自転車の右側のクランクアーム・アセンブリならびにそのクランクアームおよび前スプロケット
【課題】右側のクランクアームに組み合わされた前スプロケット、特に軽材料で製作された前スプロケットのねじり変形を、可能なかぎり小さくする。
【解決手段】右側のクランクアーム(5)と、そのクランクアーム(5)に組み合わされた少なくとも1つの前スプロケット(10)と、少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)とを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)。少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)は、クランクアーム(5)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、少なくとも1つの前スプロケット(10)に接触して作用する。
【解決手段】右側のクランクアーム(5)と、そのクランクアーム(5)に組み合わされた少なくとも1つの前スプロケット(10)と、少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)とを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)。少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)は、クランクアーム(5)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、少なくとも1つの前スプロケット(10)に接触して作用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の右側のクランクアーム・アセンブリならびにそのクランクアームおよび前スプロケットに関する。
【0002】
自転車の分野において、一般的に、「右側のクランクアーム・アセンブリ」という表現は、右側のクランクアームと、右側のクランクアームに組み合わされた少なくとも1つの前スプロケットとを含むアセンブリを指して使用される。前スプロケットは、詳しくは、自転車の後輪に運動を伝達すべく自転車のチェーンを駆動するように構成された歯車であり、そのような運動は、自転車の乗り手がペダルを踏むことによって与えられる。
【背景技術】
【0003】
従来の自転車においては、右側のクランクアームが前スプロケットに、それら構成部品のそれぞれの前面に設けられたそれぞれの表面において直接組み合わされている。詳しくは、クランクアームおよび前スプロケットにおいて使用時に自転車のフレームに面する面を内側の面として設け、内側の面と反対であって使用時に外側に面するように意図されている面を外側の面として設けて、右側のクランクアームと前スプロケットとの間の結合が、一般的に、クランクアームの一方の面および前スプロケットの一方の面において行われている。
【0004】
動作時、前スプロケットが、ペダルを踏む際に前スプロケットに加わる応力ゆえに弾性的に変形することが観察されている。そのような変形は、結果として、クランクアーム・アセンブリを通じて付与される運動の伝達効率を低下させることになる。
【0005】
詳しくは、クランクアームが、乗り手が自転車のペダルに加える力を前スプロケットに伝達する。そのような力は、前スプロケットの中央面と平行な平面において作用し、その作用方向および強さは、ペダルのそれぞれの角度位置において異なる。したがって、この応力が、前スプロケットに変動する横方向のたわみ変形を生じさせる。さらに、チェーンが前スプロケットの一部分に、前スプロケットの前方移動に対向する力を加えることを考慮すると、結果としての前スプロケットの応力は、ねじりの応力である。したがって、結果としての前スプロケットの変形は、ねじり変形である。
【0006】
このような変形は、従来の前スプロケットのすべてにおいて、たとえそれらが金属材料で作られていても生じるが、軽材料(light material)で製作された前スプロケットの場合にきわめて顕著である。
【0007】
実際、とりわけ競争用自転車の分野において、例えばアルミニウム合金などの軽合金で作られた前スプロケットや、複合材料で作られた前スプロケット(すなわち、一部が金属材料で作られ、一部が例えば炭素繊維などといった他の材料で作られている)を使用することが知られている。
【0008】
従来技術による右側のクランクアーム・アセンブリは、一般的に、星形の右側のクランクアームを有する。例えば、欧州特許出願公開 1 354 792および欧州特許0 414 907(特許文献1、2)を参照されたい。詳しくは、そのようなクランクアームは、複数の接続アームを有し、それらの接続アームが、それぞれの自由端に前スプロケットへの固定のための部分を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1354792号明細書
【特許文献2】欧州特許第0414907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本件出願人は、公知のアセンブリの全体重量を最小限まで減らすために、クランクアームの接続アームおよび前スプロケットの対応する接続部材がきわめて薄い厚さで製作されており、これが前スプロケットのねじれを引き起こしていることに気が付いた。
【0011】
また、本件出願人は、クランクアームが強化された場合でも、軽材料で作られた前スプロケットが依然として大きくたわむことにも気が付いた。
【0012】
本発明の根底にある技術的課題は、クランクアーム・アセンブリを通じて付与される運動の伝達効率を損なうことがないよう、右側のクランクアームに組み合わされた前スプロケット、特に軽材料で製作された前スプロケットのねじり変形を、可能なかぎり小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の第1構成は、
・右側のクランクアームと、
・使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、前記クランクアームの少なくとも1つの第1結合部において前記クランクアームに組み合わされる少なくとも1つの前スプロケットと
を有し、さらに
・前記面の一方において前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つの第1クランクアーム部材
を有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、
前記面の他方において前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つの第2クランクアーム部材を有することを特徴とする右側のクランクアーム・アセンブリに関する。
【0014】
有利な点として、前スプロケットの両面に接触して作用するように構成された部材を、クランクアームに設けることで、ペダルを踏む際の前スプロケットのねじり変形が効果的に阻止され、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリを通じて加えられる運動の伝達効率に大いに有利である。
【0015】
好ましくは、クランクアームが本体を有し、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記本体と一体に形成される。しかしながら、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記クランクアームの本体とは別体であって、前記クランクアームの本体に組み合わされている本発明のアセンブリの他の実施形態も考えられる。
【0016】
好ましくは、上述の結合部における前スプロケットとクランクアームとの結合は、必要に応じて保守もしくは修理のために前スプロケットまたはクランクアームを交換することができるよう、取り外しが可能な結合である。
【0017】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、クランクアームが、複数の第1クランクアーム部材および複数の第2クランクアーム部材を有する。詳しくは、クランクアーム部材が、好ましくはそれぞれの面に少なくとも2つ、例えば4つであるが、クランクアーム部材の数が別の数であり、奇数でさえあるような実施形態を排除するものではない。有利な点として、それぞれの面に多数のクランクアーム部材を設けることで、クランクアームと前スプロケットとの間にきわめて安定かつ前スプロケットのねじり変形の阻止にきわめて効果的な接触を得ることが可能になる。
【0018】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、クランクアームの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。有利な点として、接触がクランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリとは異なり、本発明のアセンブリにおいては、前スプロケットとクランクアームとの間の接触が、従来技術に比べてより大きな広がりを有する表面において生じる。したがって、クランクアームと前スプロケットとの間の接触の所望の安定性および有効性が保証される。
【0019】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、前記クランクアームの前記回転軸心を中心として円周方向に延びており、さらに好ましくは、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って延びている。有利な点として、この構成で、本発明のアセンブリのクランクアームに、クランクアーム部材が存在しない領域が特定される。そのような領域は、クランクアームにおいて第1および第2クランクアーム部材の間に設けられる軸心方向の空間への前スプロケットの挿入、およびそのような空間からの前スプロケットの取り出しを、可能かつ容易にするために使用される。この構成で、前スプロケットの両面において前スプロケットとクランクアームとの接触を得ることができると同時に、発生しうる前スプロケットまたはクランクアームの修理もしくは交換を可能にするために、前スプロケットとクランクアームとの間の結合の取り外し可能性が確保される。
【0020】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0021】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、クランクアームの異なる角度位置において前記少なくとも1つの前スプロケットに当接して作用する。実際、本件出願人は、ペダルを踏む際に前スプロケットが、ある点と他の点とで異なる側にねじれることに気が付いた。そこで、本件出願人は、前スプロケットの各点において、当該前スプロケットがねじれる側にのみクランクアーム部材を配置することを考えた。このようにして、クランクアーム部材が、前スプロケットのねじり変形への抵抗を実際に実行する場所にのみ配置される。したがって、この構成で、前スプロケットのねじり変形の防止についての優れた結果に加えて、クランクアームの重量の大幅な低減が達成される。
【0022】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側から延びている。本件出願人は、実際に、クランクアームとの結合部に関して、前スプロケットがそのような結合部の前後において反対側にねじれることを発見し、したがって第1クランクアーム部材を、それぞれの結合部に関して第2クランクアーム部材の反対側に配置することを考えた。
【0023】
より好ましくは、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、ペダルを踏む際の前記クランクアームの回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に後続する位置に配置される。実際、本件出願人は、このような配置が前スプロケットの変形に対して効果的な抵抗をもたらすことを発見した。
【0024】
好ましくは、クランクアームが、前記少なくとも1つの前スプロケットに対するクランクアームの正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材に設けられている。有利な点として、この構成で、前スプロケットに対するクランクアームの正確な角度の位置決めを、特別な当接部材を設ける必要なく達成することができる。さらに、前記当接面が、有利な点として、前スプロケットを回転させるための追加の手段を構成する。実際、上述の当接面を設けることによって、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリは、たとえ前スプロケットが適切なねじによって右側のクランクアームに固定されていなくても、ペダルを踏む方向にトルクを伝達することができると考えられる。
【0025】
より有利な点として、当接面を設けることで、前スプロケットがクランクアームに当接するとき、第1および第2クランクアーム部材がそれらの間に設けられる軸心方向の空間に前スプロケットを保持すべく協働することが保証され、したがって作業者の両手が自由になり、前スプロケットをクランクアームに堅固に結合させるべく容易にねじをねじ込むことができる。
【0026】
特に好ましい実施形態において、本発明のアセンブリは、第1の直径を有する第1前スプロケットと、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する少なくとも1つの第2前スプロケットとを有し、前記第1前スプロケットが、前記少なくとも1つの第1結合部において前記クランクアームに組み合わされ、前記少なくとも1つの第2前スプロケットが、前記少なくとも1つの第1結合部とは異なる少なくとも1つの第2結合部において前記クランクアームに組み合わされている。
【0027】
有利な点として、クランクアームにおいて異なる前スプロケットのために異なる結合部を設けることで、生じうる修理または交換のための前スプロケットの取り外しを、より迅速かつより容易にすることができる。これは、すべての前スプロケットがクランクアームの同じ結合部においてクランクアームに組み合わされている従来技術によるアセンブリにおいては、得ることができない。
【0028】
さらに有利なことには、前記少なくとも1つの第1結合部が、クランクアームの回転軸心に中心を有する第1の円周に設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の円周と同心でありかつ前記第1の円周の直径とは異なる直径を有する第2の円周に設けられている。
【0029】
有利な点として、異なる直径の前スプロケットをクランクアームの異なる結合部に結合させて設けることで、さまざまなサイズの前スプロケットからなる多数の組み合わせを製作することが可能になり、そのような組み合わせは、きわめて小さな前スプロケットおよびきわめて大きな前スプロケットも含むことができる。この点に関し、従来のアセンブリにおいては、使用される組み合わせが、歯の数が38〜44の間である前小径スプロケットおよび歯の数が52〜56の間である前大径スプロケットを有する「標準」として知られる組み合わせ、ならびに歯の数が32〜36の間である前小径スプロケットおよび歯の数が46〜50の間である前大径スプロケットを有する「コンパクト」として知られる組み合わせだけである。他方で、本発明のアセンブリによれば、例えば混成の組み合わせなど、「標準」または「コンパクト」とは異なる組み合わせを採用することが可能である。
【0030】
さらに、本件出願人は、従来のクランクアームにおいて、アームが所定のサイズの前スプロケットとの組み合わせにおいてねじりに対する最大の抵抗を与えるように寸法付けられていることに気が付いた。この結果、乗り手は、異なるサイズの前スプロケットを使用しようとし、かつ容認できる構造的剛性を維持しようと望む場合には、右側のクランクアームをも交換しなければならない。これは、乗り手にとって煩雑なだけでなく、クランクアームの製造者が、さまざまなサイズのクランクアームを設計、製造および市販しなければならないことを意味する。
【0031】
有利な点として、異なる直径の前スプロケットがクランクアームの異なる結合部に組み合わされている本発明のようなアセンブリにおいては、使用が意図される前スプロケットの組み合わせのそれぞれに合わせて種々の寸法のクランクアームを製造する必要はもはやなく、乗り手が、前スプロケットの組み合わせを変更するたびに、所望の構造的剛性を維持するためにクランクアームを変更する必要もない。このように、本発明は、乗り手およびクランクアーム製造者の両者にとって有利である。
【0032】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、クランクアームの前記回転軸心に対して少なくとも1つの第1の実質半径方向に沿って設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の実質半径方向とは異なる少なくとも1つの第2の実質半径方向に沿って設けられている。
【0033】
より好ましくは、本発明のアセンブリは、一方が他方から第1の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第1結合部、および一方が他方から第2の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第2結合部を有し、前記第2の所定の角度間隔が、前記第1の所定の角度間隔よりも小さい。
【0034】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、クランクアームの本体が、自転車のペダルとの接続のための第1本体部と、前記少なくとも1つの前スプロケットおよび自転車のボトムブラケット・アセンブリの軸との接続のための第2本体部とを有し、前記第2本体部が、前記少なくとも1つの前スプロケットとの接続のための少なくとも1つのアームであって、前記クランクアームの回転軸心に対して実質半径方向に延びている少なくとも1つのアームを有し、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記少なくとも1つの接続アームに設けられ、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と少なくとも1つの第2クランクアーム部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側において、半径方向でない方向に沿って前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0035】
好ましくは、クランクアームが複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記接続アームのうちの複数から延びている。
【0036】
詳しくは、本発明のアセンブリの第1の特に好ましい実施形態においては、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びており、好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで(without structural interruption, 空間や他の部材の介在なしに連続して)円周方向に延びている。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記2つの隣り合う接続アームのうちでペダルを踏む際の前記クランクアームの回転方向に関して他方の接続アームに先行している方の接続アームから延びている。
【0037】
しかしながら、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びている実施形態も考えることができる。
【0038】
好ましくは、本発明のアセンブリが2つ以上の前スプロケットを有する場合に、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの接続アームにも設けられる。したがって、クランクアームにおいて、第1前スプロケットとの結合のためにすでに設けられている結合部材以外に結合部材を設ける必要がなく、クランクアームの重量にとって大きな利点である。
【0039】
好ましくは、クランクアームが、前記第1本体部に設けられた追加の結合部をさらに有し、前記第1前スプロケットおよび前記少なくとも1つの第2前スプロケットの両者が、前記追加の結合部において当該クランクアームに組み合わされている。この構成で、多数の結合点をクランクアームに設けることによってクランクアームの本体を弱体化させてしまうことなく、前スプロケットとクランクアームとの安定な結合が達成される。
【0040】
好ましくは、クランクアームは、軽金属材料で作られ、より好ましくは、複合材料で作られる。後者の場合には、クランクアーム部材も複合材料で作られ、きわめて重量の軽い構成部品を得ることができる。
【0041】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と協働する少なくとも1つの第1前スプロケット部材、および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材と協働する少なくとも1つの第2前スプロケット部材を有する。
【0042】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材が、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材の角度の広がりに実質的に等しい角度の広がりを有する。この結果、有利な点として、前スプロケットに対し、前スプロケットそのものに特定の剛性を与えて、前スプロケットをより軽量にすることができる大きくされた接触部材がもたらされる。
【0043】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、環状の部材を含んでおり、その環状の部材の半径方向内側の表面から、クランクアームとの少なくとも1つの結合部材が、片持ちで延びている。
【0044】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、前記環状の部材において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている本体部であって、前記少なくとも1つの結合部材を有する本体部に設けられている。
【0045】
本発明のアセンブリの他の実施形態においては、前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、前記環状の部材において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びているそれぞれの本体部によって設けられており、前記それぞれの本体部が、前記少なくとも1つの結合部材を有さない。
【0046】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円(primitive circumference )に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6および6/7の一群から選択される一つの値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。有利な点として、この場合には、前スプロケットが、クランクアームとの接触部材および結合部材が設けられてなる単純な歯付きのバンド(band)であって、半径方向の広がりがきわめて小さいバンドに小型化される。
【0047】
好ましくは、前スプロケットの環状の部材が、軽金属材料または複合材料で製作されている。この構成で、きわめて重量の軽い構成部品を得ることができる。
【0048】
本発明の第2構成は、本体を有し、その本体が、本体の少なくとも1つの第1結合部において自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケットに組み合わされるように構成され、さらに前記本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対してその少なくとも1つの前スプロケットの使用時に自転車のフレームに面する内側の面およびその内側の面の反対側である外側の面のうちの一方において作用するように構成された少なくとも1つの第1接触部材を有する自転車の右側のクランクアームにおいて、前記本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対して前記面の他方において作用するように構成された少なくとも1つの第2接触部材を有することを特徴とするクランクアームに関する。
【0049】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、クランクアームに関して述べられる接触部材とは、すでにクランクアーム部材として示した部材に相当する。
【0050】
有利な点として、上述の右側のクランクアームを、本発明の第1構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成を可能にする。
【0051】
好ましくは、上述の右側のクランクアームは、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリのクランクアームに関して上述した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0052】
詳しくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、好ましくは本体と一体に形成されている。しかしながら、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記本体とは別体であって、前記本体に組み合わされている実施形態も考えられる。
【0053】
好ましくは、クランクアームの本体が、複数の第1接触部材および複数の第2接触部材を有する。
【0054】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、当該クランクアームの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。
【0055】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、当該クランクアームの前記回転軸心の周囲を円周方向に延びており、さらに好ましくは、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って延びている。
【0056】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0057】
好ましくは、前記それぞれの円弧が、前記回転軸心に対して異なる角度位置を有する。
【0058】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材と前記少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側から延びている。
【0059】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、ペダルを踏む際のクランクアームの回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1接触部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に後続する位置に配置されている。
【0060】
好ましくは、クランクアームの本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対する当該クランクアームの正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。
【0061】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2接触部材に設けられている。
【0062】
好ましくは、クランクアームの本体が、自転車のクランクセットの第1前スプロケットとの少なくとも1つの第1結合部、および前記少なくとも1つの第1前スプロケットの直径とは異なる直径を有する自転車のクランクセットの少なくとも1つの第2前スプロケットとの少なくとも1つの第2結合部を有し、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの第1結合部とは別体である。
【0063】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、当該クランクアームの回転軸心に中心を有する第1の円周に設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の円周と同心でありかつ前記第1の円周の直径とは異なる直径を有する第2の円周に設けられている。
【0064】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記回転軸心に対して少なくとも1つの第1の実質半径方向に沿って設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の実質半径方向とは異なる少なくとも1つの第2の実質半径方向に沿って設けられている。
【0065】
好ましくは、クランクアームの本体が、一方が他方から第1の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第1結合部、および一方が他方から第2の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第2結合部を有し、前記第2の所定の角度間隔が、前記第1の所定の角度間隔よりも小さい。
【0066】
好ましくは、クランクアームの本体が、自転車のペダルとの接続のための第1本体部と、前記少なくとも1つの前スプロケットおよび自転車のボトムブラケット・アセンブリの軸との接続のための第2本体部とを有し、前記第2本体部が、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接続アームであって、当該クランクアームの回転軸心に対して実質半径方向に延びている少なくとも1つの接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記少なくとも1つの接続アームに設けられ、前記少なくとも1つの第1接触部材と少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側において、半径方向でない方向に沿って前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0067】
好ましくは、前記本体が複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記接続アームのうちの複数から延びている。
【0068】
特に、本発明のクランクアームの第1の特に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの第2接触部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びており、好ましくは前記少なくとも1つの第1接触部材が、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記2つの隣り合う接続アームのうちのペダルを踏む際の当該クランクアームの回転方向に関して他方の接続アームに先行している方の接続アームから、片持ちで延びている。
【0069】
しかしながら、前記少なくとも1つの第1接触部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びている実施形態も考えられる。
【0070】
好ましくは、本発明のクランクアームが少なくとも2つの前スプロケットに組み合わされるように構成されている場合に、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの接続アームにも設けられている。
【0071】
好ましくは、クランクアームの本体が、軽金属材料または複合材料で作られている。
【0072】
本発明の第3構成は、環状の部材を有し、その環状の部材が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面とその内側の面の反対側である外側の面とを有する自転車の右側のクランクアームとの少なくとも1つの結合部を有し、さらに前記環状の部材が、前記面の一方において前記クランクアームに当接して作用するように構成された少なくとも1つの第1接触部材を有する自転車のクランクセットの前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、前記面の他方において前記クランクアームに当接して作用するように構成された少なくとも1つの第2接触部材を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0073】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0074】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第1構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0075】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第1構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して上述した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0076】
詳しくは、前記環状の部材が、好ましくは複数の第1接触部材および複数の第2接触部材を有する。
【0077】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、少なくとも部分的に、当該前スプロケットの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。
【0078】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、当該前スプロケットの前記回転軸心を中心として、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びている。
【0079】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0080】
より好ましくは、前記それぞれの円弧が、前記回転軸心に対して異なる角度位置を有する。
【0081】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材と前記少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの結合部に関して反対側から延びている。
【0082】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、ペダルを踏む際の当該前スプロケットの回転方向に関して前記少なくとも1つの結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1接触部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの結合部に後続する位置に配置されている。
【0083】
好ましくは、前記環状の部材が、当該前スプロケットの前記クランクアームに対する正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。
【0084】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2接触部材に設けられている。
【0085】
好ましくは、前記環状の部材の半径方向内側の表面から、前記クランクアームとの結合のための少なくとも1つの部材が半径方向に延びており、前記少なくとも1つの結合部が、前記少なくとも1つの結合部材に設けられている。
【0086】
本発明の前スプロケットの第1実施形態においては、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記半径方向内側の表面から半径方向に片持ちで延びていて前記少なくとも1つの結合部材を有する前記環状の部材の本体部に設けられている。
【0087】
本発明の前スプロケットの他の実施形態においては、前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記半径方向内側の表面から半径方向に片持ちで延びている、前記環状の部材のそれぞれの本体部に設けられており、そのそれぞれの本体部が、前記少なくとも1つの結合部材を含んでいない。
【0088】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材が、2つの隣り合う結合部材の間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。
【0089】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0090】
好ましくは、前記環状の部材が、軽金属合金または複合材料で製作されている。
【0091】
本発明の第4構成は、右側のクランクアーム、およびそのクランクアームに組み合わされた少なくとも1つの前スプロケットを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、前記クランクアームの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つのクランクアーム部材を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリに関する。
【0092】
有利な点として、クランクアームに半径方向でない方向に沿って延びている接触部材を設けることで、クランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリにおける接触に比べて、クランクアームの前スプロケットへの接触を安定かつ効果的にすることができる。この構成で、前スプロケットの変形を抑えることができ、したがって運動の伝達という点で有利である。
【0093】
好ましくは、本発明の第4構成に関して上述したアセンブリは、本発明の第1構成のアセンブリに関して上述した特徴のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでおり、したがって、そのようなアセンブリに関して上述した利点のすべてを達成している。
【0094】
特に、好ましくは、本発明の第4構成のアセンブリのクランクアームは、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接続アームを有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0095】
さらに好ましくは、クランクアームが複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記接続アームのうちのうちの複数から延びている。
【0096】
好ましくは、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記クランクアームの前記回転軸心を中心とし、所定の角度の広がりを有する円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びている。
【0097】
本発明のアセンブリの一特定の実施形態においては、そのような角度の広がりが360°に等しい。
【0098】
他の実施形態においては、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0099】
本発明の第1構成に関して上述したクランクアーム・アセンブリについてすでに述べたように、前記少なくとも1つのクランクアーム部材は、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。しかしながら、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記少なくとも1つの接続アームから片持ちで延びている変形例も考えられる。
【0100】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケットに作用する。
【0101】
好ましくは、前記クランクアームが、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0102】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つのクランクアーム部材と協働する少なくとも1つの前スプロケット部材を有し、その少なくとも1つの前スプロケット部材が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材の角度の広がりに実質的に等しい角度の広がりを有する。
【0103】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、環状の部材を含んでおり、その環状の部材の半径方向内側の表面から、前記クランクアームとの少なくとも1つの結合部材が、半径方向に片持ちで延びている。
【0104】
好ましくは、前記少なくとも1つの結合部材が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材とは別体である。
【0105】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの前スプロケット部材および前記少なくとも1つの結合部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0106】
好ましくは、前記環状の部材が、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0107】
本発明の第5構成は、自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケットに組み合わされるように構成された本体を有する自転車の右側のクランクアームにおいて、前記本体が、当該クランクアームの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接触部材を有することを特徴とするクランクアームに関する。
【0108】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、クランクアームに関して述べられる接触部材とは、すでにクランクアーム部材として示した部材に相当する。
【0109】
有利な点として、上述のクランクアームを、本発明の第4構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0110】
好ましくは、本発明のクランクアームは、本発明の第4構成の右側のクランクアーム・アセンブリのクランクアームに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0111】
本発明の第6構成は、自転車の右側のクランクアームに組み合わされるように構成された環状の部材を有する自転車のクランクセット用の前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、当該前スプロケットの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記クランクアームとの少なくとも1つの接触部材を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0112】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0113】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第4構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0114】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第4構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0115】
本発明の第7構成は、右側のクランクアームおよび少なくとも1つの前スプロケットを有し、その少なくとも1つの前スプロケットが少なくとも1つの前スプロケットの少なくとも1つの結合部において前記クランクアームに組み合わされている自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、前記クランクアームに接触して作用する少なくとも1つの前スプロケット部であって、前記少なくとも1つの結合部とは別体である少なくとも1つの前スプロケット部を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリに関する。
【0116】
有利な点として、接続部とは別体である接触部を前スプロケットに設けることで、クランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリにおける接触に比べて、クランクアームの前スプロケットへの接触をより安定かつ効果的にすることができる。この構成で、前スプロケットの変形を抑えることができ、したがって運動の伝達という点で有利である。
【0117】
好ましくは、本発明の第7構成に関して上述したアセンブリは、本発明の第1構成のアセンブリに関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでおり、したがって、このアセンブリに関して上述した利点のすべてを達成している。
【0118】
詳しくは、好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケット部が、前記少なくとも1つの前スプロケットの半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの前スプロケット部材に設けられ、前記少なくとも1つの結合部が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの第1結合部材に設けられている。
【0119】
好ましくは、前記前スプロケットが、軽金属材料または複合材料で製作された環状の部材を有する。
【0120】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第1結合部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0121】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材と協働するように構成された少なくとも1つのクランクアーム部材、および前記少なくとも1つの第1結合部材と協働するように構成された少なくとも1つの第2接続部材を有する。
【0122】
好ましくは、前記クランクアームが、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0123】
本発明の第8構成は、環状の部材を有し、その環状の部材が、環状の部材の結合部において自転車の右側のクランクアームに組み合わされるように構成されている自転車のクランクセット用の前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、前記クランクアームとの少なくとも1つの接触部であって、前記少なくとも1つの結合部とは別体である少なくとも1つの接触部を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0124】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0125】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第7構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0126】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第7構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの、内側の面からの正面図であり、標準的な前スプロケットからなる組み合わせを有する。
【図2】図1のアセンブリの外側の面からの図である。
【図3】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの、内側の面からの正面図であり、コンパクトな形式の前スプロケットからなる組み合わせを有する。
【図4】図3のアセンブリの外側の面からの図である。
【図5】図3の切断線V−Vによる断面図である。
【図6】本発明による右側のクランクアームの斜視図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図7】本発明による右側のクランクアームの内側の面からの図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図8】本発明による右側のクランクアームの外側の面からの図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図9】図7の線IX−IXによる拡大断面図である。
【図10】本発明による前スプロケットの内側の面の斜視図であり、このような前スプロケットが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図11】本発明による前スプロケットの外側の面の斜視図であり、このような前スプロケットが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図12】図10および11の前スプロケットを図6〜8のクランクアームに取り付ける工程を示している。
【図13】本発明のクランクアームの他の実施形態の外側の面からの図である。
【図14】本発明の前スプロケットの他の実施形態の内側の面の斜視図である。
【図15】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの他の実施形態の外側の面からの図である。
【図16】図15の線XIV−XIVによる断面の斜視図である。
【図17】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリのさらなる実施形態の外側の面からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照しつつ行われる本発明のいくつかの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになる。
【0129】
図1および2を参照すると、本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの第1実施形態が、符号1で示されている。アセンブリ1は、右側のクランクアーム5、大径の前スプロケット10(以下、前大径スプロケットと称する)、および小径の前スプロケット15(以下、前小径スプロケットと称する)を有する。アセンブリ1が、例えば競技用トラックにおいて使用するためにただ1つの前スプロケットを有し、または3つ以上(例えば、3つ)の前スプロケットを有する別の実施形態(図示されない)も、考えられる。
【0130】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、アセンブリ1、クランクアーム5、前スプロケット10および15の「内側の面」とは、図1および3において見て取ることができる面を指し、すなわちアセンブリ1がボトムブラケット・アセンブリに取り付けられたときに自転車のフレームに面する面を指す。一方で、「外側の面」は、内側の面とは反対の面であって、図2および4において見て取ることができる面を指す。
【0131】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「前位置」、「後位置」は、ある要素が、クランクアームの回転方向において、基準となる要素に先行する位置、後続する位置にあることをそれぞれ指しており、ここで回転は、駆動力を後輪に伝達するような方向である。
【0132】
本発明の右側のクランクアーム5は、軽合金などの金属材料で製作することが可能であり、また、構造繊維をポリマー材料に取り入れて含んでいる複合材料で製作することも可能である。一般的に、構造繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択されるが、炭素繊維が好ましい。好ましくは、この構成部品の本体のポリマー材料は、熱硬化性である。しかしながら、熱可塑性材料の使用の可能性を排除するものではない。さらに好ましくは、ポリマー材料がエポキシ樹脂を含んでいる。
【0133】
ポリマー材料中での前記構造繊維の配置は、構造繊維からなる小片またはシートの無作為配置であってもよく、繊維の実質的に一方向の整列配置であってもよく、繊維の実質的に二方向の整列配置であってもよく、または上述の組み合わせであってもよい。
【0134】
他の実施形態においては、本件出願と同じ出願人の欧州特許第EP1270394号ならびに欧州特許出願第06425086号および第06425087号に記載されているように、繊維が凹所の周囲に連続的に巻き付けられる織物に組織されており、これらの欧州特許および欧州特許出願の内容は、繊維の配置に関して、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする。
【0135】
特に図6〜8を参照すると、右側のクランクアーム5は、ペダル(図示されていない)との接続のための第1端部21と、前スプロケット10および15ならびにボトムブラケット・アセンブリの軸(図示されていない)との結合のための第2端部22とを有する細長い本体20を備えている。詳しくは、第2端部22は、ボトムブラケット・アセンブリの軸を収容するための穴23を備えている。他の実施形態(図示されない)においては、この軸が右側のクランクアームに着脱可能に接続され、または右側のクランクアームの一体の一部分である。
【0136】
前スプロケット10および15のための支持構造25が、穴23の周囲に設けられている。支持構造25は、穴23を中心として実質的に放射状に延びている4つの接続アーム(または、スポーク)27を備えており、穴23の内側に、クランクアーム5の回転軸心Xが設定されている。
【0137】
アーム27は、それぞれの自由端部28において、2つのアーム27からなる組となるように補強部材30によって接続されている。補強部材30は、好ましくは、クランクアーム5の回転軸心Xを中心として周状に延びていて、円弧の形態に製作されている。
【0138】
アーム27の組を接続しているそれぞれの補強部材30は、前大径スプロケット10の外側の面に接触面32を有する。
【0139】
好ましくは、接触面32は、15°以上であり、好ましくは15°〜100°の間であり、さらに好ましくは30°〜75°の間である角度の広がりα(図7)を有し、細長い本体20の中央面πから角度間隔βの位置に配置されており、ここでβは、好ましくは30°〜90°の間である。
【0140】
クランクアーム5の他の実施形態(図示されていない)においては、部材30によって接続されたアーム27の組が、同じ角度の広がりのただ1つのアームで置き換えられている。
【0141】
ここで、部材30によって一体に接続されたアーム27の組を検討すると、それらのそれぞれのうちで、クランクアーム5の回転軸心Xを中心とする右側のクランクアーム5の回転方向ωに最初に現れるアーム27が、円周方向において回転方向ωに片持ちで延びている部材35を有する。部材35のそれぞれは、前大径スプロケット10の内側の面に接触面40を有する。
【0142】
前大径スプロケット10との結合部44が、それぞれのアーム27の自由端28に設けられている。部材30が、そのような結合部44のすぐそばで接続アーム27を接続している。結合部44には、結合穴45が設けられている。
【0143】
アーム27の端部28を部材30によって接続して有する結合部44が、45°〜95°の間であるお互いからの角度間隔γに配置されており、細長い本体20に最も近い結合部44は、平面πから35°〜85°の間の角度μだけ離れて配置されている。
【0144】
前スプロケット10とのさらなる結合穴46が、好ましくは、細長い本体20の一部分に設けられている(図7)。
【0145】
図9の断面が、右側のクランクアーム5が複合材料で製作される場合について、結合部44の典型的な実施形態を詳しく示している。この場合には、結合部44が、好ましくは、ねじ(図示されていない)の挿入用のねじ穴52が設けられている金属製のインサート50によって設けられている。インサート50の外表面54は、接着または同時成型プロセスによる直接の付着によって固定相手の複合材料により良好に保持されることができるよう、一様でなく、好ましくはねじ山が設けられている。
【0146】
本発明のアセンブリについて、ねじ穴52が複合材料に直接設けられている他の実施形態が考えられる。
【0147】
図9に詳しく示されているように、本発明のクランクアーム5は、その好ましい実施形態において、前小径スプロケット15を結合させるために使用される第2結合部47をさらに有する。結合部47は、好ましくは結合部44と同一に作られ、結合穴48を有する。
【0148】
結合部44および47は、右側のクランクアーム5の回転軸心Xから異なる距離にある。詳しくは、結合部44および47の対称軸心S1およびS2が、直径の異なる2つの仮想の円周上に位置している。
【0149】
図1、3、6、7、12に示されているように、結合部44および47は、好ましくは半径方向において互いに整列していない。実際、結合部44は、結合部47の間の角度間隔に比べ、より小さな角度間隔γに位置している。
【0150】
前大径スプロケット10および前小径スプロケット15の両者は、さらなる結合部46においてクランクアーム5の本体20に結合する。
【0151】
次に、図5に示した断面を特に参照すると、本発明の好ましい実施形態においては、それぞれ前大径スプロケット10の外側の面および内側の面に位置する接触部材30および35が、対称の軸心S1によって特定される結合部44に対して、実質的に両側に位置している。詳しくは、前スプロケット10の外側の面との接触のための部材30の表面32が、回転方向ωにおいて結合部44に後続する一方で、前スプロケット10の内側の面との接触のための部材35の表面40が、結合部44に先行している(図6および図7)。したがって、部材30および35は、異なる角度位置において前スプロケットに当接して機能する。
【0152】
図13に描かれて符号5’によって示されているクランクアームの他の実施形態においては、アーム27’が、部材30によって2つのアームからなる組に接続される代わりに、クランクアーム5’の回転軸心Xを中心として円周方向に片持ちで延びている部材30’をそれぞれ有する。部材30’のそれぞれが、それぞれの接触面32’を、前大径スプロケット10の外側の面に有する。アーム27’のそれぞれも、やはりそれぞれの接触面40’を、前大径スプロケット10の内側の面に有する。接触面32’および40’は、それぞれアーム27に設けられた結合部44(図では隠れている)の前方および後方の位置に配置されている。この場合には、アーム27の数が、例えば3つまたは5つなど、奇数であってもよい。
【0153】
本発明のアセンブリのさらなる実施形態(図示されない)においては、ただ1つのアーム27、またはごく少数のアーム27のみが、前大径スプロケット10の内側の面との接触面40を有し、その間で、アーム27がクランクアーム5の回転方向ωに関して細長い本体20にすぐ後続し、好ましくはアーム27がクランクアーム5の本体20に対して実質的に対称な位置に配置される。
【0154】
本発明によれば、接触面32および40が、同じ平面に位置しておらず、所定の軸心方向の距離D(図5)をおいて位置している。この構成によって、前大径スプロケット10を、2つの接触面の間に挿入するために変形させる必要がない。したがって、前スプロケット10が、クランクアーム5との接触領域においてDに等しい厚さを有すれば充分である。好ましくは、Dが前大径スプロケット10の最大厚さ以下である。
【0155】
添付の図面に示した実施形態においては、部材30および35が、クランクアーム5の本体20とともに単一の部品として製作されているが、他の実施形態(図示されない)においては、そのような部材を別個の部品として製作し、クランクアーム5に組み合わせることができる。
【0156】
図10および11に、図1および2に示した右側のクランクアーム・アセンブリ1の前大径スプロケット10が示されている。
【0157】
そのような前スプロケットは、好ましくは軽金属合金または複合材料で作られる環状の部材11を有し、部材11が、歯付き部分100(以下、歯とも称する)が外側に向かって放射状に延びて形成されてなる半径方向外側の環状面12と、クランクアームとの結合のための4つの部材98を半径方向に片持ちで延在させてなる半径方向内側の環状面13とを有する。詳しくは、部材98が、部材98上に設けられるそれぞれの結合部をアーム27上に設けられる結合部44に結合させることによって、クランクアーム5のアーム27と結合するように構成されている。結合は、それぞれの結合部材98に形成された穴64にねじ(図示されていない)を挿入することによって行われる。
【0158】
前大径スプロケット10は、その外側の面(図11)に、右側のクランクアーム5の部材30の接触面32に接触するように構成されたそれぞれの接触面60を有する2つの部材55を有する。部材55は、部材30と同じ角度の広がりを有し、それぞれの部材55が、隣り合う2つの部材98の間を構造的に途絶えることなく延びている。したがって、数、結合部44に対する角度位置、およびクランクアームの回転軸心に対するクランクアーム5の部材30の角度方向の広がりに関して上述した内容は、部材98に設けられた結合部および前スプロケットの回転軸心に関して、前スプロケット10の部材55についても有効である。
【0159】
好ましくは、部材55の半径方向外側には、円弧に従って延びている溝62が位置している。
【0160】
部材55の両端には、右側のクランクアーム5のインサート50に挿入されるねじを通過させるための穴64が、形成されている。
【0161】
一方、前スプロケット10の内側の面(図10に示されている)には、右側のクランクアーム5の部材35の接触面40に接するように構成されたそれぞれの接触面66を有する一対の部材65が設けられている。
【0162】
さらに、クランクアーム5にさらなる結合部46が存在する場合には、前大径スプロケット10がさらなるアーム68を有し、このアーム68が、クランクアーム5のさらなる結合部46に形成された穴へ挿入されるように意図されたねじを通すための穴69を備えている。
【0163】
図10および11に詳しく示した前大径スプロケット10の実施形態においては、クランクアーム5との接触部材55および65のそれぞれが、前スプロケット10の内表面13から前スプロケット10の中心に向かって半径方向に片持ちで延びている、環状の部材11の単一の本体部14に設けられており、この本体部14が、一対の結合部材98を有する。したがって、部材55、65、98は、すべて本体部14の一体の一部分である。
【0164】
図14は、符号10で指し示された前大径スプロケットの他の実施形態を示している。このような実施形態においては、部材65および98を含んでいる単一の本体部14を認めることができない。実際、ここでは本体部14が、接触部材55およびクランクアーム5との結合のための一対の部材98のみを有する一方で、クランクアームとの接触部材65が、環状の部材11の本体部14とは別個独立であるさらなるそれぞれの本体部140に設けられている。本体部140は、やはり環状の部材11の内表面14から前スプロケット10の中心に向かって半径方向に片持ちで延びており、クランクアーム5との結合部材98および接触部材55を有さない。
【0165】
このような実施形態においては、部材98および65が、前スプロケット10の歯付き部分100に隣接している。好ましくは、歯付き部分100の原円の直径がTであるとすると、部材98および65が、前記環状の部材の内表面とT>T’≧aT(ここで、aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される)であるような直径T’の仮想の円周との間を半径方向に広がっている環状の領域に位置し、そのような環状の領域に完全に含まれている。
【0166】
好ましくは、上述の内表面が、歯付き部分100から半径方向内側に向かって少なくとも1mmに配置された仮想の円周に設けられている。
【0167】
したがって、この場合には、前スプロケット10が、結合部材98ならびに接触部材55および65を構成する半径方向の突起であって、半径方向の広がりが小さい突起が設けられている歯付きのバンドに小さくされる。結果として、クランクアームに設けられる接続アームの半径方向の最大の延伸が、T>T’’>T’であるような直径T’’(図2および4を参照)の円周によって設けられ、ここでTとT’’との間の差は、単純に歯とチェーンとの係合を可能にするために充分な空きのスプロケット前部を残すための必要性によって与えられる。
【0168】
特に図4を参照すると、Lがクランクアームのアームの長さ(そのような長さは、市販品においては170mm、172.5mm、175mmに設定されている)を表している場合、本発明のアセンブリのクランクアームは、比L/T’’が0.7〜1の間、好ましくは0.8〜0.9の間であるように寸法付けられている。
【0169】
前スプロケットが、図14に関して上述したような短い延伸の結合部材98ならびに接触部材55および65と、図11に関して上述したような単一の本体部14のすべての形成部分とを有する実施形態(図示されない)も考えられる。
【0170】
本発明のアセンブリの前スプロケット10の実施形態のすべてにおいて、前スプロケット10のクランクアーム5との接触部が、それぞれの接続部とどのように構造的および物理的に異なるのかについて、注目すべきである。
【0171】
図11の前スプロケット、または図14に関して上述したような短い延伸の結合部材98ならびに接触部材55および65と、図11に関して上述したような単一の本体部14のすべての形成部分とを有する実施形態(図示されない)の前スプロケットが使用される場合、本発明のアセンブリのクランクアームは、従来のクランクアームよりも大きな半径方向の延伸を有する接続アームを有する。詳しくは、従来のクランクアームにおいては、前大径スプロケットおよび前小径スプロケットの接続穴によって設けられる仮想の円周の直径が、標準的な組み合わせの場合に130mmまたは135mmであって、小型の組み合わせの場合に110mmである一方で、本発明のアセンブリのクランクアームにおいては、前大径スプロケット10との結合のための穴45によって設けられる仮想の円周の直径が、150mm以上の内径および180mm以下の外径、好ましくは160mm以上の内径および170mm以下の外径の環状の領域の内側にあり、前小径スプロケット15との結合のための穴48によって設けられる仮想の円周の直径が、100mm以上の内径および130mm以下の外径、好ましくは110mm以上の内径および120mm以下の外径の環状の領域の内側にある。
【0172】
図1および2は、標準的なスプロケットの組み合わせを有し、すなわち最低限の39個の歯を備える前小径スプロケットを52〜56個(図示の前スプロケット10においては53個)の歯を備える前大径スプロケット10に組み合わせて有する右側のクランクアーム・アセンブリを示している。
【0173】
しかしながら、図6、7、8に示した右側のクランクアーム5は、例えば図3および4に示されているように、前小径スプロケット15’が34に等しい最低限の数の歯を有し、前大径スプロケット10’が46〜50(図示の組み合わせにおいては48)の間の数の歯を有する小型の組み合わせなど、幅広い範囲の前スプロケットの組み合わせを支持することができる。
【0174】
しかしながら、右側のクランクアーム5が、任意のサイズの前スプロケットの取り付けを可能にしており、この理由から、標準および小型の前スプロケットとは異なる前スプロケットからなる組み合わせ(特に、混合の組み合わせ)を採用してもよい。
【0175】
図6、7、8、13に示されているように、クランクアーム5、5’は、クランクアームの前スプロケット10に関する正確な角度の位置決めを可能にするように構成された当接面70、70’をさらに有する。そのような面70、70’は、クランクアーム5、5’の接触部材35、35’の自由端に設けられている。さらなる当接面72が、部材35の本体部において、当接面70が設けられている側とは反対側(接続アーム27に関して)の本体部に設けられている。当接面70および72は、前大径スプロケット10に設けられる対応する当接面74、76に当接して協働する。
【0176】
図12は、前大径スプロケット10を右側のクランクアーム5に取り付ける方法を示している。詳しくは、前大径スプロケット10を、クランクアーム5の部材30の接触面32が前スプロケット10の部材55の接触面60に接するように、右側のクランクアーム5に接触させる。この時点で、右側のクランクアーム5を、前スプロケット10に対して、ペダルを踏む際に回転する方向と同じ回転方向ωに回転させる。クランクアーム5を、右側のクランクアーム5の当接面70および72が前大径スプロケット10の対応する当接面74および76に接するまで、前スプロケットに対して動かさなければならない。この時点で、クランクアーム5の部材35の接触面40を、前スプロケット10の部材65の接触面66に当接させなければならない。この結果として、前スプロケット10の表面74および76がクランクアームの表面70および72に当接するとき、接触面32、40、60、66が互いに協働してその位置を保ち、作業者の両手がねじの固定のために自由になる。
【0177】
次に、図15および16を参照すると、本発明による右側のクランクアーム・アセンブリのさらなる実施形態が、符号200で示されて描かれている。
【0178】
右側のクランクアーム・アセンブリ200は、好ましくは複合材料で作られ、歯付きの環状のバンド215との結合部210を有する右側のクランクアーム205を有する。結合部210は、好ましくは、複数の接続アーム230によってクランクアーム205の細長い本体220に接続された環状の外周部225を有する。
【0179】
結合部210と歯付きのバンド215との間の結合は、トルクを伝達することができる任意の形式の結合でよい。図16においては、例として、特に歯付きである形状による結合が図示されており、好ましくは接着によって強化され、または同時成型によって得られる結合部210の複合材料と歯付きのバンド215の金属との間の付着によって強化されている。また、歯付きのバンド215および結合部210の境界に、一方を他方にねじ込む(次いで、接着してもよい)ためのねじ山を備えてもよい。さらなる代案によれば、歯付きのバンド215が、ねじまたは他の固定部材によって結合部210に固定される。
【0180】
図16は、半径の結合境界240および円周の結合境界245を示しているが、結合が円周のみまたは半径のみである実施形態を排除するわけではない(その場合、図1〜14の実施形態に関して前側または後側の接触面が存在しない)。また、歯付きのバンド205と結合部210との間の結合は、蟻継ぎ式の結合であってもよく、環状の歯付きバンド215の回転軸心に対して斜めである平面に沿って広がる結合であってもよい。
【0181】
また、図15には、環状の歯付きバンド215が1つしか示されていないが、右側のクランクアーム205がさらに小径の前スプロケットまたは環状のバンドに組み合わされている実施形態も、考えることができる。そのような小径の環状のバンドと右側のクランクアーム205との間の結合は、環状の歯付きバンド215に関して説明したものと同じ種類の結合であってもよい。
【0182】
図17の一変形例200’に強調されているように、結合部210’が、完全なリングに従って延びているのではなく、例えば図6、7、8のクランクアーム5の支持構造25に関して説明した寸法を有するリングの一部分225’からなってもよい。結合部210’と環状の歯付きバンド215’との間の結合は、図15および16のアセンブリ200について説明したものと同じ種類の結合であってもよい。
【0183】
さらに、図17は、右側のクランクアーム・アセンブリ200’(ちょうど図15の右側のクランクアーム・アセンブリ200のような)が、歯付きのバンド215’に比べて小径の第2前スプロケットまたは歯付きバンド216を有してもよいことを示している。前小径スプロケット216は、図1〜4の右側のクランクアーム・アセンブリに関して説明した種類のものでもよく、または歯付きのバンド215’と同様の歯付きのバンドであって、歯付きのバンド215’と同じ方法でクランクアーム205’に組み合わされてもよい。
【0184】
説明および図示したすべての実施形態において、前小径スプロケット15は、従来の方法で右側のクランクアーム5に組み合わされており、すなわち外側の面でのみ接触している。しかしながら、前小径スプロケット15とクランクアーム5との間の結合が、前大径スプロケット10について説明したものと同じであり、すなわち外側の面および内側の面の両方で接触する実施形態も考えられる。
【0185】
右側のクランクアーム5について多数の変形が可能であり、例えば、前大径スプロケットの外側の面および内側の面の接触部材の位置を、結合部に関して反転させてもよく、すなわちそれらの接触機能をペダルを踏む方向の異なる角度位置において実行させることができる。図示の例は、接触部材が最も重大な状態の前スプロケットのねじりに抗する例、すなわちペダルが垂直を過ぎて新たな下降を開始するときのねじりに抗する例であり、その理由は、これが、乗り手が最大の前進力を加える点であるからである。また、接触面が互いに面してもよく、すなわち同じ角度位置に位置してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の右側のクランクアーム・アセンブリならびにそのクランクアームおよび前スプロケットに関する。
【0002】
自転車の分野において、一般的に、「右側のクランクアーム・アセンブリ」という表現は、右側のクランクアームと、右側のクランクアームに組み合わされた少なくとも1つの前スプロケットとを含むアセンブリを指して使用される。前スプロケットは、詳しくは、自転車の後輪に運動を伝達すべく自転車のチェーンを駆動するように構成された歯車であり、そのような運動は、自転車の乗り手がペダルを踏むことによって与えられる。
【背景技術】
【0003】
従来の自転車においては、右側のクランクアームが前スプロケットに、それら構成部品のそれぞれの前面に設けられたそれぞれの表面において直接組み合わされている。詳しくは、クランクアームおよび前スプロケットにおいて使用時に自転車のフレームに面する面を内側の面として設け、内側の面と反対であって使用時に外側に面するように意図されている面を外側の面として設けて、右側のクランクアームと前スプロケットとの間の結合が、一般的に、クランクアームの一方の面および前スプロケットの一方の面において行われている。
【0004】
動作時、前スプロケットが、ペダルを踏む際に前スプロケットに加わる応力ゆえに弾性的に変形することが観察されている。そのような変形は、結果として、クランクアーム・アセンブリを通じて付与される運動の伝達効率を低下させることになる。
【0005】
詳しくは、クランクアームが、乗り手が自転車のペダルに加える力を前スプロケットに伝達する。そのような力は、前スプロケットの中央面と平行な平面において作用し、その作用方向および強さは、ペダルのそれぞれの角度位置において異なる。したがって、この応力が、前スプロケットに変動する横方向のたわみ変形を生じさせる。さらに、チェーンが前スプロケットの一部分に、前スプロケットの前方移動に対向する力を加えることを考慮すると、結果としての前スプロケットの応力は、ねじりの応力である。したがって、結果としての前スプロケットの変形は、ねじり変形である。
【0006】
このような変形は、従来の前スプロケットのすべてにおいて、たとえそれらが金属材料で作られていても生じるが、軽材料(light material)で製作された前スプロケットの場合にきわめて顕著である。
【0007】
実際、とりわけ競争用自転車の分野において、例えばアルミニウム合金などの軽合金で作られた前スプロケットや、複合材料で作られた前スプロケット(すなわち、一部が金属材料で作られ、一部が例えば炭素繊維などといった他の材料で作られている)を使用することが知られている。
【0008】
従来技術による右側のクランクアーム・アセンブリは、一般的に、星形の右側のクランクアームを有する。例えば、欧州特許出願公開 1 354 792および欧州特許0 414 907(特許文献1、2)を参照されたい。詳しくは、そのようなクランクアームは、複数の接続アームを有し、それらの接続アームが、それぞれの自由端に前スプロケットへの固定のための部分を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1354792号明細書
【特許文献2】欧州特許第0414907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本件出願人は、公知のアセンブリの全体重量を最小限まで減らすために、クランクアームの接続アームおよび前スプロケットの対応する接続部材がきわめて薄い厚さで製作されており、これが前スプロケットのねじれを引き起こしていることに気が付いた。
【0011】
また、本件出願人は、クランクアームが強化された場合でも、軽材料で作られた前スプロケットが依然として大きくたわむことにも気が付いた。
【0012】
本発明の根底にある技術的課題は、クランクアーム・アセンブリを通じて付与される運動の伝達効率を損なうことがないよう、右側のクランクアームに組み合わされた前スプロケット、特に軽材料で製作された前スプロケットのねじり変形を、可能なかぎり小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の第1構成は、
・右側のクランクアームと、
・使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、前記クランクアームの少なくとも1つの第1結合部において前記クランクアームに組み合わされる少なくとも1つの前スプロケットと
を有し、さらに
・前記面の一方において前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つの第1クランクアーム部材
を有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、
前記面の他方において前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つの第2クランクアーム部材を有することを特徴とする右側のクランクアーム・アセンブリに関する。
【0014】
有利な点として、前スプロケットの両面に接触して作用するように構成された部材を、クランクアームに設けることで、ペダルを踏む際の前スプロケットのねじり変形が効果的に阻止され、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリを通じて加えられる運動の伝達効率に大いに有利である。
【0015】
好ましくは、クランクアームが本体を有し、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記本体と一体に形成される。しかしながら、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記クランクアームの本体とは別体であって、前記クランクアームの本体に組み合わされている本発明のアセンブリの他の実施形態も考えられる。
【0016】
好ましくは、上述の結合部における前スプロケットとクランクアームとの結合は、必要に応じて保守もしくは修理のために前スプロケットまたはクランクアームを交換することができるよう、取り外しが可能な結合である。
【0017】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、クランクアームが、複数の第1クランクアーム部材および複数の第2クランクアーム部材を有する。詳しくは、クランクアーム部材が、好ましくはそれぞれの面に少なくとも2つ、例えば4つであるが、クランクアーム部材の数が別の数であり、奇数でさえあるような実施形態を排除するものではない。有利な点として、それぞれの面に多数のクランクアーム部材を設けることで、クランクアームと前スプロケットとの間にきわめて安定かつ前スプロケットのねじり変形の阻止にきわめて効果的な接触を得ることが可能になる。
【0018】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、クランクアームの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。有利な点として、接触がクランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリとは異なり、本発明のアセンブリにおいては、前スプロケットとクランクアームとの間の接触が、従来技術に比べてより大きな広がりを有する表面において生じる。したがって、クランクアームと前スプロケットとの間の接触の所望の安定性および有効性が保証される。
【0019】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、前記クランクアームの前記回転軸心を中心として円周方向に延びており、さらに好ましくは、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って延びている。有利な点として、この構成で、本発明のアセンブリのクランクアームに、クランクアーム部材が存在しない領域が特定される。そのような領域は、クランクアームにおいて第1および第2クランクアーム部材の間に設けられる軸心方向の空間への前スプロケットの挿入、およびそのような空間からの前スプロケットの取り出しを、可能かつ容易にするために使用される。この構成で、前スプロケットの両面において前スプロケットとクランクアームとの接触を得ることができると同時に、発生しうる前スプロケットまたはクランクアームの修理もしくは交換を可能にするために、前スプロケットとクランクアームとの間の結合の取り外し可能性が確保される。
【0020】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0021】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、クランクアームの異なる角度位置において前記少なくとも1つの前スプロケットに当接して作用する。実際、本件出願人は、ペダルを踏む際に前スプロケットが、ある点と他の点とで異なる側にねじれることに気が付いた。そこで、本件出願人は、前スプロケットの各点において、当該前スプロケットがねじれる側にのみクランクアーム部材を配置することを考えた。このようにして、クランクアーム部材が、前スプロケットのねじり変形への抵抗を実際に実行する場所にのみ配置される。したがって、この構成で、前スプロケットのねじり変形の防止についての優れた結果に加えて、クランクアームの重量の大幅な低減が達成される。
【0022】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側から延びている。本件出願人は、実際に、クランクアームとの結合部に関して、前スプロケットがそのような結合部の前後において反対側にねじれることを発見し、したがって第1クランクアーム部材を、それぞれの結合部に関して第2クランクアーム部材の反対側に配置することを考えた。
【0023】
より好ましくは、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、ペダルを踏む際の前記クランクアームの回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に後続する位置に配置される。実際、本件出願人は、このような配置が前スプロケットの変形に対して効果的な抵抗をもたらすことを発見した。
【0024】
好ましくは、クランクアームが、前記少なくとも1つの前スプロケットに対するクランクアームの正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材に設けられている。有利な点として、この構成で、前スプロケットに対するクランクアームの正確な角度の位置決めを、特別な当接部材を設ける必要なく達成することができる。さらに、前記当接面が、有利な点として、前スプロケットを回転させるための追加の手段を構成する。実際、上述の当接面を設けることによって、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリは、たとえ前スプロケットが適切なねじによって右側のクランクアームに固定されていなくても、ペダルを踏む方向にトルクを伝達することができると考えられる。
【0025】
より有利な点として、当接面を設けることで、前スプロケットがクランクアームに当接するとき、第1および第2クランクアーム部材がそれらの間に設けられる軸心方向の空間に前スプロケットを保持すべく協働することが保証され、したがって作業者の両手が自由になり、前スプロケットをクランクアームに堅固に結合させるべく容易にねじをねじ込むことができる。
【0026】
特に好ましい実施形態において、本発明のアセンブリは、第1の直径を有する第1前スプロケットと、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する少なくとも1つの第2前スプロケットとを有し、前記第1前スプロケットが、前記少なくとも1つの第1結合部において前記クランクアームに組み合わされ、前記少なくとも1つの第2前スプロケットが、前記少なくとも1つの第1結合部とは異なる少なくとも1つの第2結合部において前記クランクアームに組み合わされている。
【0027】
有利な点として、クランクアームにおいて異なる前スプロケットのために異なる結合部を設けることで、生じうる修理または交換のための前スプロケットの取り外しを、より迅速かつより容易にすることができる。これは、すべての前スプロケットがクランクアームの同じ結合部においてクランクアームに組み合わされている従来技術によるアセンブリにおいては、得ることができない。
【0028】
さらに有利なことには、前記少なくとも1つの第1結合部が、クランクアームの回転軸心に中心を有する第1の円周に設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の円周と同心でありかつ前記第1の円周の直径とは異なる直径を有する第2の円周に設けられている。
【0029】
有利な点として、異なる直径の前スプロケットをクランクアームの異なる結合部に結合させて設けることで、さまざまなサイズの前スプロケットからなる多数の組み合わせを製作することが可能になり、そのような組み合わせは、きわめて小さな前スプロケットおよびきわめて大きな前スプロケットも含むことができる。この点に関し、従来のアセンブリにおいては、使用される組み合わせが、歯の数が38〜44の間である前小径スプロケットおよび歯の数が52〜56の間である前大径スプロケットを有する「標準」として知られる組み合わせ、ならびに歯の数が32〜36の間である前小径スプロケットおよび歯の数が46〜50の間である前大径スプロケットを有する「コンパクト」として知られる組み合わせだけである。他方で、本発明のアセンブリによれば、例えば混成の組み合わせなど、「標準」または「コンパクト」とは異なる組み合わせを採用することが可能である。
【0030】
さらに、本件出願人は、従来のクランクアームにおいて、アームが所定のサイズの前スプロケットとの組み合わせにおいてねじりに対する最大の抵抗を与えるように寸法付けられていることに気が付いた。この結果、乗り手は、異なるサイズの前スプロケットを使用しようとし、かつ容認できる構造的剛性を維持しようと望む場合には、右側のクランクアームをも交換しなければならない。これは、乗り手にとって煩雑なだけでなく、クランクアームの製造者が、さまざまなサイズのクランクアームを設計、製造および市販しなければならないことを意味する。
【0031】
有利な点として、異なる直径の前スプロケットがクランクアームの異なる結合部に組み合わされている本発明のようなアセンブリにおいては、使用が意図される前スプロケットの組み合わせのそれぞれに合わせて種々の寸法のクランクアームを製造する必要はもはやなく、乗り手が、前スプロケットの組み合わせを変更するたびに、所望の構造的剛性を維持するためにクランクアームを変更する必要もない。このように、本発明は、乗り手およびクランクアーム製造者の両者にとって有利である。
【0032】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、クランクアームの前記回転軸心に対して少なくとも1つの第1の実質半径方向に沿って設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の実質半径方向とは異なる少なくとも1つの第2の実質半径方向に沿って設けられている。
【0033】
より好ましくは、本発明のアセンブリは、一方が他方から第1の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第1結合部、および一方が他方から第2の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第2結合部を有し、前記第2の所定の角度間隔が、前記第1の所定の角度間隔よりも小さい。
【0034】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、クランクアームの本体が、自転車のペダルとの接続のための第1本体部と、前記少なくとも1つの前スプロケットおよび自転車のボトムブラケット・アセンブリの軸との接続のための第2本体部とを有し、前記第2本体部が、前記少なくとも1つの前スプロケットとの接続のための少なくとも1つのアームであって、前記クランクアームの回転軸心に対して実質半径方向に延びている少なくとも1つのアームを有し、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記少なくとも1つの接続アームに設けられ、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と少なくとも1つの第2クランクアーム部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側において、半径方向でない方向に沿って前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0035】
好ましくは、クランクアームが複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記接続アームのうちの複数から延びている。
【0036】
詳しくは、本発明のアセンブリの第1の特に好ましい実施形態においては、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びており、好ましくは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで(without structural interruption, 空間や他の部材の介在なしに連続して)円周方向に延びている。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材が、前記2つの隣り合う接続アームのうちでペダルを踏む際の前記クランクアームの回転方向に関して他方の接続アームに先行している方の接続アームから延びている。
【0037】
しかしながら、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びている実施形態も考えることができる。
【0038】
好ましくは、本発明のアセンブリが2つ以上の前スプロケットを有する場合に、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの接続アームにも設けられる。したがって、クランクアームにおいて、第1前スプロケットとの結合のためにすでに設けられている結合部材以外に結合部材を設ける必要がなく、クランクアームの重量にとって大きな利点である。
【0039】
好ましくは、クランクアームが、前記第1本体部に設けられた追加の結合部をさらに有し、前記第1前スプロケットおよび前記少なくとも1つの第2前スプロケットの両者が、前記追加の結合部において当該クランクアームに組み合わされている。この構成で、多数の結合点をクランクアームに設けることによってクランクアームの本体を弱体化させてしまうことなく、前スプロケットとクランクアームとの安定な結合が達成される。
【0040】
好ましくは、クランクアームは、軽金属材料で作られ、より好ましくは、複合材料で作られる。後者の場合には、クランクアーム部材も複合材料で作られ、きわめて重量の軽い構成部品を得ることができる。
【0041】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材と協働する少なくとも1つの第1前スプロケット部材、および前記少なくとも1つの第2クランクアーム部材と協働する少なくとも1つの第2前スプロケット部材を有する。
【0042】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材が、前記少なくとも1つの第1クランクアーム部材の角度の広がりに実質的に等しい角度の広がりを有する。この結果、有利な点として、前スプロケットに対し、前スプロケットそのものに特定の剛性を与えて、前スプロケットをより軽量にすることができる大きくされた接触部材がもたらされる。
【0043】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、環状の部材を含んでおり、その環状の部材の半径方向内側の表面から、クランクアームとの少なくとも1つの結合部材が、片持ちで延びている。
【0044】
本発明のアセンブリの好ましい実施形態においては、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、前記環状の部材において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている本体部であって、前記少なくとも1つの結合部材を有する本体部に設けられている。
【0045】
本発明のアセンブリの他の実施形態においては、前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、前記環状の部材において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びているそれぞれの本体部によって設けられており、前記それぞれの本体部が、前記少なくとも1つの結合部材を有さない。
【0046】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円(primitive circumference )に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第2前スプロケット部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6および6/7の一群から選択される一つの値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。有利な点として、この場合には、前スプロケットが、クランクアームとの接触部材および結合部材が設けられてなる単純な歯付きのバンド(band)であって、半径方向の広がりがきわめて小さいバンドに小型化される。
【0047】
好ましくは、前スプロケットの環状の部材が、軽金属材料または複合材料で製作されている。この構成で、きわめて重量の軽い構成部品を得ることができる。
【0048】
本発明の第2構成は、本体を有し、その本体が、本体の少なくとも1つの第1結合部において自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケットに組み合わされるように構成され、さらに前記本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対してその少なくとも1つの前スプロケットの使用時に自転車のフレームに面する内側の面およびその内側の面の反対側である外側の面のうちの一方において作用するように構成された少なくとも1つの第1接触部材を有する自転車の右側のクランクアームにおいて、前記本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対して前記面の他方において作用するように構成された少なくとも1つの第2接触部材を有することを特徴とするクランクアームに関する。
【0049】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、クランクアームに関して述べられる接触部材とは、すでにクランクアーム部材として示した部材に相当する。
【0050】
有利な点として、上述の右側のクランクアームを、本発明の第1構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成を可能にする。
【0051】
好ましくは、上述の右側のクランクアームは、本発明の右側のクランクアーム・アセンブリのクランクアームに関して上述した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0052】
詳しくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、好ましくは本体と一体に形成されている。しかしながら、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記本体とは別体であって、前記本体に組み合わされている実施形態も考えられる。
【0053】
好ましくは、クランクアームの本体が、複数の第1接触部材および複数の第2接触部材を有する。
【0054】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、当該クランクアームの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。
【0055】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材のうちの複数が、少なくとも部分的に、当該クランクアームの前記回転軸心の周囲を円周方向に延びており、さらに好ましくは、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って延びている。
【0056】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0057】
好ましくは、前記それぞれの円弧が、前記回転軸心に対して異なる角度位置を有する。
【0058】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材と前記少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側から延びている。
【0059】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、ペダルを踏む際のクランクアームの回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1接触部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの第1結合部に後続する位置に配置されている。
【0060】
好ましくは、クランクアームの本体が、前記少なくとも1つの前スプロケットに対する当該クランクアームの正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。
【0061】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2接触部材に設けられている。
【0062】
好ましくは、クランクアームの本体が、自転車のクランクセットの第1前スプロケットとの少なくとも1つの第1結合部、および前記少なくとも1つの第1前スプロケットの直径とは異なる直径を有する自転車のクランクセットの少なくとも1つの第2前スプロケットとの少なくとも1つの第2結合部を有し、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの第1結合部とは別体である。
【0063】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、当該クランクアームの回転軸心に中心を有する第1の円周に設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の円周と同心でありかつ前記第1の円周の直径とは異なる直径を有する第2の円周に設けられている。
【0064】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記回転軸心に対して少なくとも1つの第1の実質半径方向に沿って設けられており、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記第1の実質半径方向とは異なる少なくとも1つの第2の実質半径方向に沿って設けられている。
【0065】
好ましくは、クランクアームの本体が、一方が他方から第1の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第1結合部、および一方が他方から第2の所定の角度間隔に配置されている少なくとも2つの第2結合部を有し、前記第2の所定の角度間隔が、前記第1の所定の角度間隔よりも小さい。
【0066】
好ましくは、クランクアームの本体が、自転車のペダルとの接続のための第1本体部と、前記少なくとも1つの前スプロケットおよび自転車のボトムブラケット・アセンブリの軸との接続のための第2本体部とを有し、前記第2本体部が、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接続アームであって、当該クランクアームの回転軸心に対して実質半径方向に延びている少なくとも1つの接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1結合部が、前記少なくとも1つの接続アームに設けられ、前記少なくとも1つの第1接触部材と少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの第1結合部に関して反対側において、半径方向でない方向に沿って前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0067】
好ましくは、前記本体が複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記接続アームのうちの複数から延びている。
【0068】
特に、本発明のクランクアームの第1の特に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの第2接触部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びており、好ましくは前記少なくとも1つの第1接触部材が、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記2つの隣り合う接続アームのうちのペダルを踏む際の当該クランクアームの回転方向に関して他方の接続アームに先行している方の接続アームから、片持ちで延びている。
【0069】
しかしながら、前記少なくとも1つの第1接触部材が、それぞれの接続アームから片持ちで延びている実施形態も考えられる。
【0070】
好ましくは、本発明のクランクアームが少なくとも2つの前スプロケットに組み合わされるように構成されている場合に、前記少なくとも1つの第2結合部が、前記少なくとも1つの接続アームにも設けられている。
【0071】
好ましくは、クランクアームの本体が、軽金属材料または複合材料で作られている。
【0072】
本発明の第3構成は、環状の部材を有し、その環状の部材が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面とその内側の面の反対側である外側の面とを有する自転車の右側のクランクアームとの少なくとも1つの結合部を有し、さらに前記環状の部材が、前記面の一方において前記クランクアームに当接して作用するように構成された少なくとも1つの第1接触部材を有する自転車のクランクセットの前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、前記面の他方において前記クランクアームに当接して作用するように構成された少なくとも1つの第2接触部材を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0073】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0074】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第1構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0075】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第1構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して上述した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0076】
詳しくは、前記環状の部材が、好ましくは複数の第1接触部材および複数の第2接触部材を有する。
【0077】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、少なくとも部分的に、当該前スプロケットの回転軸心に対して半径方向でないそれぞれの方向に沿って延びている。
【0078】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、当該前スプロケットの前記回転軸心を中心として、360°未満の角度の広がりを有するそれぞれの円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びている。
【0079】
好ましくは、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、より好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0080】
より好ましくは、前記それぞれの円弧が、前記回転軸心に対して異なる角度位置を有する。
【0081】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材と前記少なくとも1つの第2接触部材とが、前記少なくとも1つの結合部に関して反対側から延びている。
【0082】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの第2接触部材が、ペダルを踏む際の当該前スプロケットの回転方向に関して前記少なくとも1つの結合部に先行する位置に配置され、前記少なくとも1つの第1接触部材が、前記回転方向に関して前記少なくとも1つの結合部に後続する位置に配置されている。
【0083】
好ましくは、前記環状の部材が、当該前スプロケットの前記クランクアームに対する正確な角度の位置決めを可能にするように構成された少なくとも1つの当接面を有する。
【0084】
さらに好ましくは、前記少なくとも1つの当接面が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2接触部材に設けられている。
【0085】
好ましくは、前記環状の部材の半径方向内側の表面から、前記クランクアームとの結合のための少なくとも1つの部材が半径方向に延びており、前記少なくとも1つの結合部が、前記少なくとも1つの結合部材に設けられている。
【0086】
本発明の前スプロケットの第1実施形態においては、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記半径方向内側の表面から半径方向に片持ちで延びていて前記少なくとも1つの結合部材を有する前記環状の部材の本体部に設けられている。
【0087】
本発明の前スプロケットの他の実施形態においては、前記少なくとも1つの第2接触部材が、前記半径方向内側の表面から半径方向に片持ちで延びている、前記環状の部材のそれぞれの本体部に設けられており、そのそれぞれの本体部が、前記少なくとも1つの結合部材を含んでいない。
【0088】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1接触部材が、2つの隣り合う結合部材の間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。
【0089】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの第1接触部材および前記少なくとも1つの第2接触部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0090】
好ましくは、前記環状の部材が、軽金属合金または複合材料で製作されている。
【0091】
本発明の第4構成は、右側のクランクアーム、およびそのクランクアームに組み合わされた少なくとも1つの前スプロケットを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、前記クランクアームの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、前記少なくとも1つの前スプロケットに接触して作用する少なくとも1つのクランクアーム部材を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリに関する。
【0092】
有利な点として、クランクアームに半径方向でない方向に沿って延びている接触部材を設けることで、クランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリにおける接触に比べて、クランクアームの前スプロケットへの接触を安定かつ効果的にすることができる。この構成で、前スプロケットの変形を抑えることができ、したがって運動の伝達という点で有利である。
【0093】
好ましくは、本発明の第4構成に関して上述したアセンブリは、本発明の第1構成のアセンブリに関して上述した特徴のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでおり、したがって、そのようなアセンブリに関して上述した利点のすべてを達成している。
【0094】
特に、好ましくは、本発明の第4構成のアセンブリのクランクアームは、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接続アームを有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記少なくとも1つの接続アームから延びている。
【0095】
さらに好ましくは、クランクアームが複数の接続アームを有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記接続アームのうちのうちの複数から延びている。
【0096】
好ましくは、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記クランクアームの前記回転軸心を中心とし、所定の角度の広がりを有する円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びている。
【0097】
本発明のアセンブリの一特定の実施形態においては、そのような角度の広がりが360°に等しい。
【0098】
他の実施形態においては、そのような角度の広がりが、360°未満かつ15°以上であり、好ましくは、15°〜100°の間であり、さらに好ましくは、30°〜75°の間である。
【0099】
本発明の第1構成に関して上述したクランクアーム・アセンブリについてすでに述べたように、前記少なくとも1つのクランクアーム部材は、2つの隣り合う接続アームの間を構造的な中断なしで円周方向に延びている。しかしながら、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記少なくとも1つの接続アームから片持ちで延びている変形例も考えられる。
【0100】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケットに作用する。
【0101】
好ましくは、前記クランクアームが、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0102】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つのクランクアーム部材と協働する少なくとも1つの前スプロケット部材を有し、その少なくとも1つの前スプロケット部材が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材の角度の広がりに実質的に等しい角度の広がりを有する。
【0103】
好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケットが、環状の部材を含んでおり、その環状の部材の半径方向内側の表面から、前記クランクアームとの少なくとも1つの結合部材が、半径方向に片持ちで延びている。
【0104】
好ましくは、前記少なくとも1つの結合部材が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材とは別体である。
【0105】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの前スプロケット部材および前記少なくとも1つの結合部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0106】
好ましくは、前記環状の部材が、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0107】
本発明の第5構成は、自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケットに組み合わされるように構成された本体を有する自転車の右側のクランクアームにおいて、前記本体が、当該クランクアームの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケットとの少なくとも1つの接触部材を有することを特徴とするクランクアームに関する。
【0108】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、クランクアームに関して述べられる接触部材とは、すでにクランクアーム部材として示した部材に相当する。
【0109】
有利な点として、上述のクランクアームを、本発明の第4構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0110】
好ましくは、本発明のクランクアームは、本発明の第4構成の右側のクランクアーム・アセンブリのクランクアームに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0111】
本発明の第6構成は、自転車の右側のクランクアームに組み合わされるように構成された環状の部材を有する自転車のクランクセット用の前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、当該前スプロケットの回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記クランクアームとの少なくとも1つの接触部材を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0112】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0113】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第4構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0114】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第4構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【0115】
本発明の第7構成は、右側のクランクアームおよび少なくとも1つの前スプロケットを有し、その少なくとも1つの前スプロケットが少なくとも1つの前スプロケットの少なくとも1つの結合部において前記クランクアームに組み合わされている自転車の右側のクランクアーム・アセンブリにおいて、前記クランクアームに接触して作用する少なくとも1つの前スプロケット部であって、前記少なくとも1つの結合部とは別体である少なくとも1つの前スプロケット部を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリに関する。
【0116】
有利な点として、接続部とは別体である接触部を前スプロケットに設けることで、クランクアームの回転軸心に対して半径方向に延びているクランクアームのアームの端部においてのみ生じる従来技術によるアセンブリにおける接触に比べて、クランクアームの前スプロケットへの接触をより安定かつ効果的にすることができる。この構成で、前スプロケットの変形を抑えることができ、したがって運動の伝達という点で有利である。
【0117】
好ましくは、本発明の第7構成に関して上述したアセンブリは、本発明の第1構成のアセンブリに関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでおり、したがって、このアセンブリに関して上述した利点のすべてを達成している。
【0118】
詳しくは、好ましくは、前記少なくとも1つの前スプロケット部が、前記少なくとも1つの前スプロケットの半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの前スプロケット部材に設けられ、前記少なくとも1つの結合部が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの第1結合部材に設けられている。
【0119】
好ましくは、前記前スプロケットが、軽金属材料または複合材料で製作された環状の部材を有する。
【0120】
好ましくは、前記環状の部材が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分を有し、前記少なくとも1つの前スプロケット部材および前記少なくとも1つの第1結合部材が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている。
【0121】
好ましくは、本発明のアセンブリは、前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材と協働するように構成された少なくとも1つのクランクアーム部材、および前記少なくとも1つの第1結合部材と協働するように構成された少なくとも1つの第2接続部材を有する。
【0122】
好ましくは、前記クランクアームが、軽金属材料または複合材料で製作されている。
【0123】
本発明の第8構成は、環状の部材を有し、その環状の部材が、環状の部材の結合部において自転車の右側のクランクアームに組み合わされるように構成されている自転車のクランクセット用の前スプロケットにおいて、前記環状の部材が、前記クランクアームとの少なくとも1つの接触部であって、前記少なくとも1つの結合部とは別体である少なくとも1つの接触部を有することを特徴とする前スプロケットに関する。
【0124】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じ、前スプロケットに関して述べられる接触部材とは、すでに前スプロケット部材として示した部材に相当する。
【0125】
有利な点として、上述の前スプロケットを、本発明の第7構成に関して上述した右側のクランクアーム・アセンブリに使用することができ、そのようなクランクアーム・アセンブリに関して上述した利点の達成が可能になる。
【0126】
好ましくは、本発明の前スプロケットは、本発明の第7構成の右側のクランクアーム・アセンブリの前スプロケットに関して説明した構造的および機能的特徴(必須の特徴、好ましい特徴および/または有利な特徴)のすべてを、単独および/または組み合わせにて含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの、内側の面からの正面図であり、標準的な前スプロケットからなる組み合わせを有する。
【図2】図1のアセンブリの外側の面からの図である。
【図3】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの、内側の面からの正面図であり、コンパクトな形式の前スプロケットからなる組み合わせを有する。
【図4】図3のアセンブリの外側の面からの図である。
【図5】図3の切断線V−Vによる断面図である。
【図6】本発明による右側のクランクアームの斜視図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図7】本発明による右側のクランクアームの内側の面からの図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図8】本発明による右側のクランクアームの外側の面からの図であり、このようなクランクアームが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図9】図7の線IX−IXによる拡大断面図である。
【図10】本発明による前スプロケットの内側の面の斜視図であり、このような前スプロケットが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図11】本発明による前スプロケットの外側の面の斜視図であり、このような前スプロケットが図1のアセンブリにおいて使用される。
【図12】図10および11の前スプロケットを図6〜8のクランクアームに取り付ける工程を示している。
【図13】本発明のクランクアームの他の実施形態の外側の面からの図である。
【図14】本発明の前スプロケットの他の実施形態の内側の面の斜視図である。
【図15】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの他の実施形態の外側の面からの図である。
【図16】図15の線XIV−XIVによる断面の斜視図である。
【図17】本発明による右側のクランクアーム・アセンブリのさらなる実施形態の外側の面からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照しつつ行われる本発明のいくつかの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになる。
【0129】
図1および2を参照すると、本発明による右側のクランクアーム・アセンブリの第1実施形態が、符号1で示されている。アセンブリ1は、右側のクランクアーム5、大径の前スプロケット10(以下、前大径スプロケットと称する)、および小径の前スプロケット15(以下、前小径スプロケットと称する)を有する。アセンブリ1が、例えば競技用トラックにおいて使用するためにただ1つの前スプロケットを有し、または3つ以上(例えば、3つ)の前スプロケットを有する別の実施形態(図示されない)も、考えられる。
【0130】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、アセンブリ1、クランクアーム5、前スプロケット10および15の「内側の面」とは、図1および3において見て取ることができる面を指し、すなわちアセンブリ1がボトムブラケット・アセンブリに取り付けられたときに自転車のフレームに面する面を指す。一方で、「外側の面」は、内側の面とは反対の面であって、図2および4において見て取ることができる面を指す。
【0131】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「前位置」、「後位置」は、ある要素が、クランクアームの回転方向において、基準となる要素に先行する位置、後続する位置にあることをそれぞれ指しており、ここで回転は、駆動力を後輪に伝達するような方向である。
【0132】
本発明の右側のクランクアーム5は、軽合金などの金属材料で製作することが可能であり、また、構造繊維をポリマー材料に取り入れて含んでいる複合材料で製作することも可能である。一般的に、構造繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択されるが、炭素繊維が好ましい。好ましくは、この構成部品の本体のポリマー材料は、熱硬化性である。しかしながら、熱可塑性材料の使用の可能性を排除するものではない。さらに好ましくは、ポリマー材料がエポキシ樹脂を含んでいる。
【0133】
ポリマー材料中での前記構造繊維の配置は、構造繊維からなる小片またはシートの無作為配置であってもよく、繊維の実質的に一方向の整列配置であってもよく、繊維の実質的に二方向の整列配置であってもよく、または上述の組み合わせであってもよい。
【0134】
他の実施形態においては、本件出願と同じ出願人の欧州特許第EP1270394号ならびに欧州特許出願第06425086号および第06425087号に記載されているように、繊維が凹所の周囲に連続的に巻き付けられる織物に組織されており、これらの欧州特許および欧州特許出願の内容は、繊維の配置に関して、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする。
【0135】
特に図6〜8を参照すると、右側のクランクアーム5は、ペダル(図示されていない)との接続のための第1端部21と、前スプロケット10および15ならびにボトムブラケット・アセンブリの軸(図示されていない)との結合のための第2端部22とを有する細長い本体20を備えている。詳しくは、第2端部22は、ボトムブラケット・アセンブリの軸を収容するための穴23を備えている。他の実施形態(図示されない)においては、この軸が右側のクランクアームに着脱可能に接続され、または右側のクランクアームの一体の一部分である。
【0136】
前スプロケット10および15のための支持構造25が、穴23の周囲に設けられている。支持構造25は、穴23を中心として実質的に放射状に延びている4つの接続アーム(または、スポーク)27を備えており、穴23の内側に、クランクアーム5の回転軸心Xが設定されている。
【0137】
アーム27は、それぞれの自由端部28において、2つのアーム27からなる組となるように補強部材30によって接続されている。補強部材30は、好ましくは、クランクアーム5の回転軸心Xを中心として周状に延びていて、円弧の形態に製作されている。
【0138】
アーム27の組を接続しているそれぞれの補強部材30は、前大径スプロケット10の外側の面に接触面32を有する。
【0139】
好ましくは、接触面32は、15°以上であり、好ましくは15°〜100°の間であり、さらに好ましくは30°〜75°の間である角度の広がりα(図7)を有し、細長い本体20の中央面πから角度間隔βの位置に配置されており、ここでβは、好ましくは30°〜90°の間である。
【0140】
クランクアーム5の他の実施形態(図示されていない)においては、部材30によって接続されたアーム27の組が、同じ角度の広がりのただ1つのアームで置き換えられている。
【0141】
ここで、部材30によって一体に接続されたアーム27の組を検討すると、それらのそれぞれのうちで、クランクアーム5の回転軸心Xを中心とする右側のクランクアーム5の回転方向ωに最初に現れるアーム27が、円周方向において回転方向ωに片持ちで延びている部材35を有する。部材35のそれぞれは、前大径スプロケット10の内側の面に接触面40を有する。
【0142】
前大径スプロケット10との結合部44が、それぞれのアーム27の自由端28に設けられている。部材30が、そのような結合部44のすぐそばで接続アーム27を接続している。結合部44には、結合穴45が設けられている。
【0143】
アーム27の端部28を部材30によって接続して有する結合部44が、45°〜95°の間であるお互いからの角度間隔γに配置されており、細長い本体20に最も近い結合部44は、平面πから35°〜85°の間の角度μだけ離れて配置されている。
【0144】
前スプロケット10とのさらなる結合穴46が、好ましくは、細長い本体20の一部分に設けられている(図7)。
【0145】
図9の断面が、右側のクランクアーム5が複合材料で製作される場合について、結合部44の典型的な実施形態を詳しく示している。この場合には、結合部44が、好ましくは、ねじ(図示されていない)の挿入用のねじ穴52が設けられている金属製のインサート50によって設けられている。インサート50の外表面54は、接着または同時成型プロセスによる直接の付着によって固定相手の複合材料により良好に保持されることができるよう、一様でなく、好ましくはねじ山が設けられている。
【0146】
本発明のアセンブリについて、ねじ穴52が複合材料に直接設けられている他の実施形態が考えられる。
【0147】
図9に詳しく示されているように、本発明のクランクアーム5は、その好ましい実施形態において、前小径スプロケット15を結合させるために使用される第2結合部47をさらに有する。結合部47は、好ましくは結合部44と同一に作られ、結合穴48を有する。
【0148】
結合部44および47は、右側のクランクアーム5の回転軸心Xから異なる距離にある。詳しくは、結合部44および47の対称軸心S1およびS2が、直径の異なる2つの仮想の円周上に位置している。
【0149】
図1、3、6、7、12に示されているように、結合部44および47は、好ましくは半径方向において互いに整列していない。実際、結合部44は、結合部47の間の角度間隔に比べ、より小さな角度間隔γに位置している。
【0150】
前大径スプロケット10および前小径スプロケット15の両者は、さらなる結合部46においてクランクアーム5の本体20に結合する。
【0151】
次に、図5に示した断面を特に参照すると、本発明の好ましい実施形態においては、それぞれ前大径スプロケット10の外側の面および内側の面に位置する接触部材30および35が、対称の軸心S1によって特定される結合部44に対して、実質的に両側に位置している。詳しくは、前スプロケット10の外側の面との接触のための部材30の表面32が、回転方向ωにおいて結合部44に後続する一方で、前スプロケット10の内側の面との接触のための部材35の表面40が、結合部44に先行している(図6および図7)。したがって、部材30および35は、異なる角度位置において前スプロケットに当接して機能する。
【0152】
図13に描かれて符号5’によって示されているクランクアームの他の実施形態においては、アーム27’が、部材30によって2つのアームからなる組に接続される代わりに、クランクアーム5’の回転軸心Xを中心として円周方向に片持ちで延びている部材30’をそれぞれ有する。部材30’のそれぞれが、それぞれの接触面32’を、前大径スプロケット10の外側の面に有する。アーム27’のそれぞれも、やはりそれぞれの接触面40’を、前大径スプロケット10の内側の面に有する。接触面32’および40’は、それぞれアーム27に設けられた結合部44(図では隠れている)の前方および後方の位置に配置されている。この場合には、アーム27の数が、例えば3つまたは5つなど、奇数であってもよい。
【0153】
本発明のアセンブリのさらなる実施形態(図示されない)においては、ただ1つのアーム27、またはごく少数のアーム27のみが、前大径スプロケット10の内側の面との接触面40を有し、その間で、アーム27がクランクアーム5の回転方向ωに関して細長い本体20にすぐ後続し、好ましくはアーム27がクランクアーム5の本体20に対して実質的に対称な位置に配置される。
【0154】
本発明によれば、接触面32および40が、同じ平面に位置しておらず、所定の軸心方向の距離D(図5)をおいて位置している。この構成によって、前大径スプロケット10を、2つの接触面の間に挿入するために変形させる必要がない。したがって、前スプロケット10が、クランクアーム5との接触領域においてDに等しい厚さを有すれば充分である。好ましくは、Dが前大径スプロケット10の最大厚さ以下である。
【0155】
添付の図面に示した実施形態においては、部材30および35が、クランクアーム5の本体20とともに単一の部品として製作されているが、他の実施形態(図示されない)においては、そのような部材を別個の部品として製作し、クランクアーム5に組み合わせることができる。
【0156】
図10および11に、図1および2に示した右側のクランクアーム・アセンブリ1の前大径スプロケット10が示されている。
【0157】
そのような前スプロケットは、好ましくは軽金属合金または複合材料で作られる環状の部材11を有し、部材11が、歯付き部分100(以下、歯とも称する)が外側に向かって放射状に延びて形成されてなる半径方向外側の環状面12と、クランクアームとの結合のための4つの部材98を半径方向に片持ちで延在させてなる半径方向内側の環状面13とを有する。詳しくは、部材98が、部材98上に設けられるそれぞれの結合部をアーム27上に設けられる結合部44に結合させることによって、クランクアーム5のアーム27と結合するように構成されている。結合は、それぞれの結合部材98に形成された穴64にねじ(図示されていない)を挿入することによって行われる。
【0158】
前大径スプロケット10は、その外側の面(図11)に、右側のクランクアーム5の部材30の接触面32に接触するように構成されたそれぞれの接触面60を有する2つの部材55を有する。部材55は、部材30と同じ角度の広がりを有し、それぞれの部材55が、隣り合う2つの部材98の間を構造的に途絶えることなく延びている。したがって、数、結合部44に対する角度位置、およびクランクアームの回転軸心に対するクランクアーム5の部材30の角度方向の広がりに関して上述した内容は、部材98に設けられた結合部および前スプロケットの回転軸心に関して、前スプロケット10の部材55についても有効である。
【0159】
好ましくは、部材55の半径方向外側には、円弧に従って延びている溝62が位置している。
【0160】
部材55の両端には、右側のクランクアーム5のインサート50に挿入されるねじを通過させるための穴64が、形成されている。
【0161】
一方、前スプロケット10の内側の面(図10に示されている)には、右側のクランクアーム5の部材35の接触面40に接するように構成されたそれぞれの接触面66を有する一対の部材65が設けられている。
【0162】
さらに、クランクアーム5にさらなる結合部46が存在する場合には、前大径スプロケット10がさらなるアーム68を有し、このアーム68が、クランクアーム5のさらなる結合部46に形成された穴へ挿入されるように意図されたねじを通すための穴69を備えている。
【0163】
図10および11に詳しく示した前大径スプロケット10の実施形態においては、クランクアーム5との接触部材55および65のそれぞれが、前スプロケット10の内表面13から前スプロケット10の中心に向かって半径方向に片持ちで延びている、環状の部材11の単一の本体部14に設けられており、この本体部14が、一対の結合部材98を有する。したがって、部材55、65、98は、すべて本体部14の一体の一部分である。
【0164】
図14は、符号10で指し示された前大径スプロケットの他の実施形態を示している。このような実施形態においては、部材65および98を含んでいる単一の本体部14を認めることができない。実際、ここでは本体部14が、接触部材55およびクランクアーム5との結合のための一対の部材98のみを有する一方で、クランクアームとの接触部材65が、環状の部材11の本体部14とは別個独立であるさらなるそれぞれの本体部140に設けられている。本体部140は、やはり環状の部材11の内表面14から前スプロケット10の中心に向かって半径方向に片持ちで延びており、クランクアーム5との結合部材98および接触部材55を有さない。
【0165】
このような実施形態においては、部材98および65が、前スプロケット10の歯付き部分100に隣接している。好ましくは、歯付き部分100の原円の直径がTであるとすると、部材98および65が、前記環状の部材の内表面とT>T’≧aT(ここで、aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される)であるような直径T’の仮想の円周との間を半径方向に広がっている環状の領域に位置し、そのような環状の領域に完全に含まれている。
【0166】
好ましくは、上述の内表面が、歯付き部分100から半径方向内側に向かって少なくとも1mmに配置された仮想の円周に設けられている。
【0167】
したがって、この場合には、前スプロケット10が、結合部材98ならびに接触部材55および65を構成する半径方向の突起であって、半径方向の広がりが小さい突起が設けられている歯付きのバンドに小さくされる。結果として、クランクアームに設けられる接続アームの半径方向の最大の延伸が、T>T’’>T’であるような直径T’’(図2および4を参照)の円周によって設けられ、ここでTとT’’との間の差は、単純に歯とチェーンとの係合を可能にするために充分な空きのスプロケット前部を残すための必要性によって与えられる。
【0168】
特に図4を参照すると、Lがクランクアームのアームの長さ(そのような長さは、市販品においては170mm、172.5mm、175mmに設定されている)を表している場合、本発明のアセンブリのクランクアームは、比L/T’’が0.7〜1の間、好ましくは0.8〜0.9の間であるように寸法付けられている。
【0169】
前スプロケットが、図14に関して上述したような短い延伸の結合部材98ならびに接触部材55および65と、図11に関して上述したような単一の本体部14のすべての形成部分とを有する実施形態(図示されない)も考えられる。
【0170】
本発明のアセンブリの前スプロケット10の実施形態のすべてにおいて、前スプロケット10のクランクアーム5との接触部が、それぞれの接続部とどのように構造的および物理的に異なるのかについて、注目すべきである。
【0171】
図11の前スプロケット、または図14に関して上述したような短い延伸の結合部材98ならびに接触部材55および65と、図11に関して上述したような単一の本体部14のすべての形成部分とを有する実施形態(図示されない)の前スプロケットが使用される場合、本発明のアセンブリのクランクアームは、従来のクランクアームよりも大きな半径方向の延伸を有する接続アームを有する。詳しくは、従来のクランクアームにおいては、前大径スプロケットおよび前小径スプロケットの接続穴によって設けられる仮想の円周の直径が、標準的な組み合わせの場合に130mmまたは135mmであって、小型の組み合わせの場合に110mmである一方で、本発明のアセンブリのクランクアームにおいては、前大径スプロケット10との結合のための穴45によって設けられる仮想の円周の直径が、150mm以上の内径および180mm以下の外径、好ましくは160mm以上の内径および170mm以下の外径の環状の領域の内側にあり、前小径スプロケット15との結合のための穴48によって設けられる仮想の円周の直径が、100mm以上の内径および130mm以下の外径、好ましくは110mm以上の内径および120mm以下の外径の環状の領域の内側にある。
【0172】
図1および2は、標準的なスプロケットの組み合わせを有し、すなわち最低限の39個の歯を備える前小径スプロケットを52〜56個(図示の前スプロケット10においては53個)の歯を備える前大径スプロケット10に組み合わせて有する右側のクランクアーム・アセンブリを示している。
【0173】
しかしながら、図6、7、8に示した右側のクランクアーム5は、例えば図3および4に示されているように、前小径スプロケット15’が34に等しい最低限の数の歯を有し、前大径スプロケット10’が46〜50(図示の組み合わせにおいては48)の間の数の歯を有する小型の組み合わせなど、幅広い範囲の前スプロケットの組み合わせを支持することができる。
【0174】
しかしながら、右側のクランクアーム5が、任意のサイズの前スプロケットの取り付けを可能にしており、この理由から、標準および小型の前スプロケットとは異なる前スプロケットからなる組み合わせ(特に、混合の組み合わせ)を採用してもよい。
【0175】
図6、7、8、13に示されているように、クランクアーム5、5’は、クランクアームの前スプロケット10に関する正確な角度の位置決めを可能にするように構成された当接面70、70’をさらに有する。そのような面70、70’は、クランクアーム5、5’の接触部材35、35’の自由端に設けられている。さらなる当接面72が、部材35の本体部において、当接面70が設けられている側とは反対側(接続アーム27に関して)の本体部に設けられている。当接面70および72は、前大径スプロケット10に設けられる対応する当接面74、76に当接して協働する。
【0176】
図12は、前大径スプロケット10を右側のクランクアーム5に取り付ける方法を示している。詳しくは、前大径スプロケット10を、クランクアーム5の部材30の接触面32が前スプロケット10の部材55の接触面60に接するように、右側のクランクアーム5に接触させる。この時点で、右側のクランクアーム5を、前スプロケット10に対して、ペダルを踏む際に回転する方向と同じ回転方向ωに回転させる。クランクアーム5を、右側のクランクアーム5の当接面70および72が前大径スプロケット10の対応する当接面74および76に接するまで、前スプロケットに対して動かさなければならない。この時点で、クランクアーム5の部材35の接触面40を、前スプロケット10の部材65の接触面66に当接させなければならない。この結果として、前スプロケット10の表面74および76がクランクアームの表面70および72に当接するとき、接触面32、40、60、66が互いに協働してその位置を保ち、作業者の両手がねじの固定のために自由になる。
【0177】
次に、図15および16を参照すると、本発明による右側のクランクアーム・アセンブリのさらなる実施形態が、符号200で示されて描かれている。
【0178】
右側のクランクアーム・アセンブリ200は、好ましくは複合材料で作られ、歯付きの環状のバンド215との結合部210を有する右側のクランクアーム205を有する。結合部210は、好ましくは、複数の接続アーム230によってクランクアーム205の細長い本体220に接続された環状の外周部225を有する。
【0179】
結合部210と歯付きのバンド215との間の結合は、トルクを伝達することができる任意の形式の結合でよい。図16においては、例として、特に歯付きである形状による結合が図示されており、好ましくは接着によって強化され、または同時成型によって得られる結合部210の複合材料と歯付きのバンド215の金属との間の付着によって強化されている。また、歯付きのバンド215および結合部210の境界に、一方を他方にねじ込む(次いで、接着してもよい)ためのねじ山を備えてもよい。さらなる代案によれば、歯付きのバンド215が、ねじまたは他の固定部材によって結合部210に固定される。
【0180】
図16は、半径の結合境界240および円周の結合境界245を示しているが、結合が円周のみまたは半径のみである実施形態を排除するわけではない(その場合、図1〜14の実施形態に関して前側または後側の接触面が存在しない)。また、歯付きのバンド205と結合部210との間の結合は、蟻継ぎ式の結合であってもよく、環状の歯付きバンド215の回転軸心に対して斜めである平面に沿って広がる結合であってもよい。
【0181】
また、図15には、環状の歯付きバンド215が1つしか示されていないが、右側のクランクアーム205がさらに小径の前スプロケットまたは環状のバンドに組み合わされている実施形態も、考えることができる。そのような小径の環状のバンドと右側のクランクアーム205との間の結合は、環状の歯付きバンド215に関して説明したものと同じ種類の結合であってもよい。
【0182】
図17の一変形例200’に強調されているように、結合部210’が、完全なリングに従って延びているのではなく、例えば図6、7、8のクランクアーム5の支持構造25に関して説明した寸法を有するリングの一部分225’からなってもよい。結合部210’と環状の歯付きバンド215’との間の結合は、図15および16のアセンブリ200について説明したものと同じ種類の結合であってもよい。
【0183】
さらに、図17は、右側のクランクアーム・アセンブリ200’(ちょうど図15の右側のクランクアーム・アセンブリ200のような)が、歯付きのバンド215’に比べて小径の第2前スプロケットまたは歯付きバンド216を有してもよいことを示している。前小径スプロケット216は、図1〜4の右側のクランクアーム・アセンブリに関して説明した種類のものでもよく、または歯付きのバンド215’と同様の歯付きのバンドであって、歯付きのバンド215’と同じ方法でクランクアーム205’に組み合わされてもよい。
【0184】
説明および図示したすべての実施形態において、前小径スプロケット15は、従来の方法で右側のクランクアーム5に組み合わされており、すなわち外側の面でのみ接触している。しかしながら、前小径スプロケット15とクランクアーム5との間の結合が、前大径スプロケット10について説明したものと同じであり、すなわち外側の面および内側の面の両方で接触する実施形態も考えられる。
【0185】
右側のクランクアーム5について多数の変形が可能であり、例えば、前大径スプロケットの外側の面および内側の面の接触部材の位置を、結合部に関して反転させてもよく、すなわちそれらの接触機能をペダルを踏む方向の異なる角度位置において実行させることができる。図示の例は、接触部材が最も重大な状態の前スプロケットのねじりに抗する例、すなわちペダルが垂直を過ぎて新たな下降を開始するときのねじりに抗する例であり、その理由は、これが、乗り手が最大の前進力を加える点であるからである。また、接触面が互いに面してもよく、すなわち同じ角度位置に位置してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右側のクランクアーム(5、5’)と、
そのクランクアーム(5、5’)に組み合わされた少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)とを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)において、
前記クランクアーム(5、5’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に接触して作用する少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項2】
請求項1において、
前記クランクアーム(5、5’)が、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)との少なくとも1つの接続アーム(27、27’)を有し、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項3】
請求項2において、
前記クランクアーム(5、5’)が複数の接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記接続アームのうちの複数から延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記クランクアーム(5、5’)の前記回転軸心を中心として、所定の角度の広がりを有する円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項5】
請求項4において、
前記角度の広がりが360°に等しいクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項6】
請求項4において、
前記角度の広がりが360°未満かつ15°以上であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項7】
請求項6において、
前記角度の広がりが15°〜100°の間であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項8】
請求項7において、
前記角度の広がりが30°〜75°の間であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項3において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、2つの隣り合う接続アーム(27、27’)の間を構造的な中断なしで円周方向に延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項6から9までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から片持ちで延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(35、35’)が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に作用するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項において、
前記クランクアーム(5、5’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)と協働する少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)を有し、その少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’)の角度の広がりに実質等しい角度の広がりを有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項14】
請求項13において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、環状の部材(11)を有し、その環状の部材(11)の半径方向内側の表面から、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの結合部材(98)が、半径方向に片持ちで延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項15】
請求項14において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)とは別体であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項16】
請求項14または15において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項17】
請求項14から16までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項18】
自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)に組み合わされる本体(20、20’)を有する自転車の右側のクランクアーム(5、5’)において、
前記本体(20、20’)が、当該クランクアーム(5、5’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)との少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)を有することを特徴とするクランクアーム(5、5’)。
【請求項19】
請求項18において、
前記本体(20、20’)が、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)との少なくとも1つの接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項20】
請求項19において、
前記本体(20、20’)が複数の接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、前記接続アームのうちの複数から延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、所定の角度の広がりを有する円弧に沿い、前記回転軸心を中心として少なくとも部分的に円周方向に延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項22】
請求項21において、
前記角度の広がりが360°に等しいクランクアーム(5、5’)。
【請求項23】
請求項21において、
前記角度の広がりが360°未満かつ15°以上であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項24】
請求項23において、
前記角度の広がりが15°〜100°の間であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項25】
請求項24において、
前記角度の広がりが30°〜75°の間であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項26】
請求項20において、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、2つの隣り合う接続アーム(27、27’)の間を構造的な中断なしで円周方向に延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項27】
請求項18から26までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’)が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に作用するクランクアーム(5、5’)。
【請求項28】
請求項18から27までのいずれか一項において、
前記本体(20、20’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム(5、5’)。
【請求項29】
自転車の右側のクランクアーム(5、5’)に組み合わされる環状の部材(11)を有する自転車のクランクセットの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)において、
前記環状の部材(11)が、当該前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの接触部材(55、65)を有することを特徴とする前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項30】
請求項29において、
前記環状の部材(11)が、少なくとも1つの結合部材(98)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)が、前記少なくとも1つの結合部材(98)から延びている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項31】
請求項29または30において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記環状の部材(11)の半径方向内側の表面(13)から半径方向に片持ちで延びている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項32】
請求項29から31までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)とは別体である前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項33】
請求項29から32までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項34】
請求項29から33までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項35】
右側のクランクアーム(5、5’)と、
少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)とを有し、
その少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の少なくとも1つの結合部(99)において前記クランクアーム(5、5’)に組み合わされる自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)において、
前記クランクアーム(5、5’)に接触して作用し、前記少なくとも1つの結合部(99)とは別体である少なくとも1つの前スプロケット部(55、65)を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項36】
請求項35において、
前記少なくとも1つの前スプロケット部が、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)に設けられ、前記少なくとも1つの結合部(99)が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの第1結合部材(98)に設けられているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項37】
請求項35または36において、
前記前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、軽金属材料または複合材料で作られた環状の部材(11)を有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項38】
請求項35から37までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)および前記少なくとも1つの第1結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項39】
請求項35または38において、
前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材(55、65)と協働する少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)、および前記少なくとも1つの第1結合部材(98)と協働する少なくとも1つの第2接続部材(27)を有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項40】
請求項35から39までのいずれか一項において、
前記クランクアーム(5、5’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項41】
環状の部材(11)を有し、
その環状の部材(11)が、環状の部材(11)の結合部(99)において自転車の右側のクランクアーム(5、5’)に組み合わされる自転車のクランクセットの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)において、
前記環状の部材(11)が、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの接触部(55、65)であって、前記少なくとも1つの結合部(99)とは別体である少なくとも1つの接触部(55、65)を有することを特徴とする前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項42】
請求項41において、
前記少なくとも1つの接触部が、前記環状の部材(11)の半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの接触部材(55、65)に設けられ、
前記少なくとも1つの接続部(99)が、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの結合部材(98)に設けられている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項43】
請求項41または42において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項44】
請求項41から43までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項1】
右側のクランクアーム(5、5’)と、
そのクランクアーム(5、5’)に組み合わされた少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)とを有する自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)において、
前記クランクアーム(5、5’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びていて、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に接触して作用する少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項2】
請求項1において、
前記クランクアーム(5、5’)が、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)との少なくとも1つの接続アーム(27、27’)を有し、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項3】
請求項2において、
前記クランクアーム(5、5’)が複数の接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記接続アームのうちの複数から延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記クランクアーム(5、5’)の前記回転軸心を中心として、所定の角度の広がりを有する円弧に沿って、少なくとも部分的に円周方向に延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項5】
請求項4において、
前記角度の広がりが360°に等しいクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項6】
請求項4において、
前記角度の広がりが360°未満かつ15°以上であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項7】
請求項6において、
前記角度の広がりが15°〜100°の間であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項8】
請求項7において、
前記角度の広がりが30°〜75°の間であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項3において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、2つの隣り合う接続アーム(27、27’)の間を構造的な中断なしで円周方向に延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項6から9までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から片持ちで延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(35、35’)が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に作用するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項において、
前記クランクアーム(5、5’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)と協働する少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)を有し、その少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’)の角度の広がりに実質等しい角度の広がりを有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項14】
請求項13において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、環状の部材(11)を有し、その環状の部材(11)の半径方向内側の表面から、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの結合部材(98)が、半径方向に片持ちで延びているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項15】
請求項14において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記少なくとも1つのクランクアーム部材(30、30’、35、35’)とは別体であるクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項16】
請求項14または15において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項17】
請求項14から16までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項18】
自転車のクランクセットの少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)に組み合わされる本体(20、20’)を有する自転車の右側のクランクアーム(5、5’)において、
前記本体(20、20’)が、当該クランクアーム(5、5’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)との少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)を有することを特徴とするクランクアーム(5、5’)。
【請求項19】
請求項18において、
前記本体(20、20’)が、実質半径方向に沿って延びている、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)との少なくとも1つの接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、前記少なくとも1つの接続アーム(27、27’)から延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項20】
請求項19において、
前記本体(20、20’)が複数の接続アーム(27、27’)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、前記接続アームのうちの複数から延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、所定の角度の広がりを有する円弧に沿い、前記回転軸心を中心として少なくとも部分的に円周方向に延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項22】
請求項21において、
前記角度の広がりが360°に等しいクランクアーム(5、5’)。
【請求項23】
請求項21において、
前記角度の広がりが360°未満かつ15°以上であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項24】
請求項23において、
前記角度の広がりが15°〜100°の間であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項25】
請求項24において、
前記角度の広がりが30°〜75°の間であるクランクアーム(5、5’)。
【請求項26】
請求項20において、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’、35、35’)が、2つの隣り合う接続アーム(27、27’)の間を構造的な中断なしで円周方向に延びているクランクアーム(5、5’)。
【請求項27】
請求項18から26までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’、16)が、使用時に自転車のフレームに面する内側の面、およびその内側の面の反対側である外側の面を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(30、30’)が、前記外側の面において前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)に作用するクランクアーム(5、5’)。
【請求項28】
請求項18から27までのいずれか一項において、
前記本体(20、20’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム(5、5’)。
【請求項29】
自転車の右側のクランクアーム(5、5’)に組み合わされる環状の部材(11)を有する自転車のクランクセットの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)において、
前記環状の部材(11)が、当該前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の回転軸心に関して半径方向でない方向に沿って延びている、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの接触部材(55、65)を有することを特徴とする前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項30】
請求項29において、
前記環状の部材(11)が、少なくとも1つの結合部材(98)を有し、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)が、前記少なくとも1つの結合部材(98)から延びている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項31】
請求項29または30において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記環状の部材(11)の半径方向内側の表面(13)から半径方向に片持ちで延びている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項32】
請求項29から31までのいずれか一項において、
前記少なくとも1つの結合部材(98)が、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)とは別体である前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項33】
請求項29から32までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項34】
請求項29から33までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項35】
右側のクランクアーム(5、5’)と、
少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)とを有し、
その少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の少なくとも1つの結合部(99)において前記クランクアーム(5、5’)に組み合わされる自転車の右側のクランクアーム・アセンブリ(1)において、
前記クランクアーム(5、5’)に接触して作用し、前記少なくとも1つの結合部(99)とは別体である少なくとも1つの前スプロケット部(55、65)を有することを特徴とするクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項36】
請求項35において、
前記少なくとも1つの前スプロケット部が、前記少なくとも1つの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)の半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)に設けられ、前記少なくとも1つの結合部(99)が、前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの第1結合部材(98)に設けられているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項37】
請求項35または36において、
前記前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)が、軽金属材料または複合材料で作られた環状の部材(11)を有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項38】
請求項35から37までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの前スプロケット部材(55、65)および前記少なくとも1つの第1結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項39】
請求項35または38において、
前記少なくとも1つの第1前スプロケット部材(55、65)と協働する少なくとも1つのクランクアーム部材(30、35)、および前記少なくとも1つの第1結合部材(98)と協働する少なくとも1つの第2接続部材(27)を有するクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項40】
請求項35から39までのいずれか一項において、
前記クランクアーム(5、5’)が、軽金属材料または複合材料で作られているクランクアーム・アセンブリ(1)。
【請求項41】
環状の部材(11)を有し、
その環状の部材(11)が、環状の部材(11)の結合部(99)において自転車の右側のクランクアーム(5、5’)に組み合わされる自転車のクランクセットの前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)において、
前記環状の部材(11)が、前記クランクアーム(5、5’)との少なくとも1つの接触部(55、65)であって、前記少なくとも1つの結合部(99)とは別体である少なくとも1つの接触部(55、65)を有することを特徴とする前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項42】
請求項41において、
前記少なくとも1つの接触部が、前記環状の部材(11)の半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの接触部材(55、65)に設けられ、
前記少なくとも1つの接続部(99)が、前記少なくとも1つの接触部材(55、65)の角度位置とは異なる角度位置において前記半径方向内側の表面(13)から片持ちで半径方向に延びている少なくとも1つの結合部材(98)に設けられている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項43】
請求項41または42において、
前記環状の部材(11)が、軽金属材料または複合材料で作られている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【請求項44】
請求項41から43までのいずれか一項において、
前記環状の部材(11)が、所定の直径Tを有する原円に沿い半径方向外側に向かって延びている歯付き部分(100)を有し、
前記少なくとも1つの接触部材(55、65)および前記少なくとも1つの結合部材(98)が、直径T’≧aT(aは、2/3、3/4、4/5、5/6または6/7から選択される値を有する)を有する仮想の円周から出発して半径方向外側に向かって広がっている第1の領域に完全に含まれている前スプロケット(10、10’、10’’、15、15’)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−49423(P2013−49423A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245880(P2012−245880)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2007−202301(P2007−202301)の分割
【原出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(592072182)カンパニョーロ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (94)
【氏名又は名称原語表記】CAMPAGNOLO SOCIETA A RESPONSABILITA LIMITATA
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2007−202301(P2007−202301)の分割
【原出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(592072182)カンパニョーロ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (94)
【氏名又は名称原語表記】CAMPAGNOLO SOCIETA A RESPONSABILITA LIMITATA
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