザによる圧力の矢印BおよびB’方向への解放、および、投与室7と補足室18とにおける当初の形状への逆戻りは、バルブ5が開いた際に投与室7への生成物2の充填を起こす(図6)。この際、バルブ10は伸縮自在に密封しているため、外気が投与室内に侵入することなく、チャネル6を生成物は通過する。さらに、補足室18には、開口端部19およびチャネル23を通して残存ドロップ12を吸引させる。
【0062】
チャネル23および開口端部19を介しての補足室18および外気との接触は、補足室18内に吸引された残存ドロップの乾燥をもたらす。
【0063】
この吸引および乾燥によって、残存ドロップは完全にチップの端部から消失する。
【0064】
図7は、装置の変形例を示しており、補足室のチャネル23の端部は閉じられており、補足室18の壁25は、投与室7の壁24よりも厚い。
【0065】
ユーザが手動で押ボタン8および13を矢印AおよびA’方向に同時に押すと、最も薄い壁を有する投与室7は、圧力に対する耐性が最も低いため、投与室7の圧縮が起こる(図8)。その結果、最も厚い壁25を有し、圧力に対する耐性が最も高い補足室18が圧縮され、自身が収容する空気を放出する前に、生成物2の定量ドロップ11のチャネル9およびバルブ10からの排出、ならびに、残存ドロップ12の生成がもたらされる。
【0066】
補足室18に収容された空気を放出する前に定量ドロップ11を放出することは、空気と生成物2との混合物の放出を防ぐ上で必須である。生成物2の定量ドロップ11の早めの放出は、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせる方法以外の方法によっても実現可能である。
【0067】
図7および7aは、補足室18の壁25に設けられた開口部17を示していると共に、他のリップ27と協同しているリップ26を示している。この開口部17は、装置に圧力が加えられていないときに開口している(図7a)。ユーザが押ボタン8および13を同時に押すと、投与室7および補足室18の圧縮がもたらされる結果、2つのリップ26および27が接触することによって開口部17が閉じられるまで、補足室18内に収容されている空気は該開口部17から排出される。この間、投与室7は圧縮され、生成物2の定量ドロップ11が放出されている。
【0068】
この補足手段は、生成物2の定量ドロップ11が放出されるのと同時に、補足室18から空気が放出されるのを防いでいる。
【0069】
図8は、ユーザによって押ボタン8および13が矢印AおよびA’方向に押されることによって、投与室7を圧縮し、定量ドロップ11を放出する状態を示している。この際、押ボタン13が前進して、開口部17は2つのリップ26および27の接触によって密封され始めるが、補足室はまだ圧縮していない。
【0070】
開口部17の存在、および、協同するリップ26および27による遅延した閉鎖は、定量ドロップが放出されている間の補足室18の圧縮を防ぐと共に、空気と生成物2との混合物の放出を防ぐ。
【0071】
図9は、ユーザが押ボタン8および13を押すことによって、継続して圧力が加えられている装置を示している。補足室18は圧縮されているが、空気を排出するための開口部17は密封されている。これによって、チャネル23から空気が放出され、バルブ10が開かれ、残存ドロップ12が飛ばされる。
【0072】
定量ドロップ11の質量(投与室7の容積から割り出したもの)が、テートの法則に基づく臨界質量よりも少ない場合、定量ドロップ11は自ら落下することはなく、チップ2の端部に付着したまま残存ドロップ12と一体となる。
【0073】
そして、開口部17が閉ざされた後、補足室18が圧縮されると、残存ドロップ12を生成することなく飛ばされるのは定量ドロップ11である。
【0074】
補足室18を空気で再び充填するための孔14が設けられている(図7および7a)。ユーザが押ボタン13に力を矢印A’方向に加えたときに、ユーザの指によって孔14は閉じ、ユーザが加えている力を解放するときに、孔14は開く。
【0075】
図10は、投与室7とは反対側に位置する補足室19を構成する柔軟な外面部28によって囲まれたチップ20を示している。外面部28の壁25’は、押ボタン8と接触しておらず、補足室の内部はチャネル19によって外気と接触している。
【0076】
上述した装置は本発明に基づくものであり、図3に示した装置と同様に機能し、補足室18はチップの内部に配置されている。
【0077】
装置に力が加えられ、ユーザが柔軟な部分の壁に矢印AおよびA’方向に力を加えると、壁25’は押ボタン8と接触していないため、投与室7自身が押ボタン8による壁25’からの圧力で圧縮し、定量ドロップ11が放出される前に、補足室18内に収容されている空気が放出される。これによって、生成物2と同時に空気が放出されるのを防ぐことができる。
【0078】
ユーザが加えている力を解放すると、図6に示した装置と同じ条件下で補足室は自身の形状に戻り始め、定量ドロップ11が放出された後に形成された残存ドロップ12を吸引する。
【0079】
図11は、柔軟な外面部28に囲まれたチップ20を有している装置を示している。外面部の壁25’は押ボタン8と接触しているが、2つの開口部17および14を有する反対側の壁25”よりも薄い。
【0080】
この装置は、図7、8、および、9に示した装置と同様に機能し、定量ドロップを放出した後に残存ドロップを飛ばすか、あるいは、定量ドロップの質量として、該定量ドロップが自ら落下しないような質量を選択した場合に、残存ドロップを生成せずに定量ドロップ自身を飛ばす。
【0081】
図7、7a、8、および、9に示した手段と同様の手段によって、投与室7の圧縮と比較して、補足室18の圧縮を遅延させる効果を奏することができる。また、孔14によって、同じ条件下で補足室18に空気を充填することができる。
【0082】
補足室が、残存ドロップを吸引すること、残存ドロップを飛ばすこと、または、残存ドロップを生成せずに定量ドロップを飛ばすことができるのであれば、本発明の範囲を逸脱せずに、チップを伴う補足室の他の実施形態は可能である。
【0083】
補足室からの空気と投与室からの生成物とが同時に放出されるのを防ぐための手段として、本発明の範囲を逸脱せずに、他の類似した手段を採用してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包の技術分野に関し、より詳細には、保存料を加えずに清潔な状態または滅菌状態に維持するための液状生成物または粘性生成物であって、ポーションまたはドーズ(doses)(特にドロップ(drops))で供給される液状生成物または粘性生成物の梱包および供給の技術分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、生成物を梱包および供給するための装置であって、容器に格納された供給アクセサリによって供給される生成物を収容する容器と、チップとを有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来構造の梱包装置であって、一定量のドーズまたはドロップ(measured doses or drops)あるいは他の形態で生成物を格納および供給しつつ、使用中の清潔度および滅菌度を維持する装置が知られている。
【0004】
この装置は、製薬工業、化粧品工業、および、食品工業において使用されている。一部には、特に眼科分野のために作られたものもある。
【0005】
このような周知の装置は、特許文献1〜3に開示されている。これらの特許文献1〜3に開示されている装置では、容器は細菌濾過膜を有する供給チップと一緒に装備されており、細菌濾過膜は、生成物が容器から離れる際に、該生成物を滅菌する。
【0006】
これらの装置では、容器は、手動で圧迫された際に柔軟性を示すポーションを有している。該ポーションは、生成物に細菌膜を通過させ、チップを通って容器内から排出させることができる。
【0007】
類似の結果をもたらす他のタイプの装置は、特許文献4に開示されている。この特許文献4に開示されている装置では、ノズルが格納されたポンプによって生成物が供給されている。該ポンプは、空気交換回路内に細菌フィルタを有している。
【0008】
類似の結果をもたらすさらに他のタイプの装置は、特許文献5および6に開示されている。これらの特許文献5および6に開示されている装置では、容器に格納された柔軟性のノズルを介して放出される。このノズルはアクセサリとして機能しており、生成物を保持している容器の壁あるいはノズル自身によって生じる圧力の影響で開き、自身の弾力性によって閉じる。細菌フィルタは容器の底部に配置されており、該底部には空気交換のための開口部が設けられている。
【0009】
類似の結果をもたらす他の装置は、生成物を供給するためのポンプを有しており、該ポンプにはノズルが格納され、該ポンプは空気交換回路を持たない流体密封容器に取り付けられている。
【0010】
生成物自身の無菌濾過または交換空気の無菌濾過のための細菌フィルタを有するすべての装置、あるいは、容器内にフィルタまたは空気交換回路を有していないすべての装置では、使用中は清潔な状態または滅菌状態で容器内に生成物を格納することができる。この点から、これらの装置は効果的であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許発明第2770495号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2638428号明細書
【特許文献3】仏国特許発明第2661401号明細書
【特許文献4】欧州特許第0861128号明細書
【特許文献5】仏国特許発明第0408031号明細書
【特許文献6】仏国特許発明第0510907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、これらの装置の主な不利な点は、容器の外側、特にノズルの先端には細菌が存在していないことを保証できない点である。
【0013】
これらの装置で用いられる手段によって生成物の定量ドロップが放出された場合、該ドロップのほんの一部(以下、残存ドロップと称す)がノズルの先端に残存してしまう。
【0014】
生成物の定量ドロップを放出するために用いられる装置および方法において、ノズルの先端に残存ドロップが形成されるのを防ぐことができないのは、これまでの例で明らかである。この残存ドロップは、次回その装置を使用するまで残ってしまう。
【0015】
清潔な状態または滅菌状態で保持することができる容器内の生成物とは異なり、残存ドロップは外気と接触した状態で残ってしまい、そこを汚染してしまう虞がある。そのため、残存ドロップの形成および残存は主な不利な点である。
【0016】
収容または供給する生成物を、保存料を用いずに清潔な状態または滅菌状態で維持するという、これら既存の装置の目的は、達成されていない。それは、容器内の生成物が清潔な状態または滅菌状態で維持されていても、供給ノズルの先端において汚染されてしまう虞がある。
【0017】
既存の装置すべてに対して影響を与えている上記の問題を解決するために、様々な解決策が提案されている。
【0018】
上述した特許文献1に開示されている装置では、定量ドロップを放出することによって生じる吸引力の影響により、残存ドロップを容器内に吸引して戻している。そして、回収されたドロップは、生成物供給回路に設けられている滅菌フィルタによって滅菌される。
【0019】
この解決策は残存ドロップを除去するために考案されたが、その効果は十分ではない。それは、一定量のドロップが放出された後、容器内で生成される吸引力が、残存ドロップが通る通路にかかる滅菌フィルタの抵抗力を上回るとは限らないためである。そのため、ドロップは容器内に吸引されず、戻らない可能性がある。
【0020】
特許文献4に開示されているような装置に対しては、他の解決策が提案されている。この解決策は、殺菌特性を有する銀等からなる金属挿入部を、残存ドロップを汚染している細菌を殺すノズル内に配置することによってなる。
【0021】
類似した解決策は、残存ドロップと接触するプラスチックに殺菌材料を加えることによってなる。
【0022】
このような装置は、細菌汚染のリスクを低減するために、残存ドロップを乾燥させることもできる。
【0023】
しかし、これらの解決策は保存料の使用を避けるために設計されたものではあるが、十分ではない。その理由は、これらの解決策の効果は相対的なだけであるためと、生成物中に金属分子が放出されるリスクがあるためとである。
【0024】
本発明の目的は、装置外部の細菌汚染のリスクという不利な点なしに、清潔な生成物または滅菌された生成物の定量ドロップを供給するための装置の使用を可能にすることである。
【0025】
より一般的には、本発明の目的は、類似した周知の装置における不利な点を解決すること、ならびに、現行の使用方法に求められる様々な要求に適した装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的を達成するために、本発明は、概ね液状の生成物または概ね粘性がある生成物を梱包および供給するための装置であって、チップを有する供給アクセサリによって、梱包および供給される上記生成物を、清潔な状態または滅菌された状態の定量ドーズまたはドロップの形態で収容する容器を備え、上記容器および上記アクセサリのアセンブリは、上記アクセサリと同時に作動する補足室であって、上記定量ドーズまたはドロップを供給した後に上記アクセサリの端部に存在する残存ドロップを吸引する、または、上記残存ドロップを飛ばす、あるいは、上記残存ドロップの生成をさせずに上記定量ドーズまたはドロップを飛ばす、柔軟性を有する変形可能な補足室を備えていることを特徴とする装置を提案する。
【0027】
このため、清潔な生成物または滅菌された生成物の定量ドーズまたはドロップは、容器、アクセサリ、または、アクセサリの一部であるチップに簡易な圧力をかけることによって供給することできる。この際、汚染された可能性がある残存ドロップは、定量ドーズまたはドロップが放出された後に残存しない保証がある。
【0028】
例えば、特許文献5に種々開示されているように、生成物を格納し、該生成物を滅菌された定量ドロップとして供給するための装置は、交換空気を取り入れるための開口部と、上記の空気が上記の容器内を通過する際に該空気を滅菌するためのフィルタとを有している。生成物は上記の容器内に格納されており、容器に取り付けられたアクセサリチップ(特許文献5においては、ノズルと称されている)によって供給される。このチップは、定量ドロップの容積を規定するための投与室を有している。例えば押ボタン等によって圧迫された際に、投与室は内部に外気が入り込むのを防ぐためのバルブを開放することによって、上記のドロップを上記の容器から放出させる。
【0029】
投与室と容器内部との間に配置された他のバルブは、投与室が圧迫されている際には、投与室内から容器内部へと戻ってくる生成物を防いでいる。また、投与室が解放された際には、容器内に吸引した生成物で投与室を充填させる。
【0030】
したがって、本発明の装置は、さらに第1バルブによって上記容器から上記生成物が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップを供給するために、第2バルブによって上記装置の外部と繋がっている生成物投与室をさらに備えていることが好ましい。
【0031】
上記補足室は、上記チップの外部に配置されていてもよい。
【0032】
本発明の第1の実施形態では、補足部は、チップの外側であって、投与室が位置する場所に配置されていることが好ましい。この補足部は柔軟性および弾力性を有する材料で構成されていることが好ましく、流体密封シールと一体となって、該流体密封シールが囲んでいる上記チップの底部に接合されている。この補足部およびチップは、補足部とチップ自身との間に自由空間が形成されるように構成されている。この自由空間は、補足室を構成しており、投与室が圧迫された後に解放されると、該補足室は圧迫された後に自動的に解放される。これによって、残存ドロップの生成を防ぎつつ、残存ドロップを吸引する、残存ドロップを飛ばす、または、一定量のドロップを飛ばすことができる。
【0033】
第1の変形例では、補足部の端部は、円筒型の排気口を有しており、投与室側のチップ端部と流体密封状態になるように構成されていると共に、投与室とは反対側のチップ端部と非流体密封状態になるように構成されている。投与室および補足室が圧迫された後、定量ドロップが放出されると、残存ドロップが生成され、補足部の円筒型の排気口に残存する。ここで、投与室および補足室からなるアセンブリが解放されると、該残存ドロップは補足室内に吸引される。
【0034】
他の実施形態では、投与室側に位置する外面部の一部は、投与室の押ボタンと直接的に接触していなくてもよい。換言すれば、上記補足室の壁は、上記投与室の押ボタンと接触していなくてもよい。そのため、装置が使用されている間は、定量ドロップ自身が放出される前に、補足室に収容されている空気が放出される。この遅延効果から、装置は較正したドロップの放出と同時に空気の放出を行わない。遅延効果を生み出す他の方法では、補足室の壁の厚さの違い等を利用することができる。具体的には、投与室と反対側の壁を投与室側の壁よりも薄くすることによって、投与室側の壁よりも柔軟にさせ、遅延効果を生み出すことができる。
【0035】
上記投与室から上記定量ドロップが放出される前に、上記補足室内に収容されている空気を放出するように、上記補足室の壁は、上記投与室の壁よりも薄くてもよい。
【0036】
他の変形例では、補足室の円筒型の端部は、チップ端部の投与室側および投与室とは反対側の双方と流体密封状態で該チップ端部に取り付けられている。そのため、残存ドロップは、補足室内に吸引されることなく、チップの外側に飛ばされる。この場合、投与室は、残存ドロップを飛ばすための空気を補足室が放出する前に、定量ドロップを放出する必要がある。投与室の圧縮に対して、補足室の圧縮を遅延させるために様々な方法が採られている。補足部において、投与室とは反対側に位置する壁は、投与室側に位置する壁よりも厚くすることによって、投与室側に位置する壁よりも硬くなる。換言すれば、投与室の壁を補足室の壁よりも薄くすることによって、補足室に収容されている空気を放出する前に、投与室から定量ドロップを放出することができる。同様に、補足室に開口部が設けられていてもよい。この開口部は、チップの一部に配置され、該開口部を開口した状態で維持すると共に、投与室が定量ドロップを放出する間は補足室内に収容されている空気が圧縮するのを防ぐ停止部と協同する。そして、定量ドロップが放出された後、開口部が閉じることによって補足室が圧縮され、該補足室内に収容されている空気が放出される。これによって、残存ドロップが飛ばされる。したがって、補足室は、該補足室内に収容されている空気を放出する前に、投与室から定量ドロップを放出するための開口部を有していてもよい。
【0037】
補足室に直前まで収容されていた空気で残存ドロップを飛ばした後は、該補足室内に再び空気を充填する必要がある。そこで、上記の補足室の壁に、第2開口部を設けてもよい。この第2開口部は、ユーザが装置を使用する際に、チップの投与室側と補足室側とを指で同時に押しつけることによる圧力によって、自動的に密封される。一方、ユーザがチップの両側を押しつけるのをやめると第2開口部は自動的に開口し、補足室内に空気が再び取り込まれる。上記補足室の押ボタンまたは壁は、上記補足室内に交換空気を取り入れるための少なくとも1つの開口部を有していてもよい。
【0038】
他の実施形態では、残存ドロップの吸引または吹き飛ばしを行う補足室は、チップを囲む補足部を利用して構成されておらず、チップ自身の内部に配置されている。
【0039】
この実施形態は、チップの外部に位置する補足室を形成した場合と同様の結果が得られるが、補足部を省略できるという利点がある。
【0040】
この補足室は投与室とは反対側に形成されているため、定量ドロップを供給するためにチップの2つの側面を押して投与室を圧縮し、該ドロップを供給した後に解放すると、該補足室は自動的に圧縮および解放される。
【0041】
補足室および投与室の間を空気または生成物が通過するのを防ぐために、補足室および投与室の間を完全に密封するための手段が提供されている。
【0042】
チップの外部に位置し、残存ドロップを吸引または飛ばすための補足室を利用するのを想定した上述の手段は、内部の補足室に関しても同一である。
【0043】
残存ドロップを吸引する場合、補足室内に収容されていた空気を放出すると共に、その後、残存ドロップを上記の補足室内に吸引するための通路がチップの端部に設けられている。同様に、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせることによって、定量ドロップよりも前に、補足室内に収容されている空気が放出されるようにする遅延効果がある。
【0044】
残存ドロップを飛ばす場合、上記の通路を省略することによって、補足室内に生成物が吸引されるのを防ぐことができる。また、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせることによって、補足室内に収容されている空気が残存ドロップを放出する前に、定量ドロップを供給する遅延効果が得られる。
【0045】
同様にして、補足室が所定の量だけ圧縮した場合に密封される開口部を補足室は有していてもよい。これによって、残存ドロップを飛ばすための空気が補足室から放出される前に、投与室から定量ドロップを放出するための時間を十分に得ることができる。
【0046】
この変形例では、補足室がチップの内部に配置されている場合、残存ドロップが飛ばされた後に補足室内を空気で充填するための第二開口部をさらに有していてもよい。
【0047】
投与室に加えて補足室の形成は、チップの内部および外部のいずれに補足室が配置されていても、定量ドロップの供給と干渉することなく、残存ドロップを吸引または飛ばすための手段の形成を伴っており、汚染されやすいチップの端部に残存ドロップが残存してしまうのを簡単な方法で防ぐことができ、好適である。
【0048】
テートの法則によれば、定量ドロップの落下は、その質量と、ドロップを形成する端部の開口部の直径とに応じることが分かる。所定の直径を有する開口部の場合、定量ドロップは、臨界質量と称される質量にまで達すると、落下してしまう。本発明に係る装置、および、上述した残存ドロップを飛ばす種々の変形例の場合、臨界質量を下回る質量を有する定量ドロップを形成するような直径を持つ投与室を備えていることが好ましい。これによれば、ドロップは自ら落下することはない。そのため、残存ドロップを形成することなく、定量ドロップ自身が飛ばされる。
【0049】
この結果、外部環境によって汚染されてしまう可能性があるチップの端部に残存ドロップを残存させずに、滅菌された定量ドロップを供給することができる簡易な装置が得られる。
【0050】
本発明の他の特徴および利点については、添付の図面を参照した次の説明で明白になるであろう。添付の図面は、本発明の実施形態および実施例を限定するものではなく、一例として示しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】特許文献5に開示された装置の変形例の横断面を示す概略図であって、装置に格納されており、滅菌フィルタを介して空気を交換するための容器と、投与室および定量ドロップを供給するための2つのバルブを有するアクセサリチップ(特許文献5においては、ノズルと称されている)とを示す図である。
【図2】図1に示す装置の横断面を示す概略図であって、定量ドロップに圧力が加えられ、残存ドロップを生成して放出された後の装置を示す図である。
【図3】本発明に係る装置の横断面を示す概略図であって、自身の内部に位置すると共に、端部に開口チャネルを有する補足室を備え、図1に示すアセンブリの一部であるチップを示す図である。
【図4】図3に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、補足室のみが圧縮されている状態を示す図である。
【図5】図4に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、投与室が圧縮されている状態を示す図である。
【図6】図5に類似した図面であって、装置に圧力が加えられていない状態を示す図である。
【図7】図3に類似した図面であって、2つの開口部および端部において閉じられている1つのチャネルを有する補足室を示す図である。
【図8】図7に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、投与室のみが圧縮されている状態を示す図である。
【図9】図8に類似した図面であって、装置に圧力が加えられ、補足室が圧縮されている状態を示す図である。
【図10】本発明に係る装置の横断面を示す概略図であって、図1に示すアセンブリの一部であり、柔軟性を有する変形可能な部分で囲まれているチップを示す図である。
【図11】図10に類似した図面であって、自身を構成する壁の厚さが異なっていると共に、柔軟性を有する変形可能な部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
異なる図面において図示および説明されている同一の部材番号は、種々の実施形態において類似した部材を意味する。
【0053】
図1に示すように、特許文献5に開示されている梱包供給装置は、底部21および上端部22からなる容器1を有している。底部21は、吸気のための通路4を有する空気交換濾過アセンブリを備えている。通路4は、空気フィルタ3へと続いている。上端部22は、チップ20に一体的に取り付けられている。チップ20は、押ボタン8によって作動する投与室7を有している。投与室7は、2つのバルブ5および10に囲まれていると共に、容器1の本体内部に収容された生成物2を供給する2つの供給チャネル6および8に囲まれている。
【0054】
第1バルブ10は、押ボタン8を押すことによって投与室7が圧縮されると、投与室7内に収容されている生成物2をチャネル9から外部へと移動させる。この際、第1バルブは、押ボタン8が解放されても、外気が投与室7内には侵入できないようにしている。一方、第2バルブ5は、押ボタン8が解放されると、容器1内に収容されている生成物2を、チャネル6を介して投与室7に侵入させる。この際、第2バルブは、投与室7が圧縮されても、投与室7内に収容されている生成物2が容器1内に戻ることができないようにしている。
【0055】
図2は、上記の装置と同じものを示しており、押ボタン8に矢印A方向に圧力が加えられることによって、装置に力がかかっている状態を示している。これによって、投与室7の圧縮、バルブ10からの定量ドロップ11の放出、および、残存ドロップ12の生成がもたらされる。
【0056】
図3は、チップ20を示している。チップ20の内部において、投与室7とは反対側の位置には補足室18が設けられている。補足室18は、該補足室18と投与室との間の通路を阻む流体密封手段によって投与室とは分けられており、押ボタン13によって作動すると共に、その端部19にチャネル23が開口している。投与室7の壁24は、補足室18の壁25よりも薄い。これによって、押ボタン8および13を同時に押すことによって装置に圧力が加えられると、投与室よりも前に、補足室が圧縮する。
【0057】
図4、5、および、6を参照すると、装置は以下の通りに動作する。
【0058】
ユーザが手動で押ボタン8および13を矢印AおよびA’方向に同時に押すと、まず補足室18の圧縮が起こる(図4)。これは、補足室18の壁25が投与室7の壁24と比較して薄く、圧力に対する耐性が低いためである。そのため、投与室7はまだ圧縮していない。
【0059】
投与室7の圧縮に先立った補足室18の早めの圧縮は、生成物2の定量ドロップ11が放出される前に、空気と生成物2との混合物を放出させることなく、補足室18内に収容されている空気を、チャネル23および開口端部19を通って放出する効果がある。
【0060】
次に、押ボタン8および13を同時に加圧することいよって、投与室7の圧縮、チャネル9とバルブ10の開口部とを通った、生成物2の定量ドロップ11の放出、ならびに、残存ドロップ12の生成を起こす(図5)。
【0061】
続いて、ユーザによる圧力の矢印BおよびB’方向への解放、および、投与室7と補足室18とにおける当初の形状への逆戻りは、バルブ5が開いた際に投与室7への生成物2の充填を起こす(図6)。この際、バルブ10は伸縮自在に密封しているため、外気が投与室内に侵入することなく、チャネル6を生成物は通過する。さらに、補足室18には、開口端部19およびチャネル23を通して残存ドロップ12を吸引させる。
【0062】
チャネル23および開口端部19を介しての補足室18および外気との接触は、補足室18内に吸引された残存ドロップの乾燥をもたらす。
【0063】
この吸引および乾燥によって、残存ドロップは完全にチップの端部から消失する。
【0064】
図7は、装置の変形例を示しており、補足室のチャネル23の端部は閉じられており、補足室18の壁25は、投与室7の壁24よりも厚い。
【0065】
ユーザが手動で押ボタン8および13を矢印AおよびA’方向に同時に押すと、最も薄い壁を有する投与室7は、圧力に対する耐性が最も低いため、投与室7の圧縮が起こる(図8)。その結果、最も厚い壁25を有し、圧力に対する耐性が最も高い補足室18が圧縮され、自身が収容する空気を放出する前に、生成物2の定量ドロップ11のチャネル9およびバルブ10からの排出、ならびに、残存ドロップ12の生成がもたらされる。
【0066】
補足室18に収容された空気を放出する前に定量ドロップ11を放出することは、空気と生成物2との混合物の放出を防ぐ上で必須である。生成物2の定量ドロップ11の早めの放出は、補足室および投与室の壁の厚さを異ならせる方法以外の方法によっても実現可能である。
【0067】
図7および7aは、補足室18の壁25に設けられた開口部17を示していると共に、他のリップ27と協同しているリップ26を示している。この開口部17は、装置に圧力が加えられていないときに開口している(図7a)。ユーザが押ボタン8および13を同時に押すと、投与室7および補足室18の圧縮がもたらされる結果、2つのリップ26および27が接触することによって開口部17が閉じられるまで、補足室18内に収容されている空気は該開口部17から排出される。この間、投与室7は圧縮され、生成物2の定量ドロップ11が放出されている。
【0068】
この補足手段は、生成物2の定量ドロップ11が放出されるのと同時に、補足室18から空気が放出されるのを防いでいる。
【0069】
図8は、ユーザによって押ボタン8および13が矢印AおよびA’方向に押されることによって、投与室7を圧縮し、定量ドロップ11を放出する状態を示している。この際、押ボタン13が前進して、開口部17は2つのリップ26および27の接触によって密封され始めるが、補足室はまだ圧縮していない。
【0070】
開口部17の存在、および、協同するリップ26および27による遅延した閉鎖は、定量ドロップが放出されている間の補足室18の圧縮を防ぐと共に、空気と生成物2との混合物の放出を防ぐ。
【0071】
図9は、ユーザが押ボタン8および13を押すことによって、継続して圧力が加えられている装置を示している。補足室18は圧縮されているが、空気を排出するための開口部17は密封されている。これによって、チャネル23から空気が放出され、バルブ10が開かれ、残存ドロップ12が飛ばされる。
【0072】
定量ドロップ11の質量(投与室7の容積から割り出したもの)が、テートの法則に基づく臨界質量よりも少ない場合、定量ドロップ11は自ら落下することはなく、チップ2の端部に付着したまま残存ドロップ12と一体となる。
【0073】
そして、開口部17が閉ざされた後、補足室18が圧縮されると、残存ドロップ12を生成することなく飛ばされるのは定量ドロップ11である。
【0074】
補足室18を空気で再び充填するための孔14が設けられている(図7および7a)。ユーザが押ボタン13に力を矢印A’方向に加えたときに、ユーザの指によって孔14は閉じ、ユーザが加えている力を解放するときに、孔14は開く。
【0075】
図10は、投与室7とは反対側に位置する補足室19を構成する柔軟な外面部28によって囲まれたチップ20を示している。外面部28の壁25’は、押ボタン8と接触しておらず、補足室の内部はチャネル19によって外気と接触している。
【0076】
上述した装置は本発明に基づくものであり、図3に示した装置と同様に機能し、補足室18はチップの内部に配置されている。
【0077】
装置に力が加えられ、ユーザが柔軟な部分の壁に矢印AおよびA’方向に力を加えると、壁25’は押ボタン8と接触していないため、投与室7自身が押ボタン8による壁25’からの圧力で圧縮し、定量ドロップ11が放出される前に、補足室18内に収容されている空気が放出される。これによって、生成物2と同時に空気が放出されるのを防ぐことができる。
【0078】
ユーザが加えている力を解放すると、図6に示した装置と同じ条件下で補足室は自身の形状に戻り始め、定量ドロップ11が放出された後に形成された残存ドロップ12を吸引する。
【0079】
図11は、柔軟な外面部28に囲まれたチップ20を有している装置を示している。外面部の壁25’は押ボタン8と接触しているが、2つの開口部17および14を有する反対側の壁25”よりも薄い。
【0080】
この装置は、図7、8、および、9に示した装置と同様に機能し、定量ドロップを放出した後に残存ドロップを飛ばすか、あるいは、定量ドロップの質量として、該定量ドロップが自ら落下しないような質量を選択した場合に、残存ドロップを生成せずに定量ドロップ自身を飛ばす。
【0081】
図7、7a、8、および、9に示した手段と同様の手段によって、投与室7の圧縮と比較して、補足室18の圧縮を遅延させる効果を奏することができる。また、孔14によって、同じ条件下で補足室18に空気を充填することができる。
【0082】
補足室が、残存ドロップを吸引すること、残存ドロップを飛ばすこと、または、残存ドロップを生成せずに定量ドロップを飛ばすことができるのであれば、本発明の範囲を逸脱せずに、チップを伴う補足室の他の実施形態は可能である。
【0083】
補足室からの空気と投与室からの生成物とが同時に放出されるのを防ぐための手段として、本発明の範囲を逸脱せずに、他の類似した手段を採用してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
概ね液状の生成物または概ね粘性がある生成物を梱包および供給するための装置であって、
チップ(20)を有する供給アクセサリによって、梱包および供給される上記生成物(2)を、清潔な状態または滅菌された状態の定量ドーズまたはドロップ(11)の形態で収容する容器(1)を備え、
上記容器(1)および上記アクセサリのアセンブリは、上記アクセサリと同時に作動する補足室であって、上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給した後に上記アクセサリの端部に存在する残存ドロップ(12)を吸引する、または、上記残存ドロップ(12)を飛ばす、あるいは、上記残存ドロップ(12)の生成をさせずに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を飛ばす、柔軟性を有する変形可能な補足室(18)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記補足室(18)は、上記チップ(20)自身の内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
上記補足室(18)は、上記チップ(20)の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出される前に、上記補足室(18)内に収容されている空気を放出するように、上記補足室(18)の壁(25)は、上記投与室(7)の壁(24)よりも薄いことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)内に収容されている空気が放出される前に、上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出されるように、上記投与室(7)の壁(24)は、上記補足室(18)の壁(25,25”)よりも薄いことを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項7】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)内に収容されている空気が放出される前に、上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出されるように、上記補足室(18)は開口部(17)を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項8】
上記補足室(18)の押ボタン(13)または壁(25”)は、上記補足室(18)内に交換空気を取り入れるための少なくとも1つの開口部(14)を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項9】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)の壁(25’)は、上記投与室(7)の押ボタン(8)と接触していないことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項1】
概ね液状の生成物または概ね粘性がある生成物を梱包および供給するための装置であって、
チップ(20)を有する供給アクセサリによって、梱包および供給される上記生成物(2)を、清潔な状態または滅菌された状態の定量ドーズまたはドロップ(11)の形態で収容する容器(1)を備え、
上記容器(1)および上記アクセサリのアセンブリは、上記アクセサリと同時に作動する補足室であって、上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給した後に上記アクセサリの端部に存在する残存ドロップ(12)を吸引する、または、上記残存ドロップ(12)を飛ばす、あるいは、上記残存ドロップ(12)の生成をさせずに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を飛ばす、柔軟性を有する変形可能な補足室(18)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記補足室(18)は、上記チップ(20)自身の内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
上記補足室(18)は、上記チップ(20)の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出される前に、上記補足室(18)内に収容されている空気を放出するように、上記補足室(18)の壁(25)は、上記投与室(7)の壁(24)よりも薄いことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)内に収容されている空気が放出される前に、上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出されるように、上記投与室(7)の壁(24)は、上記補足室(18)の壁(25,25”)よりも薄いことを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項7】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)内に収容されている空気が放出される前に、上記投与室(7)から上記定量ドロップ(11)が放出されるように、上記補足室(18)は開口部(17)を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項8】
上記補足室(18)の押ボタン(13)または壁(25”)は、上記補足室(18)内に交換空気を取り入れるための少なくとも1つの開口部(14)を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項9】
第1バルブ(5)によって上記容器(1)から上記生成物(2)が供給され、上記アクセサリが作動するときに上記定量ドーズまたはドロップ(11)を供給するために、第2バルブ(10)によって上記装置の外部への通路を提供する生成物投与室(7)をさらに備えており、
上記補足室(18)の壁(25’)は、上記投与室(7)の押ボタン(8)と接触していないことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7a】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7a】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−516815(P2012−516815A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546928(P2011−546928)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050161
【国際公開番号】WO2010/089501
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511188761)
【氏名又は名称原語表記】SIVEL
【住所又は居所原語表記】34,boulevard Albert 1er,F−06600 Antibes,France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050161
【国際公開番号】WO2010/089501
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511188761)
【氏名又は名称原語表記】SIVEL
【住所又は居所原語表記】34,boulevard Albert 1er,F−06600 Antibes,France
【Fターム(参考)】
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