説明

色が変化する吸収性物品

本発明は婦人衛生のための吸収性物品の分野に関する。本発明の吸収性物品は、外的な刺激に反応して色を変化させることができる。これらの色変化は、このような物品の使用者の目に見える。本明細書での外的な刺激は、圧力、温度、及び光である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は婦人衛生のための吸収性物品の分野に関する。本発明の吸収性物品は、外的な刺激に反応して色を変化させることができる。これらの色変化は、このような物品の使用者の目に見える。本明細書での外的な刺激は、圧力、温度、及び光である。
【背景技術】
【0002】
今日のファッション傾向はますます全体論的になってきており、そして今日の消費者は新しい経験への欲求を持っていることもまた周知である。特に若い女性は非常にトレンド指向的であり、かつ最近の流行にしたがって全体論的な様式で表現される環境を自ら創造しようと試みている。このような消費者達は更にますます特別な効果及び固有の色を求めている。
【0003】
パーソナル衛生のための吸収性物品は非常に機能的な方法で設計されている。黒いパンティライナー又はTバックのライナーのような非常にまれな例外を除いて、こうした物品はいかなるファッション要素、又は楽しみの要素も含まない。生理用パッド又はパンティライナーのような市販の吸収性物品は未だ通常は白色である。これは全体論的ファッションという点での上述の傾向を反映していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうして、現在のファッション及びライフスタイルの傾向とより調和した、婦人衛生の吸収性物品に対する要求が存在する。特に、楽しみの要素を包含し、ある意味では使用者に呼応しているこうした物品が必要とされている。
【0005】
使用中に色の変化をうける、当該技術分野で既知の吸収性物品がある。米国特許第5,389,093号は湿り度インジケータを有するおむつを開示している。湿り度インジケータはおむつのバックシートを通して目に見える様に印刷された図柄であり、この図柄は水溶性のインクによって印刷されている。おむつへの排尿時に水溶性のインクが溶解するのにしたがってその図柄が消失する。
【0006】
他の類似の手法は、サーモクロミックインクの色の変化によって排尿を示唆するおむつを開示している、米国特許第6,635,797号である。この文書は、おむつの外側に見える模様の出現/消失/装飾を通しておむつ中への排尿を示すことにより、幼児の排泄しつけ用に使用するためのおむつに焦点を絞っている。
【0007】
更に当該技術分野において、非常に多種多様な手術用衣類が存在し、それらは、特定のpH値でそれらの色を変化させる、特定の微生物又は物質に対するインジケータを包含する。
【0008】
これら全ての物品は、若い、流行に敏感な女性によって使用されるのには適していない。更に、これら全ての物品はいかなるファッション的要素も含んでおらず、流行の環境には適さない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、外的な刺激、特に光、圧力、又は温度に反応して色を変化させる婦人衛生のための吸収性物品を提供することによって、この要求を満足させる。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、物品は同時にまた、使用者に多感覚的効果を提供するために心地よい香りを放出する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態では、本明細書の吸収性物品は袋中に包装されている。この袋もまた、色の変化によって外的な刺激、特に光、圧力、又は温度に反応する能力を与えられている。
【0012】
引用される全ての文献は、その関連部分において参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書で、用語「吸収性物品」とは、婦人衛生のための吸収性物品、即ち、生理用パッド、パンティライナー、タンポン、失禁パッド、乳房パッドなどを指す。本発明の吸収性物品は、着用者に面する表面及び衣類に面する表面、並びに周囲縁部を有している。典型的には、本明細書の吸収性物品は、使用中に着用者の皮膚に接触する層としての流体透過性トップシート、使用中に着用者の衣類に接触する層としての、好ましくは水蒸気及び/又は気体透過性であるが、必ずしもそうではない、流体不透過性バックシート、並びに前記バックシートと前記トップシートとの間に配置される吸収性コアを含む。任意で、物品の流体獲得性能を更に改善するために、前記トップシートと前記吸収性コアの間に第2のトップシートを配置することができる。吸収性物品の全ての層(例えばトップシート、バックシート及び吸収性コア)は、着用者に面する表面と衣類に面する表面とを有する。本発明の状況で特に好ましい吸収性物品は、使い捨て吸収性物品である。本明細書の吸収性物品は、外的な刺激に反応して色を変化させ、その色変化が前記物品の使用者に認識可能であるように行う色変化物質を提供された少なくとも1つの活性区域を含んでいる。
【0014】
本明細書では、用語「使い捨て」とは、洗濯されること、又は別の方法で物品として復元若しくは再使用することを意図しない吸収性物品(即ち、それらは1回使用後に廃棄されることを意図し、好ましくはリサイクルされるか、堆肥化されるか、又はそうでなければ環境に適した方式で処理されることを意図する)を記述するために使用される。
【0015】
本明細書で使用する「使用」という用語は、吸収性物品が実際に使用者の体に接触して置かれたときから始まる期間について言う。
【0016】
本明細書で「体液」とは、尿、経血、血清、血液、汗、粘液、並びに一般的に体液として定義される他の水溶液のようなヒトの体から排出される水性の流体又は液体を意味するが、他の水性の流体を排除しようと意図されたものではない。
【0017】
本明細書における用語「袋」とは、本発明の吸収性物品の少なくとも1つのための好適なパッケージを指す。本明細書の袋は、プラスチックフィルム、紙、厚紙、不織布などのような、あらゆる好適な材料で作製されることができる。本明細書の袋は、外的な刺激に反応して色を変化させ、その色変化が前記袋の使用者に認識可能であるように行う色変化物質を提供された、少なくとも1つの活性区域を含んでいる。本明細書の用語「袋」は、1つの吸収性物品のための個々のパッケージ、並びに個々にも同様に包装されていてもよい複数の吸収性物品のためのパッケージの両方を含む。
【0018】
「活性区域」とは本明細書では、色変化物質を提供された吸収性物品又は袋の少なくとも一部を意味し、ここで、前記色変化物質は外的な刺激に反応して色を変化させる。吸収性物品又は袋上に1つ以上の活性区域が存在することができる。
【0019】
本明細書における袋に関しては、活性区域が袋のあらゆる好適な位置にあることができる。一実施形態では、袋材料は不透明であり、及び使用者が触れたときに透明となる感圧性染料を含む活性区域を設けられている。同様の結果は肌の温度に起因してサーモクロミック染料を用いることによって達成することができる。これによって、使用者は袋の活性区域上に指を置くだけで、袋の内部を一見して中に包装されている吸収性物品を目で見ることができる。
【0020】
本明細書における吸収性物品に関しては、活性区域が、前記活性区域の色の変化が物品の使用者にとって認識可能である限り、着用者に面した表面若しくは衣類に面した表面、又はそれらの表面の間に配置されることできる。更に、活性区域が物品の周囲縁部に配置されることができる。
【0021】
具体的には、トップシートを通して色の変化が認識可能であるような態様でトップシート上に又はトップシートの下に配置される場合、活性区域が例えば吸収性物品の中央領域、即ち体液に曝される可能性が最も高い領域に又はその周りに配置されることができる。活性区域が、1つの結合された区域又は多くの分離した副区域のどちらに含まれることもできる。例えば、生理用ナプキンはトップシートの中央領域の周りに前述したような活性区域を有しており、これは4つの副区域からなり、1つはナプキンの各長手方向端部に向かって配置されており、及び1つはナプキンの各横方向端部に向かって配置されている。別の任意形態は、その周囲全体の周りに、即ちその全周囲縁部に沿って、幅1cmの活性区域を有している生理用ナプキンである。婦人衛生のための生理用吸収性物品の分野の当業者には、本明細書の活性区域を他の様式で配置して本発明の目的を類似の態様で果たすということが完全に自明である。
【0022】
活性区域及び副区域は多数の形状及び大きさを有することができる。それらは中の空いた(open)若しくは中の詰まった(filled)円形、楕円、又は真っ直ぐ、若しくは曲がった直線、点、正方形又は矩形などであることができる。それらは物品の全長及び/若しくは幅に渡って延在していることもでき、又はその一部だけに及ぶこともできる。活性区域がトップシート及び/又はバックシート全体に渡って延在していることもまた、本発明の範囲内である。代表的な実施形態を下記に挙げる。
【0023】
一実施形態では、トップシート及び/又は第2のトップシートは、その周囲縁部に近接してサーモクロミック染料を提供されている。トップシート又は第2のトップシートの中央領域には、サーモクロミック染料は存在しない。この構成では、サーモクロミック染料は、体液が37℃の内部体温で排出され、この温度が排出後もある程度の時間維持されるという事実によって、物品の最大容量を色の変化で表すローディングインジケータとして機能する。皮膚及びしたがって吸収性物品は体の内部よりも冷たいので、体液が物品へと排出されたときに温度の変化が起こる。物品の周囲区域が湿潤した場合に、この温度変化がサーモクロミック染料の色の変化をもたらす。この色の変化は着用者によって検知されることができ、吸収性物品が流体の吸収に関してそれの最大容量に達し、したがって取り替えなければならないということを示す。ヒトの目に対する特定の色の効果は、その補色が隣接しているときに増大することが色の理論により既知である。したがって、温度の変化時に青と緑の間の色(理想的にはシアン色)へと変化するサーモクロミック染料を使用することが、血液の赤色が相補的な色であるので有益である。吸収性物品のタイムリーな変化は、使用者の下着への体液の漏れを防止するのを助ける。
【0024】
別の実施形態では、トップシート及び/又は第2のトップシートは、トップシート上へと排出された体液を隠すために、光に露出されたときに緑と青の間の色(理想的にはシアン色)へと変化するフォトクロミック染料を提供されている。色の理論によれば、色をその補色と混合することでヒトの目に対する両方の色の効果が互いに弱められる。この効果はしばしば「灰色くらみ(greying out)」と呼ばれる。流体、特に血液及び経血の遮へいは、パーソナル衛生に関する消費者の要求が特に高い領域(geographies)において特に適応性がある。
【0025】
フォトクロミック染料を利用する別の実施形態は、トップシート上のすべての図柄及び印刷が、光に露出されないときに実質的に着色されずそして光に露出されると着色されるフォトクロミック物質によって成されている、生理用ナプキンである。これは予期されていない風変わりな効果を消費者に提供し、吸収性物品の洗練された技術を明確に示す。純粋な図柄に加えてこのような印刷はまた、物品の正確な位置決めを助けるといった機能をも有することができる。
【0026】
ピエゾクロミック染料を使用した本発明の吸収性物品の代表的な実施形態は、その周囲に沿ってピエゾクロミック物質を提供された生理用パッド、即ちパンティライナーである。ピエゾクロミック染料は圧力に曝されたときに着色され、及びしたがって使用者に対して必要以上の圧力の領域を特定することによって物品が正確に位置決めされたかどうかを示す位置決めインジケータとして機能する。理想的にはその応力の付加は物品に対し均一な左右対称な態様で起こるべきである。したがって、物品が正しく着用された場合、ピエゾクロミック染料がその色を同じ対称的な様式で変化させる。さもなければ、物品が不適切に着用されている場合には、ピエゾクロミック染料は物品の広がりに渡って非対称的に色を変化させることになる。
【0027】
本明細書における「色の変化」とは、吸収性物品又は袋の少なくとも一部が、外的刺激に反応してその色を変化させることを意味し、ここで、前記吸収性物品は包装されており、その一部は物品又は袋の外側から見える。色の変化は前記物品の外側から認識可能である。
【0028】
「色変化物質」とは本明細書では、外的刺激に反応して色を変化させる、吸収性物品又は袋の活性区域に含有される物質を意味する。特に、色変化物質は、こうした刺激に露出されたときに、前記物品の外側から認識可能である方法でそれ自体の色を変化させる。色変化物質は、色の変化が温度の変化によって引き起こされることを意味する「サーモクロミック」であることができ、又は色の変化が光によって引き起こされることを意味する「フォトクロミック」であることができ、又は色の変化が加えられた圧力によって引き起こされることを意味する「ピエゾクロミック」であることができる。これらの定義は、それぞれの刺激に反応して、非可逆的に、可逆的に、又は準可逆的に色を変化させる物質を含む。本明細書のサーモクロミック物質はまた、サーモクロミズムのヒステリシスを示す擬似サーモクロミック物質も含む。色変化物質における前述の機構の組み合わせもまた本発明の範囲内である。本明細書の色変化物質は、吸収性物品又は袋の部分上、例えばフィルム若しくは繊維上にコーティングされることもでき、又は例えば吸収性物品若しくは袋の構成成分を作っている高分子マスターバッチに添加されることによってそれらの構成成分の不可欠な部分を形成することもできる。
【0029】
「物品の外側から認識可能な」色の変化とは、本明細書で使用するとき、少なくとも物品が着用されていないときに、その色の変化がヒトの肉眼で認識可能であることを意味する。換言すれば、色の変化を知るために物品を分解する必要はない。
【0030】
「外的な刺激」とは、本明細書で使用するとき、圧力、温度、光、又はこれらの組み合わせの形態である物品の外側からのエネルギーへの吸収性物品の露出を指す。
【0031】
色変化物質
本明細書における色変化物質は、前述したような外的な刺激に反応してそれらの色を変化させる。本明細書で好適な色変化物質は誘発後少なくとも数秒間は認識可能である色の変化を行う。
【0032】
a)サーモクロミック物質
サーモクロミック物質は、例えばカーク−オスマーの百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia)第3版、第6巻、130頁、又は米国特許第5,389,093号により公知である。本明細書で適用可能な健康及び安全の要件を満たしている限り、サーモクロミック物質を含有するあらゆる処方を本明細書で使用することができる。
【0033】
サーモクロミック物質は、例えばJP7,034,394又は米国特許第5,221,288号に示されているようなコーティングとして適用することができ、又は吸収性物品を作製するのに使用される材料の不可欠な部分を形成することができる。後者の可能性は、EP610,072に記載されているようなポリマーのマスターバッチへのサーモクロミック物質の添加を包含する。サーモクロミック物質の物品への適用の別の可能性は、米国特許第4,121,011号又は米国特許第4,826,550号に記載されたような塗料又はインクの形態の薄層状の被膜としてのものである。使用されるサーモクロミック物質は微細な顔料粒子、マイクロカプセル化された物質、分子材料などの形態であることができる。
【0034】
大部分のサーモクロミック染料は特定の色から無色まで可逆的な態様で色の変化をうける。それらの色を室温における無色から冷却されたときの特定の色まで変化させる、いわゆる低温サーモクロミック染料もある。背景の色素をサーモクロミック物質と組み合わせて提供して、そのサーモクロミック物質が無色へと変化したときに背景の色素がその色に関して優性となるようにすることができる。例えば、黄色の背景色素を赤いサーモクロミック物質と混合した場合、目に見える色は、サーモクロミック物質が色を変化させる温度において、オレンジから黄色へと変化することになる。
【0035】
サーモクロミック物質は、例えばサンケミカル(Sunchemical)及びクラリアント(Clariant)によって市販されている。本明細書で好適なサーモクロミック物質の代表的な部類は、液晶及びロイコ染料である。好ましくは、物質の両方の部類が好適なマイクロカプセルに封入される。
【0036】
液晶は温度変化に対して非常に敏感であり、0.1℃の温度範囲でさえも、色を、典型的には黒からある色へと変化させる。液晶の適用は高度に特殊化された印刷を必要とする。
【0037】
ロイコ染料は典型的には3〜6℃の温度上昇において、色を、ほとんどの場合は着色から透明(無色)へと変化させる。ロイコ染料の利益は、それらが印刷によって又はポリマーマスターバッチとの混合によって、容易に適用できるということである。
【0038】
本明細書で好適なフォトクロミック物質の別の例は、クロマチック・テクノロジーズ社(Chromatic Technologies, Inc.)によって市販されているもののような染料結晶である。これらの物質は影では無色であり、日光、特に紫外線に曝されると着色される。紫外線は染料結晶における化学変化を引き起こす。可逆的な色変化物質と非可逆的な色変化物質の両方が利用可能である。染料結晶の好適な適用技術はインク印刷又は高分子マスターバッチへの混合である。
【0039】
b)ピエゾクロミック物質
本明細書で適用される健康及び安全性の要件を満たす限りにおいて、当該技術分野で開示されているあらゆるピエゾクロミック物質が本明細書において好適である。1つの例は米国特許第6,330,730号に開示されている。
【0040】
一実施例では、ピエゾクロミック物質はサーモクロミックであり、加えられた圧力によって引き起こされる温度上昇に反応する。別の実施例では、ピエゾクロミック物質はマイクロカプセルに封入された染料を含む。圧力を加えると、これらのカプセルが破断して染料を放出し、それからこの染料が目に見えるようになる。色の強度は加えられた圧力の量と直接関連する。典型的なピエゾクロミック物質は14〜140kPaの圧力を必要とする。
【0041】
最も典型的なピエゾクロミック色変化物質は、圧力がかけられた後、非可逆的な様式でそれらの色を変化させる。このことは、色の変化を達成するための物質が中に封入されたマイクロカプセルの破壊によってその色の変化が達成されたという事実に起因する。
【0042】
c)フォトクロミック物質
フォトクロミック物質は、例えば、カーク−オスマーの百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia)第3版、第6巻、121頁により公知である。本明細書で適用可能な健康及び安全の要件を満たしている限り、サーモクロミック物質を含有するあらゆる処方を本明細書で使用することができる。
【0043】
本発明による吸収性物品又は吸収性物品を包装するための袋は、1つ以上のフォトクロミック物質を含むことができる。フォトクロミック物質は微細な顔料粒子又は染料の形態であることができる。本明細書において好適なフォトクロミック物質の例は、米国特許6,306,409号;米国特許第6,080,415号、又は米国特許第5,730,961号に記載されている。
【0044】
フォトクロミック色変化物質は、最も典型的には、光の変化時に可逆的な様式でそれらの色を変化させる。
【0045】
吸収性物品の任意成分
生理用ナプキンは体温によって活性化される芳香剤を含有してもよい。あるいは生理用ナプキンは、体の湿分又は体液によって活性化される芳香剤を含有してもよい。これは、水溶性のマイクロカプセル又は体の熱で融解するマイクロカプセルに芳香剤を封入することによって実現される。
【0046】
別の実施例では、生理用ナプキンはその中に分散された破裂可能なマイクロカプセルを含有している。このマイクロカプセルは、(圧力下での)機械的応力によって破裂する。特殊な実施例では、生理用ナプキンは、コーティングされた紙のシート類又は折り畳んだ単一のシートの対向面のような2つの面の間に、破裂可能なマイクロカプセルを含有し、この紙のシートはそこに分散された破裂可能なマイクロカプセルと接着剤(PFA)によって一時的に接合されている。シートを引き離す(即ち紙を剥離する)ことによってマイクロカプセルが破裂し、これによりカプセルが破裂してその中に含有されている成分を放出する。シート、接着剤、カプセル及びそれらの間の結合力の相対的な物理的特性を選択することによって、一貫して高い比率のカプセル破裂を得ることができる。
【実施例】
【0047】
a)サーモクロミックによる色変化
商標名オールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)で市販されている生理用ナプキンを、その第2のトップシートの周囲縁部に連続した3mm幅のストライプでサーモクロミック染料を適用することにより変更した。サーモクロミック染料はサンケミカル(Sun Chemical)より商標名スイッチブルー27濃縮品(Switch Blue 27 Conc)、品番308796を入手した。
【0048】
b)フォトクロミックな色変化
商標名オールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)で市販されている生理用ナプキンを、その第2のトップシートの周囲縁部に連続した3mm幅のストライプでフォトクロミック染料を適用することによって変更した。サーモクロミック染料は、CTIクロマチック・テクノロジー(CTI Chromatic Technology)から商標名UVフレキソ(UV Flexo)を入手した。
【0049】
c)ピエゾクロミックによる色変化
商標名オールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)で市販されている生理用ナプキンを、その第2のトップシートの周囲縁部に連続した3mm幅のストライプでピエゾクロミック染料を適用することによって変更した。サーモクロミック染料は、SPIセンサー・プロダクツ社(SPI Sensor Products Inc.)より商標名プレスレックス(PRESSUREX)(登録商標)を入手した。
【0050】
上述の実施例は、最も典型的には少なくとも半透明であるバックシートと、バックシートに直接隣接した層、典型的には吸収性コアとの間に、色変化物質を配置することによって変更することができる。これにより、色変化は吸収性物品のバックシートを通して認識可能である。本明細書に記載される実施例の更なる変形形態では、色変化物質は、例えば、バックシートと、直接隣接した層との間に、及びトップシート上又は第2のトップシート上に、色変化物質を配置することによって、その色の変化がトップシートを通して及びバックシートを通して認識可能であるように配置される。
【0051】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの活性区域を含む婦人衛生のための吸収性物品であって、前記活性区域が前記物品の少なくとも一部を構成し、かつ色変化物質を備えてなり、前記色変化物質が外的な刺激に反応して色を変化させ、その色の変化が前記物品の外側から認識可能であり、
前記刺激が温度の変化、圧力の付加、及び光への露出のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする、吸収性物品。
【請求項2】
前記物品が前記色の変化と同時に香料を放出する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
刺激が温度変化であり、色変化物質が液晶染料、ロイコ染料、又はこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
刺激が光への露出であり、色変化物質がフォトクロミック染料である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
刺激が圧力の付加であり、色変化物質が、液体カプセル化染料;若しくは染料とカプセル化脱色剤の混合物;若しくは色前駆体とカプセル化着色剤の混合物;又はそれらの混合物である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
温度変化に反応して色を変化させるサーモクロミック色変化物質を備えた、物品の外側から認識可能な物品部分を含む、婦人衛生のための吸収性物品におけるローディングインジケータ。
【請求項7】
色変化物質が、液晶染料、ロイコ染料、又はこれらの混合物から選択される、請求項6に記載のローディングインジケータ。
【請求項8】
圧力の付加に反応して色を変化させるピエゾクロミック色変化物質を備えた、物品の外側から認識可能な物品部分を含む、吸収性物品におけるフィットインジケータ。
【請求項9】
色変化物質が液体カプセル化染料;若しくは染料とカプセル化脱色剤の混合物;若しくは色前駆体とカプセル化着色剤の混合物;又はそれらの混合物から選択される、請求項8に記載のフィットインジケータ。
【請求項10】
請求項6若しくは7のローディングインジケータ、及び/又は請求項8若しくは9のフィットインジケータを更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
少なくとも1つの吸収性物品のための包装袋であって、前記袋が少なくとも1つの活性区域を含み、前記活性区域が前記袋の少なくとも一部を構成し、かつ色変化物質を備えてなり、前記色変化物質が外的な刺激に反応して色が変化し、及びその色の変化が前記袋の外側から認識可能であり、前記刺激が温度の変化、圧力の付加、及び光への露出のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする、包装袋。
【請求項12】
前記袋が前記色の変化と同時に香料を放出する、請求項11に記載の袋。
【請求項13】
刺激が温度変化であり、及び色変化物質が液晶染料、ロイコ染料、又はこれらの混合物から選択される、請求項11又は12のいずれか1項に記載の袋。
【請求項14】
刺激が光への露出であり、及び色変化物質がフォトクロミック染料である、請求項11又は12のいずれか1項に記載の袋。
【請求項15】
刺激が圧力の付加であり、及び色変化物質が、液体カプセル化染料;若しくは染料とカプセル化脱色剤の混合物;若しくは色前駆体とカプセル化着色剤の混合物;又はそれらの混合物である、請求項11又は12のいずれか1項に記載の袋。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1項の包装袋及び請求項1〜5又は10のいずれか1項の少なくとも1つの吸収性物品を含むキットであって、前記物品が前記袋で包まれてなる、キット。

【公表番号】特表2007−533417(P2007−533417A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509749(P2007−509749)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/014794
【国際公開番号】WO2005/107670
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】