説明

自転車支援ループ

【課題】 傘差し安全走行や安楽姿勢走行に役立つ、扱い易い自転車支援ループを提案する。
【解決手段】 ハンドル乃至フレームに係止する環状体であって、係止具により位置と角度を可変に係止できる。支援ループに手を当てることで、自転車の片手とくに傘差し運転を、乗降時や左右折時等のふらつきを防止して走行を安定させ、傘を雨の向きに自在に対応できて風に煽られる危険も軽減され、係止位置を変え支援ループを手前に回動させることで腰と腕の疲れも緩和できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘差し安全走行や安楽姿勢走行に役立つ、自転車支援ループに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車の傘差し走行は、片手ハンドルの危険性を増大させるとして違法である。ただし、自転車は環境と人間に優しい交通手段として普及しており、片手ハンドル特に傘差しは運転者の状況判断に委ねられているところがある。傘差し片手ハンドルの高速走行は論外だが、低速でも曲り角や細道や雑踏の片手運転は難しい。傘差し両手ハンドルのために、自転車フレームの前部パイプに傘の柄を取付けたり(特許文献1)、ボールジョイント付きバークランプを取付ける(特許文献2)、操作レバーによる着脱調整式の傘取付け装置(特許文献3)など、開いた傘を自転車に取付ける工夫は多いが、いずれも固定による危険性を有し、四辺形リンク利用の体側移動式傘保持装置(特許文献4)を含めて、肝心の雨を避ける融通性に欠ける。また、ハンドルに装着する市販バーエンドやグリップは、握り方が変わって走行力を増すが、腰を曲げ手を伸ばす低姿勢をとるので傘差し安全走行や安楽姿勢走行の用具ではない。要するに、自転車の片手ハンドルの安全性と安楽姿勢を支援する公知の実用具はない。
【特許文献1】特開2000−6866号公報
【特許文献2】特開2001−239976号公報
【特許文献3】特開2004−98735号公報
【特許文献4】特開2006−27583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自転車の傘差し安全走行や安楽姿勢走行に役立つ、自転車支援ループを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明における自転車支援ループは、ハンドル乃至フレームに係止する環状体であって、係止具により位置と角度を可変に係止できる。実際に、片手でハンドルを握り、他方の手をハンドルに当てて乗り降りや走行を安定させることがあるが、屈めた腰も伸ばした腕も疲れるし、支点も定め難く継続困難で、片手ハンドルになりがちである。当該支援ループに手を当てることで、自転車の片手とくに傘差し運転を、乗降時や左右折時等のふらつきを防止して走行を安定させ、傘を雨の向きに自在に対応できて風に煽られる危険も軽減され、係止位置を変え支援ループを手前に回動させることで腰と腕の疲れも緩和できる。
【0005】
本発明の自転車支援ループにおける、ハンドル乃至フレームに係止する環状体は、ハンドルの握り付近まで伸び、複数点で車体に係止される。例えばハンドルの2点と前部パイプの1点とで係止して、前方係止位置を上げるほど支援ループは斜めになり、手を当てる位置が体側に近くなる。寄り掛かりや前後への押し引きに対しても環として強靭且つ軽量の素材が望ましい。例えば太さ数cmのポリオレフィンやナイロン樹脂や繊維強化プラスチック製パイプを用いて、芯材に鋼製ワイヤ等を用いたり索張ロープ等により補強できる。形状は真円状でも楕円状でも多角形状でも良く、開環型あるいは部分環状体でも良い。汎用サイズとして、環径が約50cmで太さ数cmの肉厚ポリプロピレン製パイプに閉環具を付した環状体が便利である。傘を握った拳を置く緩衝物を取付けるなど手に伝わる振動等も緩和でき快適化をはかれる。荷物カゴとの連携使用も可能である。
【0006】
本発明の自転車支援ループにおける、ループの位置と角度を可変に係止できる係止具は、押し下げ寄り掛かり乃至前後への押し引きに耐える強度を必要とする。車体側とループ側が複合型でも一体型でもよく、各種ねじ締め式でもバンド締め式でも着脱嵌め込み式でもよい。例えば、ループに嵌めたリングを車体側リングに鎖等で連結してもよい。更には、車体とループを一括して巻いて係止状態の変化に対応するナイロン製ロープやゴムバンド、例えば、止め具付き数mm径10数cm長のネオプレンゴム製丸紐バンドが簡便である。
【0007】
本発明の自転車支援ループの形状とサイズ及び材質は、上記の特徴を満たして目的に応じて選択できる。例えばポリプロピレンやナイロン樹脂或いは繊維強化プラスチックやネオプレン等ゴム使用の或いはアルミニウムやステンレス鋼等金属製の円形パイプ、半円パイプ、扁平楕円パイプ等から選択できる。例えば、環径が約50cmで太さ数cmのポリプロピレン製パイプの環が便利である。一部にクッション材被覆したり複合プレート材料を採用できる。係止具も各種材料と形状を採用でき、例えば係止状態の変化に対応する、ナイロン製ロープや止め具付き数mm径10数cm長のネオプレンゴム製丸紐バンドが簡便である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上述のとおり構成されているので、支援ループに手を当てることで、自転車の片手とくに傘差し運転を、乗降時や左右折時等のふらつきを防止して走行を安定させ、傘を雨の向きに自在に対応できて風に煽られる危険も軽減され、係止位置を変え支援ループを手前に回動させることで腰と腕の疲れも緩和できる。支援ループは衝突転倒時の運転者等を守る安全ガードとしても役立つ。係止位置を変え回動させた支援ループをサドル等に係止することで、停駐車時のハンドル曲がりを止め、係止点に施錠等することで盗難防止にもなる。単一乃至複数接続した支援ループにカバーを張って用いることで風雨よけにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
傘差し安全走行や安楽姿勢走行に役立つ、自転車支援ループを、軽量、安価、堅牢で製作容易な構成により実現した。
【実施例1】
【0010】
図1において、自転車支援ループ(1)は、ループ外径50cm太さ3cm肉厚5mmのポリプロピレン・パイプ製で、ねじ式の閉環具(2)を付帯する。係止具(3)は止め具付き5mm径10数cm長のネオプレンゴム製丸紐バンドからなり、例えば自転車ハンドル(4)に2点と自転車前部パイプ(5)に1点とでループ(1)を係止する。片手でハンドルを握り、他方の手をループに当てることで、片手とくに傘差し運転を安定させ、係止位置を変えループ(1)を手前に回動させて腰と腕の疲れも緩和できる。ループ(1)は自転車サドル(6)に係止して施錠できる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
自転車の傘差し安全走行や安楽走行に役立つ。支援ループは安全ダンパーになる。ループをサドル等に係止することで、停駐車時のハンドル曲がりを止め、係止点に施錠して盗難を防止する。ループにカバーを張ることで風雨よけになる。幼児の三輪車を牽引する用具に、子供の自転車乗り練習の補助具になる。更に、買物カートなど手押し車の傘差し等を支援する。各種用途のハンガーになる。蛍光・発光ループ、音出しループ等にして、安全用具、スポーツ用具、玩具等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の自転車支援ループの実施方法例を示した側方見取図(A)と平面図(B)及び係止具拡大図(C)を概略図として示す。 (実施例1)
【符号の説明】
【0013】
1 自転車支援ループ
2 閉環具
3 係止具
4 自転車ハンドル
5 自転車前部パイプ
6 自転車サドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車ハンドル乃至フレームに係止する環状体であって、係止具により位置と角度を可変に係止できることを特徴とする、自転車支援ループ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2008−155675(P2008−155675A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343727(P2006−343727)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(302006913)有限会社ハイライフ技研 (6)
【Fターム(参考)】