説明

航空機の翼体とエンジンとの間に設けられたエンジン懸架装置

本発明は、航空機の翼体とエンジンとの間に設けられるように構成された、エンジンの懸架装置に関する。この懸架装置は、高剛性な構造部分(8)と懸架手段によって高剛性な構造部分(8)に固定された状態で取り付けられた前方空力構造部分(24)とを備えている。前方空力構造部分は、エンジンのファンケーシングを備え、高剛性な構造部分と翼体との間に設けられるように構成されている。本発明では、懸架手段は、少なくとも1つの長さ調整可能な接続ロッド(32)を備えている。接続ロッドの一端は高剛性な構造部分(8)に取り付けられ、他端は前方の空力構造部分に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の翼体とエンジンとの間に設けられているように構成された、エンジンの懸架装置と該懸架装置を備えたエンジン組立体に関する。
【0002】
本発明は、ターボジェットエンジン又はターボプロペラエンジンを備えた任意のタイプの航空機で利用可能とされる。
【0003】
このようなタイプの懸架装置は、EMS(Engine Mounting Structure)と呼称され、航空機の翼体の下方にターボジェットエンジンを懸架するか、又は前記翼体の上方にターボジェットエンジンを取り付けるために利用される。
【背景技術】
【0004】
このような懸架装置は、ターボジェットエンジンと航空機の翼体とを接続するように形成されている。前記懸架装置は、ターボジェットエンジンが発生させる力を航空機の構造部分に伝達させ、エンジンと航空機との間における、燃料、電気、液圧、及び空気の循環システムを実現する。
【0005】
力を伝達するために、懸架装置は、一次構造部分と呼称される、場合によっては“ボックス状(box)”タイプの高剛性な構造部分を備えている。言い換えれば、懸架装置は、横方向のリブによって互いに接続されている上方の翼桁及び下方の翼桁から成る組立体によって形成される。
【0006】
さらに、懸架装置は、ターボジェットエンジンと高剛性な構造部分との間に設けられた懸架手段を備えている。懸架手段は、一般に2つのエンジンサスペンションと、ターボジェットエンジンが発生する推力に抗する装置とを備えている。従来技術では、この負荷を伝達する装置は、第一にエンジンのファンケーシングの後方部分に接続され、第二にエンジンの中央ケーシングに固定された後方の取付部に接続された、2つの横方向の接続ロッドの形態とされる。
【0007】
同様に、懸架装置は、高剛性な構造部分と航空機の翼体との間に設けられた他の一連のサスペンションから成る取付システムを備えている。この取付システムは、2つ又は3つのサスペンションから構成されることが一般的である。
【0008】
さらに、パイロンは、空力整流要素を支持する一方で、システムの分解及び保守を確実に可能とする複数の二次構造部分を備えている。これら空力整流要素は、二次構造部分に取り付けられたパネルの形態とされる。当業者にとっては既知の方法で、二次構造部分がエンジンから航空機の翼体に力を伝達させるように構成されているという点において、二次構造部分は高剛性な構造部分と差別化されている。
【0009】
二次構造部分は、高剛性な構造部分と航空機の翼体との間に設けられた前方空力構造部分を含んでいる。この前方空力構造部分は、空力整流機能を発揮し、且つ異なるシステム(空気、電気、液圧、燃料)を配置、分解、及び輸送するために利用される。さらに、この前方空力構造部分はエンジンのファンケーシングを支持し、懸架パイロンの高剛性な構造部分は推進用インバータのケーシングを備えている。
【0010】
従来技術の解決では、高剛性な構造部分上に前方空力構造部分を組み立てるために利用される懸架手段は一般に複雑であり、アクセス困難であるので、高剛性な構造部分に対して相対的に前方空力構造部分の位置を正確に調整するために利用することはできない。さらに、これら懸架手段は、あまり望ましくない不静定な構造部分を形成している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、従来技術の実施例に関連して述べた欠点を克服する懸架装置、及び該懸架装置を備えたエンジン組立体を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このことを達成するために、本発明の目的は、航空機の翼体とエンジンとの間に設けられるように構成されたエンジンの懸架装置であって、懸架装置は、高剛性な構造部分と、懸架手段によって高剛性な構造部分に固定された状態で取り付けられた前方空力構造部分とを備え、前方空力構造部分は、エンジンのファンケーシングを備え、高剛性な構造部分と翼体との間に設けられるように構成されている懸架装置を提供することである。本発明では、懸架手段は、少なくとも1つの長さ調整可能な接続ロッドを備えている。接続ロッドの一端は、高剛性な構造部分に取り付けられ、他端は前方空力構造部分に取り付けられている。
【0013】
このように、提案する本発明は、1つ以上の長さ調整可能な接続ロッドが懸架装置の高剛性な構造部分上の前方空力構造部分に取り付けられている点において優位である。従って、上述の接続ロッドは、複雑な構成とはならず高剛性な構造部分に対して相対的に前方空力構造部分の位置を正確に調整可能であるので、解決策となる。調整は、エンジン組立体が要求する形状の関数として行なわれる。例えば、前方空力構造部分の位置は、一次構造部分のパイロン/エンジンインターフェースに対して相対的にファンケーシングに固定された状態で取り付けられたファンの位置を確実に制御される。
【0014】
さらに、これら接続ロッドは、懸架装置の近くにいる作業者にとって容易にアクセス可能な要素であるので、前方空力構造部分の配置及び取り外しが容易に実施可能とされる。
【0015】
第二に、長さ調整可能な接続ロッドが設けられることによって、高剛性な構造部分と前方空力構造部分との間における空間へのアクセスが極めて僅かであるが制限されることが優位であることに留意すべきである。作業者が配置又は保守するためにアクセス可能な状態を維持しなければならない前方空力構造部分内の装備が通常配置されている。
【0016】
最後に、利用される各接続ロッドは、他の要素と組み合わせて不静定な取付システムを形成するように、一の好ましい方向における力に完全に抗することができる。
【0017】
好ましくは、懸架手段は、それぞれが一端で高剛性な構造部分に接続し、他端で前方空力構造部分に取り付けられている2つの長さ調整可能な接続ロッドを備えている。このような構成では、エンジン組立体は、2つの接続ロッドのうち一方の接続ロッドが永続的に機能する、言い換えれば、懸架手段によって接続された2つの構造部分の間に作用する力に抗することができる。他方の接続ロッドは、一方の接続ロッドが呼称した場合のみに限り機能しない。このように、他方の接続ロッドは、二重安全機能としてのみ機能するので、通常の状態では機能しない、すなわち懸架手段の不静定を改善しない。
【0018】
2つの長さ調整可能な接続ロットが、懸架装置の垂直正中面に関して略対称、且つ該懸架装置の長手方向に対して平行に配置されている。さらに、各長さ調整可能な接続ロッドの両端が回動可能に取り付けられていることが望ましい。
【0019】
また、好ましくは、各長さ調整可能な接続ロッドは、懸架装置の垂直方向に対して20°未満の角度を形成する方向に配置されているので、該方向に沿った力に抗することができる。
【0020】
さらに、懸架手段は、高剛性な構造部分と前方空力構造部分との間に設けられたビームを備えている。このビームは、接続ロッドに対して相補的な手段を形成し、これにより不静定取付システムを形成することができる。このビームは、例えばパイロンの幅全体に亘って懸架装置に対して横方向に沿って配置されていることが望ましい。このようにして、このビームによって、懸架パイロンの幅全体に亘る力に抗することができるので、力に対する抵抗が良好であり、且つインターフェースでの抵抗力が低減されるという意味において優位である。
【0021】
このビームは、ボックス状の高剛性な構造部分の上方の翼桁上に配置されており、懸架装置の近くにいる作業者は容易にアクセス可能であるので、作業者は前方空力構造部分を配置及び取り外しを容易に実施可能である。
【0022】
最後に、懸架装置は、ビームが各長さ調節可能な接続ロッドから後方に配置されるように配置されている。
【0023】
本発明の他の目的は、例えばターボジェットエンジンのようなエンジンと該エンジンのための上述のような懸架装置懸架装置とを備えているエンジン組立体を提供することである。
【0024】
本発明の他の利点及び特徴は、非限定的な発明の詳細な説明を読むことによって明確となる。
【0025】
図面を参照して発明の詳細な説明を説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、航空機(図示しない)の翼体の下方に固定されるように構成された航空機用エンジン組立体1を表わす。このエンジン組立体1は、本発明の好ましい実施例における懸架装置4と、例えば懸架装置4の下方に懸架されたターボジェットエンジンのようなエンジン6とを備えている。
【0027】
一般に懸架装置4は、エンジン6を懸架する手段が設けられた、一次構造部分(primary structure)と呼称される高剛性な構造部分8を備えている。この懸架装置は、複数のエンジンサスペンション10,12と、エンジン6が発生させる推力に抗するための装置14とを有している。
【0028】
指針として、エンジン組立体1はポッド(図示しない)によって囲まれるように構成され、懸架装置4は高剛性な構造部分8に取り付けられた他の一連のサスペンション(図示しない)と結合し、航空機の翼体の下方にエンジン組立体1を懸架するために利用されることに留意すべきである。
【0029】
以下の説明全体を通じて、X方向はターボジェットエンジン6の長手方向と同一方向である懸架装置4の長手方向を示している。X方向は、ターボジェットエンジン6の長手方向5に対して平行とされる。さらに、懸架装置4の長手方向に対する横方向はY方向と呼称され、ターボジェットエンジン6の横方向と同一方向とされる。Z方向は垂直方向又は高さ方向である。従って、X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに対して垂直である。
【0030】
さらに、“前方(forward)”及び“後方(aft)”は、ターボジェットエンジン6が発生させる推力によって航空機が移動する方向に関連し、概略的に矢印7で表わされる。
【0031】
従って、図1は、推力抵抗装置14、懸架装置4の高剛性な構造部分8、及び高剛性な構造部分8に取り付けられた複数の二次構造部分を備えた2つのエンジンサスペンション10,12を表わす。システムを分離及び保持する前記二次構造部分について、空力的なフェアリング要素と共に以下に説明する。
【0032】
ターボジェットエンジン6は、その前端に環状のファンダクト20を形成している大きなファンケーシング18を備え、その後端にターボジェットの心臓部を収容している小さな中央ファンケーシング22を備えている。ファンケーシング18,22が互いに対して固定されていることは言うまでもない。
【0033】
図1は、それぞれが前方エンジンサスペンション及び後方エンジンサスペンションと呼称される、懸架装置4の2つのエンジンサスペンション10,12を表わす。
【0034】
本発明の好ましい実施例では、高剛性な構造部分8は、後方部分から前方部分に亘りX方向に沿って延在しているボックスの形態をしている。
【0035】
ボックス8は、特にそれぞれがYZ平面内に配置された矩形状の形態をした横方向のリブ(図示しない)を備えている点において、ターボジェットエンジン用懸架パイロンの構成に類する構成を有しているパイロンの形態とされる。
【0036】
好ましい実施例における当該懸架手段は、ピラミッドと呼ばれる高剛性な構造部分8の前端部とファンケーシング18の上側部分との間に設けられた前方エンジンサスペンション10を備えている。前方エンジンサスペンション10は、従来通り、当業者にとって既知の方法で構成されている。
【0037】
さらに、後方エンジンサスペンション12は、従来通り、当業者にとって既知の方法で構成され、高剛性な構造部分8と中央ケーシング22との間に設けられている。
【0038】
図1を参照すると、パイロン4の二次構造部分は、前方空力構造部分24、後方空力構造部分26、前方空力構造部分と後方空力構造部分とを接続する接続フェアリング28、及び下部後方の空力的なフェアリング30を含んでいる。
【0039】
一般に、これら二次構造部分は、本発明が属する技術分野で利用される構造部分と同一又は類似の既存の構成要素であって、当業者にとっては既知である。
【0040】
より具体的には、前方空力構造部分24は、翼体の下方且つ一次構造部分8の上方に設けられている。この前方空力構造部分は、高剛性な構造部分8に固定された状態で取り付けられ、この高剛性な構造部分に取り付けられたファンケーシングの上側部分と翼体の前縁との間に空力的な外形を形成し、空力的効果を発揮している。この前方空力構造部分24は、空力的な整流機能(aerodynamic fairing function)を発揮し、異なるシステム(空気、電気、液圧、燃料)を分離し且つルーティングするために利用される。さらに、前方空力構造部分24の前方部分は高剛性な構造部分8と接触していないので、熱交換器は、前記前方空力構造部分と前記高剛性な構造部分との間に形成された空間に設けられている。
【0041】
“カルマン(karman)”と呼称される接続フェアリング28は、前方空力構造部分24と直線的且つ該前方空力構造部分の後方に配置され、常に翼体の下方に位置し、高剛性な構造部分8の上方に取り付けられている。接続フェアリング28は、液圧要素の大部分を収容している後方空力構造部分26まで後方に延在している。後方空力構造部分26は、高剛性な構造部分8から完全に後方に配置されていることが望ましいので、航空機の翼体の下方に取り付けられている。
【0042】
最後に、シールド又は後方パイロンフェアリング(Aft Pylon Fairing)と呼称される下方後方の空力的なフェアリング30は、高剛性な構造部分8及び後方空力構造部分26の下方に配置されている。下方後方の空力的なフェアリングの機能としては、耐炎性の障壁を形成すること、及びエンジンの排気と懸架パイロンとの間において空力的連続性を形成することが不可欠である。
【0043】
図2及び図3は、高剛性な構造部分8に取り付けられた前方空力構造部分24の懸架手段を表わす。
【0044】
最初に、これら手段は、X方向に対して平行な懸架装置の中央垂直面Pに関して略対称に配置された、2つの長さ調整可能な接続ロッド32を含んでいる。中央垂直面Pは、既知の方法で高剛性な構造部分8についての対称面を形成していることに留意すべきである。
【0045】
各接続ロッド32の下端は、ボックス状の高剛性な構造部分8の上方の翼桁(spar)に回動可能な状態で接続されている。一方、各接続ロッド32の下端は、前方空力構造部分24の下方の翼桁に回動可能な状態で接続されている。接続ロッド32は、高剛性な構造部分8の前端部で接続され、Z方向に対して20°未満の角度で傾斜し、これにより図2に表わすように、高剛性な構造部分8と前方空力構造部分24との距離が前方に向かって小さくなっていることが望ましい。
【0046】
従って、接続ロッドは、自身の長さが調整可能となるように構成されている。この点において、当業者に既知で任意の長さ調整可能な接続ロッドも利用可能である。特に、自身の一端又は両端が自身の本体に対して移動可能とされる接続ロッドが利用可能である。接続ロッドは、互いの一端で接続された2つの略同一な部品から構成され、これら2つの部品が入れ子になった状態で重なり合っている長さが接続ロッドの全長を決定する。
【0047】
接続ロッド32の長さが調整可能であるので、高剛性な構造部分8とエンジン組立体の任意の他の構成要素とに対して前方空力構造部分24の位置を正確に調整することができる。これにより2つの接続ロッド32について、一方の接続ロッドは永続的に機能し、言い換えれば2つの構造部分24,8の間に作用する力に抗し、他方の接続ロッドは一方の接続ロッドが機能しなかった場合にのみ機能するように、相違する組立を容易に実施することができる。従って、他方のロッドは、“フェールセーフ”機能と呼称されるバックアップ機能を発揮するにすぎないので、通常の状態では2つの構造部分24,8の間に力を伝達させない。
【0048】
この場合には、機能する接続ロッド32は、X方向及びY方向に沿って作用する力ではなく、Z方向に沿って作用する力に抗するように構成されている。
【0049】
接続ロッド32を介して高剛性な構造部分8上に位置する前方空力構造部分24の懸架手段は、Y方向に沿って向き、好ましくは高剛性な構造部分の上方の翼桁の幅全体に亘って延在しているビーム34を含んでいる。このビームは、高剛性な構造部分に固定された状態で取り付けられている。
【0050】
図3は、このビーム34が好ましくは安全上の理由によって折り返された構造とされる、言い換えればX方向に沿って重ね合わされた2つのビームによって形成されていることを表わす。ビーム34は、各端部に、前方空力構造部分24に設けられた取付インターフェース38を保持するように構成された取付インターフェース半体36を備えている。
【0051】
より正確には、各取付インターフェース半体36は、ボックス状の構造部分8の上方の翼桁の僅か上方でXY平面に沿って延在している略平面の形態とされることが望ましい。取付インターフェース半体36及び取付インターフェース38は、接触させ、ボルト又はこれに類する要素によって互いに固定される。
【0052】
図2は、ビーム34が接続ロッド32の後側に位置し、前方空力構造部分24の後端部と協働することを表わす。
【0053】
このような構成では、ビーム34が横方向すなわちY方向に沿って主に作用する力に抗するように構成されているので、その構成は2つの“取付インターフェース半体”の形式であることが望ましい。これら取付インターフェース半体36のそれぞれが、主にX方向及びZ方向に作用する力に抗することができる。
【0054】
このようにして、ビーム34の2つの取付インターフェース半体は、X方向及びY方向に沿って作用する力に独立して抗することができ、機能する接続ロッド32及びビーム34の取付インターフェース半体は、垂直なZ方向に沿って作用する力に抗することができる。
【0055】
さらに、2つの取付インターフェース半体は単体でX方向及びZ方向回りのモーメントに抗することができ、2つの取付インターフェース及び機能する接続ロッド32は垂直方向で結合しているので、Y方向回りのモーメントに抗することができる。
【0056】
従って、上述の懸架手段34,36は、パイロン4の高剛性な構造部分8上に前方空力構造部分24を組み立てるために静的な中間システムを形成する。
【0057】
当業者であれば、非限定的な実施例に基づいて懸架装置4及び上述のエンジン組立体1に対する様々な改良をすることができることは言うまでもない。この点において、例えばエンジン組立体1は航空機の翼体の下方に懸架されるように適合した構成とされるが、エンジン組立体1はこの翼体の上方に取り付けられた構成とされる場合もあることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一の好ましい実施例における懸架装置を備えた航空機用エンジン組立体の概略的な側面図である。
【図2】図1に表わすエンジン組立体の一部を形成する懸架装置の部分的な詳細図である。
【図3】図2に表わす懸架装置の部分的に拡大された斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 エンジン組立体
4 懸架装置(パイロン)
5 長手方向
6 ターボジェットエンジン
7 矢印
8 高剛性な構造部分
10 前方エンジンサスペンション
12 後方エンジンサスペンション
14 推力抵抗装置
18 ファンケーシング
20 ファンダクト
22 ファンケーシング
24 前方空力構造部分
26 後方空力構造部分
28 接続フェアリング
30 下部後方の空力的なフェアリング
32 接続ロッド
34 ビーム
36 取付インターフェース半体
38 取付インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の翼体(2)とエンジン(6)との間に設けられるように構成された、前記エンジン(6)を懸架するための懸架装置(4)において、
前記懸架装置は、高剛性な構造部分(8)と、懸架手段によって前記高剛性な構造部分(8)に固定された状態で取り付けられた前方空力構造部分(24)とを備え、
前記前方空力構造部分は、前記エンジンのファンケーシングを備え、前記高剛性な構造部分と前記翼体との間に設けられているように構成され、
前記懸架手段は、一端が前記高剛性な構造部分(8)に取り付けられ、且つ、他端が前記前方空力構造部分(24)に取り付けられている少なくとも1つの長さ調整可能な接続ロッド(32)を備えていることを特徴とする懸架装置(4)。
【請求項2】
前記懸架手段は、2つの長さ調整可能な接続ロッド(32)を備え、
前記接続ロッドのそれぞれの一端が前記高剛性な構造部分(8)に取り付けられ、前記接続ロッドのそれぞれの他端が前記前方空力構造部分に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置(4)。
【請求項3】
2つの長さ調整可能な前記接続ロッド(32)は、前記懸架装置の長手方向(X)に対して平行な前記懸架装置の垂直中心面(P)に関して略対称に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の懸架装置(4)。
【請求項4】
長さ調整可能な前記接続ロッド(32)のそれぞれの両端が、回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の懸架装置(4)。
【請求項5】
長さ調整可能な前記接続ロッド(32)のそれぞれが、前記懸架装置の垂直方向(Z)に対して20°未満の角度を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の懸架装置(4)。
【請求項6】
前記懸架手段は、前記高剛性な構造部分(8)と前記前方空力構造部分(24)との間に設けられたビーム(34)を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の懸架装置(4)。
【請求項7】
前記ビーム(34)は、前記懸架装置の横方向(Y)に沿って配置されていることを特徴とする請求項6に記載の懸架装置(4)。
【請求項8】
前記ビーム(34)は、長さ調整可能な前記接続ロッド(32)それぞれから後方に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の懸架装置(4)。
【請求項9】
エンジン(6)と前記エンジン(6)を懸架するための懸架装置(4)とを備えているエンジン組立体(1)であって、
前記懸架装置は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の懸架装置であることを特徴とするエンジン組立体(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−509828(P2009−509828A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531720(P2008−531720)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066736
【国際公開番号】WO2007/036519
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)