船底斜壁面点検用仮設足場装置
【課題】船底の斜壁面に立て掛ける梯子を作業者が保持しておく必要がなく、その梯子を所定位置に保持固定できる船底斜壁面点検用仮設足場装置を提供する
【解決手段】永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプを備えたベース枠1と、梯子受け梁7と、下端部に係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した短梯子11と、下端部に係止用フックを有する長梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体によって吸着固定し、ベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管に梯子12の下端側係止用フック18を係止させ、梯子12全体を斜壁面30に添接させる。
【解決手段】永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプを備えたベース枠1と、梯子受け梁7と、下端部に係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した短梯子11と、下端部に係止用フックを有する長梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体によって吸着固定し、ベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管に梯子12の下端側係止用フック18を係止させ、梯子12全体を斜壁面30に添接させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば木材運搬船などの船舶の船底部、特に船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の清掃や点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙の原料であるチップを船底部に収容して運搬する大型船舶では、船底部の床面及びこの床面から斜めに立ち上がる斜壁面に銹が発生するとチップに悪影響を及ぼすことから、その床面から斜壁面に亘る船底部を比較的頻繁に点検することが必要とされる。然るに、床面側の点検は容易であるが、斜壁面側は、大型船舶の場合には高さが相当に高いため、その点検には従来より梯子を使用し、梯子を床面の端部から斜壁面に立て掛けて点検作業を行なっていた。
【0003】
しかし、斜壁面に梯子を立て掛けるためには、梯子に乗って点検を行なう作業者以外に梯子を保持固定しておくための作業者を必要することになって、作業能率が非常に悪かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑み、船底の斜壁面に立て掛ける梯子を作業者が保持しておく必要がなく、その梯子を所定位置に保持固定させることのできるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、本発明の請求項1に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有する梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたことを特徴とする。この発明における梯子11は長さに関係がなく、比較的短いものでもよいし、長いものでもよい。
【0006】
請求項2に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した複数の梯子11とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子11の下端側係止用フックを係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させ、この梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させるようにしたことを特徴とする。この発明における複数の梯子11は、比較的長いものと短いものの組み合わせ、比較的短いものどうしの組み合わせ、比較的長いものどうしの組み合わせのいずれでもよい。
【0007】
請求項3に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した長さの短い短梯子11と、下端部に係止用フック18を有する、前記短梯子11よりも長い長梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に短梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、短梯子11全体を斜壁面30に添接させ、この短梯子11の上端側接続用単管19に長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、長梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、ベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒4に、単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたことを特徴としている。
【0009】
請求項5は、請求項1〜4の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、ベース枠1の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体3を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体3の近傍のベース枠部分に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を上下方向に貫通するように螺着してなることを特徴とする。
【0010】
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、梯子11,12の上端部両側と、この梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架してなることを特徴とする。
【0011】
請求項7は、請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、梯子11,12の下端側係止用フック18は、落下錠片付きフックからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え、枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有する梯子12とからなるもので、船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたから、組立・設置が容易に行なえると共に、作業者は、船底の斜壁面30に立て掛ける梯子12をいちいち保持する必要がなく、点検作業のみを行なえばよく、従って最小人数の作業者によって効率よく点検作業を行なうことができる。
【0013】
請求項2に係る発明の船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え、枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した複数の梯子11とからなるもので、船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子11の下端側係止用フックを係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させ、この梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて梯子11全体を斜壁面に添接させ、以降同様な操作を繰り返し行なうことによって、複数の梯子11を順次継ぎ足して仮設足場装置とすることができる。これによると、高さの相当高い大型船舶の船底斜壁面30にも十分に対応することができる。
【0014】
請求項3に係る発明の仮設足場装置によれば、上記請求項1に係る発明と同様な効果を奏する他に、2つの梯子11,12を上下二段に接続して使用して、下段側を長さの短い短梯子11とし、上段側を長さの長い長梯子12としているから、下段側梯子11に上段側梯子12を接続するのに、上段側梯子12の上端部を斜壁面30にもたれ掛けさせた状態(あずけた状態)でその下端部を作業者が持ち上げながら、床面20から下段側梯子11に登って上段側梯子12の下端部を下段側梯子11に接続することによって、梯子11,12の接続作業を効率良く安全に行なえる。この場合、下段側梯子11の長さを例えば1400mm程度と短くすることによって、その接続作業を一層安全に行なうことができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、ベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒4に、クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたから、単管固定用クランプ5が破損するなどして交換する場合にクランプ5の交換が容易となる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、ベース枠1の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体3を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体3の近傍のベース枠部分に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を上下方向に貫通するように螺着するようにしたから、ベース枠1を所定の位置にセットする際に、このボルト10を締め込んで支持枠片15より下方へ十分に突出させて、吸着体3を床面20から浮かせて床面20に対する吸着体3の磁気吸引力を弱めた状態で、ベース枠1を床面20上に仮固定すれば、所定位置へのベース枠1の位置決め調整が容易となり、そしてボルト10を緩めることによって所定位置に的確に固定させることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、梯子11,12の上端部両側と、梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架することにより、係止用フック18を梯子受け梁7の水平単管8や梯子11の接続用単管19に対し確実に固定できて、梯子11,12の転倒を防止し、作業の安全を十分に確保できる。
【0018】
請求項7に係る発明のように、梯子11,12の下端側係止用フック18が落下錠片付きフックからなるものとすれば、係止用フック18は、梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱することがなく、梯子12の転倒を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は大型船舶の船底の一部をを示したもので、20は船底床面、30は床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面である。図2〜図7は本発明に係る船底斜壁面点検用仮設足場装置の構成部材を示しており、図2の(a) はベース枠1の正面図、(b) は平面図、(c) は右側面図であり、図3の(a) は単管固定用クランプ5及びこれを取り付けたクランプ取付用外筒6の正面図、(b) は平面図であり、図4の(a) は紐体取付用クランプの正面図、(b) は側面図であり、図5の(a) は梯子受け梁の正面図、(b) は(a) の矢印Hで示す部分の拡大図、(c) は同部分の右側面図であり、図6の(a) は短梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Aで示される部分の拡大図、(c) は(a) のB矢視図であり、(d) は(b) のC−C線断面図、(e) は(d) のD−D線断面図であり、図7の(a) は長梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Eで示される部分の拡大図、(c) は(a) のF矢視図であり、(d) は(b) のG−G線断面図である。
【0020】
本発明に係る船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を有し且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を設けたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に両側一対の係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した長さの短い短梯子11と、下端部に両側一対の係止用フックを有する、前記短梯子11よりも長さの長い長梯子12とから構成される。
【0021】
上記仮設足場装置の構造について更に詳しく説明すれば、ベース枠1は、図2の(b) に示すように、平面視正方形に形成した接地基板13の左右両端部上に夫々支持枠片14,14の一端部を固着すると共に、接地基板13の前端部上に支持枠片15の一端部を固着してなるもので、各支持枠片14,15の中央部下面に永久磁石からなる円盤状の吸着体3を、その下面が接地基板13の下面と面一になるようにボルト・ナット16で固定し、永久磁石からなる吸着体3をその強力な磁力で鋼板製の船底床面20に吸着させることによってベース枠1を床面20に固定するようにしたものである。また、このベース枠1には接地基板13上の中央部にクランプ取付用内筒4を立設している。
【0022】
上記のようにベース枠1の3つの支持枠片14,14,15に取り付けられた3個の吸着体3,3,3は、図2の(b) から分かるように、ベース枠1の下面側で二等辺三角形Tの各頂点に対応する位置にあって、二等辺三角形Tの二等辺t,tを挟む頂点に位置する吸着体3が取り付けられた支持枠片15の先端部には、吸着体3を床面20から浮かすための吸着体浮かし用ボルト10がこの支持枠片15を上下方向に貫通するように螺着されている。
【0023】
この吸着体浮かし用ボルト10は、吸着体3の磁力が強いためにベース枠1を位置決めする際にそのままの状態ではベース枠1の下面側が床面20に強固に吸着されて位置決めが困難となることから、図8に示すように、このボルト10をねじ込んでボルト先端部を支持枠片15より下方へ十分に突出させ、この支持枠片15側の吸着体3を床面20から浮かせることにより、床面20上の所定位置に対するベース枠1の位置決め調整が容易に行なえるようにしたものである。
【0024】
図3に示すように、ベース枠1の接地基板13上に立設したクランプ取付用内筒4には単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6が着脱自在に嵌合されるようになっている。このクランプ5は、周知構造のパイプクランプである。
【0025】
梯子受け梁7は、図4に示しているが、例えば外径48.6mm、長さ4300mmの上下2本の水平単管8を所定の間隔で鋼板片からなる複数個の連結材9により連結してなるもので、上部側の水平単管8には両端部に位置決めベース17が固着されている。
【0026】
短梯子11は、図6の(a) 〜(e) に示すように、長さが例えば1400mmの左右一対の固定フレーム21,21に長さ方向一定間隔おきに配置した踏板23の両端面23a,23aの夫々一端部を枢軸24aで固定フレーム21に枢着し、夫々他端部を枢軸24bで可動フレーム22に枢着し、それにより各踏板23を揺動可能とすると共に、可動フレーム22が固定フレーム21に重合するように折り畳み可能とする。しかして、固定フレーム21には踏板23と交差する方向に位置する踏板角度固定用リンク25の一端部を枢軸26で枢着し、このリンク25の他端部には可動フレーム22にその長手方向にスライド可能に支持されるスライダー27をリンク固定ボルト(図示せず)を介して軸着する。各固定フレーム21の下端部には係止用フック18が取り付けられ、また左右一対の固定フレーム21,21は、その両端部どうしが夫々連結部材28により連結され、そして各固定フレーム21の上端部に単管取付腕29が取り付けられ、両単管取付腕29,29間に接続用単管19が横架される。
【0027】
このように構成される短梯子11の使用方法については後述するが、固定フレーム21側が傾斜面に沿うように設置して使用するもので、傾斜面がどのような傾斜角度であっても踏板23を水平姿勢に保持する必要があるから、踏板角度固定用リンク25の操作用ノブ(図示せず)を操作して、スライダー27をスライドさせながら、踏板23が水平姿勢となるようにリンク固定ボルト(図示せず)をねじ込んで締め付け、これにより全ての踏板23を一斉に所定角度に固定する。使用後は、リンク固定ボルトを緩めて抜き取れば、スライダー27がスライドして、踏板角度固定用リンク25が傾倒し、これによって可動フレーム22は固定フレーム21に重合するように折り畳まれる。
【0028】
長梯子12は、図7の(a) 〜(d) に示すように、長さが短梯子11の2.5〜3倍程度長いだけで、短梯子11と殆ど同じ様な構成である。即ち、長さが例えば3850mmの左右一対の固定フレーム21,21に一定間隔おきに配置した踏板23の両端面23a,23aの夫々一端部を枢軸24aで固定フレーム21に枢着し、夫々他端部を枢軸24bで可動フレーム22に枢着し、それにより各踏板23を揺動可能とすると共に、可動フレーム22が固定フレーム21に重合するように折り畳み可能とする。固定フレーム21には踏板23と交差する方向に位置する踏板角度固定用リンク25の一端部を枢軸26で枢着し、このリンク25の他端部には可動フレーム22にその長手方向にスライド可能に支持されるスライダー27をリンク固定ボルト(図示せず)を介して軸着する。各固定フレーム21の下端部及び上端部には夫々係止用フック18が取り付けられ、また左右一対の固定フレーム21,21は、両端部どうしを夫々連結部材28により連結する。
【0029】
長梯子12と短梯子11とが長さ以外で異なる点は、短梯子11では固定フレーム21の下端部に係止用フック18が取り付けられ、上端部に接続用単管19が設けられているに対し、長梯子12では固定フレーム21の上下両端部に夫々係止用フック18が取り付けてある点である。長梯子12の使用方法については後述するが、長梯子12の操作自体は短梯子11と同じである。尚、長梯子12では、左右一対の固定フレーム21,21の夫々上端部に梯子倒れ防止用紐体の端部を取り付ける取付リング31が設けてある。
【0030】
以上のように構成される船底斜壁面点検用仮設足場装置の組立方法について、図8〜図15によって他の図面をも参照しながら、以下に説明する。
【0031】
先ず、図1に示すような船底における所定のベース枠設置位置を清掃し、ベース枠1の吸着体3が磁石効力を十分発揮し易い環境をつくる。そして、図8の(a) に示すように、ベース枠1の吸着体浮かし用ボルト10を予め締め込み、先端部を吸着体3の下面よりも突出させて、このボルト10側が上位に位置するようにベース枠1を傾斜させた状態で、接地基板13の端部13aを、(b) に示すように床面20と斜壁面30との境界部(船体折れ部)Qに合わせ、指詰めに注意しながら(c) に示すように仮固定する。この仮固定状態でベース枠1を所定位置まで微調整した後、(d) に示すように、ボルト10を緩めて、3個の吸着体3を床面20に吸着させ、ベース枠1を所定位置に固定する。(e) は、このベース枠1の固定状態を平面図で示したものである。ベース枠1の設置箇所は、図9に示すように4箇所とする。
【0032】
次いで、図10の(a) に示すように、単管固定用クランプ5付きの外筒6をベース枠1上のクランプ取付用内筒4に上方より嵌合し、そして(b) 及び(c) に示すように、4箇所設置したベース枠1・・・の左右2箇所ずつのベース枠1,1上の単管固定用クランプ5,5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、この状態を図11に示す。左右に隣り合う両梯子受け梁7,7間の隙間は5cm程度とする。尚、梯子受け梁7の上部側水平単管8には図5により説明したように両端部に位置決めベース17が取り付けてあるため、梯子受け梁7を(b) に示す状態からそのまま下方へスライドさせるようにすれば、下部側水平単管8をクランプ5に嵌め込んで容易に固定することができる。
【0033】
上記のようにしてベース枠1に単管固定用クランプ5によって固定した梯子受け梁7の上部側水平単管8に、短梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、図12の(a) 及び(b) に示すように短梯子11全体を斜壁面30に添接させると共に、梯子11の踏板23が水平姿勢となるようにセットする。図16の(a)は短梯子11の下端側係止用フック18を梯子受け梁7の上部側水平単管8に係止した状態の拡大側面図、(b) は(a) の一部平面図である。
【0034】
そして、短梯子11の上端側水平単管8に長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、長梯子12全体を斜壁面30に添接させる。この際、作業者は、図12の(c) に示すように、長梯子12の上端部である上端部側係止用フック18を斜壁面30にもたれ掛けさせ(あずけ)て、後端部側を持ち上げながら、(d) に示すように、短梯子11を登って長梯子12の下端側係止用フック18を短梯子11の上端側水平単管8に係止させ、これによって短梯子11に長梯子12を接続する。図17の(a)は短梯子11に長梯子12を接続した状態の拡大側面図、(b) は(a) の矢印Mで示す部分の拡大図、(c) は(b) のI−I線断面図である。
【0035】
短梯子11に長梯子12を接続した後、図13の(a) ,(b) に概略示すように、短梯子11及び長梯子12に夫々手摺り32,33を設置する。この手摺り32,33は、図示は省略するが、手摺取付ブラケットを介して各梯子11,12の左右両固定フレーム21,21に取り付ける。図13の(a) は短梯子11及び長梯子12に手摺り32,33を取り付けた状態の概略側面図、(b) は手摺り32を短梯子11に取り付けている状態の説明図である。
【0036】
上記のように短梯子11に長梯子12を接続してこれらに手摺り32,33を取り付けた後、長梯子12の上端部両側と、長梯子12及び短梯子11を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34,34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架する。この梯子倒れ防止用紐体34を張架するにあたっては、図14に示すように紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7の上部側水平単管8の両端部所要位置に固定し、このクランプ35と、長梯子12の上端部両側に取り付けてある取付リング31,31とに亘って夫々梯子倒れ防止用紐体34,34を張り渡す(図18参照)。
【0037】
紐体取付用クランプ35は、図4の(a) ,(b) に示すように、パイプクランプ36の本体36aに取り付けてあるボルト(図示せず)にアイナット37を螺着してなるもので、図18に示すように、アイナット37のリング部37aに梯子倒れ防止用紐体34の下端側フック34aを取り付けるようにしている。
【0038】
上記梯子倒れ防止用紐体34は、短梯子11や長梯子12の下端部に取り付けられる係止用フック18が、ストッパーの付いていない単なる普通のフックであると、作業中に梯子11,12がガタつき易くなって、その係止用フック18が梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱し易くなり、それがために梯子11,12が倒れる危険性があることから、このような危険を回避するために設けられるもので、長梯子12の上端部両側と、梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34,34を略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架することによって、係止用フック18を梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19に確実に固定させることができて、梯子11,12の転倒を防止し、作業の安全を十分に確保することができる。
【0039】
また、上記のような梯子倒れ防止用紐体34を使用する代わりに、短梯子11や長梯子12の下端部に取り付けられる係止用フック18として、落下錠片付きフックを使用すれば、その係止用フック18は、梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱することがなくなり、梯子倒れ防止用紐体34と同じ様に梯子11,12の転倒を防止することができる。
【0040】
この落下錠片付きフックは18は、図16の(c) に示すように、水平単管8や短梯子11の接続用単管19に対し上方向から係止されるフック本体18aと、単管8,19に対しフック本体18aの上方向への移動を阻止する落下錠片18bとから構成され、落下錠片18bは、上下2箇所に長孔a,bを有する円弧片からなるもので、両長孔a,bに夫々通されてフック本体18aに固着されたピンc,dによって、同図に実線で示すロック位置と仮想線で示すロック解除位置との間でスライド自在に取り付けられ、常時は自重で実線図示のロック位置に保持されるようになっている。
【0041】
尚、この実施形態の仮設足場装置の長梯子12の上下端部に取り付けている係止用フック18は、図7の(a) 〜(d) から分かるように落下錠片付きフック構造となっている。
【0042】
この船底斜壁面点検用仮設足場装置の使用による船底斜壁面30の点検作業は、図14の(b) や図18の(a) に示すように組み立てられた状態で、作業者が床面20から短梯子11に登り、更に長梯子12へ登って、斜壁面30の下端部から上端部に亘る全域を点検することができる。この場合、作業者は、船底の斜壁面30に立て掛ける梯子11,12を保持しておく必要がないため、点検作業のみを行なえばよく、従って最小人数の作業者によって効率よく点検作業を行なうことができる。
【0043】
上述した実施形態の仮設足場装置では、2つの梯子11,12を上下二段に接続して使用すると共に、下段側を長さの短い短梯子11とし、上段側を長さの長い長梯子12としているから、下段側梯子11に上段側梯子12を接続するときに、図12に示すように、上段側梯子12の上端部を斜壁面30にもたれ掛けさせた(あずけた)状態でその下端部を作業者が持ち上げながら、床面20から下段側梯子11に登って上段側梯子12の下端部を下段側梯子11に接続することにより、梯子の接続作業を効率良く行なえると共に、下段側梯子11が短いためにその作業を安全に行なうことができる。またこの際、下段側梯子11の長さを例えば1400mm程度と短くすることによって、その接続作業をより安全に行なうことができる。
【0044】
また、この実施形態の仮設足場装置では、下段側の短梯子11に上段側の長梯子12を接続するようにしているが、本発明に係る他の船底斜壁面点検用仮設足場装置としては、図示は省略するが、比較的長さの長い梯子、例えばこの実施形態に例示したような長梯子12あるいはそれ以上に長さの長い梯子を1つだけ使用したものでもよい。この場合の梯子は下端部に両側一対の係止用フックを有しておればよい。しかして、組立に際しては、斜壁面30の下端に近接する船底の床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に、梯子、例えば長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、この長梯子12の全体を斜壁面30に添接させるようにすればよい。
【0045】
また本発明に係る更に他の船底斜壁面点検用仮設足場装置として、図示は省略するが、例えば、上述した実施形態の短梯子11のように下端部に両側一対の係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架してなる梯子を複数使用したものでもよい。しかして、この場合には、梯子、例えば実施形態の短梯子11の下端側係止用フック18を梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、その梯子11全体を斜壁面に添接させ、以降同様な操作を繰り返し行なうことによって、複数の梯子11を順次継ぎ足して仮設足場装置とすることができる。これによると、高さの相当に高い大型船舶の船底斜壁面30に十分に対応することができる。
【0046】
図15の(a) ,(b) は仮設足場装置の使用時に梯子11,12のみを移動させる場合の手順を示したもので、左右両側に設置した梯子受け梁7,7のうちの片方の梯子受け梁7上で梯子11,12を移動させる場合であって、先ず、梯子倒れ防止用紐体34を緩め、紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7から外し、梯子11,12を、(a) に示すような梯子受け梁7上の中央部位から、(b) に示すような同梯子受け梁7上の右端部位へ移動させ、そして紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7上の所定位置に固定し、梯子倒れ防止用紐体34を緊張させる。
【0047】
図15の(c) 〜(e) は梯子11,12及び梯子受け梁7を移動させる場合の手順を示すもので、先ず、図15の(a) ,(b) に示す手順と同じ手順で一方の梯子受け梁7上の中央部位にある梯子11,12を(c) に示すように同梯子受け梁7上の右端部位へ移動させ、そして梯子11,12を上記同様な手順で他方の梯子受け梁7上の左端部位へ移動させて(d) に示す状態とし、更に同様な手順で梯子11,12を(e) に示すように同梯子受け梁7上の中央部位まで移動させる。この後、ベース枠1を予め所定の位置にセットし、しかして(e) の仮想線図示のようにフリーとなった梯子受け梁7を同図の矢印で示すように反対側の所定位置へ転用する。
【0048】
以上説明した実施形態の船底斜壁面点検用仮設足場装置では、図10の(a) に示すようにベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒6に、単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたが、単管固定用クランプ5をベース枠1上の所要位置に固定的に設けておいてもよい。しかし、この実施形態のような構成にすれば、単管固定用クランプ5が破損するなどして交換する場合にクランプ5の交換が容易となる。
【0049】
また、この実施形態の仮設足場装置では、ベース枠1の3つの支持枠片14,14,15に取り付けられた3個の吸着体3,3,3が、ベース枠1の下面側で二等辺三角形Tの各頂点に対応する位置にあって、その二等辺三角形Tの二等辺t,tを挟む頂点に位置する吸着体3を取り付けた支持枠片15の先端部に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を螺着してなるもので、ベース枠1を所定の位置にセットする際に、このボルト10を締め込んで支持枠片15より下方へ十分に突出させておくことにより、吸着体3が床面20から浮いて床面20に対する吸着体3の磁気吸引力が弱くなるから、この状態でベース枠1を床面20上に仮固定すれば、所定位置へのベース枠1の位置決め調整が容易となり、そしてボルト10を緩めることによって所定位置に的確に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】大型船舶の船底の一部をを示す斜視図である。
【図2】(a) はベース枠の正面図、(b) は平面図、(c) は右側面図である。
【図3】(a) は単管固定用クランプ及びこれを取り付けたクランプ取付用外筒を示す正面図、(b) は平面図である。
【図4】(a) は紐体取付用クランプの正面図、(b) は側面図である。
【図5】(a) は梯子受け梁の正面図、(b) は(a) の矢印Hで示す部分の拡大図、(c) は同部分の右側面図である。
【図6】(a) は短梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Aで示される部分の拡大図、(c) は(a) のB矢視図であり、(d) は(b) のC−C線断面図、(e) は(d) のD−D線断面図である。
【図7】図7の(a) は長梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Eで示される部分の拡大図、(c) は(a) のF矢視図であり、(d) は(b) のG−G線断面図である。
【図8】(a) 〜(e) は船底斜壁面点検用仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図9】ベース枠の設置状態を示す説明図である。
【図10】(a) 〜(c) は仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図11】ベース枠及びこれに取り付けられた梯子受け梁の取付状態を示す説明図である。
【図12】(a) 〜(d) は仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図13】(a)は仮設足場装置の設置状態を示す概略側面図、(b) は手摺りを取り付けている状態を示す説明図である。
【図14】(a) は梯子に梯子倒れ防止用紐体を張架する前の状態での正面図であり、(a-1) は(a) の矢印Jで示す部分の拡大図、(a-2) は 同部分の拡大縦断面図であり、(b) は梯子に梯子倒れ防止用紐体を張架する前の状態での正面図である。
【図15】(a) ,(b) は仮設足場装置の使用時に梯子のみを移動させる場合の手順を示す説明図、(c) 〜(e) は梯子及び梯子受け梁を移動させる場合の手順を示す説明図である。
【図16】(a)は短梯子の下端側係止用フックを梯子受け梁の上部側水平単管に係止した状態の拡大側面図、(b) はその平面図であり、(c) は落下錠片付き係止フックを示す側面図である。
【図17】(a) は仮設足場装置の設置状態を示す側面図、(b) は(a) の矢印Mで示す部分の拡大側面図、(c) は(b) のI−I線断面図である。
【図18】梯子倒れ防止用紐体を張渡した状態での仮設足場装置の拡大正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ベース枠
2 枠体
3 吸着体
4 クランプ取付用内筒
5 単管固定用クランプ
6 クランプ取付用外筒
7 梯子受け梁
8 水平単管
10 吸着体浮かし用ボルト
11 短梯子
12 長梯子
18 係止用フック
20 船底床面
30 船底斜壁面
34 梯子倒れ防止用紐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば木材運搬船などの船舶の船底部、特に船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の清掃や点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙の原料であるチップを船底部に収容して運搬する大型船舶では、船底部の床面及びこの床面から斜めに立ち上がる斜壁面に銹が発生するとチップに悪影響を及ぼすことから、その床面から斜壁面に亘る船底部を比較的頻繁に点検することが必要とされる。然るに、床面側の点検は容易であるが、斜壁面側は、大型船舶の場合には高さが相当に高いため、その点検には従来より梯子を使用し、梯子を床面の端部から斜壁面に立て掛けて点検作業を行なっていた。
【0003】
しかし、斜壁面に梯子を立て掛けるためには、梯子に乗って点検を行なう作業者以外に梯子を保持固定しておくための作業者を必要することになって、作業能率が非常に悪かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑み、船底の斜壁面に立て掛ける梯子を作業者が保持しておく必要がなく、その梯子を所定位置に保持固定させることのできるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、本発明の請求項1に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有する梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたことを特徴とする。この発明における梯子11は長さに関係がなく、比較的短いものでもよいし、長いものでもよい。
【0006】
請求項2に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した複数の梯子11とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子11の下端側係止用フックを係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させ、この梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させるようにしたことを特徴とする。この発明における複数の梯子11は、比較的長いものと短いものの組み合わせ、比較的短いものどうしの組み合わせ、比較的長いものどうしの組み合わせのいずれでもよい。
【0007】
請求項3に係る発明は、船底床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面30の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した長さの短い短梯子11と、下端部に係止用フック18を有する、前記短梯子11よりも長い長梯子12とからなり、斜壁面30の下端に近接する船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に短梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、短梯子11全体を斜壁面30に添接させ、この短梯子11の上端側接続用単管19に長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、長梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、ベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒4に、単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたことを特徴としている。
【0009】
請求項5は、請求項1〜4の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、ベース枠1の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体3を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体3の近傍のベース枠部分に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を上下方向に貫通するように螺着してなることを特徴とする。
【0010】
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、梯子11,12の上端部両側と、この梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架してなることを特徴とする。
【0011】
請求項7は、請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置において、梯子11,12の下端側係止用フック18は、落下錠片付きフックからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え、枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有する梯子12とからなるもので、船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、梯子12全体を斜壁面30に添接させるようにしたから、組立・設置が容易に行なえると共に、作業者は、船底の斜壁面30に立て掛ける梯子12をいちいち保持する必要がなく、点検作業のみを行なえばよく、従って最小人数の作業者によって効率よく点検作業を行なうことができる。
【0013】
請求項2に係る発明の船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を備え、枠体2上に単管固定用クランプ5を備えたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架した複数の梯子11とからなるもので、船底床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に梯子11の下端側係止用フックを係止させて、梯子11全体を斜壁面に添接させ、この梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて梯子11全体を斜壁面に添接させ、以降同様な操作を繰り返し行なうことによって、複数の梯子11を順次継ぎ足して仮設足場装置とすることができる。これによると、高さの相当高い大型船舶の船底斜壁面30にも十分に対応することができる。
【0014】
請求項3に係る発明の仮設足場装置によれば、上記請求項1に係る発明と同様な効果を奏する他に、2つの梯子11,12を上下二段に接続して使用して、下段側を長さの短い短梯子11とし、上段側を長さの長い長梯子12としているから、下段側梯子11に上段側梯子12を接続するのに、上段側梯子12の上端部を斜壁面30にもたれ掛けさせた状態(あずけた状態)でその下端部を作業者が持ち上げながら、床面20から下段側梯子11に登って上段側梯子12の下端部を下段側梯子11に接続することによって、梯子11,12の接続作業を効率良く安全に行なえる。この場合、下段側梯子11の長さを例えば1400mm程度と短くすることによって、その接続作業を一層安全に行なうことができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、ベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒4に、クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたから、単管固定用クランプ5が破損するなどして交換する場合にクランプ5の交換が容易となる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、ベース枠1の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体3を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体3の近傍のベース枠部分に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を上下方向に貫通するように螺着するようにしたから、ベース枠1を所定の位置にセットする際に、このボルト10を締め込んで支持枠片15より下方へ十分に突出させて、吸着体3を床面20から浮かせて床面20に対する吸着体3の磁気吸引力を弱めた状態で、ベース枠1を床面20上に仮固定すれば、所定位置へのベース枠1の位置決め調整が容易となり、そしてボルト10を緩めることによって所定位置に的確に固定させることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、梯子11,12の上端部両側と、梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架することにより、係止用フック18を梯子受け梁7の水平単管8や梯子11の接続用単管19に対し確実に固定できて、梯子11,12の転倒を防止し、作業の安全を十分に確保できる。
【0018】
請求項7に係る発明のように、梯子11,12の下端側係止用フック18が落下錠片付きフックからなるものとすれば、係止用フック18は、梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱することがなく、梯子12の転倒を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は大型船舶の船底の一部をを示したもので、20は船底床面、30は床面20から斜めに立ち上がる船底斜壁面である。図2〜図7は本発明に係る船底斜壁面点検用仮設足場装置の構成部材を示しており、図2の(a) はベース枠1の正面図、(b) は平面図、(c) は右側面図であり、図3の(a) は単管固定用クランプ5及びこれを取り付けたクランプ取付用外筒6の正面図、(b) は平面図であり、図4の(a) は紐体取付用クランプの正面図、(b) は側面図であり、図5の(a) は梯子受け梁の正面図、(b) は(a) の矢印Hで示す部分の拡大図、(c) は同部分の右側面図であり、図6の(a) は短梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Aで示される部分の拡大図、(c) は(a) のB矢視図であり、(d) は(b) のC−C線断面図、(e) は(d) のD−D線断面図であり、図7の(a) は長梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Eで示される部分の拡大図、(c) は(a) のF矢視図であり、(d) は(b) のG−G線断面図である。
【0020】
本発明に係る船底斜壁面点検用仮設足場装置は、枠体2の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体3を有し且つ枠体2上に単管固定用クランプ5を設けたベース枠1と、上下2本の平行な水平単管8を連結材9で連結してなる梯子受け梁7と、下端部に両側一対の係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した長さの短い短梯子11と、下端部に両側一対の係止用フックを有する、前記短梯子11よりも長さの長い長梯子12とから構成される。
【0021】
上記仮設足場装置の構造について更に詳しく説明すれば、ベース枠1は、図2の(b) に示すように、平面視正方形に形成した接地基板13の左右両端部上に夫々支持枠片14,14の一端部を固着すると共に、接地基板13の前端部上に支持枠片15の一端部を固着してなるもので、各支持枠片14,15の中央部下面に永久磁石からなる円盤状の吸着体3を、その下面が接地基板13の下面と面一になるようにボルト・ナット16で固定し、永久磁石からなる吸着体3をその強力な磁力で鋼板製の船底床面20に吸着させることによってベース枠1を床面20に固定するようにしたものである。また、このベース枠1には接地基板13上の中央部にクランプ取付用内筒4を立設している。
【0022】
上記のようにベース枠1の3つの支持枠片14,14,15に取り付けられた3個の吸着体3,3,3は、図2の(b) から分かるように、ベース枠1の下面側で二等辺三角形Tの各頂点に対応する位置にあって、二等辺三角形Tの二等辺t,tを挟む頂点に位置する吸着体3が取り付けられた支持枠片15の先端部には、吸着体3を床面20から浮かすための吸着体浮かし用ボルト10がこの支持枠片15を上下方向に貫通するように螺着されている。
【0023】
この吸着体浮かし用ボルト10は、吸着体3の磁力が強いためにベース枠1を位置決めする際にそのままの状態ではベース枠1の下面側が床面20に強固に吸着されて位置決めが困難となることから、図8に示すように、このボルト10をねじ込んでボルト先端部を支持枠片15より下方へ十分に突出させ、この支持枠片15側の吸着体3を床面20から浮かせることにより、床面20上の所定位置に対するベース枠1の位置決め調整が容易に行なえるようにしたものである。
【0024】
図3に示すように、ベース枠1の接地基板13上に立設したクランプ取付用内筒4には単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6が着脱自在に嵌合されるようになっている。このクランプ5は、周知構造のパイプクランプである。
【0025】
梯子受け梁7は、図4に示しているが、例えば外径48.6mm、長さ4300mmの上下2本の水平単管8を所定の間隔で鋼板片からなる複数個の連結材9により連結してなるもので、上部側の水平単管8には両端部に位置決めベース17が固着されている。
【0026】
短梯子11は、図6の(a) 〜(e) に示すように、長さが例えば1400mmの左右一対の固定フレーム21,21に長さ方向一定間隔おきに配置した踏板23の両端面23a,23aの夫々一端部を枢軸24aで固定フレーム21に枢着し、夫々他端部を枢軸24bで可動フレーム22に枢着し、それにより各踏板23を揺動可能とすると共に、可動フレーム22が固定フレーム21に重合するように折り畳み可能とする。しかして、固定フレーム21には踏板23と交差する方向に位置する踏板角度固定用リンク25の一端部を枢軸26で枢着し、このリンク25の他端部には可動フレーム22にその長手方向にスライド可能に支持されるスライダー27をリンク固定ボルト(図示せず)を介して軸着する。各固定フレーム21の下端部には係止用フック18が取り付けられ、また左右一対の固定フレーム21,21は、その両端部どうしが夫々連結部材28により連結され、そして各固定フレーム21の上端部に単管取付腕29が取り付けられ、両単管取付腕29,29間に接続用単管19が横架される。
【0027】
このように構成される短梯子11の使用方法については後述するが、固定フレーム21側が傾斜面に沿うように設置して使用するもので、傾斜面がどのような傾斜角度であっても踏板23を水平姿勢に保持する必要があるから、踏板角度固定用リンク25の操作用ノブ(図示せず)を操作して、スライダー27をスライドさせながら、踏板23が水平姿勢となるようにリンク固定ボルト(図示せず)をねじ込んで締め付け、これにより全ての踏板23を一斉に所定角度に固定する。使用後は、リンク固定ボルトを緩めて抜き取れば、スライダー27がスライドして、踏板角度固定用リンク25が傾倒し、これによって可動フレーム22は固定フレーム21に重合するように折り畳まれる。
【0028】
長梯子12は、図7の(a) 〜(d) に示すように、長さが短梯子11の2.5〜3倍程度長いだけで、短梯子11と殆ど同じ様な構成である。即ち、長さが例えば3850mmの左右一対の固定フレーム21,21に一定間隔おきに配置した踏板23の両端面23a,23aの夫々一端部を枢軸24aで固定フレーム21に枢着し、夫々他端部を枢軸24bで可動フレーム22に枢着し、それにより各踏板23を揺動可能とすると共に、可動フレーム22が固定フレーム21に重合するように折り畳み可能とする。固定フレーム21には踏板23と交差する方向に位置する踏板角度固定用リンク25の一端部を枢軸26で枢着し、このリンク25の他端部には可動フレーム22にその長手方向にスライド可能に支持されるスライダー27をリンク固定ボルト(図示せず)を介して軸着する。各固定フレーム21の下端部及び上端部には夫々係止用フック18が取り付けられ、また左右一対の固定フレーム21,21は、両端部どうしを夫々連結部材28により連結する。
【0029】
長梯子12と短梯子11とが長さ以外で異なる点は、短梯子11では固定フレーム21の下端部に係止用フック18が取り付けられ、上端部に接続用単管19が設けられているに対し、長梯子12では固定フレーム21の上下両端部に夫々係止用フック18が取り付けてある点である。長梯子12の使用方法については後述するが、長梯子12の操作自体は短梯子11と同じである。尚、長梯子12では、左右一対の固定フレーム21,21の夫々上端部に梯子倒れ防止用紐体の端部を取り付ける取付リング31が設けてある。
【0030】
以上のように構成される船底斜壁面点検用仮設足場装置の組立方法について、図8〜図15によって他の図面をも参照しながら、以下に説明する。
【0031】
先ず、図1に示すような船底における所定のベース枠設置位置を清掃し、ベース枠1の吸着体3が磁石効力を十分発揮し易い環境をつくる。そして、図8の(a) に示すように、ベース枠1の吸着体浮かし用ボルト10を予め締め込み、先端部を吸着体3の下面よりも突出させて、このボルト10側が上位に位置するようにベース枠1を傾斜させた状態で、接地基板13の端部13aを、(b) に示すように床面20と斜壁面30との境界部(船体折れ部)Qに合わせ、指詰めに注意しながら(c) に示すように仮固定する。この仮固定状態でベース枠1を所定位置まで微調整した後、(d) に示すように、ボルト10を緩めて、3個の吸着体3を床面20に吸着させ、ベース枠1を所定位置に固定する。(e) は、このベース枠1の固定状態を平面図で示したものである。ベース枠1の設置箇所は、図9に示すように4箇所とする。
【0032】
次いで、図10の(a) に示すように、単管固定用クランプ5付きの外筒6をベース枠1上のクランプ取付用内筒4に上方より嵌合し、そして(b) 及び(c) に示すように、4箇所設置したベース枠1・・・の左右2箇所ずつのベース枠1,1上の単管固定用クランプ5,5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、この状態を図11に示す。左右に隣り合う両梯子受け梁7,7間の隙間は5cm程度とする。尚、梯子受け梁7の上部側水平単管8には図5により説明したように両端部に位置決めベース17が取り付けてあるため、梯子受け梁7を(b) に示す状態からそのまま下方へスライドさせるようにすれば、下部側水平単管8をクランプ5に嵌め込んで容易に固定することができる。
【0033】
上記のようにしてベース枠1に単管固定用クランプ5によって固定した梯子受け梁7の上部側水平単管8に、短梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、図12の(a) 及び(b) に示すように短梯子11全体を斜壁面30に添接させると共に、梯子11の踏板23が水平姿勢となるようにセットする。図16の(a)は短梯子11の下端側係止用フック18を梯子受け梁7の上部側水平単管8に係止した状態の拡大側面図、(b) は(a) の一部平面図である。
【0034】
そして、短梯子11の上端側水平単管8に長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、長梯子12全体を斜壁面30に添接させる。この際、作業者は、図12の(c) に示すように、長梯子12の上端部である上端部側係止用フック18を斜壁面30にもたれ掛けさせ(あずけ)て、後端部側を持ち上げながら、(d) に示すように、短梯子11を登って長梯子12の下端側係止用フック18を短梯子11の上端側水平単管8に係止させ、これによって短梯子11に長梯子12を接続する。図17の(a)は短梯子11に長梯子12を接続した状態の拡大側面図、(b) は(a) の矢印Mで示す部分の拡大図、(c) は(b) のI−I線断面図である。
【0035】
短梯子11に長梯子12を接続した後、図13の(a) ,(b) に概略示すように、短梯子11及び長梯子12に夫々手摺り32,33を設置する。この手摺り32,33は、図示は省略するが、手摺取付ブラケットを介して各梯子11,12の左右両固定フレーム21,21に取り付ける。図13の(a) は短梯子11及び長梯子12に手摺り32,33を取り付けた状態の概略側面図、(b) は手摺り32を短梯子11に取り付けている状態の説明図である。
【0036】
上記のように短梯子11に長梯子12を接続してこれらに手摺り32,33を取り付けた後、長梯子12の上端部両側と、長梯子12及び短梯子11を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34,34を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架する。この梯子倒れ防止用紐体34を張架するにあたっては、図14に示すように紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7の上部側水平単管8の両端部所要位置に固定し、このクランプ35と、長梯子12の上端部両側に取り付けてある取付リング31,31とに亘って夫々梯子倒れ防止用紐体34,34を張り渡す(図18参照)。
【0037】
紐体取付用クランプ35は、図4の(a) ,(b) に示すように、パイプクランプ36の本体36aに取り付けてあるボルト(図示せず)にアイナット37を螺着してなるもので、図18に示すように、アイナット37のリング部37aに梯子倒れ防止用紐体34の下端側フック34aを取り付けるようにしている。
【0038】
上記梯子倒れ防止用紐体34は、短梯子11や長梯子12の下端部に取り付けられる係止用フック18が、ストッパーの付いていない単なる普通のフックであると、作業中に梯子11,12がガタつき易くなって、その係止用フック18が梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱し易くなり、それがために梯子11,12が倒れる危険性があることから、このような危険を回避するために設けられるもので、長梯子12の上端部両側と、梯子11,12を挟んで梯子受け梁7上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体34,34を略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架することによって、係止用フック18を梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19に確実に固定させることができて、梯子11,12の転倒を防止し、作業の安全を十分に確保することができる。
【0039】
また、上記のような梯子倒れ防止用紐体34を使用する代わりに、短梯子11や長梯子12の下端部に取り付けられる係止用フック18として、落下錠片付きフックを使用すれば、その係止用フック18は、梯子受け梁7の水平単管8や短梯子11の接続用単管19から離脱することがなくなり、梯子倒れ防止用紐体34と同じ様に梯子11,12の転倒を防止することができる。
【0040】
この落下錠片付きフックは18は、図16の(c) に示すように、水平単管8や短梯子11の接続用単管19に対し上方向から係止されるフック本体18aと、単管8,19に対しフック本体18aの上方向への移動を阻止する落下錠片18bとから構成され、落下錠片18bは、上下2箇所に長孔a,bを有する円弧片からなるもので、両長孔a,bに夫々通されてフック本体18aに固着されたピンc,dによって、同図に実線で示すロック位置と仮想線で示すロック解除位置との間でスライド自在に取り付けられ、常時は自重で実線図示のロック位置に保持されるようになっている。
【0041】
尚、この実施形態の仮設足場装置の長梯子12の上下端部に取り付けている係止用フック18は、図7の(a) 〜(d) から分かるように落下錠片付きフック構造となっている。
【0042】
この船底斜壁面点検用仮設足場装置の使用による船底斜壁面30の点検作業は、図14の(b) や図18の(a) に示すように組み立てられた状態で、作業者が床面20から短梯子11に登り、更に長梯子12へ登って、斜壁面30の下端部から上端部に亘る全域を点検することができる。この場合、作業者は、船底の斜壁面30に立て掛ける梯子11,12を保持しておく必要がないため、点検作業のみを行なえばよく、従って最小人数の作業者によって効率よく点検作業を行なうことができる。
【0043】
上述した実施形態の仮設足場装置では、2つの梯子11,12を上下二段に接続して使用すると共に、下段側を長さの短い短梯子11とし、上段側を長さの長い長梯子12としているから、下段側梯子11に上段側梯子12を接続するときに、図12に示すように、上段側梯子12の上端部を斜壁面30にもたれ掛けさせた(あずけた)状態でその下端部を作業者が持ち上げながら、床面20から下段側梯子11に登って上段側梯子12の下端部を下段側梯子11に接続することにより、梯子の接続作業を効率良く行なえると共に、下段側梯子11が短いためにその作業を安全に行なうことができる。またこの際、下段側梯子11の長さを例えば1400mm程度と短くすることによって、その接続作業をより安全に行なうことができる。
【0044】
また、この実施形態の仮設足場装置では、下段側の短梯子11に上段側の長梯子12を接続するようにしているが、本発明に係る他の船底斜壁面点検用仮設足場装置としては、図示は省略するが、比較的長さの長い梯子、例えばこの実施形態に例示したような長梯子12あるいはそれ以上に長さの長い梯子を1つだけ使用したものでもよい。この場合の梯子は下端部に両側一対の係止用フックを有しておればよい。しかして、組立に際しては、斜壁面30の下端に近接する船底の床面20上にベース枠1を吸着体3によって吸着固定し、このベース枠1に単管固定用クランプ5によって梯子受け梁7の下部側水平単管8を固定し、梯子受け梁7の上部側水平単管8に、梯子、例えば長梯子12の下端側係止用フック18を係止させて、この長梯子12の全体を斜壁面30に添接させるようにすればよい。
【0045】
また本発明に係る更に他の船底斜壁面点検用仮設足場装置として、図示は省略するが、例えば、上述した実施形態の短梯子11のように下端部に両側一対の係止用フック18を有し且つ上端部に接続用単管19を横架してなる梯子を複数使用したものでもよい。しかして、この場合には、梯子、例えば実施形態の短梯子11の下端側係止用フック18を梯子11の上端側接続用単管19に他の梯子11の下端側係止用フック18を係止させて、その梯子11全体を斜壁面に添接させ、以降同様な操作を繰り返し行なうことによって、複数の梯子11を順次継ぎ足して仮設足場装置とすることができる。これによると、高さの相当に高い大型船舶の船底斜壁面30に十分に対応することができる。
【0046】
図15の(a) ,(b) は仮設足場装置の使用時に梯子11,12のみを移動させる場合の手順を示したもので、左右両側に設置した梯子受け梁7,7のうちの片方の梯子受け梁7上で梯子11,12を移動させる場合であって、先ず、梯子倒れ防止用紐体34を緩め、紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7から外し、梯子11,12を、(a) に示すような梯子受け梁7上の中央部位から、(b) に示すような同梯子受け梁7上の右端部位へ移動させ、そして紐体取付用クランプ35を梯子受け梁7上の所定位置に固定し、梯子倒れ防止用紐体34を緊張させる。
【0047】
図15の(c) 〜(e) は梯子11,12及び梯子受け梁7を移動させる場合の手順を示すもので、先ず、図15の(a) ,(b) に示す手順と同じ手順で一方の梯子受け梁7上の中央部位にある梯子11,12を(c) に示すように同梯子受け梁7上の右端部位へ移動させ、そして梯子11,12を上記同様な手順で他方の梯子受け梁7上の左端部位へ移動させて(d) に示す状態とし、更に同様な手順で梯子11,12を(e) に示すように同梯子受け梁7上の中央部位まで移動させる。この後、ベース枠1を予め所定の位置にセットし、しかして(e) の仮想線図示のようにフリーとなった梯子受け梁7を同図の矢印で示すように反対側の所定位置へ転用する。
【0048】
以上説明した実施形態の船底斜壁面点検用仮設足場装置では、図10の(a) に示すようにベース枠1の枠体2上にクランプ取付用内筒4を立設し、この内筒6に、単管固定用クランプ5を取り付けたクランプ取付用外筒6を着脱自在に嵌合するようにしたが、単管固定用クランプ5をベース枠1上の所要位置に固定的に設けておいてもよい。しかし、この実施形態のような構成にすれば、単管固定用クランプ5が破損するなどして交換する場合にクランプ5の交換が容易となる。
【0049】
また、この実施形態の仮設足場装置では、ベース枠1の3つの支持枠片14,14,15に取り付けられた3個の吸着体3,3,3が、ベース枠1の下面側で二等辺三角形Tの各頂点に対応する位置にあって、その二等辺三角形Tの二等辺t,tを挟む頂点に位置する吸着体3を取り付けた支持枠片15の先端部に、吸着体3を床面20から浮かす吸着体浮かし用ボルト10を螺着してなるもので、ベース枠1を所定の位置にセットする際に、このボルト10を締め込んで支持枠片15より下方へ十分に突出させておくことにより、吸着体3が床面20から浮いて床面20に対する吸着体3の磁気吸引力が弱くなるから、この状態でベース枠1を床面20上に仮固定すれば、所定位置へのベース枠1の位置決め調整が容易となり、そしてボルト10を緩めることによって所定位置に的確に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】大型船舶の船底の一部をを示す斜視図である。
【図2】(a) はベース枠の正面図、(b) は平面図、(c) は右側面図である。
【図3】(a) は単管固定用クランプ及びこれを取り付けたクランプ取付用外筒を示す正面図、(b) は平面図である。
【図4】(a) は紐体取付用クランプの正面図、(b) は側面図である。
【図5】(a) は梯子受け梁の正面図、(b) は(a) の矢印Hで示す部分の拡大図、(c) は同部分の右側面図である。
【図6】(a) は短梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Aで示される部分の拡大図、(c) は(a) のB矢視図であり、(d) は(b) のC−C線断面図、(e) は(d) のD−D線断面図である。
【図7】図7の(a) は長梯子の正面図、(b) は(a) の矢印Eで示される部分の拡大図、(c) は(a) のF矢視図であり、(d) は(b) のG−G線断面図である。
【図8】(a) 〜(e) は船底斜壁面点検用仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図9】ベース枠の設置状態を示す説明図である。
【図10】(a) 〜(c) は仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図11】ベース枠及びこれに取り付けられた梯子受け梁の取付状態を示す説明図である。
【図12】(a) 〜(d) は仮設足場装置の組立方法を説明する説明図である。
【図13】(a)は仮設足場装置の設置状態を示す概略側面図、(b) は手摺りを取り付けている状態を示す説明図である。
【図14】(a) は梯子に梯子倒れ防止用紐体を張架する前の状態での正面図であり、(a-1) は(a) の矢印Jで示す部分の拡大図、(a-2) は 同部分の拡大縦断面図であり、(b) は梯子に梯子倒れ防止用紐体を張架する前の状態での正面図である。
【図15】(a) ,(b) は仮設足場装置の使用時に梯子のみを移動させる場合の手順を示す説明図、(c) 〜(e) は梯子及び梯子受け梁を移動させる場合の手順を示す説明図である。
【図16】(a)は短梯子の下端側係止用フックを梯子受け梁の上部側水平単管に係止した状態の拡大側面図、(b) はその平面図であり、(c) は落下錠片付き係止フックを示す側面図である。
【図17】(a) は仮設足場装置の設置状態を示す側面図、(b) は(a) の矢印Mで示す部分の拡大側面図、(c) は(b) のI−I線断面図である。
【図18】梯子倒れ防止用紐体を張渡した状態での仮設足場装置の拡大正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ベース枠
2 枠体
3 吸着体
4 クランプ取付用内筒
5 単管固定用クランプ
6 クランプ取付用外筒
7 梯子受け梁
8 水平単管
10 吸着体浮かし用ボルト
11 短梯子
12 長梯子
18 係止用フック
20 船底床面
30 船底斜壁面
34 梯子倒れ防止用紐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に両側一対の係止用フックを有する梯子とからなり、
斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項2】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に両側一対の係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した複数の梯子とからなり、
斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させ、この梯子の上端側接続用単管に他の梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項3】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した長さの短い短梯子と、下端部に係止用フックを有する、前記短梯子よりも長い長梯子とからなり、 斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に短梯子の下端側係止用フックを係止させて、短梯子全体を斜壁面に添接させ、この短梯子の上端側接続用単管に長梯子の下端側係止用フックを係止させて、長梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項4】
ベース枠の枠体上にクランプ取付用内筒を立設し、この内筒に、単管固定用クランプを取り付けたクランプ取付用外筒を着脱自在に嵌合するようにした請求項1〜3の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項5】
ベース枠の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体の近傍のベース枠部分に、吸着体を床面から浮かす吸着体浮かし用ボルトを上下方向に貫通するように螺着してなる請求項1〜4の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項6】
梯子の上端部両側と、この梯子を挟んで梯子受け梁上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架してなる請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項7】
梯子の下端側係止用フックは、落下錠片付きフックからなる請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項1】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に両側一対の係止用フックを有する梯子とからなり、
斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項2】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に両側一対の係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した複数の梯子とからなり、
斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させ、この梯子の上端側接続用単管に他の梯子の下端側係止用フックを係止させて、梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項3】
船底床面から斜めに立ち上がる船底斜壁面の点検に使用する船底斜壁面点検用仮設足場装置であって、枠体の下部側に永久磁石からなる複数個の吸着体を備え且つ枠体上に単管固定用クランプを備えたベース枠と、上下2本の平行な水平単管を連結材で連結してなる梯子受け梁と、下端部に係止用フックを有し且つ上端部に接続用単管を横架した長さの短い短梯子と、下端部に係止用フックを有する、前記短梯子よりも長い長梯子とからなり、 斜壁面の下端に近接する船底床面上にベース枠を吸着体によって吸着固定し、このベース枠に単管固定用クランプによって梯子受け梁の下部側水平単管を固定し、梯子受け梁の上部側水平単管に短梯子の下端側係止用フックを係止させて、短梯子全体を斜壁面に添接させ、この短梯子の上端側接続用単管に長梯子の下端側係止用フックを係止させて、長梯子全体を斜壁面に添接させるようにした船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項4】
ベース枠の枠体上にクランプ取付用内筒を立設し、この内筒に、単管固定用クランプを取り付けたクランプ取付用外筒を着脱自在に嵌合するようにした請求項1〜3の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項5】
ベース枠の下面側には二等辺三角形の各頂点に対応する位置に、永久磁石からなる3個の吸着体を取り付けると共に、二等辺三角形の二等辺を挟む頂点に位置する吸着体の近傍のベース枠部分に、吸着体を床面から浮かす吸着体浮かし用ボルトを上下方向に貫通するように螺着してなる請求項1〜4の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項6】
梯子の上端部両側と、この梯子を挟んで梯子受け梁上の両側所要位置との間に、梯子倒れ防止用紐体を、略二等辺三角形の二等辺を形成するように張架してなる請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【請求項7】
梯子の下端側係止用フックは、落下錠片付きフックからなる請求項1〜5の何れかに記載の船底斜壁面点検用仮設足場装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−105458(P2008−105458A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287650(P2006−287650)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
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