説明

自走式リサイクル機

【課題】排出コンベヤの後部に詰まり堆積した処理物を、容易に取り除くことができる自走式リサイクル機を提供する。
【解決手段】自走式リサイクル機における排出コンベヤ13のコンベヤフレーム21の後部にコンベヤベルト24の幅方向に位置し、排出コンベヤ13の一方側のコンベヤフレーム側を支点として水平方向に開閉可能に支持された後部シュート30と、下部が排出コンベヤ13のコンベヤベルト24の搬送面に摺接するように、上部を後部シュート30の下部に固定したカバー部材36と、後部シュート30の反支点側を排出コンベヤの他方側のコンベヤフレームに開閉可能に固定する固定具33とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式リサイクル機に係り、更に詳しくは、自走式リサイクル機における排出コンベヤの後部に堆積する堆積物を排除することができる自走式リサイクル機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自走式クラッシャ、自走式スクリーン、自走式土質改良機等の自走式リサイクル機においては、走行体と、この走行体上に設けられたフレームと、このフレーム上に設けられ、被処理物を受け入れ処理する処理手段と、この処理手段の下方位置からフレームの長手方向他方側に屈曲して斜めに立ち上がるように延在し、処理手段で処理された処理物を機外に排出する排出コンベヤとを備えている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−281126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した自走式リサイクル機における排出コンベヤにおいては、処理手段から落下した処理物が排出コンベヤの後部から漏れ出ないようにするために、排出コンベヤの側部、及び後部に対応する部分に、それぞれシュートと、各シュートの下部に設けられ、排出コンベヤのコンベヤベルトの搬送面に摺接する可撓性のカバー部材とを配設する方策が採られている。
【0005】
しかしながら、排出コンベヤのコンベヤベルト搬送面上に落下した処理物が、コンベヤベルトの移動とともに移送される際に、例えば、処理物中に鉄筋等の一部が混入し、側部シュートの下部に設けたカバー部材の先端側と排出コンベヤのコンベヤベルト搬送面との摺接部間に引っ掛かることがある。
【0006】
このように、鉄筋等の一部が、側部シュートの下部に設けたカバー部材の先端側と排出コンベヤのコンベヤベルト搬送面との摺接部間に引っ掛かると、この引っ掛かった鉄筋等を起因として、処理物が滞留し、排出コンベヤのコンベヤベルトの搬送面上に詰まりを生じるという問題がある。
【0007】
この詰まりを除去するためには、後部シュートを取り外して、排出コンベヤの後部を開放する作業が必要であり、この作業は機械を稼動停止させて行うことになるため、機械の稼動率が低下するという問題が生じている。
【0008】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、その目的とするところは、自走式リサイクル機における排出コンベヤに詰まり堆積した処理物を、容易に取り除くことができる自走式リサイクル機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、走行体と、この走行体上に設けられた本体フレームと、この本体フレーム上に設けられ、被処理物を受け入れ処理する処理手段と、この処理手段の下方位置からフレームの長手方向他方側に屈曲して斜めに立ち上がるように延在し、前記処理手段で処理された処理物を機外に排出する排出コンベヤとを備えた自走式リサイクル機において、前記排出コンベヤの左右のコンベヤフレームの後部側にそれぞれ固定した側部シュートと、下部が前記排出コンベヤのコンベヤベルトの搬送面に摺接するように、上部を前記側部シュートの下部に固定した側部カバー部材と、前記コンベヤフレームの後部に前記コンベヤベルトの幅方向に亘って位置し、前記コンベヤフレームの一方側を支点として水平方向に開閉可能に支持された後部シュートと、下部が前記コンベヤベルトの搬送面に摺接するように、上部を前記後部シュートの下部に固定した後部カバー部材と、前記後部シュートの反支点側を前記コンベヤフレームの他方側に開閉可能に固定する固定具とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記後部カバー部材は、可撓性材であることを特徴とする。
【0011】
更に、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記コンベヤフレームの他方側に、前記後部シュートの開閉状態を検知する検出器と、前記検出器からの前記後部シュートの開き検知信号に基づいて、前記排出コンベヤを逆転駆動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記コンベヤフレーム後端部に、保護カバーを水平方向に開閉可能に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、排出コンベヤの後部に水平方向に開閉可能な後部シュートを設けて、排出コンベヤの後部を容易に開放できるようにしたので、排出コンベヤのコンベヤベルトの搬送面上の詰まりを簡単かつ労力も少なく排除することができる。その結果、詰まりの排除に伴う機械の休止時間が短縮され、機械の稼動率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態の平面図である。
【図3】図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態の左側面である。
【図4】図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部を示す正面図である。
【図5】図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部を一部断面にて示す平面図である。
【図6】図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部の左側面図である。
【図7】図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部をVII−VII矢視からみた側面図である。
【図8】本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部に設けた後部シュート及び保護カバーを開いた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の自走式リサイクル機の他の実施の形態を構成する排出コンベヤの後部の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の自走式リサイクル機の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図8は本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を示すもので、図1は本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を示す正面図、図2は図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態の平面図、図3は図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態の左側面、図4は図1に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部を示す正面図、図5は図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部を一部断面にて示す平面図、図6は図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部の左側面図、図7は図4に示す本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部をVII−VII矢視からみた側面図、図8は本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部に設けた後部シュート及び保護カバーを開いた状態を示す平面図である。
【0016】
図1乃至図3においては、自走式リサイクル機1として、岩石等の被破砕物を破砕する自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)を示してある。図1において、自走式リサイクル機1の長手方向の右側を前部、左側を後部とする。また、図2において、自走式リサイクル機1の短手方向の上側を左側部、下側を右側部とする。
図1乃至図3に示した自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)1は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を破砕対象とし、これらを被破砕物として受け入れて破砕するものである。
【0017】
この自走式破砕機1は、走行体2と破砕機本体部3を備えており、破砕機本体部3の下部に設けた走行体2によって自走可能である。自走式破砕機1における走行体2は、トラックフレーム4、トラックフレーム4の両端にそれぞれ設けた従動輪5及び駆動輪6、従動輪5と駆動輪6に掛け回した履帯7、及び駆動輪6の軸に連結した走行用駆動装置8を備えている。トラックフレーム4の幅方向中央部には、本体フレーム9が走行体2の上方にほぼ水平に設けられている。
【0018】
破砕機本体部3は、破砕対象(被破砕物)を受け入れるホッパ10、ホッパ10に受け入れた被破砕物を粒度選別し後段工程に供給するグリズリフィーダ11、グリズリフィーダ11により供給された被破砕物を破砕するジョークラッシャ(破砕装置)12、ジョークラッシャ12で破砕した破砕物等を機外に排出する排出コンベヤ13、及び機体各所に搭載した作動装置の動力源等を内蔵した動力装置(パワーユニット)14を備えている。
【0019】
ホッパ10は、図1に示すように、上方に向かって拡開した枠状の部材であり、本体フレーム9の後方部分の上部に設けた支持部材15に対して支持ポスト16を介して固定されている。
【0020】
グリズリフィーダ11は、ホッパ10の下方に位置し、ホッパ10とは別個にスプリングを介して支持部材15に支持されている。このグリズリフィーダ11の本体内には、本体フレーム9の幅方向(図2中上下方向)に列設された櫛歯17を前端部に有する複数(本実施形態では2つ)のグリズリプレート18が前方に向かって下る階段状に固定されている。そして、グリズリフィーダ11の本体の下部には、図1に示すように、このグリズリフィーダ本体を振動させる起振機(フィーダ用駆動装置)19が固定されており、起振機19によってグリズリフィーダ本体が加振されると、グリズリプレート18上の被破砕物が前方に搬送され、櫛歯17間の隙間寸法よりも小さな被破砕物中の細粒(いわゆるズリ)等が櫛歯17の隙間から落下し、それよりも粒度の大きな被破砕物が櫛歯17上を移動してジョークラッシャ12に供給される。
【0021】
なお、グリズリフィーダ11の櫛歯17の下方にはシュート20が設けられており、櫛歯17間の隙間から落下するズリ(細粒分)等はシュート20によって排出コンベヤ13の後端付近に導かれる。
【0022】
ジョークラッシャ12は、ホッパ10及びグリズリフィーダ11よりも前方側に位置し、本体フレーム9の前後方向中央付近に支持されている。このジョークラッシャ12には、互いの間隙空間(破砕室)が下方に向かって縮径するよう対向配置した一対の固定歯及び動歯を備えている。動歯のスイングジョーは上端部がフライホイール(図示せず)に連結されており、フライホイールに破砕装置用駆動装置(図示せず)の回転動力が伝達されると、フライホイールの回転運動が動歯の揺動運動に変換され、これにより固定歯に対してほぼ前後方向に動歯が揺動するようになっている。
【0023】
動力装置14は、本体フレーム9の前側部分の上部に支持されており、ジョークラッシャ12よりも前方側に位置している。特に図示していないが、この動力装置14内には、ジョークラッシャ12の動力源となるエンジンや、エンジンによって駆動される油圧ポンプ、油圧ポンプから吐出された圧油の流通方向や流量を制御して対応の油圧アクチュエータに供給する制御弁装置等が備えられている。
【0024】
排出コンベヤ13は、支持部材等を介し本体フレーム9等から吊り下げ支持されたコンベヤフレーム21と、コンベヤフレーム21の後部に設けた従動輪22(図示せず、後述する)と、コンベヤフレーム21の前部に設けた及び駆動輪23と、従動輪22及び駆動輪23に掛け回したコンベヤベルト24、及び駆動輪23を回転駆動させる排出コンベヤ用駆動装置25等を備えている。排出コンベヤ用駆動装置25によって駆動輪23が回転駆動されると、従動輪22との間に掛け回されたコンベヤベルト24が矢印Aで示す一方向に移動し循環駆動する。この排出コンベヤ13は、左右のトラックフレーム4の間のシュート20の下方位置(履帯7の後端部付近)からジョークラッシャ12の下方を通って前方に伸び、動力装置14の下方位置(履帯7の前端部付近)で屈曲して斜めに立ち上がり、動力装置14の前端下部付近を通って機外に延在している。排出コンベヤ13の上方には、排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機26が備えられている。
【0025】
次に、上述した本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態を構成する排出コンベヤの後部の構成を、図4乃至図7を用いて説明する。これらの図において、図1乃至図3に示す符号と同符号のものは同一部分である。
図4乃至図7において、排出コンベヤ13のコンベヤフレーム21は、幅方向の両側に位置する上ビーム21a,21aと、後端部が上ビーム21a,21aの後端部より後方の突出している下ビーム21bと、上ビーム21aと下ビーム21bとに設けた縦ビーム21cと、下ビーム21bの下面に設けた横ビーム21dとで構成されている。
【0026】
前述したコンベヤベルト24の張りを調整する張り調整装置27が、コンベヤフレーム21の下ビーム21b,21bの後部間に設けられている。この張り調整装置27には、前述したコンベヤベルト24を掛け回した従動輪22の軸が連結されている。
【0027】
コンベヤフレーム21の各上ビーム21aの後部側には、図5及び図6に示すように、側部シュート28の上部が設けられ、その下部はコンベヤベルト24の搬送面に向かい傾斜してそれぞれ配置されている。各側部シュート28の下部には、ゴム等の可撓性のカバー部材29の上部がそれぞれ交換可能に固定されている。この側部カバー部材29の下部は、屈曲して排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の搬送面に摺接している。
【0028】
側部シュート28,28の後端面には、後部シュート30の一方側が図7の右側(図5の下側)のヒンジ31を支点として水平方向に開閉可能に装設されている。後部シュート30の開閉支持は、後部シュート30の一方側(図7の右側)に溶接したヒンジ31を構成する一方側のヒンジ板と、このヒンジ板にヒンジ軸で連結され、一方側(図7の右側)の側部シュート28側に固定される他方側のヒンジ板とで構成されている。他方側のヒンジ板は、一方側(図7の右側)の側部シュート28の後部側端面に固定した三角形状のヒンジ固定用のブラケット32にボルト33によって固定される。後部シュート30の他方側(図7の左側(図5の上側))は、他方側の側部シュート28の後部側端面に固定したブラケット34にボルト35で固定されている。後部シュート30の下部には、下端が排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の搬送面に摺接するように後部カバー部材36がボルト37によって交換可能に固定されている。後部カバー部材36は、例えば、ゴム等に可撓性材で構成されている。
【0029】
コンベヤフレーム21における一方側(図7の右側)の下ビーム21bの最後端部には、図5及び図6に示すように、コンベヤベルト24の張り調整時に、排出コンベヤ13におけるコンベヤベルト24への巻き込みを防止するための保護カバー38の一方側が、ヒンジ39を支点として水平方向に開閉可能に支持されている。保護カバー38の他方側は、コンベヤフレーム21における他方側(図6の左側)の下ビーム21bに設けたブラケット40にボルト41によって固定されている。
【0030】
次に、上述した本発明の自走式リサイクル機の一実施の形態の動作を、図1乃至図8を用いて説明する。
自走式リサイクル機の1例である自走式破砕機1は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を破砕対象とし、これらを被破砕物として受け入れて破砕するものであるが、ホッパ10内に投入された被破砕物は、グリズリフィーダ11によって粒度選別されて、後段のジョークラッシャ(破砕装置)12に供給される。
【0031】
ジョークラッシャ(破砕装置)12は、供給された被破砕物を破砕し、下方の排出コンベヤ14におけるコンベヤベルト24に投下する。コンベヤベルト24に投下された破採物は、コンベヤベルト24の循環移動により機外に排出される。機外に排出された破砕物は、リサイクル材として利用される。
【0032】
上述した被破砕物の破砕処理作業中において、例えば、処理物中に混入している鉄筋等の一部が、側部シュート28の下部に設けた側部カバー部材29の先端側と排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の搬送面との摺接部間に引っ掛かることがある。これに起因して、排出コンベヤ14における側部シュート28と後部シュート30との間の空間に、破砕物が詰まり始めて、部分的に堆積することがある。破砕物の堆積は、ベルトコンベヤ24に負荷を与えることになるので、早期に除去することが望ましい。
【0033】
上述した破砕物の除去は、機械を一旦停止したのち、図8の2点鎖線で示すように、保護カバー38、及び後部シュート30を水平方向に開けば、排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の後部部分を開放することができ、堆積した破砕物等を、例えば、手作業、又は操作盤に取り付けたコンベヤ逆転スイッチによる排出コンベヤ14の逆転により、排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の後部から排出することができる。その後、再び、後部シュート30及び保護カバー38を閉じれば、機械を再稼動することができる。
【0034】
この実施の形態によれば、排出コンベヤ14の後部を容易に開放できるようにしたので、排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の後部側の搬送面上の詰まりを簡単かつ労力も少なく排除することができる。その結果、詰まりの排除に伴う機械の休止時間が短縮され、機械の稼動率が向上する。
【0035】
また、側部シュート28の下部に設けた側部カバー部材29の先端側と排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の搬送面との摺接部間に引っ掛かっている処理物中に混入している鉄筋等の一部も除去できるので、側部シュート28の下部に設けた側部カバー部材29の先端側と排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の搬送面の損傷の広がりも抑えられ、その寿命低下を防止することができる。
【0036】
更に、排出コンベヤ14のコンベヤベルト24の後部側の搬送面上の詰まりを簡単かつ労力も少なく排除することができるので、排出コンベヤ14におけるコンベヤベルト24の搬送面上への負荷が軽減し、排出コンベヤ14の搬送効率が向上する。
【0037】
図9は、本発明の自走式リサイクル機の他の実施の形態を構成する排出コンベヤの後部の側面図である。この図9において、図7に示す符号と同符号のものは同一部分である。
この実施の形態は、破砕物の詰まりの排除を、後部シュート30の開き動作に応動して、排出コンベヤ14のコンベヤベルト24を一定時間逆転させるようにしたものである。その一方策として、例えば、後部シュート30の開閉側の上部に設けた突出片42と、接点が突出片42に接するように他方側のフレーム21側(この例では側部シュート28)に設けたリミットスイッチ43と、後部シュート30の開きによりリミットスイッチ43が開いている間、排出コンベヤ用駆動装置25を逆転させる制御手段とを備えたものである。
【0038】
この実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様な効果が得られるとともに、排出コンベヤ14の後部内に詰まった破砕物を、排出コンベヤ14を破損させることなく更に確実に排除することができる。その結果、詰まりの排除に伴う機械の休止時間が短縮され、機械の稼動率が更に向上する。
【0039】
なお、上述した実施の形態においては、後部シュート30、保護カバー38の支点側をヒンジで取付け、反対側をボルトで固定したが、例えば、後部シュート30、保護カバー38のヒンジとは反対側の開閉側に、例えば、レバーの操作により係合片と係合爪とを係合又は解除可能なワンタッチ係止具を設けて、後部シュート30、保護カバー38を開閉可能にするようにしても良い。これによれば、ボルトを外す手間がなくなり、より手間がかからず、後部シュート30、保護カバー38の開閉操作することができる。
【0040】
また、上述の実施の形態においては、後部シュート30、保護カバー38の開閉支点を、コンベヤフレーム21の一方側にそれぞれ配置したが、後部シュート30の開閉支点をコンベヤフレーム21の他方側に、保護カバー38の開閉支点をコンベヤフレーム21の一方側に配置することも可能である。また、上述の実施の形態においては、後部シュート30、保護カバー38は片開き形式としたが、観音開き(両開き)形式にすることも可能である。
【0041】
また、上述した実施の形態においては、自走式破砕機を例にして説明したが、他の自走式リサイクル機にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 自走式破砕機
2 走行体
3 破砕機本体部
10 ホッパ
11 グリズリフィーダ
12 破砕装置
13 排出コンベヤ
14 動力装置
19 カバー部材
21 コンベヤフレーム
24 コンベヤベルト
28 側部シュート
29 側部カバー部材
30 後部シュート
31 ヒンジ
33 ボルト
36 後部カバー部材
38 保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、この走行体上に設けられた本体フレームと、この本体フレーム上に設けられ、被処理物を受け入れ処理する処理手段と、この処理手段の下方位置からフレームの長手方向他方側に屈曲して斜めに立ち上がるように延在し、前記処理手段で処理された処理物を機外に排出する排出コンベヤとを備えた自走式リサイクル機において、
前記排出コンベヤの左右のコンベヤフレームの後部側にそれぞれ固定した側部シュートと、
下部が前記排出コンベヤのコンベヤベルトの搬送面に摺接するように、上部を前記側部シュートの下部に固定した側部カバー部材と、
前記コンベヤフレームの後部に前記コンベヤベルトの幅方向に亘って位置し、前記コンベヤフレームの一方側を支点として水平方向に開閉可能に支持された後部シュートと、
下部が前記コンベヤベルトの搬送面に摺接するように、上部を前記後部シュートの下部に固定した後部カバー部材と、
前記後部シュートの反支点側を前記コンベヤフレームの他方側に開閉可能に固定する固定具とを備えたことを特徴とする自走式リサイクル機。
【請求項2】
請求項1に記載の自走式リサイクル機において、
前記後部カバー部材は、可撓性材であることを特徴とする自走式リサイクル機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自走式リサイクル機において、
前記コンベヤフレームの他方側に、前記後部シュートの開閉状態を検知する検出器と、
前記検出器からの前記後部シュートの開き検知信号に基づいて、前記排出コンベヤを逆転駆動させる制御手段とを備えた
ことを特徴とする自走式リサイクル機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自走式リサイクル機において、
前記コンベヤフレーム後端部に、保護カバーを水平方向に開閉可能に設けた
ことを特徴とする自走式リサイクル機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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