説明

舶用推進装置

【課題】電動機の軸受を不要にすることができる舶用推進装置を提供すること。
【解決手段】回転する駆動軸を有するポッド型推進装置(舶用推進装置)1であって、駆動軸が嵌合される中空の軸固定部3が内部に設けられた駆動部5と、駆動部5を内部に収納するとともに、駆動軸を回転自在に支持するポッド本体(装置本体)とを備え、駆動部5が、N極誘導子(磁性体)及びS極誘導子(磁性体)を有し、軸固定部と嵌合される貫通孔が設けられた円盤状の一対の回転子と、N極誘導子及びS極誘導子と対向配置された電機子コイルを有し、軸固定部が挿通される挿通孔が設けられた電機子側固定子とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舶用推進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶等における舶用推進装置として、船体から垂下するポッド本体に駆動機とこれにより回転するプロペラとを配したポッド型推進装置が種々提案されている。このようなポッド型推進装置に収納される駆動機としては、ディーゼルエンジン等の機械式のものや電動機がある。しかし、機械式の駆動機の場合、出力を得るためには駆動機や、駆動機に接続される回転機構が複雑、かつ、大型となるので、ポッド型推進装置に収納する駆動機としては不適である。
【0003】
そこで、ポッド型推進装置に使用される駆動機としては、小型船舶や高速船舶にも使用でき、駆動機自身を小型化することができる電動機が使用されている。このようなポッド型推進装置として、電動機をポッド本体内に収納して小型化を図るとともに、プロペラが配されたプロペラ軸と電動機とを軸受を介して接続して、プロペラ軸を回転させるものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特表2003−520738号公報
【特許文献2】特開2004−291709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ポッド型推進装置のような従来の舶用推進装置の場合、プロペラ軸に負荷される軸方向の力が電動機の軸受にかかるので、これに耐えるようにするために電動機の軸受が大掛かりなものとなってしまう。本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電動機の軸受を不要にすることができる舶用推進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、舶用推進装置に係る第1の解決手段として、回転する駆動軸を有する舶用推進装置であって、前記駆動軸が嵌合される中空の軸固定部が内部に設けられた駆動部と、該駆動部を内部に収納するとともに、前記駆動軸を回転自在に支持する装置本体とを備え、記駆動部が、磁性体を有し、前記軸固定部と嵌合される貫通孔が設けられた回転子と、前記磁性体と対向配置された電機子コイルを有し、前記軸固定部が挿通される挿通孔が設けられた電機子側固定子とを備えていることを特徴とする手段を採用する。
【0006】
この発明は、駆動部の軸固定部に駆動軸を嵌合させた状態で、駆動軸を装置本体に回転自在に支持させることにより、駆動部に軸受がなくても、電機子コイルと磁性体との電磁作用によって軸固定部とともに駆動軸を回転させることができる。この際、駆動軸が受ける軸方向の力は、装置本体で受けることができ、駆動部の軸方向の負荷を抑えることができる。
【0007】
舶用推進装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記駆動部が、前記駆動軸の軸方向に沿って配された第一駆動部及び第二駆動部を備え、前記軸固定部が、前記第一駆動部に配された第一軸固定部と、前記第二駆動部に配された第二軸固定部とを備えていることを特徴とする手段を採用する。
【0008】
この発明は、駆動軸を第一軸固定部及び第二軸固定部に固定することにより、第一駆動部及び第二駆動部によって回転駆動させることができる。
【0009】
舶用推進装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記駆動軸が、前記第一軸固定部に嵌合される第一駆動軸と、前記第二軸固定部に嵌合される第二駆動軸とを備え、前記第一駆動軸又は前記第二駆動軸の何れか一方が中空に形成され、隙間を設けて他方が挿通されていることを特徴とする手段を採用する。
【0010】
この発明は、第一駆動軸を第一駆動部により回転させ、第二駆動軸を第二駆動部によって回転させることができる。従って、一つの装置本体から二つの出力を得ることができる。
【0011】
舶用推進装置に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記第一駆動軸と前記第二駆動軸とが反転することを特徴とする手段を採用する。
この発明は、一つの装置本体から二つの異なる方向の回転力を得ることができる。
【0012】
舶用推進装置に係る第5の解決手段として、上記第1から第4の解決手段において、前記電機子コイルが、超電導部材を備えていることを特徴とする手段を採用する。
この発明は、従来と同じ電流量であっても電機子コイルの大きさを従来よりも小さくすることができ、電動機だけでなく装置全体をさらに小型化することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電動機の軸受を不要にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
本実施形態に係るポッド型推進装置(舶用推進装置)1は、図1から図3に示すように、回転する駆動軸2と、駆動軸2が嵌合される中空の軸固定部3が内部に設けられた駆動部5と、駆動部5を内部に収納するとともに、駆動軸2を回転自在に支持するポッド本体(装置本体)6とを備えている。
【0015】
駆動部5は、駆動軸2の軸方向に沿って配された第一駆動部7及び第二駆動部8を備え、軸固定部3が、第一駆動部7に配された第一軸固定部10と、第二駆動部8に配された第二軸固定部11とを備えている。
【0016】
第一駆動部7は、アキシャルギャップ構造のモータであって、N極及びS極が同心円上に形成される界磁コイル12がヨーク13に配された一対の界磁側固定子15A,15Bと、一対の界磁側固定子15A,15Bの内側にて第一軸固定部10に固定され、界磁コイル12により形成されるN極に対向してN極誘導子(磁性体)16及び界磁コイル12により形成されるS極に対向してS極誘導子(磁性体)17がそれぞれ配された一対の回転子18A,18Bと、N極誘導子16及びS極誘導子17に対向して配された電機子コイル20を有して一対の回転子18A,18B間に配された電機子側固定子21とを備えている。なお駆動部は、例えば、界磁側固定子が円盤状に形成されて円筒状に形成された電機子側固定子に内嵌され、界磁側固定子と電機子側固定子とに囲まれて回転子が配されるようなラジアルギャップ構造のモータとしても構わない。
【0017】
一対の界磁側固定子15A,15Bのヨーク13は、パーメンダー、珪素鋼板、鉄、パーマロイ等の磁性体からなり、第一軸固定部10の軸方向に所定の厚さを有して円盤状に形成されている。ヨーク13の中心部には、第一軸固定部10が貫通可能な大きさの貫通孔13aが設けられている。ヨーク13の互いに対向する内側の面には、第一軸固定部10を中心として環状に形成された界磁用断熱冷媒容器22が、それぞれ第一軸固定部10方向に突出して設けられている。界磁用断熱冷媒容器22内には、後述する冷却器45から供給された液体窒素が充填されており、界磁コイル12が内部に収納されている。
【0018】
界磁コイル12は、ビスマス系、イットリウム系といった超電導材から構成されており、第一軸固定部10回りに巻回されるようにして界磁用断熱冷媒容器22内に収納されている。このため、界磁コイル12を励磁した際には、外周側と内周側との径方向に分かれて磁極が発生する。
【0019】
一対の回転子18A,18Bは、円盤形状とされてFRPやステンレス等の非磁性体からなり、中心部にて第一軸固定部10を固定支持する回転子本体23をそれぞれ備えている。ヨーク13と対向する回転子本体23の外側の面には、界磁コイル12が係合される係合溝23aが、第一軸固定部10を中心として環状に形成されている。
【0020】
N極誘導子16は、回転子本体23の中心に対して点対称となる位置に第一軸固定部10方向に貫通して複数形成されている。この際、N極誘導子16の一端面16aは、係合溝23aに面して界磁コイル12のN極発生位置に対向配置され、かつ、他端面16bは、電機子コイル20に対向配置されている。
【0021】
S極誘導子17は、回転子本体23の中心に対して点対称となる位置、かつ、N極誘導子16とは略90度の位相差を有する位置に第一軸固定部10方向に貫通して形成されている。この際、S極誘導子17の一端面17aは、係合溝23aに面して界磁コイル12のS極発生位置に対向配置され、かつ、他端面17bは、電機子コイル20に対向配置されている。N極誘導子16及びS極誘導子17は、パーメンダー、珪素鋼板、鉄、パーマロイ等から構成されている。
【0022】
電機子側固定子21は、FRPやステンレス等の非磁性体からなる固定子本体25を備えている。固定子本体25の中心部には、第一軸固定部10が挿通される挿通孔25aが配されている。固定子本体25には、パーメンダー、珪素鋼板、鉄、パーマロイ等の高透磁性材料からなる円柱状磁性体26と、厚肉円筒状に形成されて内部が空洞とされた電機子用断熱冷媒容器27とが、固定子本体25を貫通するようにして配されている。円柱状磁性体26は、両端面26a,26bがN極誘導子16及びS極誘導子17と対向するように、挿通孔25aを中心とする同一円周上に所定の間隔を設けて埋設されている。
【0023】
電機子用断熱冷媒容器27は、各円柱状磁性体26の外側に嵌合された状態で固定子本体25に配されている。この電機子用断熱冷媒容器27内には、ビスマス系、イットリウム系といった超電導材からなる電機子コイル20が、電機子用断熱冷媒容器27の内周面に巻回されるようにして配されている。電機子用断熱冷媒容器27内には、後述する冷却器45から供給された液体窒素が充填されている。
【0024】
第一軸固定部10の一端10a側の外径と他端10b側の内径とが略同一の大きさになるように、第一軸固定部10の他端10bには、径方向外方に突出して形成された第一口金部28が設けられている。回転子本体23とは、中継部材30を介して嵌合されている。
【0025】
駆動軸2は、第一軸固定部10に嵌合される第一駆動軸31と、中空に形成されて第二軸固定部11に嵌合される第二駆動軸32とを備えている。第一駆動軸31は、第一軸固定部10と嵌合される一端31a側の大径部31Aと、大径部31Aよりも外径が小さく形成され、隙間を設けて第二駆動軸32に挿通される他端31b側の小径部31Bとを備えている。第二駆動軸32は、一端32a側が第一駆動軸31と嵌合可能な外径に形成されている。他端32bには、外径が一端32a側よりも大きい肉厚部32Aが配されている。
【0026】
第二駆動部8は、第一駆動部7と略同一の構成とされている。ただし、第二軸固定部11の一端11aには、第二軸固定部11の他端11b側の外径が一端11a側の内径と略同一の大きさになるように、径方向外方に突出して形成された第二口金部33が設けられている。第二軸固定部11は、第一軸固定部10の内径よりも大径の、第一駆動軸31が挿通可能、かつ第二駆動軸32が嵌合可能な内径となっている。
【0027】
ポッド本体6は、略回転楕円体形状に形成され、内部に第一駆動部7及び第二駆動部8を配置するための空間が形成されたポッド型容器35と、ポッド型容器35から径方向外方に延出され、図示しない旋回モータと接続された筒状の連結部36とを備えている。ポッド型容器35には、第一駆動部7を貫通して配された第一駆動軸31の一端31aを支持する第一軸受部37Aと、第一駆動軸31の大径部31A及び第二駆動軸32の一端32aとを支持する第二軸受部37Bと、第二駆動軸32の肉厚部32Aを支持する第三軸受部37Cとが配されている。第一駆動軸31の他端31bには、第一プロペラ38が接続され、第二駆動軸32の他端32bには、第一プロペラ38から所定の距離に離間した位置に第二プロペラ39が接続されている。
【0028】
一対の界磁側固定子15A,15Bに配された界磁コイル12は、図示しない船体内に設置された直流電源40と直流電気配線41を介して電気的に接続される。また、電機子側固定子21に配された電機子コイル20は、船体内に配された交流電源42と交流電気配線43を介して電気的に接続される。
【0029】
冷却器45は、液体窒素が充填された不図示のタンクと、タンクを冷却するためにタンクの周辺に配される不図示の液体ヘリウムコンプレッサーとを備え、冷却器45と駆動部5に配された断熱冷媒容器22,27とは、冷却配管46によって固定接続されている。
【0030】
本実施形態に係るポッド型推進装置1の組み立て方法について、図4から図6に基づき説明する。
第一駆動部7及び第二駆動部8をポッド本体6内に取り付ける際には、第一軸固定部10の他端10b側と第二軸固定部11の一端11a側とを対向させて、第一駆動軸31の大径部31A側を第一駆動部7の第一軸固定部10に嵌合させ、第一駆動軸31の小径部31B側を第二駆動部8の第二軸固定部11に挿通させる。そして、第二駆動軸32の一端32a側を第二駆動部8の第二軸固定部11に挿入して嵌合させる。
【0031】
そして、第一口金部28の内周面と第一駆動軸31に係る大径部31Aの外周面との間に、楔状の固定部材47を挿入して第一駆動軸31と第一軸固定部10とを固定する。同様に、第二口金部33の内周面と第二駆動軸32に係る外周面との間に楔状の固定部材47を挿入して第二駆動軸32と第二軸固定部11とを固定する。
【0032】
次に、本実施形態に係るポッド型推進装置1の作用・効果について説明する。
このポッド型推進装置1を駆動する場合には、第一駆動部7及び第二駆動部8の界磁用断熱冷媒容器22及び電機子用断熱冷媒容器27に、冷却器45から冷却配管46を介して冷媒を供給し、界磁コイル12及び電機子コイル20を冷却して超電導状態とする。そして、直流電源40から界磁コイル12に直流電流を給電し、かつ、交流電源42から電機子コイル20に交流電流を給電する。
【0033】
この際、界磁コイル12の外周及び内周にそれぞれ異なる磁極が発生し、N極誘導子16及びS極誘導子17の界磁側固定子15A,15Bと対向する面から磁束が内部に導入される。そして、電機子側固定子21と対向する面に導入された磁束が現れる。この状態で電機子コイル20に三相交流を給電することにより、位相ズレによって電機子側固定子21の軸線回りに回転磁界が発生する。従って、N極誘導子16又はS極誘導子17と電機子コイル20との間の電磁誘導力により、一対の回転子18A,18Bが回転し、これに伴って、第一軸固定部10及び第一駆動軸31、並びに、第二軸固定部11及び第二駆動軸32が回転し、第一プロペラ38及び第二プロペラ39が回転する。
【0034】
そして、第一駆動部7及び第二駆動部8との間で、直流の向き又は交流の周期を反転させることにより、第一駆動軸31と第二駆動軸32とが互いに反転する。
【0035】
このポッド型推進装置1によれば、第一駆動部7の第一軸固定部10及び第二駆動部8の第二軸固定部11にそれぞれ第一駆動軸31及び第二駆動軸32を嵌合させて、ポッド本体6に回転自在に支持させることにより、駆動部に軸受がなくても、電機子コイル20とN極誘導子16及びS極誘導子17との電磁作用によって、第一軸固定部10とともに第一駆動軸31を回転させることができ、第二軸固定部11とともに第二駆動軸32を回転させることができる。この際、駆動軸2が受ける軸方向の力は、第一軸受部37A、第二軸受部37B及び第三軸受部37Cを介してポッド本体6で受けることができ、駆動部5の軸方向の負荷を抑えることができる。従って、電動機から軸受を不要にすることができる。
【0036】
次に、第2の実施形態について図7を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係るポッド型推進装置50の第二駆動軸51が中実軸とされて、第一駆動軸52と連結された一つの駆動軸53とした点である。
【0037】
図示しない第一軸固定部と図示しない第二軸固定部とは内径が略同一とされ、第一駆動部55及び第二駆動部56とは、略同一の構成とされている。駆動軸53は、一端53aが第一軸受部37Aに支持され、他端53b側が第三軸受部37Cに支持された状態で、他端53bに配されたプロペラ57が回転可能な長さに形成されている。
【0038】
このポッド型推進装置50は、第1の実施形態と同様に第一駆動部55及び第二駆動部56との間で直流の向き及び交流の周期を同期させることにより、第一駆動軸52と第二駆動軸51とが互いに同一方向に同一速度で回転する。従って、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、駆動部が第一駆動部と第二駆動部とを備えているとしているが、図8に示すように、一つの駆動部58を有するポッド型推進装置60であっても構わない。
【0040】
また、第1の実施形態のように、第一駆動軸と第二駆動軸とを嵌合させずに、第一駆動軸と第二駆動軸とをポッド本体の先端側と基端側とからそれぞれ突出させて、第一プロペラ及び第二プロペラをそれぞれ回転させても構わない。
さらに、舶用推進装置はポッド型推進装置に限らず、船体の機関室等の内部に直接配されるものでも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置を示す要部断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置の駆動部を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るポッド型推進装置を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るポッド型推進装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るポッド型推進装置を示す斜視図である
【符号の説明】
【0042】
1,50,60 ポッド型推進装置(舶用推進装置)、2,53 駆動軸、3 軸固定部、5,58 駆動部、6 ポッド本体(装置本体)、7,55 第一駆動部、8,56 第二駆動部、10 第一軸固定部、11 第二軸固定部、18A,18B 回転子、20 電機子コイル、31,52 第一駆動軸、32,51 第二駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する駆動軸を有する舶用推進装置であって、
前記駆動軸が嵌合される中空の軸固定部が内部に設けられた駆動部と、
該駆動部を内部に収納するとともに、前記駆動軸を回転自在に支持する装置本体とを備え、
前記駆動部が、磁性体を有し、前記軸固定部と嵌合される貫通孔が設けられた回転子と、
前記磁性体と対向配置された電機子コイルを有し、前記軸固定部が挿通される挿通孔が設けられた電機子側固定子とを備えていることを特徴とする舶用推進装置。
【請求項2】
前記駆動部が、前記駆動軸の軸方向に沿って配された第一駆動部及び第二駆動部を備え、
前記軸固定部が、前記第一駆動部に配された第一軸固定部と、前記第二駆動部に配された第二軸固定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の舶用推進装置。
【請求項3】
前記駆動軸が、前記第一軸固定部に嵌合される第一駆動軸と、
前記第二軸固定部に嵌合される第二駆動軸とを備え、
前記第一駆動軸又は前記第二駆動軸の何れか一方が中空に形成され、隙間を設けて他方が挿通されていることを特徴とする請求項2に記載の舶用推進装置。
【請求項4】
前記第一駆動軸と前記第二駆動軸とが反転することを特徴とする請求項3に記載の舶用推進装置。
【請求項5】
前記電機子コイルが、超電導部材を備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の舶用推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−1280(P2008−1280A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174009(P2006−174009)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)