説明

色素吸着装置

【課題】基板上の多孔質半導体層に色素を吸着させる色素吸着処理のスループットおよび色素使用効率を改善すること。
【解決手段】色素溶液滴下塗布部12は、この色素吸着装置10に搬入された未処理の基板Gに対して、基板G上の多孔質半導体層に色素溶液を滴下塗布する第1の処理(色素溶液滴下塗布処理)を行う。溶媒蒸発除去部14は、基板G上の半導体層に塗布された色素溶液から溶媒を蒸発させて除去する第2の処理(溶媒除去処理)を行う。リンス部16は、基板G上の半導体層の表面に付いている不要または余分な色素を洗い落として除去する第3の処理(リンス処理)を行う。コントローラ20は、この色素吸着装置内の各部の動作を制御し、さらには色素吸着処理を実行するための装置全体のシーケンスを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、色素増感型の太陽電池が、将来の低コスト太陽電池として有望視されている。図10に示すように、色素増感太陽電池は、基本構造として、透明電極(陰極)200と対向電極(陽極)202との間に増感色素を担持する多孔質の半導体層(作用極)204と電解質層206を挟み込んでいる。ここで、半導体層204は、透明電極200、電界質層206および対向電極202と共にセル単位に分割されており、透明基板208上に透明電極200を介して形成される。対向電極202は対向基板210上に下地電極205を介して形成されている。各セルの透明電極200は、隣の対向電極202と電気的に接続されており、モジュール全体で多数のセルが電気的に直列接続または並列接続されている。図示のタイプでは、透明電極200上に各々の半導体層(作用極)204に隣接してそれと平行に延びる集電用のグリッド配線212が形成され、真向かいの対向電極(陽極)202側にも同様のグリッド配線214が形成される。両グリッド配線212,214には保護用の絶縁膜216,218がそれぞれ被せられる。
【0003】
かかる構成の色素増感太陽電池においては、透明基板208の裏側から可視光が照射されると、半導体層204に担持されている色素が励起され、電子を放出する。放出された電子は半導体層204を介して透明電極200に導かれ、外部に送り出される。送り出された電子は、外部回路(図示せず)を経由して対向電極202に戻り、電界質層206中のイオンを介して再び半導体層204内の色素に受け取られる。こうして、光エネルギーを即時に電力に変換して出力するようになっている。
【0004】
このような色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、多孔質の半導体層204に増感色素を吸着させるために、従来は、透明基板208上に形成された半導体層204を色素溶液に浸漬する方法が採られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−244954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような浸漬方式の色素吸着処理は、色素溶液の消費量が多いにも拘わらず、長い処理時間(通常10時間以上)を要しており、色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて全工程のタクトを律速し、生産効率を下げる一因になっている。この問題に対して、浸漬方式の色素吸着装置を複数台並列稼働させることも考えられるが、少なくとも数10台の装置を用意しなければならず、実用的ではない。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着処理のスループットおよび色素使用効率を改善する色素吸着装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の色素吸着装置は、基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置であって、前記色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を吐出するノズルを備え、前記基板上の前記半導体層に前記色素溶液を前記ノズルより滴下して塗布する色素溶液滴下塗布部と、前記基板上の前記半導体層に塗布された前記色素溶液から溶媒を蒸発させて除去する溶媒蒸発除去部と、前記基板上の前記半導体層の表面に付いている不要な色素を洗い落として除去するリンス部とを有する。
【0009】
上記の装置構成においては、基板上の半導体層に色素溶液を滴下塗布して、その塗布膜から色素を半導体層の内奥へ浸み込ませて半導体層の各部に吸着させる。この場合、基板上で色素溶液の塗布膜が半導体層を隈なく覆うように、走査機構を用いてノズルと基板との間で相対的な移動を行わせるのが好ましい。また、半導体層のパターンに応じた口径およびピッチの吐出口を多数有するノズルを用いることで、ノズルの吐出口より滴下吐出される色素溶液を半導体層のパターン領域に限定して塗布することも可能である。
【0010】
基板上の半導体層に滴下塗布された色素溶液は、溶媒蒸発除去部により強制的に蒸発させられて略完全に除去される。これによって、半導体層に色素が高純度で均一に担持されるようになる。そして、半導体層の表面に残った不要な色素は、リンス部によって洗い落とされる。このように、不要な色素を洗い落とすことによって、光電変換効率の再現性および信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の色素吸着装置よれば、上記のような構成および作用により、基板上の多孔質半導体層に色素を吸着させる色素吸着処理のスループットを大きく改善するとともに、色素溶液の使用量を必要最小限に抑えて色素使用効率を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明における色素吸着装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における色素吸着装置の全体構成を示す断面図である。
【図3】上記実施形態における色素吸着装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】上記色素吸着装置における搬送機構の構成を示す斜視図である。
【図5】色素溶液滴下塗布モジュールの構成を示す断面図である。
【図6】上記色素溶液滴下塗布モジュールにおけるノズルの吐出口と基板上の半導体層パターンとの対応関係を示す図である。
【図7】基板上に塗布された色素溶液中の色素が半導体層に進入する様子を模式的に示す断面図である。
【図8】色素溶液蒸発除去モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】リンスモジュールの構成を示す斜視図である。
【図10】色素増感太陽電池の基本構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。

[装置の基本構成]
【0014】
図1に、本発明における色素吸着装置の基本構成を示す。この色素吸着装置は、たとえば、色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、多孔質の半導体層に増感色素を枚葉方式で吸着させる工程で使用される。その場合、対向側の部材(対向電極202、対向基板210、電解質層206)が組み合わされる前に透明電極200、多孔質の半導体層204、グリッド配線層212およびその保護層216が形成された透明基板208(図10)が、この色素吸着装置における被処理基板Gとなる。
【0015】
ここで、透明基板208は、たとえば石英、ガラスなどの透明無機材料、あるいはポリエステル、アクリル、ポリイミドなどの透明プラスチック材料からなる。透明電極200は、たとえばフッ素ドープSnO2(FTO)、あるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)からなる。多孔質の半導体層204は、たとえばTiO2、ZnO、SnO2などの金属酸化物からなる。また、グリッド配線層212はたとえばAgなどの抵抗率の低い導体からなり、保護層216はたとえばUV硬化樹脂などの絶縁体からなる。被処理基板Gは、所定の形状(たとえば四角形)および所定のサイズを有し、たとえば搬送ロボットあるいは平流し搬送機構からなる外部搬送装置(図示せず)によりこの色素吸着装置に搬入/搬出される。
【0016】
この色素吸着装置10は、基本的な装置形態として、色素溶液滴下塗布部12、溶媒蒸発除去部14、リンス部16、搬送機構18およびコントローラ20を備えている。ここで、色素溶液滴下塗布部12は、この色素吸着装置10に搬入された未処理の基板Gに対して、基板G上の多孔質半導体層204に色素溶液を滴下塗布する第1の処理(色素溶液滴下塗布処理)を行うように構成されている。溶媒蒸発除去部14は、基板G上の半導体層204に塗布された色素溶液から溶媒を蒸発させて除去する第2の処理(溶媒除去処理)を行うように構成されている。そして、リンス部16は、基板G上の半導体層204の表面に付いている不要または余分な色素を洗い落として除去する第3の処理(リンス処理)を行うように構成されている。搬送機構18は、色素溶液滴下塗布部12、溶媒蒸発除去部14およびリンス部16の間で基板Gを1枚ずつ転送するように構成されている。コントローラ20は、マイクロコンピュータおよび所要のインタフェースを有しており、この色素吸着装置内の各部の動作を制御し、さらには色素吸着処理を実行するための装置全体のシーケンスを制御する。

[一実施形態における装置構成]
【0017】
図2および図3に、本発明の一実施形態における色素吸着装置10の具体的な構成を示す。この実施形態では、各処理部(12,14,16)をモジュール化している。色素溶液滴下塗布部12は、複数台たとえば3台のモジュール12(1),12(2),12(3)を縦に重ねて並列配置し、それら3台のモジュールをタクトタイムTSの時間差で同時(並列)稼働させるようにしている。溶媒蒸発除去部14は、複数台たとえば12台のモジュール14(1)〜14(12)を搬送機構18の両側で縦に重ねて配置し、それら12台のモジュールをタクトタイムTSの時間差で同時(並列)稼働させるようにしている。リンス部16は、複数台たとえば3台のモジュール12(1),12(2),12(3)を縦に重ねて配置し、それら3台のモジュールをタクトタイムTSの時間差で同時(並列)稼働させるようにしている。
【0018】
色素溶液滴下塗布部12においては、外部搬送装置によりタクトタイムTSの周期で新規または未処理の基板Gが3台のモジュール12(1),12(2),12(3)に1枚ずつ順次かつ繰り返し搬入される。一方で、それらのモジュール12(1),12(2),12(3)からタクトタイムTSの周期で色素溶液滴下塗布処理の済んだ基板Gが搬送機構18により1枚ずつ順次かつ繰り返し搬出される。各モジュール12(i)(i=1,2,3)の構成および作用は後に詳細に述べる。
【0019】
搬送機構18は、色素溶液滴下塗布部12よりタクトタイムTSの周期で搬出した基板Gを溶媒蒸発除去部14のモジュール14(1)〜14(12)に1枚ずつ順次かつ繰り返し投入する。一方で、それらのモジュール14(1)〜14(12)からタクトタイムTSの周期で溶媒除去処理の済んだ基板Gが搬送機構18により1枚ずつ順次かつ繰り返し搬出される。各モジュール14(j)(j=1,2・・12)の構成および作用は後に詳細に述べる。
【0020】
搬送機構18は、溶媒蒸発除去部14よりタクトタイムTSの周期で搬出した基板Gをリンス部16のモジュール16(1),16(2),16(3)に1枚ずつ順次かつ繰り返し投入する。一方で、それらのモジュール16(1),16(2),16(3)からタクトタイムTSの周期でリンス処理の済んだ基板Gが外部搬送装置により1枚ずつ順次かつ繰り返し搬出される。各モジュール16(k)(k=1,2,3)の構成および作用は後に詳細に述べる。
【0021】
図4に、搬送機構18の構成を示す。この搬送機構18は、たとえば一対のガイドレール22に沿って水平な一方向(X方向)に移動可能に構成された搬送ベース24と、この搬送ベース24上で方位角方向(θ方向)に回転可能かつ鉛直方向(Z方向)に昇降可能であって、水平の進退または伸縮移動を各々独立に行える上下2段の搬送アームMU,MLを有している。より詳細には、搬送機構18は、たとえばリニアモータまたはボールネジ機構を有する昇降駆動部(図示せず)を搬送ベース24の中に備えており、その昇降駆動部の昇降駆動軸26に上部および下部搬送本体28U,28Lを2段に重ねて昇降可能に取り付け、昇降駆動軸26上で各搬送本体28U,28Lを方位角方向(θ方向)で各々独立に任意の方角に回転移動できるように構成し、搬送本体28U,28L上で両搬送アームMU,MLをそれぞれ独立に進退または伸縮移動できるように構成している。各々の搬送アームMU,MLは、矩形の基板Gを1枚ずつ着脱可能に載置、担持または保持できるように構成されている。
【0022】
かかる構成の搬送機構18は、色素溶液滴下塗布部12の全てのモジュール12(1)〜12(3)、溶媒蒸発除去部14の全てのモジュール14(1)〜14(12)およびリンス部16の全てのモジュール16(1)〜16(3)にアクセスすることができる。そして、色素溶液滴下塗布部12の各モジュール12(i)に対するアクセスでは、搬送アームMU,MLのいずれか一方を用いて当該モジュール12(i)で色素溶液滴下塗布処理の済んだ基板Gを搬出する。溶媒蒸発除去部14の各モジュール14(j)に対するアクセスでは、搬送アームMU,MLのいずれか一方を用いて当該モジュール14(j)で溶媒除去処理の済んだ基板Gを搬出し、それと入れ替わりに搬送アームMU,MLの他方を用いて色素溶液滴下塗布部12より運んできた別の基板Gを搬入する。そして、リンス部16の各モジュール16(k)に対するアクセスでは、搬送アームMU,MLのいずれか一方を用いて当該モジュール16(k)でリンス処理の済んだ基板Gを搬出し、それと入れ替わりに搬送アームMU,MLの他方を用いて溶媒蒸発除去部14より搬出して持ってきた別の基板Gを搬入する。

[色素溶液滴下塗布モジュールの構成および作用]
【0023】
図5〜図7につき、色素溶液滴下塗布部12における各モジュール12(i)の構成および作用を説明する。
【0024】
図5に示すように、色素溶液滴下塗布モジュール12(i)は、水平な一方向(X方向)でカスケード接続され、各々が大気から独立した雰囲気を形成できる3つのチャンバ30,32,34を有している。後述するように、これら3つのチャンバ30,32,34において、色素溶液滴下塗布の前処理、本処理および後処理がパイプライン方式で同時かつ個別に行われるようになっている。
【0025】
先端の前置チャンバ30は、1枚の基板Gを平流し搬送で効率よく出し入れするのに適した扁平なスペースを有し、室内の雰囲気を大気圧状態と減圧状態との間で切り換えられるようになっている。基板Gを出し入れするために、前置チャンバ30の平流し搬送方向(X方向)で相対向する側壁には、大気空間に臨む入口側のドアバルブ36と、後段の主チャンバ32と連結するための出口側のゲートバルブ38がそれぞれ取り付けられている。チャンバ30の中には平流し搬送用のコンベアたとえばベルトコンベア40が設けられ、前置チャンバ30の外にベルトコンベア40を駆動するためのモータ等を有する搬送駆動部42が設けられている。
【0026】
前置チャンバ30は、ドアバルブ36を開けて大気圧の下で新規の基板Gを搬入し、その直後にドアバルブ36を閉めて、室内を真空引きして減圧状態に切り換えるようにしている。この真空引きのために、前置チャンバ30の底壁に1つまたは複数の排気口44が設けられている。各排気口44は、排気管46を介して真空ポンプまたはエジェクタを有する真空排気部48に通じている。排気管46の途中に開閉弁50が設けられている。
【0027】
また、前置チャンバ30は、ゲートバルブ38を開けて前処理の済んだ基板Gを隣の主チャンバ32へ送り出した後、次の新規の基板Gを向かい入れるためにゲートバルブ38を閉めて室内を減圧状態から大気圧状態に変換するようにしている。この減圧状態から大気圧状態への変換のために、前置チャンバ30の天井には1つまたは複数のパージガス導入口52が設けられている。各パージガス導入口52にはガス供給管54を介してパージガス供給部56が接続され、ガス供給管54の途中に開閉弁58が設けられている。パーズガスには、たとえはエアまたは窒素ガスが用いられる。この実施形態では、前置チャンバ30が基板Gを1枚出し入れするのに必要最小限の容積を有するように構成されているので、真空引きおよびパージングのいずれも短時間で効率よく行える。
【0028】
前置チャンバ30の天井には、加熱乾燥用のヒータとしてたとえば面状のシーズヒータ60も設けられている。また、前置チャンバ30の片隅または底部には除湿乾燥機62も設けられている。
【0029】
かかる構成の前置チャンバ30では、ベルトコンベア40上で静止した基板G上の半導体層204に対して、色素溶液滴下塗布の前処理として、一定時間(たとえば数10秒)に亘り、真空排気部48による減圧、シーズヒータ60による加熱および/または除湿乾燥機62による除湿といった複数種類の乾燥処理が選択的または全部同時に行われるようになっている。
【0030】
なお、シーズヒータ60の加熱温度は、次工程(主チャンバ32内)で基板Gが色素溶液の沸点よりも低い基板温度で色素溶液滴下塗布の本処理を受けられるような値に選定される。したがって、色素溶液の沸点がたとえば60℃である場合は、シーズヒータ60の加熱温度に対して60℃を少し超える位の上限値が設定される。真空排気部48によって達成される減圧雰囲気の圧力は、特に制限はないが、得られる乾燥処理効果と用力効率の両面から50mTorr〜100mTorrの範囲が好ましい。また、除湿乾燥機62によって達成される乾燥度も、特に制限はないが、得られる乾燥処理効果と用力効率の両面から露点−30℃〜−50℃の範囲が好ましい。
【0031】
中間の主チャンバ32は、ここで色素溶液滴下塗布の本処理を行うために、色素溶液を滴下吐出するノズル64と、塗布走査のために基板Gに対してノズル64を相対的に移動させるための走査機構66とを備えている。この実施形態における走査機構66は、処理中にノズル64を定位置に保持し、基板Gを平流し搬送機構たとえばベルトコンベア68によりノズル64の直下を通過するように水平な一方向(X方向)に移動させる走査形態を採っている。チャンバ32の外には、ベルトコンベア68を駆動するためのモータ等を有する搬送駆動部70が設けられている。
【0032】
上記ゲートバルブ38は、主チャンバ32においては入口側になる。このゲートバルブ38を開状態にして、隣の前置チャンバ30から基板Gを両ベルトコンベア40,68による平流し搬送で主チャンバ32に移すことができる。主チャンバ32の出口側には、後段のチャンバ34と連結するためのゲートバルブ72が取り付けられている。
【0033】
この主チャンバ32の室内は、常時減圧状態に保たれるようになっている。このために、主チャンバ32の底壁には1つまたは複数の排気口74が設けられている。各排気口74は、排気管76を介して真空ポンプを有する真空排気部78に通じている。排気管76の途中に開閉弁80が設けられている。この実施形態では、主チャンバ34がノズル64を収容し、かつ基板Gを1枚出し入れするのに必要最小限の容積を有するように構成されているので、真空引きを最小の用力で効率よく持続することができる。一方、主チャンバ32の片隅または底部には除湿乾燥機82が設けられている。かかる構成により、主チャンバ32内で基板G上の半導体層204に色素溶液を滴下塗布する際にも、真空排気部78により減圧雰囲気を形成しつつ、除湿乾燥機82により室内の除湿を行えるようになっている。
【0034】
ノズル64は、主チャンバ32の天井に設けられたノズル移動機構84により、ベルトコンベア68上の基板Gに所定の至近距離で対向する滴下吐出位置と、この滴下吐出位置の近傍に設置されたノズル待機部86との間で移動できるようになっている。ノズル待機部86は、ノズル64の形状およびサイズに対応した上面開口を有する溶媒溜め部として構成されている。ノズル64がノズル待機部86上に待機している間は、ノズル64下面の吐出口65がノズル待機部86内の溶媒の蒸気に晒され、これによって目詰まりを起こさないようになっている。なお、ノズル64がノズル待機部86から離れている間は、ノズル待機部86から溶媒の蒸気が周囲に漏出しないように、排気ライン(図示せず)を開けてノズル待機部86内の局所排気を行うのが好ましい。
【0035】
ノズル64は、供給管88を介して色素溶液供給部90に接続されている。この色素溶液供給部90は、色素溶液を貯留する容器、この容器から色素溶液を汲み出してノズル64へ圧送するポンプ、色素溶液の流量または単位時間当たりの滴下量を調整する制御弁等を備えている。なお、この色素吸着装置で用いられる色素溶液は、増感色素を所定の濃度で溶媒に溶かしたものである。増感色素としては、たとえば金属フタロシアニンなどの金属錯体あるいはシアニン系色素、塩基性色素などの有機色素が用いられる。溶媒には、たとえばアルコール類、エーテル類、アミド類、炭化水素などが用いられる。
【0036】
ノズル64は、図6に示すように、塗布走査方向(X方向)と直交する水平方向(Y方向)に延びる長尺型のノズルとして構成され、その長手方向に中空ピン型または多孔型の吐出口65を一列に並べて設けている。ノズル64における吐出口65の口径およびピッチは、基板G上のセルパターンつまり半導体層204のパターンの幅WおよびピッチPに対応している。
【0037】
図示の例では、基板Gが4つの太陽電池パネルを取れる4面取りタイプであり、基板G上の被処理面が4つの製品(パネル)領域M1,M2,M3,M4に分割され、各々の製品領域内に半導体層204の帯状パターンが一定のピッチPで平行に多数形成されている。ここで、第1の製品領域M1における半導体層204の帯状パターンと第2の製品領域M2における半導体層204の帯状パターンとは同一直線上で重なっており、第3の製品領域M3における半導体層204の帯状パターンと第4の製品領域M4における半導体層204の帯状パターンとは同一直線上で重なっている。
【0038】
このような4面取りタイプの基板Gに対しては、第1および第2の製品領域M1,M2にハーフサイズのノズル64Aを充て、第3および第4の製品領域M3,M4にハーフサイズのノズル64Bを充てる構成を好適に採ることができる。図中、両ノズル64A,64Bを支持する梁状の支持体92はノズル移動機構84(図5)に結合されている。そして、基板Gと両ノズル64A,64Bとの間で半導体層204の帯状パターンと平行に塗布走査方向(X方向)での相対移動を行わせることにより、両ノズル64A,64Bの各吐出口65より滴下吐出される色素溶液CSを基板G上の各対応する半導体層204に的中させて、図7に示すように、基板G上の全ての半導体層204を色素溶液CSの塗布膜によって隈なく均一に覆うことができる。
【0039】
なお、図示の例においては、第1および第3の製品領域M1,M3と第2および第4の製品領域M2,M4との間非製品領域が存在し、この部分では半導体層204がいったん途切れる。このように半導体層204が途切れる箇所または領域では、塗布走査中にノズル64(64A,64B)の滴下吐出を一時的に停止させてよく、それによって色素溶液CSの使用効率を一層向上させることができる。
【0040】
上記のように、この実施形態では、主チャンバ32内で基板G上の半導体層204に色素溶液CSを滴下供給するに先立って、別室の前置チャンバ30内で基板G上の半導体層204に減圧、加熱および/または除湿の乾燥処理(前処理)を選択的または多重に施すようにしている。さらには、主チャンバ32内でも減圧雰囲気を形成し、除湿も継続実施できるようにしている。こうして、この色素吸着装置10に基板Gが搬入される前に半導体層204に大気中で付着ないし浸み込んだ水蒸気(不純物)を略完全に除去した状態の下で、色素溶液滴下塗布の本処理が実施されることにより、基板G上に滴下塗布した色素溶液CSを多孔質半導体層204の内奥まで効率よく速やかに行き渡らせて、色素溶液CS中の色素を半導体層204に高純度で均一に吸着させることができる。
【0041】
この実施形態では、基板Gの後端がノズル64を通過した後、ベルトコンベア68を停止させて基板Gを主チャンバ32内にしばらく留める。この間も、主チャンバ32内の減圧状態は維持される。また、除湿を継続するのも好ましい。このように、溶液滴下塗布の本処理が終了した直後に基板Gが減圧雰囲気(あるいは減圧および除湿の雰囲気)中にしばらく放置されることによって、基板G上では半導体層204における色素吸着が円滑に促進される。
【0042】
真空排気部48によって主チャンバ32内に形成される減圧雰囲気の圧力は、半導体層204における色素溶液CSの拡がりと色素の吸着を促進させるうえで、前置チャンバ30内の減圧雰囲気の圧力よりも高い方がよく、50mTorr〜100mTorrの範囲が好ましい。一方、除湿乾燥機82によって達成される乾燥度は、特に制限はないが、得られる色素吸着促進効果と用力効率の両面から露点−30℃〜−50℃の範囲が好ましい。
【0043】
この実施形態の色素溶液滴下塗布モジュール12(i)においては、パイプライン方式を採るため、主チャンバ32内に基板Gが滞在する時間T32は、前置チャンバ30内の滞在時間T30と同じであり、たとえば数10秒〜1分の範囲内に設定することができる。
【0044】
最後尾に位置する後置チャンバ34は、1枚の基板Gを平流し搬送で出し入れするのに適した扁平なスペースを有し、室内の雰囲気を大気圧状態と減圧状態との間で切り換えられるようになっている。基板Gを出し入れするために、後置チャンバ34の平流し搬送方向(X方向)で相対向する側壁には、前段の主チャンバ32と連結するための入口側のゲートバルブ72と、大気空間に臨む出口側のドアバルブ96とがそれぞれ取り付けられている。後置チャンバ34の中には平流し搬送用のコンベアたとえばベルトコンベア98が設けられ、後置チャンバ34の外にベルトコンベア98を駆動するためのモータ等を有する搬送駆動部100が設けられている。
【0045】
後置チャンバ34は、ゲートバルブ72を開けて減圧下で新規の基板Gを搬入し、その直後にゲートバルブ72を閉めて、室内をパージングして大気圧または正圧に切り換えるようにしている。真空引きのために、後置チャンバ34の底壁に1つまたは複数の排気口102が設けられている。各排気口102は、排気管104を介して真空ポンプまたはエジェクタを有する真空排気部106に通じている。排気管104の途中に開閉弁108が設けられている。また、パージングのために、後置チャンバ34の天井には1つまたは複数のパージガス導入口110が設けられている。各パージガス導入口110にはガス供給管112を介してパージガス供給部114が接続され、ガス供給管112の途中に開閉弁116が設けられている。パーズガスには、たとえはエアまたは窒素ガスが用いられる。この実施形態では、後置チャンバ34が基板Gを1枚出し入れするのに必要最小限の容積を有するように構成されているので、真空引きおよびパージングのいずれも短時間で効率よく行える。
【0046】
後置チャンバ34の天井には、加熱乾燥用のヒータとしてたとえば面状のシーズヒータ118も設けられている。また、後置チャンバ34の片隅または底部には除湿乾燥機120も設けられている。
【0047】
かかる構成の後置チャンバ34では、ベルトコンベア100上で静止した基板G上の半導体層204に対して、色素溶液滴下塗布の後処理として、一定時間(たとえば数10秒)に亘り、パージガス供給部114による大気圧または正圧下のパージング、シーズヒータ118による加熱および/または除湿乾燥機120による除湿といった複数種類の乾燥処理が選択的または全部同時に行われるようになっている。これらの乾燥処理は、半導体層204上に滴下塗布された色素溶液CSから溶媒を比較的緩い速度で除去しながら半導体層204における色素の吸着を促進させるものであり、次工程または第2の処理(溶媒蒸発除去処理)に対する前処理でもある。
【0048】
ここで、シーズヒータ118の加熱温度は、色素溶液滴下塗布の本処理が終了した後なので、特に制限はなく、色素溶液CSの沸点より高くてもよいが、高すぎると色素吸着中の基板G上の半導体層204に望ましくない熱的影響を与えるので、200℃以下に抑制するのが好ましい。また、除湿乾燥機62によって達成される乾燥度は、特に制限はないが、得られる乾燥処理効果と用力効率の両面から露点−30℃〜−50℃の範囲が好ましい。
【0049】
後置チャンバ34内に基板Gが滞在する時間T34も、前置チャンバ30および主チャンバ32内の滞在時間T30,T30と同じである。

[溶媒蒸発除去部およびリンス部の構成および作用]
【0050】
図8に、溶媒蒸発除去モジュール14(j)の構成を示す。この溶媒蒸発除去モジュール14(j)は、1枚の基板Gを載置して搬送するプレート122を、スライド式で引き出しのように本体熱処理室124に出し入れできるようにしている。搬送機構18が、搬送アームMU,MLのいずれか一方を用いて色素溶液滴下塗布部12より運んできた基板Gをプレート122の上に載せると(a)、プレート122はスライド移動して本体熱処理室124の中に基板Gをローディングする。本体熱処理室124内には、たとえば天井に面状ヒータ126(図2)が設けられており、このヒータ126により基板G上の半導体層204をたとえば200℃の温度で1分〜2分程度の時間をかけて加熱する。この熱処理によって、基板G上の半導体層204に付着している色素溶液CSの溶媒および色素吸着過程で生成される水分が略完全に無くなるまで蒸発する。その結果、半導体層204に色素が高純度で均一に担持されるようになる。
【0051】
上記のような熱処理つまり溶媒蒸発除去処理を行っている間、プレート122は本体熱処理室124の外で待機している(c)。そして、溶媒蒸発除去処理が終了した後に、プレート122は、本体熱処理室124の中に入って基板Gを受け取り、受け取った基板Gを外に出して大気下で一定時間晒して冷却する(b)。その後、プレート122に備わっている昇降ピン128を搬送アームMU,MLと連携して昇降動作させることにより、プレート122上で処理済みの基板Gと次の基板Gとを入れ替える(a)。
【0052】
図9に、リンスモジュール16(k)の要部の構成を示す。このリンスモジュール16(k)は、環状カップ130の内側中心部に回転ステージ132を設置し、この回転ステージ132上に基板Gを載せ、回転ステージ132に備え付けているメカニカル式またはバキューム式のチャック機構(図示せず)によって基板Gを保持する。そして、回転駆動部134により回転軸136を介して基板Gを回転ステージ132と一体に適度な回転速度でスピン回転させながら、その上方に配置したノズル138よりリンス液(たとえば純水)Rを所定の流量で基板Gの表面に噴き付ける。ノズル138が移動型の場合は、ノズル138を支持するアーム140を旋回運動または揺動させて、ノズル138を基板Gの半径方向で往復移動させてよい。ノズル138が、定置型の場合は、基板Gの1回転で基板Gの全領域をカバーできるような長尺型ノズルが好ましい。このリンス処理によって、基板G上の半導体層204の表面に付着している不要な色素が除去される。このリンス処理の終了後に、ステージ132を高速回転させて、基板Gに付着しているリンス液を飛ばし、液切りする(乾燥させる)。
【0053】
このように、基板G上の半導体層204の表面に付着している不要な色素を洗い落とすことによって、光電変換効率の再現性および信頼性を向上させることができる。
【0054】
上記のように、この実施形態の色素吸着装置においては、色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、基板Gの被処理面に形成されている多孔質の半導体層204に増感色素を吸着させる色素吸着処理のスループットを大きく改善するとともに、色素溶液の使用量を必要最小限に抑えて色素使用効率を大幅に改善することができる。

[他の実施形態または変形例]
【0055】
以上、本発明の好適な一実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内で他の実施形態または種種の変形が可能である。
【0056】
たとえば、色素溶液滴下塗布部12において、モジュールタクトの低下を伴うが、色素溶液滴下塗布の前処理、本処理および後処理を2つのチャンバを用いて、あるいは単一のチャンバを用いて実施するようなモジュール構成も可能である。その場合、主チャンバ32にパージ機構を増設して、真空排気部78による真空引きと該パージ機構によるパージングとを交互に切り換えるようにすればよい。
【0057】
あるいは、色素溶液滴下塗布部12において、色素溶液滴下塗布の本処理を大気圧または正圧の下で行うようなモジュール構成も可能である。その場合は、真空排気部78を省くことができる。
【0058】
色素溶液滴下塗布モジュール12(i)内の各部についても種種の変形が可能である。たとえば、モジュール12(i)内の平流し搬送機構は、ベルトコンベアに限定されず、コロを敷設するローラコンベア等も可能である。あるいは、平流し搬送機構の代わりに、搬送ロボットが搬送アームを用いて基板出し入れの一切を行うような装置構成も可能である。
【0059】
また、色素溶液滴下塗布の本処理(塗布走査)を行うために、基板Gを静止させて、ノズル64を水平方向に移動させることも可能である。上記実施形態(図6)のように半導体層204の帯状パターンと平行な方向(X方向)に滴下塗布の走査を行うのは、本発明の好適な一態様ではあるが、他の形態も可能である。たとえば、半導体層204の帯状パターンと直交する方向(Y方向)に滴下塗布の走査を行うことも可能である。その場合、走査移動の中でノズル64が半導体層204の上を通過(横断)する時だけ断続的に色素溶液を滴下吐出してもよい。あるいは、色素溶液の使用量が増えるが、ノズル64が色素溶液を連続的に滴下吐出しながら基板Gを一端から他端まで走査する形態も可能である。ノズル64は、スリット形の吐出口を有するものであってもよい。
【0060】
本発明は、上述したように色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて多孔質の半導体層に増感色素を吸着させる工程に好適に適用できる。しかし、基板の表面に形成されている任意の薄膜(特に多孔質の薄膜)に任意の色素を吸着させる処理に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 色素吸着装置
12 色素溶液滴下塗布部
12(1)〜12(3),12(i) 色素溶液滴下塗布モジュール
14 溶媒蒸発除去部
14(1)〜14(12),12(j) 溶媒蒸発除去モジュール
16 リンス部
16(1)〜14(3),12(k) リンスモジュール
18 搬送機構
20 コントローラ
30 前置チャンバ
32 主チャンバ
34 後置チャンバ
40,68,98 ベルトコンベア
48,78,106 真空排気部
56,114 パージガス供給部
60,118 ヒータ
62,82,120 除湿乾燥機
64 ノズル
90 色素溶液供給部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の被処理面に形成されている多孔質の半導体層に色素を吸着させる色素吸着装置であって、
色素を所定の溶媒に溶かした色素溶液を吐出するノズルを備え、前記基板上の前記半導体層に前記色素溶液を前記ノズルより滴下して塗布する色素溶液滴下塗布部と、
前記基板上の前記半導体層に塗布された前記色素溶液から溶媒を蒸発させて除去する溶媒蒸発除去部と、
前記基板上の前記半導体層の表面に付いている不要な色素を洗い落として除去するリンス部と
を有する色素吸着装置。
【請求項2】
前記ノズルが、前記基板上に形成される前記半導体層のパターンに応じた口径およびピッチの吐出口を多数有する、請求項1に記載の色素吸着装置。
【請求項3】
前記色素溶液滴下塗布部が、前記基板上で前記色素溶液の塗布膜が前記半導体層を隈なく覆うように、前記ノズルと前記基板との間で相対的な移動を行わせる走査機構を有する、請求項1または請求項2に記載の色素吸着装置。
【請求項4】
前記色素溶液滴下塗布部が、大気から独立した雰囲気を形成できる第1のチャンバを有し、前記基板上の前記半導体層に対する前記色素溶液の滴下塗布を前記第1のチャンバの中で行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項5】
前記第1のチャンバの室内を減圧状態にするための第1の真空排気部を有する、請求項4に記載の色素吸着装置。
【請求項6】
前記第1のチャンバの室内を除湿するための第1の除湿乾燥機を有する、請求項4または請求項5に記載の色素吸着装置。
【請求項7】
前記第1のチャンバ内に前記基板を平流しで出し入れするための第1の搬送機構を有する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項8】
前記色素溶液滴下塗布部が、大気から独立した雰囲気を形成できる第2のチャンバを有し、前記基板上の前記半導体層に対する前記色素溶液の滴下塗布に先立つ所定の前処理を前記第2のチャンバの中で行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項9】
前記第2のチャンバの室内を減圧状態にするための第2の真空排気部を有する、請求項8に記載の色素吸着装置。
【請求項10】
前記第2のチャンバ内で前記基板上の前記半導体層の表面を加熱するための第1の加熱部を有する、請求項8または請求項9に記載の色素吸着装置。
【請求項11】
前記第2のチャンバの室内を除湿するための第2の除湿乾燥機を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項12】
前記第2のチャンバ内に前記基板を平流しで出し入れするための第2の搬送機構を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項13】
前記色素溶液滴下塗布部が、大気から独立した雰囲気を形成できる第3のチャンバを有し、前記基板上の前記半導体層に対する前記色素溶液の滴下塗布に続く所定の後処理を前記第3のチャンバの中で行う、請求項4〜7のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項14】
前記第3のチャンバ内にパージガスを供給して室内を大気圧状態または正圧状態にするためのパージ機構を有する、請求項13に記載の色素吸着装置。
【請求項15】
前記第3のチャンバ内で前記基板上の前記半導体層の表面を加熱するための第2の加熱部を有する、請求項13または請求項14に記載の色素吸着装置。
【請求項16】
前記第3のチャンバの室内を除湿するための第3の除湿乾燥機を有する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の色素吸着装置。
【請求項17】
前記第3のチャンバ内に前記基板を平流しで出し入れするための第3の搬送機構を有する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の色素吸着装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−12404(P2013−12404A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144542(P2011−144542)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】