説明

自走式防除機

【課題】安全にかつ効率よく防除作業を行える自走式防除機を提供する。
【解決手段】門形の本体フレーム100と、左右に前輪124および後輪128を備える走行部120と、後輪128を回転駆動する第1モーター131を備える駆動部130と、薬液を散布する左右の固定ブーム141およびその外側の伸縮ブーム142を備える噴霧部140と、駆動部130および噴霧部140を制御する制御部150と、制御部150に制御信号を無線送信するリモートコントローラー160を有する。さらに、駆動部130は左右の前輪124および後輪128を同一方向に旋回させる旋回機構134を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作により自走しながら薬液を散布する防除機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物、果樹、花卉類の栽培においては、病害虫や病気を避けるため、圃場や園内の作物に対し動力噴霧機等で農薬等の薬液を定期的に散布するようにしている。しかしながら、かかる防除作業は、夏季などの酷暑の時期に行うことも多く、大変な重労働であるばかりか、散布した霧状の薬液を作業者が吸込み、健康被害を招くおそれもあり、作業環境の改善が叫ばれていた。
【0003】
防除作業を行う防除機の例として、特開平7−203826号公報(特許文献1)や特開平8−70748号(特許文献2)に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−203826号公報
【特許文献2】特開平8−70748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの防除機も、作業者が把手その他を操作したり乗車して走行および散布しなければならず、防除作業中の作業環境は決して良いとは言えず、安心できるものではなかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、作業者の作業環境を改善し、安全にかつ効率よく防除作業を行える自走式の防除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る自走式防除機は、門形の本体フレームと、左右に前輪および後輪を備える走行部と、前記前輪または後輪を回転駆動する駆動部と、薬液を散布する噴霧部と、前記駆動部および前記噴霧部を制御する制御部と、前記制御部に制御信号を無線送信するリモートコントローラーを有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る自走式防除機は、左右の前輪および後輪を同一方向に旋回させる旋回機構を有することを第2の特徴とする。
【0009】
本発明に係る自走式防除機は、旋回機構が、左右の前輪および後輪を支持する回動軸のいずれかを一方向に旋回させるモーターと、各回動軸に取付けられた歯車と、各回動軸の歯車間に巻回されたチェーンとを有し、前記モーターの駆動により一の回動軸を一方向に旋回させると、前記各歯車およびチェーンを介して残りの回動軸が同一方向に旋回するように構成されていることを第3の特徴とする。
【0010】
本発明に係る自走式防除機は、噴霧部が、複数のノズルを備える左右の固定ブームと、複数のノズルを備え、前記固定ブームの外側に配置される左右の伸縮ブームとを有し、それら固定ブームおよび伸縮ブームに複数のノズルが装着されていることを第4の特徴とする。
【0011】
本発明に係る自走式防除機は、前記伸縮ブームを本体フレームにスライド可能に支持する支持部材を有し、前記伸縮ブームには支持部材に対する複数の位置決め孔が設けられていることを第5の特徴とする。
【0012】
本発明に係る自走式防除機は、リモートコントローラーが、走行部の前進・後退および/または横行と、左右の前輪および後輪の旋回の各操作を行う操作レバーと、噴霧部における薬液の噴霧および停止の各操作を行う操作スイッチを備えることを第6の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る自走式防除機によると、無線信号を送信するリモートコントローラーからの遠隔操作により、圃場や園内において、防除機を走行させながら薬液散布を行い、安全にかつ効率よく防除作業を行うことができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明の自走式防除機によると、畝端から防除機全体を旋回させて大きくUターンさせることなく、防除機を横行移動させて、次の畝の防除作業に移ることができるから、狭い圃場や園内であっても効率よく防除作業を行えるという効果を奏する。
【0015】
さらに、作業者が防除作業範囲に立ち入らずに済み、防除作業を安全に行えるとともに、作業環境を良好にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自走式防除機の正面図、
【図2】同防除機の側面図、
【図3】同防除機の平面図、
【図4】同防除機を無線操作するリモートコントローラーを示す図、
【図5】同防除機を前進させて、圃場内の防除作業を行っている様子を示す図、
【図6】同防除機を圃場内で横行させる様子を示す図、
【図7】同防除機を後退させて、圃場内の防除作業を行っている様子を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1ないし図7は本発明の一実施形態を示すもので、これらの図において、符号100は自走式防除機を示している。
【0018】
自走式防除機(以下、「防除機」という)100は、圃場Hの畝Aに植えられた作物K(農作物、園芸作物、果樹、花卉類など)に薬液を散布する機械で、図1ないし図3に示すように、本体フレーム110と、走行部120と、駆動部130と、噴霧部140と、制御部150とから主要構成され、図4に示すリモートコントローラー160により無線操作されるようになっている。
【0019】
本体フレーム110は、畝Aを跨るように、四隅の垂直フレーム111と、垂直フレーム111の上端間に架設された水平フレーム112とを有する門形をなし、前後の垂直フレーム111、111間には左右に中間フレーム113が、前後の水平フレーム112、112間には中間フレーム114がそれぞれ固定されている。
【0020】
走行部120は、本体フレーム110の下方に設けられて、圃場Hの畝A間を自走し、前方左右の垂直フレーム111、111に上下のブラケット111Aを介して回動自在に支持された回動軸121、121と、各回動軸121にサスペンション機構122を介して回転軸123が回転自在に支持された左右の前輪124、124と、後方左右の垂直フレーム111、111内を上下に貫通して回動自在に支持された回動軸125、125と、各回動軸125の直下に支持機構126を介して回転軸127が回転自在に支持された左右の後輪128、128を備えている。
【0021】
なお、各支持機構126は、回動軸125の下端に固定された支持板126Aと、支持板126Aの下面に固定された垂直支持部材126Bと、斜め補強材126Cとを備え、垂直支持部材126Bに固定された一対の軸受126D間に回転軸127が回転自在に支持されている。また、前輪124および後輪128はいずれも図示例では複数輪であるが、単数輪であってもよい。
【0022】
駆動部130は、左右の後輪128を回転駆動するとともに、左右の前輪124および左右の後輪128をそれぞれ回動軸121および回動軸125回りに所定角度旋回させる役目をするもので、左右の各支持板126Aの上に載置された第1モーター131と、左右の各中間フレーム113の上に載置された第2モーター132を備えている。
【0023】
第1モーター131は、各中間フレーム113に支持部材113Aを介して吊下げられたバッテリー(電源)133を動力とし、出力軸131Aからチェーン134A、支持部材126Aに軸支された中間歯車134B、チェーン134C、回転軸127に連結された歯車134Dを介して、各後輪128に回転駆動力を伝達するようになっている。
【0024】
第2モーター132は、同じくバッテリー133を動力とし、旋回機構135を介して、左右の前輪124および左右の後輪128をそれぞれ回動軸121および回動軸125回りに所定角度旋回させるようになっている。
【0025】
旋回機構135は、第2モーター132の出力軸132Aから、チェーン135A、上下の中間フレーム113、113間に軸支された回動軸135Bの中間歯車135C、135D、チェーン135E、回動軸125に連結された歯車135Fを介して、回動軸125を所定角度だけ旋回させるようになっている。
【0026】
また、同旋回機構135は、後輪側の左右の回動軸125、125の各上端に連結された歯車135G、135Gおよび前輪側の左右の回動軸121、121の各上端に連結された歯車135G、135G間にチェーン135Hが巻回されており、第2モーター132の旋回駆動力がチェーン135Hおよび各歯車135Gを介して同時に前輪側の回動軸121に伝達され、これにより同期して左右の後輪128および左右の前輪124を同一向きに所定角度(例えば90度)旋回させることができる。
【0027】
なお、符号136は、第1モーター131を覆うカバーである。
【0028】
噴霧部140は、圃場Hの畝A間を走行部120が自走しながら、圃場Hの畝Aに植えられた作物に薬液を噴霧(散布)し付着させるもので、前輪側の水平フレーム112の両端のブラケット111Aから下向きに吊下げ支持された左右の固定ブーム141、141と、前輪側の水平フレーム112の上面両端に支持部材142A、142Aを介して左右外方へスライド可能に支持された左右の伸縮ブーム142、142を備えている。
【0029】
各固定ブーム141および各伸縮ブーム142には薬液を噴霧する複数のノズル143が上下に一定間隔で設けられており、二点鎖線で示す薬液ホース144を介して圧送される薬液を上下の各ノズル143から圃場H内の作物に噴霧することができる。なお、図示例では各ノズル143は進行方向に対し左右方向に向いているが、いずれか一方を向くように調整してよい。
【0030】
各伸縮ブーム142は、水平フレーム112上の長尺なスライド部142Bを左右に伸長させることにより、薬液の噴霧幅(散布幅)、すなわち一回の防除作業幅を拡大することができる。各伸縮ブーム142のスライド部142Bの内端寄りには複数の位置決め孔142Cが設けられ、支持部材142Aの位置決め孔142Dにいずれかの位置決め孔142Cを位置決めし、ボルト等で固定することで、畝Aの幅に合わせて、内側の固定ブーム141と外側の伸縮ブーム142の間隔を調整することができる。
【0031】
制御部150は、リモートコントローラー160からの無線信号により第1モーター131および第2モーター132の駆動と停止の各動作、薬液ホース144の開閉栓(開閉栓ボックス145に内蔵されている)の開閉動作を制御するもので、符号151は第1モーター131および第2モーター132を駆動させるメインスイッチである。
【0032】
リモートコントローラー160は、図4に示すように、ボックス本体161にアンテナ部162を備え、ボックス本体161の表面には左右に操作部163L、163Rが設けられ、各操作部163L、163Rには走行部120を前進・後退・横行・旋回操作する操作レバー164L、164Rが設けられている。
【0033】
すなわち、制御部150のメインスイッチ151を入れ、リモートコントローラー160を両手に持ち、操作レバー164L、164Rを前に傾けると、アンテナ部162から制御部150に無線送信された操作信号により、左右の第1モーター131、131が駆動されて左右の前輪124および左右の後輪128が正転方向に駆動され、走行部120が前進するようになっている。また、操作レバー164L、164Rを後ろに傾けると、同操作信号により、左右の第1モーター131、131が逆転駆動されて左右の前輪124および左右の後輪128が逆方向に駆動され、走行部120が後退するようになっている。
【0034】
一方、左の操作レバー164Lを左に傾けると、アンテナ部162から制御部150に無線送信された操作信号により、第2モーター132、132が駆動されて四輪が同時に左回り(反時計回り)に旋回し、右に傾けると、同操作信号により、第2モーター132、132が逆方向に駆動されて四輪が同時に右回り(時計回り)に旋回するようになっている。
【0035】
なお、右の操作レバー164Rを左に傾けると、第1モーター131、131の駆動が増速されて走行部120の速度が速くなり、右に傾けると、第1モーター131、131の駆動が減速されて走行部120の速度が遅くなるようになっている。このとき、前進・後退時に増速・減速させたい場合には、左右の操作レバー164L、164Rを前傾姿勢あるいは後傾姿勢を保持したまま、右の操作レバー164Rを左右いずれかに傾ければよい。
【0036】
また、リモートコントローラー160には薬液噴霧用の操作スイッチ165が設けられており、操作スイッチ165を倒すと、アンテナ部162からの操作信号により、開閉栓ボックス145内の開閉栓を開栓して圧送された薬液をノズル143から噴霧し、操作スイッチ165を戻すと、同開閉栓を閉栓してノズル143からの噴霧を停止する。
【0037】
次に以上のように構成された防除機100を用いて、圃場Hの畝A上の作物Kを防除作業する方法について、以下に説明する。
【0038】
まず、圃場Hの畝Aの幅Wに合わせて、左右の伸縮ブーム142、142を伸長する。各スライド部142Bの位置決め孔142Cのいずれかを位置決め孔142Dに合わせて各伸縮ブーム142の伸長幅を調整する。
【0039】
次に、リモートコントローラー160の遠隔操作により、圃場Hの一方の畝端において、畝A間の作業通路B、Bに防除機100の左右の前輪124および後輪128を位置決めする。リモートコントローラー160の左右の操作レバー164L、164Rを前に傾けて、第1モーター131、131を正転駆動させると同時に、操作スイッチ165を倒して、開閉栓ボックス145内の開閉栓を開栓する。
【0040】
これにより、図5に示すように、一方の畝端から他方の畝端に向けて往路を防除機100が前進すると同時に、内側の固定ブーム141、141の各ノズル143から畝A上の作物に対し、および内側の固定ブーム141と外側の伸縮ブーム142の各ノズル143から隣りの畝A上の作物に対し、薬液が一斉に噴霧される。これにより3列の畝Aに対し同時に防除作業を行う。
【0041】
次に、防除機100が他方の畝端に達したら、図6(A)に示すように、隣接する3列の畝Aの畝端まで防除機100を横行移動させる。まず、リモートコントローラー160の操作レバー164L、164R、操作スイッチ165を戻し、防除機100を走行停止させると共に、薬液ホース144の開閉栓を閉栓する。
【0042】
次に、リモートコントローラー160の操作レバー164Lを一定時間左に傾け、第2モーター132、132を駆動して、左右の前輪124および左右の後輪128を一斉に左回り(反時計回り)に90度旋回させる。そして、操作レバー164Lを元に戻し、今度は各操作レバー164L、164Rを前方に倒すことにより、第1モーター131、131を再び駆動して防除機100を、図6(A)のように左方向に横移動させる。
【0043】
次に、防除機100が隣接する3列の畝Aの畝端に至ると、リモートコントローラー160の操作レバー164L、164Rを戻し、防除機100を走行停止させる。そして、操作レバー164Lを再び左に一定時間傾け、第2モーター132、132を駆動して、図6(B)に示すように、左右の前輪124および左右の後輪128を一斉に左回り(反時計回り)に90度旋回させる。
【0044】
次に、リモートコントローラー160の左右の操作レバー164L、164Rを後方に傾けて、第1モーター131、131を反転駆動させると同時に、操作スイッチ165を倒して、開閉栓ボックス145内の開閉栓を開栓する。
【0045】
これにより、他方の畝端から一方の畝端に向けて復路を防除機100が後退すると同時に、内側の固定ブーム141、141の各ノズル143から畝A上の作物に対し、および内側の固定ブーム141と外側の伸縮ブーム142の各ノズル143から隣りの畝A上の作物に対し、薬液が一斉に噴霧される。
【0046】
このように、リモートコントローラー160からの遠隔操作により、防除機100を往路および復路を自走させながら、薬液を複数列の畝の作物に対し散布し、圃場H全体について防除作業を連続して行う。
【0047】
本実施形態の防除機100によると、次のような効果が得られる。
【0048】
(1)リモートコントローラー160からの遠隔操作により安全かつ効率よく防除作業を行える。すなわち、圃場Hの畝A間を自走しながら、左右に伸張した外側のブームと内側のブームによって、複数列の畝に薬液を同時に散布することができる。しかも、畝端に達した後は、防除機100全体を旋回させて大きくUターンさせることなく、防除機100を横行移動させて、直ちに次の複数列の畝にへの防除作業に移ることができる。すなわち、前進→横行→後退→横行を繰り返すことにより、狭い圃場Hであっても効率よく防除作業を行うことができる。
【0049】
(2)防除機100全体を旋回させてUターンさせる必要がないので、防除機100を横行させるだけの狭いスペースがあれば足り、その分畝の長さを拡張して作付面積を広げることができる。
【0050】
(3)リモートコントローラー160による遠隔操作で防除作業を行うので、作業者が防除作業範囲に立ち入らずに済み、防除作業を安全に行えるとともに、作業環境を良好なものとする。従来の防除作業の環境は極めて劣悪で、噴霧した薬液を吸い込むおそれがあり、安全とは言いがたいものであった。
【0051】
(4)畝端から防除機100全体を旋回させてUターンさせると、左右に延ばした伸縮ブーム142が旋回時に邪魔になるが、横行動作で次の作業位置まで移動するから、伸縮ブーム142を縮小させる必要がなく、作業効率の向上につながる。
【0052】
なお、本実施形態の防除機100では、左右の固定ブーム141と左右の伸縮ブーム142を備える構成としたが、いずれか一方のみ備える構成であってもよい。また、第1モーター131および第2モーター132を左右に備える構成としたが、それぞれ一方のみ備える構成であってもよい。
【0053】
また、防除作業に農薬等の薬液を用いたが、害虫を駆除したり作物に付いた砂や灰を除去するために水を噴霧するようにしてもよい。
【0054】
かくして、本発明によれば、安全にかつ効率よく防除作業を行える自走式防除機を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る自走式防除機は、圃場やグラウンドにおける防除作業の他、散水機としても利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 防除機
110 本体フレーム
111 垂直フレーム
111A ブラケット
112 水平フレーム
113、114 中間フレーム
113A、126A、142A 支持部材
120 走行部
121、125、135B 回動軸
122 サスペンション機構
123、127 回転軸
124 前輪
126 支持機構
126A 支持板
126B 垂直支持部材
126C 斜め補強材
126D 軸受
128 後輪
130 駆動部
131 第1モーター
131A、132A 出力軸
132 第2モーター
133 バッテリー
134A、134C、135A、135E、135H チェーン
134B、135C、135D 中間歯車
134D、135F、135G 歯車
135 旋回機構
136 カバー
140 噴霧部
141 固定ブーム
142 伸縮ブーム
142B スライド部
142C、142D 位置決め孔
143 ノズル
144 薬液ホース
145 開閉栓ボックス
150 制御部
151 メインスイッチ
160 リモートコントローラー
161 ボックス本体
162 アンテナ部
163L、163R 操作部
164L、164R 操作レバー
165 操作スイッチ
H 圃場
A 畝
B 作業通路
K 作物
W 畝の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
門形の本体フレームと、左右に前輪および後輪を備える走行部と、前記前輪または後輪を回転駆動する駆動部と、薬液を散布する噴霧部と、前記駆動部および前記噴霧部を制御する制御部と、前記制御部に制御信号を無線送信するリモートコントローラーを有することを特徴とする自走式防除機。
【請求項2】
左右の前輪および後輪を同一方向に旋回させる旋回機構を有することを特徴とする請求項1記載の自走式防除機。
【請求項3】
旋回機構が、左右の前輪および後輪を支持する回動軸のいずれかを一方向に旋回させるモーターと、各回動軸に取付けられた歯車と、各回動軸の歯車間に巻回されたチェーンとを有し、前記モーターの駆動により一の回動軸を一方向に旋回させると、前記各歯車およびチェーンを介して残りの回動軸が同一方向に旋回するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の自走式防除機。
【請求項4】
噴霧部が、複数のノズルを備える左右の固定ブームと、複数のノズルを備え、前記固定ブームの外側に配置される左右の伸縮ブームとを有し、それら固定ブームおよび伸縮ブームに複数のノズルが装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の自走式防除機。
【請求項5】
前記伸縮ブームを本体フレームにスライド可能に支持する支持部材を有し、前記伸縮ブームには支持部材に対する複数の位置決め孔が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の自走式防除機。
【請求項6】
リモートコントローラーが、走行部の前進・後退および/または横行と、左右の前輪および後輪の旋回の各操作を行う操作レバーと、噴霧部における薬液の噴霧および停止の各操作を行う操作スイッチを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の自走式防除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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