説明

色素吸着装置、色素吸着方法、基板処理装置及び基板処理方法

【課題】基板表面上の多孔質の半導体層に色素を吸着させる工程の処理時間を大幅に短縮すること。
【解決手段】処理中に、ノズル20の溶液案内面92L,92Rと基板Gとの間のギャップの中で色素溶液の流れが形成され、基板被処理面の多孔質半導体層はそのような色素溶液の流れの中で色素吸着処理を受ける。しかも、色素溶液の流れに加えて、スリット状吐出口88L,88Rからの衝撃圧力と溝状凹凸部94L,94Rでの乱流の圧力が鉛直方向に作用する。これによって、基板被処理面の多孔質半導体層の表層部で色素同士の凝集または会合が起り難く、多孔質半導体層の内奥へ色素が効率よく浸透し、多孔質半導体層への色素吸着が高速に進行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置および色素吸着方法ならびに基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、色素増感型の太陽電池が、将来の低コスト太陽電池として有望視されている。図19に示すように、色素増感太陽電池は、基本構造として、透明電極(陰極)200と対向電極(陽極)202との間に増感色素を担持する多孔質の半導体層204と電解質層206とを挟み込んでいる。
【0003】
ここで、半導体層204は、透明電極200、電界層206および対向電極202と共にセル単位に分割されており、透明基板208上に透明電極200を介して形成される。対向電極202の裏側は対向基板210で覆われている。各セルの透明電極200は、隣の対向電極202と電気的に接続されており、モジュール全体で多数のセルが電気的に直列接続または並列接続されている。
【0004】
かかる構成の色素増感太陽電池においては、透明基板208の裏側から可視光が照射されると、半導体層204に担持されている色素が励起され、電子を放出する。放出された電子は半導体層204を介して透明電極200に導かれ、外部に取り出される。送り出された電子は、外部回路(図示せず)を経由して対向電極202に戻り、電界質層206中のイオンを介して再び半導体層204内の色素に受け取られる。こうして、光エネルギーを即時に電力に変換して出力するようになっている。
【0005】
このような色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、多孔質の半導体層204に増感色素を吸着させるために、従来は、透明基板208上に形成された半導体層204を色素溶液に浸漬する方法が採られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−244954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような浸漬方式の色素吸着処理時間は、色素の種類にも依るが、少なくとも数10時間を要しており、色素増感太陽電池製造の製造プロセスにおいて全工程のタクトを律速し、生産効率を下げる一因になっている。この問題に対して、浸漬方式の色素吸着装置を複数台並列稼働させることも考えられるが、少なくとも数10台の装置を用意しなければならず、実用的ではない。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる工程の処理時間を大幅に短縮できる色素吸着装置および色素吸着方法を提供する。
さらに、本発明は、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる工程の処理時間を大幅に短縮するとともに、多孔質半導体層の表層部における色素の会合・析出を効果的に防止ないし抑制することができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の色素吸着装置は、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置であって、前記基板の被処理面を上に向けて前記基板を保持する保持部と、吐出口を下に向けて前記保持部の上方に配置されるノズルと、前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記ノズルに圧送するための色素溶液供給部とを有し、前記保持部に保持される前記基板の被処理面に対して前記ノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる。
【0010】
本発明の色素吸着方法は、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着方法であって、前記基板の被処理面を上に向けて前記基板を所定の位置に配置する工程と、前記基板にノズルを対向させる工程と、前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記ノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記ノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる工程とを有する。
【0011】
本発明の色素吸着装置または色素吸着方法においては、処理中にノズルの案内面と基板との間のギャップの中で色素溶液の流れが形成され、基板被処理面の多孔質半導体層はそのような色素溶液の流れの中で色素吸着処理を受ける。しかも、色素溶液の流れに加えて、吐出口からの衝撃圧力が鉛直方向に作用する。これによって、多孔質半導体層の表層部で色素同士の凝集または会合を起り難くし、多孔質半導体層の内奥へ色素を効率よく浸透させ、多孔質半導体層の色素吸着を高速に進行させることができる。
【0012】
本発明の好適な一態様によれば、ノズルの溶液案内面に凹凸部が形成され、この凹凸部で色素溶液の流れに渦または乱流が発生し、これによって色素溶液が基板の被処理面(多孔質半導体層)の内奥へ一層浸透しやすくなる。
【0013】
さらに、本発明の好適な一態様によれば、基板の上で色素溶液の流れの終端に位置して、色素溶液を吸引する吸引部が設けられる。この吸引部は、好ましくは、ノズルの下面に形成される吸引口と、ノズルの内部に形成されるバキューム通路とを有する。この吸引部の吸引作用によって、基板上に色素溶液の流れを円滑に形成し、色素吸着を一層促進することができる。
【0014】
本発明の基板処理装置は、被処理面に多孔質の半導体層が形成されている基板を前記被処理面が上を向くようにして保持する保持部と、前記保持部に保持される前記基板の半導体層に色素を吸着させるための色素吸着部と、前記基板の半導体層の表面から余分の色素を洗い落すためのリンス部とを具備し、前記色素吸着部が、吐出口を下に向けて前記保持部の上方に配置される第1のノズルと、前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記第1のノズルに圧送するための色素溶液供給部とを有し、前記保持部に保持される前記基板の被処理面に対して前記第1のノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる。
【0015】
本発明の基板処理方法は、被処理面に多孔質の半導体層が形成されている基板に第1のノズルを対向させる工程と、色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記第1のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記第1のノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる色素吸着工程と、前記基板の半導体層の表面から余分の色素を洗い落すためのリンス工程とを有する。
【0016】
本発明の色素吸着装置または色素吸着方法においては、色素吸着処理中にノズルの案内面と基板との間のギャップの中で色素溶液の流れが形成され、基板被処理面の多孔質半導体層はそのような色素溶液の流れの中で色素吸着処理を受ける。しかも、色素溶液の流れに加えて、吐出口からの衝撃圧力が鉛直方向に作用する。これによって、多孔質半導体層の表層部で色素同士の凝集または会合を起り難くして、多孔質半導体層の内奥へ色素を効率よく浸透させ、多孔質半導体層の色素吸着を高速に進行させることができる。そして、色素吸着処理に続けてリンス処理を行い、基板上の半導体層表面から余分の色素を取り除くことにより、多孔質半導体層の表層部における色素の会合・析出を効率的に防止ないし抑制することができる。
【0017】
本発明の好適な一態様によれば、色素吸着工程に用いられる第1のノズルがリンス工程にも用いられる。つまり、第1のノズルは、基板の被処理面に対して、色素吸着工程では色素溶液を吐出し、リンス工程のときはリンス液を吐出する。これによって、装置全体の簡略化および低コスト化を図れるとともに、処理工程全体の効率化と時間短縮も図れる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の色素吸着装置または色素吸着方法によれば、上記のような構成および作用により、基板の被処理面上の多孔質半導体層に色素を吸着させる工程の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0019】
また、本発明の基板処理装置または基板処理方法によれば、上記のような構成および作用により、基板の被処理面上の多孔質の半導体層に色素を吸着させる工程の処理時間を大幅に短縮できるとともに、多孔質半導体層の表層部における色素の会合・析出を効果的に防止ないし抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態における色素吸着装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】上記色素吸着装置の要部の構成を示す平面図である。
【図3A】上記色素吸着装置におけるノズルの要部の構成を示す斜視図である。
【図3B】上記ノズルの要部の構成を示す縦断面図である。
【図4】上記色素吸着装置における作用を模式的に説明するための基板表面付近の縦断面図である。
【図5】上記ノズルの溝状凹凸部のサイズ条件を示す図である。
【図6】上記ノズルを待機バスで待機させている状態を示す斜視図である。
【図7】待機バスで待機している上記ノズルの状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の一実施形態における基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図9A】上記ノズルの溝状凹凸部の一変形例を示す斜視図である。
【図9B】図9Aのノズルの構成を示す縦断面図である。
【図10】上記ノズルの吐出通路および吐出口の一変形例を示す斜視図である。
【図11】上記ノズルの溝状凹凸部の一変形例を示す縦断面図である。
【図12】上記ノズルの吐出部および吸引部の一変形例を示す縦断面図である。
【図13A】上記ノズルにおいて溝状凹凸部を省く一実施例を示す斜視図である。
【図13B】図13Aのノズルの要部の構成を示す縦断面図である。
【図14A】上記ノズルにおいて吸引部を省く一実施例を示す斜視図である。
【図14B】図14Aのノズルの要部の構成を示す縦断面図である。
【図15A】上記ノズルにおいて吸引部を省く一実施例を示す斜視図である。
【図15B】図15Aのノズルの要部の構成を示す縦断面図である。
【図16A】処理中にノズルの吐出圧力を可変する一方式を示す時間−圧力特性図である。
【図16B】処理中にノズルの吐出圧力を可変する別の方式を示す時間−圧力特性図である。
【図17】基板を覆う大きさに上記ノズルを形成する一実施例を示す平面図である。
【図18】上記ノズルを円盤型に形成する一実施例を示す平面図である。
【図19】処理中に基板を直進移動または往復移動させる一実施例を示す平面図である。
【図20】色素増感太陽電池の基本構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図19を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[実施形態1]
【0022】
図1および図2に、本発明の一実施形態における色素吸着装置の全体構成を示す。この色素吸着装置は、たとえば、色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、多孔質の半導体層に増感色素を枚葉方式で吸着させる工程で使用される。その場合、対向側の部材(対向電極202、対向基板210、電解質層206)が組み合わされる前に透明電極200および多孔質の半導体層204が形成された透明基板208(図20)が、この色素吸着装置における被処理基板Gとなる。
【0023】
ここで、透明基板208は、たとえば石英、ガラスなどの透明無機材料、あるいはポリエステル、アクリル、ポリイミドなどの透明プラスチック材料からなる。透明電極200は、たとえばフッ素ドープSnO2(FTO)、あるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)からなる。また、多孔質の半導体層204は、たとえばTiO2、ZnO、SnO2などの金属酸化物からなる。被処理基板Gは、所定の形状(たとえば四角形)および所定のサイズを有し、搬送ロボット(図示せず)によりこの色素吸着装置に搬入/搬出される。
【0024】
図1および図2に示すように、この色素吸着装置は、大気空間に開放可能な処理室10を有し、この処理室10の中心部に基板保持部12を設置している。この基板保持部12は、基板Gを水平姿勢で回転可能に保持するスピンチャックとして構成されており、直径が基板Gの短辺よりも短い円盤状のチャックプレート14と、回転支持軸16を介してチャックプレート14を周回方向に回転駆動する駆動部18とを有している。
【0025】
チャックプレート14の上面(基板載置面)には、たとえば同心状および/または放射状の溝が形成されており、それらの溝は回転支持軸16および駆動部18の内部を貫通するバキューム通路を介して負圧源たとえば真空ポンプ(図示せず)に接続されている。半導体層204が形成されている被処理面(おもて面)を上に向けて基板Gがチャックプレート14に載置されると、負圧源からの負圧がチャックプレート上面の各溝に与えられ、各溝より負圧吸引力が基板Gの裏面に作用して、基板Gはチャックプレート14上に固定保持される。基板保持部12には、基板Gの搬入/搬出時にチャックプレート14上で基板Gを上げ下げするためのリフトピン機構(図示せず)も設けられている。
【0026】
処理室10の側壁10aには、基板Gを出し入れするための開閉可能な開口(図示せず)が形成されている。処理室10の上蓋10bには、外から清浄空気を室内に導入するための多数の通気孔(図示せず)が形成されている。別の形態として、上蓋10bが無くて全面開口していてもよく、あるいは処理室10の天井にファン・フィルタ・ユニット(FFU)が設置されてもよい。
【0027】
処理室10内において、基板保持部12の上方には可動のノズル20が設けられている。このノズル20は、処理室10の外に設けられたノズル移動機構22によりアーム24を介して水平に支持され、チャックプレート14の上に設定された処理位置P1と、チャックプレート14の横隣に設置された待機バス26上の待機位置P2との間で水平に移動できるようになっている。ノズル移動機構22は、たとえばボールネジ機構あるいはリニアモータなどの直進駆動機構を有しており、さらには鉛直方向でノズル20の高さ位置を可変または調整するための昇降機構も備えている。
【0028】
ノズル20は、後に詳しく説明するように、基板G上に色素溶液を吐出する吐出部28と、基板G上から色素溶液を吸引する吸引部30L,30Rとを有している。ノズル20の上面には、色素溶液供給部32から送られてきた色素溶液を吐出部28に導入するための1個または複数個の導入ポート33と、吸引部30L,30Rから吸い上げられた色素溶液をノズル20の外へ排出して色素溶液回収部34へ送るための1個または複数個の排出ポート36L,36Rとが設けられている。
【0029】
色素溶液供給部32は、色素溶液を貯留するタンク38と、このタンク38とノズル20の導入ポート33とを結ぶたとえば配管からなる色素溶液供給ライン40と、この色素溶液供給ライン40の途中に設けられた電磁開閉弁42、供給ポンプ44および電磁比例弁46とを有している。電磁比例弁46は、供給ポンプ44によりタンク38から汲み上げられてノズル20に圧送される色素溶液の圧力または流量を可変制御または調整するために用いられる。
【0030】
タンク38には、色素溶液の温度を色素吸着処理に適した所定の処理温度に調節するための温調器48が取り付けられている。また、タンク38に色素溶液を補充するために、色素溶液供給源50からの新液供給管52および後述する色素溶液回収部34からの再生液供給管54がタンク38に接続されている。
【0031】
なお、この色素吸着装置で用いられる色素溶液は、増感色素を所定の濃度で溶媒に溶かしたものである。増感色素としては、たとえば金属フタロシアニンなどの金属錯体あるいはシアニン系色素、塩基性色素などの有機色素が用いられる。溶媒には、たとえばアルコール類、エーテル類、アミド類、炭化水素などが用いられる。
【0032】
色素溶液回収部34は、色素溶液を空気と一緒に吸引して色素溶液トラップ56へ送るための吸引ポンプ58と、この吸引ポンプ58の入側とノズル20の排出ポート36L,36Rとを結ぶたとえば配管からなるバキュームライン60と、このバキュームライン60の途中に設けられる電磁比例弁62および電磁開閉弁64とを有している。電磁比例弁64は、ノズル20の排出ポート36L,36Rより色素溶液を排出する負圧力または流量を可変制御または調整するために用いられる。
【0033】
色素溶液トラップ56は、吸引ポンプ58の出側より空気と一緒に送られて来る回収された色素溶液をたとえばラビリンス方式またはサイクロン方式によってトラップ部材に捕集し、捕集した回収色素溶液を色素溶液再生部66へ送る。色素溶液再生部66は、フィルタ、濃度調整部などを有しており、回収色素溶液から新規の色素溶液と略同じ成分および濃度を有する再生色素溶液を生成する。色素溶液再生部66とタンク38を結ぶ再生液供給管54の途中には電磁開閉弁68およびポンプ70が設けられており、色素溶液再生部66より再生液供給管54を介してタンク38に再生色素溶液を随時補給できるようになっている。また、新液供給管52の途中にも電磁開閉弁51が設けられ、色素溶液供給源50より新液供給管52を介してタンク38に新規の色素溶液を随時補給できるようになっている。これにより、色素溶液の再利用が可能となり、新規の色素溶液の使用量を少なくすることができる。
【0034】
処理室10の底面には1つまたは複数の排気/ドレイン口72が形成されており、これらの排気/ドレイン口72はたとえば配管からなる排気/ドレインライン74を介して吸引ポンプ58の入側に接続されている。排気/ドレインライン74の途中には電磁開閉弁76が設けられている。
【0035】
また、後述する待機バス26にも排気ライン78が接続されている。この排気ライン78は、吸引ポンプ58の入側に接続されてもよいが、好ましくは別の排気ポンプ(図示せず)に接続される。排気ライン78の途中にも電磁開閉弁80が設けられている。
【0036】
コントローラ82は、マイクロコンピュータおよび所要のインタフェースを有しており、この色素吸着装置内の各部の動作を制御し、さらには色素吸着処理を実行するための装置全体のシーケンスを制御する。
【0037】
ここで、ノズル20の構成を詳細に説明する。ノズル20は、図2に示すように水平移動方向(X方向)と直交する水平方向(Y方向)に延びる長尺型のノズルであり、好ましくは基板Gの対角線よりも長い全長を有している。
【0038】
このノズル20の吐出部28は、図3Aに示すように、ノズル20の中心部でノズル長手方向(Y方向)に延びるトンネル状のバッファ室(マニホールド)84と、このバッファ室84の底部からV状に二手に分かれて斜め下方に延びる一対のスリット状の吐出通路86L,86Rと、これらのスリット状吐出通路86L,86Rの終端部にそれぞれ形成されるスリット状の吐出口88L,88Rと、バッファ室84の頂部から導入ポート32(図1,図2)まで垂直上方に延びるスリット状の溶液導入通路90とを有している。
【0039】
ノズル20の下面は、両吐出口88L,88Rから幅方向(X方向)の左右外側に延びて、案内面92L,92Rを構成する。これらの案内面92L,92Rには、スリット状吐出口88L,88Rと平行にノズル長手方向(Y方向)に延びる1本または複数本(図示の例は3本)の溝状凹凸部94L,94Rが形成されている。
【0040】
さらに、溝状凹凸部94L,94Rの外側には、やはりスリット状吐出口88L,88Rと平行にノズル長手方向に延びる吸引部30L,30Rの吸引口96L,96Rが案内面92L,92Rにそれぞれ形成されている。これら左右一対の吸引口96L,96Rは、ノズル20内部に形成されているスリット状の下部バキューム通路98L,98R、トンネル状のバッファ室(マニホールド)100L,100Rおよびスリット状の上部バキューム通路102L,102Rを介して排出ポート36L,36Rにそれぞれ接続されている(図7)。
【0041】
次に、この実施形態における色素吸着装置の作用を説明する。
【0042】
処理対象の基板Gは、搬送ロボットにより処理容器10内に搬入され、基板保持部12のチャックプレート14上に載置される。この直後に、ノズル移動機構22が作動して、ノズル20をノズル待機部26上の待機位置P2からチャックプレート14の上方の処理位置P1までX方向に移動させる。この処理位置P1において、ノズル20の下面、特にノズル吐出口88L,88Rおよび溝状凹凸部94L,94Rは、所定のギャップを介してチャックプレート14上の基板Gと対向する。
【0043】
次いで、色素溶液供給部32、色素溶液回収部34および基板保持部12の駆動部18が作動して、色素吸着処理が開始される。
【0044】
色素溶液供給部32では、電磁開閉弁42が開いて供給ポンプ44が作動し、タンク38より色素溶液が色素溶液供給ライン40を介してノズル20の導入ポート33に所定の流量で送り込まれる。ノズル20内では、導入ポート33に導入された色素溶液が、溶液導入通路90を通ってバッファ室84内に入り、そこから溶液吐出通路86L,86Rを通ってスリット状吐出口88L,88Rから基板G上に吐出される。このように、スリット状の吐出口88L,88Rから基板G上に色素溶液が吐出されることにより、基板Gの被処理面(多孔質半導体層204)に色素溶液が一定の衝撃力で加圧接触する。
【0045】
さらに、両吐出口88L,88Rから基板G上に吐出された色素溶液は、図3Bに示すように、それぞれ左右両側の案内面92L,92Rに沿って左右外側つまり吸引口96L,96Rに向かって流れる。この際、図4に示すように、案内面92L,92Rの溝状凹凸部94L,94Rによって、色素溶液の流れに上下方向の渦または乱流が発生し、基板Gの被処理面(多孔質半導体層204)に対する色素溶液の接触圧力が高められる。
【0046】
溝状凹凸部94L,94Rを通過した色素溶液は、吸引口96L,96Rの中に吸い込まれる。色素溶液回収部34では、電磁開閉弁64が開いて吸引ポンプ58が作動し、基板G上からノズル20の吸引部30L,30Rに吸い込まれた色素溶液をノズル20の排出ポート36L,36Rおよびバキュームライン60を介して回収する。
【0047】
基板保持部12の駆動部18は、処理中に基板Gをチャックプレート14と一体に所定の回転速度で周回方向または方位角方向に回転運動させる。この基板Gの回転運動によって、基板Gの被処理面全体に隈なく色素溶液の流れを及ぼすことができる。なお、基板Gの被処理面の中で、色素溶液の流れに対して基板Gの移動が順方向になる箇所と逆方向になる箇所が出てくる。このような色素溶液の流れと基板Gの移動との相対速度のばらつきを小さくするには、基板回転速度を低速(たとえば1〜10ppm程度)にするのが望ましい。
【0048】
また、基板Gの回転運動の中で、ノズルの吐出口88L,88Rが基板Gの外へはみ出した時は、吐出口88L,88Rより吐出された色素溶液が基板Gの周囲へ飛散する。しかし、飛散した色素溶液は、処理室10の底に集められて排気/ドレイン口72から色素溶液回収部32に回収されるようになっている。
【0049】
上記のように、この実施形態においては、ノズル20の案内面92L,92Rと基板Gとの間のギャップの中で色素溶液の流れが形成され、基板被処理面の多孔質半導体層204はそのような色素溶液の流れの中で色素吸着処理を受ける。しかも、色素溶液の流れに加えて、スリット状吐出口88L,88Rからの衝撃圧力と溝状凹凸部94L,94Rでの乱流の圧力が鉛直方向に作用する。これによって、多孔質半導体層204の表層部で色素同士の凝集または会合が起り難く、多孔質半導体層204の内奥へ色素が効率よく浸透し、多孔質半導体層204への色素吸着が高速に進行する。この実施形態の技法を用いることにより、色素増感太陽電池の製造プロセスにおける色素吸着処理時間を大幅に短縮することが可能であり、たとえば10分以内で済ますことも可能である。
【0050】
この実施形態において、上記のようにノズル20の溝状凹凸部94L,94Rで色素溶液の乱流を効率よく安定確実に発生させるには、溝状凹凸部94L,94Rを適度なサイズに選定する必要がある。本発明者が実験を重ねたところ、この点については、図5に示すように、案内面92R(92L)と基板Gとの間のギャップ寸法(設定値)をSaとすると、溝状凹凸部94R(94L)の幅Wは、0.3Sa〜1.5Saの範囲内に選ばれるのが望ましく、0.5Sa〜1.0Saの範囲で最も望ましい効果が得られることがわかった。また、溝状凹凸部94R(94L)の深さDも、0.3Sa〜1.5Saの範囲内に選ばれるのが望ましく、0.5Sa〜1.0Saの範囲が最も好ましいことがわかった。
【0051】
また、上記のようにノズル20の両吐出口88L,88Rから基板Gの被処理面に与えられる吐出圧力も重要であり、両吐出口88R(88L)と基板Gとの間のギャップ寸法Sbを溶液案内面92R(92L)側のギャップ寸法Saとは独立に最適化してよく、スリット幅Kも適度なサイズに選ぶのが望ましい。もっとも、通常はSb≒K≒Saに選んでよい。
【0052】
この実施形態における色素吸着処理は、所定の処理時間が経過した時に、色素溶液供給部32、色素溶液回収部34および基板保持部12の駆動部18が停止して、終了する。この直後に、ノズル移動機構22が作動して、ノズル20をチャックプレート14の上方の処理位置P1からノズル待機部26上の待機位置P2まで移動させる。基板保持部12は、チャックプレート14上で基板Gに対する吸着保持を解除し、リフトピン機構により基板Gをチャックプレート14の上方に持ち上げて搬送ロボットに渡す。
【0053】
図6および図7に示すように、ノズル待機部26は、ノズル20に対応した上面開口104を有する長尺型の溶媒溜め部として構成されている。ノズル20がノズル待機部26上に待機している間は、ノズル20下面の吐出口88L,88R、溝状凹凸部94L,94Rおよび吸引口96L,96Rがノズル待機部26内の溶媒106の蒸気に晒される。これによって、目詰まりを起こさないようになっている。
【0054】
なお、ノズル20がノズル待機部26から離れている間は、排気ライン78の開閉弁80(図1)が開けられ、ノズル待機部26内の局所排気が行われる。これによって、ノズル待機部26から溶媒106の蒸気が周囲に漏出しないようになっている。

[実施形態2]
【0055】
図8に、本発明の一実施形態における基板処理装置の全体構成を示す。図中、上記第1の実施形態(図1〜図7)と同一の構成または機能を有する部分には同一の符号を付している。
【0056】
この基板処理装置は、上記第1の実施形態における色素吸着装置を色素吸着部としてそっくり含み、さらにリンス部および乾燥部も備えている。この実施形態におけるリンス部は、基板保持部12、ノズル20、リンス液供給部110、リンス液回収部112を含んで構成される。ここで、基板保持部12およびノズル20は、色素吸着部だけでなく、リンス部および乾燥部でも用いられる。また、吸引ポンプ58、バキュームライン60、電磁比例弁62、電磁開閉弁64および吸引ポンプ58は、色素吸着部の色素溶液回収部34とリンス部のリンス液回収部112との間で共用される。
【0057】
リンス液供給部110は、リンス液を貯留するタンク114と、このタンク114からノズル20へリンス液を供給するためのたとえば配管からなるリンス液供給ライン116と、このリンス液供給ライン116の途中に設けられた電磁開閉弁118、供給ポンプ120および電磁比例弁122とを有している。電磁比例弁122は、供給ポンプ120によりタンク114から汲み上げられてノズル20に圧送されるリンス液の圧力または流量を可変制御または調整するために用いられる。
【0058】
タンク114にリンス液を補充するために、リンス液供給源124からの新液供給管126およびリンス液回収部112からのリンス液回収管128がタンク114に接続されている。新液供給管126の途中には電磁開閉弁130が設けられ、リンス液供給源124より新液供給管126を介してタンク114に新規のリンス液を随時補給できるようになっている。リンス液回収部112は、リンス液回収管128の途中に塵や不純物を除去するためのフィルタ132を設けている。リンス液は、増感色素が溶ける任意の液でよく、たとえばアルコール類、エーテル類、アミド類、炭化水素などを好適に用いることができる。
【0059】
この実施形態では、色素吸着部、リンス部および乾燥部の間でノズル20を共用させるため、たとえば方向制御弁からなる第1の切換部134を設け、ノズル20の導入ポート33をたとえば配管からなる共通の流体供給ライン136を介して切換部134の出力ポートに接続し、色素溶液供給ライン40、リンス液供給ライン116および後述する乾燥部からのガス供給ライン148の終端を切換部134の3つの入力ポートにそれぞれ接続している。
【0060】
また、色素吸着部の色素溶液回収部34とリンス部のリンス液回収部112との間で、吸引ポンプ58、バキュームライン60、電磁比例弁62および電磁開閉弁64を共用させるため、たとえば方向制御弁からなる第2の切換部138を設け、吸引ポンプ58の出側を排液管140を介して切換部138の入力ポートに接続し、色素溶液回収管142、リンス液回収管128およびドレイン管144の始端を切換部138の3つの出力ポートにそれぞれ接続している。
【0061】
乾燥部は、たとえば温風発生器あるいはブロアファンからなる乾燥用ガス供給源146を備えており、ガス供給ライン148、切換部134および流体供給ライン136を介してノズル20へ乾燥用のガス(たとえば空気、窒素ガス等)を所定の流量で圧送できるようになっている。ガス供給ライン148の途中には開閉弁150が設けられている。
【0062】
コントローラ82は、上記第1の実施形態と同様にマイクロコンピュータおよび所要のインタフェースを有しており、この基板処理装置内の各部(色素吸着部、リンス部、乾燥部)の動作を制御し、さらには色素吸着工程、リンス工程および乾燥工程を実行するためのシーケンスを制御する。
【0063】
この基板処理装置においては、処理室10内で基板保持部12のチャックプレート14上に載置された処理対象の基板Gに対して、色素吸着工程、リンス工程および乾燥工程が順次行われる。
【0064】
色素吸着工程は、コントローラ82の制御の下で色素吸着部によって実行される。この場合、第1の切換部134の入側を色素溶液供給ライン40に切り換え、第2の切換部138の出側を色素溶液回収管142に切り換える。上記第1の実施形態における色素吸着処理と同様に、色素溶液供給部32より色素溶液がノズル20に所定の流量で送り込まれ、チャックプレート14と一体に回転運動する基板Gの上にノズル20のスリット状吐出口88L,88Rから色素溶液が吐出される。こうして、基板Gの被処理面(多孔質半導体層204)に色素溶液が一定の衝撃力で加圧接触し、さらにノズル20の溶液案内面92L,92Rの溝状凹凸部94L,94Rにおいて色素溶液の流れに上下方向の渦または乱流が発生して、基板Gの被処理面(多孔質半導体層204)に対する色素溶液の接触圧力が高められる。これにより、多孔質半導体層204の表層部で色素同士の凝集または会合が起り難く、多孔質半導体層204の内奥へ色素が効率よく浸透し、多孔質半導体層204への色素吸着が高速に進行する。
【0065】
色素吸着工程を開始してから所定の処理時間が経過すると、色素吸着部(特に色素溶液供給部32、色素溶液回収部34および基板保持部12の駆動部18)が停止して、色素吸着工程が終了する。次に、ノズル20を処理位置P1に固定したままで、リンス部がリンス工程を開始する。その際、第1の切換部134の入側をリンス液供給ライン116に切り換える。また、開閉弁64を開け、吸引ポンプ58および電磁比例弁62を作動させる。もっとも、リンス工程の開始直後は、第2の切換部138の出側を色素溶液回収管142に接続したままにしておく。
【0066】
リンス工程では、リンス液供給部110よりリンス液がノズル20に所定の流量で送り込まれ、チャックプレート14と一体に所定の速度で回転運動する基板Gの上にノズル20のスリット状吐出口88L,88Rからリンス液が吐出される。こうして、ノズル20の案内面92L,92Rと基板Gとの間のギャップの中でリンス液の流れが形成され、基板被処理面の多孔質半導体層204はそのようなリンス液の流れの中でリンス処理を受ける。このリンス処理によって、多孔質半導体層204の表面に付着または残存している余分の色素ないし色素溶液が速やかに洗い落とされる。
【0067】
色素吸着工程によって多孔質半導体層204の表面に付着または残存した余分の色素ないし色素溶液をそのままにしておくと、色素が会合して析出し、光電変換効率が低下するおそれがある。この実施形態では、上記のようなリンス処理により、多孔質半導体層204の表面から余分の色素を取り除くので、多孔質半導体層204の表層部における色素の会合・析出を効果的に防止することができる。これによって、当該色素増感太陽電池における光電変換の効率・再現性・安定性を向上させることができる。
【0068】
この実施形態では、リンス工程の開始直後ないし初期は、第2の切換部138の出側を色素溶液回収管142に切り換えたままにしているので、ノズル20の排出ポート36L,36Rより排出される色素溶液の混じった使用済みのリンス液(回収液)は、バキュームライン60、第2の切換部138および色素溶液回収管14を通って色素溶液回収部34へ送られる。色素溶液回収部34は、色素溶液が混じっている回収液から再生色素溶液を生成して、再生色素溶液を色素溶液部32のタンク38(図1)に送る。
【0069】
もっとも、回収液に混じっている色素溶液は、リンス工程が進行するにつれて次第に薄くなる。そこで、リンス工程の中期以降は、第2の切換部138の出側をリンス液回収管128に切り換えて、回収液をリンス液回収部112に送る。あるいは、リンス工程の中期は第2の切換部138の出側をドレイン管144に切り換え、リンス工程の後期だけ第2の切換部138の出側をリンス液回収管128に切り換えてもよい。
【0070】
リンス工程を開始してから所定の処理時間が経過すると、リンス部(特にリンス液供給部110、リンス液回収部112および基板保持部12の駆動部18)が停止して、リンス工程が終了する。次に、ノズル20を処理位置P1に固定したままで、乾燥部が乾燥工程を開始する。この場合、第1の切換部134の入側をガス供給ライン148に切り換え、開閉弁150を開ける。一方、色素溶液/リンス液回収系の開閉弁64は閉じておく。ただし、開閉弁76を開けたままにし、吸引ポンプ58を作動させて、処理室10内の排気を継続する。第2の切換部138の出側は、ドレイン管144に切り換える。
【0071】
乾燥工程では、乾燥用ガス供給源146より乾燥用のガスがノズル20に所定の流量で送り込まれ、チャックプレート14と一体に所定の速度で回転運動する基板Gの被処理面にノズル20のスリット状吐出口88L,88Rから乾燥用のガスが噴き付けられる。これによって、基板Gの被処理面に付着していたリンス液がノズル20からのガス流によって吹き飛ばされ、基板Gの被処理面が乾燥する。
【0072】
乾燥工程を開始してから所定の処理時間が経過すると、乾燥部(特に乾燥用ガス供給源146、吸引ポンプ58および基板保持部12の駆動部18)が停止して、乾燥工程が終了する。この直後に、ノズル移動機構22が作動して、ノズル20をチャックプレート14の上方の処理位置P1からノズル待機部26上の待機位置P2まで移動させる。基板保持部12は、チャックプレート14上で基板Gに対する吸着保持を解除し、リフトピン機構により基板Gをチャックプレート14の上方に持ち上げて搬送ロボットに渡す。
【0073】
上記のように、この実施形態の基板処理装置は、上記第1の実施形態の色素吸着装置を組み込むことにより、基板上の多孔質半導体層に増感色素を吸着させる処理の所要時間を大幅に短縮できるとともに、リンス部を備えることにより、色素吸着処理の直後にリンス処理を行って基板の半導体層の表層部から余分の色素を取り除いて、色素の会合・析出を効果的に防止ないし抑制し、色素増感太陽電池における光電変換の効率・再現性・安定性を向上させることができる。
【0074】
しかも、この実施形態の基板処理装置においては、増感色素吸着処理に用いるノズル20をそのまま後処理用のノズルとして、つまりリンス用のリンスノズルとして、さらには乾燥用のガスノズルとして用いるので、装置全体の簡略化および低コスト化を図れるだけでなく、これら複合処理全体の効率化ないし時間短縮も図れる。
【0075】
なお、図8の構成例では、リンス液供給部110に専用の供給ポンプ120、比例弁122を設けた。しかし、色素溶液供給部32の供給ポンプ44、比例弁46を供給ポンプ120、比例弁122として用いることも可能である。
【0076】
また、図示省略するが、増感色素吸着処理用のノズル20とは別個に、リンス専用のノズルあるいは乾燥専用のノズルを備えることも可能である。そのようなリンス専用のノズルあるいは乾燥専用のノズルには、従来周知または公知の任意のノズルを用いることもできるが、増感色素吸着処理専用のノズル20と同一構成の別のノズルを用いてもよい。したがって、このように処理別に異なるノズルを用いる場合は、処理毎に基板保持部12や処理室10等が異なっていてもよい。また、乾燥工程では、ノズルを一切使わずに、たとえばチャックプレート14と一体に基板Gを回転運動させて、基板被処理面の液切り(乾燥)を行うことも可能である。


[他の実施形態または変形例]
【0077】
以上、本発明の好適な一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で他の実施形態または種種の変形が可能である。
【0078】
たとえば、ノズル20の溝状凹凸部94L,94Rの断面形状を四角形以外の形状、たとえば図8Aおよび図8Bに示すような三角形にする構成も可能である。この場合も、溝状凹凸部94L,94Rで色素溶液(またはリンス液)の乱流を効率よく安定確実に発生させるには、溝状凹凸部94L,94Rの入口の幅をW、深さ(高さ)をDとすると、W=0.3Sa〜1.5Sa、D=0.3Sa〜1.5Saの範囲が望ましく、W=0.5Sa〜1.0Sa、D=0.5Sa〜1.0Saの範囲が最も好ましい。
【0079】
また、図9に示すように、ノズル20の吐出通路86L,86Rおよび吐出口88L,88Rを、ノズル長手方向に一定ピッチで配列される多数の細孔(トンネル)で構成することも可能である。このような多孔型の吐出口は、基板Gに対する吐出圧力(衝撃力)を一層高められる利点がある。
【0080】
ノズル20の溝状凹凸部94L,94Rにおいては、凹部が案内面92L,92Rに対して奥に凹む構成に限らず、図10に示すように凸部が案内面92L,92Rに対してギャップ側に突出する構成も可能である。
【0081】
また、図11に示すように、ノズル20に1系統の吐出口84、案内面92、溝状凹凸部94および吸引口96を備える構成も可能である。この場合は、基板G上の色素溶液の流れに対して基板G上の各位置で基板側の移動を常に順方向または逆方向に保つことが可能である。したがって、逆方向の基板移動方向(回転方向)を選んだ場合は、基板G上の各位置で色素溶液(またはリンス液)の相対的な流速を大きくすることができる。
【0082】
また、別の実施形態として、図12Aおよび図12Bに示すように、ノズル20の案内面92L,92Rから溝状凹凸部94L,94Rを省く構成も可能である。上記のように、ノズル20の溝状凹凸部94L,94Rは、基板G上の色素溶液(またはリンス液)の流れに渦または乱流を起こし、色素吸着処理を高速化に大きく貢献する。したがって、溝状凹凸部94L,94Rが無い分、色素吸着処理(またはリンス処理)の効率が下がり、処理時間は長くなる。しかし、従来の浸漬法と比較すれば、色素溶液の流れと吐出圧力(衝撃力)の作用により、色素吸着処理の効率は格段に高く、処理時間は著しく短くなる。
【0083】
さらに、別の実施形態として、図13Aおよび図13Bあるいは図14Aおよび図14Bに示すように、ノズル20から吸引部30L,30Rを省く構成も可能である。この場合、吸引部30L,30Rが無い分、基板G上の色素溶液(またはリンス液)の流れは緩慢になり、色素吸着処理(またはリンス処理)の効率が下がり、処理時間は長くなる。しかし、それでも、従来の浸漬法と比較すれば、色素吸着処理の効率は高く、処理時間は短くなる。
【0084】
また、吸引部30L,30Rの無い分をノズル20の吐出圧力または吐出流量を可変制御することによって補うことも可能である。すなわち、吸引部30L,30Rの無い場合は、基板G上の色素溶液の流れが緩慢になり、処理時間の経過につれて色素吸着の効率が低下する。そこで、図15Aに示すように、処理時間の一区間(特に好ましくは後半部分)または全区間(時間t=0〜TE)にわたり、時間の経過と共に電磁比例弁46,62を通じてノズル20の吐出圧力(または吐出流量)を線型的に上げていく方法を好適に採ることができる。あるいは、図15Bに示すように、処理時間の途中(特に好ましくは後半または終了間際)に、電磁比例弁46,62を通じてノズル20の吐出圧力(または吐出流量)をステップ的に上げる方法を好適に採ることができる。
【0085】
また、上記実施形態では、処理中に基板保持部12上で基板Gを方位角方向に回転運動させた。別の形態として、ノズル移動機構22を作動させて、ノズル20をノズル長手方向(Y方向)と直交する水平方向(X方向)で一定の周期で繰り返し往復移動させることも可能である。この場合は、ノズル長手方向(Y方向)において、ノズル20(吐出口88)の全長を基板Gの長さに合わせることで、処理中にノズル20(吐出口88)の両端部が基板Gの外へはみ出さないようにする(つまり色素溶液が周囲に飛散するのを完全に防止する)ことができる。
【0086】
あるいは、図16に示すように、ノズル20が長手方向(Y方向)だけでなく幅方向(X方向)においても基板Gのサイズを上回って基板Gをすっぽり覆うように、ノズル20を基板Gより一回り大きなサイズに構成することも可能である。この場合は、ノズル20および基板Gの双方を静止させた状態で、色素吸着処理を行うことができる。
【0087】
また、別の実施形態として、図17に示すように、ノズル20を円盤型に構成することも可能である。この場合、ノズル20は、同心状に形成された円形の吐出口88、円形の案内面92、円形の溝状凹凸部94、円形の吸引口96を備える。
【0088】
また、図示省略するが、ノズル20の凹凸部94(94L,94R)を溝以外の形態たとえばディンプル状に形成することも可能である。
【0089】
また、処理中にノズル20と基板Gとの間に相対移動を行わせる別の形態として、図18に示すように、ノズル20を静止させて基板Gをノズル20の長手方向(Y方向)と直交する水平方向(X方向)に直進移動または往復移動させる構成も可能である。この場合、基板Gを保持して水平移動させる手段として、載置式または浮上式のステージあるいはコンベアなどを用いることができる。
【0090】
また、図示省略するが、ノズル20から吸引部30(30L,30R)を独立させる構成も可能である。したがって、たとえば、ノズル20から離してその両側(または片側)隣に別体の吸引部30(30L,30R)の吸引口96(96L,96R)を配置する構成も可能である。
【0091】
本発明は、上述したように色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて多孔質の半導体層に増感色素を吸着させる工程に好適に適用できる。しかし、基板の表面に形成されている任意の薄膜に任意の色素を吸着させる処理に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 処理室
12 基板保持部
22 ノズル移動機構
26 待機バス
28 吐出部
30L,30R 吸引部
32 溶液供給部
34 溶液回収部
40 色素溶液供給ライン
46,62 電磁比例弁
60 バキュームライン
86L,86R 吐出通路
88L,88R 吐出口
92L,92R 溶液案内面
94L,94R 溝状凹凸部
96L,96R 吸引口
110 リンス液供給部
112 リンス液回収部
134,138 切換部
146 乾燥用ガス供給源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置であって、
前記基板の被処理面を上に向けて前記基板を保持する保持部と、
吐出口を下に向けて前記保持部の上方に配置されるノズルと、
前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記ノズルに圧送するための色素溶液供給部と
を有し、
前記保持部に保持される前記基板の被処理面に対して前記ノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる、
色素吸着装置。
【請求項2】
前記保持部上の前記基板と前記ノズルとの間で前記基板と平行に相対的な移動を行わせる移動機構を有する、請求項1に記載の色素吸着装置。
【請求項3】
前記移動機構は、静止している前記ノズルに対して前記保持部を前記基板と一体に方位角方向で回転運動させる回転機構を有する、請求項2に記載の色素吸着装置。
【請求項4】
前記移動機構は、静止している前記ノズルに対して前記基板を所定の方向で直進運動させる基板直進移動機構を有する、請求項2に記載の色素吸着装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記保持部上で静止している前記基板に対して前記ノズルを所定の方向で直進運動させるノズル直進移動機構を有する、請求項2に記載の色素吸着装置。
【請求項6】
前記ノズルの吐出口はスリット状に形成され、前記スリットの延びる方向と交差する方向に前記色素溶液の流れが形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項7】
前記ノズルの吐出口は一定の方向に一定のピッチで配列された多数の吐出孔を有し、前記吐出孔の配列方向と交差する方向に前記色素溶液の流れが形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項8】
前記ノズルの吐出口の周囲または隣には、第2のギャップを介して前記基板の被処理面と対向する案内面が形成されており、前記案内面に沿って前記色素溶液の流れが形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項9】
前記ノズルの前記案内面に凹凸部が形成されている、請求項8に記載の色素吸着装置。
【請求項10】
前記凹凸部は溝状に形成されている、請求項9に記載の色素吸着装置。
【請求項11】
前記溝状の凹凸部は平行または同心状に多数設けられる、請求項10に記載の色素吸着装置。
【請求項12】
前記溝状の凹凸部は、前記第2のギャップの寸法をSとすると、0.3S〜1.5Sの幅と、0.3S〜1.5Sの深さとを有する、請求項10または請求項11に記載の色素吸着装置。
【請求項13】
前記溝状の凹凸部は、前記第2のギャップの寸法をSとすると、0.5S〜1.0Sの幅と、0.5S〜1.0Sの深さとを有する、請求項10または請求項11に記載の色素吸着装置。
【請求項14】
前記基板の上で前記色素溶液の流れの終端に位置して、前記色素溶液を吸引する吸引部を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項15】
前記吸引部は、前記ノズルの下面に形成される吸引口と、前記ノズルの内部に形成されるバキューム通路とを有する、請求項14に記載の色素吸着装置。
【請求項16】
前記吸引口は、前記吐出口と平行または同心状に延びる、請求項15に記載の色素吸着装置。
【請求項17】
前記ノズルの吐出圧力を可変するための圧力制御部を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項18】
前記色素溶液の流量を可変するための流量制御部を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項19】
基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着方法であって、
前記基板の被処理面を上に向けて前記基板を所定の位置に配置する工程と、
前記基板にノズルを対向させる工程と、
前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記ノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記ノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる工程と
を有する色素吸着方法。
【請求項20】
処理中に、前記基板と前記ノズルとの間で前記基板と平行に相対的な移動を行わせる、請求項19に記載の色素吸着方法。
【請求項21】
前記基板と平行な面内で、前記吐出口の延びる方向または分布する方向と交差する方向に前記色素溶液の流れを形成する、請求項19または請求項20に記載の色素吸着方法。
【請求項22】
前記ノズルの吐出口の周囲または隣で、第2のギャップを介して前記基板の被処理面と対向する前記ノズルの案内面に沿って前記色素溶液の流れを形成する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項23】
前記色素溶液は、前記案内面に沿って乱流を起こしながら流れる、請求項22に記載の色素吸着方法。
【請求項24】
前記色素溶液は、前記案内面に形成されている凹凸部によって乱流を起こす、請求項23に記載の色素吸着方法。
【請求項25】
前記色素溶液の流れの終端で前記色素溶液を吸引して回収する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の色素吸着方法。
【請求項26】
処理中に前記ノズルの吐出圧力または吐出流量を可変する、請求項19〜25のいずれか一項に記載の色素吸着方法。
【請求項27】
処理時間の一区間または全区間にわたり時間の経過と共に前記ノズルの吐出圧力または吐出流量を線型的に増大させる、請求項26に記載の色素吸着方法。
【請求項28】
処理の途中で前記ノズルの吐出圧力または吐出流量をステップ的に増大させる、請求項26に記載の色素吸着方法。
【請求項29】
被処理面に多孔質の半導体層が形成されている基板を前記被処理面が上を向くようにして保持する保持部と、
前記保持部に保持される前記基板の半導体層に色素を吸着させるための色素吸着部と、
前記基板の半導体層の表面から余分の色素を洗い落すためのリンス部と
を具備し、
前記色素吸着部が、
吐出口を下に向けて前記保持部の上方に配置される第1のノズルと、
前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記第1のノズルに圧送するための色素溶液供給部と
を有し、
前記保持部に保持される前記基板の被処理面に対して前記第1のノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる、
基板処理装置。
【請求項30】
前記保持部上の前記基板と前記第1のノズルとの間で前記基板と平行に相対的な移動を行わせる移動機構を有する、請求項29に記載の基板処理装置。
【請求項31】
前記第1のノズルの吐出口はスリット状に形成され、前記スリットの延びる方向と交差する方向に前記色素溶液の流れが形成される、請求項29または請求項30に記載の基板処理装置。
【請求項32】
前記第1のノズルの吐出口は一定の方向に一定のピッチで配列された多数の吐出孔を有し、前記吐出孔の配列方向と交差する方向に前記色素溶液の流れが形成される、請求項29〜31のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項33】
前記第1のノズルの吐出口の周囲または隣には、第2のギャップを介して前記基板の被処理面と対向する案内面が形成されており、前記案内面に沿って前記色素溶液の流れが形成される、請求項29〜32のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項34】
前記第1のノズルの前記案内面に凹凸部が形成されている、請求項33に記載の基板処理装置。
【請求項35】
前記基板の上で前記色素溶液の流れの終端に位置して、前記色素溶液を吸引する吸引部を有する、請求項29〜34のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項36】
前記吸引部は、前記第1のノズルの下面に形成される吸引口と、前記第1のノズルの内部に形成されるバキューム通路とを有する、請求項35に記載の基板処理装置。
【請求項37】
前記リンス部が、
第2のノズルと、
リンス液を前記第2のノズルに圧送するためのリンス液供給部と
を有し、
前記リンス液供給部より前記リンス液を前記第2のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記第2のノズルの吐出口より前記リンス液を吐出させて、前記半導体層の表面から余分の色素を取り除く、
請求項29〜36のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項38】
前記第1のノズルが前記第2のノズルを兼用する、請求項37に記載の基板処理装置。
【請求項39】
前記基板の被処理面からリンス液を除去して、前記半導体層の表面を乾燥させる乾燥部を有する、請求項37または請求項38に記載の基板処理装置。
【請求項40】
前記乾燥部が、
第3のノズルと、
乾燥用のガスを前記第3のノズルに圧送するための乾燥ガス供給部と
を有し、
前記乾燥ガス供給部より前記乾燥用のガスを前記第3のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に前記第3のノズルの吐出口より前記乾燥用のガスを吐出させ、前記基板の被処理面からリンス液を取り除く
請求項39に記載の基板処理装置。
【請求項41】
前記第1のノズルが前記第3のノズルを兼用する、請求項40に記載の基板処理装置。
【請求項42】
被処理面に多孔質の半導体層が形成されている基板に第1のノズルを対向させる工程と、
色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を前記第1のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記第1のノズルの吐出口より第1のギャップを介して前記色素溶液を吐出させ、前記基板の被処理面上で前記色素溶液の流れを形成して、前記色素溶液に含まれる前記色素を前記半導体層に吸着させる色素吸着工程と、
前記基板の半導体層の表面から余分の色素を洗い落すためのリンス工程と
を有する基板処理方法。
【請求項43】
前記色素吸着工程において、処理中に前記基板と前記第1のノズルとの間で前記基板と平行に相対的な移動を行わせる、請求項42に記載の基板処理方法。
【請求項44】
前記色素吸着工程において、前記基板と平行な面内で、前記第1のノズルの吐出口の延びる方向または分布する方向と交差する方向に前記色素溶液の流れを形成する、請求項42または請求項43に記載の基板処理方法。
【請求項45】
前記色素吸着工程において、前記第1のノズルの吐出口の周囲または隣で、第2のギャップを介して前記基板の被処理面と対向する前記第1のノズルの案内面に沿って前記色素溶液の流れを形成する、請求項42〜44のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項46】
前記色素溶液は、前記案内面に沿って乱流を起こしながら流れる、請求項45に記載の基板処理方法。
【請求項47】
前記色素溶液は、前記案内面に形成されている凹凸部によって乱流を起こす、請求項46に記載の基板処理方法。
【請求項48】
前記色素溶液の流れの終端で前記色素溶液を吸引して回収する、請求項42〜47のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項49】
前記色素吸着工程において、処理中に前記第1のノズルの吐出圧力または吐出流量を可変する、請求項42〜48のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項50】
前記色素吸着工程において、処理時間の一区間または全区間にわたり時間の経過と共に前記第1のノズルの吐出圧力または吐出流量を線型的に増大させる、請求項49に記載の基板処理方法。
【請求項51】
前記色素吸着工程において、処理の途中で前記第1のノズルの吐出圧力または吐出流量をステップ的に増大させる、請求項50に記載の基板処理方法。
【請求項52】
前記リンス工程は、
前記基板の被処理面に第2のノズルを対向させる工程と、
リンス液を前記第2のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記第2のノズルの吐出口より前記リンス液を吐出させる工程と
を有する、請求項42〜51に記載の基板処理方法。
【請求項53】
前記第1のノズルが前記第2のノズルを兼用する、請求項52に記載の基板処理方法。
【請求項54】
前記基板の被処理面からリンス液を除去して、前記半導体層の表面を乾燥させる乾燥工程を有する、請求項42〜53のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項55】
前記乾燥工程は、
前記基板に第3のノズルを対向させる工程と、
乾燥用のガスを前記第3のノズルに圧送し、前記基板の被処理面に対して前記第3のノズルの吐出口より前記乾燥用のガスを吐出させる工程と
を有する、請求項54に記載の基板処理方法。
【請求項56】
前記第1のノズルが前記第3のノズルを兼用する、請求項55に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−129188(P2012−129188A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119604(P2011−119604)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】