自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体、及び自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法
【課題】セットラ天井部を支持するH鋼を冷却することにより、セットラ天井部を支持するH鋼の損耗、変形を抑制し、H鋼の寿命を延長することを課題とする。
【解決手段】自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする自溶炉におけるH鋼の冷却構造体。
【解決手段】自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする自溶炉におけるH鋼の冷却構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
銅製錬の製錬工程では、選鉱により得られた精鉱を酸素富化空気あるいは高温熱風と同時に自溶炉に投入し、瞬間的に化学反応を起こさせてマットとスラグに分離する。このような自溶炉1は、図1に示すように、反応シャフト2、セットラ3、アップテイク4から構成され、反応シャフト2には1〜3本の精鉱バーナ5が備えられている。精鉱は精鉱バーナ5によって炉内に吹き込まれる。
【0003】
このような自溶炉では銅の製錬工程上、熱の発生が避けられない。特に、近年の銅生産量の増加要求に伴い、高負荷での操業が必要となり、その発生する熱量も上昇することとなった。このため、自溶炉を構成する耐熱レンガ等の耐火材の劣化進行が早まることとなっていた。これに対し、耐火材の劣化進行を抑制する技術が特許文献1乃至5に開示されている。
【0004】
特許文献1には、自溶炉の反応シャフトの天井部に配置された精鉱バーナ付近の点検孔に装着する水冷ジャケット構造が示されている。特許文献2には、自溶炉本体からマットまたはスラグを抜き出すためのタップホールの冷却構造が示されている。特許文献3には、自溶炉のシャフト近傍に位置するセットラの三角天井部に、冷却水の流れるパイプ部材を鋳込んだ銅製の水冷ジャケットを吊り下げ支持した炉体水冷構造が示されている。特許文献4には、自溶炉のシャフトとセットラとの連結部またはアップテイクとセットラとの連結部に水冷ジャケットを吊り下げ支持した自溶炉の炉体冷却構造が示されている。特許文献5には、自溶炉のシャフト直下のスラグ層が生成する領域の耐火物を冷却する炉体水冷ジャケットが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−162401号公報
【特許文献2】特許第4350119号公報
【特許文献3】特開2008−202923号公報
【特許文献4】特許第4187752号公報
【特許文献5】特許第4064387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自溶炉のセットラ天井部は数本のH鋼を掛け渡すことにより支持されている。自溶炉内で精鉱が反応し熱が発生すると、セットラ天井部にも熱の影響が現われる。セットラ天井部が熱を受けることにより、セットラ天井部を支持するH鋼も熱負荷の影響を受け、損耗、変形する。このようにH鋼が熱を受け、損耗、変形すると、隣接する耐火材が脱落してしまうことが考えられ、耐火材が脱落することにより、自溶炉の操業を停止する必要がある。さらには、自溶炉内の排ガスが漏洩することも考えられ、環境汚染に対する配慮も必要となる。従来では、このようなH鋼の損耗、変形の影響を考慮すると、H鋼を2〜3年の周期で交換することを余儀なくされており、H鋼の交換にかかる材料費、作業費のコストがかかっていた。このような問題に対し、上記の特許文献にはセットラ天井部、特に、セットラ天井部を支持するH鋼の冷却に関する点は考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、セットラ天井部を支持するH鋼を冷却することにより、H鋼の損耗、変形を抑制し、H鋼の寿命を延長することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決する本発明の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材が前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された構成とすることができる。
【0010】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された構成とすることができる。
【0011】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管を有する構成とすることができる。
【0012】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ、内部を冷却水が流通する冷却水管と、を有する構成とすることができる。
【0013】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管であるような構成とすることができる。
【0014】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記放熱板は前記H鋼へタップ溶接により接合した構成とすることができる。
【0015】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記放熱板を銅製とすることができる。また、上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造において、前記冷却水管を銅製とすることができる。
【0016】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とすることができる。
【0017】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に3本の前記冷却水管を有し、前記H鋼のウェブ部よりも前記セットラの外周側に3本の前記冷却水管を有する構成とすることができる。
【0018】
上記課題を解決する本発明の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に冷却部材を接触させ、前記H鋼を冷却することを特徴とする。また、このような自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法は、前記冷却部材を銅製とすることができる。
【0019】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触した前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管とする方法とすることができる。
【0020】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に接触して配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に接触して配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とする方法とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自溶炉の天井部におけるH鋼の冷却構造体は、セットラ天井部を支持するH鋼を冷却することにより、H鋼の損耗、変形を抑制し、H鋼の寿命を延長することができる。より詳細には、
(1)H鋼に冷却部材を接触させることにより、H鋼から直接奪取する熱量を増加し、H鋼の冷却を促進することができる。
(2)冷却部材をH鋼の炉内側に配置することにより、熱源に近いH鋼の炉内側を冷却することができる。
(3)内部を冷却水が流通する冷却水管を有する構成とすることにより、冷却水がH鋼の熱を奪取するため、H鋼の高温化を抑制できる。
(4)放熱板をH鋼に接触させる構成とすることにより、接触面積が大きい放熱板がH鋼から熱を奪取するため、H鋼の冷却効果を向上できる。
(5)冷却部材として熱伝導性に優れた銅を用いることにより、H鋼の冷却効果を向上できる。
(6)熱源に近いH鋼の炉内側は熱伝導性の高い銅を用いて、高い冷却性能を有し、熱源から遠いH鋼の炉外側は強度が高く、安価なステンレス鋼を用い、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術の自溶炉の概略構成を示した説明図である。
【図2】本実施例のH鋼の冷却構造体を備える自溶炉の概略構成を示した説明図であって、(a)は自溶炉の平面図を示し、(b)は(a)中のA−A線における断面図を示している。
【図3】セットラの天井部を示した説明図である。
【図4】H鋼を示した説明図である。
【図5】H鋼の冷却構造体を示した断面図である。
【図6】比較例のH鋼の冷却構造体を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための一形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
本実施例における装置の構成について図面を参照しつつ説明する。図2は本実施例のH鋼の冷却構造体を備える自溶炉10の概略構成を示した説明図である。図2(a)は自溶炉10の平面図であって、図2(b)は図2(a)中のA−A線における断面図である。
【0025】
自溶炉10は、例えば、銅製錬の自溶炉である。図2に示すように、自溶炉10は、反応シャフト20、セットラ30、アップテイク40を備えている。反応シャフト20の上部には精鉱バーナ50が備えられており、精鉱バーナ50から反応シャフト20内へ精鉱と酸素富化空気が吹き込まれる。吹き込まれた精鉱と酸素富化空気は反応シャフト20内で混合して瞬間的に反応し、セットラ30内において層状のマットとスラグに分離する。
【0026】
ところで、高温となる自溶炉10の炉壁は耐熱性のレンガを敷き詰めて構成されている。セットラ30の天井部60は、このようなレンガを支持するために、アーチ状のSS400製のH鋼70が6本掛け渡されている。さらに、自溶炉10はこのH鋼70を冷却する冷却構造体80を備えている。
【0027】
図3はセットラ30の天井部60を示した説明図である。図4はH鋼70を示した説明図である。図5はH鋼70の冷却構造体80を示した断面図である。図6は比較例のH鋼70の冷却構造体90を示した断面図である。
【0028】
図3に示すように、セットラ30の天井部は6本のH鋼70により支持される。H鋼70の間には耐熱性のレンガが詰め込まれている。最も反応シャフト20側に位置するH鋼70と、最もアップテイク40側に位置するH鋼70との間はおよそ6200mm離れている。
【0029】
図4のH鋼70は図3の矢印Bの方向からみた場合を示している。図4に示すように、H鋼70はアーチ状の構造をしている。また、以下説明する冷却構造体80もこのH鋼70のアーチ状構造に沿うようにアーチ状の形状となっている。
【0030】
ここで、図5を参照し、冷却構造体80について詳細に説明する。H鋼70は、ウェブ部71が横向きとなるように配置されている。H鋼70は厚さ22mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)から成り、H鋼70の断面は、高さ450mm、幅250mmである。
【0031】
冷却構造体80は冷却部材を備え、冷却部材は、後述する冷却水管81、83及び放熱板82から構成され、H鋼70の内側の面に接触するように配置され、H鋼70のウェブ部71では両面に配置されている。
【0032】
次に、冷却部材を詳細に説明する。H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の中心側、すなわち、ウェブ部71よりも下側に3本の銅製の冷却水管(銅管)81が配置されている。銅管81の1つはウェブ部71の下面に接触して配置されている。残りの銅管81は、フランジ部72に接触する放熱板82に接触して配置されている。これらの銅管81は、外径32mm、厚さ6mmであり、また、放熱板82も銅製である。銅管81、及び放熱板82はH鋼70のアーチ形状に沿ったアーチ状の形状をしている。また、放熱板82はH鋼70のフランジ部72にタップ溶接で施工されている。本発明のように大型のアーチ型をした特殊な形状部分では、銅製の放熱板82とSUS製のH鋼70をフル溶接する場合に比べ、製作が容易となり、製作時間が短く済み、製作費が安価となり、十分に機械的強度が得られるという点に利点を有している。
【0033】
一方、H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の外周側、すなわち、ウェブ部71よりも上側に3本のステンレス製の冷却水管(ステンレス管、例えばSUS304)83が配置されている。ステンレス管83はいずれもウェブ部71に接触するように配置されている。ステンレス管83は外径34mm、厚さ6.4mmであり、ステンレス管83はH鋼70のアーチ形状に沿ったアーチ状の形状をしている。
【0034】
さらに、H鋼70に銅管81、放熱板82、ステンレス管83を配置したうえで、その隙間に耐火物73が充填されている。耐火物73は、スラグより融点が高く、熱膨張性が小さい物質が好ましく、放熱特性、硬度、耐摩耗性、耐食性、高温強度性、耐熱衝撃性など多くの機能特性を備えたアルミナ系のキャスタブル、例えば、アルミナ・クロミア質が好ましい。また、主成分がMgOのものなども利用することができる。
【0035】
このような冷却構造体80の銅管81、ステンレス管83は、管の内部を冷却水が通るよう構成されている。銅管81、ステンレス管83の内部を通る冷却水は、流入温度25〜35℃、流入速度23m/sであり、排出される冷却水は、排出温度35〜45℃、流出速度23m/sである。また、冷却水の流量は33L/minである。
【0036】
次に、比較例の冷却構造体90について説明する。図6に示すように、冷却構造体90では、放熱板92を備えた銅製の冷却水管91が、H鋼70に接触しないで配置されている。そして、実施例の冷却構造体80と同様に、H鋼70と冷却構造体90の隙間には耐火物73が充填されている。
【0037】
本実施例の冷却構造体80の場合、冷却部材、すなわち、銅管81、放熱板82がH鋼70に接触しているため、接触をしていない比較例と比べ、H鋼70からの熱伝達が向上する。したがって、実施例の冷却構造体80は比較例に比べて、H鋼70の冷却効果が優れている。
【0038】
本実施例における自溶炉10のH鋼70の冷却構造体80は以下の効果を奏する。
(1)H鋼に冷却部材を接触させることにより、H鋼から直接熱を奪い、H鋼の冷却を促進する。
(2)冷却部材をH鋼の炉内側に配置することにより、熱源に近いH鋼の炉内側を冷却する。
(3)冷却水管(銅管81、ステンレス管83)の内部を冷却水が流通することにより、冷却水がH鋼の熱を奪い、H鋼が冷却される。
(4)H鋼70の熱が放熱板82へ伝達するため、H鋼70の高温化を抑制できる。
(5)炉内側の冷却配管を熱伝導性に優れた銅管81とすることにより、H鋼70の冷却効果を向上する。
(1)〜(5)の効果により、H鋼70の高温化を抑制し、H鋼70の損耗、変形を抑え、H鋼70の寿命を延長することができる。このような冷却構造体80を取り入れたことにより、H鋼70は5〜6年維持できると試算することができる。これにより、H鋼の交換にかかるコストを削減する。また、H鋼70の損耗、変形が抑制されることにより、レンガの脱落が防止されるため、自溶炉の停止回数が減り、稼働率を向上する。また、ガス漏れが防止でき、環境事故を未然に防ぐことができる。
【0039】
さらに、熱源に近いH鋼70の炉内側は熱伝導性の高い銅を用いて、高い冷却性能を有する一方、熱源から遠いH鋼70の炉外側は強度が高く、安価なステンレス鋼を用い、コストを低減する。ステンレス製の管は同径の銅製の管に比べ、例えば、銅管2本が65(万円)に対してステンレス管2本は31(万円)と半価程度であるため、コストを削減できる利点がある。
【0040】
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
【0041】
例えば、本実施例の他の例として、上記のステンレス管83を銅管81としてもよい。また、H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の外周側、すなわち、H鋼70のウェブ部71の上側に放熱板82を配置してもよい。この場合も、放熱板82はH鋼70に接触させる。これらの構成とすることにより、更なる冷却効果が期待できる。
【符号の説明】
【0042】
1、10 自溶炉
2、20 反応シャフト
3、30 セットラ
4、40 アップテイク
5、50 精鉱バーナ
70 H鋼
71 ウェブ部
72 フランジ部
73 耐火物
80 冷却構造体
81 冷却水管(銅管)
82 放熱板
83 冷却水管(ステンレス管)
【技術分野】
【0001】
本発明は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
銅製錬の製錬工程では、選鉱により得られた精鉱を酸素富化空気あるいは高温熱風と同時に自溶炉に投入し、瞬間的に化学反応を起こさせてマットとスラグに分離する。このような自溶炉1は、図1に示すように、反応シャフト2、セットラ3、アップテイク4から構成され、反応シャフト2には1〜3本の精鉱バーナ5が備えられている。精鉱は精鉱バーナ5によって炉内に吹き込まれる。
【0003】
このような自溶炉では銅の製錬工程上、熱の発生が避けられない。特に、近年の銅生産量の増加要求に伴い、高負荷での操業が必要となり、その発生する熱量も上昇することとなった。このため、自溶炉を構成する耐熱レンガ等の耐火材の劣化進行が早まることとなっていた。これに対し、耐火材の劣化進行を抑制する技術が特許文献1乃至5に開示されている。
【0004】
特許文献1には、自溶炉の反応シャフトの天井部に配置された精鉱バーナ付近の点検孔に装着する水冷ジャケット構造が示されている。特許文献2には、自溶炉本体からマットまたはスラグを抜き出すためのタップホールの冷却構造が示されている。特許文献3には、自溶炉のシャフト近傍に位置するセットラの三角天井部に、冷却水の流れるパイプ部材を鋳込んだ銅製の水冷ジャケットを吊り下げ支持した炉体水冷構造が示されている。特許文献4には、自溶炉のシャフトとセットラとの連結部またはアップテイクとセットラとの連結部に水冷ジャケットを吊り下げ支持した自溶炉の炉体冷却構造が示されている。特許文献5には、自溶炉のシャフト直下のスラグ層が生成する領域の耐火物を冷却する炉体水冷ジャケットが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−162401号公報
【特許文献2】特許第4350119号公報
【特許文献3】特開2008−202923号公報
【特許文献4】特許第4187752号公報
【特許文献5】特許第4064387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自溶炉のセットラ天井部は数本のH鋼を掛け渡すことにより支持されている。自溶炉内で精鉱が反応し熱が発生すると、セットラ天井部にも熱の影響が現われる。セットラ天井部が熱を受けることにより、セットラ天井部を支持するH鋼も熱負荷の影響を受け、損耗、変形する。このようにH鋼が熱を受け、損耗、変形すると、隣接する耐火材が脱落してしまうことが考えられ、耐火材が脱落することにより、自溶炉の操業を停止する必要がある。さらには、自溶炉内の排ガスが漏洩することも考えられ、環境汚染に対する配慮も必要となる。従来では、このようなH鋼の損耗、変形の影響を考慮すると、H鋼を2〜3年の周期で交換することを余儀なくされており、H鋼の交換にかかる材料費、作業費のコストがかかっていた。このような問題に対し、上記の特許文献にはセットラ天井部、特に、セットラ天井部を支持するH鋼の冷却に関する点は考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、セットラ天井部を支持するH鋼を冷却することにより、H鋼の損耗、変形を抑制し、H鋼の寿命を延長することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決する本発明の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材が前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された構成とすることができる。
【0010】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された構成とすることができる。
【0011】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管を有する構成とすることができる。
【0012】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ、内部を冷却水が流通する冷却水管と、を有する構成とすることができる。
【0013】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管であるような構成とすることができる。
【0014】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記放熱板は前記H鋼へタップ溶接により接合した構成とすることができる。
【0015】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記放熱板を銅製とすることができる。また、上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造において、前記冷却水管を銅製とすることができる。
【0016】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とすることができる。
【0017】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体において、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に3本の前記冷却水管を有し、前記H鋼のウェブ部よりも前記セットラの外周側に3本の前記冷却水管を有する構成とすることができる。
【0018】
上記課題を解決する本発明の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法は、自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に冷却部材を接触させ、前記H鋼を冷却することを特徴とする。また、このような自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法は、前記冷却部材を銅製とすることができる。
【0019】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触した前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管とする方法とすることができる。
【0020】
上記自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法において、前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に接触して配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に接触して配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とする方法とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自溶炉の天井部におけるH鋼の冷却構造体は、セットラ天井部を支持するH鋼を冷却することにより、H鋼の損耗、変形を抑制し、H鋼の寿命を延長することができる。より詳細には、
(1)H鋼に冷却部材を接触させることにより、H鋼から直接奪取する熱量を増加し、H鋼の冷却を促進することができる。
(2)冷却部材をH鋼の炉内側に配置することにより、熱源に近いH鋼の炉内側を冷却することができる。
(3)内部を冷却水が流通する冷却水管を有する構成とすることにより、冷却水がH鋼の熱を奪取するため、H鋼の高温化を抑制できる。
(4)放熱板をH鋼に接触させる構成とすることにより、接触面積が大きい放熱板がH鋼から熱を奪取するため、H鋼の冷却効果を向上できる。
(5)冷却部材として熱伝導性に優れた銅を用いることにより、H鋼の冷却効果を向上できる。
(6)熱源に近いH鋼の炉内側は熱伝導性の高い銅を用いて、高い冷却性能を有し、熱源から遠いH鋼の炉外側は強度が高く、安価なステンレス鋼を用い、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術の自溶炉の概略構成を示した説明図である。
【図2】本実施例のH鋼の冷却構造体を備える自溶炉の概略構成を示した説明図であって、(a)は自溶炉の平面図を示し、(b)は(a)中のA−A線における断面図を示している。
【図3】セットラの天井部を示した説明図である。
【図4】H鋼を示した説明図である。
【図5】H鋼の冷却構造体を示した断面図である。
【図6】比較例のH鋼の冷却構造体を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための一形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
本実施例における装置の構成について図面を参照しつつ説明する。図2は本実施例のH鋼の冷却構造体を備える自溶炉10の概略構成を示した説明図である。図2(a)は自溶炉10の平面図であって、図2(b)は図2(a)中のA−A線における断面図である。
【0025】
自溶炉10は、例えば、銅製錬の自溶炉である。図2に示すように、自溶炉10は、反応シャフト20、セットラ30、アップテイク40を備えている。反応シャフト20の上部には精鉱バーナ50が備えられており、精鉱バーナ50から反応シャフト20内へ精鉱と酸素富化空気が吹き込まれる。吹き込まれた精鉱と酸素富化空気は反応シャフト20内で混合して瞬間的に反応し、セットラ30内において層状のマットとスラグに分離する。
【0026】
ところで、高温となる自溶炉10の炉壁は耐熱性のレンガを敷き詰めて構成されている。セットラ30の天井部60は、このようなレンガを支持するために、アーチ状のSS400製のH鋼70が6本掛け渡されている。さらに、自溶炉10はこのH鋼70を冷却する冷却構造体80を備えている。
【0027】
図3はセットラ30の天井部60を示した説明図である。図4はH鋼70を示した説明図である。図5はH鋼70の冷却構造体80を示した断面図である。図6は比較例のH鋼70の冷却構造体90を示した断面図である。
【0028】
図3に示すように、セットラ30の天井部は6本のH鋼70により支持される。H鋼70の間には耐熱性のレンガが詰め込まれている。最も反応シャフト20側に位置するH鋼70と、最もアップテイク40側に位置するH鋼70との間はおよそ6200mm離れている。
【0029】
図4のH鋼70は図3の矢印Bの方向からみた場合を示している。図4に示すように、H鋼70はアーチ状の構造をしている。また、以下説明する冷却構造体80もこのH鋼70のアーチ状構造に沿うようにアーチ状の形状となっている。
【0030】
ここで、図5を参照し、冷却構造体80について詳細に説明する。H鋼70は、ウェブ部71が横向きとなるように配置されている。H鋼70は厚さ22mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)から成り、H鋼70の断面は、高さ450mm、幅250mmである。
【0031】
冷却構造体80は冷却部材を備え、冷却部材は、後述する冷却水管81、83及び放熱板82から構成され、H鋼70の内側の面に接触するように配置され、H鋼70のウェブ部71では両面に配置されている。
【0032】
次に、冷却部材を詳細に説明する。H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の中心側、すなわち、ウェブ部71よりも下側に3本の銅製の冷却水管(銅管)81が配置されている。銅管81の1つはウェブ部71の下面に接触して配置されている。残りの銅管81は、フランジ部72に接触する放熱板82に接触して配置されている。これらの銅管81は、外径32mm、厚さ6mmであり、また、放熱板82も銅製である。銅管81、及び放熱板82はH鋼70のアーチ形状に沿ったアーチ状の形状をしている。また、放熱板82はH鋼70のフランジ部72にタップ溶接で施工されている。本発明のように大型のアーチ型をした特殊な形状部分では、銅製の放熱板82とSUS製のH鋼70をフル溶接する場合に比べ、製作が容易となり、製作時間が短く済み、製作費が安価となり、十分に機械的強度が得られるという点に利点を有している。
【0033】
一方、H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の外周側、すなわち、ウェブ部71よりも上側に3本のステンレス製の冷却水管(ステンレス管、例えばSUS304)83が配置されている。ステンレス管83はいずれもウェブ部71に接触するように配置されている。ステンレス管83は外径34mm、厚さ6.4mmであり、ステンレス管83はH鋼70のアーチ形状に沿ったアーチ状の形状をしている。
【0034】
さらに、H鋼70に銅管81、放熱板82、ステンレス管83を配置したうえで、その隙間に耐火物73が充填されている。耐火物73は、スラグより融点が高く、熱膨張性が小さい物質が好ましく、放熱特性、硬度、耐摩耗性、耐食性、高温強度性、耐熱衝撃性など多くの機能特性を備えたアルミナ系のキャスタブル、例えば、アルミナ・クロミア質が好ましい。また、主成分がMgOのものなども利用することができる。
【0035】
このような冷却構造体80の銅管81、ステンレス管83は、管の内部を冷却水が通るよう構成されている。銅管81、ステンレス管83の内部を通る冷却水は、流入温度25〜35℃、流入速度23m/sであり、排出される冷却水は、排出温度35〜45℃、流出速度23m/sである。また、冷却水の流量は33L/minである。
【0036】
次に、比較例の冷却構造体90について説明する。図6に示すように、冷却構造体90では、放熱板92を備えた銅製の冷却水管91が、H鋼70に接触しないで配置されている。そして、実施例の冷却構造体80と同様に、H鋼70と冷却構造体90の隙間には耐火物73が充填されている。
【0037】
本実施例の冷却構造体80の場合、冷却部材、すなわち、銅管81、放熱板82がH鋼70に接触しているため、接触をしていない比較例と比べ、H鋼70からの熱伝達が向上する。したがって、実施例の冷却構造体80は比較例に比べて、H鋼70の冷却効果が優れている。
【0038】
本実施例における自溶炉10のH鋼70の冷却構造体80は以下の効果を奏する。
(1)H鋼に冷却部材を接触させることにより、H鋼から直接熱を奪い、H鋼の冷却を促進する。
(2)冷却部材をH鋼の炉内側に配置することにより、熱源に近いH鋼の炉内側を冷却する。
(3)冷却水管(銅管81、ステンレス管83)の内部を冷却水が流通することにより、冷却水がH鋼の熱を奪い、H鋼が冷却される。
(4)H鋼70の熱が放熱板82へ伝達するため、H鋼70の高温化を抑制できる。
(5)炉内側の冷却配管を熱伝導性に優れた銅管81とすることにより、H鋼70の冷却効果を向上する。
(1)〜(5)の効果により、H鋼70の高温化を抑制し、H鋼70の損耗、変形を抑え、H鋼70の寿命を延長することができる。このような冷却構造体80を取り入れたことにより、H鋼70は5〜6年維持できると試算することができる。これにより、H鋼の交換にかかるコストを削減する。また、H鋼70の損耗、変形が抑制されることにより、レンガの脱落が防止されるため、自溶炉の停止回数が減り、稼働率を向上する。また、ガス漏れが防止でき、環境事故を未然に防ぐことができる。
【0039】
さらに、熱源に近いH鋼70の炉内側は熱伝導性の高い銅を用いて、高い冷却性能を有する一方、熱源から遠いH鋼70の炉外側は強度が高く、安価なステンレス鋼を用い、コストを低減する。ステンレス製の管は同径の銅製の管に比べ、例えば、銅管2本が65(万円)に対してステンレス管2本は31(万円)と半価程度であるため、コストを削減できる利点がある。
【0040】
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
【0041】
例えば、本実施例の他の例として、上記のステンレス管83を銅管81としてもよい。また、H鋼70のウェブ部71よりもセットラ30の外周側、すなわち、H鋼70のウェブ部71の上側に放熱板82を配置してもよい。この場合も、放熱板82はH鋼70に接触させる。これらの構成とすることにより、更なる冷却効果が期待できる。
【符号の説明】
【0042】
1、10 自溶炉
2、20 反応シャフト
3、30 セットラ
4、40 アップテイク
5、50 精鉱バーナ
70 H鋼
71 ウェブ部
72 フランジ部
73 耐火物
80 冷却構造体
81 冷却水管(銅管)
82 放熱板
83 冷却水管(ステンレス管)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項2】
前記冷却部材が前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された請求項1記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項3】
前記冷却部材は、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された請求項1または2記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項4】
前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管を有する請求項1乃至3のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項5】
前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、
前記放熱板に接触し、かつ、内部を冷却水が流通する冷却水管と、
を有する請求項1乃至4のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項6】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管である請求項1記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項7】
前記放熱板は前記H鋼へタップ溶接により接合された請求項5または6記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項8】
前記放熱板を銅製とした請求項5乃至7記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項9】
前記冷却水管を銅製とした請求項4乃至8のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項10】
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とした請求項4乃至9のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項11】
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に3本の前記冷却水管を有し、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に3本の前記冷却水管を有する請求項4乃至10のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項12】
自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に冷却部材を接触させ、前記H鋼を冷却することを特徴とする自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項13】
前記冷却部材を銅製とした請求項12記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項14】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触した前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管である請求項12記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項15】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に接触して配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に接触して配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とした請求項12または14記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項1】
自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に接触し、前記H鋼を冷却する冷却部材を備えたことを特徴とする自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項2】
前記冷却部材が前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された請求項1記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項3】
前記冷却部材は、前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された請求項1または2記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項4】
前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管を有する請求項1乃至3のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項5】
前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、
前記放熱板に接触し、かつ、内部を冷却水が流通する冷却水管と、
を有する請求項1乃至4のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項6】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触して配置された前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触して配置された前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管である請求項1記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項7】
前記放熱板は前記H鋼へタップ溶接により接合された請求項5または6記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項8】
前記放熱板を銅製とした請求項5乃至7記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項9】
前記冷却水管を銅製とした請求項4乃至8のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項10】
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とした請求項4乃至9のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項11】
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に3本の前記冷却水管を有し、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に3本の前記冷却水管を有する請求項4乃至10のいずれか一項記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却構造体。
【請求項12】
自溶炉のセットラ天井部を支持するH鋼に冷却部材を接触させ、前記H鋼を冷却することを特徴とする自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項13】
前記冷却部材を銅製とした請求項12記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項14】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のフランジ部の炉内側に接触した前記冷却部材は、前記H鋼に接触する放熱板と、前記放熱板に接触し、かつ内部を冷却水が流通する冷却水管である請求項12記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【請求項15】
前記H鋼のウェブ部の両面に接触した前記冷却部材は、内部を冷却水が流通する冷却水管であり、
前記H鋼のウェブ部よりも炉内側に接触して配置された前記冷却水管を銅製とし、前記H鋼のウェブ部よりも炉外側に接触して配置された前記冷却水管をステンレス鋼製とした請求項12または14記載の自溶炉のセットラ天井部におけるH鋼の冷却方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2011−208920(P2011−208920A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79480(P2010−79480)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(500483219)パンパシフィック・カッパー株式会社 (109)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(500483219)パンパシフィック・カッパー株式会社 (109)
【Fターム(参考)】
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