自発光表示装置
【課題】カーボンナノチューブ等の繊維状物質を電子源とした自発光型の表示装置における輝度むらを緩和して高品質の表示を実現する。
【解決手段】発光面2の発光全部が同一の駆動信号で制御されている発光素子において、制御電極3(G1)および/または集束電極(G2)をサブ電極3−1,3−2,3−3,3−4に分割し、サブ電極どうしの間に制御電極駆動電源22(22−1,22−2,22−3,22−4)の給電で電位差を生じさせて電子線31を微小偏向させる。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。
【解決手段】発光面2の発光全部が同一の駆動信号で制御されている発光素子において、制御電極3(G1)および/または集束電極(G2)をサブ電極3−1,3−2,3−3,3−4に分割し、サブ電極どうしの間に制御電極駆動電源22(22−1,22−2,22−3,22−4)の給電で電位差を生じさせて電子線31を微小偏向させる。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、特に2次元マトリクス状に配置した電界放射型の電子源と蛍光面とを組み合わせた自発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の電子源と蛍光面を組み合わせた光源を構成する発光装置、あるいは二次元マトリクス状に配置した複数の電子源を有する自発光平板型パネル表示装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)の一つとして、微少で集積可能な冷陰極を利用する電子放出型パネルを用いたもの(Field Emission Display:FED)が知られている。このFEDを構成する陰極(カソード)には、スピント型、表面伝導型、カーボンナノチューブ(CNT)型、金属‐絶縁体‐金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型、金属‐絶縁体‐半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型、あるいは金属‐絶縁体‐半導体‐金属型等の薄膜型電子源などが知られている。
【0003】
カーボンナノチューブを電子源に用いた自発光平板型パネル表示装置に関連した従来技術を開示したものとしては特許文献1、特許文献2、特許文献3を挙げることができる。特許文献1では、パネルに形成した電子源(陰極)と蛍光体面の間に設置した制御電極(グリッド)を分割して電子放出の制御とは別に、制御電極と陰極の間を絶縁する絶縁層への充電電圧を事前に印加することにより、絶縁層膜厚のばらつきに対応するために必要な電極電位を補正している。
【0004】
特許文献2は、パネル上に電子源を形成する際に用いるカーボンナノチューブ(CNT)ベーストに微粒子支持体を入れ、成膜後のカーボンナノチューブの起立を促して発光点を増加させ、画質を向上させる技術を開示する。また、特許文献3は、パネル上に形成した陰極の両側に陰極表面とほぼ同一平面上に一組の制御電極を配置する、いわゆるIPG(In Plane Gate)方式を開示する。このような電子源を備えたパネルに駆動回路等を組み合わせて画像表示装置が構成される。
【特許文献1】特開2002−141006号公報
【特許文献2】特開2004−071433号公報
【特許文献3】特開2004−259577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、画素間の電位ばらつきは補正されるが、画素内の輝度分布に関しては考慮されていない。特許文献2の構成とするとカーボンナノチューブ(CNT)ペーストが高価になり、微粒子を添加することにより印刷特性が変化するため、印刷特性の最適化を考慮する必要がある。特許文献3では、輝度分布補正に関しては何ら考慮されていない。
【0006】
CNTのような繊維状物質を用いた電子源からの電子放出では画素ごとの電流値を同じになるように調整しても、ひときわ強い輝点が生じ易く、画素内の発光均一性が不足する。画素内に強い輝点が生じると、画質が低下するのみではなく、蛍光面の一部に高い密度で電流が流れるために局所的に輝度劣化し易い。高輝度発光していた部分ほど早く劣化してしまうため、同一画素内の他の領域の蛍光体が劣化していなくても画素全体の総輝度が低下してしまう。
【0007】
この種の表示装置の開発では、電子源材料や形成工程の改良が最も優先されるが、電極構造+駆動方法の工夫により均一性を改善する方法も必要である。さらには、駆動回路としてもできるだけ付加部分を少なくしつつ、効果を得ることができるようにすることも要求される。
【0008】
本発明の目的は、カーボンナノチューブ等の繊維状物質を電子源とした自発光型の表示装置における輝度むらを緩和して高品質の表示を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カーボンナノチューブ等の繊維状物質を電子放出材料として用いた電界放出型電子源を用いた自発光表示装置に関し、単画素である発光素子(発光管)や面状発光素子を用いた発光装置や、複数画素であるマトリクス状にFE電子線源を形成したFEDを用いた表示装置にも適用できる。
【0010】
本発明では、発光面の発光全部が同一の駆動信号で制御されている発光素子において、制御電極(G1)および/または集束電極(G2)をサブ電極に分割し、サブ電極どうしの間に電位差を生じさせて電子線を微小偏向させる。本発明は、繊維状物質がカーボンナノチューブ(CNT)や炭素ナノファイバのようにアスペクト比が大きい物質を電子放出材料に使った場合に有効である。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。4分割で偏向のために十分な自由度が確保でき、分割数が大きいと配線構造が複雑になる。
【0011】
本発明では、マトリクス状に電子源を形成する表示素子であるFEDの場合にも、G1(制御電極)および/またはG2(集束電極)をサブ電極に分割し、サブ電極どうしの間に電位差を生じさせて電子線を画素範囲内で微小偏向させる。本発明は、カーホナンナノチューブ(CNT)や炭素ナノファイバのようにアスペクト比が大きい物質を電子放出材料に使った場合に有効である。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。4分割で偏向のために十分な自由度が確保でき、分割数が大きいと配線構造が複雑になる。
【0012】
本発明では、サブ第2電極どうしを抵抗素子により接続し、サブ第2電極の浮遊容量を活用し、CR遅延により電位差を生成する。同じ電極を構成する全サブ電極に共通な駆動信号を供給する電極駆動信号源と、交流電圧源でありサブ電極間に電位差を与えるサブ電極駆動信号源を備える。サブ電極とサブ電極駆動信号源を誘導性結合により接続する。サブ電極とサブ電極駆動信号源を容量性結合により接続する。容量性結合を担う素子を表示素子の基板上に形成する。G1およびG2の両方をサブ電極に分割し、印加するサブ電極駆動信号源の基本周波数をG1とG2で異なるものとする。
【発明の効果】
【0013】
微細な繊維状物質を電子源に用いることにより比較的低電界で電子放出を生じさせることができるが、陰極表面にある他よりも長い繊維状物資から強い電子放出が生じ易い。本発明では、電子を偏向させることにより蛍光面上に生じた強い輝点は揺らぐため、その近傍での発光ムラを緩和することができる。このような発光素子を多数配列したマトリクス型の表示素子においては、一際強くて目立つ発光を抑制できるため、画像のざらつき感が低減されて画質が改善される。また、局所的に強く発光した部分の蛍光体は劣化しやすいため、これを抑えることにより蛍光面の発光が平均化されて全体的な劣化が抑制される。
【0014】
CNT電子源そのものの均一性を向上させるためには高輝度点に繋がる高い電子放出特性を持つ放出点をつぶして特性をそろえるためにエージング処理等が必要であり、エージングの間に蛍光体は劣化するが、本発明を用いることによりエージング処理を短くすることができるため劣化を抑制することができる。
【0015】
電子放出特性の高い状態の電子源を利用することができるようになるため、ディスプレイとしては高輝度のものを得ることができるうえ、電子源の均一性改善のためのエージング処理に費やす時間が減少する。また、蛍光体の局所的な劣化が抑制されるので、輝度劣化が抑制され信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の自発光表示装置の実施例1の説明図である。図1において、この自発光表示装置は、下地電極11とその表面に形成した電子放出膜12とからなる電子源である陰極(カソード)1と、透明電極であるITOからなる陽極(アノード)21と陰極1から放出された電子線31が照射されることにより発光する蛍光膜19、電子放出膜12表面の電界を制御する制御電極3とを備える。
【0018】
陽極21と蛍光膜19はガラス基板20上に形成されて蛍光板(蛍光面)2となる。蛍光板2と容器30により封止空間を形成して内部を真空排気してある。制御電極3を4つのサブ制御電極(3−1、3−2、3−3、3−4)に分割し、全サブ電極の時間平均電位が同じになるようにすると共に、瞬間においては各サブ電極の間に電位差が生じるような駆動信号を各サブ電極ごとに独立した制御電極駆動電源(22−1、22−2、22−3、22−4)を用いて印加することにより電子線31を蛍光膜の範囲内で偏向する。
【0019】
例えば、陰極1には0V、陽極2には6kVを印加し、全サブ制御電極(3−1、3−2、3−3、3−4)には、発光させる時、つまりは電子放出を生じさせる時には300Vを、発光させない時には0Vを印加する。さらには、各サブ電極間に電位差を生じさせるために同じ電圧の交流信号にサブ電極に順に90度の位相差をつけて重畳して印加することにより、電子線31の軌道が円を描くように偏向され、蛍光面内で輝点が回転するような偏向を与えることができる。図2は、図1における制御電極の平面図であり、図2(a)は4分割したサブ電極、図2(b)は3分割したサブ電極を示す。
【実施例2】
【0020】
図3は、本発明の自発光表示装置の実施例2の説明図である。本発明では、4分割したサブ電極を用いて対抗する対のサブ電極に異なる周波数の駆動信号与えて2次元偏向させることができる。すなわち、図2(a)のように、4分割したサブ電極を向かい合う2個を組とし、1組目のサブ電極(3−1,3−3)に逆相となるように信号を印加しつつ、他方の組のサブ電極(3−2,3−4)には周波数が異なる交流信号を同様に印加することにより2次元走査とすることができる。交流信号の周波数を十分に高くすれば、画面を見ているユーザには認識されることなく電子線31を偏向させることができる。偏向範囲は蛍光膜における輝点の強さや広がりの程度をもとに決めるが、偏向範囲を大きくしようとすると重畳する交流電圧に高い電圧が必要になり、消費電力の増加に繋がったり、絶縁体部分に照射されて異常放電を生じさせる要因となる。
【0021】
制御電極3をサブ制御電極に分割する分割数が多いと、電極構造や配線構造が複雑となって製作が困難になり、少ないと電子軌道の制御性が悪い。分割数としては2分割として1方向への偏向としても効果は期待できるが、3乃至は4分割として回転偏向もしくは2次元偏向可能とした方がより効果的である。2次元である発光面を走査させるためには4分割で十分な操作性をえることができるため、図2の(a)又は(b)に示した4分割以下に分割することが望ましい。
【実施例3】
【0022】
図4は、本発明の自発光表示装置の実施例3の説明図である。実施例3では、実施例1の電極構造に加えて集束電極4を設け、制御電極3と集束電極4を各々2分割し、かつ分割方向を概ね垂直に配置して、制御電極3と集束電極4のそれぞれに制御電極駆動電源(22−1,22−2)および集束電極駆動電源(23−1、23−2)を接続して、制御電極駆動電圧と集束電極駆動電圧を印加する。制御電極駆動電圧と集束電極駆動電圧で異なる周波数の交流電圧を重畳して印加することにより、電子線31を2次元に微小偏向させることができる。
【実施例4】
【0023】
図5は、本発明の自発光表示装置の実施例4の説明図である。実施例4は、複数の電子線源をマトリクス状に配置した電子源パネルを用いた平板型表示パネルとした自発光表示装置である。電子線の偏向はこのような自発光表示装置においても同様の効果を得ることができる。例えば、制御電極3を電子が通過する開口部104を挟んで分割してサブ制御電極3−1、3−2とし、制御電極3に印加するパルス状のライン選択信号に加えて、サブ電極間に電位差が生じるようにしてやればよい。
【0024】
図6は、図5に示した自発光表示装置の構造を説明する断面図である。この自発光表示装置は以下のようにして作製する。蛍光板2に対向するガラス製の電子源基板101上に帯状に陰極ライン102を銀ペーストを用いたスクリーン印刷により形成する。その上の一部にカーボンナノチューブ(CNT)、有機溶剤、バインダ等からなるCNTペーストを用いて電子放出膜12を形成する。さらに、絶縁膜103を誘電体ペーストを用いて形成するが、この際、電子放出膜12上に絶縁膜103の無い開口部104を形成する。その上に帯状の制御電極を開口部104を挟んだ2本一組で形成して、サブ制御電極3−1、3−2とする。
【0025】
図7は、平板型表示パネルで構成した自発光表示装置の一部破断して示す斜視図である。また、図8は、図7に示した自発光表示装置の断面図である。そして、図9は、蛍光面パネルの要部断面図である。図7〜図9において、発光部である蛍光面パネル200は、ガラス製である蛍光面基板201上にブラックマトリクス202、蛍光膜203、平坦化膜204、アルミニウムからなる陽極204を形成してある。電子源パネル100と蛍光面パネル200をスペーサ301および封止枠302を介して対向させ、排気管303から排気して内部空間を真空にする。
【実施例5】
【0026】
図10は、本発明の自発光表示装置の実施例5の説明図である。図5で説明した実施例4では、制御電極数×分割数分の制御電極駆動電源22が必要となる。そこで、実施例5に説明する制御電極3と同数の制御電極駆動電源22を用い、他のサブ電極への電圧供給は受動素子を用いることが望ましい。例えば、サブ電極のうちの1つのみが制御電極駆動電源回路22と接続し、他のサブ電極は抵抗素子R1を介して制御電極駆動電源回路22に接続されたサブ電極と接続する。
【0027】
制御電極3に印加する電圧信号はパルス状の選択信号であり、各サブ電極は浮遊容量Ciを有するので、接続した抵抗素子R1との相乗効果により駆動電源の電圧変化から遅延した信号が抵抗素子R1を介して制御電極駆動電源回路22に接続されたサブ電極に印加される。浮遊容量で不足する場合は外付けで容量性素子(図示せず)を付加しても良い。また、駆動波形制御の必要に応じて直接接続するサブ電極も抵抗R2を介して接続しても良い。この結果、サブ電極への分割数に関係なく制御電極数分のみの制御電極駆動電源を用いても、サブ電極間に電位差を生じさせて電子線偏向させることができる。
【実施例6】
【0028】
図11は、本発明の自発光表示装置の実施例6の説明図である。図6で説明した実施例4では、CRによる遅延信号生成であるので走査範囲や走査速度の制御は困難である。そこで、同じ電極を構成する全サブ制御電極の時間平均電圧は同じであるので、この部分を制御電極数分の制御電極駆動回路22により供給し、各サブ電極に電位差を与えるための交流電圧信号を制御電極変調電源24により与える。各サブ電極には制御電極駆動電源22からの信号と、制御電極変調電源24からの信号を重畳して供給する。重畳するには、例えば2分割の各サブ制御電極3―1,3―2を2個の誘導性結合器26により制御電極変調電源24と接続する。
【実施例7】
【0029】
図12は、本発明の自発光表示装置の実施例7の説明図である。実施例7は、2分割の各サブ制御電極3―1,3―2を1個の誘導性結合器26により制御電極変調電源24と接続する点で実施例6と異なる。
【実施例8】
【0030】
図13は、本発明の自発光表示装置の実施例8の説明図である。実施例8では、各サブ制御電極3―1,3―2を容量素子27を介して制御電極変調電源24と容量結合で接続した。
【実施例9】
【0031】
図14は、本発明の自発光表示装置の実施例9の説明図である。図13で説明した実施例8では、制御電極変調電源24とサブ制御電極(3−1,3−2)の間の結合を容量素子を用いて制御電極変調電源24と接続したが、実施例9では容量性結合を担う容量を電子線源を形成している電子源基板101上に形成した。容量を形成する電子源基板の領域の一例をAで示した。
【0032】
図15は、(1)(2)とも電子源基板の領域Aに形成する容量の構造例を説明する断面図である。容量は電極/絶縁層/電極の積層構造で形成できるので、電子源を構成する電極を形成する際に、絶縁層103を挟んで制御電極端部と変調用電極105が対向するような配置にすることにより一緒に形成することができる。この時、(1)と(2)に示したように、電極構成の都合に合わせて、サブ制御電極3−1の端部と変調用電極105の上下関係を定める。
【実施例10】
【0033】
図16は、本発明の自発光表示装置の実施例10の説明図である。上記した各実施例では制御電極3を分割したが、実施例10のように、集束電極4のみを分割して複数のサブ電極に分割し、集束電極電源23と集束電極変調電源25を用いて駆動することにより、電子線集束機能を保ったまま画素内偏向させてもよい。
【実施例11】
【0034】
図17は、本発明の自発光表示装置の実施例11の説明図である。実施例11のように、制御電極3と集束電極4の両方を2分割し、上記した各実施例の方法(例えば、図13と図16で説明した実施例)により駆動しても同様の効果を得ることができる。この際、応答性等を考慮し容量性の結合と誘導性の結合を適宜組合せて用いてもよい。
【実施例12】
【0035】
図18は、本発明の自発光表示装置の実施例12の説明図である。実施例12は、前記した特許文献3に示されたIPGを用いる。IPGでは制御電極ラインを電極形成層と別層に形成することが容易であるので、サブ電極への分割数を4分割にした場合でも必要な配線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の自発光表示装置の実施例1の説明図である。
【図2】図1における制御電極の平面図である。
【図3】本発明の自発光表示装置の実施例2の説明図である。
【図4】本発明の自発光表示装置の実施例3の説明図である。
【図5】本発明の自発光表示装置の実施例4の説明図である。
【図6】図5に示した自発光表示装置の構造を説明する断面図である。
【図7】平板型表示パネルで構成した自発光表示装置の一部破断して示す斜視図である。
【図8】図7に示した自発光表示装置の断面図である。
【図9】蛍光面パネルの要部断面図である。
【図10】本発明の自発光表示装置の実施例5の説明図である。
【図11】本発明の自発光表示装置の実施例6の説明図である。
【図12】本発明の自発光表示装置の実施例7の説明図である。
【図13】本発明の自発光表示装置の実施例8の説明図である。
【図14】本発明の自発光表示装置の実施例9の説明図である。
【図15】電子源基板の領域Aに形成する容量の構造例を説明する断面図である。
【図16】本発明の自発光表示装置の実施例10の説明図である。
【図17】本発明の自発光表示装置の実施例11の説明図である。
【図18】本発明の自発光表示装置の実施例12の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・陰極、11・・・下地電極、12・・・電子放出膜、19・・・蛍光膜、20・・・ガラス基板、21・・・陽極、2・・・蛍光板(蛍光面)、3・・・制御電極、3−1,3−2,3−3,3−4・・・サブ制御電極、4・・・集束電極、22−1,22−2,22−3,22−4・・・制御電極駆動電源、32−1,32−2,32−3,32−4・・・集束電極駆動電源、31・・・電子線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、特に2次元マトリクス状に配置した電界放射型の電子源と蛍光面とを組み合わせた自発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の電子源と蛍光面を組み合わせた光源を構成する発光装置、あるいは二次元マトリクス状に配置した複数の電子源を有する自発光平板型パネル表示装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)の一つとして、微少で集積可能な冷陰極を利用する電子放出型パネルを用いたもの(Field Emission Display:FED)が知られている。このFEDを構成する陰極(カソード)には、スピント型、表面伝導型、カーボンナノチューブ(CNT)型、金属‐絶縁体‐金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型、金属‐絶縁体‐半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型、あるいは金属‐絶縁体‐半導体‐金属型等の薄膜型電子源などが知られている。
【0003】
カーボンナノチューブを電子源に用いた自発光平板型パネル表示装置に関連した従来技術を開示したものとしては特許文献1、特許文献2、特許文献3を挙げることができる。特許文献1では、パネルに形成した電子源(陰極)と蛍光体面の間に設置した制御電極(グリッド)を分割して電子放出の制御とは別に、制御電極と陰極の間を絶縁する絶縁層への充電電圧を事前に印加することにより、絶縁層膜厚のばらつきに対応するために必要な電極電位を補正している。
【0004】
特許文献2は、パネル上に電子源を形成する際に用いるカーボンナノチューブ(CNT)ベーストに微粒子支持体を入れ、成膜後のカーボンナノチューブの起立を促して発光点を増加させ、画質を向上させる技術を開示する。また、特許文献3は、パネル上に形成した陰極の両側に陰極表面とほぼ同一平面上に一組の制御電極を配置する、いわゆるIPG(In Plane Gate)方式を開示する。このような電子源を備えたパネルに駆動回路等を組み合わせて画像表示装置が構成される。
【特許文献1】特開2002−141006号公報
【特許文献2】特開2004−071433号公報
【特許文献3】特開2004−259577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、画素間の電位ばらつきは補正されるが、画素内の輝度分布に関しては考慮されていない。特許文献2の構成とするとカーボンナノチューブ(CNT)ペーストが高価になり、微粒子を添加することにより印刷特性が変化するため、印刷特性の最適化を考慮する必要がある。特許文献3では、輝度分布補正に関しては何ら考慮されていない。
【0006】
CNTのような繊維状物質を用いた電子源からの電子放出では画素ごとの電流値を同じになるように調整しても、ひときわ強い輝点が生じ易く、画素内の発光均一性が不足する。画素内に強い輝点が生じると、画質が低下するのみではなく、蛍光面の一部に高い密度で電流が流れるために局所的に輝度劣化し易い。高輝度発光していた部分ほど早く劣化してしまうため、同一画素内の他の領域の蛍光体が劣化していなくても画素全体の総輝度が低下してしまう。
【0007】
この種の表示装置の開発では、電子源材料や形成工程の改良が最も優先されるが、電極構造+駆動方法の工夫により均一性を改善する方法も必要である。さらには、駆動回路としてもできるだけ付加部分を少なくしつつ、効果を得ることができるようにすることも要求される。
【0008】
本発明の目的は、カーボンナノチューブ等の繊維状物質を電子源とした自発光型の表示装置における輝度むらを緩和して高品質の表示を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カーボンナノチューブ等の繊維状物質を電子放出材料として用いた電界放出型電子源を用いた自発光表示装置に関し、単画素である発光素子(発光管)や面状発光素子を用いた発光装置や、複数画素であるマトリクス状にFE電子線源を形成したFEDを用いた表示装置にも適用できる。
【0010】
本発明では、発光面の発光全部が同一の駆動信号で制御されている発光素子において、制御電極(G1)および/または集束電極(G2)をサブ電極に分割し、サブ電極どうしの間に電位差を生じさせて電子線を微小偏向させる。本発明は、繊維状物質がカーボンナノチューブ(CNT)や炭素ナノファイバのようにアスペクト比が大きい物質を電子放出材料に使った場合に有効である。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。4分割で偏向のために十分な自由度が確保でき、分割数が大きいと配線構造が複雑になる。
【0011】
本発明では、マトリクス状に電子源を形成する表示素子であるFEDの場合にも、G1(制御電極)および/またはG2(集束電極)をサブ電極に分割し、サブ電極どうしの間に電位差を生じさせて電子線を画素範囲内で微小偏向させる。本発明は、カーホナンナノチューブ(CNT)や炭素ナノファイバのようにアスペクト比が大きい物質を電子放出材料に使った場合に有効である。サブ電極への分割数が、2,3もしくは4のいずれかである。4分割で偏向のために十分な自由度が確保でき、分割数が大きいと配線構造が複雑になる。
【0012】
本発明では、サブ第2電極どうしを抵抗素子により接続し、サブ第2電極の浮遊容量を活用し、CR遅延により電位差を生成する。同じ電極を構成する全サブ電極に共通な駆動信号を供給する電極駆動信号源と、交流電圧源でありサブ電極間に電位差を与えるサブ電極駆動信号源を備える。サブ電極とサブ電極駆動信号源を誘導性結合により接続する。サブ電極とサブ電極駆動信号源を容量性結合により接続する。容量性結合を担う素子を表示素子の基板上に形成する。G1およびG2の両方をサブ電極に分割し、印加するサブ電極駆動信号源の基本周波数をG1とG2で異なるものとする。
【発明の効果】
【0013】
微細な繊維状物質を電子源に用いることにより比較的低電界で電子放出を生じさせることができるが、陰極表面にある他よりも長い繊維状物資から強い電子放出が生じ易い。本発明では、電子を偏向させることにより蛍光面上に生じた強い輝点は揺らぐため、その近傍での発光ムラを緩和することができる。このような発光素子を多数配列したマトリクス型の表示素子においては、一際強くて目立つ発光を抑制できるため、画像のざらつき感が低減されて画質が改善される。また、局所的に強く発光した部分の蛍光体は劣化しやすいため、これを抑えることにより蛍光面の発光が平均化されて全体的な劣化が抑制される。
【0014】
CNT電子源そのものの均一性を向上させるためには高輝度点に繋がる高い電子放出特性を持つ放出点をつぶして特性をそろえるためにエージング処理等が必要であり、エージングの間に蛍光体は劣化するが、本発明を用いることによりエージング処理を短くすることができるため劣化を抑制することができる。
【0015】
電子放出特性の高い状態の電子源を利用することができるようになるため、ディスプレイとしては高輝度のものを得ることができるうえ、電子源の均一性改善のためのエージング処理に費やす時間が減少する。また、蛍光体の局所的な劣化が抑制されるので、輝度劣化が抑制され信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の自発光表示装置の実施例1の説明図である。図1において、この自発光表示装置は、下地電極11とその表面に形成した電子放出膜12とからなる電子源である陰極(カソード)1と、透明電極であるITOからなる陽極(アノード)21と陰極1から放出された電子線31が照射されることにより発光する蛍光膜19、電子放出膜12表面の電界を制御する制御電極3とを備える。
【0018】
陽極21と蛍光膜19はガラス基板20上に形成されて蛍光板(蛍光面)2となる。蛍光板2と容器30により封止空間を形成して内部を真空排気してある。制御電極3を4つのサブ制御電極(3−1、3−2、3−3、3−4)に分割し、全サブ電極の時間平均電位が同じになるようにすると共に、瞬間においては各サブ電極の間に電位差が生じるような駆動信号を各サブ電極ごとに独立した制御電極駆動電源(22−1、22−2、22−3、22−4)を用いて印加することにより電子線31を蛍光膜の範囲内で偏向する。
【0019】
例えば、陰極1には0V、陽極2には6kVを印加し、全サブ制御電極(3−1、3−2、3−3、3−4)には、発光させる時、つまりは電子放出を生じさせる時には300Vを、発光させない時には0Vを印加する。さらには、各サブ電極間に電位差を生じさせるために同じ電圧の交流信号にサブ電極に順に90度の位相差をつけて重畳して印加することにより、電子線31の軌道が円を描くように偏向され、蛍光面内で輝点が回転するような偏向を与えることができる。図2は、図1における制御電極の平面図であり、図2(a)は4分割したサブ電極、図2(b)は3分割したサブ電極を示す。
【実施例2】
【0020】
図3は、本発明の自発光表示装置の実施例2の説明図である。本発明では、4分割したサブ電極を用いて対抗する対のサブ電極に異なる周波数の駆動信号与えて2次元偏向させることができる。すなわち、図2(a)のように、4分割したサブ電極を向かい合う2個を組とし、1組目のサブ電極(3−1,3−3)に逆相となるように信号を印加しつつ、他方の組のサブ電極(3−2,3−4)には周波数が異なる交流信号を同様に印加することにより2次元走査とすることができる。交流信号の周波数を十分に高くすれば、画面を見ているユーザには認識されることなく電子線31を偏向させることができる。偏向範囲は蛍光膜における輝点の強さや広がりの程度をもとに決めるが、偏向範囲を大きくしようとすると重畳する交流電圧に高い電圧が必要になり、消費電力の増加に繋がったり、絶縁体部分に照射されて異常放電を生じさせる要因となる。
【0021】
制御電極3をサブ制御電極に分割する分割数が多いと、電極構造や配線構造が複雑となって製作が困難になり、少ないと電子軌道の制御性が悪い。分割数としては2分割として1方向への偏向としても効果は期待できるが、3乃至は4分割として回転偏向もしくは2次元偏向可能とした方がより効果的である。2次元である発光面を走査させるためには4分割で十分な操作性をえることができるため、図2の(a)又は(b)に示した4分割以下に分割することが望ましい。
【実施例3】
【0022】
図4は、本発明の自発光表示装置の実施例3の説明図である。実施例3では、実施例1の電極構造に加えて集束電極4を設け、制御電極3と集束電極4を各々2分割し、かつ分割方向を概ね垂直に配置して、制御電極3と集束電極4のそれぞれに制御電極駆動電源(22−1,22−2)および集束電極駆動電源(23−1、23−2)を接続して、制御電極駆動電圧と集束電極駆動電圧を印加する。制御電極駆動電圧と集束電極駆動電圧で異なる周波数の交流電圧を重畳して印加することにより、電子線31を2次元に微小偏向させることができる。
【実施例4】
【0023】
図5は、本発明の自発光表示装置の実施例4の説明図である。実施例4は、複数の電子線源をマトリクス状に配置した電子源パネルを用いた平板型表示パネルとした自発光表示装置である。電子線の偏向はこのような自発光表示装置においても同様の効果を得ることができる。例えば、制御電極3を電子が通過する開口部104を挟んで分割してサブ制御電極3−1、3−2とし、制御電極3に印加するパルス状のライン選択信号に加えて、サブ電極間に電位差が生じるようにしてやればよい。
【0024】
図6は、図5に示した自発光表示装置の構造を説明する断面図である。この自発光表示装置は以下のようにして作製する。蛍光板2に対向するガラス製の電子源基板101上に帯状に陰極ライン102を銀ペーストを用いたスクリーン印刷により形成する。その上の一部にカーボンナノチューブ(CNT)、有機溶剤、バインダ等からなるCNTペーストを用いて電子放出膜12を形成する。さらに、絶縁膜103を誘電体ペーストを用いて形成するが、この際、電子放出膜12上に絶縁膜103の無い開口部104を形成する。その上に帯状の制御電極を開口部104を挟んだ2本一組で形成して、サブ制御電極3−1、3−2とする。
【0025】
図7は、平板型表示パネルで構成した自発光表示装置の一部破断して示す斜視図である。また、図8は、図7に示した自発光表示装置の断面図である。そして、図9は、蛍光面パネルの要部断面図である。図7〜図9において、発光部である蛍光面パネル200は、ガラス製である蛍光面基板201上にブラックマトリクス202、蛍光膜203、平坦化膜204、アルミニウムからなる陽極204を形成してある。電子源パネル100と蛍光面パネル200をスペーサ301および封止枠302を介して対向させ、排気管303から排気して内部空間を真空にする。
【実施例5】
【0026】
図10は、本発明の自発光表示装置の実施例5の説明図である。図5で説明した実施例4では、制御電極数×分割数分の制御電極駆動電源22が必要となる。そこで、実施例5に説明する制御電極3と同数の制御電極駆動電源22を用い、他のサブ電極への電圧供給は受動素子を用いることが望ましい。例えば、サブ電極のうちの1つのみが制御電極駆動電源回路22と接続し、他のサブ電極は抵抗素子R1を介して制御電極駆動電源回路22に接続されたサブ電極と接続する。
【0027】
制御電極3に印加する電圧信号はパルス状の選択信号であり、各サブ電極は浮遊容量Ciを有するので、接続した抵抗素子R1との相乗効果により駆動電源の電圧変化から遅延した信号が抵抗素子R1を介して制御電極駆動電源回路22に接続されたサブ電極に印加される。浮遊容量で不足する場合は外付けで容量性素子(図示せず)を付加しても良い。また、駆動波形制御の必要に応じて直接接続するサブ電極も抵抗R2を介して接続しても良い。この結果、サブ電極への分割数に関係なく制御電極数分のみの制御電極駆動電源を用いても、サブ電極間に電位差を生じさせて電子線偏向させることができる。
【実施例6】
【0028】
図11は、本発明の自発光表示装置の実施例6の説明図である。図6で説明した実施例4では、CRによる遅延信号生成であるので走査範囲や走査速度の制御は困難である。そこで、同じ電極を構成する全サブ制御電極の時間平均電圧は同じであるので、この部分を制御電極数分の制御電極駆動回路22により供給し、各サブ電極に電位差を与えるための交流電圧信号を制御電極変調電源24により与える。各サブ電極には制御電極駆動電源22からの信号と、制御電極変調電源24からの信号を重畳して供給する。重畳するには、例えば2分割の各サブ制御電極3―1,3―2を2個の誘導性結合器26により制御電極変調電源24と接続する。
【実施例7】
【0029】
図12は、本発明の自発光表示装置の実施例7の説明図である。実施例7は、2分割の各サブ制御電極3―1,3―2を1個の誘導性結合器26により制御電極変調電源24と接続する点で実施例6と異なる。
【実施例8】
【0030】
図13は、本発明の自発光表示装置の実施例8の説明図である。実施例8では、各サブ制御電極3―1,3―2を容量素子27を介して制御電極変調電源24と容量結合で接続した。
【実施例9】
【0031】
図14は、本発明の自発光表示装置の実施例9の説明図である。図13で説明した実施例8では、制御電極変調電源24とサブ制御電極(3−1,3−2)の間の結合を容量素子を用いて制御電極変調電源24と接続したが、実施例9では容量性結合を担う容量を電子線源を形成している電子源基板101上に形成した。容量を形成する電子源基板の領域の一例をAで示した。
【0032】
図15は、(1)(2)とも電子源基板の領域Aに形成する容量の構造例を説明する断面図である。容量は電極/絶縁層/電極の積層構造で形成できるので、電子源を構成する電極を形成する際に、絶縁層103を挟んで制御電極端部と変調用電極105が対向するような配置にすることにより一緒に形成することができる。この時、(1)と(2)に示したように、電極構成の都合に合わせて、サブ制御電極3−1の端部と変調用電極105の上下関係を定める。
【実施例10】
【0033】
図16は、本発明の自発光表示装置の実施例10の説明図である。上記した各実施例では制御電極3を分割したが、実施例10のように、集束電極4のみを分割して複数のサブ電極に分割し、集束電極電源23と集束電極変調電源25を用いて駆動することにより、電子線集束機能を保ったまま画素内偏向させてもよい。
【実施例11】
【0034】
図17は、本発明の自発光表示装置の実施例11の説明図である。実施例11のように、制御電極3と集束電極4の両方を2分割し、上記した各実施例の方法(例えば、図13と図16で説明した実施例)により駆動しても同様の効果を得ることができる。この際、応答性等を考慮し容量性の結合と誘導性の結合を適宜組合せて用いてもよい。
【実施例12】
【0035】
図18は、本発明の自発光表示装置の実施例12の説明図である。実施例12は、前記した特許文献3に示されたIPGを用いる。IPGでは制御電極ラインを電極形成層と別層に形成することが容易であるので、サブ電極への分割数を4分割にした場合でも必要な配線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の自発光表示装置の実施例1の説明図である。
【図2】図1における制御電極の平面図である。
【図3】本発明の自発光表示装置の実施例2の説明図である。
【図4】本発明の自発光表示装置の実施例3の説明図である。
【図5】本発明の自発光表示装置の実施例4の説明図である。
【図6】図5に示した自発光表示装置の構造を説明する断面図である。
【図7】平板型表示パネルで構成した自発光表示装置の一部破断して示す斜視図である。
【図8】図7に示した自発光表示装置の断面図である。
【図9】蛍光面パネルの要部断面図である。
【図10】本発明の自発光表示装置の実施例5の説明図である。
【図11】本発明の自発光表示装置の実施例6の説明図である。
【図12】本発明の自発光表示装置の実施例7の説明図である。
【図13】本発明の自発光表示装置の実施例8の説明図である。
【図14】本発明の自発光表示装置の実施例9の説明図である。
【図15】電子源基板の領域Aに形成する容量の構造例を説明する断面図である。
【図16】本発明の自発光表示装置の実施例10の説明図である。
【図17】本発明の自発光表示装置の実施例11の説明図である。
【図18】本発明の自発光表示装置の実施例12の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・陰極、11・・・下地電極、12・・・電子放出膜、19・・・蛍光膜、20・・・ガラス基板、21・・・陽極、2・・・蛍光板(蛍光面)、3・・・制御電極、3−1,3−2,3−3,3−4・・・サブ制御電極、4・・・集束電極、22−1,22−2,22−3,22−4・・・制御電極駆動電源、32−1,32−2,32−3,32−4・・・集束電極駆動電源、31・・・電子線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状物質を含み表面から電子を放出する第1電極と、前記第1電極とは電気的に絶縁され、当該第1電極から放出される電子の量を制御する第2電極とから構成された電子線源と、
前記第1電極および前記第2電極に指定の電圧を印加することにより前記第1電極の表面からの電子放出量が制御されて、前記電子線源から放出された電子を受けて発光する蛍光膜と、
前記蛍光膜を覆って形成した陽極とを備え、
前記第2電極または、前記第2電極と陽極との間に形成された第3電極のうちのいずれか一方、もしくは両方が複数のサブ電極に分割されており、
前記電子線源と前記陽極の間の内部空間が減圧状態とされ、
前記第2電極もしくは前記第3電極を構成するサブ電極のうちの少なくとも1つに、同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記繊維状物質が炭素を主体とした物質であることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記サブ電極への分割数が、2、3、4のいずれかであることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項4】
電気絶縁性を有する第1基板の表面の一方である主面上に、表面に繊維状物質を含み電子を放出する第1電極と、前記第1電極とは電気的に絶縁され、該第1電極から放出される電子の量を制御する第2電極とを有してマトリクス状に配置された複数の電子線源と、第1電極を複数の電極群に分け各電極群を電気的に接続する第1電極ラインと、第2電極を複数の電極群に分け各電極群を電気的に接続する第2電極ラインとを有し、
前記第1電極ラインと前記第2電極ラインのうちから一部を選択して所定の電圧を印加することにより前記各電子線源からの電子放出を制御することのできる第1のパネルと、
第2基板の表面の一方である主面上に、前記電子線源から放出された電子を受けて発光する蛍光膜を形成した陽極を有する第2のパネルとを有し、
前記第1基板と前記第2基板の主面どうしを対向させて、直接もしくは封止枠を仲介として間接的に封着して形成された内部空間を有し、該内部空間が減圧状態である平板型表示素子を備え、
前記第2電極もしくは、前記第2電極と前記陽極との間に形成された第3電極のうちのいずれか一方もしくは両方が複数のサブ電極に分割され、前記第2電極もしくは前記第3電極を構成するサブ電極のうちの少なくとも1つに、同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記繊維状物質が炭素を主体とした物質であることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項6】
請求項4において、
サブ電極への分割数が、2、3、4のいずれかであることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項7】
請求項4において、
同一電極を構成する前記サブ電極の間を抵抗素子を介して結合していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項8】
請求項4において、
同一電極を構成する前記サブ電極すべてに同じ電圧信号を供給する電極駆動信号源と、当該サブ電極のうちの少なくとも一つに同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与える電圧信号を供給することのできるサブ電極駆動信号源を備えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記各サブ電極と、前記サブ電極駆動信号源の間を誘導性結合を介して接続していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記各サブ電極と、前記サブ電極駆動信号源の間を容量性結合を介して接続していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記容量性結合を担う素子が、前記平板型表示素子を構成するぜ第1基板上に形成されていることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項12】
請求項4において、
前記第2電極と前記第3電極の分割数がともに2で、2分割されたサブ第2電極とサブ第3電極を有し、かつ、前記第1基板の主面に垂直な方向から見た時に、前記第2電極と前記第3電極の分割位置が異なる構成の平板型表示素子を用いたことを特徴とする自発光表示装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記サブ第2電極に印加するサブ第2電極駆動信号と、前記サブ第3電極に印加する前記サブ第3電極駆動信号の基本周波数が異なることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項1】
繊維状物質を含み表面から電子を放出する第1電極と、前記第1電極とは電気的に絶縁され、当該第1電極から放出される電子の量を制御する第2電極とから構成された電子線源と、
前記第1電極および前記第2電極に指定の電圧を印加することにより前記第1電極の表面からの電子放出量が制御されて、前記電子線源から放出された電子を受けて発光する蛍光膜と、
前記蛍光膜を覆って形成した陽極とを備え、
前記第2電極または、前記第2電極と陽極との間に形成された第3電極のうちのいずれか一方、もしくは両方が複数のサブ電極に分割されており、
前記電子線源と前記陽極の間の内部空間が減圧状態とされ、
前記第2電極もしくは前記第3電極を構成するサブ電極のうちの少なくとも1つに、同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記繊維状物質が炭素を主体とした物質であることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記サブ電極への分割数が、2、3、4のいずれかであることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項4】
電気絶縁性を有する第1基板の表面の一方である主面上に、表面に繊維状物質を含み電子を放出する第1電極と、前記第1電極とは電気的に絶縁され、該第1電極から放出される電子の量を制御する第2電極とを有してマトリクス状に配置された複数の電子線源と、第1電極を複数の電極群に分け各電極群を電気的に接続する第1電極ラインと、第2電極を複数の電極群に分け各電極群を電気的に接続する第2電極ラインとを有し、
前記第1電極ラインと前記第2電極ラインのうちから一部を選択して所定の電圧を印加することにより前記各電子線源からの電子放出を制御することのできる第1のパネルと、
第2基板の表面の一方である主面上に、前記電子線源から放出された電子を受けて発光する蛍光膜を形成した陽極を有する第2のパネルとを有し、
前記第1基板と前記第2基板の主面どうしを対向させて、直接もしくは封止枠を仲介として間接的に封着して形成された内部空間を有し、該内部空間が減圧状態である平板型表示素子を備え、
前記第2電極もしくは、前記第2電極と前記陽極との間に形成された第3電極のうちのいずれか一方もしくは両方が複数のサブ電極に分割され、前記第2電極もしくは前記第3電極を構成するサブ電極のうちの少なくとも1つに、同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記繊維状物質が炭素を主体とした物質であることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項6】
請求項4において、
サブ電極への分割数が、2、3、4のいずれかであることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項7】
請求項4において、
同一電極を構成する前記サブ電極の間を抵抗素子を介して結合していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項8】
請求項4において、
同一電極を構成する前記サブ電極すべてに同じ電圧信号を供給する電極駆動信号源と、当該サブ電極のうちの少なくとも一つに同じ電極を構成する他のサブ電極とは異なる電位を与える電圧信号を供給することのできるサブ電極駆動信号源を備えることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記各サブ電極と、前記サブ電極駆動信号源の間を誘導性結合を介して接続していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記各サブ電極と、前記サブ電極駆動信号源の間を容量性結合を介して接続していることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記容量性結合を担う素子が、前記平板型表示素子を構成するぜ第1基板上に形成されていることを特徴とする自発光表示装置。
【請求項12】
請求項4において、
前記第2電極と前記第3電極の分割数がともに2で、2分割されたサブ第2電極とサブ第3電極を有し、かつ、前記第1基板の主面に垂直な方向から見た時に、前記第2電極と前記第3電極の分割位置が異なる構成の平板型表示素子を用いたことを特徴とする自発光表示装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記サブ第2電極に印加するサブ第2電極駆動信号と、前記サブ第3電極に印加する前記サブ第3電極駆動信号の基本周波数が異なることを特徴とする自発光表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−41539(P2008−41539A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216913(P2006−216913)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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