説明

自立袋およびその製造方法、ならびに内容物入り自立袋

【課題】胴部を手で握っても不快感がなく、接着不良および接着部分の破断による内容物の漏れを抑制でき、外観に優れた自立袋、およびその製造方法、ならびに内容物入り自立袋の提供。
【解決手段】前面部11および背面部12を有する胴部10と、半折された底部材により形成される底部20とを有し、前記底部材のそれぞれの側端側が、胴部10の側縁14、15で折り返され、該底部材のそれぞれの側端が胴部10の背面部12の内面に取り付けられ、前記底部材の下端が、胴部10の下端10cと全周にわたって接着され、前記底部材の側端の胴部10の内面への取り付けが、前記底部材の側端を覆うように、接着部材41、42によってなされている自立袋1。また、自立袋1の製造方法と、自立袋1に内容物が収容された内容物入り自立袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立袋およびその製造方法、ならびに内容物入り自立袋に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムなどからなる軟質包材としては、自立性を有する袋体、いわゆる自立袋が知られている。自立袋としては、胴部を形成する2枚の胴部材の下端の間に、底部を形成する折り畳んだ底部材を、その折り線を上方にして挟み込んだ状態で、2枚の同部材の側端同士を底部材の側端と共にヒートシールし、さらにそれらの下端同士を全周にわたってヒートシールすることにより形成されたものが挙げられる。しかし、該自立袋は、胴部の側縁に形成される胴部材の側端同士のヒートシール部がナイフエッジのように働くことで、胴部を手で握ったときに不快感があった。
【0003】
そこで、特許文献1には、胴部を手で握った際の不快感を解消するために、図23に示すように、両側に折り癖が付与された扁平な筒状の、前面部111および背面部112を有する胴部110と、胴部110の下端に設けられた底部120とを有する自立袋101が示されている。
【0004】
胴部110は、矩形状の胴部材の側端同士が合わせられて扁平な筒状とされ、それら側端同士がヒートシールされて背貼り113が形成されることで、前面部111および背面部112を有する扁平な筒状の胴部110とされている。胴部110を形成する胴部材は、胴部110の内面側がヒートシール性を有するシーラント層、胴部110の外面側が基材層の積層フィルムである。
【0005】
底部120は、図24(A)に例示した、ヒートシール性を有さない基材層と、ヒートシール性を有するシーラント層とが積層された矩形状の底部材120Aにより形成される。底部材120Aは、図24(A)に示すように、その側部121、122が、折り線L121およびL122に沿って、側部121、122の基材層と中央部123の基材層とが密着するように折り畳まれる。そして、側部121、122を折り畳んだ底部材120Aは、図24(B)および図24(C)に示すように、折り線L123に沿って側部121、122が内側となるようにさらに折り畳まれる。このとき、折り畳まれた側部121において、第1側部121aと第2側部121bの密着面は共にシーラント層となる。また、折り畳まれた側部122において、第1側部122aと第2側部122bの密着面も共にシーラント層となる。一方、折り畳んだ側部121と側部122の間の中央部123同士の密着面は共に基材層である。図24(C)に示すように、折り畳んだ側部121の第1側部121aと第2側部121bとの対向する面同士がヒートシールされ、折り畳んだ側部122の第1側部122aと第2側部122bとの対向する面同士がヒートシールされることで、図24(D)に示すように、下端120c側が開いた袋形状の底部材120Aが形成される。この袋形状の底部材120Aの外面側はシーラント層となる。
【0006】
そして、図23に示すように、胴部110内に、袋形状の底部材120Aが、その下端120cが胴部110の下端110cと一致するように配置され、ヒートシール部HS101でヒートシールされることにより、底部材120Aの側端120a、120bと下端120cが、胴部110の内面に接着されて底部120が形成される。
【0007】
自立袋101の胴部110は、1枚の胴部材により形成されているため、胴部110の側縁110a、110bには、胴部材の側端同士がヒートシールされたヒートシール部が無く、胴部110を手で握っても不快感が少ない。
また、自立袋101は、図25に示すように、底部120において、内側に折り込まれた側部121と底部120との対向する面同士は、基材層同士が接触しているためにヒートシールにより接着されない。そのため、胴部110の側端110a近傍を広げて丸みを帯びた形状にすることができるので、胴部110の底部120近傍を手で握っても不快感が少ない。
このことは、側部122側についても同じことが言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−161288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した自立袋101は、図25に示すように、底部120の側端120aと胴部110の側端110aとが接着されている領域fにおいて、内側に折り込まれた側部121の第1側部121aおよび第2側部121bと、胴部110の3つの部材が接着される。内容物の漏れを防ぐには、この領域fにおいてこれら3つの部材が底部材の上端から下端まで接着される必要がある。自立袋101では、特に底部120の側端120aの上端部分で、必ず底部材の上端まで接着される必要があるために、図23に示すように、底部120の側端120aの上端よりも上の領域gまでヒートシールが行われる。しかし、このように領域gまでヒートシールを行うと、その領域gにおいて胴部110の内面同士が接着された部分が硬くなり、ナイフエッジのように働くことで、胴部110を手で握った際に不快感があるうえ、袋の外観も低下する。このことは、底部120の側端120b側についても同様のことが言える。
【0010】
また、図26に示すように、底部120の側端120a側の上端部分hでは、袋形状の底部材120を形成する4枚のフィルムと、胴部110を形成する2枚のフィルムの合計6枚のフィルムが重なっている。これに対し、底部120の側端120a側の上端部分hよりも上側の領域gでは、胴部110を形成する2枚のフィルムが重なっているだけである。そのため、前記上端部分hと領域gの境界部分では大きな段差が生じているので、接着不良が生じて内容物が漏れることを防ぐために、その部分を重点的に接着するポイントシールが行われる。しかし、底部120の側端120a近傍は、内容物を収容した際にその荷重が集中しやすく、ポイントシールを行っても前記境界部分で破袋が生じて内容物が漏れるおそれがあり、さらにこのポイントシールにおいても、胴部110の内面同士が接着された部分がナイフエッジのように働くことで、胴部110を手で握った際に不快感がある。このことは、底部120の側端120b側についても同様のことが言える。
【0011】
また、胴部110の下端110cと底部120の下端120cとの接着部分においては、図25に示すように、側部121同士が折り込まれた部分は、底部120を形成する4枚のフィルムと、胴部110を形成する2枚のフィルムの6枚のフィルムが重なっているのに対し、幅方向の中央部分では胴部110を形成する2枚のフィルムと、袋形状の底部材120を形成する2枚のフィルムとの合計4枚のフィルムが重なっているだけであり、その境界部分に段差が生じている。そのため、領域iおよび領域jにおける胴部110と底部120のヒートシールにおいて接着不良が生じ、内容物が漏れるおそれがある。このことは、底部120の側部122側も同様のことが言える。
【0012】
本発明は、胴部を手で握っても不快感がなく、接着不良によって内容物が漏れることを抑制でき、外観に優れた自立袋、およびその製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、前記自立袋に内容物が収容された内容物入り自立袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]胴部材が扁平な筒状に形成されて、前面部および背面部を有する胴部と、半折された底部材が、その折り線を上側にして前記胴部内の下端に取り付けられて形成される底部と、を有する自立袋であって、前記底部材のそれぞれの側端側が、前記胴部の側縁で折り返され、該底部材のそれぞれの側端が前記胴部の前面部または背面部の内面に取り付けられ、前記底部材の下端が、前記胴部の下端と該胴部材の全周にわたって接着され、前記底部材の側端の前記胴部の内面への取り付けが、前記底部材の側端を覆うように、前記底部材の側端と前記胴部とを接着する接着部材によってなされていることを特徴とする自立袋。
[2]胴部材が筒状に形成されて、前面部および背面部を有する胴部と、下端側が開いた扁平な袋形状の底部材が、その下端と前記胴部の下端が一致するように前記胴部内に取り付けられて形成される底部と、を有する自立袋であって、前記底部材のそれぞれの側端側が、前記胴部の側縁で折り返され、該底部材のそれぞれの側端が前記胴部の前面部または背面部の内面に取り付けられ、前記底部材の下端が、前記胴部の下端と該胴部の全周にわたって接着され、前記底部材の側端の前記胴部の内面への取り付けが、前記底部材の側端を覆うように、前記底部材の側端と前記胴部とを接着する接着部材によってなされていることを特徴とする自立袋。
[3]前記胴部の側縁で折り返された前記底部材の両方の側端が、前記胴部における筒状にされた前記胴部材の側端同士の接合位置と一致しており、前記接着部材によって、前記胴部材の側端同士の接合と、前記底部材の側端と前記胴部との接着がなされている、前記[1]または[2]に記載の自立袋。
[4]前記胴部の前記接着部材と接着される部分が、前記底部材の側端を取り付ける前記胴部の前面部または背面部のみである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の自立袋。
[5]前記胴部に、収容した内容物を注出する注出口が取り付けられた、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の自立袋。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の自立袋の内部に内容物が収容された、内容物入り自立袋。
[7]下記工程(I)〜(V)を有する自立袋の製造方法。
(I)フィルム状の胴部材上に、折り線を上端として半折されたフィルム状の底部材、または下端側が開いた扁平な袋形状にされたフィルム状の底部材を、前記胴部材の下端と前記底部材の下端が一致するように配置する工程
(II)前記胴部材上に配置した前記底部材のそれぞれの側端を覆うように、前記胴部材および前記底部材と接着する接着部材を配置する工程
(III)前記底部材の側端および前記胴部材と、前記接着部材とを接着して、前記底部材の側端を前記胴部材に取り付ける工程
(IV)前記胴部材のそれぞれの側端側を、前記底部材を接着した面が内面となるように、かつそれぞれの折り線が前記底部材の両側端より中央側になるように前記底部材の側端側とともに折り返し、該胴部材の側端同士を接着して胴部を形成する工程
(V)前記底部材の下端と、前記胴部の下端とを、該胴部の全周にわたって接着して底部を形成する工程
[8]下記工程(VI)を有する、前記[7]に記載の自立袋の製造方法。
(VI)前記工程(II)または前記工程(III)の後に、前記底部材の側端側の上端において、前記底部材および前記胴部材の重なった部分と、前記胴部材のみの部分との境界に生じる段差部分をポイントシールする工程
【発明の効果】
【0014】
本発明の自立袋は、手で握っても不快感がなく、接着不良および接着部分の破断による内容物の漏れを抑制でき、外観に優れている。
また、本発明の製造方法によれば、手で握っても不快感がなく、接着不良および接着部分の破断による内容物の漏れを抑制でき、外観に優れた自立袋が製造できる。
また、本発明の内容物入り自立袋は、前記本発明の自立袋に内容物が収容された袋である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の自立袋の内容物が収容された一実施形態例を示した斜視図である。
【図2】本発明の自立袋の一実施形態例の扁平な状態を示した正面図である。
【図3】本発明の自立袋の製造の一工程を示した斜視図(A)および平面図(B)である。
【図4】本発明の自立袋の背貼りの実施形態例を示した断面図である。
【図5】図2の自立袋における直線I−Iで切断した断面図(A)、および直線II−IIで切断した断面図(B)である
【図6】図3(B)における各部材の積層体を直線III−IIIで切断した断面図である。
【図7】本発明の自立袋と同様の形態の本発明以外の自立袋の製造工程の一例を示した平面図である。
【図8】本発明の自立袋の内容物が収容された状態における他の形態を部分的に示した斜視図(A)および該自立袋の底面図(B)である。
【図9】本発明以外の自立袋の製造工程の一例を示した平面図である。
【図10】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図11】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図(A)および斜視図(B)である。
【図12】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図13】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図(A)および斜視図(B)である。
【図14】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図15】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図16】本発明の自立袋の他の実施形態例の扁平な状態を示した正面図である。
【図17】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図18】本発明の自立袋の他の実施形態の製造方法の一工程を示した平面図である。
【図19】本発明の自立袋の他の実施形態例を部分的に示した斜視図(A)、およびその製造方法の一工程を示した平面図(B)である。
【図20】本発明の自立袋の他の実施形態例の扁平な状態を示した正面図である。
【図21】本発明の自立袋の他の実施形態例を示した斜視図である。
【図22】本発明における底部材の他の実施形態例を部分的に示した斜視図である。
【図23】従来の自立袋の一例の扁平な状態の底部側を部分的に示した正面図である。
【図24】従来の自立袋の袋状の底部材の製造の一工程を示した斜視図(A)、(D)および平面図(B)、(C)である。
【図25】図23の自立袋における直線IV−IVで切断した断面図である。
【図26】図23の自立袋における直線V−Vで切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の自立袋の実施形態の一例として、収容した内容物を注出する注出口を有する自立袋を示して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の自立袋1の内部に、内容物を収容した状態を示した斜視図である。図2は、自立袋1における、内容物を収容していない扁平な状態を示した正面図である。
本実施形態の自立袋1は、自立性を有する袋であり、図1および図2に示すように、前面部11および背面部12を有する胴部10と、胴部10内の下端に設けられた底部20と、胴部10の上端に設けられ、収容した内容物を注出する注出口30と、を有している。自立袋1は、内部に内容物を収容することができ、収容した内容物を注出口30から注出することができる。
【0017】
図3(B)に例示した矩形状の胴部材10Aが、折り線L1、L2に沿って折り返され、図1および図2に示すように、その側端10aと側端10bが接着部材43を重ねた状態で、ヒートシール部HS3でヒートシールされることで扁平な筒状にされ、前面部11および背面部12を有する胴部10が形成される。胴部材10Aの折り線L1と折り線L2の間の部分11Aが胴部10の前面部11となり、胴部材10Aにおける折り線L1と側端10aの間の部分12Aと、折り線L2と側端10bの間の部分12Aとが合わせられて胴部10の背面部12となる。また、胴部材10Aにおける折り線L1および折り線L2の部分が、それぞれ胴部10の側縁14、15となる。
【0018】
また、図3(A)に例示した、矩形状の底部材20Aが折り線20aに沿って半折され、図2に示すように、その底部材20Aが折り線20aを上側にして底部材20Aの下端が胴部10の下端10cに取り付けられることで、底部20が形成されている。半折された底部材20Aは、図3(A)に示すように、その面が第1底面部20bと第2底面部20cに区画されている。また、半折された状態では、図3(B)に示すように、第1底面部20bの側端20b1と第2底面部20cの側端20c1とが一致し、第1底面部20bの側端20b2と第2底面部20cの側端20c2とが一致し、第1底面部20bの下端20b3と第2底面部20cの下端20c3とが一致している。このとき、胴部材10Aの内面と底部材20Aの第1底面部20bとが向き合っている。
底部材20Aの側端側は胴部10の側縁14、15にて胴部材10Aとともに折り返され、側端20b1、20c1の胴部10の内面への取り付けには、図1および図2に示すように、接着部材41が用いられている。また、底部材20Aの側端20b2、20c2の胴部10の内面への取り付けには接着部材42が用いられている。
【0019】
胴部材10Aとしては、少なくとも基材層とシーラント層とが積層され、最内層がシーラント層である積層フィルムが好ましい。
基材層は、印刷適性に優れ、さらに突き刺し強度、引っ張り強度、耐衝撃性などを備えたフィルムが好ましい。基材層の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられ、これらの二軸延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムが好ましい。また、これらのフィルムに、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、アルミニウム、マグネシウムなどの金属、または酸化珪素などの酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデンなどのバリア性コート剤などをコートしたコートフィルムなどを用いてもよい。基材層は、前記フィルムの単体であってもよく、積層体であってもよい。
シーラント層は、ヒートシール可能な層である。シーラント層の材質としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、これらの未延伸フィルムや、前記樹脂を層状に押し出したものなどが好ましい。
【0020】
積層フィルムは、必要に応じて、基材層とシーラント層の間に、中間層を有していてもよい。
中間層としては、例えば、酸素バリア性、水蒸気バリア性、引裂き性などの機能性を備えたフィルムが挙げられる。中間層の材質としては、例えば、アルミニウムなどの金属箔や上述の蒸着フィルム、コートフィルムが挙げられる。
基材層、シーラント層、および必要に応じて用いる中間層からなる積層フィルムは、接着剤を用いたドライラミネート法、熱接着性樹脂を用いた押し出しラミネート法などの公知の方法で製造できる。
なお、胴部材10Aは、ヒートシール可能なフィルムからなる単層フィルムであってもよい。
【0021】
底部材20Aとしては、少なくとも基材層とシーラント層とが積層され、半折されたときの最外層がシーラント層である積層フィルムが好ましい。底部材20Aの基材層とシーラント層は、胴部材10Aで挙げた基材層とシーラント層と同じものが挙げられる。また、底部材20Aが積層フィルムである場合、中間層を有していてもよい。該中間層としては、胴部材10Aで挙げた中間層と同じものが挙げられる。
【0022】
底部材20Aと胴部材10Aは、同じ材質のフィルムであっても異なる材質のフィルムであってもよいが、それらのヒートシールによる接着が可能になる点から、ともに同種の樹脂からなるシーラント層を有する積層フィルムであることが好ましい。
【0023】
接着部材41は、底部材20Aの側端20b1、20c1を胴部10の内面に取り付ける部材であり、両面がヒートシール性を有するフィルムである。例えば、両面がシーラント層である積層フィルム、単層フィルム、共押出しフィルムなどが挙げられる。なかでも、ヒートシールによる熱で厚み方向に全体的に溶融し、厚みがより薄くなる点から、単層の合成樹脂フィルムからなる接着部材が好ましい。
また、接着部材42は、底部材20Aの側端20b2、20c2を胴部10の内面に取り付ける部材であり、接着部材41で挙げたものと同じフィルムが挙げられ、単層の合成樹脂フィルムからなる接着部材が好ましい。
【0024】
特に、接着部材41と接着部材42は、単層の合成樹脂フィルムであることが好ましい。
接着部材41を配置する部分では、底部材20Aと胴部材10Aが重なっている部分と、胴部材10Aのみからなる部分との間に段差が生じているため、その段差部分のヒートシールが不充分になって接着不良が生じ、底部材20Aの側端20b1と側端20c1との間や側端20b2と側端20c2との間から内容物が漏れるおそれがある。しかし、接着部材41が単層の合成樹脂フィルムであれば、接着部材41がヒートシールの熱によって溶融して段差部分に入り込むため、ヒートシール不良が生じ難くなる。同様に、接着部材42が単層の合成樹脂フィルムであれば、ヒートシールの熱によって接着部材42が溶融して側端20b2、20c2側に生じた段差部分に入り込むため、ヒートシール不良が生じ難くなる。
接着部材41、42が単層の合成樹脂フィルムである場合、その材質は、胴部材10Aのシーラント層や底部材20Aのシーラント層の樹脂と同種の樹脂であることが好ましい。
【0025】
接着部材43は、胴部材10Aの側端10aと側端10bとを接着させる部材であり、両面がヒートシール性を有するフィルムである。接着部材43としては、接着部材41、42で挙げたものと同じものが挙げられ、ヒートシールによる熱で厚み方向に全体的に溶融し、厚みがより薄くなる点から、単層の合成樹脂フィルムからなる接着部材が好ましい。
【0026】
自立袋1では、図1、図2および図4(A)に示すように、胴部材10Aの側端10aと側端10bとが突き合わされ、接着部材43を重ねた状態で、ヒートシール部HS3においてヒートシールされることにより背貼り13が形成されている。背貼り13の形態は、接着部材43を用いる形態には限定されない。例えば、図4(B)に示すように、胴部材10Aの側端10aの内面と側端10bの外面とを接着した封筒貼りであってもよく、図4(C)に示すように、胴部材10Aの側端10aと側端10bの内面同士を接着した合掌貼りであってもよい。これら側端10aと側端10bの封筒貼りや合掌貼りは、ヒートシールにより行ってもよく、接着剤を用いて行ってもよい。
【0027】
半折された底部材20Aの側端20b1、20c1側は、図1および図2に示すように、胴部10の側縁14で折り返されており、その側端20b1、20c1が背面部12の内面に取り付けられている。同様に、半折された底部材20Aの側端20b2、20c2側は、胴部10の側縁15で折り返されており、その側端20b2、20c2が背面部12の内面に取り付けられている。
つまり、図3(B)に示すように、半折された底部材20Aの両側端間の長さDは、胴部材10Aの部分11Aの幅Dよりも長く、底部材20Aの側端20b1、20c1が胴部材10Aの折り線L1より側端10a側の部分12Aに取り付けられ、側端20b2、20c2が胴部材10Aの折り線L2より側端10b側の部分12Aに取り付けられる。そして、胴部材10Aの側端10a側と側端10b側が折り線L1、L2に沿って折り返される際に、底部材20Aの側端20b1、20c1側と側端20b2、20c2側も折り返される。
【0028】
自立袋1においては、図1、図2、図5(A)に示すように、底部材20Aの側端20b1、20c1が背面部12に取り付けられている。そのため、側端20b1、20c1が胴部10の側縁14と一致している形態に比べて、側端20b1、20c1の部分で破断が生じ難く、内容物の漏れを抑制する効果が高い。同様に、自立袋1では、側端20b2、20c2が背面部12に取り付けられているため、側端20b2、20c2の部分で破断が生じ難く、内容物の漏れを抑制する効果が高い。これは、以下のことが原因である。
【0029】
胴部と底部を有する自立袋においては、胴部の側縁の内側にて、底部材と胴部材とが重なっている部分、その中でも特に底部材の上端に内容物の荷重が集中しやすい。例えば図7に示すように、底部材220Aの側端20b1、20c1を胴部材10Aの折り線L1と一致させ、側端20b2、20c2を胴部材10Aの折り線L2と一致させた形態の自立袋では、底部材220Aの側端が胴部の側縁に一致している。そのため、荷重が集中しやすい部分に底部材の側端が位置しているため、特に底部材の側端の上部にて破断が生じて内容物が漏れるおそれがある。
これに対し、自立袋1では、図1および図2に示すように、底部材20Aの側端側が胴部10の側縁14、15に沿って折り返され、側端20b1、20c1および側端20b2、20c2が背面部12に取り付けられている。つまり、底部材20Aの側端部分は胴部10の側縁14、15部分には接着されておらず、胴部10の平面部分である背面部12と接着されている。そのため、自立袋1では、内容物を収容したときの荷重が集中しやすい胴部の側縁の内側にて底部材と胴部材とが重なっている部分に、底部材の端縁は位置していない。従って、荷重が集中しやすい部分には底部材の側端が位置しておらず、荷重を底部材20Aの折れている部分で受け止めることになるので、底部材20Aの側端部分に大きな力が集中して加わらないため、底部材20Aの側端部分で破断が生じて内容物が漏れることを抑制する効果が高い。
【0030】
底部材20Aの側端側である側端20b1、20c1と、胴部10の側縁14との間の距離、すなわち、図3(B)に示す底部材20Aの側端20b1、20c1と、胴部材10Aの折り線L1との間の距離Dは、1.0mm以上であることが好ましく、3.0mm以上であることがより好ましい。距離Dが1.0mm以上であれば、底部材20Aの側端20b1、20c1の部分が破断して内容物が漏れることを抑制しやすい。距離Dがある程度の長さを有している場合、自立袋に内容物を充填させた際、図8(A)に示すように、胴部材10Aのうち底部材20Aの側縁20b1、20c1の位置に対応する位置が折り線となり胴部材10Aが折れ曲がりやすくなる。その結果、自立袋を下から見ると、図8(B)に示すように、略六角形状の自立袋が形成される。略六角形状の自立袋は、胴部材ならびに底部材を形成するフィルムにアルミニウム箔などの金属を有する積層体など、剛性を有する積層体を用いた場合に形成されやすい。また、この場合の距離Dのある程度の長さとは、自立袋の大きさによっても左右されるが、少なくとも10mm以上の距離を有する場合に形成されやすい。
また、底部材20Aの側端20b2、20c2と、胴部10の側縁15との間の距離、すなわち、底部材20Aの側端20b2、20c2と、胴部材10Aの折り線L2との間の距離Dは、距離Dと同様である。
距離Dと距離Dは、同じであっても異なっていてもよいが、より外観が優れる点から、同じであることが好ましい。
【0031】
底部材20Aの側端20b1、20c1の背面部12の内面への取り付けは、前述したように接着部材41を用いてなされている。この例では、図1および図2に示すように、両面にヒートシール性を有する接着部材41が、底部材20Aの側端20b1、20c1を覆うように配置され、側端20b1、20c1を含むヒートシール部HS1でヒートシールされる。これにより、ヒートシール部HS1では、接着部材41と底部材20Aの側端20c1が接着され、接着部材41と背面部12が接着されることで、底部材20Aの側端20b1、20c1が接着部材41によって閉じられると共に、背面部12の内面に取り付けられている。つまり、図3(B)に示すように、胴部材10A上に半折された底部材20Aが配置され、さらにその上に側端20b1、20c1を覆うように接着部材41が配置され、側端20b1、20c1を含むようにヒートシール部HS1でヒートシールされることにより、側端20b1、20c1が胴部材10Aの部分12A、すなわち胴部10の背面部12に取り付けられる。
また、この例のヒートシール部HS1では、底部材20Aの側端20b1の外面と背面部12の内面は、シーラント層同士が向かい合っているので接着される。一方、底部材20Aの側端20b1、20c1の内面同士は、基材層同士が向き合っているので接着されない。
【0032】
同様に、底部材20Aの側端20b2、20c2の背面部12の内面への取り付けは、前述のように接着部材42を用いてなされている。この例では、両面にヒートシール性を有する接着部材42が、底部材20Aの側端20b2、20c2を覆うように配置され、側端20b2、20c2を含むヒートシール部HS2でヒートシールされる。これにより、ヒートシール部HS2では、接着部材42と底部材20Aの側端20c2が接着され、接着部材42と背面部12が接着されることで、底部材20Aの側端20b2、20c2が接着部材42で閉じられると共に背面部12の内面に取り付けられている。つまり、図3(B)に示すように、胴部材10A上に半折された底部材20Aが配置され、さらにその上に側端20b2、20c2を覆うように接着部材42が配置され、側端20b2、20c2を含むようにヒートシール部HS2でヒートシールされることにより、側端20b2、20c2が胴部材10Aの部分12A、すなわち胴部10の背面部12に取り付けられる。
また、この例のヒートシール部HS2では、底部材20Aの側端20b2の外面と背面部12の内面は、シーラント層同士が向かい合っているので接着される。一方、底部材20Aの側端20b2、20c2の内面同士は、基材層同士が向き合っているので接着されない。
【0033】
自立袋1においては、胴部10において接着部材41と接着される部分は、底部材20Aの側端20b1、20c1を取り付ける背面部12のみであることが好ましい。つまり、ヒートシール部HS1が前面部11に及んでいないことが好ましい。
図9に示すように、接着部材41を、胴部材10Aの部分11Aに及ぶように設け、ヒートシール部HS1が部分11Aに及ぶようにすると、底部材20Aの折り線20aが、胴部材10Aの部分11Aに固定される。つまり、ヒートシール部HS1が前面部11に及ぶようにすると、底部材20Aの折り線20aが、前面部11側に固定されることになる。このように、折り線20aが前面部11側に固定されると、側縁14近傍で底部材20Aの上部が広がらなくなり、それに応じて胴部10の側端14近傍が広がり難くなって、外観が悪くなるおそれがある。
【0034】
これに対し、自立袋1では、図3(B)に示すように、接着部材41における胴部材10Aの折り線L1側の側端41aを、折り線L1と一致させているので、その側端41aが胴部10の側縁14に一致する。なお、接着部材41の側端41aは胴部材10Aの部分11Aに及んでいてもよい。そして、ヒートシール部HS1の折り線L1側の側端も折り線L1に一致させているため、その側端は側縁14と一致しており、ヒートシール部HS1が前面部11に及ばないようになっている。そのため、底部材20Aの折り線20aは胴部材10Aの部分11Aに固定されておらず、自立袋1では、図1に示すように、底部20における胴部10の側縁14近傍の領域aまで広げられるので、胴部10の側縁14近傍が局所的に窄まることが抑制され、自立安定性も向上し、外観がより良好になる。接着部材41における胴部材10Aの折り線L1側の側端41aは、ヒートシール部HS1の側端と同様に折り線L1と一致していることが好ましいが、折り線L1より、胴部10の前面部11上に突出していてもよい。
接着部材41を配置する部分およびヒートシール部HS1の形態については、自立安定性、デザイン性が低下しすぎない範囲内であれば、図9に例示した、接着部材41が前面部11まで及ぶように配置され、ヒートシール部HS1が前面部11まで及んでいる形態としてもよい。
【0035】
同様に、自立袋1においては、胴部10において接着部材42と接着される部分は、底部材20Aの側端20b2、20c2を取り付ける背面部12のみであることが好ましい。つまり、接着部材42が、前面部11には及ばないように設けられ、ヒートシール部HS2が前面部11に及んでいないことが好ましい。
自立袋1では、図3(B)に示すように、接着部材42における胴部材10Aの折り線L2側の側端42aを折り線L2と一致させているため、その側端42aが胴部10の側縁15に一致する。なお、接着部材42の側端42aは胴部材10Aの部分11Aに及んでいてもよい。そして、ヒートシール部HS2の折り線L2側の側端も折り線L2に一致させているため、その側端が側縁15と一致しており、ヒートシール部HS2が前面部11に及ばないようになっている。そのため、底部材20Aの折り線20aは胴部材10Aの部分11Aに固定されておらず、自立袋1では、図1に示すように、底部20における胴部10の側縁15近傍の領域bまで広げられるので、胴部10の側縁15近傍が局所的に窄まることが抑制され、自立安定性も向上し、外観がより良好になる。接着部材42における胴部材10Aの折り線L2側の側端42aは、ヒートシール部HS2の側端と同様に折り線L2と一致していることが好ましいが、折り線L2より、胴部10の前面部11上に突出していてもよい。
接着部材42を配置する部分およびヒートシール部HS2の形態についても、自立安定性、デザイン性が低下しすぎない範囲内であれば、図9に例示した、接着部材42が前面部11まで及ぶように配置され、ヒートシール部HS2が前面部11まで及んでいる形態としてもよい。
【0036】
一方、図10に示すように、ヒートシール部HS1が折り線L1に及ばないようにしてもよい。この場合、底部材20Aの折り線20aは折り線L1近傍で固定されていない。そのため、自立袋1では、底部20が胴部10の側縁14において、下端以外は固定されていないが、この形態においても、底部20における胴部10の側縁14近傍の領域aまで広げられるので、胴部10の側縁14近傍が局所的に窄まることが抑制され、自立安定性も向上し、外観が良好になる。同様に、ヒートシール部HS2が折り線L2に及ばないようにしてもよい。該形態により、底部20における胴部10の側縁15近傍の領域bまで広げられるので、胴部10の側縁15近傍が局所的に窄まることが抑制され、自立安定性も向上し、外観が良好になる。
さらに、これらの形態では、後述する図20(A)〜(C)に示すように、ヒートシール部HS4の形状を変更すれば、胴部10の側縁14において、胴部10と底部20が固定されるため、自立安定性がさらに向上する。
【0037】
また、ヒートシール部HS1でヒートシールして底部材20Aの側端20b1、20c1を胴部材10Aの部分12A、すなわち胴部10の背面部12に取り付ける部分では、図3(B)および図6に示すように、接着部材41を配置した部分における、底部材20Aの側端20b1、20c1側の上端近傍の領域cにおいて、底部材20Aと胴部材10Aが重なっている部分と、胴部材10Aのみの部分との境界に段差が生じている。具体的には、領域cにおいては、図6に示すように、接着部材41、2枚の底部材20Aおよび1枚の胴部材10Aの合計4枚が重なっている部分と、接着部材41および1枚の胴部材10Aの合計2枚が重なっている部分との間で段差が生じている。このような段差は、その段差のために接着不良が生じる場合がある。そのため、領域cの段差部分は、接着不良を抑制する効果を高めるために、ヒートシール部HS1のヒートシールに加えて、ポイントシールされていることが好ましい。
同様に、図3(B)に示すように、底部材20Aの側端20b2、20c2側の上端近傍の領域dにおいても、段差部分がポイントシールされていることが好ましい。
また、前記のような段差は、底部材20Aの側端20b1、20c1に沿った部分、および側端20b2、20c2に沿った部分にも生じるため、その段差部分もポイントシールされていることが好ましい。
【0038】
また、底部材20Aの下端20b3、20c3は、図1および図2に示すように、胴部10の下端10cと、ヒートシール部HS4で胴部10の全周にわたってヒートシールされて接着されている。図5(A)に示すように、ヒートシール部HS4の胴部10の側縁14側の領域eにおいて、底部材20Aと胴部材10Aが重なっている部分と、加えて底部材20Aの側端側が重なっている部分とで段差が生じている。そのため、その段差部分においても、接着不良を抑制する効果を高めるために、ヒートシール部HS4に加えてポイントシールされていることが好ましい。胴部10の側縁15側にも同様の段差部分が生じるため、その部分もヒートシール部HS4に加えてポイントシールされていることが好ましい。
【0039】
胴部10の上部は、前面部11と背面部12の間に注出口30を挟み込んだ状態で、ヒートシール部HS5でヒートシールされることで、注出口30が液密に取り付けられた状態で密封されている。
【0040】
注出口30は、公知の注出口を用いることができる。
この例の注出口30は、胴部10内に挿入され、内容物を注出する注出管31と、注出管31の上部に螺合せしめて、注出管21の注出口を密閉するキャップ32とを有する。
【0041】
注出口30の材質としては、少なくとも注出管31における胴部10の内面と接着される部分は合成樹脂であることが好ましい。
注出口30の注出管31の少なくとも胴部10の内面と接着されている部分を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。なかでも、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0042】
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、性能向上のためにブレンドされていてもよく、耐熱性向上などを目的として一部架橋されていてもよい。
【0043】
注出口30は単一の材料から形成されていてもよく、あるいは種々の樹脂層からなる多層構造が形成されていてもよい。
注出口30の注出管31の少なくとも胴部10の内面と接着されている部分を形成する樹脂は、接着性の点から、前面部11および背面部12の内面側のシーラント層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。
【0044】
以上説明した自立袋1は、底部材20Aの側端20b1、20c1側と側端20b2、20c2側が、それぞれ胴部10の側縁14、15に沿って折り返され、その側端20b1、20c1および側端20b2、20c2が背面部12の内面に取り付けられている。そのため、胴部10の側縁14、15に、前面部11と背面部12の内面同士が接着されたヒートシール部が形成されていないので、胴部10を手で握っても不快感がなく、外観も優れている。また、底部材20Aの側端20b1、20c1および側端20b2、20c2が背面部12に接着されていることで、内容物を収容した際の荷重がそれら側端部分に集中しないので、底部材20Aの側端部分での破断によって内容物が漏れることが抑制される。
【0045】
(製造方法)
以下、本発明の自立袋の製造方法の実施形態の一例を示す。本実施形態の自立袋の製造方法は、下記工程(I)〜(VII)を有する。
(I)フィルム状の胴部材上に、折り線を上端として半折されたフィルム状の底部材、または下端側が開いた扁平な袋形状にされたフィルム状の底部材を、前記胴部材の下端と前記底部材の下端が一致するように配置する工程
(II)前記胴部材上に配置した前記底部材のそれぞれの側端を覆うように、前記胴部材および前記底部材と接着する接着部材を配置する工程
(III)前記底部材の側端および前記胴部材と、前記接着部材とを接着して、前記底部材の側端を前記胴部材に取り付ける工程
(IV)前記胴部材のそれぞれの側端側を、前記底部材を接着した面が内面となるように、かつそれぞれの折り線が前記底部材の両側端より中央側になるように前記底部材の側端側とともに折り返し、該胴部材の側端同士を接着して胴部を形成する工程
(V)前記底部材の下端と、前記胴部の下端とを、該胴部の全周にわたって接着して底部を形成する工程
(VI)前記工程(II)または前記工程(III)の後に、前記底部材の側端側の上端において、前記底部材および前記胴部材の重なった部分と、前記胴部材のみの部分との境界に生じる段差部分をポイントシールする工程
【0046】
以下、自立袋の製造方法の一例として、胴部材10Aおよび底部材20Aとして、共にシーラント層と基材層が積層された積層フィルムを用いた場合の自立袋1の製造方法について説明する。
【0047】
工程(I):
図3(A)に示すように、底部材20Aをシーラント層が外側となるように半折する。このとき、半折した底部材20Aは、半折した折り線を上端とし、第1底面部20bの側端20b1と第2底面部20cの側端20c1とが一致し、第1底面部20bの側端20b2と第2底面部20cの側端20c2とが一致し、第1底面部20bの下端20b3と第2底面部20cの側端20c3とが一致する。
そして、図3(B)に示すように、胴部材10Aをシーラント層が上になるように置き、その上に、半折した底部材20Aを、胴部材10Aの下端10cと底部材20Aの下端20b3、20c3が一致するように配置する。このとき、底部材20Aの第1底面部20bのシーラント層と胴部材10Aのシーラント層が向き合う。また、底部材20Aの側端20b1、20c1が、胴部材10Aを折り返す折り線L1よりも側端10a側の部分12Aに位置するようにする。同様に、底部材20Aの側端20b2、20c2が、胴部材10Aを折り返す折り線L2よりも側端10b側の部分12Aに位置するようにする。
【0048】
工程(II):
図3(B)に示すように、胴部材10A上に配置した底部材20Aの側端20b1、20c1側に、側端20b1、20c1を覆うように接着部材41を配置する。また、底部材20Aの側端20b2、20c2側に、側端20b2、20c2を覆うように接着部材42を配置する。
【0049】
工程(III):
図3(B)に示すように、底部材20Aの側端部20b1、20c1を覆うように、接着部材41上のヒートシール部HS1においてヒートシールする。ヒートシール部HS1においては、接着部材41と底部材20Aの側端20c1とが接着されると共に、接着部材41と胴部材10Aの部分12Aが接着される。これにより、底部材20Aの側端20b1、20c1は、接着部材41によって閉じられると共に、胴部材10Aの部分12Aに取り付けられる。また、この例のヒートシール部HS1では、底部材20Aの側端20b1の外面と胴部材10Aの部分12Aは、シーラント層同士が密着しているためヒートシールによって接着される。一方、底部材20Aの側端20b1、20c1の内面同士は、基材層同士が密着しているため接着されない。
同様に、底部材20Aの側端部20b2、20c2を覆うように、接着部材42上のヒートシール部HS2においてヒートシールする。ヒートシール部HS2においては、接着部材42と底部材20Aの側端20c2とが接着されると共に、接着部材42と胴部材10Aの部分12Aが接着される。これにより、底部材20Aの側端20b2、20c2は、接着部材42によって閉じられると共に、胴部材10Aの部分12Aに取り付けられる。また、この例のヒートシール部HS2では、底部材20Aの側端20b2の外面と胴部材10Aの部分12Aは、シーラント層同士が密着しているためヒートシールによって接着される。一方、底部材20Aの側端20b2、20c2の内面同士は、基材層同士が密着しているため接着されない。
【0050】
工程(IV):
胴部材10Aの側端10a側と側端10b側を、底部材20Aの側端より中央側に位置する折り線L1、L2に沿って、底部材20Aを接着した側を内面にして底部材20Aの側端側とともに折り返し、図4(A)に示すように、側端10aと側端10bに接着部材43を重ね、ヒートシール部HS3でヒートシールして背貼り13を形成する。これにより、前面部11と背面部12を有する筒状の胴部10が形成される。
【0051】
工程(V):
底部材20Aの下端部20b3、20c3と、胴部10の下端10cとを、ヒートシール部HS4において胴部10の全周にわたってヒートシールし、底部20を形成する。ヒートシール部HS4におけるヒートシールは、図5(A)に示すように、胴部10の側縁14側の領域eにおいて、底部材20Aと胴部材10Aが重なっている部分と、加えて底部材20Aの側端側が重なっている部分とで段差が生じているため、その段差部分の接着不良を抑制する効果を高めるために、ヒートシール部HS4のヒートシールに加えてポイントシールを行うことが好ましい。また、胴部10の側縁15側にも同様の段差部分が生じるため、その部分もヒートシール部HS4に加えてポイントシールすることが好ましい。
【0052】
工程(VI):
図3(B)に示すように、底部材20Aの側端20b1、20c1側の上端近傍の領域cと、側端20b2、20c2側の上端近傍の領域dの段差部分を、接着不良を抑制する効果を高めるために重点的にヒートシールして、ポイントシールを行う。
【0053】
工程(VII):
胴部10の上部において、前面部11と背面部12の間に注出口30の注出管31を挿入し、前面部11と背面部12で注出管31を挟持した状態で、図2に示すように、ヒートシール部HS5をヒートシールし、上部に注出口30を液密に取り付けて密封する。
【0054】
内容物の充填方法としては、注出管31より充填する方法、注出口30を取り付ける前に充填する方法、ヒートシール部HS5の一部をヒートシールせずに残しておき、その部分から充填する方法などが挙げられる。
【0055】
なお、自立袋1の前記製造方法における工程(VI)は、工程(II)または工程(III)の後に行えばよく、前述した順に各工程を行う方法には限定されない。例えば、工程(II)の後に工程(VI)を行い、その後に工程(III)以降を行う方法であってもよく、工程(III)の後に工程(VI)を行い、その後に工程(IV)以降を行う方法であってもよい。また、工程(VI)を行わない方法であってもよい。
【0056】
[他の実施形態]
本発明の自立袋は、前述した自立袋1には限定されない。
例えば、接着部材41と接着部材42の代わりに、図11(A)に例示した接着部材44と接着部材45を用いる形態であってもよい。接着部材44、45の材質は、接着部材41、42で挙げたものと同じものが挙げられる。
接着部材44は、折り線44aに沿って半折されることで、第1貼り合わせ部44bと第2貼り合わせ部44cとに区画され、図11(B)および図12に示すように、それら第1貼り合わせ部44bと第2貼り合わせ部44cとで、底部材20Aの側端20b1、20c1を挟み込むようにして配置される。同様に、接着部材45は、折り線45aに沿って半折されることで、第1貼り合わせ部45bと第2貼り合わせ部45cとに区画され、それら第1貼り合わせ部45bと第2貼り合わせ部45cとで、底部材20Aの側端20b2、20c2を挟み込むようにして配置される。
そして、図12に示すように、ヒートシール部HS1とヒートシール部HS2でヒートシールされることで、接着部材44、45によって、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が閉じられると共に胴部材10Aの部分12Aに取り付けられる。
【0057】
本実施形態におけるヒートシール部HS1は胴部材10Aの部分11A、すなわち胴部10の前面部11に及ばないようにすることが好ましい。また、ヒートシール部HS2は胴部材10Aの部分11A、すなわち胴部10の前面部11に及ばないようにすることが好ましい。
【0058】
また、接着部材41と接着部材42の代わりに、図13(A)に例示した接着部材46と接着部材47を用いる形態であってもよい。接着部材46、47の材質は、接着部材41、42で挙げたものと同じものが挙げられる。
接着部材46は、折り線46aに沿って、その側端46bと側端46cが揃うように半折されることで、第1貼り合わせ部46dと第2貼り合わせ部46eとに区画され、図13(B)および図14に示すように、それら第1貼り合わせ部46dと第2貼り合わせ部46eとで、底部材20Aの側端20b1、20c1を挟み込むようにして配置される。同様に、接着部材47は、折り線47aに沿って、その側端47bと側端47cが揃うように半折されることで、第1貼り合わせ部47dと第2貼り合わせ部47eとに区画され、それら第1貼り合わせ部47dと第2貼り合わせ部47eとで、底部材20Aの側端20b2、20c2を挟み込むようにして配置される。
そして、図14に示すように、ヒートシール部HS1とヒートシール部HS2でヒートシールされることで、接着部材46、47によって、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が閉じられると共に胴部材10Aの部分12Aに取り付けられる。
【0059】
本実施形態におけるヒートシール部HS1は胴部材10Aの部分11A、すなわち胴部10の前面部11に及ばないようにすることが好ましい。また、ヒートシール部HS2は胴部材10Aの部分11A、すなわち胴部10の前面部11に及ばないようにすることが好ましい。
【0060】
接着部材44、45を用いる形態、および接着部材46、47を用いる形態の自立袋は、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2を接着部材で挟み込んだ状態でヒートシールするため、前述した自立袋1に比べて、それら底部材20Aの側端から内容物が漏れることを抑制する効果がさらに高い。ただし、自立袋1でも、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2からの内容物の漏れは充分に抑制できるため、製造が容易で高い生産性が得られる点から自立袋1が好ましい。
【0061】
また、接着部材41と接着部材42の代わりに、図15に示すように、胴部材10Aの上端から下端まで達する長さの接着部材48と接着部材49を用い、胴部材10Aの上端から下端までヒートシール部HS1、HS2を形成する形態であってもよい。接着部材48、49の材質は、接着部材41、42で挙げたものと同じものが挙げられる。長さ方向に連続に自立袋を作成する場合、胴部材及び接着部材を連続で供給できるため、高い生産性が得られる。
接着部材の上下方向の長さは、接着部材44、45や接着部材46、47を用いる形態でも同様のことが言える。
【0062】
また、自立袋1では背貼り13が背面部12の幅方向の中央に形成されているが、背貼り13を形成する位置は背面部12の中央部分には限定されない。例えば、図16に示すように、背貼り13が幅方向の中央よりも側端15に近くなるように形成された自立袋2であってもよい。自立袋2は、図17に示すように、胴部材10Aを折り返す折り線L1、L2の幅方向の位置を、側端10bに近い位置とし、それに伴って胴部材10A上に配置する底部材20A、接着部材41、42の幅方向の位置も側端10bの近くに位置させる以外は、自立袋1と同様の方法で製造できる。
【0063】
また、このように、背貼り13を側縁15の近くに形成する場合には、図18に示すように、接着部材42の代わりに、胴部材10Aの上端から下端まで達する長さで、その幅が底部材20Aの側端部20b1、20c1と胴部材10Aの側端10bとの間の距離よりも広い接着部材50を用い、接着部材50を、胴部材10Aの側端10aと側端10bを接着する接着部材としても兼用する形態としてもよい。接着部材50の材質は、接着部材41、42で挙げたものと同じものが挙げられる。
また、背貼り13を側縁14の近くに形成する場合も同様である。
【0064】
また、本発明の自立袋は、図19(A)に示すように、胴部10の側縁14、15で折り返された底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が、胴部10における胴部材10Aの側端10aと側端10bの接合位置と一致しており、接着部材43によって、胴部材10Aの側端10a、10bの接合と、底部材20Aの側端20b1、20c1および側端20b2、20c2と胴部10の背面部12との接着がなされているものであってもよい。
該自立袋は、図19(B)に示すように、胴部材10Aの両側端間の長さ(側端10aから側端10bまでの長さ)と、底部材20Aの両側端間の長さ(側端20b1、20c1から側端20b2、20c2までの長さ)が略同寸法となる胴部材10Aおよび底部材20Aを用いることにより製造できる。また、底部材20Aの両側端間の長さは、底部材20Aが胴部材10Aの内側になるように筒状にされるため、胴部材10Aの両側端間の長さよりもわずかに短いことが好ましい。
【0065】
前記自立袋は、図10に例示した場合と同様に、底部材20Aの折り線20aが部分11Aで胴部材10Aには固定されない。つまり、該自立袋において、底部20は胴部10の側縁14、15では下端以外が固定されていない。そのため、該形態の自立袋は、底部20における胴部10の側縁14近傍の領域aまで広げられるので、胴部10の側縁14近傍が局所的に窄まることが抑制され、自立安定性も向上し、外観が良好になる。さらに、該形態の自立袋は、後述する図20(A)〜(C)の例示のように、ヒートシール部HS4の形状を変更すれば、胴部10の側縁14、15において、胴部10と底部20が固定されるため、自立安定性がさらに向上する。
【0066】
また、前述した接着部材41〜50は、両面にヒートシール性を有するフィルムには限定されない。例えば、ヒートシール性を有さないフィルムを用いて、接着剤によって接着部材を接着するものであってもよい。接着剤を用いる方法は、例えば、自立袋1の場合、ヒートシール部HS1、HS2の部分でヒートシールを行わないため、底部材20Aの側端20b1、20b2の外面と背面部12の内面とは接着されない。しかし、接着部材として、ヒートシール性を有さないフィルムを、接着剤を用いて接着しても、該接着部材によって底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が閉じられると共に胴部10の内面に取り付けられるので、内容物が漏れることは防止される。
【0067】
また、図20(A)に示すように、内容物を充填させた際に、底部がたるむことなく開き、自立安定性を向上させるように、底部材20Aの下端20b3、20c3と胴部10の下端10cを接着するヒートシール部HS4の形状を、その上縁の形状が円弧状となるようにしてもよい。また、図20(B)に示すように、ヒートシール部HS4の上縁の形状が、胴部10の側縁14から下端10cに向かって傾斜する辺と、下端10cと平行な辺と、下端10cから側縁15に向かって傾斜する辺との3辺からなる折れ線形状となるようにヒートシールしてもよい。また、図20(C)に示すように、ヒートシール部HS4の上縁の形状が、胴部10の側縁14から下端10cの中央に向かって傾斜する辺と、下端10cの中央から側縁15に向かって傾斜する辺との2辺からなる折れ線形状となるようにヒートシールしてもよい。なお、図20(A)〜(C)に示すヒートシール部HS4は全面接着すると皺が発生する可能性があるため、内容物の漏れない範囲で未シール部を設けてもよい。
これらの場合のヒートシール部HS4は、その上端が、折り線20aと一致するか、それよりも下側になっていることが好ましい。ヒートシール部HS4の上端が、底部材20Aの折り線20aより上側になっている場合、折り線20aの上側においてヒートシール部HS4は胴部10の前面部11と背面部12が一体化されるため、その部分がナイフエッジのように働いて、手で握ったときに不快に感じるおそれがある。一方、ヒートシール部HS4の上端が、底部材20Aの折り線20aと一致するか、それよりも下側になっている場合、底部材20Aは基材層同士が対向した状態で半折されているため、この対向面同士は接着されることがなく、自立袋の側縁14、15において、胴部10の前面部11と背面部12とが一体化することがない。そのため手で握ったときに不快に感じる部分が存在しないため、好ましい。
【0068】
また、自立袋1では、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が背面部12の内面に取り付けられていたが、側端20b1、20c1と側端20b2、20c2が前面部11の内面に取り付けられている自立袋であってもよい。また、底部材20Aの側端20b1、20c1と側端20b2、20c2の一方が前面部11の内面に取り付けられ、他方が背面部12の内面に取り付けられた自立袋であってもよい。例えば、図21に示すように、底部材20Aの側端20b1、20c1が前面部11の内面に取り付けられ、底部材20Aの側端20b2、20c2が背面部12の内面に取り付けられた自立袋であってもよい。
【0069】
また、半折された底部材20Aを取り付ける代わりに、図22に示すように、下端20b3、20c3側が開いた扁平な袋形状の底部材20Bを用いてもよい。底部材20Bは、例えば、インフレーション成形により得た筒状のフィルムをその軸に垂直な方向に溶断シールして上端を閉じて形成したもの、半折したフィルムの側端を溶断シールして閉じたもの、従来の底部材120Aと同様に、側端部分を内側に折り込んでシールしたものなどが挙げられる。
【0070】
底部材20Bを備えた自立袋の製造方法としては、底部材20Aの代わりに底部材20Bを用いる以外は、自立袋1と同じ方法を用いることができる。
【0071】
また、本発明の自立袋における胴部は、前述したように胴部材の側端同士を折り返して筒状にして背貼りを形成した形態には限定されず、インフレーション成形により得た筒状のフィルムにより形成された胴部であってもよい。
また、本発明の自立袋は、注出口が設けられている形態には限定されない。例えば、胴部10の上部が開口している自立袋であってもよく、胴部10の上端に、本発明における底部と同様の形態の蓋部が形成されている自立袋であってもよい。
【0072】
本発明の内容物入り自立袋は、前述した本発明の自立袋に内容物が収容された袋である。
内容物としては、特に限定されず、例えば、飲料、アイスクリーム、ゼリー等の食品、シャンプー、リンス、石鹸などの流体や、粉状、固形状の固体などが挙げられる。また、個包装品を包装する外装袋として用いてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1、2 自立袋 10 胴部 10A 胴部材 10a、10b 胴部材の側端 10c 胴部材の下端 11 前面部 12 背面部 13 背貼り 14、15 胴部の側縁 20 底部 20A、20B 底部材 20a 折り線 20b1、20b2、20c1、20c2 底部材の側端 20b3、20c3 底部材の下端 30 注出口 41〜50 接着部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部材が扁平な筒状に形成されて、前面部および背面部を有する胴部と、
半折された底部材が、その折り線を上側にして前記胴部内の下端に取り付けられて形成される底部と、を有する自立袋であって、
前記底部材のそれぞれの側端側が、前記胴部の側縁で折り返され、該底部材のそれぞれの側端が前記胴部の前面部または背面部の内面に取り付けられ、
前記底部材の下端が、前記胴部の下端と該胴部の全周にわたって接着され、
前記底部材の側端の前記胴部の内面への取り付けが、前記底部材の側端を覆うように、前記底部材の側端と前記胴部とを接着する接着部材によってなされていることを特徴とする自立袋。
【請求項2】
胴部材が扁平な筒状に形成されて、前面部および背面部を有する胴部と、
下端側が開いた扁平な袋形状の底部材が、その下端と前記胴部の下端が一致するように前記胴部内に取り付けられて形成される底部と、を有する自立袋であって、
前記底部材のそれぞれの側端側が、前記胴部の側縁で折り返され、該底部材のそれぞれの側端が前記胴部の前面部または背面部の内面に取り付けられ、
前記底部材の下端が、前記胴部の下端と該胴部の全周にわたって接着され、
前記底部材の側端の前記胴部の内面への取り付けが、前記底部材の側端を覆うように、前記底部材の側端と前記胴部とを接着する接着部材によってなされていることを特徴とする自立袋。
【請求項3】
前記胴部の側縁で折り返された前記底部材の両方の側端が、前記胴部における筒状にされた前記胴部材の側端同士の接合位置と一致しており、
前記接着部材によって、前記胴部材の側端同士の接合と、前記底部材の側端と前記胴部との接着がなされている、請求項1または2に記載の自立袋。
【請求項4】
前記胴部の前記接着部材と接着される部分が、前記底部材の側端を取り付ける前記胴部の前面部または背面部のみである、請求項1〜3のいずれかに記載の自立袋。
【請求項5】
前記胴部に、収容した内容物を注出する注出口が取り付けられた、請求項1〜4のいずれかに記載の自立袋。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の自立袋の内部に内容物が収容された、内容物入り自立袋。
【請求項7】
下記工程(I)〜(V)を有する自立袋の製造方法。
(I)フィルム状の胴部材上に、折り線を上端として半折されたフィルム状の底部材、または下端側が開いた扁平な袋形状にされたフィルム状の底部材を、前記胴部材の下端と前記底部材の下端が一致するように配置する工程
(II)前記胴部材上に配置した前記底部材のそれぞれの側端を覆うように、前記胴部材および前記底部材と接着する接着部材を配置する工程
(III)前記底部材の側端および前記胴部材と、前記接着部材とを接着して、前記底部材の側端を前記胴部材に取り付ける工程
(IV)前記胴部材のそれぞれの側端側を、前記底部材を接着した面が内面となるように、かつそれぞれの折り線が前記底部材の両側端より中央側になるように前記底部材の側端側とともに折り返し、該胴部材の側端同士を接着して胴部を形成する工程
(V)前記底部材の下端と、前記胴部の下端とを、該胴部の全周にわたって接着して底部を形成する工程
【請求項8】
下記工程(VI)を有する、請求項7に記載の自立袋の製造方法。
(VI)前記工程(II)または前記工程(III)の後に、前記底部材の側端側の上端において、前記底部材および前記胴部材の重なった部分と、前記胴部材のみの部分との境界に生じる段差部分をポイントシールする工程

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−195175(P2011−195175A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64464(P2010−64464)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】